{論 文】
UDG :624
.
014.
2 :624.
97 :624.
072.
22日本建築 学 会構 造系 論 文報 告 集 第 425 号
・
1991年7月Journa且of StTuct
、
Constr.
Engng,
AIJ,
No.
4Z5、
JuLy
,
1991塔 状 鋼 管
ト
ラ
ス
骨
組
の
座 屈 耐 力
に
関
す
る
研 究
細長
比の小
さい柱 材
で座
屈
する場合
STUDY
ON
BUCKLING
STRENGTH
OF
TUBULAR
STEEL
TOWERS
Case
ofbuckling
at column memberhaving
small slenderness ratio鈴 木 敏 郎
*,
佐
藤
亘宏
* *
,
深 沢
隆
* * *
Toshi
厂ouSUZ
〜YKI
, ハ励 uhiro
’
&
4
TOH
andTakashi
FUI
(A
、
∫AWZ
[We
have
perfor皿ed theloading
tests onbuckling
strength of tubular trussed towers whose mem−
bers are
bolted
each other.
These
toweTs aredesigned
tobukle
at column membershaving
small slenderness ratios.
We havequantitatively
clarified effects of bending moment,
deformation
capacity and stress redistribution of
buckling
member against strength of towers,
And
also,
wehave
established the method of estimating thebllckling
strength of towers.
Futhermore,
effects of eccenricity ratios and slenderness ratios againstbuckling
strength of pipe members composing the towershave
been clarified through the eccentricbuckling
tests.
This
paper represents these ex−
perimental resuluts
.
Keywonts :tnLssed toua
,
buckting
strengtfi,
column member塔 状 トラ ス骨 組, 座 屈 耐 力, 柱材 L は じめに 部 材ど う しが フランジ継手で剛に接合さ れ る
4
台の柱 材 と, 端 部 をせ ん断ボル ト継 手で ピン接 合 される斜 材,
補 助 材,
平面材で構 成 さ れ る Fig.
1に示す塔 状 鋼 管 ト ラ ス骨 組に おい て,細長 比 が小さい 柱 材で座 屈する場 合, 柱 材が連 続 材であること に よ り生 ずる曲げモー
メ ン トの 影 響によ り座屈耐 力は低下 す る と考え ら れるが, 逆に座 屈 柱 材の塑 性変形に伴う応力の再 配 分に より, 骨 組の座 屈 耐 力の上 昇が期待で き る。 部 材が構 面 内 座屈 す る 場合を対 象とし た鋼 管トラス 骨 組に関する研 究とし て は, 主に弦材と腹 材が直 接 溶 接 接 合さ れ る平 面 トラス梁の塑 性変形能 力に着 目し た多くの 研究1)−
1°)が あり,
塑 性 変形に よるエ ネルギー
吸 収に期 待 し た 塑性 設 計 梁とし て の耐 震 性につ い て言 及して い る。
ま た,
塔 状 トラ ス骨 組に関す る研究と しては,
鈴 木 ら の 山形 鋼無線鉄塔を対 象と し た実験 研 究1]),
五十嵐ら の ガ セッ トプレー
トを介し て柱 材と斜材が接 合さ れる鋼 管 骨組を対象と し た実 験 研 究i2) が あり,
主に繰 返し履 歴 特 性につ いて報告さ れて い る。 し か し な が ら,
鋼 管 トラ ス骨 組の座屈 耐 力に着 目し た 研究は,
筆者ら の 知 る限り ほ と ん ど行わ れておらず,
曲 げモー
メ ン トの座屈 耐 力に及ぼす影 響, あるいは座 屈部 材の塑 性 変 形に伴う応 力 再 配 分 現 象につ い て は定 量 的な 形で とらえ ら れて いない のが実 状である。
し た がっ て,
通 常の 場 合,
節 点での剛 域 を無 視しピン 接 合 トラ ス と考え, 軸 力のみ を考慮し た設 計を行っ て お り,
また,
不 静 定 次数の低い構 造 物で あ るこ と から, 骨 組の耐 力は部 材の耐 力か ら一
.
義 的に定ま るもの とし て取 り扱っ て い る。
本研究は,
柱 材の 細長 比 が小さ い,
ガセ ッ トプレー
ト を介して柱 材と斜 材が ボル ト接 合され る塔 状鋼管 トラス 骨組の, 風荷重を想定し た主に水 平 荷 重 載荷に よる座屈 試験を行うことに より,
曲げモー
メ ン トあ るい は 応力の 再配 分現象の骨 組の座屈 耐 力に及ぼす 影 響 を定暈的に把 握す ること を 目的と して いる。 なお,
骨 組 を構 成す る鋼管 部材の中 心 あるい は偏心 圧 縮 応 力 下に お ける座 屈 挙 動に 関して は,
加 藤 ら の研 究13}・
14) が あ り, 細長 比, 偏心率の荷 重 変 形 関 係に及 ぼ す 影 響 を明らか に してい る。
し か し な が ら,
偏心 率の 座屈 耐 力に及ぼす影 響につ い ては言 及さ れて いない こ と か ら,
骨 組の座 屈 試 験 と並 行 し て鋼 管部 材の偏 心 座 屈耐力 試 験を行い,
定量的な把 握を
試みる。
* 東京工業大 学工学 部 建 築 学 科 教 授・
工博 林 (株 )巴組 鐡工所・
工博 家牌 (株 )巴組 蹴 1二所Tokyo Institute of Technology Pmf
.
,
Dr.
Eng.
Tomoeg 皿mi Iron Works,
Ltd、
,
Dr.
Eng.
TomQegumi Iron Works
,
Ltd.
平 面 材 ●
一
面せ ん断ボ ル ト繕 手 ⊂ユ鍛 造フ ラン ジ 継 手 Fig,
1
塔 状 鋼管トラ ス骨 組の概 要 2.
偏心 圧縮 力を う け る 鋼管の座 屈 耐 力2.
ユ 偏心座 屈 試 験の概 要Table
1に示す製 管のま まの鋼 管,
溶 融亜 鉛 めっ き 処 理 を 施 した鋼 管 〔以 後めっ き鋼 管と呼ぶ )につ い て両 端一
方 向 回 転 自 由の条 件に よる,
偏心率 m,
細 長 比λを 変 化さ せ た偏心 圧縮の座 屈 試 験 を 行い,
そ れ ぞ れの座 屈 耐 力に及ぽす影 響を定量的に把 握する。
こ の と き,
偏 心 は回転が自 由と な る方 向に与え る もの と す る。
ま た, そ の大き さを表す偏心率 m は (1 )式で定 義され る。
m;
(MIN )〔D/2)/ie………・
・
……・
…一 ・
…
(1)M
:曲げモー
メ ン トN
:軸 力D :鋼管外 径
i
:断 面二 次半 径 ま た, 細長 比10の両 端 平 押 しの条 件による短柱圧縮 試 験を併せ行う。 な お,
こ の 試験 体は,
両 端の回 転 変 形 に対す る拘束 度 を考慮して, 細 長 比 5とし て取 扱う。
Table
2に,
試 験に用い た,
め っ き割れ感 受性当 量 を 従 米 鋼に対し低く押さ.
えたJIS
G 3474 に規 定さ れ る鉄 塔用 高 張 力 鋼 管STKT
60鋼 管 (以 後 HT60
鋼 管と呼ぶ) の材 料 引張試 験 結果を示す。
2.
2
軸力と部材中央 部 曲 げモー
メ ン トの関 係 中心圧縮の 場 合,
細 長 比5,
10の試 験 体は,
全 断 面が ほ ぼ一
.
様 に降伏 し,
部 材 端 部に おける全 周 局 部 座 屈いわ ゆ る堤 灯座屈で屈服 す る。
ま た, 細 長 此 30,
50の試 験 Table2 材 料 引 張 試 験 結 果 鋼 管サ イ ズ 材質 処 理 方 法 降 伏 応 力 度 σ.
〔t/cめ 引張 強 さ σ。
(t/。ロ21 降 伏 比 Y.
R,
伸び εm.
.
(% ) 製 管のま ま 6.
655.
75o,
9524.
2 φ114.
3罵
5.
8HT60 めっ
き 5.
256.
80o.
9225.
5 製 管のま ま 5,
355,
76o.
9427.
3 φ216.
3K5.
8HT50 めっ
き 5236.
630.
9128.
3 1)材料 引 張斌験は,
:【SZ2241 に規 定 す る 金 属 材 料 引 張 試 験 方 法によ る。
Table 1 偏ICx座 屈 試 験 糸吉果 径 厚 比 細 畏 比 実 験 結 果 」 算 定 結 果 試 験 体 名 称 処 理 方 法 部材サ イ ズ 〔材 質 ) D/t λ 偏心率 mσ.
(t/c皿
うσ。
牌
(t/c亂2) α】
α三
一
σ_
〔ヒ/c皿うσ
唇
r響
/ σ亭
「
,
八一
5−
o 5o 5.
73 A−
10−
O−
27−
50 φ114.
3x5.
8 (HT60) 20lo00.
270.
50s 」7 5」75.
304,
851.
0日Oo.
8550、
800o.
9976.
155、
444.
92LOOD.
970.
99 ヘー
80−
D−
25−
55 3000.
250.
55 6.
055.
404、
53 且.
DODO、
9000.
7850、
9725 』D5.
4D4,
70LOlLooo.
95 B−
5−
0 50 5,
且5 B−
10−
0−
25−
50 めっ
き 1000.
350.
52 6.
165、
444.
771、
0000、
8900.
7goo.
.
9976.
145、
464、
85Loo1.
,
ODOga 6.
16 B−
30−
0−
25−
50 φZ15』x5.
8 側 60} 3730 自 口,
250.
60 5、
09 {、
9呂 4.
33LOOOO.
8800.
755o.
.
9725、
855、
274.
5B1.
04D.
950.
95 B−
50−
O−
25 5000.
3D 5.
554,
621.
.
OOOo8750.
9135.
524.
92D.
.
99094 c−
5−
o 5o 5.
05 C−
10−
O 100 5.
951.
ODOO.
9955.
810、
95 C−
30−
〇−
25−
50 襲 管のま ま φ2L5.
3×5、
呂 〔Hτ60} 373000.
zao.
555.
39.
r5
.
H4、
323.
821.
ODOo.
跼00.
7850.
9455.
B4,
524.
03L.
ooo.
960、
95麟
觀鑞鰈
灘 静
纓 嘉
嬲
纖 飜 灘
・ ・ 一 静 ・一一
一 70 一
体は全体座屈を起こし
,
ほ ぼ中 央 部の圧 縮 側 局 部 座 屈で 屈 服す る。
一
方, 偏心 圧縮の場 合, 細 長 比10
の試験 体は全 体 曲 げ変 形は顕著と な ら ないが, 偏心曲げモー
メ ン トの影 響 により,
部材ほ ぼ中 央 部 圧 縮 側が 降 伏 し,
局 部座屈を 発 生し屈服 す る。 ま た,
細 長 比30,50
の試験 体は,
偏 心 に よる影 響が重畳 さ れた形で全 体 曲げ変形が漸 増し,
細 長 比 10の試 験体と同 様,
ほ ぼ中 央部 圧縮 側が 早期に降 伏する。
Fig
.
2に材軸 方 向の応 力 度 σ一
ひずみ度 εの関 係 を示 す。
こ こ に,
太実線は λ=
5,
細実 線 は λ=
10,
点 線は λ=
・
30,一
点鎖 線は λ;
50 の結果を示す 。 こ の とき,
縦 軸は, 中心圧 縮,
細 長 比 λ=
5の試験体の降 伏 応 力度 σ y で除すことにより無 次 元 化を行う。
な お,
降伏 応 力度は,
製管の ま まの 鋼 管において は, 残 留 応 力 を含む鋼 管と し て0.
2
% off set 法、
で,
めっ き鋼 管に お い て は,
残 留 応 力のない鋼 管に分 禦51され降伏 棚 が顕れる ことか ら, こ れ に対 応す る応 力 度 とし て, 与え ら れ る。ま た
.Fig.
3に部 材ほぼ中 央部圧縮 側で曲 げ 降 伏し局 部 座屈 を 発生 し た試 験 体の,
軸 力 N と回 転 自由と な る 平 面 内の部 材 中 央 部 材軸 直交方 向 変 形 量と軸 力の積か ら 求ま る曲げモー
メン トM
の 関係を示す。
な お, 材 軸直 交 方 向 変 形量は, 局 部 座屈に伴う断 面 変 形の影響を取り 除く意 味か ら, 変位方 向か ら み て左 右2点にセッ ト し た 変位 計か ら得ら れ る値の平 均 値とす る。
このと き,
縦 軸 は軸 力 を 降 伏 軸 力Ny
で,
横 軸は曲げモー
メン ト を 全塑 性モー
メ ン トM
. で除すことに より それ ぞれ無 次元化をσ
/σ.
9 〆σ、
1.
1.
1,
o、
o 1 o,
o,
行う。
これ よ り, い ずれの試 験 体におい ても,
Fig、
3
に おい て△ ▲ △点で示す最大耐 力 (=
座 屈 耐 力 と定義)点は,
N−M
関 係 曲 線が,
(2>式に示す鋼 管の 全 塑 性 耐 力 曲 線と交わ る点 近 傍に ある。N/
Ny;
2/rr・
CQS−
1(MIM
ρ)マ
…’
tt’
’
’
”…”…’
”
(2) Iv。・
・
nD t ay,
M
。;D2
砺,
t:鋼 管 板 厚 2.
3偏心率, 細長 比の座屈 耐 力に及ぼ す影響
Fig
.
3の結 果よ り,
偏心 に よ る座 屈 耐 力の低下 率 α, は,
(2} 式にお け る 全 塑 性耐力の低下率NWNy
と関 連 付けら れ る こ と か ら,
α 1と偏 心 率 m の関 係は,
(1> 式 を (2) 式に代入 す ることによりα1
=
2/π・
cos−
1 (0.
245πMa1 )・
・
…・
・
………
…
(3 ) の形で表すこ と ができ る。な お
,
鋼管部 材の断 面二 次 半 径i
は,
便 宜 的に i; O.
35D・
・
・
…
一・
・
・
・
・
・
…
一・
r・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(4 ) と鋼 管 外 径D
と 比例 関 係にあるもの と し て取 扱 うIG)。
Fig.
4
に応屈応 力 度 σ。
T を処 理 条 件,
細長 比が等し く かっ偏心率 m≡
Oの試 験 体の 降伏 応 力 度 σy1 で除し た値 α1=
σ。 。/σyl と偏心率 m の 関 係 を示す。 これより,
図中 実 線で示す (31
式の結 果は○ 印で示す実 験 結 果と良い 対 応を 示 すこと が確 認さ れ る。
ま た,
偏 心 率が 0の場 合の , 細長比 が限 界 細 長 比より 小さい領 域におけ る座 屈 応 力度と細 長 比の関 係式 とし て (5)式 を用い る。
…
一
π2E /疋・
[1ヨ(・,。
/σ。一
βソ(ユー
β)鬥・
・
…
(5) た だ し,
製 管の ままの鋼 管 β=
0.
6 v 〆a.
1、
塵.
D.
o.
s (%1 Fig.
2 応 力度一
ひずみ度 関係 (材軸 方向 ) 】.
o,
0.
o.
0.
0 N /N.
0LO O.
O.
4 0.
6 0,
SM 〆M,
NIN.
1.
0.
o.
叮.
o,
1.
o.
o.
o、
o,
o.
o
.
o,
o o.
81M /Mb Fig.
3 中央部の 軸 カー
曲 げモー
メ ン ト関 係 N /N.
0・
D O・
2 0 4 0.
6 0.
81M 〆M。
一 71 一
1
.
5 1.
D o.
0.
(一
σ。
.
/a.
1) O.
00.
10.
20.
30.
4m Fig.
4 α1−
m 関 係 1.
5 1,
0 o,
5 0.
α2 (=
σ 4r/σレ
2) o 204 06 0 Fig.
5 at一
λ関1
系 80 λ めっ き を施した鋼 管 β=0,
8
な お, βは比 例 限 応 力 度 σ、 を降 伏応力度 σy で 除し た 値であ り
,
製 管の ま まの鋼 管に比べ て めっ き鋼 管の方が βの 値が大きいの は, 高 温処 理に より残 留 応 力 が一
部 解 除さ れ る15に と に よ る。
これ よ り,
細長 比に よる座 屈 耐 力 低 下 率a2 と細 長比 の関 係 式は (6
)式で表され る。
α 2=
π2E /λ2・
[ユー
1
(αt一
β)〆(1一
β)}2]/σジ……
(6)Fig.
5に偏心率 肌 =0
の試 験 体の座 屈 応 力 度 σ cr を,
処 理 条 件 が 等し く細 長 比 λ・
=
5の試験 体の降伏 応 力 度 ay, で除した値 α 2=
σ, ,/σ。2と細 長比 λの関 係 を 示す。これ より
,
図中 実 線で示す (6)式の結果は,
○●口 印で示す実 験結果 と, 細 長 比が 30以上の領 域で は 良い 対 応 を示す。 し か し ながら, 細 長 比が10と小さい場 合 に は,
文 献 15 )で報告され て い る よ うに,
鋼 管の熱 処 理条 件, 降 伏 応 力 度, 径 厚比等の条 件によっ て は,
降 伏 応 力 度 を越えて応力度が上 昇す る場 合 も ある ことか ら,
図中 点 線で示す要 領で (6 )式 を 補 正する必 要がある。
以上よ り, 偏 心 率
,
細 長 比を考 慮した鋼 管 部 材の座屈 耐力 式は (7)式で表さ れ る。
σ,
。
=
α 1 α,σ,
・
・
…・
・
…・
………・
・
…・
・
・
・
…一 …・
・
(7)3.
塔 状 トラス骨 組の座屈耐力試 験の概 要 3.
1 試 験 骨 組Table
3,
Fig,6
に示す鋼 管 種 別,
骨 組規 模を変化さ せ た,
柱 材 先 行崩壊型の塔 状 トラ ス骨 組3
シ リー
ズ9体 の, 風荷 重を 想定し た 主に水 平 荷 重 載 荷に よ る座 屈 耐 力 試 験 を行い,
曲 げモー
メン トの柱 材の座 屈 耐力に及ぼ す 影響,
塑性 変 形 領 域にお け る応 力 再 配 分に よ る骨組の座 屈耐力の上 昇 現 象を定量 的に把 握する。
試 験 骨組の概 要 を以下に示 す。
(1
}H
シ リー
ズ (め っ き鋼 管 を用い た場 合 )試 験骨組は
,
塔 高 6,
75m,
根 開き 2.
4m,
柱材 傾 斜 角3.
5
度 等の形 状 寸法を共通とし, 結 構 種 別,
柱材細長 比 によ る強 度 性 状の違いに着目 した設 定と す る。
ま た, 座 屈 予 想パ ネル の柱 材と 斜材の軸 力 比が 10 程度 とな る よ う に試 験 体 上 部に高さ4.Om
の載 荷 用 骨 組を取 り付 け る。
座 屈耐力に影 響を及ぼ すフ ァクタ
ー
は,
骨組形 式 と し て ダ ブル ワー
レ ン (DW )骨 組,
柱 材が2分 割さ れる ダ ブル ワー
レ ン (DW2
)骨組,
柱 材 が4分 割される ダ ブル ワー
レ ン (DW 4)骨 組の 3種 類,
斜 材 傾 斜 角 度 θ、 と して 40,50,60
度の3
種類, 座屈 予想 柱 材 細 長 比 λρ と し て 20〜
25,
45 の 2種 類, 荷 重 載 荷 方 向 θ Table3
試験 骨組諸元 座 屈 柱 材 座 屈パ
ネ ル 試 験 骨組 名称 処理 方法 腹 材1
接 含 サ イ ズ 材 質 座屈 部 位 骨 組 結 構 斜 材サ イズ 斜 材 材 質 水平 荷重 載 荷 方 向 θ(d38) H−
1 2 中央 郎 D腎 φ 42.
7x 2.
4 o H−
2 oS 丁颶1 ボル ト Hτoo2 下 中 央 部 D胃2 φ4巳、
5× z.
4 H−
3 めっ
き φ114、
3x 3.
5 45 H−
4 2上 端 部 D尉4 φ50.
5x 2.
3 0 S−
1 4 端 部 φ139.
8× 3.
5STK41 s脚 S−
2 8 端部 SτK41 o 濯 接 φ 34.
D× 2.
3 S−
3 製 菅 のま ま STK414 中 央 部 D胃 S−
4 φ 00.
5× 2.
3 13 A−
1 めっ
き ボル ト φ405、
4×10,
0 旺T603 下 端 部 D胃3 φ139,
8x3
.
55TK41 o 1} 座屈部 位は,
局 部 座 屈 発 生 箇 所 を 示 す。
また,
数宇はパネル爵 号,
上 / 下は分 割さ れるパネ ル の上 下 を 示 す。
2} 骨 組 結 構に お け る記号は本 文 中の 記 述に倣 う。
一 72 一
H
−
,L
図
OOO.
}
O 匿、
糧
0 茗 ‘ 32匪
1陣
Ps−
1 → 図θ
卜
卜
岡
O 露.
国
θ 器の
4 976 枷堀
螢
’
6002 自 凹 丶P (H−
3 )昌
:
lp
(莇
図
「
f
障
匪
OOO.
噸
O 自.
O → P.
ド
P
13B1 随 H−
・!一
図
80.
噂
O 雲.
O P ‘ 3 2 璽L
る劃 P (s−
4 )ヨ s
−
4 …調
り,
匿
6 図 p→
跏 [ P2一
S Oθ
笛
.
岬
OO卜
OOO.
り
OOO.
一
N 08.
一
N80.
卜
9 80.
8 A−
1 P 園 凶 Fig.
6 試 験 骨 組 構 造 図,
偏心率分 布 図 Is,
ooo O鵡
・ o4 として正対方 向 (0度 方 向)と45度 方 向の 2 種類と し,
試 験 骨 組 数は,
そ れぞれ の フ ァ ク ター
を組み合わ せ た 4 体と す る。使用 鋼 材は
,
柱 材はHT
60鋼 管, 斜 材,
補助 材はSTK
41鋼 管,
柱 材に取り付 く鋼板はHT
60
, そ れ以 外 の鋼 板はSS
41 と する。
また,
柱 材 どう し は鍛 造フラ ンジ引 張 継 手,
柱 材と斜 材は一
面せ ん断 継 手,
斜 材 交 点 部は 二 面せ ん断継 手でボル ト接 合さ れ る。 (2)S
シ リー
ズ (製管の ま まの鋼 管を用い た場 合 )試 験骨 組 は塔 高 5
.
3m とし,
骨 組の 曲 げ 剛性, 根開 き形状, 結構によ る強 度 性 状の 違い に着 目し た設 定と す る。
変 動フ ァ クター
は,
骨 組 形 状と し て は シングル ワー
レ ン (SW
)骨組,
DW
骨 組の 2種 類,
曲 げ剛 性 (=
塔 体 幅の塔 高に対す る 比)と して2
種 類,
根 開きの タ イ プと して 2種 類,
λ, と して 6,
34の 2種 類, θ と して は正対 方向 (0
度 方 向 )と13度 方 向の 2種 類と し, 試 験 骨 組 数は そ れ ぞ れの フ ァ ク ター
を組み合わせ た4体 とす る。
使 用 鋼 材は, 柱 材, 斜材, 補 助 材はSTK 41鋼 管,
鋼 板はSS
41と する。
ま た, 部 材 接 合 方式 は溶 接と す る。
(3 ) A シ リー
ズ (実 規 模 送 電用鉄 塔)試験 に 供 す る 送 電用鉄塔は, 塔 高 約 IOO m の 1000 kV 送 電用耐張 型 鉄塔 1体と する
。
試 験 鉄 塔の骨組形 式 は, 上部か らDW
骨 組,
DW2 骨 組 , 柱材が3
分割さ れる ダブル ワー
レン (DW3 ) 骨 組,
DW
4
骨組を適 用 する。
な お,
使 用 鋼材,
接合 方 式は,
H シ リー
ズに 準ず る。
Fig
.
7に代 表的 試 験 骨 組の詳 細 図 を,Table
4に座屈 部 材の材料引張試験および短 柱 圧 縮 試験結 果を示す。
3.
2
載 荷 方 法Fig.
8
に示 す よ うに,
H
シリー
ズに おい て は,
反力壁 に横に取り付けた試験骨組+載 荷 用 骨 組,
S シ リー
ズ に おい て は, 反 力フレー
ムに横に取り付 けた試 験 骨組に,
オイル ジャ ッキ を 用い て骨組に対 し水 平 力P
を 加 え る 方 法で試 験 を 行う。
この と き,
骨 組 自重 W によ る曲げ 変 形 が大きい と考え ら れ るス パ ン の大 きいH
シ リー
ズに おい て は,
試 験 骨 組の先 端部を,
滑 車を介し た ウエ イ ト 1/2W に よ り吊り上げ る機構の 自重バ ラ ン ス装 置を組み 込 むことによ り, 曲げ変形 の緩 和を図る。
なお, 弾 性 的な挙 動を示す領 域に お い て ば
,
ロー
ドセ ル か ら の 出 力荷 重によ り,
非 線 形 挙 動 領 域に おい て は,
試 験 骨 組 頂 部の変 位 量に よ り,
載 荷 増 分 荷 重 を 制 御す る。
A
シ リー
ズに おい て は,Photo.
1に示す よ うに,
鉄 塔 各部に取 付けた ワイ ヤロー
プを水 平荷 重に おい て は反 力 鉄塔を介し,
鉛 直 荷 重につ い て は直接 ウインチに よっ て緊 張す る方 法で載荷す る。 荷 重の読み取 り は ワ イヤ ロー
プ先 端に取付け たロー
ドセ ル か ら の 出力 に より行一 73 一
O
頃
卜
り
广 m卜
OOO 「 DT … [ OO口
の
O卜
卜
Nlil
:nN 3 20 J
L .
.
.
2.
二_
弖。−
9−.
.
_
」L__
L」
廴堕一
一1
日.
.
2試 験 骨 組 S−
1 試験骨 組 Fig.
7 試験体詳細図 Table4 材 料 引 張,
短 柱 圧 縮 試 験結.
果 材 料 引 張 試 験 短続圧縮試験 鋼 管 サ イ ズ 材 質 〔処 理 方 法 } σプ
9t
/cr σD
う
t/c ガ 冒.
R.
εm』
% σ.
,
し/c国2 σ.
.
t/c口z σ.
.
ε」
1
/ σ7 % φ40昼.
4×覧O.
0 5、
965.
β2O.
9033.
36.
0臼 5.
081.
00 0.
4 φ114.
霹x 3.
5HT60(めっ
き) 6.
346.
81o.
9322.
06.
835.
呂31、
DO O.
5 φ139.
8× 3.
5 3.
514、
350,
8130.
02.
933.
381.
16 且.
3 φ 60,
5x 2.
3ST 匠41 (製 菅 の ま ま ) 3、
834.
εoo.
833 且.
52.
983.
57L20 1.
5 1)re号 説 明 ov :降 伏 応 力 度,
ab :引 張 強 さ,
σu:,
最 大 圧 構 応 力 度 Y,
R,
t降 伏 比,
em,
、
:伸 び,
ε.
.
:
σ.
に対 応 す るひずみ度 幻 材 料 引 張 試 験 は,
JISZ224Lに糎 定 する金 属 材 料 引 張試験 方法に よ る。
帥 短 柱 圧 縮 試 験にお け る,
試 験 体 艮 さは3D 〔鋼 管 外 径1とする。
い,
多 点 載荷制御シ ス テムを用いて遠 隔自動 制 御 す る。
こ のと き,
荷重の組 合せ は多くの部 材の決 定ケー
ス と な る線路 方向直交 風 向 時とする。
ま た,
鉛 直荷重の う ち架 渉 線自重による荷 重は長 期 設 計 荷重 レベ ル に おい て載 荷 を停止 す る が, それ以 外の荷 重につ い ては最 大 耐 力 時ま で比例的に載 荷し,
崩 壊に至 ら し め る。
な お,
荷 重P
は,
塔 頂 部に加わ る水平載 荷 荷 重を もっ て表 現す る。
3.
3 計測方 法計 測は
,
試 験 骨 組より独立 し たフ レー
ム に取 り付け た 骨 組各部の変 位 計 測 用の褶動 型 変位 計,
部材に貼 付し た 応 力 計 測 用の ひずみ ゲー
ジ, せ ん断接 合 部に取り付け た 滑り変 形 計 測 用のパ イ 型変 位 計 を 用い て行う。
なお,
実.
規 模 送 電 用鉄 塔におい て,
鉄 塔 頂 部の変 位 計 測は光 学変 位計で, その他の変 形は トラ ン シ ッ トで行 う。
こ れ ら のデー
タ はス キャナー,
インター
フ ェ イス,
パー
ソナル コ ンピュー
タ,
プロ ッ タ か ら な る.
計 測 シス テムに よ り自動 計 測さ れ る。
一 74 一
自 重 (W )バラン ス装 置 H シ リ ズS
シ リー
ズ Fig.
8 試 験 装 置 概 要 図 1.
2 Photo.
1 試 験 設 備 概 要 (Aシ リ
ー
ズ} 1.
o 0.
8O.
6 0.
4 0,
2 m mex O DW 骨組 △ D・
W2 骨 組 [] DW3,
DW4 骨 組 囗 囗 口 △ △ △目
口 口 △儀
幽 公轟
・ ° △纛
40 50 60 θo{deg) Fig.
9 パネル最大偏心率と腹 材 傾 斜角の関係4。
曲 げモー
メ ン トの座 屈 耐 力に 及 ぼ す影 響 4.
1 骨 組の偏 心 率 分布 Fig.
6に弾 性応 力 解 析 に基づく柱 材の 偏 心 痢 分 布 を,
Fig.
9に各パ ネル に お け る最大 偏 心 率 Mma.
と斜材傾斜 角 度 θ,の 関 係を小 す。
これ よ り,
斜 材 傾 斜 角 度が大きい ほ ど,
あ るい は 骨 組結 構の 不 静定 次 数 が 大きい ほど偏心率は大きく
,
最 も 大 きい ケー
スでは 0.
7を超え る値と なる。
な お, 貼付し たひずみ ゲ
ー
ジに よ り計 測さ れ た結 果は 弾性 応力 解 析 結 果と良い対 応 を示す。
4.
2 座屈 箇 所の軸 力と曲げモー
メ ン トの関 係座 屈柱 材の細 長 比が30
』
を 下 回るH −4,S一
ユ,
S −2,
A −
1試 験骨組は,
Fig.
6に■ 印で示す 圧縮柱材 端 部ある い はフ ランジ 継 手 上端 部に お い て, 曲げ モー
メン トの影 響によ る 圧縮側の局 部座屈で屈 服する。
ま た,
そ れ以 外 の柱 材 細 長 比 30以.
L
の試 験 骨 組は,
●印で示 す部 材 中 央 部におい て,
主に細 長 比の影 響に より, 曲げ座 屈で屈 服崩壊に 至 る。Fig.
10に ひずみ ゲー
ジよ り計測 され る 座屈 箇 所の軸 力と曲げモー
メ ン トの関 係 を 示す。
こ こに,
実 線は実 験 結 果 を, ○ 口 印の プロ ッ ト点は文 献16)の有 限変 形理 論に基づ く非 線 形解析結果を示す。
な お,
塑 性 域にお け る計測ひずみ値か ら軸 力 ある い は 曲 げモー
メ ン トへ の変 換は 以.
ドの要 領で行 う。
鋼 管 断 面に軸 力と曲げモ
ー
メ ン トが作 用する場 合, 曲 げモー
メ ン トが最大と な る方 向に軸 を 合わせることによ り,一・
律にFig.
1ユ に示す断 面 応 力 状 態とし て取り扱う ことが で きる。
な お,
応 力度 σ一
ひずみ度 ε関 係 , 剛性 N /Nv l.
1.
o.
o.
o.
0.
0.
Fig.
le σ otIa》
00 0 0.
2 0,
0 0.
2 M/Mp 座屈 箇 所 近 傍に お け る軸 力 と 曲 げモー
メ ン トの関 係一
騰
、コ
、
3
〜 E,は,Fig,
12に 小 す要 領で,
た形に モデル化す る。0
≦ε〈ε。 σ=E
εE
,=E
ε。≦εくεu σ=
E 露一
ε。)+σ。Et
;Ek
ε。≦ε σ=
σ秘
E
!=0
σρ,
εp :比 例 限 応 力 度,
ひずみ度 σ u,
εu :最 大 応 力度, ひずみ度 (8)式に示す簡 略化 し一
(8) この と き,
図 中の 断面ひずみ度分布に対応す る軸 力 あ るいは曲げモー
メ ン トは,
中 央 軸ひずみ Et曲率φに よっ て (9)式 で表 さ れ る。
な お, 鋼管 肉 厚 tは半 径 r に 比べ て十 分 小さ く,
鋼 管 径 上に集 中し た断面 積が あ るも の と す る。
π
f2 N − ・・砿
・ud ・・…
∬
↓i
・・(・+ ・φ… θ一
E。)・ a.lde
・…
∬
・(・+ rφ・… )・・・…
∬
臨 ・+・φ・… + E。)一
・Sd
・・ ・ r ・
fli
,(−
au)・・ M−
・・2・∬
/2 σ・s…d
θ… 2・
∬
臥(・+・φ… θ一
Ep〕・ a。1
・・・…… 2・
∬
・(・+ ・φ… θ)… ed・ (t/cm つ 8,
0 6,
0 4,
0 εv
2.
0 r eua−
e 関係 0 0 0.
5 1,
0 1.
5 2,
0 ε (% ) Fig.
12 非 線 形 解析に用いる応 力度一
ひずみ度関係 曲線一
ε・
」
−
eu 昌,
7
:.
.
_.
一
一
一
賦
一
σノ
十.
.
.
.
.
.
齟
π
一
一
・
’
幽
σ亘
.
一
σ圏
.
山
一
一
.
一
.
一.
一
σ’
0.
’
一
一.
一
.
一
一
齟
.
・
.
.
一
一
EKE一
1
一
.
.
」
一
’
一.一
一
一
一
一
一
r11
ε ひ ず み 分布 Fig.
11 鋼 管 断 面にお け るひず み分 布と応 力,
剛 性の 関 係 応 力 分 布 剛 性 分布一
75
1
:
1
:
:
鷺
踏
r
紬例
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
囓
・
一・
(9) ち なみ に部材 剛性は (ユ0) 式で表 さ れ る。
E・・一
・畷
・・+・
E
∬
r・de
+職
∬
・醐 ・t・y−
・ム∬
・・・… ’・d
・・・
E
∬
・・… n2 θ・・・…
∫
》
・… θ・・ ・t・y−
・E・∬
・ 3 … s2 θd
・…
∬
・・… s2 θ・・・ ・瓜
∬
・・… s2 θ・・…
〔10)A
:断 面積 右,
ム:断 面二 次モー
メ ン ト 解析で は, 座 屈パ ネル の柱 材につ い て,
(9)式に示 す中央軸ひずみ度,
曲率 と部 材 応 力の関 係,
(10
)式に 示す部 材剛 性 との関係 を組み込む ことに よ り,
材 料 非 線 形 性を考 慮す る。 ま た, ガセ ッ トプレー
トが取り付く柱 材 要 素は剛 域と し て,
ま た柱 材 以 外の部 材は弾 性と して 扱う。
これ よ り, 1V−
M 関係は,
部材 が 全 体 座 屈 する場 合は 付 加 曲げモー
メン トが生ず るこ と か ら曲線と な るのに対 し, 端 部で局部座屈 する場 合は ほぼ直線と な る。
ま た,
Fig.
loにおい て▲ 印で示す骨 組の 最大 耐 力 (= 座屈耐 力と定 義 〉点は,
柱 材に高張 力 鋼を用いたH ,A
シ リー
ズに お い て は,N
−
M 関 係 曲 線が NINy−
M /Mp
関 係 曲 面と交わ る点近傍とな る の に対し,
細長 比の小さい軟 鋼 を 用い たS
シ リー
ズにおい ては,
降 伏 曲 面を越え た領 域 とな る。
4,
3 曲 げモー
メ ン トの座 屈 耐 力に及ぼ す影響曲げモ
ー
メ ン トに よ る骨 組の座 屈 耐 力 低 ト率算定 要領 を下 記に 示す。
(ユ) 全 体座 屈す る場合節 点間中 央 位 置の 曲げモ
ー
メン トに よ る耐 力 低 下 率 α 1 と 細 長比に よる耐力 低 下率 α ,の積に 降 伏 軸 力仙 を 乗じる ことに よ り求める。
な お,
Fig,
13に示 す 全体座 屈 し た試 験 骨 組の座屈 柱 材の曲 率 分 布 図より,
座屈 長さ 係 数は o,
5と す る。Fig.
14に c の場 合の算定要領図を 示す。
〔2) 部 材 端部, フ ラン ジ部 近 傍で局 部座屈す る 場 合 曲げモー
メ ン トに よる耐 力 低 下 率 α 1 に降 伏 軸 力Ny を乗じる こと に よ り求め,
細長 比 によ る耐力 低 下 は考慮一 76 一
… L/LI=
O、
59 Fig.
13座 屈 耐力点近傍に おける座 屈 部 材の曲 率分布 (部材 全 体 座 屈の場 合 ) N /N
,
t.
0 o.
5 0.
0 0 0 D.
5 M/Mp Fig.
14 部 材の座屈 耐力 算 定 要 領 図 〔部 材 全 体 座屈の場 合 ) し ない。ま た,
曲 げモー
メ ン ト算 定 位 置は ガセ ッ トプレー
ト等によ る剛 域 を考 慮してス チフナプレー
ト位 置 あるい は フラン ジに取 り付く鋼 管 位 置とす る。
この と き,
上 記 検 討に基づ く座 屈 耐 力の,
弾 性 応 力 解 析に お け る軸応 力に対する比が最 も小さい部 位におけ る 座屈が先 行す る。
Fig.
5に各試 験骨組を 対 象 とした 上記 算 定 結 果を 示 す。
これ よ り,
曲 げモー
メン トに よ る 座屈 耐力低下率は, 最 大 15% 程 度 とな り,
細 長比 が小さい部 材で構 成され る塔状 ト ラス骨 組の 座 屈 耐 力の 算定に おい て は, 曲げ モー
メン トの座 屈 耐 力に及ぼ す影 響に留 意する必 要が あ る。
5.
応 力再 配 分に よ る座 屈 耐 力の上 昇 率 5.
1 荷 重一
部 材ひずみ関係 Fig.
15に代 表的 試 験 骨 組の,
座屈耐 力に至るまでの 荷重P
と座屈パ ネル の柱 材お よ び 腹 材 軸 応 力 N。
,
N,関 係 曲 線を示す。 縦 軸は 座 屈 が 予想され る最も安全率の小Phote
.
2 A−
1試 験 骨 組の座屈状況 P /Pv N實
(t ) 60 40 20 0 20 40 60 NG (の P/P。
Nt (t ) 10 5o P /Pv5 !ON。
(t ) Fig.
15 荷 重一
座屈パ ネル部 材 応 力関 係 さい部材の 軸 力が降 伏 応 力度Oyc に達す る ときの荷 重 Pyで除すことにより無 次 元 化する。
こ こ に,
実 線は実 験 結 果,
○ 印の プロ ッ ト点は非 線 形 解析 結果 を示 す。
な お,
実 験 結 果に お け る部 材が塑 性 化 し た場 合の 応 力 は,
計 測ひずみ か ら (9)式 を用い て求まる値 を節 点の 釣 合いを考慮して補正する方 法 を採る。
こ れ よ り,
0度 方 向 載 荷の試 験 骨 組に おい て,
めっ き を Fig.
16 座 屈 柱 材の塑 性 化に伴う構面 負担力の変 化 高 張 力 鋼管を適 用し た場 合は,
応 力 材である柱 材,
斜 材 につ い て は接 合 部 滑り変 形に よる影 響は ほ と ん ど受け ず, 座 屈箇所 以 外 最 大 耐 力 時 まで直 線 的な挙 動 を示すの に対し,
製 管の ま まの軟 鋼 鋼 管 を適用 し た 場合は,
座屈 部材の 塑 性 化に伴い, 座 屈 部 材の応 力の荷重に対す る比 率が低 下し,
応 力 再 配 分 現 象が生じ る。
荷重 載 荷 方 向がO度 方 向と 異 な る 場合に おい て は
,
Fig.
16に示 す 要 領で座 屈柱 材を含む構面の増 分 負 担 水 平力が低 下す ることによ り, 上 述の現象と は機構の異な る応力再配 分 現 象が現れ る。
こ れ は,Fig.
17に示 す試 験骨 組 頂 部の軌 跡 図に おい て, 荷 重 載荷方 向が0°
あ る い は4S°
の左 右 対 称 載 荷の場 合はほ と ん ど現れ ないねじ れ変形 が,
左 右 対 象 載 荷で ないS−
4試 験 骨 組におい て 顕 著となるこ と か ら も明ら か である。
なお, Fig.
17に示す変形量 は,
Py
に対 応 する弾 性 変 形暈 錫で除す ことによ り無 次元化し た形で表さ れ る。
5.
2 荷 重一
変 形 関 係Fig.18
に,
荷 重P
と 塔頂
部 水平変形 量 δの関係を示 す。
こ の と き,
縦 軸は Pyで,
横 軸は 飢で そ れぞ れ除一
77
− .
.
H 2 H 3 座 屈耐 力 点 、 2 3 δ/ o 1▼ 2 3 y δ /δ . S 3 0 1 2 3 4
5
6 δ /δ.
S 4 O l 2 3 4 5 6 Fig,
1ア 試 験 骨組 頂 部の軌 跡 δ/δ . すことにより無 次 元 化を行う。
ま た, 図中の実 線は実 験 結 果,
プロ ッ ト点は非線形解 析結果 を 示す。
な お, ボル ト接 合 部が滑り変 形を生ずる
H ,A
シ リー
ズの試 験 骨 組に おける荷 重一
変 形 関 係は,
崩壊に 至 ら し める前ルー
プの 正方 向 載 荷 除 荷 曲 線が荷重 P=
0の横 軸 と交わ る点 を原 点とし て描く。 こ の と き,
太実 線で示す 第.・
象 限の荷 重一
変 形 関 係は,
接 合 部 滑り変 形の影響が ほぼ 取 り除か れ た形とな る。
ち なみ に,
接合部滑 り変 形 に起 因す る骨 組の変 形 量は,
文 献 17)よ り (11
)式で 表さ れるa δ=
Σ二(八riδεi)…・
・
……
………
…・
……・
……・
・
(ll)N
,:全 体 変 形に対 する変形寄与率 (=
単位 応 力 係 数 )δ。i :せ ん断 接 合 部の滑り変形量 柱 材 に高 張 力めっ き鋼 管を用いた
H ,A
シ リー
ズの 正対方 向 載 荷の試 験 骨 組におい て は,
0.
9Py 近傍におい て座 屈 (図 中▼ 印で示 す)屈 服 し, 急 激な耐 力 低 下を来 たす。
こ の とき,
斜 材 傾 斜 角 度が大きい ほ ど,
柱 材に生 ずる曲 げモー
メ ン トが大き く なり,
座 屈 耐 力は小さ く な る。
な お,
柱 材 細長 比 による差 異は座 屈 長さ が低 減され る傾向にあ ることか ら,
顕 著と な ら ない。
柱 材に製管の ままの軟 鋼鋼 管 を 用い た S シリ
ー
ズの正 対 方向 載 荷の試験 骨 組に お いて は, 高 張 力めっ き 鋼 管 を 用い た場 合に比べ て,
応 力の再 配 分 現 象が顕 著と な り,
骨 組の耐 力が 大 きい。
ち なみ に S−
】,S −
2試 験 骨 組は,
1.
1−
1.
2 Py の 荷重レベ ル に おい て 座 凪し,
柱材屈曲 点 の 角 度が 小さ い S−
2試 験 骨組の 方が,
座 屈 箇 所の 曲げ モー
メ ン トが小さく な る こと か ら座 屈耐 力が大きい。
ま た S−
3試 験骨組は,
斜材の柱 材に対す る剛 性が 大 きい一 78 一
P/Py H−
1 0,
5 1ド
’ δ /δ . !:ノ O l’
/〆Fド
/
0.
5 P /P ソ H−
2 0,
5 1 δ /δ. O l O.
5 P /P.
H−
3↑
0.
5 1 δ /δ.
!ゲ 0 1’
ノ.
〆ノ
ノ
0.
5 P /P.
H−
4 1 0.
5 ▼↑
δ /δ.
.
/尸
’
」
0 0.
5 1 Fig.
18.
1 荷 重一
試 験 骨 組 頂 部 荷重 載 荷 方向 変 形 関 係2
.
0 1.
5 1。
O 0.
5 0.
0 2.
0 1.
5 1.
0 0.
5 O.
0 P /Py 0 1P /Py 234 δ/δ.
0 P /P、
Fig.
18.
2 荷重一
試 験骨 組 頂 部 荷 重 載 荷方向 変 形 関 係 こと か ら,1.
4P
亨 を超える荷 重レ ベ ルまで座屈屈 服 し な い。
荷 重 載 荷 方 向が正 対 方 向 と異な る試験 骨 組は,
0
度 正 対 方 向 載 荷の試験 骨組に比べ,
座 屈 耐 力が 10%程 度 ヒ 回る。
これは, 0度 載 荷の試験骨 組は 2台の圧 縮 側柱 材 がほぼ同 時に座 屈する の に対し,
正対 方 向 と異な る 試験 骨 組 は.
圧縮 側 1台の柱 材の座屈 が先 行し他の 3脚で安 定 構 造を 形成す ることに起 因する。
骨組の塑 性 変形 能 力 (
=
δ。 ./δ。
−
1)は,S
シ リー
ズ がH ,
A
シリー
ズに比べ て 大 きい。
ち な み に,
骨 組の 塑 性 変 形 能 力は, 荷重に対し応 力 分 布が一
定, す な わち 応 力 再 配 分が ない も の と仮 定 すると.
(12
)式で表すこ と がで き る。
δcr/δe
−
1=
Σ (IViδcrt)/Σ (N
,N
,L
‘/EA
,)一
(12
)N
,:線形応 力解 析において,
座 屈 部材が 座屈 応 力に達 す る時の 各 部 材の応 力 δ. .i :各 部 材の応 力N‘に対 応す る材 料引 張 試 験 結 果から求め られ る塑 性 変 形 量, た だ し
,
座 屈 部 材以 外は弾性 挙 動 を示す こ と か ら0と して扱う L‘:部材長さ ん :部 材断面 積
この算 定結 果は Fig
.
18に今
印で示 すが, 実験結果と ほぼ良い対 応を示 す。
こ れ よ り, 骨 組の塑 性 変形能力に おいて,
座 屈 部 材の座 屈 耐 力 時の 塑 性 変 形が支配的とな る こと が確認 さ れる。
な お, 実 験 結 果と非 線 形解析結 果は
,
座 屈 耐 力,
変形 性 状 両 面に おい て,
お お むね良い対応を示す。
5.
3座 屈 部 材の塑性 変形 能 力と骨 組の座 屈 耐 力 上 昇 率 の関 係 (1) 座 屈 部 材に取り付く斜材の負 担 分
座 屈 柱 材の塑 性 化に伴い
,
座 屈 柱 材に取り付く斜材が 柱材 負 担 応 力の一
部 を受け持つ 。ま た,
そ の負 担 割 合は,
斜 材の柱 材に対す る 剛性比 と 座屈 部 材の塑 性 変形能力に より決まる。
塑 性 域にお け る柱 材
,
腹 材の鉛 直 方 向の剛性D
.,
D。 は,
斜 材 が 十 分な 剛性を有し て い る場 合,Fig.
19に示 ζ留
β O.
0 σ /σ.
o.
oFig.
19 O.
5 1.
O Et /E 座 屈 柱 材の塑 性化 に伴う部 材 負 担 応 力の変化79
一
す よ うに
,
£
1
:
盤
器鼠
}
……・
…・
・
・
…
;・
・
:…一
(13)’
E,,
E
:ヤング係数 A角 Ab :断面 積 e.,
θ、:部材傾斜 角度n :柱材に取 り付 く斜 材 数
SW
骨 組 1その他の 骨 組2 と表さ れ るe こ のと き,
比例限以降の荷重 増 分に対 する応 力 増 分は, 上記剛性 比 率に よ る もの と する と,
骨 組の座 屈 耐力上昇 率 7,は, 応 力 再 配 分が行わ れ ない 場 合との負 担 荷重の 比 率か ら,
次 式に て表さ れ る。
∬
(Dp
+D
・)d
・+∬
墜
・ ・即 ∂・・ い構 面が含む構 面の負 担 応 力の一
部を受け持つ。
ま た, その負担 割 合は, 構 面の剛性 比と座 屈 部 材の塑 性 変 形 能 力に より決ま る6こ の と き
,
座 屈部材
を含む構 面と含まな い構 面の剛 性 比をEtt
(.
下 添字1
はTi−C
。構 面, 2は CrC 。構 面 を示 す):E と仮 定すると, 比 例 限 以 降の荷 重 増 分に対す る 応 力 増 分は,
上 記 剛 性 比 率に よるもの と する と,
骨 組の 座 屈耐 力上昇率 rzは応 力 再 配 分が行わ れ ない場 合との 負担荷重の比 率か ら,
次 式に て表さ れ る。
ri=
∫
ζ η (De
十D
,)dx
一1
+ 万浄
D
わ轟
fstn
(EIE
・− 1
)dx
一
1+ 。紜
轟
・・ζ,・,……・
一 ・
・
……・
・14・ こ こ にη:柱 材座屈応 力 度の降 伏 応 力 度に対す る 比率 (
;
ala2 ).
!ζ:応 力上昇率 (
=
妬 /σの1
F
(ζ,
η,
β)=
(ζ一
β)tanh
−
11(ζη一
β}/(ζ一
β)}.
一
(ζη一
β)E
,=
[1−
1
(コc一
β)/(ζ一
β)ドユE (5)式の座屈応 力 度と細 長 比の関 係式 か ら設 定こ の と き
,F
〔ζ,
η,
β)/(ζη)は座 屈 部材の塑性変 形 能 力 を 表 す 指 標と な る。
(2) 座屈柱材を含ま ない構 面の負 担 分荷 重 載 荷方向が 正対 方 向と 異な る場合
,Fig.
16に示 す よ うに,
座 屈 柱材の塑 性 化に伴い,
座屈 柱 材を含ま な 7!=
=
∬
(・・s θ +…e
)・x.
+r
… s ・+・…ldx
−
1+ 。 。sC綛
i
。 、f
, 「” (・/・・−
1)dx
f
” ζη (E
/E
,2Tl )dxf
, 9’ (・ ・S ・+・… 〉・・∬
〔・+E
・E
・ c・s ・+E… s血 ・塵
sin θ十 cOS
b
十sin θ COS θ 1Fl
(ζ,
η,
β)=
1十 cos θ十sin θ ζη ・ ゼ。s灘
、。茜
凡(ζ… β・tt−
…
(15)た だ し
,F
,(ζ,
η,β),Fz
(ζ,
η,
β)は (14 )式の F (ζ,η. β)と同 値で あ る が,
座 屈し な い圧縮 柱材C1
は弾 性 領 域 にと どまるものと して,F,(ζ,η,
β)の 上 限 値 を規 定する。
(3) 応 力 再 配分に よる骨組の座屈
耐力上昇率以 上
,
応力再配 分に よる骨 組の座 屈耐力 上 昇 率 γ は 次 式で.
表さ れ る。γ
一
ル
………一 …・
…一 一 …・
・
…一
…・
・
…
(16) こ の と き,
求める骨 組の座 屈 耐力 はPcr
=
ζηγP
,・
…・
…・
…・
……・
……・
・
…・
………
(17) で与え ら れ る。Table
5に,
上記の骨組の座 屈 耐 力上昇を考慮し た座 Table5 骨 組の座 屈耐力 算 定 結 果 ζの算定 り の 算 定 71 の算 定.
.
72の算定 P。
.
の算 定 試 験 骨 組 名 称 σγ
t/c皿
2 σ川
oメ
t/c翫2 ζ1
β λ λ.
m α 1 α 2 η Db / DpΦ,
F γ 〕 θ FIdeg 十 F272Pワ
「
し
/ PrPロ
/ Pソ
P曙
博
/ Pし
「
し
H−
1 45220.
0630.
9mD.
98ゆ0、
930.
11巴o.
0291.
00 H−
2 1.
01Looo.
96Loo 1Z、
0、
且7LO.
9250.
9950,
920o.
且33o.
Ol9LOO0
,
940、
920.
940.
8邑 0.
930.
gzO.
9呂 o.
呂5 H−
35、
835.
83 且.
000、
B24 15O,
0191.
D2H
−
4 {221D6.
335O.
8501,
0DOO、
8600.
311O、
0021.
00 S−
1 0.
1620.
9301.
000O、
930o.
2351.
01 (5) o 0.
02δ S−
22.
333.
3BL16o,
麟 O、
0250.
990LOOOo.
ggo2o
,
7231.
02 Lo9 且.
17 乳・
36 且.
51 1.
12L20L401.
551D
.
970、
980.
970.
97 S−
3 34F0.
0200.
9950.
990o.
3850.
250.
5731、
L5 S−
42.
963,
571.
200、
6 130.
OOOL11.
1 A−
L6、
Q8 唾,
081.
ooo.
5 (26> oo.
L99O,
915 LOOO■
O
.
915o.
090.
0151.
DO i O.
92O.
92 1.
DOi
臨
σ鞭