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鋼橋の補修補強の 設計・施工について

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(1)

鋼橋の補修補強の 設計・施工について

小西 日出幸 日本橋梁㈱

(一社)日本橋梁建設協会 設計小員会副委員長

(2)

鋼 橋の補 修・ 補強 の設 計・施工 につ いて 鋼 橋の補 修・ 補強 の設 計・施工 につ いて ( 一社) 日本橋梁 建設協 会 設 計小委員 会 小西日 出幸

1

土木 学会 第 27回 鋼構造基 礎講座 土木 学会 第 27回 鋼構造基 礎講座 平成

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12

18

目次目次 1. 橋を よく見よう! ~点検の ポイ ント~ 2.補 修工事の 事例紹 介 3.現 場 を知ると留意点 が見え てくる! ~ 補 修 ・ 補強 現場 の実 態~ 4.過 去の事例 から学ぼ う! ~補 修・補 強 事 例 と留 意点 ~ 5. 古きを知ろう! ~今 は使 われ ていない材料 ・構造 ~ 【 リベット 】

2

1 . 橋をよく見よう! ~ 点検のポ イン ト~ 【損 傷事例 から学ぶ点 検のポイント 】

1 . 橋をよく見よう! ~ 点検のポ イン ト~ 【損 傷事例 から学ぶ点 検のポイント 】

34

点検および調査のポイントー点検時の着目部-

主桁(桁 端 の腐食), 支承, 伸縮装置 -桁端 部に 損傷 が多い 。

橋齢と損 傷発生率 は 線 形 関係に ある。橋 歴35年 以上 の 橋 梁の損傷発生 率は 50% 以上

着目部を 設定 することで効 率的な 点検 (維持 管理)が 可能。

鋼橋の箇所別損傷数 橋齢と重大損傷発生の割合 (道路橋の予防保全に向けた有識者会議資料より)

ー点検時の着目部ーー点検時の着目部ー

(3)

5

発錆 ・腐食 発錆 ・腐食

温度伸縮 湿潤状態

走行車両の衝撃伸縮装置の劣化・損傷促進 土砂,雨水の流れ落ち 土砂の堆積・雨水の滞水

狭隘,閉鎖空間(風通し×) 支承の固結(可動・回転拘束)⇒ソールプレート前面き裂などへ連鎖することも

ーなぜ桁端部に 腐食・損傷が多いのかー ーなぜ桁端部に 腐食・損傷が多いのかー

伸縮装の損傷劣化 路面かの土砂雨水の流れ落ち 砂・雨水の堆積・ 閉鎖的間・狭隘(風通し悪さ 堆積物滞留 湿気の滞留 メン悪さ

点検および調査のポイントー点検時の着目部- -排水型- 雨水の垂れ流 し。の時点で 腐食の始まり

ー伸縮装置の損傷ーー伸縮装置の損傷ー

-非排水型- 非排水部の損 支承廻り の土砂堆積・ 滞水の始まり 伸縮装置からの土砂が堆積,支承も埋まっている水道管が支承上に配管

点検および調査のポイントー点検時の着目部- 7

桁端部の発錆・腐食桁端部の発錆・腐食 主桁主桁 横構 腐食・孔食 塗膜劣化・発錆 支承のソールプレート前面の疲労亀裂支承のソールプレート前面の疲労亀裂 ウェブ 下フランジ 支承

ソールプレート

下フランジ 亀裂亀裂

支承の固結 支承機能の消失(可動 転拘束)大きな原因支承機能の消失(可動 転拘束)大きな原因

ー桁端部の損傷へーー桁端部の損傷へー

点検および調査のポイントー点検時の着目部- 桁端部の発錆・腐食と亀裂が同時に発生する事例桁端部の発錆・腐食と亀裂が同時に発生する事例

ー桁端部の損傷へーー桁端部の損傷へー

凍結防止剤散布地域の耐候性 無塗装橋梁

亀裂 腐食り回 機能の障害が 固定支承 横断勾配の低い側の外桁外側 の腐食が激しい

耐候性橋梁ではスカーラップがあ

点検および調査のポイントー点検時の着目部-

(4)

9

ー重大損傷の予兆を見逃さないーー重大損傷の予兆を見逃さないー

鋼床版の亀裂鋼床版の亀裂 ウェブの破断ウェブの破断

路面(伸縮装置,地覆部など)の段差路面(伸縮装置,地覆部など)の段差舗装の局部的な損傷舗装の局部的な損傷

点検および調査のポイントー点検時の着目部- ー鈑桁の主な着目部位と損傷ー 高力ボルトF11Tの遅れ破壊

ー鈑桁の主な着目部位と損傷ー 高力ボルトF11Tの遅れ破壊 10

遅れ破壊ボルト

点検および調査のポイントー点検時の着目部- ー鈑桁の主な着目部位と疲労損傷ーー鈑桁の主な着目部位と疲労損傷ー 11

主桁 と横桁フラ ンジの接合構 造 主桁 と横桁フラ ンジの接合構 造

点検および調査のポイントー点検時の着目部- ー鈑桁の主な着目部位と疲労損傷ーー鈑桁の主な着目部位と疲労損傷ー 12

横桁貫通構造の損傷事例(奈良国道ホームージより)

現 在は使用されていな い横桁下フ ランジ主 桁 貫 通構造 現 在は使用されていな い横桁下フ ランジ主 桁 貫 通構造

山添橋の事例1971年完成、平成18年発見(橋齢35年)

点検および調査のポイントー点検時の着目部-

(5)

ー鈑桁の主な着目部位と疲労損傷ーー鈑桁の主な着目部位と疲労損傷ー 13

現 在は使用 されていな い横桁下フ ランジ主 桁 貫 通構造 現 在は使用 されていな い横桁下フ ランジ主 桁 貫 通構造

鋼道路橋設計便覧(昭 和54年)にも貫通構造例 が示されているが、疲労 等級はH等級以下の構造 となる。 平成9年の鋼橋の疲労 (日本道路協会)では損 傷発生の確率が高い構造 としており。その頃から は使用されなくなった。

鋼道路橋設計便覧(昭 和54年)にも貫通構造例 が示されているが、疲労 等級はH等級以下の構造 となる。 平成9年の鋼橋の疲労 (日本道路協会)では損 傷発生の確率が高い構造 としており。その頃から は使用されなくなった。

点検および調査のポイントー点検時の着目部- ー鈑桁の主な着目部位と疲労損傷ーー鈑桁の主な着目部位と疲労損傷ー 14

現 在は使用されていな い横桁下フ ランジ主 桁 貫 通構造 現 在は使用されていな い横桁下フ ランジ主 桁 貫 通構造 使用 された貫通 構造の例 使用 された貫通 構造の例

タイプA 上側溶接下側スリットタイプB 下側溶接上側スリットタイプC スリットなしで溶接 日本橋梁建設協会内で19721974年完工の連続鈑桁81橋を対象に調査したとこ ろ、タイプAが7例、タイプBが2例、タイプCが2例採用されていることが確 認された。また山添橋のようにスリットありでスカーラップがないタイプやタイ プCで両端スカーラップがあるタイプもある。

点検および調査のポイントー点検時の着目部- ー鈑桁の主な着目部位と疲労損傷ーー鈑桁の主な着目部位と疲労損傷ー 15

現在は 使用され て い ない桁端 切欠構造、 ゲルバーヒ ンジ構造で の曲げフ ランジ 現在は 使用され て い ない桁端 切欠構造、 ゲルバーヒ ンジ構造で の曲げフ ランジ フ ラ ン ジ 曲 げ 構 造 は 応力が 集中するとと も に , 構造的 に 溶接内部 に隙間 (ルー トギャップ)が残 りやすい ため, 亀 裂損傷 の多い部位である

-

現 在の桁 高変化部 構造

-

点検および調査のポイントー点検時の着目部- ーアーチ橋の主な着目部位と損傷ーーアーチ橋の主な着目部位と損傷ー

点検および調査のポイントー点検時の着目部-

(6)

ー鋼床版橋の主な着目部位と損傷ーー鋼床版橋の主な着目部位と損傷ー 17

デッキプレ Uリ溶接部

開先の残り

亀裂

デッキプ トラ

点検および調査のポイントー点検時の着目部- ー鋼床版橋のサーモグラフィーによる調査例ーー鋼床版橋のサーモグラフィーによる調査例ー 18

実体視画像サーモグラフ画像 目縦リブのみ温度が低い (滞水の可能性) サーモグ

点検および調査のポイントー点検時の着目部- ー発見しにくい損傷例ーー発見しにくい損傷例ー 19

点検および調査のポイントー発見しにくい損傷- コンクリート埋め込み部の腐食コンクリート埋め込み部の腐食 当て板補強,復旧完了

コンクリート内の腐食再腐食

2 . 補修工事の事例紹介 2 . 補修工事の事例紹介

20

(7)

支承への 金属溶射施工 時に、腐食 の激しい垂直 補剛材 や横桁 の継ぎ手 部 にも 金 属溶射を施 工 した事例 がある。

金属 溶射 によ る端 部腐 食部の 防食

機能劣化回復のための補修・補強-腐食部補修- 21

金属 溶射 によ る端 部腐 食部の 防食 支承の塗替 えに金属溶射 を用いる事例があ る 必要な作業 ス ペースが取れな い場 合があるので注 意が 必要

機能劣化回復のための補修・補強-腐食部補修- 22

機能劣化回復のための補修・補強-腐食部補修- 溶射ガンの小型化で狭隘部で施工が有利なAl-Magプラズマアーク溶射など も開発されている

腐食部 の当て 板補強

腐食部 み肉溶接部の減肉, 塗膜の劣化, 23

機能劣化回復のための補修・補強-腐食部補修- 排水勾配排水勾

腐食を防ぐ手法

機能劣化回復のための補修・補強-腐食部補修-

(8)

腐食 を防 ぐ 手 法

25

機能劣化回復のための補修・補強-腐食部補修- 高力ボルト継ぎ手部のボルトキャップによる防食事例

下路 アーチ橋 端横桁 補修検討

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図面にない仮支持台 何のために設置されたか不明 残置することに

端横桁の橋台側は覗くことも不可

端横桁の孔食

発注図にはない腐食に対する補修の検討 堆積土砂

機能劣化回復のための補修・補強-腐食部補修-

端 横桁の ワンサ イ ド ボ ルトに よ る補 強

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締付け施工 施工後の裏側の状況 ブラインド 側にもスペ ースが必要 ⇒要検討

メーカーカタログより

機能劣化回復のための補修・補強-腐食部補修-

ワ ン サイドボルト施工上の留意点

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適正な締め付けが行われたかは、ピン テール余長が適正範囲かで管理する。 裏側板の孔がルーズホールであったり 、孔ずれがあった場合、第1スリーブで 形成されるバルブ頭が板に確実にかから ず、余長が長くなりすぎて再締め付けと なる。この場合、ボルトは切断すること になるが、切断ボルトはブラインド側に 落ちる。 当て板側からあてもみするなど、孔ず れを生じさせない施工が望ましい。

孔ずれ などが 原因で バルブ 頭が食 い込ん でしま い、ピ ンテー ル余長 が長く なって しまう 。⇒不 合格⇒ 再締め 付け

ーカーカタログより

機能劣化回復のための補修・補強-腐食部補修-

(9)

29

下 路 アーチ 吊材床版 埋込み 部補修

・地覆部排水管設置 ・吊材添接部ポリマーセメント モルタル吹付(t=1mm以上)

機能劣化回復のための補修・補強-腐食部補修-

横桁下 フランジ主桁貫 通構造

機能劣化回復のための補修・補強-鈑桁の疲労

試 験体によ る 疲労試験 (関西 大学、近畿 地整、橋建 協共同 研究)

側溶接側溶接

横桁 下フラン ジ主桁 貫通構造

機能劣化回復のための補修・補強-鈑桁の疲労 31

疲労寿 命(曲げ応 力 )

NdH’等級1/41/6 NwH’等級程度 N30H’等級を満たす

+:全周す肉または部分溶 込み溶接(H等級 ×:フランジ貫通せずウェブ FP溶接道示G等

横桁下 フランジ主桁貫 通構造

機能劣化回復のための補修・補強-鈑桁の疲労

疲 労亀裂の進展

ウェ き裂 54mm 横桁下フランジ き裂進展状況(N=250万回) 亀裂は斜め上(主応力方向に直角 方向)に進展。この場合、中立軸 近傍で進展は止まる。

フランジ上側溶接フランジ下側溶接 き裂

横桁ウェ 主桁下フランジ 破断状況拡大(N=326万) 亀裂は真下に進展し下フランジを 貫通するため、非常に危険。

(10)

横桁下 フランジ主桁貫 通構造

機能劣化回復のための補修・補強-鈑桁の疲労- 33

疲 労亀裂の補強 方法

ストップホールだけでも亀裂の進 展はなし

横桁下 フランジ主桁貫 通構造

機能劣化回復のための補修・補強-鈑桁の疲労- 34

疲 労亀裂の補強 方法

山添橋の補強事例 (ストップホール+当て板 阪神高速道路㈱HPより 学会第64年次学術講演概要 (首都高速道路検討工法)

切断に 力集中開放 機能劣化回復のための補修・補強-鋼床版疲労亀裂補修・予防保全- 35

上面あて板による亀裂補修 高速道路HPより

交通規制を緩和する下面からの補強への挑戦 阪神高速道路㈱共同研究公募資料より 36

今は使われていない材料・構造-フランジ曲げ構造-

桁高 変化 部の 亀裂 補修 事 例① 補強板 によ る補 強

ストップホール 脚横梁

横桁

添接補強板落橋防止板 線支承

【桁端切欠部 】

(11)

37

今は使われていない材料・構造-フランジ曲げ構造-

桁高 変化 部の 亀裂 補修 事 例① 補強板 によ る補 強 【桁端切欠部 】

亀裂発見時の補強構造標準補強構造 鋼道路橋と疲労損傷,高速道路技術センター162月】

今は使われていない材料・構造-フランジ曲げ構造-

桁高変化 部の 亀裂 補修 事例 ② 補強板 ⇒ 桁 連続化 【ゲルバーヒンジ部】

連続化前(当て板補強)連続化前(当て板補強) 連続化後連続化後

ルバー当て 連続化

リニュ ー ア ル 旧橋 ( 吊橋 ) 昭和 2年 完成 (我が国初の 国道に架 か る本格的 吊橋) 昭和62 年 ケーブルアンカー部に腐 食 による破断発 見 補剛桁を利用して上 路アーチに 改 造

機能劣化回復のための補修・補強-腐食部補修- 39

① 経年によ る老朽化 ② 維持管理 の不足 ③ 支承の選 定及び設置 の誤差 ④ 設計上の 配慮不足 施工上の 不備 ⑤ 下部工変 位

支承の損 傷分類

機能劣化回復のための補修・補強-支承-

平成

24

年道示 では支 承は取 替えを 前提とし た設計 を行う

(12)

取替え鋼製支承)取替え完了(支承)

ゴム支承への 取替えに よ る耐震性の向上

支承取 替え事例( 1)

41

機能劣化回復のための補修・補強-支承- 食が進行した線支承溶融亜鉛メッキ仕様の支承へ取替え

沓座損壊およ び腐食による支承機能の劣化を 取替えに よ り 機能回復

支承取 替え事例( 2)

42

機能劣化回復のための補修・補強-支承- ジャッキ設置図 (端横桁仮受け工法)

ジャッキ設置図 (ベントによる仮受け工法)

支承取 替えのためのジャッ キ アップ

43

機能劣化回復のための補修・補強-支承- ジャッキ設置の例 (ロック機構付き油圧ジャッキ)

支承取 替えのためのジャッ キ アップ

44

機能劣化回復のための補修・補強-支承-

(13)

単純桁の 連続化 → 多 径 間連続 化構造 → 活荷重による正曲げ モーメントの軽減 → 耐震補強 効果も合わ せ持つ → 落 橋防止構造 設置箇所 の削減 → ゴム 支承への交 換による反 力分散調 整

車両大 型化対応

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桁端 部腐食 対策 にも なる

機能劣化回復のための補修・補強-支承-

桁連 続化 における 応力 改善 の概 要図

耐震性の向上、騒音軽減などの目的から、数径間の既設単純桁を橋脚上 で連結させて、活荷重や連結後の死荷重に対する断面力を軽減させる。 ゴム支承へ 取換え

機能向上のための補強-主構造の補強事例-

桁連続化

機能向上のための補強-主構造の補強事例- 47

再生 土 木史的資 産の保 存と 活用事例

旧橋(四谷見附橋)新橋(長池見附橋) 平成5年撤去橋の移設完了 (多摩ニュータウン別所長池地区)

大正2年(1912年)完成 都市化による道路拡幅整備により架替え

機能向上のための補強-歴史資産の有効活用-

(14)

49

3.現場を 知 ると 留意点 が見えてくる! ~補修・ 補強現 場の実 態~

3.現場を 知 ると 留意点 が見えてくる! ~補修・ 補強現 場の実 態~

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補修・補強現場の実態ー想像以上に狭い- 現場孔明・取付け・HTB締付け現場孔明・取付け・HTB締付け 沓座のはつり沓座のはつり

部材取付け・HTB締付け部材取付け・HTB締付け

図面で想像するより, 実際はもっ と 狭いこと が多いかも・ ・ ・

想 像以上 に狭 い 想 像以上 に狭 い

51

補修・補強現場の実態ー想像以上に狭い-

施工 スペ ース を考 慮し た補 強構 造お よ び計 画が 重要 (例 ) 部 材 搬 入・・・ マンホール と部材の関 係 ア ン カ ー削孔・ ・・コアド リルの高さ 高 力 ボ ルト・・ ・締付け機 の大きさ 等の事 前 チ ェック

コアドリル寸法例 52

補修・補強現場の実態ー重量物の人力施工-

重量 物も人力で 施工 重量 物も人力で 施工

箱内への部材搬入箱内への部材搬入 箱桁内の部材人力運搬箱桁内の部材人力運搬

重機が使えないことが ほとんど。 重量物も人力で運搬 しなければならない。

チェーンブロックによる搬入チェーンブロックによる搬入

(15)

53

補修・補強現場の実態ー重量物の人力施工-

部材 の分 割・小 型 化 部材 の分 割・小 型 化

•重機を使えない場合がほとんどである. •小型のウィンチ,チェーンブロック等で 少しずつ地道に持ち上げるしかない. •場所によっては人力による運搬となる. 部材の分割・小型化は必須

補修・補強現場の実態ー竣功図だけでは×-

竣 功 図だけで の判断は 危険 竣 功 図だけで の判断は 危険

光ファイバー 図面にない添架物図面にない添架物管理者の違う添架物管理者の違う添架物 鳩糞の堆積鳩糞の堆積鳩糞鳩糞

よく配管

既設橋梁には図 面と違う 箇所が多い。 ・寸法的な違い ・添架物の有無,その他 まずは現場を見る

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補修・補強現場の実態ー竣功図だけでは×-

図面 だ け で判断 , 設 計 ・計 画を 進め る のは 危険 ! 図面 だ け で判断 , 設 計 ・計 画を 進め る のは 危険 ! まずは現場を見よう! ↓ 意識して い ない箇所は 1度見ても覚え て いな いことが 多い. ↓ デジ タル 写真,ビ デ オ 撮影でいろ いろ な 箇所を記録しておく事は非常の有効。 現場に合わせた柔軟な設計・計画を!

補強材の寸法 ・形状だけでなく ,施工を行う ためのス ペースを考慮して 設計 ・計画を行うこ と が重要.

-まとめ - -まとめ -

補修・補強現場の実態 •

クレ ーンなどの重機等は,使え な いこ とが多い.人力で の運搬が 生じることを 考慮 しよう。 →部材の分割・小 型化.

竣工図面だけの判断は危険.必ず 現場を見よ う.

(16)

4.過去の事例から学ぼう! ~ 補修・ 補強事 例と留意点 ~ 4.過去の事例から学ぼう! ~ 補修・ 補強事 例と留意点 ~

5758

補修・補強事例と留意点-誤差吸収-

縦桁・横 桁 ウェブギ ャップ間にブ ラケッ ト を取 り付 け る 補強 フ ィ ラ ー の設置

誤差吸 収箇所の 設定例 ① 誤差吸 収箇所の 設定例 ① 直接取り合う 構造 であるた め , 実橋の 誤差を吸収するところが な い. ▽

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施工ス ペースの 確認① 施工ス ペースの 確認①

補修・補強事例と留意点-施工スペースの確認-

・落橋 防止工事における桁内 補強の事 例

内補強 部材の取り込み検討部材の取り込み検討

●新規マ ンホ ール の設置は 考慮されておらず,当初設 計 の部材で は,桁内への 搬入 が不可能 .

60

施工ス ペースの 確認① 施工ス ペースの 確認①

補修・補強事例と留意点-施工スペースの確認- 当初設当初設

▽ 設計・構 造上可 能な 限り部材を 分割 そ れ で も 搬入できな い 部材 は , 反対の桁端 か ら (桁内運搬6 5m )

変更後変更後

部材の分割部材の分割

(17)

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施 工 スペース の確認 ① 施 工 スペース の確認 ①

補修・補強事例と留意点-施工スペースの確認- 部材の取り込み,搬状況部材の取り込み,搬状況

取り付け完了取り付け完了

施 工 スペース の確認 ② 施 工 スペース の確認 ②

補修・補強事例と留意点-施工スペースの確認- チップがある状態でチェック 63

施工ス ペースの確 認 施工ス ペースの確 認

補修・補強事例と留意点-施工スペースの確認-

補 修 ・補 強現 場は 狭隘 な場 合が多 い 。 ↓ 部材 の大 きさ(搬入 ・ 取付 けが可能 か),ボ ルト配 置 (締 付けが可 能か)等 に留意 し て おく こ と が必 要。

補 修 ・補 強現 場は 狭隘 な場 合が多 い 。 ↓ 部材 の大 きさ(搬入 ・ 取付 けが可能 か),ボ ルト配 置 (締 付けが可 能か)等 に留意 し て おく こ と が必 要。

補修・補強事例と留意点 •

補修・補強現場は, 多 くが 狭隘で,重機なども使用でき な い (人力) 場合が多く, 施工条件 的に はかな り 厳しい.

-ま とめ- -ま とめ-

所定の施工品質を保ち,かつ求められた 設 計性能を完 全に 満足させ る ことが困難な場合もある.

現地条件を考慮に 入 れ ,要求性能と確保す べき品質の バランスの取れた 設計が 望ましい.

設計-施工から, 施工 -設計という 考 え 方による補修設 計も 必 要 . →新設の設計とは,異な る アプローチ →品質確保可能な施工が できる設計

(18)

65

5.古きを知ろう! ~今は使 われて いない材 料・構造~ 【リ ベット 構 造 】

5.古きを知ろう! ~今は使 われて いない材 料・構造~ 【リ ベット 構 造 】

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今は使われていない材料・構造-リベット-

リベ ッ ト リベ ッ ト 高力ボルト 使用以前の一般的な継手構造 昭和50年初頭くらいが 最 後 支圧および せ ん 断接合 リベット 自体は問題ではないが , 補修時には留意が必要

実際のリベット施工状況 焼き

焼き炉で900~1100で焼ットハマーで打 67

今は使われていない材料・構造-リベット-

当て板 リベット孔 リベットハンマー赤熱された リベット リベを叩い潰す

P リベット径d リベット孔径d´ d´≒d+1.5mm

赤熱されているリ ベットを叩くことによ り、隙間が充たされ る せん断抵抗支圧力

リベット継手の模式図 68

今は使われていない材料・構造-リベット-

(1)腐食リベット の 取替え リベット頭が 腐食しているの み で 緩んでいない場合・・・ 取替えによ り, 逆 に 隙間から水が浸入し腐食が進行した 事例もあり ・取替 え よ り , 腐食対策が 好ましい場合が多い

(1)腐食リベット の 取替え リベット頭が 腐食しているの み で 緩んでいない場合・・・ 取替えによ り, 逆 に 隙間から水が浸入し腐食が進行した 事例もあり ・取替 え よ り , 腐食対策が 好ましい場合が多い

母材の腐食隙間から 水が浸入母材の腐

リベット頭腐食 リベット頭

HTBへ交換 腐食リベットの取替えによる水の浸入

(19)

69

リベッ ト 部腐 食と補修 につ いて

今は使われていない材料・構造-リベット-今は使われていない材料・構造-リベット-

(2)リベットの高力ボ ル トへの取替え リベットの接合面は防錆塗装として鉛丹錆止塗料が塗 布されて いる場合が多い ⇒摩擦係数0.4を確保することが 困難 ・接合面の 処理 ・高力ボルトのサイズアップ ・打込式高 力ボルトの使用 等の検討が必要な場合がある

打込式高力ルトルト 71

今は使われていない材料・構造-リベット-

リ ベ ットの 許容値 について リ ベ ットの 許容値 について

リベット材の許容応力度(kgf/cm2) リベット寸法図(JISB1214) 例えば22ΦSV41) 現場リベットの許容せん断力 (単せん断)は4940kgf τa=1000kgf/cm2 となり、高力ボルトF10T 許容1面摩擦力(μ=0.44800kgf にほぼ相当する

今は使われていない材料・構造-リベット-

リ ベ ットの許 容値の 計算 リ ベ ットの許 容値の 計算

容せん断力 容支圧 重ね継手 合せ継 ρsρbの小さい方をρaとする。 (鋼道路橋設計便覧(昭和54年2月)より

(20)

73

今は使われていない材料・構造-リベット-

(3)リベットの撤 去方法

カシメ側からの切断は軸ずれの 可能性が高いため避ける必要が あるが、不明な場合、施工困難 になる可能性がある

コアドリルの場合の注意点 いずれの工法も孔ずれ(許容値は0.5mm) がある場合もあり、ハンマー打撃の騒音にも注意が必要

撤去リベットのカシメ側の 頭のずれの 74

維持管理の 重要性は 従来から 言われてき ま したが,新 設分野と 比べると 目に見えに くい 作業が多く ,成果的 にも非常 に地味な分 野で あります。 しかし、先 般の笹子 トンネル 事故等によ り、 「維持管理 および補 修・補強 」分野は, 今後 ますます重 要性が高 まってく るものと考 えま す。

-おわ り に - -おわ り に - ◇定期点 検、適切な メンテナ ンスが重 要。 ・本日 紹介した 損傷事例の 多くは、 未然 に防 げたもの 。 ・東日 本大震災 でも、腐食 を起因と した 桁端 部での損 傷が多く発 生。 ◇万が一 、損傷が生 じたとし ても、当 板 補強、 部分取替 え等により 早期に復 旧 できる のも、鋼 橋のメリッ ト。 今回の内 容が今後の 業務に何 らかのお 役に たてれば 幸いです。

-おわ り に - -おわ り に -

75

参照

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