• 検索結果がありません。

外部で液体に接する厚肉中空及び中実円筒体の自由振動特性

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2022

シェア "外部で液体に接する厚肉中空及び中実円筒体の自由振動特性 "

Copied!
2
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

キーワード 流体-構造相関問題,円筒弾性体,弾性論,3次元自由振動解析,付加質量,B-spline Ritz法 連絡先 〒870-0152 大分市大字牧1666番地 大分工業高等専門学校 TEL: 097-552-7691

外部で液体に接する厚肉中空及び中実円筒体の自由振動特性

大分工業高等専門学校 都市システム工学科 正 会 員 ○名木野 晴暢 北海道大学大学院 工学研究科北方圏環境政策工学専攻 フェロー会員 三上 隆 大同大学 都市環境デザイン学科 正 会 員 水澤 富作

1. まえがき

液体に接する円筒構造物は,石油タンク,種々の工業プ ラント,橋梁の橋脚等に用いられる.近年,構造技術の発 展にともないこれらの構造物は,大型化の傾向にある.厚 肉円筒構造要素では,厚さの増大にともない面外せん断変 形と回転慣性の影響や半径方向の応力-ひずみ成分が無視 できなくなる.また,これらの各種構造物は,地震動や波 浪などの複雑な動的荷重を受けるため,構造設計において は,基礎的な情報として,自由振動特性(固有振動数と固有 振動モード),構造物と液体の動的相互作用によって生じる 動水圧及び付加質量を把握することが必要不可欠になる.

このような流体-構造相関問題に関する研究は古くから なされているが,円筒構造物を3次元弾性体として取り扱 った研究報告は,あまりなされていないようである.

本論文では,B-spline Ritz法を用いて,外部で液体に接す る厚肉中空及び中実円筒体の3次元自由振動解析を実施し,

液体に接する円筒体の自由振動特性,付加質量及び動水圧 に与える円周方向の波数,円筒体の厚さと長さ及び液体の 高さの影響について明らかにすることを目的としている.

2. B-spline Ritz法による自由振動問題の定式化1), 2) 図-1には,解析モデル,円筒座標系(r, θ, x)および円筒体 の変位方向が示してある.等質,等方的な円筒弾性体の運 動は,微小変形及び線形弾性である3次元弾性論に従うも のとし,下面(x = 0)で固定,上端(x = L)で自由とする.また,

任意の時刻tでのr, θ, x方向の円筒体の変位成分をそれぞ れ,w, v, uで表す.ここで,Ri, Ro, h (= Ro – Ri), Lは,それぞ れ,円筒体の内径,外径,厚さ及び長さであり,Hは液体 の高さである.

液体は,非粘性,非回転及び非圧縮性とし,円筒体の回 転軸から半径方向の外側に無限に広がっており,液底面は 傾斜や隆起のない水平面であると仮定する.

なお,B-spline Ritz法による流体-構造物系の自由振動問 題の定式化の詳細は,文献1), 2)を参照されたい.

図-1 解析モデル,円筒座標系および変位方向の定義

3. 数値計算例および考察

ここでは,外部で液体に接する厚肉中空及び中実円筒体 の3次元自由振動解析を実施し,液体に接する円筒体の自 由振動特性と付加質量係数に与える円周方向の波数 n,内 径-外径比Ri / Ro,長さ-外径比L / Ro,液高比H / Lの影 響について検討する.数値計算例では,円筒体の密度とポ アソン比をそれぞれ,ρs = 7.84 × 103 kg / m3, ν = 0.3とし,液 体の密度ρf = 1.00 × 103 kg / m3 を用いる.また,振動数パラ メータΩは,次式で定義する.

Ω = ω Ros / G)1/2 (1) ここで,ω は円振動数,Gはせん断弾性係数である.

動的構造設計においては,最低次の振動数(以下,基本振 動数)を把握することが極めて重要になる.図-2 には,液 体に接する短い円筒体(L / Ro = 2)と長い円筒体(L / Ro = 20) のΩ1stに与えるnRi / Roの影響が示してある.ここで,n は0から10まで変化させている.また,H / L = 1(満水状態) とし,Ri / Roは0(中実),0.5(厚肉)及び0.8(中等厚肉)に設定 した.なお,参考までに,液体に接していない結果(H / L = 0)を実線で示した.これより,液体の有無に係わらず,短 い厚肉中空及び中実円筒体の基本振動数は,n = 1のΩ1st

v θ

Ri

Ro

u x,

L

H r,w

h 土木学会第64回年次学術講演会(平成21年9月)

‑1251‑

Ⅰ‑626

(2)

ある.次に,短い中等厚肉中空円筒体の基本振動数は,n = 2のΩ1stであるが,中等厚肉中空円筒体のn = 1のΩ1stは,

基本振動数(n = 2のΩ1st)の値にかなり近接している.また,

短い厚肉中空及び中実円筒体のΩ1stに与えるH / Lの影響は ほとんど見られないが,中等厚肉中空円筒体のΩ1stでは,n の増大に伴い,液体に接している円筒体のΩ1stの値は,液 体(付加質量)の影響により小さくなっている.したがって,

液体に接する厚肉中空及び中実円筒体のΩ1stの値は,液体 に接していないΩ1stの値から推定できる可能性がある.他 方,長い円筒体では,液体の有無及びRi / Roに係わらず,

基本振動数は,n = 1のΩ1stである.また,長い円筒体のΩ1st に与えるH / Lの影響は,短い厚肉中空及び中実円筒体と 同様の傾向にある.したがって,液体の有無,Ri / Ro及びL / Roに係わらず,液体に接する厚肉中空及び中実円筒体で は,n = 1のΩ1stが基本振動数になる.

ここで,液体(付加質量)の影響を図-2の結果から読み取 ることは困難であるので,付加質量係数Θを用いて,付加 質量の影響を定量的に評価する.ここで,付加質量係数Θ は,次のように定義される.

1

2 0⎟ −

⎜ ⎞

⎛ Ω

= Ω

=

Θ M

Μf (2)

ここで,M及びMfは,それぞれ,一般化された円筒体の 質量及び付加質量であり,Ω0は,液体に接していない円筒 体の振動数パラメータである.図-3には,液体に接する短 い円筒体と長い円筒体のΘ1stに与えるnとRi / Roの影響が示 してある.これより,中実円筒体のΘ1stの値は,L / Roに係 わらず,n = 1で最大値を示しており,基本振動数で振動し やすいことがわかる.次に,厚肉中空円筒体のΘ1stの値は,

長い円筒体のn = 1で最大値を取るが,短い円筒体の場合 には,基本振動数ではなく,n = 2で最大値を取っている.

最後に,中等厚肉中空円筒体のΘ1stの値は,短い円筒体のn

= 2で,長い円筒体のn = 1で最大の値を取る.また,中空 円筒体の厚さが小さくかつ円筒体が長くなるほど液体の影 響を受けやすい.

4. まとめ

本論文で得られた結果を纏めると,以下のとおりである.

(1) H / L, Ri / Ro及びL / Roに係わらず,液体に接する厚肉 中空及び中実円筒体では,n = 1のΩ1stが基本振動数に なるため,曲げ自由振動特性の把握が重要になる.

(2) 中空円筒体の厚さが小さくかつ円筒体が長くなるほ ど液体(付加質量)の影響を受けやすい.

0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

0 2 4 6 8 10 12

Ω1st

Circumferential wave number n Ri / Ro = 0, H / L = 0

Ri / Ro = 0, H / L = 1 Ri / Ro = 0.5, H / L = 0 Ri / Ro = 0.5, H / L = 1 Ri / Ro = 0.8, H / L = 0 Ri / Ro = 0.8, H / L = 1

(a) L / Ro = 2

0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

0 2 4 6 8 10 12

Ω1st

Circumferential wave number n Ri / Ro = 0, H / L = 0

Ri / Ro = 0, H / L = 1 Ri / Ro = 0.5, H / L = 0 Ri / Ro = 0.5, H / L = 1 Ri / Ro = 0.8, H / L = 0 Ri / Ro = 0.8, H / L = 1

(b) L / Ro = 20

図-2 液体に接する短い円筒体と長い円筒体のΩ1stに与え るnRi / Roの影響:H / L = 1

0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

0.00 0.05 0.10 0.15 0.20 0.25 0.30

Θ1st

Circumferential wave number n Ri / Ro = 0, L / Ro = 2 Ri / Ro = 0, L / Ro = 20 Ri / Ro = 0.5, L / Ro = 2 Ri / Ro = 0.5, L / Ro = 20 Ri / Ro = 0.8, L / Ro = 2 Ri / Ro = 0.8, L / Ro = 20

図-3 液体に接する短い円筒体と長い円筒体のΘ1stに与え るnRi / Roの影響:H / L = 1

参考文献

1) 名木野晴暢,三上隆,水澤富作:土木学会第61年次 学術講演会,I-409, pp.815-816, 2006.

2) Nagino, Mikami and Mizusawa: The Proc. of 4th Int. Conf.

ASEM, pp.1657-1669 (CD-ROM), 2008.

土木学会第64回年次学術講演会(平成21年9月)

‑1252‑

Ⅰ‑626

参照

関連したドキュメント

5 のようにサグ 比の大きなケーブルでは面内変位は殆んど生じていな

て,収縮応力の導入を再現することが可能な試験装置が いくつか開発されている。国内においては丸山らによる VRTM 1) や,佐藤らによる収縮ひび割れ試験装置 2) ,中村

星の砂を比較的粘性の低い EMI-TFSI に漬け、内部 に浸み込ませ、余分な液体を拭き取りサンプル台に 固定したものが左側の

一方、数値解析においても、気液

用語説明 1.準結晶

近年土木構造物の維持管理,補修あるいは建設時におけ る初期欠陥の有無の検査等,構造物の健全度診断技術に注

また,各区分において損傷レベルの小さいものから顕 に充填高さ 0.5Dの場合, 1~3 を,充填高さ1. 水平変位 8

現在,二重円筒間に満たした液晶にせん断流れを与えること