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肝硬変症例の腸内菌叢の特徴と高アンモニア血症の治療に関する研究

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原 著

〔書舗藷59箏犠、細君〕

肝硬変症例の腸内菌叢の特徴と高アンモニア

血症の治療に関する研究

東京女子医科大学 消化器内科学教室(主任 小幡 裕教授)       スガ   ワラ   ノリ   コ       菅 原  典 子 (受付平成4年8月20日) The Fecal M蓋cronora of Cirrhotic Patients and the Therapy of Hyperammonemia        Noriko SUGAWARA Department of Medicine(Director:Prof. Hiroshi OBATA), Institute of Gastroenterology,       Tokyo Women’s Medical College   The fecal microflora of patients with liver cirrhosis was compared with that of healthy persons to determine its characteristics. Changes in fecai microflora after intravenous and ora星administration of latamoxef(LMOX)were also investigated as a basis of treatment of hyperammonemia.   The microflora of cirrhotic patients contained a significantly smaller number of total bacteria and total anaerobic bacteria than that of the healthy persons. Among the bacterial groups.αos〃∫4伽甥 increased and Bα6伽。ゴ4θs decreased in number. The number of total aerobic bacteria, on the other hand, increased in the cirrhotic patients, and Enterobactさriaceae and E〃‘θ獅06000〃s in particular increased. The species of the fecal microflora of cirrhotic patients with hyperammonemia were identified,but there was no significant量ncrease in the species with high ammonia producibility.   When LMOX(2 g/day)was intravenously administered to cirrhotic patients, there was no sign重ficant change in fecal microflora. In the patients who received oral administration of LMOX(100 mg/day), all obligate anaerobic bacteria except Clos師4∫%吻disappeared, and Lα6’oうαo〃」πs and Eη勿ooo6‘%5 became the predominant bacteria in the fecal microflora. As a result, fecal pH and blood ammonia levels decreased. When antibiotic−reslstant B那doうσ6’θ磁were also administered to prevent the appearance of antibiotic−resistant bacteria resulting from long−term administration of an antibotic, no resistant bacteria appeared, suggesting that LMOX can be administered for a long period.       緒  言  肝硬変に伴う肝性脳症は肝機能の低下・門脈大 循環系の短絡などにより,神経毒性を有する多種 の物質が脳内に移行して出現してくる.特にアン モニアは脳症の重要な起因物質である,このアン モニアの産生には腸内細菌が大きく関与してお り,その吸収には下部消化管のpHなどが関与し てくる.生体内のアンモニアはそのほとんどが外 因性タンパク質由来である.タンパク質は腸管内 にて尿素とアミノ酸に分解され,尿素は腸内細菌 由来のウレアーゼによりD,また,アミノ酸は腸内 細菌由来のジアミダーゼなどのアンモニア産生酵 素によって分解されてアンモニアとなる2).そこ で高アンモニア血症を伴う肝性昏睡の治療とし て,腸内細菌によるアンモニアの産生の抑制と, アンモニアの吸収を抑えるための腸内菌叢のコン トロールが重要となってくる。これまで,アンモ ニア産生に関与している細菌として,趣6勉7勧勿 601ゴや伽彪鷹などを主とする好気性菌が挙げら れており,高アンモニア血症の治療としては, kanamycin sulfate(KM), polymyxin B sulfate (PLB)などの好気性菌に有効な抗生剤や非吸収 一1586一

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性の二種類であるlactulose(β一

galactosidofructose)などが使用されてきてい る.しかしながら,これら抗生剤投与の効果につ いての詳細な解明はなされておらず,その作用点 である腸内菌叢について検討した報告は少ない. 近年,アンモニア産生に関与する菌として腸内常

在嫌気性菌が重要視されるようになってき

た3)∼5).さらに,腸内菌叢を構成する細菌のほとん ど(99%)が嫌気性菌であることから6),これまで に使用されてぎた抗生剤の効果について再検討す ることが重要になってきた.また,肝硬変症例の 腸内菌叢についての報告も少なぐ,その結果も一 様ではない。  従って,高アンモニア血症の治療を行う上で, 肝硬変症例の腸内菌叢と,その抗生剤投与による 変動を知ることが重要である.そこで,本研究に おいて肝硬変症例の腸内菌叢と高アンモニア血症 との関連を明らかにし,その治療を再検討する目 的で,①肝硬変症例の腸内菌叢を健常例のそれと 比較し,次に,②抗生剤投与の腸内菌叢に対する 影響,効果について検討した.  従来,頻用されたPLBの腸内菌叢に及ぼす影 響については,すでに報告したが(第73回消化器 病学会において報告),その結果,アンモニア産生 に関与している菌を減少させるには広域スペクト ルを有する抗生剤を必要とすることが確認され た.そこで広域スペクトルを有する抗生剤の投与 を経静脈的,経口的の2方法で行い,腸内菌叢の 変化,血中アンモニア値の変動について検討した. さらに抗生剤の長期投与による耐性菌の出現に対

し,多種の抗生剤に対して耐性を持つ

B形40伽6齢二戸加gπ彿7)の投与を併用し,抗生剤 の長期投与の可能性について検討した.         対象と方法  1.肝硬変症例の腸内菌叢の特徴一途常例との 比較一  対象は1986∼1987年まで当科に入院した肝硬変 症例15例,代償期7例,非代償期8例,肝細胞癌 合併例9例,年齢は38∼63歳である.健常例は15 例であり,年齢は28∼34歳である.いずれの症例 も,検索前2週間以上は抗生剤や制酸剤などの腸 内菌叢に影響を与える薬剤は投与されていない例 を対象とした.  さらに,1987年に当科に入院し,高アンモニア 血症を呈した肝硬変症例3例,年齢は46∼63歳の 腸内菌叢を菌種(species)レベルまで同定した.  2.Latamoxef(LMOX)の経静脈的投与による 影響

 上記15例の肝硬変症例の内8例にLMOX 2g

を点滴静中投与し,投与前,投与後7日目,投与 中止14日目に腸内菌叢と糞便のpH,血中アンモ

ニア値,血中LMOX濃度,糞便中のLMOX濃度

の測定を行った.また,健常例に対しても同様に LMOX 2g/dayの点滴静中投与を行い,腸内菌叢 を調べた.  3.LMOX経ロ投与による腸内菌叢の変動  対象は1987∼1988年目でに当科に入院,または 外来通院した肝硬変症例3例である.いずれも KM, PLB, lactuloseなどの投与にもかかわらず 高アンモニア血症を呈した症例である.LMOXは 100mgを1日1回経口的に投与し,投与前,投与

1,2,3,4,7日目の腸内菌叢,糞便のpH,

糞便中のLMOX濃度,血中アンモニア値を測定

した.  な:お,LMOX 100mg/dayの用量設定は,健常 例にLMOX 5,50,100mgを経口投与して得た腸 内菌叢の結果をもとに行った.

 4.LMOX経ロ投与と薬剤耐性

8枡dob∂cオe加m’oηgσmの併用投与  KM, PLB, lactuloseの投与にもかかわらずし ぼしぼ肝性昏睡を繰り返し,高アンモニア血症を

呈した肝細胞癌合併の肝硬変例1例に対し,

LMOX 100mg 1日1回投与を行うとともに,薬 剤耐性(LMOXに耐性を持つ)B玩406σ碗万%〃z ♂oηgπ〃z1×108個1日3回の併用投与を行った.

経過に従ってその腸内菌叢,糞便のpH,便中

LMOX濃度,血中アンモニア値の測定を行った.  5.腸内菌叢の検索方法  腸内菌叢の検索は光岡の方法6)8)に従った(Fig. 1).採取した新鮮な検体(糞便)1gをCO2炭酸ガ スの通気下に10倍希釈を繰り返し,10『1∼10『8液 を作り,好気性培地5種,嫌気性培地9種に塗布

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    r

material O.1−2.Og 。窃 〆 ノ homogenize  (10−1)  2吊2

18m2 CO2 4 邑 dilution (10−2) CO2 ↓ 2鵬β

18m4 dllution (10一つ 18=; 0,01m2 5mear {8:1 0,05m8 10 7 10−8 Medium 10   ヨセ の ロロ むせ  の セぬ     ↓  inclined 37。C,  3−5days CO2 / Gram’55tain count ;8:l lO−8 0,05m2 !8=1 ;1コ 0,05mε {1:: m 7 0,05m8 1 監  昌§    バ       聡    LBS TATAC PEES P Steel wool mothod      aerob, (Replaced air with CO2   370C2−4 days)鵬、   し

しデ

TS ㎞・

二轟l 增j

     evaluation       (Mitsuoka’76) Fig.1 Culture method for bacterial analysis of the fecal microflora した.使用培地をTable 1に示す.好気性培地は 37℃で1∼2日間,嫌気性培地はスチールウール ジャー法で37℃,2∼3日間,高度な嫌気培養が できるM10培地はplate−in−bottle法にて37℃,4 日間培養を行った.培養後,各寒天培地上のコロ ニー 釣菌し,塗抹標本を作りグラム染色にて菌 群レベルまでの同定を行った.函数は最も多いコ ロニー狽 取り検体1g中の戸数を計算し, log、。で 示した.さらに,分離培養した227菌株について菌 種レベルまでの同定を行った.分類菌種のうちわ けは偏性嫌気性菌は177菌株,好気性菌は50菌株で ある.それぞれの菌株を純粋培養し,偏性嫌気性 菌は光岡の方法6)に従い,35種類の糖分解性状,12 種類の生化学性状を調べた.このようにして得ら れた鑑別性状より「腸内菌の世界」9),rVPI Manual」10),「Bergey’s Manua1」11)12)に準拠して 菌種を同定した.好気性菌50菌株については,API システム(Analytab Products, Inc,, Plainview, N.Y.)を使用し, Cowan and Stee1の方法13)にて 同定した.  統計処理は菌数に関してはt検定,検出率に関 してはん2検定を用いて行った. 一1588一

(4)

Table l Media and incubation method for comprehensive investigation of the fecal micro且ora

Organisms Incubation

Medium usually Incubation method time

enumerated (days)

Non・selective media

Medium 10 Fastidious Plate・bottle method 5

(modi丘ed) anaerobes (Mitsuoka et aL).

EG agar aL agar

会鷺:鷲::      } St

ハ訴鼎謝e「)’}

3

Trypticase soy blood agar Aerobes Air 1−2

Selective media

BS agar β彰面わα磁磁

ES agar E励σ漉η’κ解

NBGT agar Bacteroidaceae Steel wool method

Neomycin Lecithinase positive (Parkeの, 3

Nagler agar oJos〃翅π駕 Replaced air with CO2.

VS agar %ゴ1旋)η61如6 and

(modi丘ed) 1)4)☆)S〃砂ごわ6060粥

LBS agar 五α伽∂αo〃婿 Replaced air with CO2, 2

      .   . cHL agar Enterobacteriaceae 1 TATAC agar 』 8舵μ0606α応 Ai了 PEES agar Sゆ勿∼oooo6πs 2 Potato dextrose agar Yeast and molds (Mitsuoka’76)        ’  結  果   1.肝硬変症例の腸内菌叢の特徴   1)肝硬変症例と健常例の腸内菌叢の比較   肝硬変例と健常例の腸内菌叢を比較したとこ ろ,Table 2, Fig.2に示すように,総菌数,総嫌 気性同数ともに肝硬変症例(LC例)で10.9± 0.2(糞便1g当たりの虚数Iog、。/g±SD),健常例 で11.3±0.2と肝硬変例にて減少していた.総好気 性菌数はLC例にて9。7±0.4,健常例にて8.3± 0.9と肝硬変症例にて有意な増加が認められた.菌 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 Total counts `II.anaerobes 囮口 :LC FControI imean±SD)         ***囮 @       ***囮 磨磨魔嘯嘯嘯囑ワ 凹凹 .All aerobes ●  8aαθm漉S ィわ∂ofθ漸㎜ oepωσoσσ〃s タ’側0わθαθ㎡∂ @ αOS翻耐㎜  ***囮 凵@  国

刹ァ

刄R** 国 ● * レε〃。ηθ〃8 ● 乙∂αoわ∂o伽5 ●

唖*

***:P *** erobacteriaceae **二P *:P 動ねκpooooμε zzzz囮召** ● 2 3 Fig.2 Comparison of feca至 P<0.001 P<0.01 PくO.05

456789101112

  No. of bacteria ln feces (lo910/9) micronora between cirrhotic patients and controis

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Table 2 The bacterial counts of fecal microflora

 in cirrhotic patients and controls

Control Cirrhotic patients

(n= 15) (n=15) Total counts 11.3±0.2a 10.9±0.2掌** AII anaerobes 1L3±0.2 10.9±0.2林累 All aerobes 8.3±0,9 9,5±0.5**串 動。陀渚。認β∫ 11,2±0.2 (15/15)b 10.5±0.3康案宰(15/15) Eπ∂α碗η’κ吻 10.4±0,3 (15/15) 10.2±0.4 (15/15) P碗oooσα偲 9.9±0.5 (15/15) 9,8±0.3 (15/15) B榔。伽彪磁 10.5±0.4 (15/15) 10.2±0,5 (15/15) 惚沼。π6磁 5.7±1.7 (13/15) 7.7±2.3零 (15/15*) 〃郷力加6勉 9,0±0.8 (6/15) 8.6±0.4 (2/15つ Cπ”64πoゴ 9.6±0.4 (2/15) 9.2 (1/15) α,♪8吻η9飢s 5.1 (1/15) 8.6±1,8 (2/15) αos魏’4勿㎜一〇置加鴬 8、5±1.0 (15/15) 9,8±0.3紳 (15/15) ム26’o∂α6ゴ」嬬 7.6±1.5 (12/15) 9.0±0,6寧 (15/15零) Enterobacteriaceae 7,6±1.1 (15/15) 9,0±0,8桝(15/15) Eη彪ア06066粥 7.9±1.3 (15/15) 9.2±Q.7林 (15/工5) ∫⑳勿奴oo6鋸 4.2±1.3 (6/15) 4.2±2,1 (13/15傘) &θ鰯。勉。η偽 3.9±1.0 (5/15) 6.7 (1/15) Bα‘沼鋸 5.1±0.9 (14/15) Yeasts 3.9±0,9 (8/15) 4.1±1.3 (10/15) a:Bacterial counts expressed as mean±SD of logΣo per   grarn of feces b:Frequency of occurrence  皐:p<0.05   (Student’s t・test for the bacterial counts and chi−   squere test foτthe freque…lce of occurrence) **Fp<0.01 *傘摩:p〈0.001 二三では動6伽。∫46sは肝硬変例では10,5±0.3, 健常例では11.2±0.2と肝硬変例にて有意に減少 しており,Enterobacteriaceae, E窺εγococcπs, αOS〃毎伽初, Lσ認0ろα6〃πS,および胸幅0η61如は 肝硬変例にて増加が見られた.また,L厩06αo弘 1郷,1陀沼。彫翫は肝硬変例全例に検出され,検出 率の増加も見られた.  2)非代償期と代償期の肝硬変例の腸内菌叢  肝硬変症例を,非代償期8例と代償期7例に分 類して腸内菌叢を比較したところ(Table 3),有 意な変化は認められなかったが,朝代漁期例にて 総菌数,総嫌気性菌数の減少傾向がみられた.菌 群別では,。8伽γo昭6sの減少,γ6∫110ηθ11α, Lαo’o加。〃粥の増加傾向が認められた.  3)高アンモニア血症の有無による腸内菌叢の 比較  肝硬変症例を高アンモニア血症の有無で分類 Table 3 Comparison of fecal microHora between  conpensated  and  deconpensated  cirrhotic  patlents Compensated Decompensated  ,       , blrrotICS  噛       ,blrrot1CS (n=7) (n=8) Total counts 11.2±0,1a 10.9±0.2* Ali anaerobes 11.2±0.1 10.9±0.2* All aerobes 9,7±0.5 9.4±0.4 Bαc彦¢γo∫ゴθs /G.7±0.3 (7/7)b lG.4±0.4 (8/8) E励α6諺プ勉祝 10.3±0.5 (7/7) 10.1±0.3 (8/8) Pゆ0606α硲 9,9±0.4 (7/7) 9.8±0.2 (8/8) B哲40δα漉擁 /0.3±0,6 (7/7) 10.2±0.2 (8/8) γ2〃。麗伽 6.7±2.2 (7/7) 8.5±2.2 (8/8) 孤θ脚加θη 8.8 (1/7) Cπγθα1飢04 9.2 (1/7) C乙ρ6吻π9θηs 7.3 (1/7) 9.9 (1/8) Clos’万4珈彫一〇漉6鰐 9.8±0.4 (7/7) 9.8±0、3 (8/8) 加。云。ゐα‘〃鰐 9,7±0.7 (7/7) 9.0±0,6 (8/8) Enterobacteriaceae 9.0±1.0 (7/7) 8.9±0.6 (8/8) E漉邸oooo6粥 8.9±0.8 (7/7) 9,1±0.5 (8/8) S吻塀0606欄 4.1±2.6 (6/7) 4.3±1.8 (7/8) 角%40吻。η薦 6.7 (1/8) Bα‘〃π∫ Yeasts 3,9±1.1 (3/7) 2.8±1.3 (5/8) a:Bacterial counts expressed as mean±SD of loglo per  gram of feces b:Frequency of occurrence 傘:p<0.05  (Student’s t・test for the bacterial counts and chi・  squere test for the frequence of occurrence) し,その菌叢を比較した.前述の肝硬変例15例の うち血中アンモニアが70μg/dl以下の症例6例と 85μg/d1以上の症例5についてその腸内菌叢を比 較した.その結果(Table 4), y2認。麗磁が高ア ンモニア血症を有する症例にて増加していたが, そのほか有意差は認められなかった.  4)高アンモニア血症を伴う肝硬変症例の腸内 菌叢一菌種レベルの同定一  次に,高アンモニア血症(血中アンモニア値が 130μg/d1以上)を伴い,羽ばたき振戦などの肝性 脳症の症状を呈する症例について,その腸内菌叢 を調べ,菌種(species)レベルで同定を行った. 好気性菌のうちEnterobacteriaceaeでは1(励一 S観如ρπ6π彫0忽磁が,E磁醐06066πSではE三傑 06066勿sヵθo伽〃z,一方,嫌気性菌でB鷹獅窃ぬs Oπ忽嬬,およびE%∂α磁7勿規αθ7吻0ゴθηSカミ優勢 一1590一

(6)

Table 4 Comparison of fecal microfiora between  cirrhotic patients with and without hyperam−  monem三a Without With hyperammonemia hyperalnmonemia

NH

g為9/dl

NH

遂ホ

9/dl Total counts 11.0士0.2a 10.9士0.1 All anaerobes 11.0±:0.2 10.9±0.1 All aerobes 9.7±0.6 9,5±0.2 Bα惚70ガ4θs 10,7士0,4 (6/6)b 10.5±0.4 (5/5) Eπろα6≠6γ勿勉 10.6=ヒ0.3 (6/6) 10.3±0.3 (5/5) P吻06060%s 9.6±0.4 (6/6) 9.7±0.2 (5/5) B切げ。δσo’θ痴 10.1±0.6 (6/6) 10.3±0.4 (5/5) Vθ躍。η2砺 6.7±2.3 (6/6) 8.0±2.2 (5/5)* 翻解吻6脚 8.6±0,4 (2/5) C%プ〃θ6%oゴ αρθ珍勿8θ%s 7.3 (1/6) 9.7 (1/5) CJo5’万伽伽一〇漉θ欝 9.8±0,2 (6/6) 9.6±0.4 (5〆5) Lαo孟。ろα6〃πs 9.1±0.5 (6/6) 8.9±0.9 (5/5) Enterobacteriaceae 9.0±1.2 (6/6) 9.0±0.3 (5/5) E溺6700006鰯 9,2±0.4 (6/6) 9.3±0.3 (5/5) S吻勿106066%s 4,3±2.9 (5/6) 4.8±2.2 (4/5) Aθ露0御0%αS Bα6〃郷 Yeasts 4.4±1,6 (4/6) 2.7 (1/5) a:Bacterial counts expressed as mean±SD of loglo per  gram of feces b :Frequency of occurrence *:p<0.05  (Student’s t−test for the bacterial counts and chi・  squere test for the frequence of occurrence) 菌種であった.同定された菌種のうち,アンモニ ア産生能の高い菌群について健常例の菌叢と比較 した(Table 5).肝硬変例において丁数の有意な 増加はみられなかったが,1(勿甜〃zo痂α6の検出 率が増加していた.しかし,これら好気性菌が腸 内菌叢に占める割合は1%にも満たない菌であ り,肝硬変症例における高アンモニア血症との関 連は明らかではなかった.そのほかアンモニア産 生能(ウレアーゼ産生能など)の高い特異な菌種 の有意な増加はみられなかった.  2.LMOXの経静脈的投与による肝硬変症例の 腸内菌叢の変動  LMOX 2g/dayの経静脈的投与による腸内菌叢 の変化(特に嫌気性菌について)をFig.3示し, 肝硬変症例と健常例について比較した.健常例で はE泓酬00000循,五σ0孟0伽6ガ〃鰐,αOS’万4伽初を除 くほとんどの腸内菌が検出レベル以下となったの に対し,肝硬変例では好気性菌でEnterobacter− iaceaeがわずかに減少したのみであり,嫌気性菌 に変化は見られず,血中アンモモア値の低下も認 められなかった.また,肝硬変例の糞便pHは変化 なく,糞便中LMOXの濃:度も10mg/g以下であ り,健常人の投与例に比し著明に減少していた.  3.正MOX経ロ投与による腸内菌叢の変動と効 果  1症例の経過を示す(Fig.4).本症例はPLB, KMおよびlactuloseの投与にもかかわらず血中 アンモニア値が160μg/dlと高値を示し,羽ばたき

振戦などの昏睡症状がありcoma gradeは2で

あった.LMOX 100mg 1日1回投与にて,3日目 には嫌気性菌,Enterobacteriaceaeは消失し,腸 内菌叢は五α0≠0加6沼鋸,E泓θ名0606伽Sが優勢の菌 叢に変化した.これに伴って,糞便のpHも8.7か ら6.9と低下,血中アンモニア値は160μg/d1から 61μg/dlと低下し,羽ばたき振戦の消失,昏睡症状 の改善もみられた.他の症例においても同様の経

過を示し,腸内菌叢はClo舘。〃4伽溺と

Lσ6’oろα6〃%sを除く嫌気性菌とEnterobacter− iaceaeが消失し,:糞便pHの低下,血中アンモニ ア値の低下が認められた.

 4.LMOX経ロ投与と薬剤耐性

B’〃doわ∂cfe〃αm’oρgσmの併用投与  経過をFig.5に示す.症例はlactulose, PLB,

およびKMの投与にもかかわらず血中アンモニ

ア値が130∼180μg/dlと高値であり肝試昏睡をし ぼしば繰り返している症例である.LMOX投与前 の菌叢はB玩40勿漉磁が優位の菌叢であり,糞 便pHも6.4とさほど高くなかったが,アンモニア 値は132μg/dlと高値であった. LMOX 100mg経 口投与を行ったところ投与後7日目の腸内菌叢 は,Lα謡0∂α6〃循とE%詑706066循が最優勢とな り,総評数に対する割合もこの2菌群がそれぞれ 50%の菌叢となっていた.糞便のpHは6.4から 4.6と低下,血中アγモニア値は132μg/dlから84, 68μg/dlと低下し昏睡症状も消失した.その後も 血中アンモニア値は100μg/d1前後で安定してい

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Table 5 The counts of fecal patients and control subjects

bacterial species isolated from cirrhotic

'

Species Control LC Bacteroidaceae

B. caccae 9.6±0・6a) (6/15)b> (O/3)

B. ddstasonis 10.1±O.6 (13/15) 9.2±O,1 (213)

B.fragi'lis 9.6±O,8 (8/15) (O13)

B. vzalgatzes 10.6±0.5 (15/15) 10.1±O.5 (3!3)

B. ovatz{s 9.5±O,7 (7/15) 9.2±O.7 (2/3)'

B. thetaiotaomicron 10.1±O.6 (8!15) 9.5 (1/3) B. unzformis 10.0±O.4 (3f15) 9.4±O'.4 (213)

Eubacterium

E. aerofaciens 10.3±O.6 (14f15) 9.6±O.4 (3/3) PePtostrePtococcus P. productus 9.6±O.8 (10115) 9.6 (113) Clostridium C.Pei7fringens` 7.2±1.8 (13/15) (Of3) c. ramosum 9.2±1.8 (11115) 8.6±O.4 (213) c. Jtnnocuum 8.7±1.1 (10/15) 9.6 (1/3) C. clostridioforme 8.8±1.2 (11115) (O/3) Clostridiumsp.c} 8.1±1.3 (15!15) 9.6±e,3 (3f3) Enterobacteriaceae ' KlebsiellaPneumoniae 6.8±1.2 (7/15) 7.6±1.7 (313)

Escherichiacoli 8.4±O.8 (15/15) (O/3)

a ) Bacterial counts expressed as mean±SD of logio!g of feces

b) Frequency of occurrence expre$sed as No. of subjects detected/No, of

jects examined

c ) 5 isolates (possibly representing 3 separate species)

N

Total counts )"-o All anaerobes

H

Bactere・;des

H

Eubacteriurn

N

Peptococcas Bifidobacteria VbMoneLla

Clo$t. perfiingens

Closerldium-others

*-*

Lectobacilltts

A

tu

x

9 tu s

v

8 -es .g .g ts 6 8 -o 6 z LMOX conc, in feces (uglg) 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 o 100 50 o Controt LMOX2glday Drip Ul2ZEMZZZ2ZZZ ..p s Xt,f,...s.,,,・.sZ.,L' l g xx,QSil

tt

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i

: I It t ` LC LMOX 2g/day Drip uaZZZZZZZZZ2Z -...-... --.-.-..-.. - -.--..-.-.-. ..-.. .- st *・ o 7 21day O 7 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 o 100 50 o 2t day

Fig. 3 The effect of intravenous administration of LMOX on fecal microflora in cirrhotic patients and control subject

(8)

-置.一.引 εωbacεefr’αm 」P一_▲ β〃7doわ∂ofe顧a ←一一◆8∂αθ10’des

…上価・〃・ 垂

桝伽醐αm

@ §

一正∂αo加C〃αS   2 −E・t・・。bact・・iaceae・ 一石hfθmooσσ〃s  §

_Yeast   聾

         苓          Σ days fecal pH LMOX conc, in feGes(μg/g  serum NH31evel(μ9翅 PL8. KM. k∂σヒu1。5e        LMOX 100mB/dP.0. 1110 倉一一一一_         、 @一一一一鴨  、 磨@一一一*   、 カ    、 、 ’、、、 f  、、’    、\       、 \’・1さ’ A  、 、    L  、     、 @ 、  、 、 @  \  、   、    、 @  \ 、    、  1    ’ @  ’ @ ’ @ ’ @ ’ @ ’ @ ’ @’ @’ @’ @’ @’ 、 、 @ 、 @ 、 @  、 @   、\ 、* before l  2 3   4 7 pH 8,7  6.9  7.4 6,7  6.9 6.2 9/9 45,9 7ア.6 127  44.6 102 翅 160  92 61 85 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 Fig.4 The e丘ects of oral adlninistration of LMOX alone on fecal micronora  and serum NH31evel in cirrhotic patient with hyperammonemia B.1。ngum 3XlO8/d. PLB KM LactJlose 20m2/d Om2 一E二nterobacteriaceae o−Q石ηホeκ鳩0σ0口S 一乙acωbac曜αS −Yeast レー一▲β’弄dob∂αe〃∂ ,一唱だμわ∂σ∼er’己」用 ←一→β∂Cぎθm’d白5 Ψ一岬Vb〃0ηθ〃θ 炉一*αOS〃’d’ε」η7 LMOX conc, in fece5(μg/g>  serum NH31evel(μ9/朋) Lactulo5e (加 11 亀㌧、 @ 、 LMOX 100mg/d、臥。. LMOX IOOmg/d. P。.    」 X_  、 @  亀 @  馳 @  u @  u @   h @   u @   い @   い @   覧、 @    覧覧     、臨       塾   穐 ^、   、    1 鳴一曽『一一一一鞠噌」____       噛 噛 唱 @       一騨r亀 432        ,   , @ ,    , @ ’    「 @ ’         響 @’     「   , @‘     I   fh 1’     1’      「  ’’     ‘  ’

禽の

、、 days before 4 7 30   5862 75 109115 178     240 fecal pH 6,4   4.6 4,5   5.04、5 4,8 6.45.0 5.2      5.0 fece5(μ9/9> 35.6 204  2096ア.338,8 〈0,92ア3 level(μ9/朋) 13284 68 日3  10091 68 196102 96      1】B 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 Fig.5 The e貿ect of oral administration of B玩406α磁磁吻‘oηg%辮in combina−  tion with LMOX on fecal microHora and serum NH31evel in cirrhotic patient  with hyperammonemia たが,αos擁4伽窺4顔。〃鋸などの出現を予防す

る目的で,LMOX等の抗生剤に耐性を持つ

B玩40ろα6勿露筋z 如η8π吻の併用投与を試みた.

LMOX投与58日目に薬剤耐性B塑406α磁磁窺

♂oπ8・π〃31×108個の投与を開始した。8♂oη8%窺 投与後4日目の腸内菌叢は,Lα6孟。勧。〃鰯および E漉縦ooαだ優位の菌叢に変化はなかったが,糞 便lg当りβ玩40伽6‘ε磁が107個出現していた.血 中アンモニア値は91∼88μg/d1と安定し,さらに, 投与以来続いていた下痢症状の改善もみられた. 血中アンモニア値が安定したため投与開始107日 目にLMOXの投与を中止し, lactuloseと8‘oη一 gπ〃zのみでコントロールを試みた.LMOX投与 中止3日後には投与前の菌叢に戻り,血中アンモ ニア値は192μg/d1まで増加し昏睡症状が出現し

た.再びLMOXの経口投与を開始することによ

(9)

り,偏性嫌気性菌はほぼ消失し,五αo‘06α6沼鷹と E漉70606c%∫が優位の菌叢に戻り,糞便のpHも 5.0と低下していた.その後も併用投与を行い,偽 膜性大腸炎などの副作用は出現しなかった.          考  案  1.肝硬変症例の腸内菌叢の特徴一泊常例との 比較一  肝硬変症例の陽内菌叢は健常人に比べ総菌数, 総嫌気性点数が減少していた.この減少は, Bα語漏46sの減少によるものであった.菌種レベ ルでみると肝硬変例ではE跳嬬。ηゐ,およびE 微忽魏πsなどの胆汁酸により発育が促進される菌 種が主となっていることから,肝硬変症における 胆汁酸の分泌障害がBα6孟爾46sの減少に関連し ていると推測される.好気性菌の増加には嫌気性 菌の減少による代償的な要素も関与していると考 えられる.菌群レベルでは,Enterobacteriaceae, E窺郡0600C薦, Lα6孟0ろα0〃πS, C10S’γ’4」%〃¢および 出湯。ηθ伽,が増加していた.%沼。ηθ磁の増加 はHoffmanの報告14)と一致しており,胃酸の低 下の影響と考えられている.これまでの報告を見 ると,Haene115>は,慢性肝疾患の症例を胃酸の酸 度により4群に分類し比較しており,胃酸過多の 症例では健常例に比較しB哲40∂α6妙乱川の検出 率,およびその記数はやや減少し,E601♂,およ びEη伽ooo66粥の並数はわずかに増加しており, 胃酸の減少した症例ではE.60彪E撹醐0600C鋸が 最優勢となり,召玩40諏碗γ伽〃zが消失していたと 報告している.本研究においても肝硬変症例を胃 酸の酸度で分類し比較したが,有意差は得られな かった.さらに,Cattoenら16)は肝硬変例と健常例 の腸内菌叢の構成に有意差はなく,Bα6癖。∫鹿sの 菌数は109個であり,αosか∫4∫%彫は75%の患者か ら分離されたとしている.一方,Bαo伽。∫46sは肝 硬変例にて増加していたとする報告もある. Flochら17)は肝硬変症例で嫌気性菌が増加し好気

性菌数は有意差はみられず,菌群レベルでは

Bα6伽。’4θsが肝硬変にて109・3±o・3個,健常例にて 108・8±o・24個と肝硬変例にて増加していると報告し ている.多羅尾ら18)も同様の結果を報告しており, 嫌気性菌の増加はBα6伽。∫4θsの増加によるとし ている.本研究の成績結果はこれまで報告されて いる結果と異なるものであった.この相違は腸内 菌叢の検索方法の違いによるものと考えられる. 本研究で用いた光岡の培養方法は,検体の希釈段 階から嫌気培養専用の希釈液を使用し,炭酸ガス の通気下に操作を行っている.さらに,plate・in− bottle法による嫌気度の高いPre−reduced法を用 いてきわめて高い嫌気度が得られる必用方法と なっている.このため,嫌気ジャー法のみの培養 と比較すると,高い嫌気度を必要とする嫌気性菌 の検出率に差が生じるものと考えられた.  高アンモ、ニア血症を有する症例の腸内菌叢を菌 種レベルまで同定した結果では,健常人と比較し て有意差は見られなかった.この中でアンモニア 産生能,あるいはウレアーゼ産生能の高い菌であ るκ勿6〃吻。%勿6およびE86画面漉郷の出現 率が高い傾向にあったが,これらの菌が腸内菌叢 全体に占める割合はごくわずかである.以上より, 健常例と比較して肝硬変症例の腸管内において, ウレァーゼ産生能などのアンモニア産生に関与す る菌種の有意な増加を示す結果は得られなかっ た.  2.LMOXの経静脈的投与による肝硬変症例の 腸内菌叢の変動  健常例にLMOXを経静脈的に投与した結果, Lα6’o飽6♂11πs,E泓θ%06060粥,αos〃’4加πを除く ほとんどの腸内菌叢構成菌が減少することがすで に報告されている19).一方,肝性脳症の症例には, 感染を予防する目的で抗生剤の経静脈的投与を行 う場合が多い.したがって,このような症例の腸 内菌叢は抗生剤の経静脈的投与により,経口投与 をするまでもなくすでに腸内菌叢が変化している ことが考えられた.これまでこのような症例に対 しても,PLBなどの抗生剤やlactuloseが経口的 に投与されてきた.経静脈的に抗生剤を投与され ている肝硬変症例に対し,抗生剤の経口投与が必 要かどうか,その有効性を確認する目的でLMOX の経静脈的投与を受けている肝硬変症例の腸内菌 叢を調べた.その結果,好気性菌,嫌気性菌とも にわずかな減少がみられたのみであり,健常例の

菌叢の変化と著しく異なっていた.糞便中の

一1594一

(10)

LMOX濃度は10μg/g以下であり,健常例におけ る濃度を大きく下回っていたことから,肝硬変症 例における抗生剤の胆汁移行の低下,胆汁分泌の 低下などがこの差を生じたものと考えられる.  これらの結果より,経静脈的に抗生剤を投与さ れている症例においても,高アンモニア血症の治 療としては抗生剤の経口投与が必要であることが 確認された.  3.LMOXの経口投与による腸内菌叢の変動と 高アンモニア血症に対する効果  これまでの検討では,高アンモニア血症を有す る肝硬変症例においてアンモニア産生能の高い腸 内菌の増加は認められなかった.しかし,腸内菌 叢を構成する最優勢菌種のほとんどがアンモニア 産生に関与していることより,アンモニア産生を 抑制するには腸管内のアンモニア産生に関与する 菌全体を減少させることが重要と考えられた. 従って,この目的のために広域のスペクトルを有 する抗生剤が必要と考えられる.さらに,高アン モニア血症の治療としては,腸管粘膜からのアン モニア吸収の抑制,および腸管内の含有窒素物質 の停滞時間を短縮することが重要である.

 LMOXが腸管粘膜より吸収されないことを利

用して,経口的に投与し,その効果について検討 を行った.LMOX投与によりアンモニア産生能の

高い菌群は速やかに消失し,腸内菌叢は

五砿0加6〃π∫およびE筋700000硲が優勢の菌叢 に変化した.このためアンモニアの産生は減少し,

さらに糞便pHの低下が腸管粘膜よりの吸収を

抑制して,血中アンモニア値の低下が見られたも のと考えられる.糞便pHが低下したのはE漉処 0006伽S,五σ0励α0〃鋸により分解されて生じる 乳酸や酢酸などによると推測される.腸管内の pHが低下することにより, NH3がNH4+となり 吸収が抑制されたと考えられる20).また,pHが低 下することによりアンモニア産生も減少するとい う報告もある21).抗生剤投与がアンモニア産生と 吸収の抑制の両者に有効に作用したと考えられ る.

 以上の結果から,ごく少量のLMOX経口投与

は高アンモニア血症を有する肝性昏睡の新しい治 療として有効であると考えられた.

 4.L、MOX経紀投与と多剤耐性

81〃dob∂cオe〃αηりノ。ηgαmの併用投与  健康成人に対しβ麺40勿惚プ伽〃¢♂碗gπ卿を投 与した報告では,腸内菌叢を大きく変化させるこ とはないが,αos〃溜κ窺が減少し,糞便pHの低 下,糞便中のアンモニア濃度の低下がみられてい る22).このことより,肝硬変症例に対しても B姫ぬろα6渉ε磁投与の効果が期待された.一方,重 症の肝硬変例では高アンモニア血症の治療の目的 で長期の抗生剤投与が必要になることがある.こ の際問題となるのは抗生剤の長期投与による耐性 菌の出現であり,特に偽膜性腸炎の原因となる αos擁認瑚z 4荻6ゴ漉の出現である.そこで抗生剤 に耐性をもつβ麺40訳解磁を併用投与し,耐性 菌の出現を抑制すると共に,腸管内のpHを酸性

に保つ試みを行った.この症例にてもLMOX投

与7日目には五αo励α6〃πs,E泓郡0606傷∫優位の 菌叢となり,糞便のpHは4.5と低下し,血中アン モニア値も著明な改善がみられた.この効果は前 述の症例と同様,アンモニア産生菌の減少と,糞 便のpH低下によるアンモニア吸収の抑制による と考えられる.薬剤耐性EZoηgπ挽の併用投与を 開始し,投与4B目の菌叢にはB哲ゴ。加‘’θ7毎が 検出され,αos溺4砒〃厩荻。〃θの出現も見られな かった.投与した8Zoηg%窺が定着したと思われ る,さらに,LMOXの投与中止により,投与中止 3日目には肝性昏睡症状が出現し,血中アンモニ ア値は増加したが,LMOX投与再開にて昏睡症状 の改善が見られた.この結果より,本症例におい

てLMOXの経口投与が有効であったことが確認

されたが,8‘oηg%吻の単独投与は本症例ではア ンモニア値を低下させるには不充分であった.こ

の症例では抗生剤によりE窺θ70000伽sと

しαC励αC沼πS優位の菌叢に変おり,さらに,

B班40加惚磁が加わることによって腸管内の

pHが酸性に保たれ,αos翻漉π吻などの嫌気性菌 の出現をも抑制しているものと考えられた.さら に,抗生剤投与の副作用としてしぼしぼ下痢が出 現する.この症例において抗生剤投与後より出現 していた下痢は,E纏8謝zの投与により改善が

(11)

みられた.  今回の検討例ではβ哲ゴb伽磁磁の単独投与で は効果は得られなかったが,この症・例はlactulose 投与などにも抵抗した難治性の症例であり,軽度 の高アンモニア血症の治療に対してその有効性が 期待されるところである.また,腸管内を酸性に 保つことによる影響について,腸管粘膜の細胞に 対する影響などまだ充分に検討されておらず,今 後の検討が必要である.さらに,減少させた腸内 細菌の腸管内での働きについての検討も必要と思 われる.  高アンモニア血症の治療としては1actuloseな どの投与による緩下作用やその分解産物による腸 管内の酸性化などによる生理的な治療法が第一選 択であるが,これらの治療に反応しない症例に対 しては広域スペクトルを有する抗生剤の経口投与 が有効であることが確認された.抗生剤投与によ り腸内菌叢を五α0如みα0〃鰯とEη孟酬0δ006粥優位 の菌叢に保つことによりアンモニアの産生と吸収 の両者を抑制する効果があることが明らかとな り,今後,難治性高アンモニア血症に対しての有 効な治療法になると考えられた.また,多剤耐性 B玩40ろα6齢伽翅Zoηgπ窺の投与が抗生剤の長期 投与を可能にする一つの治療法となり得ると考え られる.          ま とめ  肝硬変症例の腸内菌叢は健常例のそれと比較し て総点数,総嫌気性虚数の減少,総好気性忌数の 増加がみられたが,アンモニア産生能の高い特定 菌種の増加はみられなかった.難治性の高アンモ

ニア血症の治療として少量のLMOX経口投与が

有効であった.さらに,長期間の抗生剤投与が必 要な症例に対し,耐性菌の増加を抑え,腸内菌叢

をコントロールするために,多剤耐性の

B玩40ろα磁吻〃zloη8π辮併用投与が有効であっ た.  稿を終えるに当たり,ご指導,御校閲頂きました小 幡 裕教授に深く感謝申し上げます.さらに直接ご教 授頂きました久満董樹教授,腸内菌叢の検索について ご指導頂きました光岡知足先生,三野i義己先生,また, 終始ご協力頂ぎました当教室ならびに理化学研究所 動物細胞システム研究室の皆様に深く感謝しお礼申 し上げます.       文  献  1)Nance FC, K:aufman HJ, Klille DG:Role of    urea in the hyperammonemia of germ・free Eck    且stula dogs. Gastroenterology 66:108−112,    1974  2)Vince A, Down PF, Murison J et a1: Genera−    tion of ammonia from non.urea sources in a    fecal incubat三〇n system. Clin Sci Molec Med    51:313−322, 1976  3)Verel VH, Bryan£MP, Holdman LV et al:    Isoaltion  Qf ureolytic  P6ρ’os≠γ6ρ’ooo6α6s    ρ%o伽6渉%sfrom feces using defined medium;    failure of common urease test. Appl Microbio1    28:594−599, 1974  4)Suzuki K, Benno Y, Mitsuoka T: Urease−    producing spec三es of intestinal anaerobes and    their activities. Appl Environ Microbiol 37:    379−382, 1979  5)Vince AJ, Burrige SM:Ammonia product−    ing by intestinal bacteria:The effect of    Lactose, Lactulose and Glucose. J Med Mi−    crobiol 13:177−191, 1980  6)Mitsuoka T, Ohono K, Benno Y et al:Die .  Faekalnora bei Menschen.互V. Mitteilung:    Vergleich des neu entwickelten Verfahrens mit    dem bisherigen ublichen Verfahren zur    Darrnf玉ora analyse, Zbl Bakt Hyg I Abt Orig    A234:219−233,1976  7)Miyazaki K, Chiba S, Aikawa K et al:Isora−    tion and characterization of the antibiotic−    resistant strains of B顔40ろαo’θ7∫z4〃2 spP.    Bi丘dobacteria MicroHora 10:33−41,1991  8)Mitsuoka T, Sega T, Yamamoto S:Eine    verbesserte Methodik der qualitativen und    quantitat三ven Analyse der DarmHora von Men・    schen und Tieren. Zbl Bakt Hyg I Abt Orig    A195 :455−469, 1965  9)光岡知足:腸内菌の世界.添文社,東京(1977)  10)Holdman LV, Cato EP, Moore WEC:Anaer−    obie Labortory Manual,4th ed. Vieginia Poly−    technic Institute and State University, Blacks・    brurg(1977)  11)Krieg NR, Holt JG ed:Bergey’s Manual of    Systematic Bacteriology, Vol 1, Williams&    Wilkins, Baltimore・London(1984)  12)Snea止PHA, Mair NS, Sharpe ME et al:    Bergey’s Manual of Systimatic Bacteriology,    Vol 2,Williams&Wilkins, Baltimore。London 一1596一

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Table l Media and incubation method for comprehensive investigation of the fecal micro且ora
Table 2 The bacterial counts of fecal microflora  in cirrhotic patients and controls
Table 4 Comparison of fecal microfiora between  cirrhotic patients with and without hyperam−  monem三a Without With hyperammonemia hyperalnmonemia NH g為9/dl NH 遂ホ 9/dl Total counts 11.0士0.2a 10.9士0.1 All anaerobes 11.0±:0.2 10.9±0.1 All aerobes 9.7±0.6 9,5±
Table 5 The counts of fecal  patients and control subjects

参照

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