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鋳造アルミニウム合金AC4CHの疲労挙動に及ぼす鋳造欠陥の影響とその疲労強度向上のための組織改質に関する研究

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(1)

Author(s) 田尻, 明子 Report No.(Doctoral Degree) 博士(工学) 工博甲第508号 Issue Date 2016-09-30 Type 博士論文 Version ETD URL http://hdl.handle.net/20.500.12099/55517 ※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

(2)

鋳造アルミニウム合金

AC4CH の疲労挙動

に及ぼす鋳造欠陥の影響とその疲労強度

向上のための組織改質に関する研究

Effect of casting defect on fatigue behavior in cast

aluminum alloy AC4CH and improvement of fatigue

strength by microstructural modification

(3)
(4)

鋳造アルミニウム合金

AC4CH の疲労挙動

に及ぼす鋳造欠陥の影響とその疲労強度

向上のための組織改質に関する研究

Effect of casting defect on fatigue behavior in cast

aluminum alloy AC4CH and improvement of fatigue

strength by microstructural modification

2016 年 9 月

(5)

目 次

第 1 章 緒 論

1

1 . 1 疲 労 現 象 解 明 の 重 要 性 2 1 . 2 鋳 造 ア ル ミ ニ ウ ム 合 金 3 1 . 3 大 型 構 造 物 の 疲 労 強 度 に 対 す る 鋳 巣 サ イ ズ の 定 量 評 価 4 1 . 4 鋳 巣 除 去 に よ る 疲 労 強 度 の 向 上 5 1 . 5 本 論 文 の 目 的 と 構 成 6

第 2 章 ア ル ミ ニ ウ ム 合 金

AC4CH 大 型 鋳 物 の 疲 労 挙 動

に 及 ぼ す 鋳 造 欠 陥 の 影 響

7

2 . 1 緒 言 8 2 . 2 供 試 材 お よ び 試 験 方 法 9 2 . 2 . 1 供 試 材 お よ び 試 験 片 9 2 . 2 . 2 組 織 観 察 お よ び ビ ッ カ ー ス 硬 さ 12 2 . 2 . 3 実 験 装 置 お よ び 試 験 方 法 17 2 . 2 . 4 極 値 統 計 法 18 2 . 2 . 4 . 1 極 値 統 計 法 18 2 . 2 . 4 . 2 隣 接 し た 鋳 巣 の 統 合 19 2 . 2 . 4 . 2 . 1 Type 1 20 2 . 2 . 4 . 2 . 2 Type 2 21 2 . 2 . 4 . 3 疲 労 限 度 推 定 22 2 . 3 実 験 結 果 23 2 . 3 . 1 S-N 曲 線 23 2 . 3 . 2 破 面 観 察 25 2 . 4 考 察 28 2 . 4 . 1 極 値 統 計 に よ る 解 析 28 2 . 4 . 1 . 1 Type 1 に よ る 鋳 巣 の 統 合 28

(6)

2 . 4 . 1 . 2 Type 2 に よ る 鋳 巣 の 結 合 31 2 . 4 . 2 鋳 巣 の 統 合 の 違 い に よ る 比 較 34 2 . 4 . 2 . 1 Material A 34 2 . 4 . 2 . 2 Material B 35 2 . 4 . 2 . 3 Material C 36 2 . 4 . 2 . 4 Material D 37 2 . 4 . 2 . 5 Material 1 38 2 . 4 . 2 . 6 Material 2 39 2 . 4 . 2 . 7 Material 3 40 2 . 4 . 3 疲 労 限 度 推 定 式 の 妥 当 性 評 価 41 2 . 4 . 3 . 1 大 型 鋳 造 材 か ら 採 取 し た A ~ D 材 に つ い て 41 2 . 4 . 3 . 2 鋳 造 条 件 の 異 な る 1 ~ 3 材 に つ い て 41 2 . 4 . 4 新 た な 疲 労 限 度 推 定 式 の 提 案 46 2 . 4 . 4 . 1 Type 1 に 基 づ く 疲 労 限 度 推 定 式 47 2 . 4 . 4 . 2 Type2 に 基 づ く 疲 労 限 度 推 定 式 48 2 . 5 結 言 49

第 3 章 摩 擦 攪 拌 に よ り 組 織 改 質 し た 鋳 造 ア ル ミ ニ ウ ム

合 金 の 疲 労 挙 動 に 及 ぼ す 改 質 条 件 の 影 響

51

3 . 1 緒 言 52 3 . 1 . 1 表 面 処 理 ・ 改 質 技 術 と 摩 擦 攪 拌 52 3 . 1 . 2 摩 擦 攪 拌 改 質 の 特 徴 53 3 . 1 . 3 攪 拌 条 件 55 3 . 2 供 試 材 料 お よ び 実 験 方 法 57 3 . 2 . 1 供 試 材 57 3 . 2 . 2 攪 拌 条 件 お よ び 熱 処 理 条 件 58 3 . 2 . 3 試 験 片 お よ び 実 験 方 法 60

(7)

3 . 3 . 1 . 1 B M( Base Metal ) 材 65 3 . 3 . 1 . 2 L( Lo wer strain rate FSP ) 材 67 3 . 3 . 1 . 3 H ( Hi gher strain rate FSP ) 材 70

3 . 3 . 1 . 4 LT6 材 73 3 . 3 . 1 . 5 H T6 材 75 3 . 3 . 2 引 張 特 性 77 3 . 3 . 3 硬 さ 試 験 78 3 . 3 . 4 疲 労 挙 動 80 3 . 3 . 4 . 1 疲 労 強 度 80 3 . 3 . 4 . 2 破 面 観 察 82 3 . 3 . 4 . 3 微 小 き 裂 成 長 お よ び き 裂 進 展 経 路 90 3 . 3 . 4 . 4 微 小 き 裂 成 長 速 度 100 3 . 4 考 察 103 3 . 4 . 1 疲 労 挙 動 に 及 ぼ す 摩 擦 攪 拌 の 影 響 103 3 . 4 . 2 後 熱 処 理 の 影 響 103 3 . 4 . 3 攪 拌 条 件 の 影 響 105 3 . 4 . 3 . 1 組 織 生 成 へ の 影 響 105 3 . 4 . 3 . 2 機 械 的 性 質 へ の 影 響 109 3 . 4 . 3 . 3 疲 労 挙 動 へ の 影 響 111 3 . 5 結 言 127

第 4 章 結 論

129

4 . 1 結 論 130 4 . 2 将 来 の 課 題 131

参 考 文 献

132

謝 辞

135

(8)
(9)

1 章

(10)

1.1 疲 労 現 象 解 明 の重 要 性

20 世 紀 以 降 の疲 労 破 壊 の有 名 な 事 故 例 としては,1954 年 の英 国 デ・ハビラ ンド 社 の ジ ェ ッ ト 旅 客 機 コ メ ット 号 の 空 中 分 解 ,1985 年 の御 巣 鷹 山 に墜 落 し た 日 本 航 空 123 便 の後 部 圧 力 隔 壁 の疲 労 き裂 , 1988 年 ハワイで起 きたアロハ航 空 B-737 型 機 の 胴 体 の天 井 剥 離 などがあげられるが [1],疲 労 が原 因 とされる 事 故 は も っ と 身 近 な 構 造 物 にお いても 多 く 発 生 し て い る.Fi g.1-1 は西 田 による 溶 接 構 造 物 に お け る 破 損 事 故 の 原 因 別 分 類 で あ る が ,80 % 弱 が 疲 労 に 起 因 し ,また メ ーカー起 因 と考 え ら れる 割 合 が 全 体 の 80%となっており,疲 労 強 度 問 題 の 解 決 は 製 造 業 に とっ て 避 け て 通 れ ない 重 要 事 項 の 一 つ となっ ている[2]. F i g . 1 - 1 溶 接 構 造 物 の 疲 労 破 壊 と 疲 労 強 度 因 子 [ 2 ]

(11)

疲 労 強 度 を 考 慮 し た 設 計 手 法 とし ては , 近 年 の 航 空 機 設 計 に よ く 用 いら れ ている「 損 傷 許 容 設 計 」と 従 来 か ら 使 わ れている 疲 労 強 度 を 基 準 とし た 「 有 限 疲 労 寿 命 設 計 ( 安 全 寿 命 設 計 ) 」とに 大 別 さ れる . 前 者 は構 造 物 には 最 初 か ら 何 ら か の損 傷 が 存 在 すると 仮 定 し ,き 裂 が 臨 界 値 に 達 する 以 前 に 検 出 し て, そ の 対 策 を 施 すことが できるよ う な設 計 およ び保 守 , 管 理 を 行 う 設 計 方 式 で , 最 近 は 溶 接 鋼 構 造 物 の 余 寿 命 評 価 にも 同 様 の 考 え 方 が 破 壊 管 理 制 御 設 計 とし て採 用 されて きてい る が[3],後 者 の疲 労 限 度 を 基 準 値 とし て設 計 応 力 と比 較 する安 全 寿 命 設 計 も 設 計 の 現 場 では 広 く 使 わ れて い る.こ れは 疲 労 き 裂 の 発 生 が 即 時 に 構 造 物 全 体 の 破 壊 を も た ら すという 考 え 方 に 基 づ いており, 特 に 機 器 の 使 用 期 間 あ るい は設 計 寿 命 があら か じ め定 めら れ ている 機 械 の 場 合 に は 有 用 な 設 計 方 式 で あ る.

1.2 鋳 造 アルミニウム合 金

工 業 材 料 に 求 め ら れ るも の とし て , 第 一 に 十 分 な 強 度 , そ し て 軽 量 で あ る こ と , 低 コストおよ び 市 販 の 流 通 性 , 機 械 加 工 性 ,リ サイ ク ルが可 能 であること などが 求 めら れ るが,こ れら すべてを 適 切 に 満 足 する代 表 的 なも のとし ては構 造 用 鋼 と アルミ 合 金 が 挙 げら れる. 特 にアルミ 合 金 はその高 い 比 強 度 で ,ラ ンニング・コス トを 含 ん だ 環 境 やエ ネルギー 問 題 を 考 慮 した 工 業 材 料 とし て 多 用 さ れており , 切 削 , 押 出 成 形 , 鋳 造 な ど 様 々な 加 工 法 に適 応 でき , 製 品 形 状 に 合 わせ て 最 適 な 加 工 法 を 選 択 す る こと によ り , 製 造 工 程 を 減 少 さ せ コ ス ト 削 減 が 可 能 と な る . 特 に 鋳 造 に よ る 加 工 は,一 度 の 成 形 でほ ぼ製 品 の 形 状 と なる のでエネルギー 消 費 が 少 な く, 材 料 歩 留 が 高 い .また 製 品 の 設 計 変 更 , 短 納 期 の 試 作 な どに 対 応 し やすいと いっ た 長 所 が 挙 げら れる[4]. 以 上 の よ う な 観 点 か ら , 現 在 の 製 造 業 に おいて 鋳 造 アル ミ ウム 合 金 の 利 用 は 強 く 望 まれ ている .そ の中 でも ,Al-Si-Mg 系 の AC4CH は高 強 度 ,高 延 性 ,高 耐 食 性 で あ る と と も に 鋳 造 性 な ど に 優 れ て い る こ と か ら , 代 表 的 な 高 強 度 鋳 造 合 金 とし て 一 般 的 に 使 わ れて い る .し か し , 鋳 物 材 料 に は 鋳 造 欠 陥 が 内 在 する という 欠 点 が ある.

(12)

1.3 大 型 構 造 物 の疲 労 強 度 に対 する鋳 巣 サイズの定 量 評 価

鋳 造 アルミ ニウ ム 合 金 には, 製 造 工 程 に 起 因 し て, 本 質 的 に 鋳 巣 な どの 欠 陥 を 初 めか ら 内 在 し ているた め, これによ り疲 労 強 度 が 大 き く ばら つく.Fi g.1-2 は アルミ ニウム合 金 鋳 物 の 引 張 り 強 さ と 回 転 曲 げ 疲 労 強 度 の 関 係 を 示 し た も の であるが ,この 資 料 に よ ると砂 型 鋳 物 の 疲 労 比 の 範 囲 は 約 0.15~0.55 の広 範 囲 に 渡 っ ており, 設 計 基 準 とし て 中 間 値 を とるのは少 量 生 産 である 大 型 鋳 物 構 造 物 の 場 合 リスク が大 き い.し か し 下 限 値 を 基 準 とし て 疲 労 設 計 する と か なりの 過 剰 設 計 と なるた め ,よ り適 切 な 設 計 基 準 と なる 疲 労 強 度 の 推 定 法 が 求 めら れ る. 以 上 よ り, 本 研 究 の 前 半 ( 第 2 章 )にて,アルミニウム鋳 物 の凝 固 速 度 と疲 労 強 度 の 関 係 を 検 証 し ,AC4CH の 大 型 鋳 物 の 疲 労 挙 動 に 及 ぼす 鋳 造 欠 陥 の 影 響 を 調 べる( 研 究 1). F i g . 1 - 2 . ア ル ミ ニ ウ ム 合 金 鋳 物 の 引 張 り 強 さ と 回 転 曲 げ 疲 労 強 度 の 関 係 [ 5 ]

(13)

1.4 鋳 巣 除 去 による疲 労 強 度 の向 上

本 質 的 に 鋳 物 材 料 には 鋳 造 欠 陥 が 内 在 する 事 はすでに 述 べた が,この 鋳 造 欠 陥 を 製 造 プ ロ セス上 取 り 除 くことは 困 難 であ る.そのた め 鋳 造 合 金 におい て鋳 造 組 織 を 消 失 さ せ,組 織 を 均 一 化 さ せることが 鋳 造 Al 合 金 の利 用 に関 す る重 要 な 課 題 となる . 一 般 に , 疲 労 き 裂 は 材 料 の 自 由 表 面 お よ びその周 辺 か ら 発 生 する 場 合 が 多 く, 材 料 表 面 のき 裂 発 生 抵 抗 を 向 上 させ る技 術 が 期 待 さ れる. この 技 術 の 中 で 最 近 で は 強 ひ ず み 加 工 に よ る 組 織 改 質 が 注 目 さ れ て お り , そ の 一 つ と し て 摩 擦 撹 拌 によ る 組 織 改 質 (Friction Steering Process )が近 年 注 目 さ れてい る. FSP は回 転 したツールショルダー部 における 摩 擦 熱 で材 料 を軟 化 させ ,ツ ールプロ ーブ 周 囲 の 攪 拌 作 用 によ っ て塑 性 流 動 させ ること で 組 織 の 均 一 化 や 結 晶 粒 の 微 細 化 さ せ る 手 法 で あ る . こ の 技 術 は 疲 労 強 度 向 上 に 有 効 で あ る が , 改 質 条 件 によ り 層 状 の 組 織 が 生 成 さ れる ことも 報 告 され ている .FSP によって形 成 さ れた 組 織 は き 裂 成 長 過 程 におい て 成 長 経 路 を 誘 導 するよ う に作 用 するた め, 疲 労 強 度 への 悪 影 響 が 懸 念 さ れてい る.そのた め 良 質 な 改 質 結 果 を 得 る た めに は ,摩 擦 攪 拌 技 術 の 深 い 理 解 が 必 要 であ る. 本 研 究 では改 質 条 件 に よ っ て異 なる 組 織 を も っ た 材 料 の 疲 労 試 験 を 検 討 する ことで , 改 質 条 件 が 疲 労 挙 動 に 及 ぼす 影 響 に ついて 調 査 する. 以 上 よ り, 本 研 究 の 後 半 ( 第 3 章 )にて,摩 擦 攪 拌 により組 織 改 質 した鋳 造 アルミ ニウム 合 金 の疲 労 挙 動 に 及 ぼす 改 質 条 件 の 影 響 を 検 証 する ( 研 究 2) .

(14)

1.5 本 論 文 の目 的 と構 成

本 論 文 の 目 的 は,ア ルミ ニウム合 金 AC4CH の大 型 鋳 物 の疲 労 強 度 の推 定 の た め , そ の 鋳 造 欠 陥 が 疲 労 強 度 に お よ ぼ す 影 響 に つ い て 検 証 し ( 研 究 1 ) , さら に その 疲 労 強 度 を 向 上 するた めの 手 段 の 一 つとし て FSP による改 質 技 術 に 注 目 し ,その 挙 動 を 明 ら か に する(研 究 2 )も のである. 研 究 1 に お い て , 鋳 造 ア ル ミ ニ ウ ム 合 金 に は , 製 造 工 程 に 起 因 し て , 本 質 的 に 鋳 巣 な ど の 欠 陥 を 初 め か ら 内 在 し て い る た め , 鋳 巣 に よ り 疲 労 強 度 が ば ら つ く こ と , ま た 鋳 巣 が 大 き く な る に つ れ て 疲 労 強 度 が 低 下 す る こ と が 知 ら れ て い る . 鋳 造 ア ル ミ ニ ウ ム 合 金 の 疲 労 強 度 , 疲 労 き 裂 の 発 生 お よ び 進 展 挙 動 に 関 す る 研 究 報 告 は こ れ ま で に い く つ か 見 受 け ら れ る が , 微 視 的 組 織 や 内 部 欠 陥 の 影 響 に 注 目 し た 研 究 は 少 な く , 十 分 に 明 ら か に さ れ て い る と は い え な い . よ っ て , 「 ア ル ミ ニ ウ ム 合 金 AC4CH 大 型 鋳 物 の 疲 労 挙 動 に 及 ぼ す 鋳 造 欠 陥 の 影 響 (研 究 1)」では , 凝 固 速 度 の 異 な る 部 位 の疲 労 限 度 の 推 定 を 試 みる . 研 究 2に おい て, 近 年 FSW に関 する報 告 は異 種 材 料 接 合 を含 め多 数 見 ら れるが 摩 擦 攪 拌 改 質 を 行 っ た 材 料 の 疲 労 挙 動 はほ とん ど 検 討 されてい ない. また 摩 擦 攪 拌 改 質 は 特 定 の 領 域 の 組 織 様 相 を 改 質 し , 機 械 的 性 質 の 改 質 を もた ら すが ,その 改 質 条 件 の 変 化 に よ り,ワ ームホールなどの 改 質 欠 陥 の 生 成 [6]およびオニオンリングと呼 ばれる層 状 組 織 の生 成 が 報 告 [7]されており,摩 擦 攪 拌 改 質 と 言 っ ても ,改 質 結 果 には 数 多 くの金 属 組 織 のパ タ ーンおよ びその 材 料 強 度 が 存 在 す る.その た め 改 質 条 件 が 及 ぼす 改 質 材 料 の 疲 労 挙 動 への 影 響 を 把 握 す る こ と は , 設 計 手 法 の 実 用 化 に お い て 非 常 に 重 要 で あ る . よ っ て , 「摩 擦 攪 拌 によ り 組 織 改 質 し た 鋳 造 ア ル ミニウム合 金 の 疲 労 挙 動 に 及 ぼす 改 質 条 件 の 影 響 ( 研 究 2)」では, 複 数 ある 改 質 条 件 のう ち,ツ ールの回 転 速 度 の 影 響 に 注 目 する こと で ,その 攪 拌 中 のひ ずみ速 度 を 変 化 させ ,その 改 質 条 件 に おける FSP が疲 労 挙 動 に及 ぼす影 響 を 検 討 する.さらに FS P 後 に 施 した, 後 熱 処 理 に よ る 疲 労 強 度 へ の 影 響 につい て も 明 ら か に する.

(15)

2 章

アルミニウム合金

AC4CH 大型鋳物の疲労挙動に及ぼす

鋳造欠陥の影響

(研究1)

(16)

2.1 緒 言

本 研 究 で は , 鋳 物 材 の 大 型 化 に 対 す る 鋳 造 時 の 冷 却 速 度 の 違 い に よ り 生 成 さ れる 鋳 造 欠 陥 の 大 きさや 分 布 が ,ア ルミニウム合 金 AC4CH の疲 労 強 度 に 及 ぼ す 影 響 を 検 討 し , 材 料 中 に 含 ま れ る 最 大 鋳 造 欠 陥 寸 法 を 極 値 統 計 を 用 い て 推 定 す る こ と に よ り 疲 労 限 度 を 検 討 す る も の で あ る . さ ら に , 鋳 造 欠 陥 の 大 き さ が 疲 労 挙 動 に 及 ぼ す 影 響 を 比 較 す る た め に , 製 造 方 法 を 変 え て 意 図 的 に 欠 陥 寸 法 を 変 え た 3 種 類 の材 料 を 用 いて,それぞれの疲 労 強 度 について検 討 する.

(17)

Table 2-1 Chemical composition s of material (mass. %) .

2.2 供 試 材 および試 験 方 法

2.2.1 供 試 材 および試 験 片

供 試 材 は 鋳 造 アル ミ ニウム合 金 AC4CH である.その化 学 成 分 および機 械 的 性 質 (Material A)を Table 2-1 および Table 2-2 にそれぞれ示 す.

Material 0.2% proof stress σ0.2 (MPa) Tensile strength σB (MPa) Total elongation δ(%) Elastic modulus E (GPa) AC4CH 215 237 2.5 70 鋳 巣 の 影 響 を 比 較 するた めに鋳 造 時 の 湯 の 流 動 シミ ュレー ショ ンを 行 い , 鋳 造 冷 却 時 の 凝 固 時 間 が 異 な る こ と が 予 測 さ れ る 大 型 鋳 物 ( 寸 法 : 260mm×15000mm×200mm)の 3 箇 所 から試 験 片 となる試 料 を 採 取 した.湯 口 か ら 最 も 遠 い底 部 から 採 取 し た 材 料 を A 材 ,湯 口 付 近 の 鋳 造 時 下 部 分 を B 材 ,鋳 造 時 上 部 分 を C 材 ,側 面 中 心 付 近 の鋳 造 時 下 部 分 を D 材 と 分 類 する. 冷 却 速 度 は A 材>B 材 >C 材 >D 材 である. さ ら に , 鋳 巣 の 数 や 大 き さ の 影 響 を 比 較 す る た め に 鋳 巣 の 数 の 異 な る 3 種 類 の 試 験 片 を 用 いた .鋳 巣 の 数 が最 も 多 い 材 料 を1 材 ,次 に多 い材 料 を 2 材 ,最 も 少 ない材 料 を 3 材 と分 類 する.この材 料 については,Table 2-3 に 示 す よ う に , 鋳 造 時 に フ ラ ッ ク ス 精 錬 , 脱 ガ ス 処 理 , 凝 固 圧 , 鋳 込 み 温 度 , 冷 や し 金 の 有 無 な ど の 条 件 を 変 え る こ と で , 鋳 巣 の 大 き さ に 変 化 を 与 え て い る. Material Si Mg Fe Ni Cr Sn Al AC4CH 6.66 0.383 0.153 0.009 0.002 0.002 Bal.

(18)

試 験 片 は, 採 取 し た それぞれの 試 料 か ら 機 械 加 工 によ り 作 製 した .疲 労 試 験 片 の形 状 は J IS Z 2274 に,引 張 試 験 片 の形 状 は J IS Z2201 14 号 A に 準 ずるも の とし た .本 研 究 で 用 いた(a)疲 労 試 験 用 および(b)引 張 試 験 用 の 試 験 片 形 状 を それ ぞれ Fi g.2-1(a)およ び(b)に示 す.また疲 労 試 験 片 に ついては 試 験 部 を エメリ ー紙 で 順 次 2000 番 まで研 磨 し,バフ研 磨 により鏡 面 に 仕 上 げた .

(19)

(a) For fatigue test .

Fig.2-1 Specimen configurations . (b) For tensile test.

(20)

(a) Material A

2.2.2 組 織 観 察 およびビッカース硬 さ

各 試 料 の 組 織 写 真 を Fig.2-2(a),(b),(c),(d),(e),(f)および(g)に示 す.そ れぞれ,A 材 ,B 材 ,C 材 ,D 材 ,1 材 ,2 材 および 3 材 である.組 織 観 察 に先 立 ち 表 面 を エ メ リ ー 紙 に て 2000 番 ま で 研 磨 , そ の 後 バ フ 研 磨 を 行 い , 塩 酸 (5ml ) + フ ッ 化 水 素 酸 ( 7.5ml ) + 蒸 留 水 ( 4.5ml ) の 腐 食 液 を 用 い て 表 面 を 腐 食 し た 後 , 光 学 顕 微 鏡 によ り 観 察 し た .2 次 枝 法 [8]でデンドライトアームスペー シン グ(DAS)を 求 め,各 試 料 について組 織 の比 較 を 行 った.また,各 試 料 の硬 さ を 測 定 し た . 硬 さ 試 験 に は マ イ ク ロ ビ ッ カ ー ス 硬 さ 計 を 用 い , 荷 重 0.98N , 保 持 時 間 30 秒 で測 定 を行 った.それぞれの材 料 の DAS および硬 さを Table 2-4 およ び Table 2-5 に示 す.凝 固 時 間 が遅 くなるのに伴 い DAS は大 きくなり,硬 さ は低 下 し ているこ とがわか る. Fig.2-2 Microstructures .

(21)

(b) Material B

(c) Material C

(22)

(d) Material D

(23)

(f) Material 2

(g) Material 3 Fig.2-2 Continued .

(24)

Table 2-5 Vickers hardness . Table 2-4 DAS. Material A B C D DAS (μm) 57 84 99 96

Material

1

2

3

DAS (μm)

71

66

33

Material A B C D Vickers hardness 116 108 102 90 Material 1 2 3 Vickers hardness 104 107 103

(25)

2.2.3 実 験 装 置 および試 験 方 法

引 張 試 験 に は 万 能 材 料 試 験 機 を 用 い , 疲 労 試 験 に は 小 野 式 回 転 曲 げ 疲 労 試 験 機 を 用 いた . 疲 労 試 験 は室 温 大 気 中 において 繰 返 し 速 度 f =60Hz ,

応 力 比 R=-1 で 行 っ た . 破 面 観 察 に は , 走 査 型 電 子 顕 微 鏡 ( Scanning

(26)

2.2.4 極 値 統 計 法

2.2.4.1 極 値 統 計 法

検 査 基 準 面 積 内 で 最 大 の 鋳 造 欠 陥 を 選 び , そ の 最 大 欠 陥 の 面 積 を 測 定 し , そ の 平 方 根 (√𝑎𝑟𝑒𝑎: 欠 陥 の 代 表 寸 法 ) を と る . こ の 検 査 部 が 重 複 し な い よ う に 異 な る 検 査 面 に つ い て n 回 測 定 を 行 う . 測 定 し た n 個 の 最 大 欠 陥 寸 法√𝑎𝑟𝑒𝑎𝑚𝑎𝑥) を 小 さ い も の か ら 順 に 並 べ 直 し 累 積 分 布 関 数 Fj(%)およ び基 準 化 変 数 yj を 計 算 す る. 𝐹j = 𝑗 (𝑛 + 1) × 100⁄ 式 2-(1) 𝑦j = −𝑙𝑛[−𝑙𝑛{(𝑇 − 1) 𝑇⁄ }] 式 2-(2) 平 面 を 立 体 化 す るた めに 測 定 し た 最 大 欠 陥 寸 法 の 平 均 値 (∑ √𝑎𝑟𝑒𝑎/𝑛)を仮 想 的 な 厚 さ と し て 用 い て , 検 査 基 準 面 積 と 厚 さ に よ り 検 査 基 準 体 積𝑉0を 求 め る . 最 小 二 乗 法 に よ り , 最 大 鋳 造 欠 陥 分 布 直 線 を 求 め 基 準 化 変 数 y を 決 定 し , 予 測 を 行 う 試 験 片 の 最 小 断 面 部 の 検 査 基 準 体 積 よ り再 帰 期 間 を 求 める. √𝑎𝑟𝑒𝑎max= 𝑎 ∙ 𝑦 + 𝑏 式 2-(3) 𝑇 = (𝑉 + 𝑉0) 𝑉⁄ 式 2-(4) 0 基 準 化 変 数 を 最 大 鋳 造 欠 陥 分 布 直 線 に 代 入 し て , 最 大 欠 陥 寸 法 を 計 算 する.ここで 危 険 体 積 V は 95.5𝑚𝑚3である. 危 険 堆 積 の定 義 を Fig.2-3 に示 す.

Fig.2-3 Definition of Critical volu me .

C ri ti ca l v o lu m e 1 0 % 9 0 %

(27)

2.2.4.2 隣 接 した鋳 巣 の統 合

鋳 巣 を 鋳 造 欠 陥 と し て 捉 え , √𝑎𝑟𝑒𝑎法 を用 いて 解 析 するわ けである が,鋳 巣 が 考 え て い る 検 査 基 準 面 積 内 に 十 分 離 れ て 独 立 し て 存 在 す る と き は , そ の 内 の 最 大 寸 法 の 鋳 巣 を 鋳 造 欠 陥 と し て 選 び , 前 節 の 手 法 で 極 値 統 計 解 析 を 行 え ば 良 い . し か し な が ら , 複 数 の 鋳 巣 が 近 接 し て 存 在 す る 場 合 , そ の 取 扱 い に は 注 意 が 必 要 であり , 以 下 のよ う な 手 法 を 用 い て 一 つの 鋳 巣 と し て見 なすこ とに した . 2 つの鋳 巣 が近 接 している場 合 は,それぞれ鋳 巣 の √𝑎𝑟𝑒𝑎を求 め,2 つの間 の 距 離 が 小 さい 方 の 鋳 巣 の√𝑎𝑟𝑒𝑎よりも短 い場 合 は 1 つの鋳 巣 とみなして統 合 し, 長 い 場 合 は 独 立 す る 鋳 巣 とみな し た[9]. 3 つ以 上 鋳 巣 が近 接 している場 合 の統 合 は以 下 に示 す 2 通 りの方 法 を用 い, その 比 較 を 行 っ た .3 つ以 上 の鋳 巣 が近 接 している例 を Fig.2 -4 に示 す.単 体 の 鋳 巣 を 小 文 字 で, 統 合 し た 鋳 巣 を 大 文 字 で 表 す.

(a)

(b)

(c)

(d)

(e)

(f)

(g)

(h)

(28)

Fig.2-5 Example of the integration of casting defects in Type 1.

2.2.4.2.1 Type 1

統 合 し た 鋳 巣 と そ の 周 り に あ る 鋳 巣 を 比 較 し , 全 体 の 鋳 巣 を 統 合 し た 極 値 統 計 を 行 なっ た .Fi g.2-4 で示 した鋳 巣 の拡 大 図 である Fi g.2-5 に,鋳 巣 を統 合 し た 例 を 示 す . ま ず,例 え ばFi g.2-4 で示 した鋳 巣 (c)は,周 りの鋳 巣 (b),(d) お よ び (e ) と の 距 離 を 考 え る と , 鋳 巣 間 の 距 離 は 小 さ い 方 の 鋳 巣 の √𝑎𝑟𝑒𝑎よ りも 短 いた めに 統 合 す る こ とが 可 能 で ある . こ こで ,(b)~(e)を 統 合 した鋳 巣 を( A)と し て Fig.2-5 中 に 破 線 で示 す. 同 様 にして,鋳 巣 (f)~(h)も 統 合 されて大 きな鋳 巣 (B ) と な る . こ れ ら の 鋳 巣 ( A ) , ( B ) を そ れ ぞ れ 一 つ の 鋳 巣 と 考 え る と , 両 鋳 巣 間 の 距 離 は 小 さ い 方 の 鋳 巣 の√𝑎𝑟𝑒𝑎よりも 短 い た めに さら に 統 合 で きる.この よ う に , 一 度 統 合 し た 鋳 巣 を 大 き な 独 立 し た 鋳 巣 と 考 え て 統 合 の 作 業 を 進 め る と,Fi g.2-5 の鋳 巣 の集 合 は最 終 的 に 実 線 で示 す大 きな 鋳 巣 (C)としてカウント される.Type 1 の手 法 では,この大 きな鋳 巣 ( C)を用 いて極 値 統 計 を行 う.

(f)

(A)

(B)

(C)

(g)

(h)

(29)

Fig.2-6 Example of the integration of casting defects in Type2.

2.2.4.2.2 Type 2

一 方 Tp ye 2 は,統 合 した鋳 巣 を一 つの独 立 した鋳 巣 と見 なさずに, 一 つ一 つ の 小 さ な 鋳 巣 の 間 の 距 離 を 順 次 比 較 す る 手 法 で あ る . Fi g.2-6 にこの 手 法 を 用 い て 鋳 巣 を 統 合 す る 例 を 示 す .Fig.2-6 の場 合 , 鋳 巣 ( b ),(c),(d),( e) でそ れ ぞれ の 鋳 巣 の 距 離 を 考 え 得 る と , その 距 離 は いず れも 小 さ い 方 の 鋳 巣 の √𝑎𝑟𝑒𝑎よりも短 いため統 合 することができ,大 きな鋳 巣 ( A)と見 なすことができる. この 統 合 については ,Type 1,Type 2 のいずれも同 じである.一 方 鋳 巣 ( A)に 含 ま れる 鋳 巣 (d)から最 も 近 い位 置 にある鋳 巣 ( f)を考 えると,両 者 の距 離 は小 さ い 方 の 鋳 巣 の√𝑎𝑟𝑒𝑎よ り も 大 き いた め に 統 合 で き な い . す な わ ち 鋳 巣 ( A ) は , 鋳 巣 (f ) を 含 む 鋳 巣 の 集 合 (f) ~ (h) と 相 関 性 は な い と 考 え る . 一 方 鋳 巣 (f) ~ (h)は近 接 しているた め大 きな鋳 巣 ( B)に統 合 される.以 上 のプロセスによれば, 鋳 巣(a)~(h)は大 きな鋳 巣 (A)および鋳 巣 (B)としてカウントされる. Type 2 で はこのよ う な手 法 で 極 値 統 計 を 行 う .

(f)

(c)

(d)

(e)

(A)

(B)

(h)

(g)

(a)

(b)

(30)

2.2.4.3

疲 労 限 度 推 定 式

微 小 な 欠 陥 や 介 在 物 を 有 す る 鉄 鋼 材 料 の 疲 労 限 度 推 定 予 測 法 と し て , 村 上 ら[9] は √𝑎𝑟𝑒𝑎法 を 提 案 し ている. 各 種 高 強 度 鋼 等 を 用 い, その ビ ッカ ー ス 硬 さ HV , 欠 陥 を 最 大 引 張 応 力 方 向 に 投 影 し た 面 積 の 平 方 根 √𝑎𝑟𝑒𝑎 (μm)から 以 下 の 式 を 疲 労 限 度𝜎w推 定 式 とし て 提 唱 し ている. [表 面 の微 小 欠 陥 ,き裂 ,介 在 物 に対 する疲 労 限 度 評 価 式 ]

𝜎

w

=

1.43(𝐻𝑉+120) (√𝑎𝑟𝑒𝑎)16

式 2-(5) [表 面 に接 するような微 小 欠 陥 ,き裂 ,介 在 物 に対 する疲 労 限 度 評 価 式 ]

𝜎

w

=

1.41(𝐻𝑉+120) (√𝑎𝑟𝑒𝑎)16

式 2-(6) こ の 式 を 用 い る こ と に よ り , 高 強 度 鋼 等 の 疲 労 限 度 は 精 度 よ く 推 定 で き る . し か し , 非 鉄 金 属 材 料 で は 危 険 側 の 推 定 と な り , 野 口 ら[10] は 式 2-(5) に ヤ ン グ 率 E における補 正 項 を設 けた推 定 式 を提 唱 している.

𝜎

w

=

1.43(120 𝐸 𝐸𝑠𝑡+𝐻𝑉) (√𝑎𝑟𝑒𝑎) 1 6

式 2-(7)

しか し ,√𝑎𝑟𝑒𝑎法 の適 用 範 囲 は √𝑎𝑟𝑒𝑎≦ 1000μm とされており,√𝑎𝑟𝑒𝑎>1000μ m の 領 域 に お い て √𝑎𝑟𝑒𝑎法 の 適 用 の 可 能 性 は 示 さ れ て い な い . そ こ で 上 野 ら [11]は,√𝑎𝑟𝑒𝑎が 1400μm 程 度 を境 にした表 面 起 点 型 の 2 通 りの疲 労 限 度 推 定 式 を 提 唱 し ている . √𝑎𝑟𝑒𝑎< 1400μm の場 合 :

𝜎

w

=

1.43(𝐻𝑉+75) (√𝑎𝑟𝑒𝑎)16 式 2-(8) √𝑎𝑟𝑒𝑎>1400μm の場 合 :

𝜎

w

=

1.43(𝐻𝑉+450) (√𝑎𝑟𝑒𝑎)13 式 2-(9) 以 上 の 式 を 用 い て , 大 型 鋳 物 材 に 含 ま れ る 鋳 造 欠 陥 に 対 す る 疲 労 限 度 推 定 式 の 妥 当 性 の 検 討 を 行 っ た .

(31)

10

4

10

5

10

6

10

7

10

8

60

80

100

120

140

St

re

ss

a

m

pl

it

ude



a

(

M

Pa

)

Number of cycles to failure N

f

AC4CH

Material A

R =−1

Material B

Material C

Material D

2.3. 実 験 結 果

2.3.1 S-N 曲 線

AC4CH の疲 労 試 験 結 果 を S-N 線 図 上 にプロットしたものを Fig.2-7(a),(b) に 示 す. Fig.2-7(a) における○印 は A 材 ,△印 ,◇ 印 および□印 はそれぞれ B 材 ,C 材 および D 材 を示 す.Fi g.2-7(b)における△印 は 1 材 ,□印 および○印 は それぞれ 2 材 ,3 材 を示 す. Fig.2-7(a)より,A 材 の 107 回 の 繰 返 し に対 する 疲 労 限 度 は 65MPa,以 下 , B 材 は 80MPa,C 材 は 78MPa,D 材 は 75MPa となった.凝 固 時 間 の早 い A 材 の み 疲 労 限 度 が 低 い. それ 以 外 の B~C 材 では,冷 却 速 度 が速 いほど疲 労 限 度 が 向 上 す る 傾 向 は 見 ら れ た が , そ の 差 は 小 さ か っ た . 一 方 ,Fi g.2-7(b) で は 1 材 の 107 回 の 繰 返 し に対 する 疲 労 限 度 は 20MPa,以 下 , 2 材 は 50MPa, 3 材 は 105MPa となった.鋳 巣 の数 が多 くなるほど疲 労 限 度 は低 下 し, 鋳 造 条 件 の 相 違 に依 存 し た 明 確 な 差 が 見 ら れた .

(32)

10

5

10

6

10

7

20

40

60

80

100

120

St

re

ss

a

m

plit

ud

e



a

(

M

Pa

)

Number of cycles to failure N

f

AC4CH

Material 1

Material 2

Material 3

R =–1

(33)

2.3.2 破 面 観 察

A 材 ,B 材 ,C 材 ,D 材 ,1 材 ,2 材 および 3 材 における 破 面 の SEM 写 真 を, それぞれ Fi g.2-8(a),(b),(c),(d),( e),(f)および(g)に示 す. A 材 ,B 材 ,C 材 ,D 材 において,鋳 造 欠 陥 サイズがおよそ 400μm から 1200 μm ほ どの表 面 近 傍 の 鋳 造 欠 陥 か ら き 裂 が 発 生 し , 進 展 し て破 断 が 生 じ てい ることが 分 か った .

(a) Material A a =160MPa,Nf=5.4×104).

(b) Material B (a =90MPa,Nf=1.7×106).

(34)

(c) Material C (a =80MPa,Nf=2.2×106).

(d) Material D (a =120MPa,Nf=4.0×105).

(35)

(f) Material 2 (a =90MPa,Nf=7.9×105).

(g) Material 3 (a =120MPa,Nf=5.4×105).

(36)

2.4.考 察

2.4.1 極 値 統 計 による解 析

2.4.1.1 Type 1 による鋳 巣 の統 合

3 つ以 上 の隣 り合 っ た鋳 巣 の統 合 方 法 に Type 1 を 用 いて,AC4CH につい て 1 本 の試 験 片 の危 険 断 面 内 に含 まれる最 大 欠 陥 寸 法 を 予 測 した.それぞれ の アルミ ニウム鋳 造 合 金 に 含 まれ る鋳 造 欠 陥 の 極 値 統 計 グラ フを Fig.2-9(a)お よび(b)に示 す. Fig.2-9(a) に お け る 各 部 材 の 最 大 鋳 造 欠 陥 寸 法 の 分 布 を 示 す 各 材 料 の 記 号 の 対 応 を 下 記 に 示 す. ○印 ・・・A 材 (基 準 体 積 V0=3.24mm3) △印 ・・・B 材 (基 準 体 積 V0=4.50mm3) ◇印 ・ ・・C 材 (基 準 体 積 V0=3.85mm3) □印 ・・・D 材 (基 準 体 積 V0=3.91mm3) Fig.2-9(b) に お け る 各 部 材 の 最 大 鋳 造 欠 陥 寸 法 の 分 布 を 示 す 各 材 料 の 記 号 の 対 応 を 下 記 に 示 す. ○印 ・・・1 材 (基 準 体 積 V0=4.88mm3) △印 ・・・2 材 (基 準 体 積 V0=2.63mm3) □印 ・・・3 材 (基 準 体 積 V0=0.57mm3)

(37)

0 1000 2000 3000 1 10 50 80 90 95 98 99 99.5 99.8 99.9 99.95 100 200 500 1000 2000 C umu la ti ve p ro ba bi li ty F % y= − ln (− ln F ) −2 −1 0 1 2 3 4 5 6 7 8

Square root of area m)

R et ur n pe ri od T 99.98 99.99 5000 9 10000 N =2 V0=3.24mm3 AC4CH 50 20 10 Material A V0=4.50mm3 Material B V0=3.85mm3 Material C Material D V0=3.91mm3 0 1000 2000 1 10 50 80 90 95 98 99 99.5 99.8 99.9 99.95 100 200 500 1000 2000 C um ul at iv e pr ob ab ili ty F % y= –l n( –l n F ) –2 –1 0 1 2 3 4 5 6 7 8

Square root of area m)

R et ur n pe rio d T 99.98 99.99 5000 9 N =2 10000 V0=4.88mm3 AC4CH 50 20 10 Material 1 V0=2.63mm3 Material 2 V0=0.57mm3 Material 3

Fig.2-9(a) Esti mati on of casting defect size in terms of extreme value statistics for Material A, B, C and D .

Fig.2-9(b) Estimation of casting defect size in terms of extreme value statistics for Material 1, 2 and 3 .

(38)

こ の 分 布 曲 線 よ り , 危 険 体 積 中 に 含 ま れ る 最 大 欠 陥 寸 法( √𝑎𝑟𝑒𝑎max) を 予 測 し た .Fig.2-1(a) に 示 す 疲 労 試 験 用 試 験 片 に お い て , 最 小 断 面 部 ( 危 険 断 面 ) の 危 険 体 積 は V=95.5mm3 と な る . こ の 危 険 体 積 と 基 準 体 積 V0 の 比 (𝑉 + 𝑉0⁄ が再 帰 期 間 T(Return period)となり,それらは A 材 ,B 材 ,C 材 ,𝑉0 D 材 ,1 材 ,2 材 および 3 材 において,それぞれ T=61,T=44,T=52,T=51, T=41,T=75 および T=336 となった.推 定 結 果 を Table 2-6(a)および(b)に示 す. Table 2-6 に示 すように A 材 ,B 材 ,C 材 ,D 材 ,1 材 ,2 材 および 3 材 の試 験 片 2 本 当 り(N=2)で推 定 される最 大 鋳 造 欠 陥 寸 法 √𝑎𝑟𝑒𝑎maxは,それぞれ 1181 μm,1728μm,971μm,1153μm,1465μm,1011μm および 357μm と推 定 された . Material A B C D Control volume V0(mm3) 3.24 4.50 3.85 3.91 Number of data Number of specimens for

estimation Return period 61 44 52 51 Critical volume V (mm3) Defect size (m) 1181 1728 971 1153 40 N =2 95.5 Material 1 2 3 Control volume V0(mm3) 4.88 2.63 0.57 Number of data Number of specimens for

estimation Return period 41 75 336 Critical volume V (mm3) Defect size (m) 1465 1011 357 40 95.5 N=2 N=1

Table 2-6(a) Estimated results of casting defect size for Material A, B, C and D .

Table 2-6(b) Estimated results of casting defect size for Material 1, 2 and 3 .

(39)

2.4.1.2 Type 2 による鋳 巣 の結 合

3 つ以 上 の隣 り合 っ た鋳 巣 の統 合 方 法 に Type 2 を用 いて, AC4CH の 1 本 の 試 験 片 の 危 険 断 面 内 に 含 ま れ る 最 大 欠 陥 寸 法 を 予 測 し た . そ れぞ れ のア ル ミ ニ ウ ム 鋳 造 合 金 に 含 ま れ る 鋳 造 欠 陥 の 極 値 統 計 グ ラ フ を Fig.2-10(a)およ び (b)に示 す. Fig.2-10(a) に お け る 各 部 材 の 最 大 鋳 造 欠 陥 寸 法 の 分 布 を 示 す 各 材 料 の 記 号 の 対 応 を 下 記 に 示 す. ○印 ・・・A 材 (基 準 体 積 V0=3.20mm3) △印 ・・・B 材 (基 準 体 積 V0=4.17mm3) ◇印 ・・・C 材 (基 準 体 積 V0=3.85mm3) □印 ・・・D 材 (基 準 体 積 V0=3.91mm3) Fig.2-10(b) に お け る 各 部 材 の 最 大 鋳 造 欠 陥 寸 法 の 分 布 を 示 す 各 材 料 の 記 号 の 対 応 を 下 記 に示 す. ○印 ・・・1 材 (基 準 体 積 V0=4.80mm3) △印 ・・・2 材 (基 準 体 積 V0=2.42mm3) □印 ・・・3 材 (基 準 体 積 V0=0.55mm3)

Fig.2-10(a) Esti mation of casting defect size in terms of extreme value statistics for Material A, B, C and D.

0 1000 2000 1 10 50 80 90 95 98 99 99.5 99.8 99.9 99.95 100 200 500 1000 2000 C umu la ti ve p ro ba bi li ty F % y= − ln (− ln F ) −2 −1 0 1 2 3 4 5 6 7 8

Square root of area m)

R et ur n pe ri od T 99.98 99.99 5000 9 10000 N =2 V0=3.20mm3 AC4CH 50 20 10 Material A V0=4.17mm3 Material B V0=3.85mm3 Material C Material D V0=3.91mm3

(40)

こ の 分 布 曲 線 よ り 危 険 体 積 中 に 含 ま れ る 最 大 欠 陥 寸 法( √𝑎𝑟𝑒𝑎max)を 予 測 し た .危 険 体 積 V=95.5mm3 は 同 一 であり , 基 準 体 積 V0 の 比 (𝑉 + 𝑉0⁄ )である𝑉0

再 帰 期 間 T(Return period )は,A 材 ,B 材 ,C 材 ,D 材 ,1 材 ,2 材 および 3

材 に おいて, それぞ れ T=62,T=48,T=52,T=51,T=42,T=81 および T=351 と

なった .推 定 結 果 を Table 2-7(a),(b)に示 す.Table 2-7(a),(b)に示 すように A 材 ,B 材 ,C 材 ,D 材 ,1 材 ,2 材 および 3 材 の試 験 片 2 本 当 り(N=2)で推 定 さ れる 最 大 鋳 造 欠 陥 寸 法√𝑎𝑟𝑒𝑎maxは,それぞれ 1053μm, 1312μm,971μm, 1153μm,1459μm,811μm および 278μm と推 定 された.

Fig.2-10(b) Estimation of casting defect size in terms of extreme value statistics for Material 1, 2 and 3 .

0 1000 2000 1 10 50 80 90 95 98 99 99.5 99.8 99.9 99.95 100 200 500 1000 2000 C um ul at iv e pr ob ab ili ty F % y= –l n( –l n F ) –2 –1 0 1 2 3 4 5 6 7 8

Square root of area m)

R et ur n pe rio d T 99.98 99.99 5000 9 N =2 10000 V0=4.80mm3 AC4CH 50 20 10 Material 1 V0=2.42mm3 Material 2 V0=0.55mmMaterial 33

(41)

Material A B C D Control volume V0(mm3) 3.20 4.17 3.85 3.91

Number of data Number of specimens for

estimation Return period 62 48 52 51 Critical volume V (mm3) Defect size (m) 1053 1312 971 1153 40 N =2 95.5 Material 1 2 3 Control volume V0(mm3) 4.80 2.42 0.55 Number of data

Number of specimens for estimation Return period 42 81 351 Critical volume V (mm³) Defect size (m) 1459 811 278 40 95.5 N=2 N=1

Table 2-7(a) Estimated results of casting defect size for Material A, B, C and D .

Table 2-7(b) Estimated results of casting defect size for Material 1, 2 and 3 .

(42)

0 1000 2000 1 10 50 80 90 95 98 99 99.5 99.8 99.9 99.95 100 200 500 1000 2000

C

um

ul

at

iv

e

pr

ob

ab

ili

ty

F

%

y=

–l

n(

–l

n

F

)

–2 –1 0 1 2 3 4 5 6 7 8

Square root of area m)

R

et

ur

n

pe

rio

d

T

99.98 99.99 5000 9 10000 N =2 V0=3.24mm3 Material A 50 20 10 T ype1 V0=3.20mm3 T ype2

Table 2-8 Comparison between integration type 1 and type 2 in Material A .

2.4.2 鋳 巣 の統 合 の違 いによる比 較

2.4.2.1 Material A

隣 接 し た 鋳 巣 の 統 合 条 件 が 異 なる Type 1 および Type 2 について極 値 統 計 を 行 い , 推 測 さ れ る 鋳 巣 の 寸 法 か ら 式 2-(8)を 用 いて疲 労 限 度 を 推 測 した .極 値 統 計 の 結 果 を Fi g.2-11 および Table 2-8 に示 す.

Table 2-8 を見 ると Type 1 および Type 2 で疲 労 限 度 の推 定 値 に大 きな差 は 認 め ら れ な か っ た . こ れ は ,3 つ 以 上 の 鋳 巣 が 隣 接 し た も のが 少 なか っ た ことが 挙 げ ら れ る . ま た , 式 2-(8)によ るいず れの 予 測 も 実 験 値 に 比 べ て 危 険 側 の 予 測 となっ た .

V0

(mm3) (m) Prediction by Eq.2-(8) Experimental Fatigue limit (MPa)

Material A T √𝑎𝑟𝑒𝑎

(43)

0 1000 2000 3000 1 10 50 80 90 95 98 99 99.5 99.8 99.9 99.95 100 200 500 1000 2000

C

um

ul

at

iv

e

pr

ob

ab

ili

ty

F

%

y=

–l

n(

–l

n

F

)

–2 –1 0 1 2 3 4 5 6 7 8

Square root of area m)

R

et

ur

n

pe

rio

d

T

99.98 99.99 5000 9 10000 N =2 V0=4.50mm 3 Material B 50 20 10 T ype1 V0=4.17mm3 T ype2

Table 2-9 Comparison between integration type 1 and type 2 in Material B .

2.4.2.2 Material B

Material B に 対 する極 値 統 計 の 結 果 を Fig.2-12, 推 測 さ れる 疲 労 限 度 を Table 2-9 に示 す. ただし,この場 合 鋳 巣 の予 測 寸 法 が 1400μm に近 い,ある いは 超 過 し ているた め, 式 2-(9)を 用 いている. 以 降 ,寸 法 が 1400μm 以 下 の 場 合 は 式 2-(8),超 える場 合 は式 2-(9)を 用 いた 推 定 である.Table 2-9 を見 ると Type 1 および Type 2 で疲 労 限 度 の推 定 に差 が生 じ るが,いずれの推 定 も 実 験 値 と 比 べて 安 全 側 の 推 定 を 行 っ ている こと がわか る.Type 1 と Type 2 で差 があ る の は , 湯 口 か ら 離 れた 場 所 で 金 型 内 の 溶 湯 の 流 動 が 遅 いた め 密 集 し た 鋳 巣 が 多 く 見 ら れた ことに よ ると考 え ら れる. V0

(mm3) (m) Prediction by Eq.2-(9) Experimental

Type1 4.50 44 1728 66.5

Type2 4.17 48 1312 72.9 80

Material B T √𝑎𝑟𝑒𝑎 Fatigue limit (MPa)

(44)

Table 2-10 Comparison between integration type 1 and type 2 in Material C .

2.4.2.3 Material C

Material C の結 果 を Fig.2-13 および Table 2-10 に示 す.この場 合 ,鋳 巣 が 小 さいた め 式 2-(8)を利 用 している. Table 2-10 を見 ると Type 1 および Type 2 で疲 労 限 度 の 推 定 に 差 はなか っ た .これ は,前 節 と 同 様 に ,3 つ以 上 の隣 接 し た 鋳 巣 が 全 く 存 在 し な か っ た た め で あ る . ま た 予 測 値 は 実 験 値 と 比 較 し て 安 全 側 の 値 を 示 し た .

V0

(mm3) (m) Prediction by Eq.2-(8) Experimental

Type1 3.85 52 971 75.9

Fatigue limit (MPa) Material C T

0

1000

2000

1

10

50

80

90

95

98

99

99.5

99.8

99.9

99.95

100

200

500

1000

2000

C

um

ul

at

iv

e

pr

ob

ab

ili

ty

F

%

y=

–l

n(

–l

n

F

)

–2

–1

0

1

2

3

4

5

6

7

8

Square root of area m)

R

et

ur

n

pe

rio

d

T

99.98

99.99

5000

9

10000

N =2

V

0

=3.85mm

3

Material D

50

20

10

T ype 1

V

0

=3.85mm

3

T ype 2

√𝑎𝑟𝑒𝑎

(45)

0

1000

2000

1

10

50

80

90

95

98

99

99.5

99.8

99.9

99.95

100

200

500

1000

2000

C

um

ul

at

iv

e

pr

ob

ab

ili

ty

F

%

y=

–l

n(

–l

n

F

)

–2

–1

0

1

2

3

4

5

6

7

8

Square root of area m)

R

et

ur

n

pe

rio

d

T

99.98

99.99

5000

9

10000

N =2

V

0

=3.91mm

3

Material C

50

20

10

T ype1

V

0

=3.91mm

3

T ype2

Table 2-11 Comparison between integration type 1 and type 2 in Material D .

2.4.2.4 Material D

Material D の結 果 を Fig.2-14 および Table 2-11 に示 す.推 定 式 は 2-(8)であ る.Table 2-11 を見 ると Type 1 および Type 2 で疲 労 限 度 の推 定 に差 はなかっ た .これの 材 料 に つ いては ,3 つ以 上 の隣 接 した鋳 巣 が全 く存 在 しなかった ため に 推 定 値 は 完 全 に 一 致 し た . また 予 測 値 は 実 験 値 と 比 較 し て 安 全 側 の 値 を 示 した .

V0

(mm3) (m) Prediction by Eq.2-(8) Experimental

Type1 3.91 51 1153 72.9

Type2 3.91 51 1153 72.9 75

Fatigue limit(MPa) Material D T √𝑎𝑟𝑒𝑎

(46)

Table 2-12 Comparison between integration type 1 and type 2 in Material 1 .

2.4.2.5 Material 1

Material 1 に 関 する極 値 統 計 の結 果 を Fig.2-15 および Table 2-12 に示 す. 鋳 巣 が 大 きいた め, 推 定 式 は2-(9)である.Table 2-12 より Type 1 および Type 2 で 疲 労 限 度 の 推 定 に あ ま り 差 は な か っ た . 同 材 は 鋳 巣 が 大 き い た め , 3 つ 以 上 の 鋳 巣 が 隣 接 し た も の が 少 な か っ た こ と が 挙 げ ら れ る . ま た 式 2-(9) に よ る 予 測 値 は 実 験 値 と 比 較 し て 危 険 側 の 値 を 示 し た .

V0

(mm3) (m) Prediction by Eq.2-(9) Experimental Type1 4.88 41 1465 69.8

Fatigue limit (MPa) Material 1 T 0 1000 2000 1 10 50 80 90 95 98 99 99.5 99.8 99.9 99.95 100 200 500 1000 2000

C

um

ul

at

iv

e

pr

ob

ab

ili

ty

F

%

y=

–l

n(

–l

n

F

)

–2 –1 0 1 2 3 4 5 6 7 8

Square root of area m)

R

et

ur

n

pe

rio

d

T

99.98 99.99 5000 9 Material T ype1 10000 50 20 10 V0=4.88mm3 T ype 1 N =2 T ype 2 V0=4.80mm3 √𝑎𝑟𝑒𝑎

(47)

Table 2-13 Comparison between integration type 1 and type 2 in Material 2 .

2.4.2.6 Material 2

Material 2 の結 果 を Fig.2-16 および Table 2-13 に示 す.Table 2-13 では Type 1 および Type 2 で疲 労 限 度 の推 定 に差 を生 じた.これは,寸 法 の大 きな 3 つ 以 上 の 隣 接 し た 鋳 巣 の 推 定 に 差 が 生 じ た こ と に 起 因 す る と 考 え ら れ る . ま た 式 2-(8)による予 測 値 は実 験 値 と比 較 し て危 険 側 の値 を示 し た.

V0

(mm3) (m) Prediction by Eq.2-(8) Experimental Type1 2.63 75 1011 82.2

Type2 2.42 81 811 85.2 50

Fatigue limit (MPa) Material 2 T 0 1000 2000 1 10 50 80 90 95 98 99 99.5 99.8 99.9 99.95 100 200 500 1000 2000

C

um

ul

at

iv

e

pr

ob

ab

ili

ty

F

%

y=

–l

n(

–l

n

F

)

–2 –1 0 1 2 3 4 5 6 7 8

Square root of area m)

R

et

ur

n

pe

rio

d

T

99.98 99.99 5000 9 Material T ype2 10000 50 20 10 V0=2.63mm 3 T ype 1 N =2 T ype 2 V0=2.42mm 3 √𝑎𝑟𝑒𝑎

(48)

Table 2-14 Comparison between integration type 1 and type 2 in Material 3 .

2.4.2.7 Material 3

Material 3 の結 果 を Fig.2-17 および Table 2-14 に示 す.Table 2-14 でも Type 1 および Type 2 で疲 労 限 度 の推 定 に差 を生 じた.これは,前 節 と同 様 に, 寸 法 の 大 きな 3 つ以 上 の隣 接 した鋳 巣 が多 いために, 推 定 値 に差 が生 じた と 考 え ら れる. また 予 測 値 は 実 験 値 と比 較 し て安 全 側 の 値 を 示 し た .

V0

(mm3) (m) Prediction by Eq.2-(8) Experimental Type1 0.57 336 322 97.2

Type2 0.55 351 253 101.2 105

Fatigue limit (MPa) Material 3 T 0 500 1 10 50 80 90 95 98 99 99.5 99.8 99.9 99.95 100 200 500 1000 2000 C um ul at iv e pr ob ab ili ty F % y= –l n( –l n F ) –2 –1 0 1 2 3 4 5 6 7 8

Square root of area m)

R et ur n pe rio d T 99.98 99.99 5000 9 10000 N =1 Material T ype3 50 20 10 V0=0.57mm3 T ype 1 T ype 2 V0=0.55mm3 √𝑎𝑟𝑒𝑎

(49)

2.4.3 疲 労 限 度 推 定 式 の妥 当 性 評 価

極 値 統 計 によっ て求 めた 最 大 欠 陥 寸 法√𝑎𝑟𝑒𝑎maxと各 試 料 の HV を式 2-(8) お よ び 式 2-(9) に 代 入 し て 疲 労 限 度 推 定 を 行 い , 比 較 と し て 既 存 の 推 定 式 2-(5)および式 2-(7)による推 定 も 行 い比 較 した.結 果 を Tabl e 2-15 に示 す.ま た ,式 2-(5),式 2 -(7)および式 2-(8),式 2-(9)により推 定 し た疲 労 限 度 をそれ ぞれσw a,σw b,σw c,σw d とし , 実 際 の 疲 労 限 度 σw に 対 する 比 を 求 めた .ここ で,式 2-(7)において Es t=206GPa,E=70GPa である.その結 果 は Table 2-16 に 示 す.

2.4.3.1 大 型 鋳 造 材 から採 取 した A~D 材 について

まず, 実 際 の 大 型 構 造 材 か ら 採 取 し た A~D 材 については,Table 2-15 より C,D 材 については実 験 値 と推 定 値 が良 く一 致 している事 がわかる. また C,D 材 は 3 つ以 上 の隣 接 した鋳 巣 がなく, Type 1 と Type 2 の推 定 結 果 は同 一 とな っ ている.一 方 B 材 を見 ると,3 つ以 上 の隣 接 した鋳 巣 が多 いため,予 想 される 最 大 鋳 巣 寸 法 が 大 きく 異 なっ ている. 特 に Type 1 では鋳 巣 寸 法 が 1400μm を 超 え ているた め 推 定 式 2-(9),Type 2 では 1400μm 以 下 のために推 定 式 2-(8) が 利 用 できる .実 験 値 に 近 いのは Type 2 を用 いた推 定 結 果 であり,Type 2 とし て 提 案 し た 鋳 巣 の 統 合 手 法 の 方 が 高 精 度 に 疲 労 限 度 を 予 測 可 能 で あ る 事 を 示 し ている .A 材 は鋳 巣 が小 さく,かつ Table 2-4 で示 したように DAS が緻 密 で 硬 さも 高 い .それにも かか わら ず, 実 験 値 が予 測 値 よ りも か なり 小 さく , 危 険 側 の 推 測 となっ ている .A 材 のみがイレギュラーな結 果 を示 してしまっ たが,その原 因 とし て A 材 のみ,大 型 鋳 造 材 の湯 境 の部 分 から採 取 していることが考 えられる. 湯 境 は , 鋳 型 の 中 で 溶 融 し た 材 料 がぶつ か る位 置 であり , 複 雑 な 流 動 を 示 す. 今 回 の 流 動 シ ミ ュ レ ー シ ョ ン で は 湯 境 を 考 慮 し て い な い . す な わ ち , 推 定 式 2-(8)や 2-(9)は,湯 境 の部 位 には適 応 できない可 能 性 があり,注 意 が必 要 であ る.

2.4.3.2 鋳 造 条 件 の異 なる 1~3 材 について

1~3 材 については, 3 材 についてのみ実 験 値 と予 測 値 が比 較 的 一 致 するが, 1,2 材 の予 測 値 は著 しく危 険 側 となっている.ここで 1 材 について,応 力 拡 大 係 数 を√𝑎𝑟𝑒𝑎 を 用 い て 評 価 し た 結 果 を Fig.2-18 に 示 す . 村 上 は 計 算 式 を √𝑎𝑟𝑒𝑎<1000μm の条 件 で用 いたが,本 研 究 では √𝑎𝑟𝑒𝑎<4000μm の条 件 で比

(50)

Table 2-15 Comparisons of predicted fatigue limit with experimental result . 較 を 行 っ た .1 材 の応 力 拡 大 係 数 は 村 上 の値 よりも大 きい値 となり,これはき裂 発 生 に 対 し て 安 全 側 の 推 定 で あ る . そ れ に も 変 わ ら ず , 危 険 側 の 推 定 と な っ た 原 因 は以 下 の ことが 考 え ら れる.Fig.2-19 は,1 材 と 2 材 の断 面 組 織 である.1 材 と 2 材 はいずれも 重 力 鋳 造 であり,鋳 巣 が断 面 中 に密 集 し ていることがわか る.これに 対 し て 実 際 の 大 型 鋳 造 材 や 鋳 巣 の 小 さな 3 材 は加 圧 鋳 造 となってい る . し た が っ て , 重 力 鋳 造 の よ う に あ ま り に 鋳 巣 が 多 い 場 合 に は , 硬 さ と 最 大 欠 陥 寸 法 の みから 疲 労 限 度 を 予 測 する 事 が 困 難 と 考 え ら れる. Hardness

(m) HV Eq.(5) Eq.(7) Eq.(8) Eq.(9) Experimental

1 1181 104 69 84 77 2 1053 106 69 86 80 1 1728 94 62 76 66 2 1312 99 65 79 73 1 971 2 971 1 1153 2 1153 76 78 Material Type A B C

Prediction of fatigue limit (MPa)

116 108 92 96 61 D 90 93 58 73 74 75 65 80 78    Hardness

(m) HV Eq.(5) Eq.(7) Eq.(8) Eq.(9) Experimental

1 1465 95 62 76 70 2 1459 95 62 76 70 1 1011 102 67 82 79 2 811 106 70 85 85 1 322 122 80 97 115 2 253 127 82 101 125 Material Type 1 2 3 104 107 103

Prediction of fatigue limit (MPa) 20 50 105   

(51)

Table 2-16 Ratios of esti mated fatigue li mit to experi mental result. 1 0.63 0.94 0.77 0.84 2 0.61 0.94 0.76 0.81 1 0.85 1.29 1.05 1.21 2 0.81 1.23 1.01 1.10 1 2 1 2 Material A B C Type 1.28 1.03 1.00 σw/σwa σw/σwb σw/σwc σw/σwd 0.81 D 0.81 1.29 1.03 1.01 1 0.21 0.32 0.26 0.29 2 0.21 0.32 0.26 0.29 1 0.49 0.75 0.61 0.63 2 0.47 0.71 0.59 0.59 1 0.86 1.31 1.08 0.91 2 0.83 1.28 1.04 0.84 2 3 Type σw/σwa σw/σwb σw/σwc σw/σwd Material 1

(52)

Fig.2-18 Stress intensity factor for crack initiation .

1000

2000

3000

4000

0

0.01

0.02

Square root of area m)

Str

es

s

in

te

ns

ity

f

ac

to

r

K

― K=3.3×

10

−3

(Hv+120)

(√area)

13

Material 1

(53)

Fig.2-19 Shape of casting defect.

a)

(d)

c)

(b)

a) ,( b) M a te r ia l 2 ( ) (c) ,( d) M a te r ia l 1 ( )

(54)

2.4.4 新 たな疲 労 限 度 推 定 式 の提 案

前 節 ま で で 述 べ た 結 果 で ,√𝑎𝑟𝑒𝑎法 を 用 いて 疲 労 限 度 推 定 を 行 う 際 に 必 要 な因 子 を まとめた 表 を Table 2-17 に示 す.さらに,疲 労 試 験 より求 めた疲 労 限 度 と 欠 陥 の√𝑎𝑟𝑒𝑎m a x との 関 係 を Fig.2-20 に示 す.次 節 より前 述 し た Type 1 と Type 2 のそれぞれについて疲 労 限 度 推 定 式 の定 式 化 を 行 う. Material A B C D 1 2 3

Fatigue limit (MPa) 65 80 75 78 20 50 105 Vickers hardness ( Hv) 116 108 90 92 104 107 103 √𝑎𝑟𝑒𝑎m a x (µm) (Type 1) 1181 1728 1153 971 1465 1011 357 √𝑎𝑟𝑒𝑎m a x (µm) (Type 2) 1053 1312 1153 971 1459 811 278

100

1000

10

20

40

60

80

100

200

F

at

ig

ue

li

mit



w

(

MP

a)

Square root of area (µm)

Type1

Type2

2000

Table 2-17 Esti mated results of casting . defect.

A

B

C

3

2

1

D

(55)

2.4.4.1 Type1 に基 づく疲 労 限 度 推 定 式

Type1 の統 合 方 法 によって得 られた 疲 労 限 度 と欠 陥 の √𝑎𝑟𝑒𝑎m a x との関 係 を Fig.2-21 に示 す.図 で示 す直 線 は 3 材 ,A 材 ,B 材 ,C 材 および D 材 の 5 点 で最 小 二 乗 法 に よ っ て得 た 近 似 直 線 であ る. なお, 硬 さは各 材 で若 干 異 なるが , 大 きな 差 が 無 いた め HV は 5 材 の平 均 値 (102)を取 っている. 前 項 で示 したよう に ,1 材 および 2 材 は欠 陥 密 度 があまりに大 きいため,推 定 式 から除 外 してい る. Type1 に よ る 近 接 す る 欠 陥 の 合 体 に つ い て 表 面 起 点 型 破 壊 に 対 す る 疲 労 限 度 推 定 式 ( 図 中 式 (i))を提 案 する.式 ( i)により√𝑎𝑟𝑒𝑎m a x =100(µm)における 疲 労 限 度 は 118(MPa)と推 定 される.

100

200

1000 2000

10

20

40

60

80

100

200

F

at

ig

ue

li

mit



w

(

MP

a)

Square root of area (µm)

Type1

Fig.2-21 Relationships between fatigue li mit and √ m a x based on

Type 1. 𝜎w=1.43(76+ 𝐻𝑉) (√𝑎𝑟𝑒𝑎)𝑚𝑎𝑥16 (i) 11 8 MP a

( )

( )

○1 ○2

(56)

2.4.4.2 Type 2 に基 づく疲 労 限 度 推 定 式

Type 2 に基 づく前 節 と同 様 の 関 係 を Fig.2-22 に示 す.図 で示 す直 線 は 3 材 ,A 材 ,B 材 ,C 材 および D 材 の 5 点 で最 小 二 乗 法 によ って得 た近 似 直 線 である.1 材 および 2 材 は 前 節 と同 様 除 外 している. Type2 によ る欠 陥 の合 体 によっ て得 ら れた 表 面 起 点 型 破 壊 に 対 する 疲 労 限 度 推 定 式 ( 図 中 式 (ii ))を 提 案 し た . 式 ( ii )によ り √𝑎𝑟𝑒𝑎m a x =100(µm) に おけ る

疲 労 限 度 は 116(MPa)と推 定 される.Type 1 と Type 2 ではほとんど推 定 値 に差 が 現 れな いが,Type 1 および Type 2 における決 定 係 数 R2 はそれぞれ 0.40 お よ び 0.54 であり,Type 2 の方 が 1 に近 いことから 精 度 よく近 似 できていることを 示 し ている . また , 図 中 の 式 は 上 野 等 の 提 案 し た 式 2-(8)に極 めて近 く,妥 当 な 提 案 式 と 考 え ら れ る . し か し ,A 材 のみ 危 険 側 の推 定 値 とな っ ており,やはり湯 境 に おける 特 異 性 に ついては 注 意 すべき である.

100

200

1000 2000

10

20

40

60

80

100

200

F

at

ig

ue

li

mit



w

(

MP

a)

Square root of area (µm)

Type2

Fig.2-22 Relationships between fatigue li mit and √ m a x based on

𝜎w =1.43(73+ 𝐻𝑉) (√𝑎𝑟𝑒𝑎)𝑚𝑎𝑥16 (ii) ) 11 6 MP a

( )

2

( )

1

(57)

2.5. 結 言

本 研 究 で は, 大 型 鋳 物 材 か ら 凝 固 時 間 の 違 いで 切 り 出 し た AC4CH と,鋳 巣 の 数 と 寸 法 を 意 図 的 に 変 え た AC4CH の疲 労 試 験 と極 値 統 計 を行 い,疲 労 限 度 を 調 べた . また , 隣 接 し た 鋳 巣 の 統 合 方 法 の 妥 当 性 と 疲 労 限 度 推 定 式 の 妥 当 性 を 調 査 し た . 得 ら れた 主 な 結 果 を 以 下 に 示 す. (1) 硬 さには 凝 固 時 間 との 相 関 が 見 ら れた .すな わち 凝 固 時 間 が 短 いほ ど 硬 さは高 い ことが わか っ た .

(2) 疲 労 限 度 と Dendrite Arm Spacing (DAS)には凝 固 時 間 との相 関 が見 ら れず, 用 いた 材 料 に よ る相 違 は 認 めら れ なかっ た . (3) 最 大 欠 陥 寸 法 は材 料 による相 違 はあるが,凝 固 時 間 と の相 関 は見 ら れな かっ た . (4) 疲 労 限 度 および DAS は鋳 巣 の大 きさとの間 で相 関 が見 られた.すなわち 鋳 巣 の 大 きさが 大 き いほ ど疲 労 限 度 は低 くなり,DAS は小 さくなることが分 かっ た . (5 ) 鋳 巣 が 大 き く な る に つ れ て 極 値 統 計 に よ る 疲 労 限 度 の 推 定 が 困 難 に な る. (6) 鋳 造 の際 に生 じる湯 境 付 近 の疲 労 限 度 の推 定 は困 難 である. (7 ) 鋳 巣 が 密 集 し て い る 材 料 で は 本 研 究 で 用 い た 推 定 式 によ る 疲 労 限 度 の 推 定 は困 難 で あるこ とが 分 か っ た .

(58)
(59)

3 章

摩擦攪拌により組織改質した鋳造アルミニウム合金の

疲労挙動に及ぼす改質条件の影響

(60)

3.1 緒 言

3.1.1 表 面 処 理 ・改 質 技 術 と摩 擦 攪 拌

優 れた 特 性 を 創 り 出 す 表 面 処 理 ・ 改 質 の 技 術 手 法 は , 組 成 ・ 組 織 ・ 結 晶 構 造 など 材 料 表 面 の 制 御 , 異 なる 特 性 を も つ 異 相 の 被 覆 , 微 細 加 工 によ る 表 面 形 状 制 御 な どに 大 き く 分 類 され る. 耐 食 性 や 耐 摩 耗 性 を 向 上 させて 製 品 寿 命 を 長 く す る こ と , 摺 動 性 の 向 上 に よ り 省 エ ネ ル ギ ー に 寄 与 す る こ と , 生 体 と の 馴 染 み を よ く し て 生 体 材 料 と し て の 機 能 を 高 め る こ と な ど , そ れ ら の 目 的 は 様 々 で ある. 一 方 , 金 属 材 料 を 使 用 す る 際 に , 全 て の 製 品 に 共 通 し て 求 め ら れ る 性 能 は 材 料 強 度 で あ る . 特 に , 疲 労 強 度 は 材 料 表 面 の 状 態 に 大 き く 左 右 さ れ る た め , これ まで に も 表 面 処 理 ・ 改 質 技 術 が 注 目 され てきた .そ の 新 旧 技 術 には, 浸 炭 法 や 窒 化 法 な どの固 溶 強 化 , 鋼 球 や レー ザー,ウォ ータ ージェ ットなどのピ ーニ ン グ に よ る 加 工 強 化 , 残 留 応 力 の 付 与 お よ び 結 晶 粒 微 細 化 効 果 な ど が あ る . そ の 中 で 結 晶 粒 微 細 化 に よ る 強 化 は じ ん 性 を 向 上 さ せ る 最 も 有 効 な 方 法 で あ り, 強 度 の 向 上 以 外 に も 従 来 得 ら れ なか っ た 材 料 特 性 を 示 す ことが 期 待 さ れ る. その た め,結 晶 粒 径 が 10μm 以 下 となるような強 ひずみ加 工 が材 料 改 質 技 術 とし て利 用 さ れるよ う に なった . こ の よ う な 強 ひ ず み 加 工 で は , 鋳 造 材 に 存 在 す る 欠 陥 も 除 去 で き る こ と か ら , き 裂 発 生 を 抑 制 し , き 裂 発 生 抵 抗 を 向 上 さ せ る こ と が 期 待 で き る . し か し , こ れ ま で の 強 ひ ず み 加 工 法 は 製 品 サ イ ズ が 制 限 さ れ , 解 決 す べ き 問 題 も 多 い . そ の た め, 容 易 に 表 面 改 質 あ るいは 材 料 全 体 の 改 質 が 行 え る , 新 規 で 優 れた 技 術 の 開 発 が 期 待 さ れ ている.

1991 年 英 国 の溶 接 研 究 所 (The Welding Institute; TW I)において,摩 擦 撹 拌 接 合 (Friction Stir Welding; FSW )が開 発 された.この接 合 法 は一 般 の 溶 接 と 異 な り , 固 相 状 態 で 接 合 が 可 能 な 技 術 で あ る . そ の た め , 多 く の 利 点 を 有 し , 接 合 以 外 の 応 用 例 が 多 数 見 受 け ら れ る[12] . その 中 の ひと つ とし て , 摩 擦 攪 拌 が 結 晶 粒 微 細 化 に 寄 与 し , 有 効 に 気 孔 な ど の 欠 陥 を 消 去 で き る こ と か ら , こ の 効 果 を 積 極 的 に 材 料 の 特 性 改 善 に 用 い る 摩 擦 攪 拌 改 質 (Friction

Table 2-1 Chemical  composition s of material (mass. %) .
Table 2-3 Casting conditions of materi als 1, 2 and  3.
Table 2-5 Vickers hardness . Table 2-4 DAS. MaterialABC DDAS (μm)578499 96Material123DAS (μm)716633 Material A B C D Vickers hardness 116 108 102 90 Material 1 2 3 Vickers hardness 104 107 103
Table 2-6(a) Estimated  results of casting defect size  for    Material A, B, C and D .
+7

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