九州大学学術情報リポジトリ
Kyushu University Institutional Repository
[002]九州大学基幹教育院LAセンターインタビューシ リーズ : みつばトーク
http://hdl.handle.net/2324/2230503
出版情報:みつばトーク. 2, pp.1-, 2018-11. 九州⼤学基幹教育院ラーニングアナリティクスセンター バージョン:
権利関係:
大学院システム情報科学研究院
情報知能工学部門実世界ロボティクス
島田 敬士 准教授
リアルタイム閲覧ヒートマップと ワークショップを活用しています
2018年9月よりインタビューシリーズ「みつばトーク」を開始することになりました。
授業等でどのようにM2Bシステムを活用されているかについて、様々な方々にお話を伺っていきます。
M2Bシステムを使ったことがある方にもない方にも参考になるような情報をお届けしていきます。
02 号
みつばトーク 第
自分が担当する全部の授業で使っています。分散ロボットプロジェクト演習というPBL演習実験でも使い ました。2年生の授業(プログラミング論)もM2Bを使ってBookRollで教材配信をしています。
大学院の授業では、M2Bを使ったおかげで、TAを雇う必要がなくなりました。昔はTAさんに出席管理や、
レポートの提出に不備がないかどうかのチェックをやってもらっていましたが、M2Bを使うと誰がレポー トを提出しているかいないかがすぐわかります。
——大学院の授業で希望人数はどれくらいですか?
毎年変動がありますが、少ない時で30名、多い時で50~60名くらいですね。
——学部や大学院で使っているという話は参考になりますね。
■ 学部や大学院でもM2Bを使っていますか。
現在はサイバーセキュリティ基礎論(2コマ)、プログ ラミング論(学生向けの、プログラム教育を通して論理 的思考を培う科目)、ズーモというロボットを使った PBL演習(学部3年生向け、分散ロボットプロジェクト 演習)、大学院生向けに教えているのはプログラム設計 論特論です。
■ どのような授業をしていますか?
私は大学院システム情報科学研究院に所属しています。
専門はパターン認識や画像処理と言われる分野です。最 近はその技術を学習分析に応用する取り組みを進めてい ます。教育経験は5、6年くらいです。
■ 簡単な自己紹介をお願いします
過去には、基幹教育院在籍時は基幹教育セミナー、課題協学科目、情報を科学する、高度プログラミング を担当していて、基幹教育が始まる以前は情報処理演習を担当していました。ざっと見たところプログラ ミング系の授業が多いですね。
出席管理、レポート提出、小テスト、アンケート、教材配布です。Maharaで日誌を記入してもらうこと もあります。クリッカーで即時アンケートをとったり、ワークショップ機能を使って相互レビューをさ せたり、授業運営の時にリアルタイム閲覧ヒートマップを見ながら授業の調整をしたりしています。研 究ではM2Bで蓄えられたログ分析で新しい機能を開発したりしました。
——島田先生が開発されたリアルタイム閲覧ヒートマップについて、どのように授業改善に利用してい ますか?
授業中、眺めながら授業進行を調整しています。
以前はヒートマップのばらつきが多いときには喋るのを止めたり、様子を見渡したりしていました。最 近は2コマ連続の授業で、同じ内容の話を別の学科の学生に提供する時に、1コマ目の授業が終わった 後にもう一回ヒートマップを見直して、どういう教材のどのページあたりが学生の閲覧のばらつきが多 かったかを振り返って、そこについて時間を長くかけたりだとか、あるいはそこの学習方式を変えたり だとかをしています。単に僕が説明するだけではなく、学生に自由にそこを見てもらうとか。そういっ た工夫をヒートマップのばらつきを手がかりにやっています。
■ 現在M2Bをどのように利用していますか?
——初めてリアルタイム閲覧ヒートマップを使う人はどのような方法が使いやすいですか?
まず眺めてみてください。私が授業を行う時はスクリーンに教材を投影して、手元でヒートマップを眺 めています。自分が説明している部分に明るい色が追いかけてきていたら、安心感があります。そこに 学生の閲覧分布が一致していなければ、心配をすればよいかな。それぐらいでいいのではないでしょう か。
——前聞いたお話だと、TAさんに手伝ってもらった方がやりやすいということでしたが。
そうです。自分がずっと目配りできるわけではないので。TAさんも教室をずっとウロウロしているわけ ではないから、座って待機している間はヒートマップを眺めてもらって、その場でヒートマップの異常 を感じたら先生に合図を送ってもよいでしょう。また、改善点をTAさんがメモしてもらうとか、その時 どういうページでどういう説明をしていたかをTAさんに記録してもらうだけでも振り返りはしやすくな ります。それはこの前のサイバーセキュリティ基礎論でやっていましたね* 。
——出席で使えないと困るというのは言われていたのですか?
困るので当時は別の出欠管理システムがありました。元々システム情報科学研究院にいらっしゃった先 生が作ったCGIベースの出席システムです。名簿も、学務から提供してもらったデータをエクセルに書 き出して手動登録していたかと思います。そういったあまりLMSと関係ないシステムで出席を取ってい るということも実はありました。それが作られた経緯には、出席をデジタルで残したいという先生方が 少なからずいらっしゃったということがあります。
M2Bの導入を始めたメンバーの1人でしたので、正直、使わないと申し訳が立たないといった感じでし たね。なぜ導入したかということですが、当時九大ではBlackBoardという学習管理システムを使ってい ました。しかし、BlackBoardではコース管理はできても細かいマネジメントはできないことが多く、決 定的だったのが出欠管理ができないということでした。基幹教育が始まった時に、出欠が取りづらいと いうことは、PC必携化を掲げている九大では致命的ではないかという話がありました。そこで、出欠管 理のプラグイン等の簡単に使えるような機能を提供しているMoodleを利用しようと決め、準備に半年か けて導入しました。
■
M2Bを使い始めたきっかけは何ですか?みつばトーク vol. 02
Moodleプラグイン:リアルタイム閲覧ヒートマップ
横軸は時刻、縦軸は教材のページ番号。同時刻に同じページを閲覧している学生が多いほど赤 系の色で表示される。各セルの値は閲覧者数、教師が説明しているページはセルの数字が赤枠 で囲まれている。セルをクリックすると該当ページの内容がポップアップ表示される。
一番Moodleで重宝している機能はワークショップ機能です。他人が書いたレポートを学生同士が見るこ とができるというのは非常に大事だと昔から思っていて、先生のためだけに書くというよりは、同じこ とを学んだ人達同士で自分はどう考えたとか、どういう風に理解しているかというのを学生同士で評価 して欲しいと思っていました。それを、Moodleのワークショップ機能が全て解決してくれて重宝してい ます。
——フォーラムとかよりも高機能ですよね。
はい。提出したレポートをランダムに学生に振り分けることができますし、何人の学生にレビューして もらいたいかというのも自由に決めることができますし、いい加減な採点をした学生には採点に対する スコアが低くなりますし、その辺の統率も取れるので非常に良いですね。また、どんな観点で評価して ほしいかというクライテリア(評価基準)をこちらが用意でき、それに対して学生がレポートを見てこ のレポートに対して自分の評価指標はここかなというのを何項目かチェックしながら採点できるので良 いですね。
——ワークショップを使ったことがない人の、ワークショップに対するイメージは複雑そうで、出来る かな?というような…。
実はプログラム設計論特論は僕ともう一人の先生で担当する科目ですが、その先生も最初はどうやって いいかあまりわからないと言われていました。けれど1回やってみてから後はご自身でされていました。
■
Moodleでオススメの使い方はありますか?「習うよりも慣れよ」
まさにこれに尽きるなというのは自分の経験からも言えます。元々導入した張本人だから使うというモ チベーションがあっての話ですが、使っていれば慣れていって上手く動くようになります。実際に一緒 にやっている先生方も少し使い方をお伝えすればあとは自分で使われるようになったので。たまたま僕 が携わった先生方がM2Bシステムに対して抵抗感がなかっただけかもしれません。最初のうちは先生方 から質問のメールが来ていたりしましたね。キャッチボールをしていれば、後は終わりまで走れました ね。
■ これからM2Bシステムを使ってみたいと思っている方にメッセージをお願いします
〔聞き手:木實新一(基幹教育院教授 ・LAセンター長)〕
——二人で教える授業だったら、片方の人がもう片方の人に教えてあげるのが不安なく使い始められま すよね。
M2Bの講習会はまだ今は草の根的というか、ユーザーを増やすための啓蒙活動ですよね。どうするのが 良いかはわかりませんが、機能別説明会を開く、もしくは機能別に説明する教材ビデオを撮るとか良い と思います。例えばワークショップの方法で、セットアップして、学生からレポートが集まってきてか らどうやって学生レポートをアサインするか、それが終わったらどうやって評価フェーズに移って、最 後にどうやってその結果を集約して成績に反映するかという一連のプロセスをショートムービー化して おけば、良いのではないでしょうか。そういうものをメンターさんの人たちと作れれば、全てLAセン ターが担う必要はないと思います。動かすのも、動画を撮るのもメンターさんがやれば良いと思います。
——ワークショップを利用するのは、プログラム設計特論、UMLの授業ですか。
今はそうですが、昔はセミナーでも使っていましたし、課題協学でも使っていました。情報を科学する でも、文字認識の演習で、学生同士で自分はどういうところが面白いと思ったかというレポートを相互 レビューしてもらっていました。
——グループを作るのですか?
グループではないです。150~160人のクラスで、当時は1人に2~3人分の評価をやってもらいました* 。
ワークショップ(教師の画面のイメージ)
*リアルタイム閲覧ヒートマップやワークショップ機能の詳細については、
M2B学習支援システムの教師用マニュアルをご覧ください
(https://moodle.s.kyushu-u.ac.jp/pluginfile.php/232271/mod_resource/content/19/manual.html)
みつばトーク vol. 02