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情報化施工に適した工事規模に関する一検討

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Academic year: 2022

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(1)

情報化施工に適した工事規模に関する一検討

国土交通省 国土技術政策総合研究所 正会員 笛田 俊治,宮武 一郎,坂本 俊英 社団法人日本建設機械化協会 施工技術総合研究所 正会員 藤島 崇,○近藤 亮

1.はじめに

国土交通省では、ICTを建設施工に活用して高い生産性と施工品質を確保する情報化施工について、「情 報化施工推進戦略(2008.7)」を策定してその普及促進に取り組んでいる。情報化施工推進戦略では、普及 に向けた課題と対応方針が示されており、その一つとして情報化施工に適した条件(工事規模)の検討があげ られている。

本稿では、これまでの情報化施工に係わる試験施工などの結果を踏まえて、情報化施工の適用に係る費用を 試算し、コストの面から効果が得られる工事規模について検討した結果を報告する。

2.情報化施工に適した工事規模の試算方法

本検討では、情報化施工導入時の効果と機器費および運用 費を考慮した施工単価を試算し、従来工法の施工単価と比較 した。また、工期短縮効果やデータ作成費等の施工単価では 試算できない項目を考慮した費用についても試算し、従来工 法の工事価格と比較した。

さらに、試算した工種を含む工事の発注規模と件数を調査 し、現状で導入可能な(コスト面から効果が得られる)工事 がどの程度あるかを整理した。

(1)試算対象技術

国土交通省が H21 年度の試験施工で普及促進を進めている、

a)マシンガイダンス、b)マシンコントロール、c)TS・GN SSによる締固め(回数)管理の技術を対象に実施した。

(2)試算条件

①表-1 に情報化施工導入時の施工単価の試算条件を示す。

ただし、材料費は情報化施工と従来工法で変化しないこと から試算の対象外とした。

②表-2 に情報化施工導入時の工事価格の試算条件を示す。

ただし、①で示したように材料費を除いた試算とした。

③表-3 に対象技術の適用工種と効果をまとめた。効果は、国 土交通省が実施した試験施工等の資料を基に、情報化施工 に適した工事規模試算に利用可能な施工能力向上および人

力作業削減の定量値を抽出した。ただし、表中の導入効果を「軽微」とした項目は、削減効果としては期待 できるが定量的な効果として明確化されていないことから、本試算では考慮しないこととした。

3.情報化施工に適した条件の試算結果

(1)施工単価の試算結果

上記の試算方法に基づく施工単価の試算結果を図-1 に示す。図-1 のように、マシンコントロール(グレー ダ)では、現状の機器損料・導入効果(施工能力向上および付帯作業の短縮を含む)で従来工法よりコスト面

表-1 情報化施工導入時の施工単価の試算条件

名称 内容

材料費 従来施工、情報化施工で材料費に変化はないの で、同一とし、本試算の対象外とした。

ICT 技師 情報化施工機器に関する日々の設定・調整に要 する人工を計上する。

補助作業員 情報化施工導入時に、作業員の削減効果がある 場合に減じた。

施工能力 情報化施工導入時に、施工能力向上効果がある 場合に能力向上を見込む。

ICT 機器費 本試算では、現状での機器調達状況を踏まえレ ンタル価格(1 ヶ月/30 日)を計上する。

表-2 情報化施工導入時の工事価格の試算条件

項目 内容

「600 万円を超え 10 億円以下」の区分とし、補正値な どは加えないこととする。

情報化施工技術導入の運用費が必要である。本試算で は、レンタルメーカの聴き取り調査から、データ作成 支援および整備に関する費用を1回当りに必要な運用 費として計上。

共通仮設

TS・GNSS を用いた締固め回数管理では、密度測定作業 が削減可能である。このため、品質管理基準の測定頻 度に相当する作業人工・機器損料を減ずる。

「700 万円を超え 10 億円以下」の区分とし、補正値な どは加えないこととする。

現場管

情報化施工では施工能力が向上する場合、工期短縮に より現場を早期に閉鎖できると想定し、現場管理費に 含まれる現場従業員給料を減ずる。本試算では、現場 従業員を2人(所長 1 人、監理技術者 1 人)と仮定し た。ここで、現場従業員の平均日額を以下のように仮 定する。

31,300 円/日(設計業務委託技師B;:積算資料 2010.3)

キーワード 情報化施工,費用対効果,施工単価

連絡先 〒305-0804 茨城県つくば市旭1番地 国土交通省国土技術政策総合研究所 TEL029-864-2211(代) 土木学会第65回年次学術講演会(平成22年9月)

‑727‑

Ⅵ‑364

(2)

で有利となった。また、TS・GNSSを用いた締固め回数管理は、施工単価では従来工法より高いが、共通 仮設費で計上されるRI計法による密度測定を削減できれば従来工法とほぼ同程度となる結果となった。

(2)工事価格の試算結果

情報化施工では(1)に加えて、データ作 成費用や機器整備費などが必要となる。こ の費用を考慮してコスト面で効果が得ら れる工事規模の算出を行った。図-2 にマ シンコントロール(グレーダ)の場合につ いて、費用対効果が得られる工事規模の試 算結果を示す。図中の棒グラフは、平成 19 年度国土交通省直轄事業における発注 工事のうち、1工事当たりの路盤整形工の 数量別の発注件数(路盤整形工を含む舗装 工事)を示している。図より、現状、本技 術を導入し、コスト面で効果が得られる工 事は、全体の約 1 割である。また、図中の 破線は機器損料が現状の 70%程度に低下し た場合についての試算結果である。機器費 低下により、コスト面で効果が得られる工 事は現状の約 2 倍となる。

4.おわりに

本稿では、情報化施工の施工単価を試算 して従来工法との比較を行うとともに、コ スト面での効果が得られる工事規模につ

いて検討した結果を報告した。ただし、本検討の試算で考慮した効果は施工段階に着目した局所的なものであ る。検討の結果、情報化施工技術の一部は従来工法に比べコスト面からも効果があることが明らかになった。

他方、工事規模によってはコスト面で十分な効果が得られるものの、普及に向けては更なるコストダウンが必 要であることも明らかになった。

情報化施工推進戦略には、本稿で対象としたコスト面から効果が得られる工事規模の検討以外にも多くの課 題があげられている。今後、こうした課題にも積極的に取り組んで参りたい。

情報化施工の普及促進に向けて、産官学が参画する情報化施工推進会議にてとりまとめられた。「情報化施工推進戦略」

2008

7

月 国土交 通省より発表された。

「土木工事 積算基準マニュアル 平成21年度版」(財団法人 建設物価調査会)に準拠した積算手法。

表-3 各技術の適用工種と適用効果

工 種 情報化施工

対象技術 測位

方式 導入効果の項目 効果の理由(要因) 効果

の程度 施工能力向上(工期短縮) 施工目標高さへの自動制御(オペレータ支援)による作業の迅速化 1.35

普通作業員削減 補助労務(施工途中の検測作業)の削減 軽微

土の敷

均し マシンコントロール

(ブルドーザ) RTK -GNSS

丁張りの削減 施工目標高さへの自動制御(オペレータ支援)による丁張りの省略 軽微 品質(密度)管理省略 所定の締固め回数の自動記録に伴う密度管理省略 削除 土の締

固め

締固め回数管理

(タイヤローラ) RTK

-GNSS

施工能力向上(工期短縮) オペによる作業中の締固め回数確認の負担軽減による作業効率の向上 軽微

施工能力向上(工期短縮) 施工目標位置への誘導(オペレータ支援)による作業の迅速化 1.1

普通作業員削減 補助労務(施工途中の検測作業)の削減 軽微

法面整

マシンガイダンス

(バックホウ)

RTK -GNSS

丁張りの削減 施工目標位置への誘導(オペレータ支援)による丁張りの省略 軽微 施工能力向上(工期短縮) 施工目標高さへ自動制御(オペレータ支援)による作業の迅速化 1.5

普通作業員削減 施工目標高さ確認のための補助労務の削減 半減

路盤整

マシンコントロール

(モータグレーダ)

自 動 追

TS

丁張りの削減 施工目標高さへの自動制御(オペレータ支援)による丁張りの省略 軽微

マシンコントロール

(ブルドーザ/敷均し)

\12,000

\13,000

\14,000

\15,000

\16,000

\17,000

従来 情報化施工

100m3当り単価

マシンガイダンス

(バックホウ/法面整形)

\30,000

\35,000

\40,000

\45,000

\50,000

\55,000

\60,000

従来 情報化施工

100m2当り単価

マシンコントロール

(モータグレーダ/路盤整形)

\12,000

\13,000

\14,000

\15,000

\16,000

\17,000

従来 情報化施工

100m2当り単価

TS・GNSSによる締固め管理

(ローラ/締固め)

\12,000

\13,000

\14,000

\15,000

\16,000

\17,000

従来 情報化施工

100m3当り単価

RI計法

RI計法に よる密度 測定作業 の削減費

図-1 施工単価の試算結果

図-2 マシンコントロール(モータグレーダ)の試算結果と市場性(例)

229

62

39 27

12 9 5 5 22

0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000 7,000

2,500未満 2,500以上 ~5,000未満 5,000以上 ~7,500未満 7,500以上 ~10,000未満 10,000以上 ~12,500未満 12,500以上 ~15,000未満 15,000以上 ~17,500未満 17,500以上 ~20,000未満 20,000以上

施工面積(㎡)

工事価格(千円) (ただし、材料費を除く路盤整形工のみ)

0 50 100 150 200 250 300 350

路盤工を含む工事件数(件/年)

年間工事件数(路盤整形工を含む舗装工事の件数)

概算工事価格(従来)

情報化施工(工期短縮を考慮した工事価格)

情報化施工機器費70%(工期短縮を考慮した工事価格)

全体の約1割 全体の約2割

12,500m2以上の路盤整形工 5,000m2以上の路盤整形工

土木学会第65回年次学術講演会(平成22年9月)

‑728‑

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参照

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