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志摩牛島におけろ泉熱の研究

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(1)

4gg

志摩牛島におけろ泉熱の研究

臨床所見とオP一レオマイシンによる治療について

金沢大学医学部小見科学教室旧教室員(主任 泉仙助教授)

ee

シ  岡  雄  彌

   IYoit]ia Arisliiolea    (昭和28年3月13日受附)

 この報告において著者は三重県志摩孚島にお ける泉熱の発生に際して観察した臨床症歌とそ のオーレオマイシンによる治療の成績を報告す

る.

 (1) ;泉熱の臨床選歌      「

 三重県志摩郡越賀村における集団癸生1)にお いて46例の泉熱患者を観察し,更に三重県志摩 郡磯部村西岡医院におや・て散発的発生例を観察 した.疾患の症状に関しては毎日三重県志摩保 健所所員の援助を得て逐日観察記載し,それら の各種三音を病気の経過に応じて記載し,その 頻度の分布を第1表にまとめた.それらは2群に 分たれる.一つは重症例であり典型的二峯性発 熱を示し病気の経過も長びくものである.他は

一峯性熱型を示し経過も比較的短かい.オーレ オマイシンによる治療例13例を除き25例の重症 型を第1表と第1図に示した.10例の軽症例そ のうちには2例の散発例も含むが,それを第1 表と第2図に示した.

 潜伏期は第一次感染群にお・いては5〜13日で あった.初期症1伏は急激に悪塞と頭痛を以て始 まり体温は急激に385度乃至40・5度に達し た.関節痛,腰痛,悪心,嘔吐,腹痛,食欲不 振が特によく訴えられた.発疹は本疾患の特徴 の一つであるが,第1乃至第2病日に屡々掻痒感 を件って現われた.これは丁度狸紅熱と麻疹の 中間型であって,粟粒大の丘疹が皮膚面より僅 かに隆起して潮紅した皮膚面に認められた.狸

第1表 病気の経過における各種症欺の度数分布 重症例(25例)

1病日i・12131・lsi617islg i1・lil1121・31・41・5!61・l11819/・i2・122:2312・125!26127i28;2913rl

悪 頭

関節痛

1悪

瞳 陣

食欲不振 発  汗

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23 15 4 3 4

1 3 6 18

14iP2

713

15 15 3 3 4 3 6 6 21

3 2 3 1 6 7 21

1 6

12 2

6 7 21

1

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1

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3 6

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1

1

1

6 10

1

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1 6

1

1

1

4 2

 1

614i3i2 2 2 2 2

米米25

 24  22  20

 9  6  8  4

 17  16  23  14

(2)

軽症例(10例)

1悪

i一

一 厚

1関節痛

,食欲不振

1発 汗 X8

7 5 3 2 1

2 4 5

8

9 4 4 1 2 3 7 7

5

8 4 4 1 2 3 6 7

2

5 1 1 1

2 3 5 7

3

3 1

1 3 5

2

1

1 1

1 1

1

1 1

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1 1 一1 1

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1 1 2

1

3

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2 2

4

1

2 4

1

2 4

2

1 1 1

米来10

 4  8  9  5  3  3  3  5  8  7  2

x 垂直の数字はその翌日に示した症例の数を示す.

来来 病気の全経過における該当する症状を示した症例数.

第1図 病気の経過における各種白白の度数分布 (重症例X25例)

第2図 病気の経過における各種症歌の度数分布 軽症例例(10例)

病 日 12345678S1011121S 141

蜷  疹 落  屑 悪  寒 頭  痛 関節痛、

腰  痛 悪  心 嘔  気 腹  痛 下  痢 食欲不振

  汗

 躍 瞠■■■■■■髄 l l

ID

■■罐1

■■■量

。臨1 縄●鳴

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    聾  15昌

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 ●邑e鱒塵 1量豊。鵬陽層

s

紅熱より禾恥大きNrN rs疹であり無発疹の部分が 発疹の聞に認められ,屡々それは融合して麻疹 のそれに近くなるが,しかし乍ら麻疹よりは小 さく,冷たい室気に触れさせると溝失し暖ため ると再現する性質を持ってV、る.最初発疹が現

われると桃色から赤色を帯びた色調であり軽く 圧すると消える.それから梢ヒ色調を増すが3

〜4日の経過の後に体温の下降と共に消失し た。出血性の癸疹は認められなかった.発疹の 部位は種々様々で魑幹,顔首,4肢が侵され

(3)

49e

た.体温は第2乃至第3病日 に他の症歌特に清化器寝溜と 共に極期に達しやがて体温の 下降が発疹の浩退更に全身症 歌の軽i快を件って見られた.

軽症例はかくして全快しtc.

ヒれらの症状は第2図に図示

した,

 大部分の患者はしかし乍ら 1乃至2日の闘隔をおや〜て再 び症状が増悪した。体温は39 度乃自40度に議し二次性の発 疹が初期の発疹より梢ζ大き い形で融合して斑朕に近くな り消化器症駄及び他の全身症 欺も増悪した.弛張性の熱が 10〜20日続き患者の全身症状 は特にこの時期に強く侵され た.それより熱は階段的に下 降し始めた.大量の発汗を繕 う時期がその頃にあり,更:に 微熱が継続した.しかし乍ら 逐日全身症状は軽快し体温も

4乃至5i週聞後には正常に復 した.落屑は非常に細く第10 病日頃に現われ第4乃至第5 病週に及んだ.屡々指先に梢

k大きい落屑が認められるが しかし狸紅熱の場合と異なり それ程著明でない.肝臓の肥 大は斗6例中13例に証明し充.

尿のウロビリノーゲン反応は 31例において陽性であった.

ヒの結果は本疾患の病源体が 肝臓を侵すものであるヒとを 示唆する.

 コップリヅク氏斑は.1例も 認めなかった.患者の89%は 以前に麻疹を経過している.

口囲蒼白はそれ程著明でな

西

短。.1 病日 8 9 10 11 12 14 15 16 雪7 18 割2・ 21

T.1.

P1Lj。

4140593857

発  疹

? 屑 嘔  気 嘔  吐 腰  痛 下  痢 便懲不繊 トアソギナ

溶趨閑

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ヂア・

蛋白

No.2 病日 9 10 1τπ2 15 14 15 16 17 18 19 20 21 22 FT.

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4140595857

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発  菖冒一 一闇 ■

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貰o.5 病日 10 鋼 1215 16 17

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19 20

AM.2Gr。

H.N,

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1

}罹 落  購 ォ  寒 頭  痛 閣節溝 腰  痛

腹 痛      1

F  痢 用肥大

u一ぴn }

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̀白 一

(4)

い.21.7%の患者はアンギー ナを示し239%の患者は苺舌 を示し宏.46例楡察したうち 1例においてのみ扁桃腺に溶 血性蓮鎖歌球菌の存在してい るのを山羊血液寒天の上にお・

V・て証明した.ヴィダP・ル反 応,ワイルエリヅクス反応を 恢復患者血清につv・て験べた が陰性であった.とれらの所 見により著者は観察した疾患 をすでに泉i教授等2)・3}噛の記 載して:いる泉熱であると同定 するtとが出來た.

 2例の重症例を代表的に選

んで次に示す.

  第1例

 T・1・女,11歳.越賀村小学校 学童

 二二健康であり麻疹は5年前に 経過した,11耳24日に丁丁村に行

き泉の水を飲んだ.潜伏期5日の 後,急激な二二と共に39・6度の発 熱があり頭痛,食欲不振を訴え た.i笠置には悪心,嘔吐,腹痛,

下痢と共に特徴ある発疹が現われ た.一時精ξ軽快したが再び高い 弛張熱が第11病日まで続いた.第 10社日に著者はこの患者を診察し た,体格はむしろ小さい方で栄養 状態は悪い.かすかに隆起したlf:

疹が紅色を帯びて胸部3腹部,股 部に観察された.指頭に細かな落 屑が見られ気温にも非常に細い落 屑が見られた.第16病日に梅査し た尿のウロビリノーゲン反応は強 陽性を示しヂアゾ反応,蛋白反応 は陰性,溶血性蓮鎮朕球菌は扁桃 腺から証胆されなかった,第11病 日より熱は徐Rに下降し始め微熱 は第20病日まで続いた.ぺsシリ ン30万輩位が第7病日一与え.られた

耳ro.4 病日 1〜 18 19 20

21222δ24

25 26 2r 28

AM.3.5Gr.

M.L

ハ2!」.

414059認57

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晃  務 落  尉 頭  痛 際  篇 下  痢 禽愁不撮

,覧  汗

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轡  白 一

斑軌5病日 910 冒11215 14 1も 16 π 18 19

SM.1.5 Gr. AM. Gτ.

M.0.

P2Lj.

4140δ95857

発  疹 落  晴 頭  痛 関節痛 腰  痛 腹  痛 負慾不鑑 発  汗

u−Gen

1 ヂア ゾ

螢  白 鵡遡菌

(5)

492 西

が本病の経過においては何の効果 も認められなかった,

  第2例

 T.T.女.11歳・越賀村小学校 学童

 幼時よむ虚言.屡々気管支喘 息に罹る.麻疹は7年前に経過,

11月24日に泉の水を飲んだ.潜伏 期7日の後,食欲減退,頭痛,悪 感と共に40度の発熱を示し腹部と 股部に特徴ある発疹が見られた,

第3日,第4日,両日には体温が 下ったので登校した.第5夕日に 再び腹部,股部の二衣性の発疹と 共に40度の発熱,悪心,嘔吐,下 痢,腹痛し食欲減退の胃腸障碍も 起つた,第14病日にこの患者の診 療を行った.体格は申等度,栄養 状態は悪い.蠣幹は細い落屑が見  . られ二二,アンギーナも見られ た.ウロビリノーゲソ反応は陰性 であった.第14病日から体温は徐 々に軽減し始め第21病日に李熱に

復した.

 (2) オーレオ・マイシンに:

よる治療

 名古屋市城東病院落合4)は オーレオマイシンがこの病気 の経過に有利な治療効果を持 つことを始めて報告した,そ の後東京都立干:多摩病院の柳 下5)は数例の泉熱患者におい てオーレオマイシン,クロロ マイセチン,テラマイシンが よい治療結果を示したと報告

し%.

 しかし他方ではヒれらの藥 剤で治療しブG病気の経過と治 療せすに自然経過をとったも のとの間の差異が疑われてい

る.

 臨床治療面においても矢沼

Ho.『 子日 9 10 11 12 15 14 15 16 π 18 19 20 AM.4Gr.

S.A.

P2Lj.

41恥595呂57

発  疹 器  屑 頭  痛

関節癌 腰  猟 腹  痛 下  構 食慾不振

u一{;已n チ●ア ゾ

蛋  白

ハro.8 病日 4 5 6 7 8 9 10 11 12

AM。5Gr.

KO.

P2Lj.

41405958研

発  ・ 頭  痛

ヨ師痛

? 痛

食慾不擬 アギンナ

? 霞 肝肥大

Ugcn  什 蛋  白  一

πo.9 病日 1 2 5 4 5 6 7

AM.£Gr.

H.N.

Q31」,

4140595857

U−ge ゾアチ 十十

悪  騒 預  痛 関節痛 腰  痛

一「■■■■

腹  痛 食慾不巌 発  汗 アソギナ 苺  舌 肝肥大

(6)

f;},村上教授7),泉教授・9)ら

は,オーレオマイシンの治療 効果のあるととを認めている

のに対し,北岡9 ),木村10),

長岐博士等U)は,治療効果を 凝つ Cknる.更に,〜二の問題 は本疾患の病源ビ ルスに対 して,これらの抗生物質が直 接作用するか否かに関連して も重要な課題であり,北岡,

前田12)らの分離したビールス はオー・一・レオマイシンに対して

感受性が認められなかった が,西岡13}の分離同定した泉

熱ビールスにはマウスに対する実験的感染にむ

いてもhl viVO, hl vitro.共に著効を呈した〜二と が明らかにされている19)..

 現脚こおいてとの問題を解明するためには,

治療を施した多くの例が治療しなV・例に対比し てその治療と病気の経過について系統立つた治 療がなされるべきであろう.

 著者は本病が越賀村に発生した時,この問題 の研究を志した.そして次の如き結果を得た・

すべての患者は6群に分けられ廃宅の数例に は,アミノピリン,ペニシリン,ストレプトマ イシン,ズルファチァゾP・ル,キニーネ,オー Vオマイシンが与えられた.とれらの中でオー VオVイシンの場合を除いて上記の藥剤は本病 の経過においては無効であった.

 これに反して:オーレオマイシンが与えられた 場合は次の如き結果を見た.

  第3例

 H.N・男.12歳.越賀村小学校学童

 病歴は第1例及び第2例の病歴と全く同檬である.

オーレオマイシンO・259を6時間毎に経:口的に与え た.オー・レオマイシンを与えて48時間後には頭痛,関 節痛,腰痛の軽減と共に警砲性の高熱は急速に下降し 翌日は全く健康賦態となった.

  第4例

 M・1・男,12歳.越賀村小学校学童

 これも初感染の例である.弛張性の高熱は相当長く

N 1 病日 1 2 5 4 5 6 7 AM.125 Gr

「M.0.

XM,

4149595呂57

発  疹 落  暫 下  刷 H惑不振 フ偲大一

u−G奪n ヂア ゾ 蛋  白

続いており患者はひどく弱つていた.0・259t一レォ マイシンを6時間毎に与えた.72時間後にはひどい全 身的な徴候が消失し翌日は平熱に復した.

  第5例

 M・O・女.12歳.越賀村小学校学童

 病歴は前述の4例と同様.ストレプbyイシン1・59 を筋肉内注射したけれども効果は認められず,ひどい 全身的微候の増悪と共に40・5度の高熱を示した.オ

レオマイシン0.259を6時間毎に与えた所,翌日 熱は急速に下降し頭痛,関節痛,腰痛,食欲減退は劇 的に消失した.オーレオマイシソによる治療開始後48 時間にて李熱に復した.これらの結果よリオ騨レオマ

イシソが本病の経過に良好な治療効果を持つことを認

めた.

 この時に18例の第二i欠感染が起つた.そこで著者は この結果を確証するために数多くの例においてオーレ オマイシン治療を実施した.

 以下報告されている如くこれらの幾例かは病気の後 期に,他は初期にオーレオ9イシソによる治療を4S 熱になる迄行つた.成人と学童はオーレオマイシソ 0.259が6時間毎に投与され乳晃にはその牛量が6時 闇毎に与えられた.

  第6例

 :F.S.男.7巌,越賀村小学校学童

 幼時より虚弱.前年に麻疹,肺炎に罹患,蓮足には 行かず紳明村の泉の水は飲まなかつた.恐らく同教室 の患者より感染したものと思われる.(第二i欠感染).

 12月11日第1病日に診療に來た.吾々はその日にご

(7)

494 西

の患者の血液より病源ピ ルスを分離し得た13).40・3 度の高熱胸部,腹部,股部に発疹,悪塞,頭痛,悪 心,食欲不振を訴えアソギe・一ナ,二二,肝臓肥大が認 められた,第4病日に一旦軽減の後,翌目には40度の 高熱がありそれが継続した.第9二日にはひどい全身 症状と共に心臓機能i割干が詔められた.

 第7病日,第8聖日に与えられたストレプトマイシ ンは病気の経過に影響がなかった.

 その代わにオーレオマイシンを与えた所第12病日に は体温は急速に下り全身症朕も翌日浦失した。

  第7例

 S・A・女.12歳,越賀村小学校学童

 同じく第二訳感染の例である.第13病垂にオーレオ マイシンを与えた.第16病目には急速な体温の軽減と 全身症状の浦回とい「)良結果で治癒した.同様の結果 がK・:N・(男.12歳.越賀村小学絞学童)の場合に

オPレオマイシン29を投与した後で詔められた.

  第8例

 K,(♪.女.21歳,無職

 第二次感染の例.第3病日にこの患者の1血液より病 源ビールスが分離された1:1).第5病日に1  一レオvイ

シソが与貞.られたけれどもη三熱に復する迄に5gを必

要とした,この場合にはむしろオーレオマイシンの効 果があったかど弓か疑わしい,

  第9例

 H.N.男.23歳,漁夫

 第二次感染の例.ひどい全身干潮と共に高熱と発疹 が見られた,第3四日にオPレオマイシンを与え,29

で治癒した.

  第10例

 M.0・男・9ケ月乳兇

 第二次感染の例.第2病日に糞及び血液より病源ヴ ィールスが分離された13).第3期日にオーレオマイシ ンを投与した後紐は急速に下り第4病日には下痢,食 欲減退,発疹は浦失した,体温はその後上昇せず治癒

した,

 その他,ここには図示しなかったが,F・N・女.

2歳の乳兇で第3病日にオーレオマイシンを与えた場 合にも亦,N・S・女.22歳の例で第2丁目にオーレ オマイシンを与えた場合にも同檬な結果が得られた、

 これら4例はその初期において全身症朕は甚だしか ったが熱型は一峯性を示したのみでオーレオマイシン 投与後は病気の経過は軽症に似て急速に治癒した.

総  泉熱の多数例の臨床症刑こについて,種々の症 歌の頻度の分布を第1表にまとめて示し,第1 図と第2図tc図示した.特徴ある発疹,熱型曲 線,高度の胃腸障碍,肝臓機能障碍は〜二の病気 の特徴的の症歌と考えられる.感染聾唖や臨床 症欺よりtの病源微生物は,むしろ向紳経挫e はなくて,内臓親和性であり肝臓親和挫σある

tt) tsも開講れない.

 ■の病気の経過は熱型と全身meSlkの強度に從 って2型に分けられる.一つは二峯性熱型を示

し長い病気の経過をとる重症型であり他は一峯 性熱型を示し比較的短かい経過をとる軽症型で

ある,オーレオマイシンを与えた12病例におい ては効果の疑わしいと思われたのは第8例1例 のみであって他はすべて良結果を得た.〜怖れに ついて第3例,第4例,第5例,第6例,第7

例及び表示しなかった1例KN.は病気の後

期に治療されたものである.これらの場合には 凡ゆる全身症刑この急速な半割に從って体温は急 速に下降した.これに反して第1図にまとめて 表示した.オーレオマイシンを使わなかった他 の25例,第1例と第2例に代表的に示したもの においては弛張勲の時期の後,徐々に熱の下降 が見られ微熱は可なり長い聞全身の症朕の徐々 な恢復と共に継続した.越賀村に同時に発生し た本病の経過の2群を比較して泉熱の経過に胎 けるオーレオマイシンの治療効果は確定的であ るといえるだろう.更に病気の初期にお・けるオ ーレオマイシンによる治療は第9例,第10例及 び表示しなかったけれども全く同じ経過を示し ブこ他の3例に見られる如く注口すべき良結果を 示した.その初期において,高熱と劇しい全身 留出を示したとれらの5例は一峯性熱型を示し 軽症の場合における如く短期聞に恢復した.こ

(8)

れらの点より著者は泉熱の経過に誇いてオーレ オマイシンの有利な効果を認めた.

 ヒれに反してズルファチァゾール,ペニシリ

ン,ストレプトマイシン,アミノピリン,キニ ーネは病気の経過に何ら注目すべき効果を示さ なかった.

結  1.志摩孚島における発生で観察した泉熱の 臨床症状を記述し,病気の経過における色々な 症欺の度数分布を示した。

 2.泉熱の12例(重症例)のオーレオマイシン による治療が病気の経過に有効であるととを示

し距.

 稿を終るにのぞみ御校閲を賜わった泉敢授に衷心よ り感謝を捧げます.:本研究塗行に多大の援助を惜しま れなかった前三重県衛生部部長小池博士,予防課長阪 巷博士,煎ぴに志摩保健所職員各位に感謝します.

文 1)酉岡久寿彌・森田穣:Japan・J・exp. Med・

22−333,(1952)   2)泉仙助・矢ケ崎徳藏

。杉下延郎:兇科雑誌,347,667;348,862,

(1929)  3)泉仙助:日本医師会雑誌,26,

529,(1951)  4)落合国太郎:第一回泉熱 研究協議会報告,(1950)    5)柳下徳雄:

日本医事新報,No.1421,1981,(1951)

6)矢引喜八3   7)村上町・俵寿太郎・藤 原清・大日方一政:泉熱研究協議会報告,33,

(1952)   8)泉町助・蒙松謙三・吉田清三・

広島清一・白藤正則=診療室,4,401,(1952)

9)北岡正見:泉熱,78,泉熱研究協議会,(1952)

10)木村光雄1泉熱研究協議会報告,37,(1952)

11)長岐佐武郎。阿部実・男治注・西山純一郎・

南沢康雄:泉熱研=究協議会報告,73,(1952)

12)北岡正見・前田道明・多ケ谷舅・中神清一・

小沢芳治・近藤昭:泉熱の病源体に罠する研究,

21・(1952)国立予防衛生研究所.     13)

西岡久寿彌:Jap・an.∫. exp. Med. Vo】.22,

(1952)     14)西岡久痔彌・西岡雄彌:

Japan. J. exp. Med. Vol. 23, (1953)

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