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学位論文,題名Characterization and regulation of dynanuc mechanism in protein phosphorylation by kinases

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Academic year: 2021

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(1)

博 士 ( 理 学 ) 近 藤 紀 康

    

学位論文,題名

Characterization and regulation of dynanuc mechanism     in protein phosphorylation by kinases

(プロテインキナーゼによるタンパク質リン酸化の機能解明と

    

制御に関する研究)

学位 論文内容の要旨

  プロテ インキナ ーゼはATPを供 与体とし てタンパク質のセリン/スレオニン、チ口シン側鎖 の 水酸基 ヘリン 酸を転 移する 酵素で ある。 生体中 の約30%の タンバ ク質は プ口テイ ンキナ ー ゼ によル リン酸 化を受 けるこ とでシ グナル 伝達や 代謝の調 節因子 として機能している。ほと ん どすべ ての疾 病はシ グナル 伝達に 何らか の異常 を伴って いるこ とから、プ口テインキナー ゼ は重要 な創薬 夕ーゲ ットと して古 くから 研究が 行われ、 近年、 ガン領域における分子標的 薬 として キナー ゼ阻害 剤の開 発が活 発に行 われて いる。そ の一方 で、ヒトゲノムがコードす る500種 類 以 上の プ 口 テ イン キ ナ ー ゼの 多 く は その 機能の 詳細が 未だ明 らかとな ってい な い 。.そ のため 、医薬品としてだけではなく、生物学的ツールとしても強カなプロテインキナ ー ゼ阻害 剤の開 発が望 まれる 。プロ テイン キナー ゼは高度 に保存 された活性部位をもつこと か ら、標 的とす るキナ ーゼの みを選 択的に 阻害す ることは きわめ て難しい。プロテインキナ ー ゼには2つのコ ンホヌ ーショ ンをと ること が知ら れてお り、その うち不 活性型 コンホ メー シ ョンは 各々の キナー ゼに特 有の構 造をと ること から、こ のコン ホメーションを標的とする こ とで選 択的な 阻害剤 が得ら れるこ とが示 唆され ている。 著者は 小分子によるタンバク質リ ン 酸化の 機能解 明を目 的とし て、1) 不活性 型コンホヌーションを標的とするキナーゼ阻害剤 ラ イブラ リーの 構築、 および 、2) MALDI‑TOFMSを用い たマル チキナ ーゼア ッセイ 法の開 発 についての研究を行った。

  第一章 ではこれ までの プロテ インキ ナーゼ の機能 と疾病 との関 わりを簡単にまとめ概説し た。

  第二章 では、ABLキナーゼ(Ableson tyrosine kinase)の不活性型コンホメーションを標的と す る阻害 剤候補 化合物 ライプ ラリー の構築 、およ びその生 物活性 について述ぺた。ジアリル ア ミドお よびジ ァリルウレア構造を持つ1,2,3‐トルアゾール誘導体はABLキナーゼの非活性 型 コンホ メーシ ョンを 特異的 に阻害 するこ とを見 出した。 この化 合物を元に、銅を触媒とす るアジド‐アルキン[3十2]双極子付加環化反応(クリックケミストリー)を利用して4位に置換 基 を持っ トリア ゾール ライプ ラリー を作成 し生物 活性評価 を行っ た。その結果、IC50値にお い て約10 yMの阻害 活性を 持つ化 合物を見 出した 。また 、活性 向上の ため側 鎖部分 につい て 構造活性相関を行った。

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  第三章では、安定同位体でラベル化された基質ベプチドを用いたMALDI‑TOFMSによるマ ルチキナーゼアッセイ法について述べた。用いる基質ペプチドのIC末端にWR配列を付与す ることで、全ての基質ベプチドにおいてイオン化率が向上することを明らかにした。また、

その実用性を明らかにすべくABLキナーゼについて速度論解析を行った結果、得られたKー 値は文献値とよい一致を示し、またイマチニプおよびスタウ口スポリンを用いた阻害実験に おいてもIC50値を正確に算出できることから、ハイスループットスクリーニングヘの応用が 可能であることを示した。またマウスB16ヌラノーマ細胞の抽出液を用いて、スタウ口スポ リン、イマチニプ、ゲフィチニプの3種類のキナーゼ阻害剤について、Abltideのりン酸化に 対する阻害能の算出に成功し、本法は細胞の抽出液を用いた系においても、脱塩等の後処理 を行うことなく利用可能であることを示した。またK562細胞抽出液を用いたマルチキナー ゼアッセイを行い、本法は一度の実験で各ベプチド基質に対する阻害スペクトルを効率的に 算出できる有用な方法であることを示した。

  第四章においては第一章から第三章までの総括、またこれからの展望についても短く述べ た。

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(3)

学位 論文審査の要旨 主査   教授

  

西村紳一郎 副 査

  

教 授

  

河 野 敬 一 副 査

  

教 授

  

出 村

  

誠 副査   准教授

  

門出健次

    

学位論文題名

Characterization and regulation ofdynanliCn

ユeChaniSn1

    inproteinphOSphorylationbykinaSeS

( プ ロ テ イ ン キ ナ ー ゼ に よ る タ ン パ ク 質 リ ン 酸 化 の 機 能 解 明 と     制 御 に 関 す る 研 究 )

  生体中の約30%のタンパク質はプロテインキナーゼによルリン酸化を受けることで シグナル伝達や 代謝の調節因子として機能している。ほとんど全ての疾病はシグナル伝 達に何らかの異 常を伴っていることから、プロテインキナーゼは重要な創薬ターゲット として古くから 研究が行われ、近年特にガン領域における分子標的薬としての研究開発 が著しい。その 一方で、ヒトゲノムがコードする500種類以上のプロテインキナーゼの 多くはその機能 の詳細が未だ明らかとなっていない。そのため医薬品としてだけでな く、生物学的ツ ールとしても強カなプロテインキナーゼ阻害剤の開発が望まれる。プロ テインキナーゼ は高度に保存された活性部位を持っことから、標的とするキナーゼのみ を選択的に阻害 することは極めて難しく、このことが阻害剤開発の大きなボトルネック となっている。

  本論文は、こ のような現況にあるキナーゼの阻害剤開発にっいて、キナーゼ阻害剤ラ イ ブラ リー の効 率的 構築 、及 ぴMALDI‑TOFMSを用 いた マル チ プルキナーゼアッセイ 法というニつの 手法を確立することで、迅速に選択的キナーゼ阻害剤を見出すことで、

タ ン パ ク 質 リ ン 酸 化 の 機 能 を 解 明 す る こ と を 目 的 と し て 研 究 を 行 っ て い る 。   第ー章では、 プロテインキナーゼの機能と疾病との関わりについて述べている。これ まで続けられて きた研究の背景を踏まえて、現在のキナーゼ阻害剤の開発状況とその意 義にっいて大変 わかりやすくまとめられており、この分野に対する知識を幅広く身に付 けたと評価でき る。

  第二章では、 チロシンキナーゼを標的とした阻害剤候補化合物ライブラリーの構築法 及びその生物活 性について述べている。クリックケミストリーを利用して簡便にライブ

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ラリーを構築し、血sをHスクリーニング法と組み合わせることでAblキナーゼの不活性 型コンホメーションを選択的に阻害する化合物を見出している。論理的な分子設計とり ンカー部分における綿密な予備実験により、限られた化合物ライブラリーの中から活性 物質を非常に効率的に見出したことは評価に値する。また活性増強のメカニズムにっい て、類縁体合成およびドッキングスタディーを用いて考察しており、今後の阻害剤開発 に有用 な知見を示している。本手法の他のキナーゼへの展開性についても言及してお り、 様 々 な キナ ー ゼ に対 す る ′11沖eIIinhibitorの探索へ の応用 が期待さ れる。

  第三章 では、MALDI‐TOFMSを利用 したプ ロテイン キナー ゼの活性測定法について 述べて いる。N末端を 安定同 位体でラ ベル化 し、C末端に高 感度化のためにWR配列を 付与し た基質ペプチドを用いることで、高い精度での酵素反応物の定量を達成してい る。また、細胞破砕液のような共雑物が存在する条件下においても、脱塩等の精製処理 なしに直接定量が可能であり、既存のアッセイ法と比較しても遜色のない実用的な手法 である といえる。K562細胞抽出液を用いたマルチプルキナーゼアッセイでは、複数の 基質ペプチドのりン酸化の進行率、それらに対する阻害剤の阻害スペクトルを迅速に算 出することに成功している。本法は標的細胞のキナーゼの発現レベルや、新規阻害剤の 標的キナーゼの同定等にも応用可能であることを示している。

  第四章では、第一章から第三章までの総括を、またこれからの展望について述べてい る。

  これらを要するに、本論文はキナーゼを標的とした化合物ライブラリーを効率的に構 築し、 それらをMALDI・TO珊江Sを用いたアッセイ法によって阻害スペクトルを迅速に 調査す ることで目的のキナーゼに対する選択的阻害剤の創出が可能であることを示し たものであり、タンパク質リン酸化の機能解明や医薬品の開発に大きく貢献できる将来 性の高い研究であると評価できる。

  よって著者は、北海道大学博士(理学)の学位を授与される資格があるものと認める。

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参照

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