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九州大学学術情報リポジトリ

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九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

チャンネル型プレキャストPC床版の鋼合成桁橋への 適用に関する基礎的研究

山口, 浩平

Graduate School of Engineering, Kyushu University

https://doi.org/10.11501/3180371

出版情報:Kyushu University, 2000, 博士(工学), 課程博士 バージョン:

権利関係:

(2)

第3章 静的曲げ試験による合成桁の曲げ破壊挙動

3.1緒言

通常のプレキャスト床版を鋼合成桁に適用す る 場合,スタッドが配置され る 位置の床版 に開口部を設け,床版と鋼桁問の問詰め部には無収縮モルタルを充填して一体化を図 る 必

ある 1), �), 3) そのため, 開口部には床版にプレストレスを導入す る ためのPC銅線を

配置できないこと,また相当量の開口部があ る ため後打ちモルタル充填量が多くな る だけ でなく,プレストレスが導入できない部分が多くな る ことから,床版の耐久性にも問題が 生じ る 可能性があ る 4). 5)・ 6)

それに対して,CPC床版を用いる場合は床版下面凹部にスタッドを群配置するため,床 版にはそれらの開口部が大幅に減少し,1章に記述す る ように構造上様々なメリットを有 する ことにな る. 実際, 床版lパネルあたりの開口部は床版中央部のみであり,従来型と 比較す る と床版全体に占め る 関口部の量は格段に減少できる. しかしながら,高さの低い スタッドを群配置す る ため,床版まで貫入してい る スタッド本数は床版中央部と床版間目 地部のみと従来型に比べ る と少ない. そのため,スタッドのずれ止めとしての作用であ る 床版と鋼桁との合成度の低下が懸念される. また, 2章で検討した問詰め部打設幅によっ ても合成桁結合部の合成効果に影響を及ぼす可能性があ る と考えられ る .

そこで本章では,実橋を想定した試験体によ る 静的曲げ試験を行い 本構造と従来構造 とを比較し,設計上重要とな る スタッド配置および問詰め部打設幅によ る 合成効果の影響 についての検討を行った.

3.2試験概要

3.2.1試験計画

スタッドを床版下面凹部に群配置させ床版関口部を少なくした提案型を基準試験体とし て,また比較用として床版へ貫入させる長尺スタッドを多用し床版開口部が多い従来型試 験体, および問詰め部打設幅を大きく確保した計3体の試験体の静的曲げ試験を行い CPC床版と鋼桁との合成挙動に着目した検討を行った.

(3)

3.2.2試験体

図3・1に試験体の構造一般図を示す. 試験体は全長4500mm, スパン長4000mm,全高 784mm,全幅800mmであり,鋼桁はフランジに200X 12mm,ウェブに576X 9mmのSS400

材を使用し, 800 X 750 X 160ml11のCPC床版を6枚使用した.

試験体は,図3-2に示す床版内に貫入したスタッドの本数, および問詰め部打設幅の異 なる計3体(Type 1, Type2, Type3)である. 各タイプの特徴は以下のようにまとめられる.

4500

PC鋼棒 φ23

(a) :側面図

床版目地部 床版関口部

(b) :平面図

図3・1 :試験体構造一般図

746 64

5|さ

: 日 日

: 口

64

門川川U

CPC Panel

Lィ市� 山什ト」 L川市�

800

80 150 340 150 80

φ13H60 φ13H120

PC鋼持φ23

200

電,.

"-'1

�I

400

Cコo

200

(a) : Typel (b) : Type2 (c) : Type3 図3-2 :試験体の平面図, 断面図

(4)

(1) Type 1

提案型であり, 床版下面形状の支圧効果によるせん断抵抗を考慮、して, 従来型 である Type2に比べて床版に貫入する長尺スタッド本数, 床版関口部を少なくし,

施工性に配慮、した.

(2) Type2

道路橋示方書のスタッド配置間隔規定に沿った従来型であり, スタッドの大部 分が床版内に貫入しているため, Typel に比べて開口部が多い床版を用いている.

(3) Type3

スタッドの配置,床版形状はTypelと同様であるが,問詰め部の支圧面積を大き く確保するため3 その打設幅をフランジ全幅としたTypel の 2倍の400mmとした.

Typel とType2の比較により,床版まで貫入させた長尺スタッド本数の違いによる,ま たTypelとType3の比較により,問詰め部打設幅の違いによる床版と鋼桁の合成挙動を検 証した.

試験体を設計する際,床版下面凹部の形状,床版下面と鋼桁上面との間隔,および鋼桁 の高さは実橋の約1/2とした. ここで,実橋の断面は支問中央の断面を代表断面とし,床 版厚はプレキャスト床版として製作可能な最小の厚さとした.また,床版と鋼桁の断面積 比,および中立軸の位置が実橋断面とほぼ一致するように,床版幅と鋼桁の断面寸法を決 定した.

写真3-1, 3-2にそれぞれType1, Type3, およびType2のスタッド配置, 床版架設後の 結合部の状況を示している. 表3ー1に完全合成断面として算定した合成桁の設計,終局荷 重, 鋼桁の降伏荷重を示している7). 8) なおこの算定には, 表3-2に示す材料試験から得 られた各材料の特性値を用いており,また設計荷重は,スパン中央の鋼桁下縁応力度が許 容曲げ引張応力度に達するときの荷重とした.

(1)縦締めプレストレスの導入

橋軸方向は, PC銅棒SBPR930/] 080-ゆ23を4本配置し, 橋軸方向のプレストレス量 は,実橋床版に導入される相当量を導入した. すなわち,試験体ではスパン中央での床版 下縁の応力が, 設計荷重時において許容引張応力度以下になるように, PC鋼棒l本あた りに初期緊張力220kNを導入した 表3・3は, 実橋および試験体の導入,有効プレストレ ス量を示している.

(5)

(a) :スタッド配置 (a) :スタッド配置

(b) :床版開口部 (b) :床版関口部

(c) :結合部 (c) :結合部

写真3・1 :結合部状況(Typel, Type3) 写真3・2 :結合部状況(Type2)

(6)

表3-1 :設計 , 降伏, 終局荷重

Type 設計荷重 降伏荷重 終局荷重

九[kN] P,,[kN] PJkN]

428 922 1360

2 427 921 1360

3 427 921 1370

表3・2 :材料試験結果

(a) : 床版コンクリート, 問詰め部および目地部モルタル

Type 圧縮強度 ヤング係数

ポアソン比 [N/mn{] x 104[N/mm1]

床版コンクリート 61.8 3.69 0.21 問詰め部モルタル 69.9 3.34 0.22 目地部モルタル 65.6 3.63 0.21 床版コンクリート 63.0 3.62 0.21 2 問詰め部モルタル 63.9 2.58 0.21 目地部モルタル 65.7 2.90 0.21 床版コンクリート 64.6 3.69 0.22 3 問詰め部モルタル 53.6 2.66 0.21 目地部モルタル 66.9 2.78 0.21

(b) :鋼桁, PC鋼より線, PC鋼棒

引張強度 降伏強度 ヤング係数 伸び率

[N/n1l111] [N/mm�] x 105[N/mm2] [%]

鋼桁(SS400) 413 296 1.95 29.8

PC鋼より線 1860 1570 2.00 .回

PC鋼棒 1080 931 2.00 .

(2)スタッド配置

スタッド配置は,設計荷重時にスタッドに作用する水平せん断力が スタッドの許容せん 断力以下になるように設計した. その結果,橋軸方向の床版iパネルあ たりのスタッドは,

Type 1, Type3はゆ13,H60mITIのタイプを4列, ゆ13,H120mmのタイプを3列配置し,

Type2はゆ13,H60mmのタイプを1 )1IJ, の13,H120mmのタイプを6列配置した. また,

橋軸直角方向のスタッドは実橋と同様にするため, 全タイプとも4列配置 とした. なお,

各試験体のずれ止め性能を相対的に比較するため,スタッドのせん断耐力が同等になるょ

っにスタッドの総本数を等しくした. 以下に,スタッドのせん断力の照査結果を, また図

3・3に各タイプのスタッド配置を示している.

設計荷重時に床版ー鋼桁間に作用する水平せん断力Hpは以下のとおりである.

(7)

表3-3 :実橋および試験体の導入, 有効プレストレス量 (a) : 実橋(設計上)

u nH W

(b) :試験体(設計上)

導入直後のプレストレス 有効プレストレス

設計値 設計値 平均 実橋/試験体

上縁 8.97 5.91

床版中央 6.64 1.05

下縁 11.2 7.37

上縁 11.1 7.57

床版目地 5.98 1.00

下縁 6.45 4.39

[N/mm-]

22

750 750

(a) : Typel, Type3 (b) : Type2

図3-3 :スタッド配置

表3-4 :スタッドの許容せん断耐力

φ13H60 φ13H120

Type 合計

許容せん断耐力 橋軸 橋軸直角 許容せん断耐力 橋軸 橋軸直角 [kNI750mm]

[kN/本] [本] [本] [kN/本] [本] [本]

11.20 4 4 13.3 3 4 339

2 10.70 4 12.7 6 4 348

3 9.83 4 4 11.6 3 4 296

(8)

(a) :床版架設

(b) :目地工

ι PC鋼俸

(c) :緊張

(d) :結合工 図3-4 :製作手順

(a) :床版架設

(b) :目地工

(c) :緊張工

(d) :結合工 写真3-3 :製作状況

(9)

H= 主竺 s

r 1

、、.,ノー

「‘J〆'E、、。

ac :合成桁と床版の 図心問距離=210 - 133 /2 = 144mm AC :床版の有効断面積(鋼換算) = 1 .67 x 104mm2

:断面 2次モーメント(鋼換算)=1.72 X 109mm4

S" :作用せん断力=428 /2 = 224kN

-.14P=0.313kN/m111=235kN/750mln

表3・4に各 タイプのスタッドの許容せん断耐力を示して おり,いずれの試験体とも設計 荷重時のスタッドの作用せん断耐力235kNを上回っている9)

(3)製作手順

実橋と同様に, 鋼桁上に床版を架設後, 床版聞の目地工, 緊張工, グラウト工により床 版を一体化した後に,問詰め部に無収縮モルタルを充填する結合工を経て合成桁とした.

図3-4, 写真3-3に製作手順を示す.

3.2.3試験方法

試験は載荷能力2000kNの静的載荷装置を用いて 行い, スパン中央に集中載荷した. 載 荷板は橋軸方向に 200111ll1, 橋軸直角方向は]OOOmITIである. 載荷方法は, まず設計荷重 である428kNまで2回載荷, 除荷を繰り返し, その後破壊まで漸増載荷とし, 設計荷重ま での載荷l回目は25kNピッチ,2回目および破壊までの漸増載荷は50kNピッチで行 った.

写真3・4は試験状況である.

計測項目は,合成桁の変形挙動, 床版-銅桁聞のずれ挙動, 床版のアップリフト, 問詰 め部の支圧ひずみ,およびひび割れ進展状況である 図3-5に計測機器の設置位置を示す.

たわみはスパン中央, スパン]/4点, 支点の鋼桁下フランジを計測した. 合成桁断面のひ ずみ分布計測位置は, 同図(a) に示す3断面(A-A , B-B, C-C )であり, それらの各断面は ほぼスパン中央(A-A:載荷点より]40mm),床版中央部(B-B:同375mm),床版関白地部

(C-c :同750mm)の位置である. 床版-鋼桁問, 問詰め部-鋼桁問(接合面A), 床版ー問

詰め部間(接合面B), および床版のアップリフトを計測するため, 同図(b)に示す位置に

(10)

変位計を設置した.床版下面形状の支圧効果によって生じる問詰め部のひずみ量を計測す るため, 同図(c)に示すようにひずみゲージを貼付した また, 問詰め部および床版への

ひび割れ状況は随時確認を行った.

A B C

(b) :ずれ, アップリフト

写真3-4 :試験状況

(a) :ひずみ分布

(c) :問詰め部ひずみ

ヌ13-5 :計測機器設置位晋

(11)

3.3解析概要

試験結果の評価の妥当性を検証するために, 汎用FEMソフトであるLUSASを用いて2 次元非線形FEM解析を行った. 床版コンクリート,問詰め部モルタル,鋼桁およびスタッ

ドは4節点平面応力要素) PC鋼棒は2節点 棒要素を用いた. また接合面 には,図3-6(a)に 示すようにスタッド(ゆ13 )のずれ定数(k= 132kNhnm4))を3節点ばね要素により線形モデ ル化を行い, ずれ特性を考慮、した10) なお, 鉛直方向のばね定数は無限大とした.

図3・6(b)に示すように試験体の対称性を考慮、して解析モデルは1/2対称モデルとし,ま たひびわれ発生から進展する過程を精度良くシミュレーションできるよ うに細分割してモ デ、ル化した.

図3・6(c)は床版コンクリート, 問詰め部モルタルの引張域の応力ーひずみ関係を示して いる. ひび割れ進展状況を検討するために, ひびわれ発生までは線形弾性, ひびわれ発生 後は直線ひずみ軟化(α=35.0)としてひび割れ特性をモデル化した. 図3・6(d)は鋼材の応 力ーひずみ関係を示しており, ひずみ硬化係数を0.01としたバイリニアモデルとした. な お, 解析に用いた材料特性値は表3・2に示す材料試験結果である.

Stud

」判ゴユ「オ剖寸『

(a) :3節点ばね要素 (b) :解析モデル

σ

Es/l00

εy εs

01εcr αεcr εc

(c) :床版コンクリート ・ 問詰め部モルタル

図3・6: FEM解析モデル

(d) :鋼材

(12)

3.4結果および考察

3.4.1変形性状

(1) 性状

図3・7は, スパン中央の荷重ーたわみ曲線を示している. 各試験体とも, 載荷開始から 破壊にいた るまで同様な傾向を示しており, スタッドの配置 ,および問詰め部打設幅の違 いによる影響はないことがわかる. 図中にType1, Type2のFEM 解析値を示しているが,

初期間Ij性, 終局耐力の試験値と FEM解析値はほぼ一致しており, 試験結果を精度良く再 現できている ことがわかる. また, 図示していないが, スパン中央から100cIl1位置の荷 重-たわみ関係も各試験体とも同様な傾向を示しており,FEM解析においても再現できて いる.

(2)破壊安全率

各試験体とも鋼桁下フランジの引張降伏にともない,床版の圧壊によって破壊した.表

3・5は, 各試験体の設計荷重,および終局曲げ耐力の試験値と計算値を示している. 各試

験体とも,試験値と完全合成断面をして 算出する道路橋示方書による終局耐力の比は1.06 '" l.13と安全側評価であり, 終局耐力の算定には実用上完全合成として取り扱って問題 のないことがわかった11) また最大荷重と 設計荷重の比は3.39'""-'3.61と十分な安全率を

1600 1400 1200

1000

4面ZAE d B∞

600 400 200

一一+ーTypel

設計荷重428kN

一一一一一

__._ーType2

M M Fヒ 戸L

「r Fa 1J 1l

「ノ- mpmv問VJ VJ VJ TI TI Tl

土 十

10 20 30 40 50

たわみ[mm]

図3-7 :荷重一たわみ曲線

(13)

表3・5 :最大荷重, 設計および終局荷重

試験値 計算値

Type 最大荷重 設計荷重 終局荷重 P max / P d P max / P u Pmax [kN] Pd[kN] Pu [kN]

1543 428 1360 3.61 1.13

2 1446 427 1360 3.39 1.06

3 1497 427 1370 3.51 1.09

有していることがわかる. なお, 表中の設計荷重は, 表3・2に示す材料試験結果を用いて 算定したものである.

(3)床版および鋼桁のひずみ性状

図3・8は, スパン中央から140mm(SectionA), 375mm(Section B), 750mm(Section C)位 置の床版上縁 ,鋼桁下縁の 荷重ーひずみ曲線を示している. 図3-5(a)に示すように,Section Aはほぼスパン中央,Section Bは床版中央部 , Section Cは床版間目地部である. 荷重ーひ ずみ関係も各試験体とも同様の傾向を示していることがわかり, スタッド配置,問詰め部 打設幅の違いによる影響はないことがわかった. スパン中央位置である同図 (a)より, 約 1000kNで鋼桁が降伏しており, 表3-1に示す設計上の 降伏荷重 (922kN)とほぼ一致して いることがわかる. また, その後の領域では鋼桁の塑性域の拡大にとも ない荷重ーひずみ 関係は非線形に挙動し,ひずみ量は急激に増加していることがわかる. 床版上縁のひずみ は鋼桁降伏後の約1200kNで非線形挙動を示し,終局時のひずみ量はコンクリートの 圧壊

ひずみとされる3000μ以上であった. また, 目視によっても載荷点近傍の 床版は圧壊さ れているのが確認された. 図中にType1, Type2のFEM解析値を示しているが, 同様の傾 向を示し, 精度良くシミュレートしていることがわかる.

(4)合成桁断面のひずみ分布

図3・9は, 荷重 400, 800, 1200, 1400kNの合成桁断面 (Section A)のひずみ分布を示し ており, 縦軸は床版上縁 からの距離である. 全試験体とも , 設計荷重の約3倍の1200kN まではほぼ直線分布で平面保持が成り立っており,完全合成桁として挙動していることが わかる.破壊直線の1400kN時では,ひずみ分布は床版と鋼桁問で直線性を失っているが,

これはスタッドの変形 ,支圧部モルタルの支圧破壊 によりずれが生じて合成効果が低下し たためであると考えられる. なお, Section B, Section C についても同様の結果が得られ

(14)

16∞

12∞

10∞

よ'"Z

8∞

t$:

ωo 4∞

200

0 6000

16∞

14∞

p∞

1000 z -'"

8∞

t$:

6∞

4∞

2∞

0 60∞

16∞

14∞

1200

1000 Z -'"

8∞

600 4∞

2∞

0 60∞

設計荷重428kN

4000 2∞o 0

ひずみ[μ]

(a) : Section A

設計荷重428kN

4000 20∞

ひずみ[μ]

(b) : Section B

設計街重428kN

4000 20∞

ひずみれ1)

(c) : Section C

一一+一一Typel l-tーType2 一『ー-Ty問3

"-0・TypelFEM

. .IJ.. Type2 FEM

-2000

|一一+ーTypel ----6-ーType2 --ーType3

" -0・TypelFEM -40∞

こ・企・Type2FEM I -2∞o

一一+ーTy問l ----6-ーTy問2 一→tーTy問3

" -0・TypelFEM'

'"・企・Type2FEM

-4α)()

-2000 -40∞

図3-8 :荷重一ひずみ曲線

(15)

100

言2∞E Z

3∞

t;;

少4∞呼ミ

J5∞

t長 600 700

e

6000

100

/.'

o

40∞

/ぐ

vf

2000 0

ひずみ[μ]

(a) : Typel

---400kN

..._.._ 800kN

-・-1200kN

一一+一一14∞kN -ゆ・FEM(点線)

-::?Ooo -4000

13∞l プ7

7∞

l∞

言2∞ 事ir'

3∞

心 4∞G ボミ雨時

J5∞

t長 600 700

60∞

60∞

40∞

4000

2000 0

ひずみ[μ]

(b) : Type2

2000

ひずみIp]

(c) : Type3

|一一--4∞kN

__.ー-8∞kN

-ー-1200kN

「ー←一1400凶 --0・FEM(点線)

-2∞o -4000

-2000 -4000

図3・9:ひずみ分布(Section A)

(16)

3.4.2結合部のずれ性状

(1)床版ー銅桁接合面のずれ性状

図3・10は, スパン中央位置(図3-5(b))の床版中央部の床版ー鋼桁聞の荷重-ずれ曲線 を 示している. 同図より全試験体とも同様のずれ挙動を示しており,また設計荷重時までず れはほとんど生じていないことがわかる. 同図 に2章で得られた本合成桁の合成効果を消 失し始めるずれ量であるO.21l11llを点線で示しているが, 本章のはり試験においてもずれ 量が約O.2mm付近でずれが急増する傾向が見られた.

試験値とFEM解析値を比較すると, 荷重約1200kNまでは両者の比較的良い一致が見 られるのに対し, 終局時ではFEM解析値が強度, および剛性において試験値に比べてや や大きくなる傾向が認められた.これは,計測の都合 上,床版と鋼桁のずれ変形に加えて,

問詰め部 のせん断変形を含む変位を計測したこと, さらにFEM解析上, 接合面のすべり (付着)特性に非線形性を考慮、していないためと考えられる.

(2)接合面のずれ性状

図3・11, 12, 13は, それぞれTypel, Type2, Type3 の床版ー問詰め部間, 問詰め部ー鋼 桁聞の荷重ーずれ曲線を示している. また, 同図(a):Section ], (b):Section 3, (c):Section 5は, 図3-5(b)に示すようにそれぞれスパン中央からl枚目,2枚目, 3枚目の床版中央部 の断面である.

1600 1400 1200

1000

面4ニZE 4 的0

600 400 200

0.0

-_-_-_-_-_-_・ty_ ・ ・ ・ ・M

,位一一__-一-_-_-_-・・・-ー- - - -

I �.

古色・

設計荷重428kN

一一+ーTy戸 l -'-T)'I光2

ーー『ーーーーー圃ーーーーーーー・ー圃ーーーーーーー

I 0.2mm

一一・-Type3

. 0 Typel FEM1

. Type2 FEM

0.5 1.0 1.5 2.0

床版-鋼桁聞のずれ[mm]

図3-10:荷重一ずれ曲線(Section 1)

(17)

16∞ 1600 14∞

AG a

AU AU

a A 14∞

12∞ 1200

10∞ 10∞

Z ょd色8∞

!�

ニaιZ

画8∞!�

6∞ 設計荷重428kN 6∞ 設計荷重428kN

400 :+:一一一一一

4∞

2∞ 200

。 。 0.1 ずれ[mlll]0.2 0.0 0.1 ずれ[Illm]0.2 0.3

(b) : Section 3

0.3 (a) : Section 1

図3-11 :荷重一ずれ曲線(Type1)

16∞ 1600

14∞ 1400

12∞ 1200

10∞ 1 000

Z .;.<

8∞

r�

Z 二:.<

8∞

!E:

6∞ 600

4∞ 400

2∞ 200

0.0 0 1 0.2 0 3

ずれ[1ll11l]

(a) : Section 1

0.1 0.2 0.3

ず;h.[IllI11]

(b) : Section 3

図3・12 :荷重一ずれ曲線(Type2)

16∞ 1600

14∞

200

1400

12∞ 1200

10∞ 1000

Z .;.<

8∞

!ta:

二aι

嗣8∞!�

6∞ 600

設計荷重428kN

4∞ 400

2∞

「‘Jnu

---昼、,-] omn

m o

l--4aud, •• ‘ いze--4リρ』oS

nU i・1nund 、、.,,, ••

ずれll11l11]

(b) : Section 3

図3・13 :荷重一ずれ曲線(Type3)

1600

1400

1200

10∞

ニ4

8∞

!�

600 設計荷重428kN

400

一一一←一l叶山山jぷ利:汀|版H似札川i-μ川川-イ引刊州|日川川J口川lリ1;;ι1

200 ー--8---InLi,'jめi:i�-J14lir

0 0 QI Q 2 Q3

ずれ[111111]

(c) : Section 5

1600 1400 1 200

1000

両定3 即O

600 400

200 :ft !

.t:;,.ーー11',1ぷめi司;ー制Ni

0.0 0.1 0.2 0.3

ず�1[IllI11J

(c) : Section 5

1600

1400

1200

10∞

価j之4E 4

8凹 600

400 tA

2 一一←-J�;I�,(-I,':I品め;':,;

. .t:;,...II\1品め;':j:-i川hr

f1\

-0.1 。 。 0.1 0.2 0.3 ずれ[111111]

(c) : Section 5

(18)

(a) : Typel (b) : Type2 図3・14 :接合面のずれ性状

スタッド配置の異なるTypelとType2を比較すると,Typel は約600kN,Type2は約800kN でずれが発生していることがわかる. 両接合面のずれは図3・14に模式的に示すように,

TypelのSection 1, Section 2では床版ー問詰め部聞のずれ量が大きいが, Type2の同断面 では両接合面のずれ量はほぼ等しく,床版へ貫入された長尺スタッド本数が各接合面のず れ岡IJ性に影響を及ぼすことがわかった.

問詰め部打設幅の大きいType3は,Type2と同様のずれ挙動を示していることがわかる.

すなわち, Section 1, Section 2で は両接合面のずれ量はほぼ等しく, また支点位置の Section 3では問詰め部ー鋼桁聞のずれ量が大きいことがわかる. Type3は, 問詰め部打設 幅すなわち支圧面積が大きく, 床版下面形状による支圧耐力はTypelの2倍となり,床版ー 問詰め部聞のずれ剛性が大きいため, 問詰め部-鋼桁聞のずれが卓越したものと考えられ る. ずれが生じ始める荷重は, Type 1 と同様の約 600kNであった.

しかしながらTypelの場合, 合成効果 を消失し始めるずれ量である0.2111111時の荷重は 約1200kNであり, 設計荷重の約3倍の安全率を有している. さらに, 床版ー鋼桁聞の全 体のずれ量は,図3・10に示すようにType1, Type2ともほぼ等しい結果であった. 以上よ り, スタッドを床版下面に群配置する形式のTypelにおいても,所要のスタッドと支圧効 果により十分な合成度を有するずれ止めであることが確認された.

3.4.3問詰め部のひずみおよびひび割れ性状

(1)ひずみ性状

図3・15は, 問詰め部の荷重自ひずみ曲線を示している. 実線の"支圧倒J"とは図3-5(c) のCM4, 点線の"開き倶IJ"と は同図のCM3である. 荷重の増加にともない床版は支点側 へ変位するため,床版下面形状による支圧効果が作用する問詰め部は,支点方向に位置す る床版リブ近傍となる.

(19)

1600 1400 1200

1000

Z .:=, 800 f)I

600 400 200 0

---+ーTypel支圧倒J' --.ーTy問2支圧側

設計荷重428kN . __ Type3支圧 - -0 ・Typel聞き側 .・企 Type2聞き側 --G・Type3聞き側

0 ・200 ・400 ・600 ・800 ・1000 -1200 ・1400 ・1600

ひずみ[ド]

図3-15 :荷重一ひずみ曲線

同図より,提案型のTypelは約500kNまではほとんどひずみは生じていないが, それ以 降次第に増大して終局時の ひずみ量は約2000μ以上であった. このことは, 床版下面形 状による支圧効果がずれ に対して有効に作用したことを示唆するものである.

3試験体の中で最も ひずみ量が大き いの はTypelであり, その次はType2, Type3の順 であった. Typel はType2に比べて床版に貫入された長尺スタッド本数が少なく, また Type3に比べると問詰め部打設幅が小さいため,より大きな水平せん断力が支圧部に作用

したと考えられる. またType3は,問詰め部打設幅が大きく計測位置とずれ止めであるス タッド位置の距離が離れているため,ひずみ量が他のタイフ。に比べて小さかったものと考

えられる. それに対して, n開き側"である支圧側の反対の問詰め部 は, ひずみはほとん ど発生していないことが同図より確認され ,終局時には床版と問詰め部に数ミリ程度の開 きが確認された

(2)ひびわれ性状

図3・16は,Type 1, Type2の問詰め部への本試験によるひびわれ進展状況を示している.

なお, 問詰め部打設幅をTypelの2倍にしたType3については, 載荷前より乾燥収縮ひび われと思われる微細なひびわれが発生した以外は,載荷荷重の増加にともなうひびわれ進 展のパターンは,Typelと同様であった. よって,以下ではTypelとType2の比較につい て記述する.

(20)

いずれの試験体とも床版の圧壊により破壊したが,スパン中央位置 の問詰め部に注目す ると, 以下のよフにまとめられる.

(a) Typel

(A)床版下面凹部の載荷(支圧)倶iJでひびわれ発生(650'"'-' 850kN) (8)“(A)"の反対(開き)側でひびわれ発生(850 '"'-' 11 OOkN)

(C)床版中央部の長尺スタッドの付け根周辺でひびわれ発生(800 '"'-' 1250kN) (0)長尺スタッドの先端でひびわれ発生(l150kN '"'-'最大荷重)

(b) Type2

(A)床版下面凹部の載荷(支圧)倶iJでひびわれ発生(650'"'-' 950kN) (B)長尺スタッドの付け根周辺でひびわれ発生(750 "'-' 1 OOOkN) (C)床版中央部のスタッド位置でひびわれ発生(800kN '"'-'最大荷重)

図3-17は, FEM解析による Typelの各代表荷重段階での問詰め部への ひびわれ発生箇 所を示したものである. 同図より, ひびわれ発生荷重および発生箇所は, 前述の Typelの (A)→(8)→(C)→(0)の順となっており, 荷重値も試験結果とほぼ一致していること がわかる.

Type 1, Type2のひびわれ発生箇所の違いは, 先に述べた両接合面のずれ性状の違いに

よるものと考えられる Typelは, 床版ー問詰め部聞のずれの方が大きいため, 床版中央

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(C)

(a) : Type1 (b) : Type2

図3-16 : ひび割れ進展状況(試験結果)

(a) : 680kN (b): 1100kN

(c) : 1260kN (d): 1340kN

図3・17:ひび害IJれ進展状況(FEM解析結果: Typel)

(21)

1600 1400 1200

1000

4面Z4E 4 8叩

600 400 200

-0.1

一一+一一Type 1 Section 1 ----..一一Type2 Section 1

一一一一一一一一一一一・-Type3 SectiOIl 1

・・0 ・Type 1 Section3 .・企 ・Type2 Section3 --(3・Type3 Sectわn3

0.1 0.2 0.3 0.4

床版のアッフUフト量[mm]

0.5

図3-18 :荷重一アップリフト曲線

0.6

部の長尺スタッドの先端近傍にひびわれが発生したが, Type2は, 問詰め部-鋼桁聞のず れの方が大きいため,前述の位置ではなく群配置したスタッドの付け根近傍にひびわれが 発生したと考えられる. しかしながら両試験体とも, 問詰め部のひびわれ発生荷重は,設 計荷重の1.5倍程度に達してからであり,またその後のひびわれ幅の増加も顕著でないこ とから, 静的載荷の範囲内では構造上特に問題ないと考えられる.

3.4.4床版のアップリフト

図3-18は,床版の鋼桁に対するアップリフトを示している. 同図中のSection 1, Section3 は, それぞれ図3・5(b)に示すスパン中央から3751l1m, 1125mITIの位置である. 各試験体を 比較すると, 500kN付近までの低荷重領域ではほとんど差異は見られない. その後は Typelのアップリフト量がType2, Type3よりもやや大きいが, 急増した領域はほぼ終局 時であり設計上, 特に問題ないといえる.

3.4.5 スタッドおよび支圧効果のせん断力分担率

(1) 終局せん断耐力

表3-6は間接合面の終局せん断耐力の計算値を示している. 接合面Aはスタッド, 接合 面Bはスタッドと床版下面形状による支圧効果の両者について,それぞれずれ止め耐力を 算定した1�) なお, 問詰め部モルタノレ強度は, 表3・2に示す材料試験結果を用いた. 接合

(22)

面Aではスタッドは全高でずれ止めとして作用するが,接合面Bでのスタッド高は床版内 に貫入した高さ分のみとした.

図3・19(a)は,両接合面の終局せん断耐力の合計に対する各接合面の割合を示している.

同図より, 多くのスタッドを床版に貫入したType2,および問詰め部打設幅を大きく確保 したType3は, 接合面Bの割合が大きいことがわかる. スタッドを床版下面凹部に群配置 し,問詰め部打設幅をフランジ全幅確保したTypelもほぼ50%, すなわち両接合面の終局 せん断耐力がほぼ等しいことがわかった. よって,実橋断面においては支圧面積が増大す ることによる接合面Bの支圧抵抗が相対的に十分大きくなるため, 結局ずれ止めの設計 は,現行の道路橋示方書に基づき問詰め部-鋼桁聞について設計すれば良いことがわかっ た.

図3・19(b)は, 接合面Bにおけるスタッドと支圧効果によるせん断力の分担率を示して いる. 例えばType1の場合,床版に貫入しているスタッド耐力(表3-6中のB3)は610kN,

また支圧耐力(表3-6中のB4)は699kNのため, 総せん断力に対するスタッドの分担率は 47%ということになる. 同図より,提案型であるTypelはスタッドと支圧耐力のそれぞれ の分担率が 47%,530/0と同等でありバランスよく分担されていることがわかった. Type2 は床版貫入スタッドが多いためスタッドの割合が,またType3は問詰め部打設幅が大きい ため支圧耐力の割合が大きいことがわかった.

Type

'ヲ

3

100%

80%。

よJ

� 60%

、、

\ 3

4伊ゐ

20%

c!'。

表3-6 :終局せん断耐力

問詰め部ー鋼桁間(縫合面A) 床版ー問詰め部間(接合面8)

スタッド

φ131-160 φ1311120 合計 φ131-146

(Al) (A2) (A=Al+A2) (81)

784 690 1474 150

187 1319 1507 575

686 604 1291 132

OJM71(IIB

1309kN

1653υJ 日後í'tlúlA 160ókN (470も)

(62%) (55%)

ト一一一一一

卜一一一一一

ト一一一一一

1474kN

1507kN 1291kN

(53%)

(48%) (45%)

Typel Type2 Type3

100%

80%

H:_

600/0 þ--.

、、

句、もと守

4

4m

2ぴVo

びうも

スタッド φ131-196

(82) 460 440 403

610kN (470'0)

Typel

小計 (83=81+82)

610 1014 534

IOl4kN (61%)

Type:!

支圧 合計

小計 (8=83+84) (84)

699 1309

639 1653

1072 1606

(kNl750mm]

口j(1l:

口スタッ|、

1072υ4 (67%)

534kN (33%)

Type3

(a) : 両接合面の比 (b) :接合面Bの支圧, スタッド耐力比 図3-19 :終局せん断耐力

(23)

(2)許容せん断耐力

表3-7は, 表3-6と同様に両接合面の許容せん断耐力を示している. スタッドの許容せ ん断耐力の算定には道路橋示方書を,また支圧効果による許容せん断耐力の算定には問詰

め部モルタノレの許容圧縮強度(圧縮強度の113とした)を用いて算定した. なお,2章の2 面押抜きせん断試験より,支圧効果による限界せん断耐力は終局せん断耐力の約1/2であ ることが実証されている.

図3-20(a)は, 図3・19(a)と同様に接合面A,Bの終局せん断耐力の比を示している 各 タイプとも終局時と同様の傾向であることがわかる.

通常,スタッドを用いる合成桁のずれ止め設計は,スタッドの許容せん断耐力が,設計 荷重時に床版-鋼桁問に作用する水平せん断力以上になるようにスタッド本数を決定する が, Type1の場合, 接合面Bのずれ止め許容耐力(374kN)は, 接合面A のスタッド許容耐 力(339KN)以上であることがわかった. すなわち, スタッドを床版下面凹部に群配置し,

道路橋示方書に示されている橋軸直角方向の最小中心間隔(d+3.0cm), スタッドの幹とフ ランジ縁との最小間隔(2.5cm)を満足する程度の問詰め部打設幅を確保すれば,設計荷重 レベルでも接合面Bは安全倶IJ評価であることがわかった.

図3-20(b)は, 図3-19(b)と同様に接合面Bのスタッドと支圧効果によるせん断力分担 率を示している. 各タイプを比較すると 終局時と同様の傾向であることがわかる. しか

Type

3

1 00%

80%

ムJτミ“)%

、、

\ 3

士J 4伊4

20'。

�九

表3・7 :許容せん断耐力

問詰め部ー鋼桁問(接合面A) 床版ー問詰め部間(複合面8) スタッド

φ13H60 φ13H 120

(AI) (A2)

180 159

43 304

157 139

J74kN 446kN

(52%) (56'%)

ヤ一一一一ー

3JCJkN 347kN

(48%) (44%)

Typel Type2

合計 φ13H46

(A=AI+A2) (81)

339 34

347 132

297 30

ojぷí'i'1(IIB ロJ立í'i'1(IIA

480kN (62%)

ヤ一一一一一

297kN (38%)

TypeJ

100%

80'lゐ

;.\.- 三;ω%ノ恥、、、.、戸、

ー、 40%

J

20%

0%

スタッド 支圧

ø 13H96 IJ、言十 小計 (8=83+84) 合計

(82) (83=81+82) (84)

106 141 233 374

101 233 213 446

93 123 357 480

[kNl750mm]

213kN ロム:11

2JJkN (48%) ロスヲソl、

(62%) J57kN

(74%) ト一一一

ト一一一一

2JJkJ'サ

1 41 kN (52%) ト一一一

(38%) 1 2JkN

(26%)

丁、pe1 Type2 TypeJ

(a) :両接合面の比 (b) :接合面Bの支圧, スタッド耐力比 図3-20 :許容せん断耐力

(24)

し, スタッドと支圧効果の割合が終局時と許容時とでは異なっている. すなわち, Typel の場合,終局時のスタッドと支圧効果の比は47%,5 3%であるのに対して,許容時は 38%,

62%と支圧効果の分が大きくなっている. これは, スタッドの許容値は終局値の約 2 3%

であるのに対して, 支圧効果の場合, 問詰め部モルタルの安全率を 3とし許容値を終局値 の約33%としたため, 許容時では支圧効果の方がスタッドに比べて比較的大きい結果と なった.

3.5結語

本章では,提案型であるスタッドを床版下面凹部に群配置させ床版関口部を少なくした

Type 1,従来型でほとんどのスタッドを床版まで貫入させたType2, さらにスタッド配置,

床版関口部はTypelと同様とし, 問詰め部打設幅をTypelの2倍としたType 3の計3体の 試験体による静的曲げ試験, および2次元非線形FEM解析を行った. 得られた結果は以 下のようにまとめられる.

(1 ) スタッドを問詰め部に群配置する形式でも, 桁は設計荷重の約3倍までほぼ完全合成 桁として挙動した. 床版部コンクリートの圧壊により破壊し, その破壊荷重は, 床版 と鋼桁とを完全合成として仮定して求めた理論値にほぼ一致した.

(2)床版と鋼桁を結合する問詰め部にひびわれが発生したが,その発生荷重は設計荷重の 約1.5倍に達してからであり,またその後のひびわれ幅の増加も顕著でないこと から,

静的載荷の範囲内では構造上特に問題ないと考えられる.

(3) 本合成桁の終局耐力, および供用荷重下における応力, 変形の算定には, 実用上完全 合成として取り扱って十分であるが,接合面のずれをばね要素でモデル化した2次元 FEM解析を用いることにより,桁作用としての本合成桁の挙動を終局付近まで精度良

く追跡できることことが示された.

(4)提案型の両接合面の最大ずれ止め耐力は,両者ともほぼ同等であった また設計荷重 レベルでの両接合面の許容ずれ止め耐力は, 床版ー問詰め部間の方が大きいため, そ

のスタッドの必要本数は, 問詰め部ー鋼桁聞において, 道路橋示方書のずれ止めの計 算方式に準じて決定すれば, 十分であることがわかった.

(5)鋼桁上フランジ上の問詰め部打設幅を大きく確保することの構造上のメリットは特に なく, スタッドの最小間隔p かぶりを満足する程度の打設幅(フランジ全幅程度)を 確保すればよいことがわかった.

(25)

参考文献

1 )川田忠樹, 野村園勝, 梶川靖治:複合構造橋梁, 技報堂出版, 1994年 2)寺田博昌ほか:新しい合成構造と橋, NCB研究会編, 山海堂, 1996年

3)プレキャスト床版設計施工マニュアル, (社)プレストレスト・コンクリート建設 業協会, 1994年

4)中井博:プレキャスト床版合成桁橋の設計・ 施工, 森北出版, 1988年

5)プレキャストブロック工法によるプレストレストコンクリート道路橋設計・施工 指針(案), 建設省土木研究所, (社)プレストレスト ・ コンクリート建設業協会

1995年

6) PC技術の新しい動向と国際化-第28回PC技術講習会-, (社)プレストレストコ

ンクリート技術協会, 2 000年

7)嶋津孝之, 福畑安洋, 佐藤立美:鉄筋コンクリート構造, 森北出版, 1994年

8)吉川弘道:鉄筋コンクリートの解析と設計限界状態設計法の考え方と適用,丸善,

1996年

9)日本道路協会:道路橋示方書・ 同解説E銅橋編, 1996年

J 0) LUSAS Ver.12 Users Guide. Element Library, Finite Element Anlysis Ltd, 1996

1 J)日本道路協会:道路橋示方書・ 同解説Eコンクリート橋編, 1996年

12)土木学会:銅構造物設計指針(Part B合成構造物), 1997年

(26)

第4章 定点繰返し疲労試験による合成桁の安全性照査

4.1緒言

2章では結合部のずれ止め特性を, 3章では静的曲げ挙動を明らかにし, 設計で未解明 である支圧効果の設計手法の提案を行った. また, 1章で述べたように, CPC床版の疲労 特性を検証するために連続版の輪荷重走行試験が行われている. その結果, 100万回の疲 労試験終了時にいたるまでひびわれは発生せず, また水張り状態での50万回の走行試験 においても漏水は見られず,無収縮モルタルを充填している床版問目地部の疲労耐久性は 十分であることが確認された1)・� )

CPC床版を銅合成桁に適用する場合,床版内へ貫入されているスタッド本数が従来型に 比べて少ないため, 3章の静的曲げ試験結果では, 本合成桁は結合部の問詰め部モルタル が支圧破壊し次第に合成効果を消失し, その後床版が圧壊するという破壊メカニズムで あった. そこで, 本合成桁を実橋に適用するにあたっては, 床版のみならず床版と鋼桁と の結合部の疲労耐久性の検証が必要不可欠となる.

以上より本章では, 合成桁の200万固定点繰返し疲労試験を行い, 床版と鋼桁との結合 部の疲労耐久性の検討を行った.

4.2試験概要

4.2.1 試験計画

3章と同様に実橋を想定した合成桁試験体を製作し,疲労載荷荷重および床版の縦締め ブレストレス量をパラメータとして, 200万固定点繰返し疲労試験を行い, 結合部の疲労 耐久性についての検討を行った 同試験終了後に静的曲げ試験を行い, 200万回繰返し載 荷を受けた合成桁の残存耐荷性能についての検討を行った.

4.2.2試験体

試験体は, 繰返し載荷における最大荷重(以下, 最大荷重と略称する)およびプレスト レス量の異なる計3体(Type 1, Type II, Type皿)である. 図4ー1は試験体の構造一般図

(27)

を示している. 試験体は全長5250mm, スパン長4000mm, 全高580mm, 全幅600mmで あり, 銅桁はフランジに 200 x 11 mm, ウェブに 396 x 7mmのSS400材を使用し, 600 x 750 X 160mmのCPC床版を7枚使用した. 試験体の製作手順は3章の試験体と同様であ る 各試験体の特徴は以下のようにまとめられる.

(1) Type 1

基準試験体で, 橋軸方向にはPC銅棒ゅ23を2本配置した. ま た, 繰返し載荷 における最大荷重は設計荷重である225kNとし,それはスパン中央の鋼桁下縁の応 力度が, 鋼桁の許容曲げ引張応力度143N/mm�に達する時の載荷荷重である.

(2) Type II

試験体はType 1と同様であるが, 最大荷重を設計荷重の約1.3倍の294kNとし た.

1)

,,EE‘、 - ­ al 、、,z''

625 4000

7@750=5250

625

(a) :側面図

Cコ Cコ

日 中 �; H 00 y y

200

(b) :平面図 PC Bar φ23 orReinforcement D19

Cコ Cコ

京日いト目・ ツタ

め 図 /,、 川又 造構

体験∞一試

一 唱EA

九7 4怜

一図図面

下d司よ 断 J川111lJ同1144d什U4J C (

(28)

(3) Type m

橋軸方向に配置したPC銅棒の代わりに, 異形鉄筋S0390 019を用いて床版構 造をRC(ノンブレストレス)とした. 最大荷重は, Type 1と同様である.

繰返し載荷における最小荷重は各試験体とも, 実橋において死荷重時の鋼桁下縁の応力 度に相当する96kNとした.

Type 1とType rrの比較により繰返し載荷の最大荷重の違い, またType 1とType IIIの

比較により橋軸方向プレストレス量の違いによる,それぞれの合成桁の疲労耐久性および 合成挙動を比較検証した. 表4-1は材料試験により得られた材料特性値を, 表4-2は各タ イプ。の設計荷重, 降伏荷重および終局荷重と繰返し載荷での最大, 最小荷重を示してい

(1)縦締めプレストレスの導入

Type 1, Type rrは; 橋軸方向にはPC銅棒SBPR9301l 080ーの23を2本配置し, 有効プ レストレスによるスパン中央の床版上, 下縁の応力度は, 表4-3に示すようにそれぞれ

表4-1 :材料試験結果

(a) :床版コンクリート, 問詰め部, 目地部モルタル

Type 圧縮強度 ヤング係数

ポアソン比 [N/nUl12] x 104[N/mm2]

床版コンクリート 49.4 3.78 0.23 問詰め部モルタル 50.2 2.42 0.23 目地昔日モルタル 49.7 2.22 0.22 床版コンクリート 66.1 3.93 0.20

E 問詰め部モルタル 40.9

白地部モルタル 34.4 1.57 0.38 床版コンクリート 66.9 3.64 0.22

E 問詰め部モルタル 57.7 2.28 0.24 白地部モルタル 57.7 2.28 0.24

(b) :鋼桁, PC鋼より線, PC鋼棒

引張強度 降伏強度 ヤング係数

ポアソン比 [N/mm [N/mm-'] x 10J[N/ml11-] 5

鋼材j(SS400) 421 278 2.04 0.28

PC鋼より線 1860 1570 ト96

PC鋼棒 1080 931 1. 96

(29)

表4-2 :設計, 降伏, 終局荷重および繰返し載荷荷重

Type

設計荷重|降伏荷重|終局荷重

P d[kN] I Py[kN] I P u[kN] 載荷荷重[kN]

E E

225 226 224

467 469 465

最大

|

最小

225 785

803 805

294 225

96

3.52および4.36N/mrn2になるように, 1本あたり初期緊張力183kNを導入した. 同表中に は, 床版に貼付したひずみゲージから得られた実視IJ値である応力度も示している.

(2)スタッド配置

設計荷重時に床版ー銅桁接合面に作用する水平せん断力Hpは, 式(4-1)を用いて以下の とおり算定できる.

cu l

H . (4-1 )

ac :合成桁と床版の図心問距離= 123mm

AC :床版の有効断面積(鋼換算)= 1.10 X 104mm2

断面2次モーメント(鋼換算)= 6.66 x 10smm4

S :作用せん断力=225/2 = 113kN

・.HP=0.230kN/mlTI=172kN/750mm

表4-3 :導入直後および有効プレストレス量 導入直後のプレストレス 有効プレストレス

上縁

4.89 3.52

床版中央

設計上 下縁

6.06 4.36

上縁

6.30 5.43

床版白地

下縁

3.70 3.19

床版中央

上縁

2.83 2.06

下縁

6.50 4.83

Type 1

上縁

9.77 12.6

床版白地

下縁

8.21 6.64

上縁

3.34 3.36

床版中央

下縁

6.39 6.34

Type II

上縁

12.86 14.0

床版目地

下縁

6.52 6.38

η n ,,,,

N

(30)

表4・4:スタッドの許容せん断力

φ131160 φ1311120

橋軸直角 合計

丁) pe 許容せん断耐力 橋軸 許容せん断耐力 橋軸 橋軸直角 [kNl750mml

rkN/本l l本l [本l [kN/本l |本] l本]

9.44 4 3 11.2 2 3 181

E 8.59 4 3 10.2 2 3 164

E 10.20 4 3 12.1 2 3 195

スタッド配置は,設計荷重時にスタッドに作用する水平せん断力がスタッドの許容せん 断力以下になるように設計した3)・4) その結果,全試験体とも床版lハネルあたりのスタッ

ドは, 橋軸方向にφ13, H60mmのタイプを451J, φ13, H120mmのタイプを2列配置し,

橋軸直角方向に3列配置とした. 表4・4に各タイプのスタッドの許容せん断耐力を示して いる.同表より,Type 11のスタッドの許容せん断耐力は設計荷重時の水平せん断力172kN/

750mmより幾分小さくなっている. これ は, 問詰め部モルタル強度は設計上50N/mm2と したが, 実際は表4-1に示すようにそれより小さい40.9N/mm2であったためである.

4.2.3試験方法

(1)定点繰返し疲労試験

写真4・1(a)は試験状況を示している. 試験は載荷能力300kNの疲労試験機を用いて行 い, スパン中央の集中載荷とした. 載荷板は橋軸方向に200mm, 橋軸直角方向に床版全 幅の600 111111である. 載荷速度は2'"'-' 3Hz の正弦波で, 載荷回数は200万回である. 測定 は, 載荷回数1, 10, 100, 1000, 5000, 1万回, 5万回, 10万回,20万四, 以降20万四 ごとに静的載荷を行った. その場合の載荷ピッチは20kN刻みである.

(a) :疲労試験

写真4・1:試験状況

(b) :静的曲げ試験

(31)

(2)静的曲げ試験

疲労試験終了後に静的曲げ試験を行った. 写真4・l(b)は試験状況を示している 試験は 載荷能力2000kNの載荷装置を用いて行った. 載荷方法は, まず設計荷重である225kNま で2回載荷, 除荷を繰り返し, その後破壊まで漸増載荷とした. 設計荷重までの載荷l回

目は25kNピッチ , 2回目および破壊までの漸増載荷は50kNピッチで 行った.

4.3結果および考察

4.3.1定点繰返し疲労試験

図4・2は, 最大荷重時のスパン中央位置のたわみ(実線),および残留たわみ(点線)の 経時変化を示している. 同図において,Type IIのたわみ量( 約3.8111111) がType 1 , Type III (約2.81ll1l1)の約1.4倍と大きいのは, 最大荷重の違い(294kN/225kN= 1.3)に よるもので ある. 基準試験体であるType 1は, 載荷回数100万固までは変化はなく, またそれ以降,

最大たわみ ,残留たわみともやや増加 していることがわかる.たわみ量増加の原因のーっ として, 床版ー銅桁聞にずれが生じ, 一部が弾性合成桁として挙動して, その結果断面の 曲げ剛性 が低下するということが考えられる5). 6) しか し , 後述する合成桁断面のひずみ 分布,ずれ 挙動などの試験結果から判断すると,試験体はほとんど損傷を受けていないと

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図4-2 :たわみ ・ 残留たわみの経時 変化

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参照

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