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博士(工学)王 碩玉 学位論文題名

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Academic year: 2021

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(1)

     博士(工学)王   碩玉 学位論文題名

ロボットマニピュレ一夕の運動制御に関する研究

    学位論 文内容 の要旨

  与 えら れたロ ボット マニピ ュレ ータの 経路追 従制御 性能を 向上 させる ために は,より良いサー ボ 系設計 への 努カと 適切な 軌道計 画のニ っの 要素が ある。 それら を別 々に考 えるのではなく,こ の ニっを 融合 した形 で最善 のシス テムを 構成 するべ きであ る。こ のこ とを基 本的な立場として,

関 節角に 対し て与え られる 目標値 に着目 し, サーボ 系の特 性を考 慮す る可変 速軌道計画によるロ ボ ットマ ニピ ュレ一 夕経路 制御法 が提案 され ている 。しか し,こ の方 法では 始動と停止に対して は 別の処 理を しなけ ればな らない とか, アク チュエ 一夕の トルク 制限 を積極 的には扱っていない と か,ア ルゴ リズム が複雑 である などの 問題 があっ た。本 研究で は, これら の問題点を解決する た めに, 人間 の定性 的な知 識によ る判断 を軌 道計画 に導入 して, ファ ジィ軌 道計画を提案してい る 。

  ま た, 以上の 方法で は,サ ーボ 系の特 性を考 えるた めに, 円近 似の概 念を利 用しているので,

原 理的に は多 自由度 の口ボ ットマ ニピュ レー タに適 用でき るが, その アリゴ リズムはかなり複雑 で ある。 また ,各軸 サ―ボ 系の目 標値を 設計 すると き,各 軸の基 準角 周波数 (ゲインおよび位相 と も劣化 しな い最大 の角周 波数) の中で ,最 小値の 基準角 周波数 を採 用せざ るを得ないので,一 っ の軸の サー ボ系は 無理無 駄のな いよう に利 用され るが, 他の軸 のサ ーボ系 は能カを十分発揮で き ない形 にな ってし まう。 したが ってこ れら の問題 点を根 本的に 解決 するた めに,本研究におい て は , 関 節 空間 を 明 確 に 定義 し , 与 え られ た 経 路 のP表 現 (Phase表 現 ) という 概念を 導入し た 。この こと により 従来の 方法で は不可 能で あった 各軸の サーボ 系の 性能を 最大限に発揮できる よ うにな る。 また多 自由度 の口ボ ットマ ニピ ュレー タへの 適用も 容易 な口ボ ットマニピュレー夕 経 路 制 御 を 可能 と す る 方 法を 提案 した。 シミ ュレー ション により この 方法と 従来の 方法と を比 べ ,その 有効 性を検 証した 。

  口 ボッ トマニ ピュレ 一夕な どの ような 非線型 メカニ カルシ ステ ムの目 標値追 従制御性能を向上 さ せるた め, その制 御を実 現する ための アク チュエ ー夕制 御には アナ 口グ制 御でなくて,ディジ タ ルサー ボさ らには ソフ卜 ウェア サーボを用いる必要がある。したがって,口ボットマニピュレ一

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夕 のダイ ナミッ クスを 考慮 に入れ たディ ジタル 制御の 系統 的な設 計法を 開発す る必 要があると考 え ている 。この こ と によ り,本 研究に おいては,メカニカルシステムの運動の本質に注目して,

特 に,外 カと加 速度と の瞬 間的関 係を利 用する ことに より ,ロボ ットマ ニピュ レー タの経路追従 制 御のた めのデ ィジタ ル加 速度制 御法を 提案し た。ま た, 線形メ カニカ ルシス テム にしても,非 線 形メカ 二カル システ ムに しても そのシ ステム の運動 の様 子は加 速度に よって 决め られ,モデル 化 できな い各種 の摩擦 を含 む非線 形メカ 二カル システ ムの 目標値 追従制 御の場 合, メカニカルシ ス テムの 加速度 情報を 適切 に利用 すれば ディジ タル制 御系 を構成 できる という こと を明らかにし た 。さら に,デ ィジタ ル加 速度制 御法と 従来か ら良く 知ら れてい る計算 トルク 法と の違いにっい て も理論 的に論 じた。 さら に実験 により このデ ィジタ ル加 速度制 御法の 有効性 を明 らかにした。

  口 ボット マニピ ュレ ータの 軌道追 従制御 にお いては ,目標 軌道が 運動の 前に 計画されて利用で き るが, これま で軌道 の未 来情報 を利用 すると いうこ とは あまり 積極的 に議論 され ていない現状 で ある。 しかし ,目標 軌道 の未来 情報を 利用す ること によ り,自 動車の 運転と 同じ 理由で,軌道 追 従制御 性能を 改善さ せる ことが 可能で ある。 したが って ,本研 究では ,ディ ジタ ル加速度制御 法 に基づ く予見 制御系 を構 成した 。これ により ,モデ ル化 できな い各種 の摩擦 を含 む口ボットマ ニ ピュレ 一夕の 経路追 従制 御に適 用でき るもの となっ てい る。シ ミュレ ーショ ンと 実験を通じて 軌 道 の 未 来 情 報 を 利 用 し な い 制 御 法 に 比 べ て, 追 従 性 能 の 改善 が 得 ら れ るこ と を 示 し た。

  ま た,通 常では ,非 線形シ ステム のディ ジタ ル適応 制御を 行う場 合,そ の非 線形システムを何 ら かの方 法によ り線形 化し て,そ して得 られた 線形モ デル に線形 ディジ タル適 応制 御理論をその ま ま 使 っ てい る。一 方有名 なJ.J. SlotineとW. Liによる ロボッ トの適 応制御 方式 におい ては そ の前提 は,動 力学モ デル を動力 学パラ メータ の線形 関係 の形に 表現す ること がで きることであ る 。しか し,実 際には 非線 形シス テムに 対し, 必ずし もこ の条件 が満た されて いな いので,この 場 合理論 的に期 待され た制 御性能 を達す るのが 困難で ある 。この 現状に 対して ,本 研究におてい は ,まっ たく違 う立場 に立 って, ロボッ トマニ ピュレ 一夕 だけで はなく て,も っと 広い意味での 実 在の物 理シス テムに 対し て,そ の物理 的な運 動の本 質に 基づぃ て,モ デルの 具体 的な形とパラ メ 一夕が 判らな い非線 形シ ステム のディ ジタル 適応制 御法 を提案 した。 さらに シミ ュレーション に よりそ の有効 性を検 討し た。

  最 後に , 上述 のP表現に よる軌 道計画 にお いては 経路上 を移動 する目 標点 の速度 をオフ ライン で 計画し ている ため, ロボ ットマ ニピュ レ一夕 が経路 を追 従する 状態を 実時間 的に 考慮に入れる こ とがで きなか った。 実際 に制御 を行う とき初 期誤差 や外 乱など の原因 で口ボ ット マニピュレー タ が経路 から外 れる恐 れが あるか ら,軌 道計画 を行う とき に口ボ ットマ ニピュ レー タの追従状態

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を実時 間で監 視す る必要 がある 。この こと から, 本研究 におい ては, オン ラインファジィ軌道計 画によ る口ボ ット マニピ ュレー 夕経路 追従制御法を提案した。すナょわち,ファジィ推論に基づぃ て,制 御しな がら ,現在 のサー ボ系の 追従 誤差を 監視す るよう に,経 路か ら軌道を決める方法で ある。 また, 上述 のディ ジタル 加速度 制御 法を用 いてロ ボット マニピ ュレ ータの経路追従制御の サーボ 系を構 成し ,実験 によル オンラ イン ファジ ィ軌道 計画に よる経 路追 従制御の有効性を明ら かにし た。

  本 論 文 の 第1章 で は , 本 研 究 の 背 景 お よ び 本 論 文 の 主 張 に っ い て 述 べ て い る 。   第2章に おいて は,オ ンラ インフ ァジィ 軌道計 画の概 念と その口 ボット マニピ ュレ ー夕経 路追 従制御 への応 用を 述べて いる。

  第3章 に おい て は , 多 自由 度 の ロ ボ ッ トマ ニ ピ ュ レ 一夕 へ の 適 用 も容 易 なP表現に 基づく 口 ボシト マニピ ュレ 一夕経 路制御 法を論 じて いる。

  第4章では ,デ ィジタ ル加速 度制御 法を論 じて いる。

  第5章 で は , デ ィ ジ タ ル 加 速 度 制 御 法 に 基 づ く 予 見 制 御 系 の構 成 に っ い て 述べ て い る 。   第6章 で は , 非 線 形 シ ス テ ム の デ ィ ジ タ ル 適 応 制 御 に っ い て 述 べ て い る 。   第7章で は,オ ンライ ンフ ァジィ 軌道計 画によ る口ボ ット マニピ ュレー 夕経路 追従 制御法 を論 じてい る。

  第8章では ,本 研究に よる成 果と今 後の課 題を まとめ ている 。

学位論文審査の要旨

  本論文 は,産 業用 口ボッ トを対 象とし て,そ の自 律的か つ高速 ・高精 度の経路追従制御を実現 するこ とを目 的とし ている 。そ のため ,サー ボ系の 特性 を考慮 した軌 道計画法およびディジタル サーボ 系の構 成法に 関して 理論 的に研 究し, 理論上 の有 益な方 法を得 ることを目的として研究し たもの で,そ の主要 な経過 は以 下のよ うにま とめら れる 。

  (1)自律性を実現するために,まず人間の定性的な知識による判断を軌道計画に導入して,サー

士 淳

武  

  公

谷 川

   

   

土 長

授 授

教 教

査 査

主 副

(4)

ボ系の 特性 を考慮 したオ フライ ンファ ジィ 軌道計 画法を 提案し てい る。こ の軌道計画法は,原理 的に多 自由 度の口 ボットマニピュレ一夕に適用できるが,そのアルゴ|Jズムはかなり複雑である。

また, 各軸 サーボ 系の目 標値を 設計す ると き,各 軸の基 準角周 波数 (ゲイ ンおよび位相とも劣化 しない 最大 の角周 波数) の中で ,最小 の基準角周波数を採用せざるを得ないので,一っの軸のサー ボ 系は 無 理無駄 のない ように 利用 される が,他 の軸の サー ボ系fま能 カを十 分発揮 できな い形に なって しま う。し たがっ てこれ らの問 題点 を根本 的に解 決する ため に,本 研究においては関節角 に 対し て 与 え ら れる 目 標 値 に 着目 し , 関 節 空 間を 明 瞭に 定義し ,与え られた 経路のPhase表現 という 概念 を導入 した。 このこ とによ り従 来の方 法では 不可能 であ った各 軸のサーボ系の性能を 最大限 に発 揮でき るよう になる 。また ,多 自由度 のロボ ットマ ニピ ュレー タヘの適用も容易な最 適軌道 計画 法を検 討して いる。 シミュ レー ション により この方 法と 従来の 方法とを比べ,その有 効性を 検証 した。 ところ が,場 合によ って 口ボッ トマニ ピュレ ータ の経路 追従状態で実時間で監 視する 必要 かある 。この ニっの 方法は オフ ライン で軌道 を計画 して いるも のであるため,ロボッ トマニ ピュ レータ が経路 を追従 する状 態を 実時間 的に考 慮に入 れる ことが できなかった。これに 対して ,オ ンライ ンファ ジィ軌 道計画 によ る口ボ ットマ ニピュ レ一 夕経路 追従制御法を提案して いる。 すな わち, ファジ ィ推論 に基づ いて 制御し ながら ,現在 のサ ーボ系 の追従誤差を監視する ように ,経 路から 軌道を 決める 方法で ある 。また ,ディ ジタル 加速 度制御 法を用いてロボットマ ニピュ レー タの経 路追従 制御の サーボ 系を 構成し ,実験 によル オン ライン ファジィ軌道計画によ る経路 追従 制御の 有効性 を明ら かにし てい る。

  (2)高速 ・高精 度の経 路追 従制御 の目的 を達成 する ために ,アク チュエ 一夕の 制御 にはア ナ口 グ制御 では なく, ディジ タルサ ーボあ るい はソフ トウェ アサー ボを 用いる 必要がある。したがっ て,ロ ボッ トマニ ピュレ 一夕の ダイナ ミッ クスを 考慮に 入れた ディ ジタル 制御則の系統的な設計 法を開 発す る必要 がある と考え ている 。こ のこと により ,本研 究に おいて はメカニカルシステム の運動 の本 質に注 目して ,特に ,外カ と加 速度と の瞬間 的関係 を利 用する ことにより,ロボット マニピ ュレ 一夕の 経路追 従制御 のため のデ ィジタ ル加速 度制御 法を 提案し ている。また,線系メ カニカ ルシ ステム にして も,非 線形メ カニカルシ・ステムにしてもそのシステムの運動の様子は加 速度に よっ て決め られ, モデル 化でき ない 各種の 摩擦を 含む非 線形 メカ二 カルシステムの目標値 追従制 御の 場合, メカ二 カルシ ステム の加 速度情 報を適 切に利 用す ればデ ィジタル制御系を構成 できる ,と いうこ とを明 らかに した。 さら に,デ ィジタ ル加速 度制 御法と 従来から良く知られて いる計 算ト ルク法 との違 いにっ いても 理論 的に論 じた。 実験に より このデ ィジタル加速度制御法 の有効 性を 明らか にした 。口ボ ットマ ニピ ュレー タの経 路追従 制御 におい ては,目標軌道が運動

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の 前に計 画さ れて利 用でき る場合 が多 いが, これま で軌道 の未来 情報 を利用するということはあ ま り積極 的に 議論さ れてい ない。 しか し,目 標軌道 の未来 情報を 利用 することにより,自動車の 運 転と同 じ理 由で, 軌道追 従制御性能を改善させることが可能である。したがって,本研究では,

デ ィジタ ル加 速度制 御法に 基づく 予見 制御系 を構成 した。 この予 見制 御法はモデル化できない各 種 の摩擦 を含 む口ボ ットマ ニピュ レー タの経 路追従 制御に 適用で きる ものとなっている。シミュ レ ―ショ ンと 実験を 通じて ディジ タル 加速度 制御法 のみで 構成し たサ ーボ系の過渡特性を改善す る ことが でき ること を明ら かにし てい る。

  これを 要する に,著 者は, ロボ ットマ ニピュ レータ の運 動制御 に関し て新しい知見を提供する と ともに ,口 ボット 工学に 貢献す ると ころ大 なるも のがあ る。

  よ っ て , 著 者 は , 博 士 ( 工 学 ) の 学 位 を 授 与 さ れ る 資 格 あ る も の と 認 め る 。

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