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Academic year: 2021

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論文内容要旨

論文題名

Molecular Epidemiology of Carbapenem-Resistant

Acinetobacter baumannii

Isolated at Showa University Hospital, 2011-2016

(昭和大学病院において 2011 年から 2016 年の期間に分離されたカルバペ ネム耐性

Acinetobacter baumannii

の分子疫学解析)

掲載雑誌名 臨床病理(第 65 巻・第 10 号・1073-1081 頁・2017 年)

専攻名 病理系 臨床病理診断学専攻 船木俊孝

内容要旨

抗菌薬耐性

Acinetobacter baumannii

が院内感染原因菌として急増し ている。今回、当院で臨床分離されたカルバペネム耐性

A.baumannii

につ いて院内及び院外での感染拡大防止の基本情報とする目的で、カルバペネ ム 耐 性 遺 伝 子 と 世 界 規 模 で の 疫 学 解 析 Multi-locus sequence typing(MLST)による分子疫学解析を行った。

2011 年 4 月から 2016 年 11 月までの期間に 882 株の

Acinetobacter

species が分離された。カルバペネム耐性株は 64 株あり、その中で

A.

baumannii

が固有に保有する

bla

OXA51陽性の 22 株のカルバペネム耐性

A.

baumannii

を対象として解析を施行した。OXA-β-lactamases、Metallo- β-lactamases、AmpC-β-lactamases の検出及び IS element の検出と同 定は PCR とその産物の塩基配列決定により行った。MLST は、PubMLST に基 づき、7 か所の housekeeping gene の PCR とその産物の塩基配列決定によ り施行した。

耐性機構解析:22 株中 7 株では、

bla

OXA51の上流に IS

Abal

が挿入されて

いた。

bla

OXA23陽性株は 13 株検出され、11 株で上流に IS

Abal

が挿入され

ていた。Metallo-β-lactamases の存在を示す Sodium mercaptoacetic acid(SMA)抑制試験の陽性株は 4 株あり、そのうち 1 株で

bla

NDM1とその上 流に IS

Abal25

の挿入を明らかにした(Gene bank 登録 ID: LC228964)。

この

A.baumannii

が保有する

bla

NDM1は、本邦ではインドの渡航者から 1 例 のみ報告されている稀な例であった。SMA 陽性株の残り 3 株では、Metallo- β-lactamases は同定に至らなかった。

bla

AmpCは 20 株で検出され、そのう ち 18 株で IS

Abal

の挿入が認められた。MLST 解析:22 株のうち 18 株(ST76, 138, 395, 469)が Clonal complex(CC92)に分類された。CC92 に属さない

(2)

株では ST279 や ST617 を検出し、また新規の ST1475 を登録した。

bla

NDM1

が検出された株は ST617 であり、中国(ST145)、アメリカ(ST158)で検出さ れた株と 1 locus 違いだった。ST1475 はバングラディシュからの帰国者 で、ヨーロッパ株(ST20, 146, 585)と 1 locus 違いだった。残り 1 株で は、新規の

gpi

の allele 292 を登録したが、rpoD に 3 塩基挿入があり (Gene bank 登録 ID: LC213015)、MLST の基準から外れた。

カルバペネム耐性

A.baumannii

は多様な薬剤耐性機構を有していた。当 院で検出された株の多くは、世界流行株である CC92 に属していた。一方 で、多様な伝播経路も示唆された。

参照

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