325
諸種愚物の組織呼吸 及ぼす影響の研究
金澤讐科大副谷野内科教室(主任谷野教授)
高 島 彌 生
Y ayvi Takashi7na (昭和23年10月21H受附)
第1章緒
:Barcroft 1), Brodie及びStraub 2)は初めて犬
及び家兎に就きて腎臓の瓦斯消費量を漉し「カ フェイン」,尿素硫酸ソーダ」等による利尿時 に腎臓は他の腺臓器の分泌充臨時と同様,酸素 溝費:量が平常に比し増加することを認めた塾.
然るに田村及び三輪3)は「プリン」誘導艦による 家兎の利尿時に:於ける腎臓酸素重囲量は増加を 來さす,唯「ヂウレチン」のみは腎臓酸素清費量 の増加を招致するも,之は「ヂウレチン」の有す るrサリチル酸籏に基因すと主唱せり.田代及 び阿部4)等は之を追試し藥物の量的影響の甚大 なるを指摘して「カフェイン」,安息香酸ナトリ
ウム,カフェイン」(安ナカ⊃及び「ヂウレチン」,
「アダリン」等の少量は腎臓の酸素消費量を増進 するも大:量にては低減せしむと読けり.更に Hayman u. Schmidt 5)は:Barcroft u・Straubの 實験を追試し之を否定せるも,Gremels S)は「ス
トロフアンチン」,「ヂギトキシン」,「テオチン」,
「テオブロミン」,「カフェイン」等は腎臓酸素沿
費量を著しく増加し,此の増加は尿申全窒素
量の増量と相伴ふことを認めたり.申井7)は Warburg氏奮法により「カフェイン」,「テオチ カン」,「テオブロミン」,「アダリン」は腎臓組織言
呼吸を低下し,・安ナカ」は殆んど影響なく,「ヂ ゥレチン」,「サリチル酸ソーダ」は之を増大す と言ひ,岡部8)は腎皮質に封ずる組織呼吸を忙 し「カフェイン」は之を増加せしめ「ヂウレチン」
は高濃度に於ては抑制し,低濃度に於ては促進 すと報ぜり.忠信9)は「カルヂノン」,「パンギ タ ・一ル」,「ウアバニン」を用ひて廿日鼠心筋の 組織呼吸を止し何れも之を増力nするを認め,中 川1。)は「オイフイリン」及び「ザリルガン」は肝臓 組織呼吸を充進すと述べたり.一・方塞等「プリ
ン」誘導髄及び「ヂ忌寸リス」羅製劃が腎臓及び 心臓に宜し夫々直接作用して其の機能を充進ず
ることは現今廣く認めらるS所なり.
:Barcroftの言へる如く諸臓器の機能幽魂に:際 して其の酸素消費量の増加を乱すことは想像に 難からざる所なるも,上述の如く藥物による臓 器の機能充進と夫等臓器の酸素浩費量との關係 に關する先人の研究成績は必しも一致せざる所
あるによ夢余はWarburg氏奮法により彊心利
尿剤に就て之等の關係を追究せんとし,「ヂギ タリス」鵬製剤3種及び「プリン」誘導膿製劃4 種に就て心臓,腎臓及び肝臓の組織呼吸に及ぼ す夫等の作用を検したb.第2車 實 験 方、法 1.被槍製剤 (1)安息香酸ナ1・リウムカフエイ
ン」(安ナカ」)=武田製.純樺結晶20%水溶液.(2)
「カフェイン」=武田製.日本藥局方.(β)「ヂウレ チソ」:盤野義製.日本藥局方.(4)「サリチル酸テ
オブロミソソーダ」:林製「テォチゾール」,日本藥局 ガ「テオフイロール」の3%水溶液.(5)「ヂキタミ
ン」:睡野義製,「ヂキタリス,プルプレヤ」葉全有効 成分の食竪水溶液.(6)「ヂギラノゲソ」=藤澤製,
[ 83 ]
1.Occ中に「ヂギタリス。ラナータ」配糖盟の結晶0・25 mg含有.(7)Fウアパニソ」:武田製,「9一ストロ フアソチソ」の純輝結晶の食盤水溶液,1・Occ申に0・0
75mg 含有. 1
2.實験動物 健常白色廿日鼠
3.組織呼吸測定法Warburg氏蕾法に從ひQo2
を測定せり.恒温槽温度37。C,振盤撒 毎分・60 》70
鳳振幅約1⑪cm・呼吸槽圓維状器観察時間3⑪〜
60分.
4。實験方針 各製測につきて間接作用蚊に直接作 用を樵したり,間接作用の樵査は数日間毎日1〜2回
(午前:及び午後各1回)藥剤の皮下注射を施したる後動 物を致死し.Qo21を測定せるものにして「プリン」誘 導盟製捌の場合は注射期間を3日とし且つ奏効速度と 作用持績時間とを併せ梅する目的を以て最後の注射よ り致死までの時間を3⑪分,1時間,2時間及び3時間 の4種に分ち「ヂギタリス」罵製剤にあbては蓄穫作用 を梅するため注射時間を4日.7日及び10日の3種に 分ちて實施せり.
間接作用瞼査に於ける1回の藥剤使用壁は第1表の 如く入盟に於ける1回の使用量を基準として算出し動 物丁重6瓦に相野する使用量を「りyゲル」氏液0・lcc
第1表 聞接作用に於ける使用藥剤:二
半 捌
1瀞回の網 灘臆1
安 ナ カ
11cc(2⑪%〕
2x10−5g カ フ エ イ ソ 0.19 1×10−59 1・09 1x10−4g テ オ チ ゾール
iテオフィリy酷酸ソーダ〕 10cc(3%) 3×10−5暮 ヂ キ タ ミ ソ 1.Occ 1x10一召co
ヂギラ ノゲソ
iヂ丁丁リス・ラナータ配糖盤)
2.⑪cc
i0・5皿9) 5×1⑪}呂9
ウ ア バ ニ ソ i9一ストロファンチソ)
1.Occ
n.075鵬9〕 7.5×10−99
申に含有せしむる如く調製したるものを使用せり.直 接使用梅査に於ける使用最高濃度も間接作用の場合と 近似なるも只「ヂウtrチン」に於ては「アルカリ性強く 1×10−3濃度液のPHを7・⑪に補正するに多量の稀 盤酸を要し三三成績の正確を期し難きにより最高濃度 を1x10−6とぜり.
5.封照實験 直接作用に於ては同一動物の臓器に つき隣接せる切片を用ひ丁丁計を曲立せしめ實瞼の都 度之を求め間接作用に於ては正常動物10例につき李均 値を求め以て封照とせち,
6,成績判定 亭均値について推計學的に危wa率 5
%に於ける有意性を焼討せり.
第3章實験成績
實験成績は第2〜16表に示せb.町勢藥剤の 作用による組織呼吸の李均増減率は第17〜18表
に示したり.
[ 84 ]
諸種物の組織呼吸に及ぼす影讐の研究
第2表 正常一日最の組織呼吸
一
心 臓 腎 臓 肝 臓
挫 陣(9) Qo2 性 燈重(9) Q⑪2 性 六二(魯) Qo2
♂ 5.7 一 8.9 8 6.2 _ 19.8 ・$ 5.5 一 13.9
Ω 6.0 一 6.6 〃 6.2 一 21.8 〃 6.0 一 14.4
〃 6.2 _ 6.0 〃 5.8 一 20.6 〃 5.8 一 15.3
〃 5.9 一 6.7 ♀ 6.6 一 2⑪.2 〃 6.6 一 15.4
♂ 7.4 一 6.8 〃 6.0 一 23.4 ♀ 7.2 一 14。4
〃 7.1 一 7.1 3 5.3 一 223 3 5.3 一 15.4
♀ 7.3 _ 6.8 〃 6.1 一 22.7 〃 6.2 、一@13.7
♂
62
一 6.5 ♀ 6.2 一 23.3 ♀ 6.5 一 12.4〃 6.5 一 74 δ 6.5 一 23.8 〃 6.8 一 12.3
〃 6.8 一 7.1 〃 6.8 一 23.4 ♂ 6.2 一 14.2
李均 6.51 一 6.99 李均 6・・71 一 22.13 李均 6.21 一 14.14
第3表 安ナカ」による間接作用の成績
最後の注射よ り殺すまでの 経過時間 30 分
1 時 間
2 時 間
3 時 間
Qo2李 均値
高瀬腎臓肝wa
一一 9.77 一一 lo.2e 一一 8.00 一 8.5e
一 21.50 一一 21.93 一 24.03 一一 23.13
一 13.73 一 16.66 一 16.03 一 15.43
第4表 安ナカ」による直接作用の成績
Qo2 ZF 均 値 一 『 一 一
濃 度
一 一 『 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一
S 臓
腎 臓一 一
肝 臓 封呼値 本馬験 墨照値 本實瞼 封照値 本意験
2×10畷 Q×10−7 Q×10−10 Qxユ0−13
一 5.33
│ 6.97
│ 5.92
│ 7.07
一 6。85 Q 9.ユ4
│ 7.13
?ア.90
一22.13
│21.36
│20.93
│2LO4
一25.98
│22.88 1
│22.2⑪ 黷Q工.63
一13.67
│14.02
│14.62 Q\P4.⑪0
一16.07
│15.9⑪ 黷P5.53
│14.16
第5表 「カフェイン」による間接作用の成績 最後の注射よ
゙殺す』までの
皷゚時間
Qo2 ZF 均値
心 臓 賢 臓 肝 臓 30 分
P 時 間 Q 時 闇 R 時 間
一 8.1⑪
?9.05
│ 7.8⑪
?7.48
一23.25 Q26.30
│23.30
│22.28
一16.42
│1&15
│15.13
│14.17
一
C 85 ]
32.7
第6表 「カブr.4ン」による直接作用の成績
一一一
@濃 度
瞳
po2李均 値
心 臓 }腎 臓
肝 臓雌牛値
1E本旨馴封照雨 本實験 謝照値 本實験
1×10−4 Px10−7 Px10−10 Px10−13
一 6.20
│ 6.73
│ 6.93
│ 6。80
一 8.18
│ 8.85
│ 7.63
│ 7.33
1一・21.00
ノll:llト22…
一25.83
│25.72
│22.95
鼈黷 Q2。23
一14.20
│14.13
│14.13
│14.63
一16.43
│15.53
│14.73
黶E P4.78
一
第7表 「ヂウVチン」による聞接作用の成績
響智難i
経過時間
心 臓
Qo2へ李均値
30 1 2 3
時 時 時
分 間 間 間
一一 7.72 一 8. 13 一 g.oo 7.28
腎 臓
一一 25.63 一一 27.18
・一 25.1iO 一 24.63
肝 臓
一 15.60 一 15.le 一 15.02
・一 14.43
第8表 「ヂウレチン」による直接作用の成績
Qo2李均値
濃 度 一 心
『 一 一 一 一 一 一
。 1 腎 一 ̀
肝 臓封事値 本實白歯照値 本田験 封照値 本實験
1x1⑪一㌫
Px10−9 Px10フ12 P×10−15
一 7.67
│ 6.83
│ 6.60
│ 6.73
一8・621−21・30− 7.50 −21.93_6.98L21.90 L−6・85{一22・83
一26.47
│25.48
鼈黷 Q4.78
黶E Q4.10
一14.10
│14.17
│13.87
│13.93
一16.05
│15.25
│14.35
│13.85
第9表「テオチゾール」(「テオフィリン酷酸ソーダ」)による聞接作用の成績 最後の注射よ
闔Eすまでの o過時間
Qo2亭 均 値
心 臓 腎 臓 肝 臓 30 分
P 時 間 Q 時 簡
R 時 間
一 7.80
│ 7.67
│ 7.60
│ 7.33
_28.90
│24.40
E一 Q4.30
│23.60
一18.13
│19.07
│16.43
│14.57
[ 86 ]
諸種物の組織呼吸に及ぼす影響の硯究
第10表「テオチゾ;ル」(「テオフ・リン酪酸ソーダ」)による直接㈱鍼績
濃 度
3×10−4 3×10−7
3 × lo−le
3x10−13
Q⑪2季均値 心 昌
昌高値
一 5.53 一 6.83 一 6.73 一 6.33
本富国
一 5.70 一一 7.12 一一 6.97 一 6.48
腎 臓 肝 臓 封高値
一 24.83
一一・ 20.67
一 23.20 一 24.30
本円高
一一一 29.22
一 24.40 一一 25.02 一 26.70
封照値
一一 11.23
一 ILIO
一 11.37 一 11.07
本馬験
一一 15.35 一一 15.23 一 14.30 一 11.37
第11表 「ヂギタミン」による間接作周の成績
注馴心臓嵩上
4 日 間 一 9.40 一一29.02 7 日 聞 一 6.98 −21.16
10 日 間 一 6・93 −23.18
第12表 「ヂギタミン」による直接作用の成績
肝 臓 謝二値本二二
一 14.20) 一一 18.58 一 14.10 i 一 18.23 一一 14.10 1一 14.83 一 14.03 1 一 13.97
第13表「ヂギラノゲン」(「ラナー上高糖禮)による間接作用の成績 値
肝 臓 一18.50
│14.σ6
│13.23
濃 度
__ _一 _ }一 一一 一 、 一 』 一 一 }
@ 心 臓 【
Qo2卒 均 値 一 『 一
@腎 臓
高畠値 本二巴高値 本二二
謝1×10−3 P×10−5 P×10−9 Px10−12
_ 6.57 Q 6.93
│ 6.87
│ 6。33
:1:1引=ll:墓 i−7・351−2L97−6・37卜22・・3
一29.55
│29.22
│24.00、
黷Q2.43
=:
注射期間
4 7 10
日 日 日
間 間 間
Qo李均土
壁 臓
一 g.58 一 7.77 一 7.65
腎剛肝臓
一 一 26.12
一一 24.13 一一 23.48
一 17.48 一 16.78 一 15.58
第14表 「ヂギラノゲン」(「ラナー減配糖艦)による直接作用の成績
濃 度
一 一 一 一 一 − 一 7 一 一 一 一 } 一 一 一 一
@ 心 臓1
一 一 一 一 〜 Qo2李値均 一 一 一 一
@腎 臓 1 − _一? 臓
封高値 昌昌験 亭亭値 本島験 封照値 本雲高
5×10−7 T×10−lo Tx10−13 Tx10一蛉
一 6.40
│ 6.23
│ 6.17
│ 6.10
_ 7.83
│ 7.4⑪
?6.85 Q 6.63
_22.57
│22.43
│22.13
│22.03
一26.32
│24.27
│23.57
│22.63
一ユ3.83
│13.30
│13.80
│13.83
一17.45
│14.95
│14.83
│14.47
[ 87 」
329
第15表 「ウアバ=ン」(「9−xト・ファンチン」)による聞接作用の成績
注射期間
心 酬腎 臓 ト Qo2李 均 値肝 臓
4 日 間 V 目 間
P⑪ 日 間一 8.35 1 − 26.18
│ 8。52 1 − 23薗93
│ 7.83 − 25.83
一16.07
│15.16 . 黷P4.93
第16表 「ウアバ=ン」(「9−xトロファンチン」)による直接作用の成績
濃 度
7.5 × 10−s 7.5×10−11 7.5× zO−14 7.5× 10−i7
心 臓 自照一 本歯験
Qo2 tF均値 引 一
一 5.70 一 6.97
−6.エ3
一一 5.73
封照値
一 7.83 一 8.48 一一 6.77 一 6.08
一 22.03 一 22.07 一一 22.53 一 22.47
本實験
一 24.02 一 25.90
一.. 24.23
一 23.20
肝 臓 自照値
一 13.77 一ユ3.83 一 13.97 一 14.00
本玉験
一 14.S8 一 16.eo 一 15.02 一 14.63
第17表 「プリン」誘導膿製剤による臓器組綴呼吸の牢均増減牽(%)
藥 捌
安 ナ カ
カフエイソ
ヂウレチソ
テオチゾー一 IU
(藷郵⊥}つ
直 接 作 用
濃 度
2x10一弓 2x工0−7 2×10−le
2 × 10−1:
1 x 10−4
1×10−7 1×10−lo 1×10−13 1×10−e,
1 × 10−g.
1×工O−12 1×lo−st 3×10−4 3× 10−7 3× 10−lo
3x10一13
心 臓
十28.5米 十31.1 )K 十2⑪.4来 十li.7
十3L9米
十31.5米 十1⑪.1米
十 X8 十12.4米 十9.8米
十 5.8 十 1.7
腎 臓
十17 .4 十 7.1 十 6.1 十 2.8
十23.0米 十14.0米 十 2.9 十 1.0
十24.2米 十16.2米 十13.2米 十 5.7
+3・11+17・7米
十 4.2 i 十18.0 * 十 3.6 1十 7.8
十2.4 i十9.9 ,
肝 二
十17.6米 十13.4米 十 6.2 十 1.1
十15.7米 十9.9米
十 4.2 十 1.e
十13.8米 十 7.6 十 3.5 一一 e.6
十36.7米 十34.8米 十25.8米 十 2.7
闇
離翻心
援 作 用
臓
30 分 1時閣 2時間 3時聞 30 分
1時閻 2時間
3時…間
30 分 1時間 2時間 3時間 30 分
1時間 2時聞 3時間
十39.8米 十45.9米 十工4.4X一 十21.6米 十16.6米 十29・5来 十11。6米 十 7.0
十10.4 十16.3米 十14。4米 十 4.1
十11.6 十9.ア 十 8.7 十 4.9
腎 臓
一一一 2S
一 9.0 十 8.6 十 4.5
十 5.1 十18.8米 十 5.3 十 O.7
十15.8来 十22.8来 十13.4巌 十11.3崇 十30.6 * 十10.3米 十 9.8*
十 6.6
肝 臆
一 2.9 十17.8米
十13.4 *一 十 9.1
十16.1米 十28.4米 十 7.0 十 O.2
十10.3米 十 6.8 十 6.2 十 2.1
十28.2 X 十34.9米 十16.2米 十 3.0
註二X印は推計學上5%の危瞼率に於て有意と認められるもの
一[ 88 )
諸種物の組織呼吸に及ぼす影響の蘇究 331
第18表 「ヂキタリス」麗製剤による臓器組織呼吸の弔均増減率(%)
寒 剤
ヂギタミソ
ヂギラノゲン
(ラナータ配糖醗)
直 接 作 用
濃劇心劇腎臓
1x10一・1+29.7来
1×10−6 1 十25.1 )k 1× lo−q一 i 十 zo 1×10−i2 1 十 O.6 5×lo−7 4 5X五⑪一1⑪ 5×10−13 5x10一ユG レ.5・x・10−s
7.5×10−it
十22.3米 十18.8 pa
十1LO米 十8弘7
ウアパニソ
(騨フ);::霊暇1
十37.4四 十21.7米 十10.4 *
千29.8米 十33.7米 十9.2米
十 6.2
十16.6*
十 8.2X 十 6.5 十 2.7
十9.0米
十17.4 *
十7.5米
十 3.2
肝 臓 十30.8*
十29.3来 十 5.2 一 O.4
十26.2米 十12.4 X 十 7.5 十 4.6
十8.8米 十15.7米 十 7.5 十 4.5
間 接 作 用
話劇三歳正劇肝臓
4 日間
7日閲 10日間
4日聞 7日間 10目間
4 日聞
7目間 10日間
十34.5米 一 O.1 一一 O.9
十21.9米 十11.2 X 十 9.4
十19.5米 十21.9米 十12.O米
十31.1米 一 4.4 十 4.7
十18.0 *
十9.0米
十 6.1
十18.3 *
十 8.1 )ts3
十16.7 *
十30.8米 一 O.6 一 6.4
十23.6 *
+18・7米 十10.2
十13.6米 十 7.2 十 5.6
註:来印は推計學上5%の危険率に於て有意と認められるもの
第4章総括及び考按 第1節正 常 値
各種動物各臓器の酸素溝費量の正常値に就て
はWarburg氏法創案以來多数の研究報告ある
も多くは肝臓及び腎臓に關するものにして心臓 に關しては比較的稀な凱 白鼠のQ⑪。.に駕す る諸文献を綜合すれば,心臓12.2腎臓22.6乃
至275,肝臓1L73乃至12・2にして廿日鼠に
關しては高as ii)は心臓5・65,肝臓15・18と報告 し,岩鶴12)は腎臓及び肝臓夫々22・2,14・3なb と言へD.
余は廿日鼠につき心臓のQo26.0〜8.9,準均 6.99,腎臓のQo219.8〜23.8,準均22.13,肝 臓のQo;)12.3〜15.4,『■均14.14なる値を得た り.之は廿日鼠に介する高橋,或は岩鶴の値に
近似せ)i.
第2節「プリン」誘導膿製剤の作用
「プリン」誘導禮が心臓の酸素浩費量に及ぼす 影響に關しては意見田々にして石帥工3)は「カフ ェイン」は蛙摘出心の酸素二品量を一時的に増 加すと言ひ,輻田塒は常に之を減少せしむると 説き,内藤15)は影響を受けすと報告せり.「プリン」誘導艦が腎繊及び肝臓の酸素浩費 量,組織呼吸に及ぼす影響に關しては緒言の項 に於て詳述せし如し。
余の實験に於ては「テオチゾール」を除く他の i藥剤に於ては何れも廿日鼠の心臓Qo。.を増大 せしめたり.師ち安ナカ」に於ては聞接作用に 凡て注射後30分よウ1時闇にして最:高に:達し2 時聞,3時間に於ても伺相擁の増大を示し直接 作用に於ては2x10−1⑪濃度液まで増加を示せ
り.「カフェイン」に於ける成績は注射後30分よ
b1時間に於て最高を示し2時聞まで其の効力
の持唄が認めらる.直接作用に於ても1 × lO−iO 濃度液まで増加を示し安ナカ」に於けると略同 様なり.「ヂウVチン」に於ては注射後1時間,
2時聞に於て増加を示し直接作用に於ても1x
10 ff,1x10『曾濃度液に於て増加を認む.「テオ チゾール」に干ては直接作用,高接作用言に Qo2の増蜘は著明ならす.腎臓の三冠呼吸に封しては安ナカ」は直接作 用,間接作用の何れに於ても著しき影響を示さ す.「カフェイン」は注射後1時間に於てのみ
( 89 ]
Qo2の増加を示し,共の直接作用に於てはlx
10−4,t×10−7濃度液に於て増加を卜したウ。「ヂウレチン」は注射後30分,1時間,2時闇及 び3時聞何れも著しき増加を示し直接作用に於 ては1x1⑪}fi, 1x IO−9及び1×10』12濃度液の 何れに於ても増加明かta b.「テオチゾール」に 於ては注射後3⑪分にして既に最高増加率を示し
1時闇,2時閥共に増大を認め,直接作用に於 ては3 × 10 4及び3 x 10−7濃度液:に於て共に 増加を示せ蟄。
肝臓の組織呼吸に得しては安ナカ」の注射後
1時間及び2時勢に於てQo2の増大を認め,
直接作用に於て磐2x1⑪ 4,2×10−7濃度液に 於て増加を示した勢。「カフェイン」に於ては注 射後30分及び1時聞に於て増加を認め,直接作 用に於ても1×1⑪一4,1 x IO 7濃度液に於て増 加を示し安ナカ」の成績と略同様なり.「ヂウV チン」に於ては注射後3⑪分に潤て増加を示し,
直接作用に於ては1x10}6濃度液に於て増加を 認む.「テオチゾール」に於ては其の影響甚だ著 明にして注射後30分よ夢1時間にして最:大に蓬 し2時間に於ても樹相當の増加を認め,直接作 用に於ても3xI⑪一4,3×1⑪ 7,3x1『lo濃度液
の何れのQOsも増加を示したb.
即ち心臓Qo2に即しては安ナカ」,「カフェイ ン」,「ヂウレチン」は何れも之を増強す.而し て其の作用は前二者に於て優れたり.「テォチ ゾール」の心臓Qo2に封ずる:影響は之を認め得 ざりき.腎臓QOs,にi甘しては「ヂウレチン」最 も顯著に之を増加せしめ「カフェイン」及び「テ オチゾール」も騰馬張作用あるも安ナカ」に於て は確實なる影響を認めしめす;. 肝臓QOEに封
しては「テオチゾール」最も強き増張作用を示 し,安ナカ」及び「カフェイン」之に次ぎ「ヂウレ チン」の増弧作用は更に稻劣れるが如し.而し て各藥醐に就て観るに安ナカ」は心臓Qo。,に封 し著明なる増強作用を示すも腎臓の夫に封して は殆んど作月」を示さす,「カフェイン」亦心臓 Qo2に嘱する染工作調著明なるに比し腎作用は
比較的弱し.反之「ヂウvチン」のQOsに封ず
る作用は心臓に比し腎臓に於て強く,「テオチ ゾー一He一ル」に於ては心臓Qo2に劃する認むべき影 響を鉄き腎臓の夫に離しては明かに増彊作用を
示せウ。
「プリン」誘導罷の利尿作用に關しては其の主 因が腎臓に謝する作用に存することは一般に認 めらる馬所なり.而して腎臓に於ける作用機轄
に就ては或は腎臓分泌細胞に饗する特殊刺戟
(V.Schroeder)となし或は腎臓血管擾張による 腎流血増加に基く懸一華濾過作用の塘進に罪因 ドし
す(Loewi)と言ひ,叉は細尿管再再:吸牧の抑制
(Sobieranski)に因るとなし見:解の一致:せざるも のあるも工:Bock i6)は諸家の業績を総覧し腎臓 分泌作用充進学を最も愛當なりとしBarcroft u.
Straub 2) の業績は此の読を支持するものなりと 言へり.Barcroft及Straubは「カフェイン」利尿 時腎臓酸素消費量の増大するを認めSbhroeder の見解に賛同せるものにして田村,三輪$)は之 を否定し「プリン」誘導艦による利尿は腎臓の生 理的透過性充進に興国すと主唱せるも田代及び 阿部4),Gremels fi)等は何れも其の耳蝉成績忙 基き 「カフェイン」利尿は腎分泌機能の充進によ
ると言へり.腎臓組織呼吸に及婬す「プリv,」
誘導禮利尿剤の作用に略する中井7)の成績は田 村,三輪の所見を支持するもの玉如きも余の成 績は岡郡s)の夫と共にSchroeder,:Barcroft u.
Straub等の見解に合致するものと言ふ籍し.
「カフニイン」,「テオプロミン」,「テオフイ リン」の利尿作用の優劣に就てはDreser 17)は
「テオチン」最:も張く「テオプロミン」最:も弱し と言へるも現今一般に行はる玉見解によれば
(Meyer−Gottlieb 18),林19)s高瀬2。)等)IV・
Schroeder 2量), Ach 22)等の述べたる如く「テオフ イリン」の利尿作用は三者中最:強にして且つ速 かに獲現し,其の持績も亦長く「テオブロミン」
の作用は之に次ぎ「カフェイン」は最も弱しと す・余の直接作川實験に於ては「カブ・イン」
と「テオヂゾール」との聞に殆んど差異を認め得 す,爾者の利尿作用の強弱と並行關係を示さ璽
ゆしが,生禮に於ける「カフェイン」利尿は其の
[ 90 ]
諸種物の組織呼吸に及ぼす影響の蘇究 333
中椹性血管牧縮作用によbて抑制せらる玉事實 を考慮する必要ある可し.又「ヂウレチン」は他 のものに比し著しく恥きQo・.増画論刑を呈し たるが,其の一因は既に田村及び三輪3),中井乃 等によりて誰明せられたるが如く「サリチル酸 籏の作用に由興するものなる可し.問接作用に
於ては「カフェイン」に比し「テオチゾ・・v・ル」及び
「ヂウレチン」,殊に後者の作用持績長かbしも 何れも「カブ=・fン」に比し大:量を使用せるを以 て確實なる比較の根擦となし難し
心臓に封ずる「カフェイン」の作用は周知の如 く迷走祠1経中櫃及び心臓自働中世興奮を通じて 行はるSのみならす心筋に直接作用し,其の絶 封力を増加せしむ.而して1)reser i7)に:よれば 此の直接作用は「テオブロミン」,「テオフイリ ン」に於ては認められすと言ふ.余の馬験劇評 は之と概ね好く封憲せるを見る.
肝臓に幽する「プリン」誘導艦の作用を臨床的 に批判ぜ旛丈献は之を見出し得ざりしも實験的 には遠藤23)は家兎を用ひ肝臓内のGolgi氏装 置粒子の研究を行ひ「カフェイン」及び「ヂウレ チン」は肝臓機能を並進すと述べ,稻提灯)は爾 側腎易咄家兎肝臓よbの色素排泄機能を槍し,
安ナカ」及び「ヂウレチン」は之を充進すと報じ,
小田25)は「デトラヨ■一ドフエノールフタレンナ トリウム」を用ぴ安ナカ」,fカフェイン」,「ヂ ウレチン」は何れも肝臓の排泄機能を町営すと 唱導せり。而して木村鋤は犬を用ひ其の淋巴形 成の状況より肝,腎の機能を旺盛ならしめると 論じ,久保27)も犬を用ひて諸種:腎性利尿剤は肝 臓に硬し選揮的に作用し,共の分泌機能を元進 ずることを認め,其の程度は「オイフイリン」最 も著明にして「カフェイン」之に次ぎ「ヂウtzチ ン」の影響は遙に微弱なりと主張せウ.余の實 験に於ける成績も亦之と封磨し,使用「プリン」
誘導髄必着は何れも肝臓Qo2を増諒し且つ其
の作用は「テオチゾf・一ル」最も早く「ヂウレチン」
は最も弱く「カフェイン」及び安ナカ」は其の事 情にあbき.
第3節「ヂギタリス」驕製剤の作用
「ヂギタリス」罵製剤が心臓の酸素早蒔:量に及 ぼす影響に翻してはPhode u. Ogawa 28)は「ス
トロフアンチン」は之を増加せしむと言へるも G⑪ttschalk 29)は之を:否定し,馬田1 )等も亦之を 減少せしむと言ふ。更に青木SO)は「ヂギタリス」
齊1による心臓酸素浩費量の増加を認め,石獣13)
は「ストロフアンチン」を用ぴて蛙摘出心に封ず る酸素浩費量を槍せしに増加を示せるもの,減 少を示せるもの各々単一し其の値一定せすと述 べたり。組織呼吸に戯しては玉吟9)は前述の如 き成績を報じたり.
腎臓の酸素消費量に及ぼす「ヂギタリス」剤の 影響に關してはGエemels 6),松山31)等の報告あ り.Gremelsは「ストロフアンチン」及び「ヂギ トキシン」を用ひて腎臓の酸素浩費量を槍し利 尿と共に之を著明に増加せしむることを報じ,
松山は「バンギタール」,「スチラーレン」,「g一ス トロフアンチン」等に潤て之と同様なる成績を 得たb.「ヂ弾琴リス」剤を用ひて肝臓の酸素滑 費量或は組織呼吸に及ぼす影響を楡せるものは 文献上に之を求むることを得す:.
余の馬験に於ては使用せる「ヂギタリス」薦製 剤は何れも廿日鼠の心臓組織呼吸を増彊せしめ たり.帥ち「ヂ難訓ミン」に於ては聞接作用に於 て4日間注射せるものは著明に塘加を示し7日 間及び10日間注射せるものにては殆んど攣化を 認めざるも,直接作∫1」に於ては1x10−3及び 1×10闘6濃度液に於て増加を認めたウ.「ヂギラ ノゲン」に於ては聞接作用に於て4・日問及び7 日間注射せるものは増加を示し1⑪日揮注射せる ものは増加著明ならす.直接作用に於ては5x 10−7,5x1⑪『10及び5x 10 i3.濃度液に於て何 れも増大を示せり.「ウアパニン」に於ては4日 間,7日間及び10日問注射せるもの総て増大を 示し,直接作用に於ては75×1Q s,7・5x10 11
及び75x1⑪一14濃度液に於て何れも増大を示
せb.
腎臓の紅織呼吸に封しては「ヂギタミン」を4 日間注射せる際に著明なる増加を認めたるも7 日聞及び10日間注射せる場合には殆んど影響を
[ ga ]
示さす,直接作用に於ては1×10』3,1x 10−6
及び1x1⑪一9濃度液に建て何れも増加を示せ
b.「ヂギラノゲン」の間接作用に於ては4日間 及び7凶聞注射せるものは増加を示せるもIO日 聞注射せるものに於ては其の影響を認めす,直 接作用に調ては5xI⑪一7及び5×10−10濃度液 に於て増加を示したり.「ウァバ昌ン」に於ては
4日閥,7日間及び10日聞注射せるもの何れも 増加を示し,直接作用に於ては7.5x10−s,7.5 x10−u及び75x1⑪『14濃度液:に観て何れも増
加せり.
肝臓の組織呼吸に比しては「ヂギタミン」の溶 接作用に於ては之を4日間注射せる場合に於て のみ増加を示し,直接作用に於ては1 × 10−3及 び1×10 6濃度液に於て共に増加を示せり.
「ヂギラノゲン」に於ては4日闇及び7日間注射 せる竜のは共に増加を示し,直接作用に於ては 5 x 10 7,及び5×10−i。濃度液に於て増加を認 めたb.「ウアバニン」の間接作用に於ては4日 間注射せる場合に於てのみ僅に増大を示し,直
接作用に於ては75x10−8及び75×1⑪ 11濃
度液に於て其の増加を認めたり.印ち「ヂギタミン」,「ヂギラノゲン」及び「ウ アバ=ン」は何れも心繊,腎臓及び肝臓に無し て夫等のQo±を増加せしめ且つ心臓及び腎臓 のQo2に封ずる「ウアバ=ン」の作用は「ヂギ ラノゲン」に比して一・般に幽く,就申楽Qo2に
樹して然りとす.而して之等Qo2に樹する増
張作用は「ヂギタミン」に於ては心臓に比し腎臓 に強く,「ヂギラノゲン」に慌ては腎臓に比し弱 毒に彊し,「ウアバニン」にありても同船なる傾 向を認む.「ヂ自証リス」鵬弧心配糖韻は周知の如く心筋 に飛し選揮的に作用し其の牧縮力を増血す.而
してrス1・・ファンチン」製剤の彊心作用は「プ ルプレア」製剤の夫に優り蓄積作用は後者に於 て固著なり.rラナータ」製剤に乱するRothlin
3t), 石館33), H:ochrein u. Lechle ltller鋤, Fel−
senbrum 35)其他多撒の研究報告によれば共の強 心作用及び蓄積作用は「ストロファンチン」と
「プルプレア」との中間に位し利尿作用に於ては
「プルプレア」を凌駕すと解せらる.「ヂギラノ ゲン」を使用せる貫及び小坂等 36),永田s7),釜 ltl 3S),小出及び高橋39),松本其他40)の研究成 績も概ね之と同様なり.津谷41)は「ラナ{・一タ」の 利尿作用は著明ならすと言へるも:Bertheau 42}
は「ヂギラ=ド」の顯粗なる利尿作用は「ス1・・
ファンチン」と「ザリルガン」との併用にも比す 可しと言へり.
「ヂギタリス」熊蜂剃による利尿作用の一因は 心臓機能改善(Gottlieb u. Magnus)乃至腎血管 の末梢性鑛張(Jonescu u・L⑪今wi)1こよる腎流血 量の増加にある退きも腎等質に撫する直接作用
の關與も亦一般に認めらるN所にして,古く
既にPhillips u. Bradb⑪rdは之を推定せるが,
Gremels fi)は前述の腎臓酸素清費:量の測定に基 き腎細尿管上皮に封ずる分泌促進作用に因ると し,松山31)も亦既述の研究により腎實質に封ず る刺戟作月」を以て利尿の一因となしたり.
之等の作用と余の實験成績とを比較するに,
被検強心剤は何れも心臓Qe2を膨張し且つ「ヂ ギラノゲン」と「ウアバニン」とに就ては強心作 用の強弱と心臓Qα{増感作用の彊弱との間に 並行關係の存するを認む.叉「ヂギラノゲン」
6ccの力債は「バンギタール」3・cの夫に怠癖じ
(釜川38))「ヂギタミン」の力慣は「バンギタール」
の夫より小なり(平田43りと看熱すときは「ヂギ ラノゲン」と「ヂギタミン」との間に:於でも上述 の並行關係の存在を推定し得毒し.
腎臓Qo2に封ずる魔軍作jljも亦被槍製剃の
凡てに於て認められしも「ヂギラノゲン」と「ウ アバニン」との間に於ては該作用の彊弱は利尿 作用の張弱と並行着装を示さす之は生計に於け る「ヂギタリス」利尿に聞接作用の關與するが故 なる観し.叉「ヂギタミン」の腎Qoオ増張作用:甚だ顯著なりしは松山31)が「バンギタール」に継 て述べたる如く「ヂギトフラヴオン」等の混入に 因るものならんかと想像せらる.
「ヂギタリス」騎頑健の肝臓に劃する作用に就 ては坂田4{)は肝臓は「ヂギタリス」に封し解毒作
[ 92 ]
諸種物の組織呼吸に及ぼす影響の研究 335
用を有すと説き,小田25)は「ヂガー・ vン」及び
「ヂギフオリン」は肝臓の排泄機能を 充進すと述 べたり.余の實:験に於て試用「ヂギタリス」剤何
れも肝Qo2を増加せしめたるは之と当f回する
所見なり.
最:後に聞接作用幅験に於て「ヂギタミン」注射
群にては早期に心臓Qo2に封ずる堰加作用停
止し,「ウアバニン」注射群にては比較的長期に亘り之を認めしめ「ヂギラノゲン」注射群に於て は其の中闇の威績を示しだるは夫等藥剤の蓄積 作用の張弱との關係を推定せしむるものにして 蓄積作用による心筋の障碍に基くものと想顔せ らる.叉同様なる關係が腎臓に於ても認められ,
たるは腎臓に於て多:量の「ヂギタリス」配糖艦の 結合せらるS(Weese 45))に鑑み興味ある所見
なり。
第5章結
1.健常白色廿日鼠心,腎,肝Qo2の不均値
rは夫々 一6,99,一22.13,一14.14なり.
2.「プリン」誘導罷製剤(安ナカ」,「カフェイ ン」,「ヂウレチン」,「テオチゾール」)に就て健 常白色廿日鼠の組織呼吸に及ぼす影響を槍せる
に,
a)心臓Q⑪2に具しては安ナカ」,「カフェイ ン」,「ヂウレチン」は増弧的に作用す.共の作 用は前二者に斯て優れたり。「テオチゾール」は 認むべき影響を與へす.
b)腎臓QOL,に引しては「ヂウレチン」最:も 強き増張作用を示し「テオチゾール」及び「カフ ェイン」之に次ぎ安ナカ」に就ては確實なる影響 を認め得ざりき.
c)肝臓Qo2に封しでは被検製革顎何れも増づ蚤 作用を有し,「テオチゾール」に於て最も張く安
ナカ」,「カフェイン」之に次ぎ「ヂウレチン」に 於ては更に稽弱し.
d)安ナカ」及び「カフェイン」のQo2増彊作用 は心臓に二封して張く腎臓に封しては比較的弱
し,「ヂウレチン」及び「テオチゾール」に継ては 之と反語の關係を認む{
5.「ヂギタリス」属製剤(「ヂギタミン」,「ヂ ギラノゲン」,「ウァバニン」)に就て健常』白色廿 H凝の組織呼吸に及ぼす影響を槍せるに,
論
a)心臓Qo2に対しては身許製謝は何れも増
強作用を示し「ウアバニン」の作用は「ヂギラノ ゲン」の夫よりも強し,「ヂギタミン」の作用は 三等に比し弱しと考へらる.b)腎臓QOeに封しては三者共増強的に作用
す.而して「ウアバ=ン」の作用は「ヂギラノゲン」より赴く「ヂ華年ミン」亦顯著なる作用を示 せb.
』c)肝臓Qo2に封しては三者共増張作用を示
せり.
d)「ヂギラノゲン」及び「ウアバニン」のQOs 増張作用は心臓に封して張く腎臓に倒しては比 較的弱し,「ヂギタミン」は之と反吐の關係を示
したり.
e)連同皮下注射による心臓Q⑪2増彊作用の
浩長を観るに「ヂギタミン」注射群に於ては最:も 早期に「ヂギラノゲン」群にありては之に次ぎて 早く該作用消失するも「ウアバ=ン」群に於ては 連用10 Ei e(及ぶも浩失せす.腎臓Qo2に就ても同檬なる關係を認む.
4.以上の所見により之等藥捌が心,腎,肝
の機能に及ぼす作用と三等の組織呼吸に及ぼす 影響との間には或程度の並行關係の存すること を窺ひ得噛し.文
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獣
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41巻,9號,2722(昭11)・ 12)岩心龍三;
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東京醤學專門學校雑誌,2巷,405(昭15).
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201(昭15)。 40)松本,筒橋,i若山=二二 學雑誌,11毬,1號,27(昭16)。 41)津谷 忠夫:北越醤學:會雑誌,52年,7號,464(昭
12). 42> Bertheau: D. m. W. 60, 1504
(1934)・ 43)李田梅治= 日新醤學,17年,3 鋭,36f(昭2). 44)叛田外吉=朝鮮醤學 會雑誌,19巻,3朧,5⑪2(昭4). 45)
Weese:Arch. exp. Path.工41,329(1929).
瀞募
黙a鍬
1
欝
よ邦サルバILサン剤の始祀
ネオアルゼノベンソ→レ
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(疲下筋肉最適品)
東京・ 中央・日本橘本町二丁目
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i支店・夫阪市東旺伏見町3−22
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( 94 1