• 検索結果がありません。

信託資産の拡大 と証券投資 (

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "信託資産の拡大 と証券投資 ("

Copied!
26
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

ア メ リカ にお け る

信託資産の拡大 と証券投資 (2)

E

f∃ 山 和

Ⅰ.は じめに

Ⅱ.信託機関 と信託業務

Ⅲ.信託資産 の拡大 とその性格

Ⅳ.信託機関の資産構成 (1)信託機関の投資責任

(2)

信託機関の証券投資

(以上 ,第

39

巻第 1号)

(3)信託部門 による自行預金 の形成

Ⅴ.

信託機関の株式投資

Ⅵ .むす び (以上 ,本号)

(3

)信託部門 による自行預金の形成

信託資産 における自行預金 とは,商業銀行が信託業務 を兼営す ることか ら生 じるもので ある 信託業務 の遂行 に際 し,商業銀行 は委託者か ら様 々な財産 を 受託す るわ けであるが,このよ うな信託財産 の中には既 に現金が含 まれてお り,

またその財産 を運用す る過程で,追加的 な現金 が生成す る例 えば,個人信託 , 代理勘定 ,年金基金 によって受 け取 られ る配当,利子等 の現金,証 券 を売却 して 再投資を行 な うまで待機 す る現金,受益者 に運用益 を配分す るまで一時 的 に滞

1 9 8 8

8

1

日提 出

〔35 〕

(2)

3 6

3 9

2

留す る現金等がそれである28)0

商業 銀行 の信託 部 門 の活動 に伴 って生成 す る現金 は,通 常 , 自行 の銀 行 部門 に預金 の形態で置かれ ることになる。 この自行預金 は,8

4

年 には信託 資産

1 . 4%

を占めるに過 ぎないが,個 々の商業 銀行 の銀行部 門 にお いて 自行 の信 託部門 による預金 は,相 当大 きな位置を占めて いるよ うである。表

9

に見 られ るように,信託資産保有額

1 0

億 ドル以上 の信託部門で は,その平均 自行預 金額

3, 97 4

万 ドル (約98億5,

500

万 円) とい う巨額 な ものであ り,‑ ーマ ンの指摘 す るよ うに,自行信託部門 はその商業銀行 の最大 の預金者 た る位置 にある29)

つ ま り商業銀行 は信託部門の兼営 によ って,追加 的 な預金源泉 を獲 得 しうる のであ り,これ は商業銀行 の信託兼営 にともな うメ リッ トの一つ となっている

したが って,信託業務 を兼営 している商業銀行 においては,よ り多 くの預金 を 信託部門か ら獲得 しよ うとす る強 い誘因が,銀行部門の側 に作用す ると考 え ら れ る

9

信託部門の自行預金

信託資産保有額による 平均自行預金額 信 託 機 関 の 分 類

( 1 , p O O

)

1, 0 0 0

万 ドル未満 p

5 3 8 1, 0 0 0‑2, 5 0 0

万 ドル未満

1, 5 7 7 2, 5 0 0

万‑ 1億 ドル未満

2, 4 6 9

1

億‑ 5億 ドル未満

5, 1 7 0‑

5

億‑1

0

億 ドル未満

1 0, 2 6 0 1 0

億 ドル以上

3 9, 7 3 8

(出所)

Tr us tAs s e t so fFi nanc i al

I ns t i t ut i ons ‑ 1 9 8 4

,よ り作成

2 8)Edwar d S.He r man

,

"Comme r c i alBank Tr us tDe par t me nt s

,"

i n t he Twe nt i e t h Ce nt ur y Fund,St e e r i ng Commi t t e eon Conf l i c t sofI nt e r e s t

,

Abus e on Wal lSt r e e t : Con fl i c t s o f I nt e r e s ti n t heSe c ur i t i e s Mar ke t s

,

1 9 8 0,p. 1 0 7.

2 9 )I bi d. ,p. 1 0 9.

(3)

アメ リカにおける信託資産 の拡大 と証券投資 (

2)

37

しか し,信託部門が不必要 に多額 の預金残高 を自行 の銀行部門に保有 す ると すれば,それは受託者 と して受益者 に対す る信託義務 に反す る行為 とな らざ る を得 ない。 なぜな らば,投資 されていない預金残高 は,受益者 のため に利益 を 生む ことはな く,む しろ銀行 に とって利益 を もた らす もの となるか らであ る

銀行が受益者 の利益 を犠牲 に して 自己の利益 を追求す るとすれば,銀行 は受託 者 と して受益者 に対す る信託義務 を果 た していないのは明 白であるそのため 信託義務 を誠実 に遂行す るためには,再投資 され るまで一時的 に待機 して い る 現金残高 を極力圧縮す ることが必要 であると考え られ るが,どの程度 の水 準 が 適正であるか とい うことは状況 に応 じて変 わ るものであ り,資産運用 の専 門家

としての受託者 の責任 と判断 に委ね られ るところである

なお,この点 に関連 して通貨監督官 は,多 くの銀行 の見解で は信託業務 は, 信託 資金 が銀行部 門 に預 金 され る ことを考慮 に いれ た場合 のみ収 益 性 が あ

」3 0 )

とい う指摘 を行 な っている

つ まり,この ことは銀行部 門 に預金 され た 信託資金 に基づ いて,銀行部門が収益 をあげ,それによって信託部 門 の損失 を 補填 し,銀行全体 として収益性 が確保 され るとい うことを意味 している 信託 部門の収入 は,信託財産 の管理運用等 のサー ビスを提供す る報酬 として受 け取 られ る手数料収入 に基づ いている

。1 97 0

年代初頭 には多 くの信託部門が,この 手数料収入だ けで は信託部門の諸経費 を十分 にまかなえない状況 にあ ったよう である

以上述 べた点 については次 の引用が参考 になる

「ニュー ヨークの連邦準備銀行 によれば,ニュー ヨーク市 の

『1

0大 』銀 行 に ついて は (連邦準備銀行 はよ り詳細 に述べ ることは き らったが),個人信託 業 務 は過去

3

年間の うち

2

年間 は利潤 を もた らして はお らず,遺産業務 につ いて は,所得税控除以前 の営業収入が,1

971

年 を除 いて過去数年間減少 して きて い る。 シテ ィバ ンクの信託部門の前最高責任者 ロバー ト・ホ‑ゲ ッ トは,シテ ィ バ ンクの信託部門 は1

96 9

年 まで損得 な しで あった と述べて い る

。 1

カ月 に

300

3 0 )AT t T t ualRe por to ft heCompt r ol l e ro ft heC乙 ↓ r r e r L C ) ′ ‑ 1 97 2 ,p. 2 6 6

(4)

3 8

3 9

2

万 ドル程度 の手数料 を受 け取 り,また支 出 も

1

カ月 に

3 0 0

万 ドルだ った。 ホ‑

ゲ ッ トは,銀行 の利潤 は銀行 の商業的側面で信託顧客 (個人 と法人 の両者) に よ って保持 されている要求払 い預金 の

2

5, 0 0 0

万 ドルか らきて い る ものだ, と説 明 して くれた。 ホ‑ゲ ッ トの述べた ことは,ひとつの重要 な真実 を指摘 し ている。信託部門が彼 らの個人受託者業務 につ いて利潤を示 しうる唯一 の方法 は,いわゆ る 『預金 に基づ いて供与 された信用 』をそれ らの収益 に加 え る こと で ある

これ は銀行 の信託勘定 によって作 り出 され,銀行 の商業銀行 的側面 で 預金 された りす る投資 されていない現金残高 によって生 み出 された銀行収入 を

もた らす信用であ る。」31)

こうした信託部門の収益性 の不足 に もかかわ らず信託業務 が行なわれるのは, 商業銀行 において 「信託部門 は,商業部門 に業務 を引 き付 けさせ,信 託勘定 の 現金残高か ら商業部門が利益 を享受 しうるよ うにさせ るためのひとつのお とり 商品 として,利用す ることがで きる

」3 2

)か らであ るとい う見方 もで き る確 か に これ は一つの側面であるが,信託部門を こうした側面 だけで理解す るとす れ ば,信託部門 によ って提供 され る多様 な経済的機能 とその ことによって生 じる 銀行部門 との関連 を見落 とす ことにな ると思われ る

ただ し,このよ うな商 業 銀行 による信託業務 の兼営 に伴 い,自己の利益 を追求す る銀行部 門 と,受益 者 の利益 のために行動す る受託者 としての信託部 門 との間には 「利益相反

とい

う問題が絶 えずっ きまとってい るので,その点 には注意 を払 う必要がある

V.

信託機関の株式投資

前節で は,信託機関が受託資産 の大部分 を証券投資の形態で運用 して いた こ とを明 らか に し,同時 に こうした証券投資の中で もとりわけ株式授資が, 大 き な位置を 占めていることを明 らか に した。 そ こで本節で は,信託機関 の株式投 資 に関す る問題 について考察 を深 めることに したい。.

3

1) 原 司郎 監訳 『シテ ィバ ンク 』日本経 済評論 社

,1 9 7 8

5

,2 8 5

頁。

( Dav i d Le i ns dor f,Donal dEt r a,e ta

l.

,Ci t i bank,1 9 7 3,pp. 1 9 3 ‑ 4. )

3 2 )

同書

,2 8 8

責。(

I bi d,p. 1 9 5.)

(5)

アメ リカにおける信託資産 の拡大 と証券投資

(2)

1 0

主要金融機関 の資産構成

( 1 9 8 4

1 2

月現在)

(単位 :

1 0 0

万 ドル) 39

商 業 銀 行 金融機関の 貯 蓄 貸 付 相 互 貯 蓄 生 命 保 険 投 資 会 社 (信託部門を除 く) 信 託 資 産 .行

連邦政府および

政府関連機関債

242, 500 1 49, 1 3 9

証券投資)(現金,

1 25, 35 8 1 4, 6 43 41 , 970

株式等現金,連邦 ■政府債,その他短期証

1 25,

ll,978

1 48

州 債 .地 方 債そ の 他 債 券 主 と し て州 .地方債

1 3 4, 90 0 1 49, 85, 43 91 9 3 42, 2, 077 962 303, 9, 757 6 87

32 3, 08

1

64, 1 71

モ ー ゲ ー ジ

9, 457 5 55, 27 7 1 02, 895 1 57, 2 83

30,

1

5 4 25, 9 85

1

, 46 3, 700 2 4, 95 4 54, 61 0

現 金 . 預 金

201, 90 0 35, 33 5 4, 95 4

そ の 他 219,700 19,

0 8 4 2

21,81

4

l l,4 1

3 6 3 , 3 4 4

(出所)信託資産 は

Tr u s tAs s e t s

of

Fi n a n ci alI ns t i t ut i ons ‑ 1 9 8 4

,より作成, その他 は

Fe de r alRe s e r v eBul l e t i n ,June1 9 8 5

,より作成。

信託機関の株式保有額 は

,1 9 8 4

年 に

3, 2 30

8, 1 0 0

万 ドルで あ ったが,この保 有額 は主要 な金融機関 の中で最 も大 きな ものである (

1 0

参 照)。 信 託機 関以 外 に大量 の株式投資を行 な って いる金融機関 は,投資会社 と生命保険会社 お よ び年金基金であ るただ し,年金基金 のかな りの部分 は,信託機 関 と生命保 険 会社 によ って運営 されているので,ここでは年金基金 について は除外 して お く

ことにす る 投資会社 と生命保険会社 の株式保 有額 は,それぞれ

1 , 2 51

4, 80 0

万 ドル と

6 41

7, 1 0 0

万 ドルであ るが,この保有額 は投資会社 につ いて は信託 機 関の

3

分 の 1強 ,生命保険会社 につ いて は同 じく

5

分 の

1

程度 とい う規模 に過 ぎない。投資会社 の場合, その資産運用 は株式投資 に特化 しているが,生保 の 場合 には株式投資 よ りもむ しろ社債 とモーゲージに投資の重点が置かれている

このよ うに信託機関 は,株式投資 に関 して金融機関の中で卓越 した最大 の機関 投資家

( i ns t i t ut i onali nve s t or )

と しての地位 を占めている

こうした信託機関 による大量 の株式投資 は,い くつかの問題 を引 き起 こす こ

(6)

40

39 2

とにな ったが,ここで は以下 の二つの問題 について検討 してお こう一 つ は, 大量 の株式保有 に基づ く会社支配 に関す る問題 であ り,もう一つ は,信託機 関

1 1

金融機 関が最大株主 とな ってい る会社

(メ トカー フ委員会 による

1 9 7

2年 の調査)

荏 :NYSEの関連会社であるDe

p o s ito r y T ru s t C o r p o r a tio n

( ノミニー・ネーム :Ce de&

C o . ) 33

( 出所)U. S.Congr e s s ,Se nat e,

C o m m itte e o n G o v e rn m en tOperations,

Di s c l o s ur eo fCor por at e

O w n e r・s h i p , (G . P . 0 " 19 74 ),p.22.

(7)

アメ リカにおけ る信託資産 の拡大 と証券投資

(2) 義l

l (続 き)

モルガン.ギャランティ

(4

社)

Uni t e dAi r c r af t‑ ‑

‑一‑‑‑‑‑一‑‑‑∴一‑‑‑ ‑‑

7. 0 CPC ht e r nat i ona

1‑‑‑‑‑一日‑一‑‑一日一

1 . 5

6. 2 Tr aV e 1 6 r sⅠ ns ur anc e

‑一‑一‑‑‑‑一‑‑‑‑

‑ 6. 0

バンカーズ .トラスト

(3

社)

‑一

. 6. 1 Cont i ne nt alOi 1‑ ‑ ‑

‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑日‑‑

5. 8 Banke r sTr us t

‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑一日て‑‑

5. 7

ケ ミカル .バンク

(3

杜)

Chi c agoRoc kⅠ s l and & Pac i f i c‑ ‑

‑一日一

77

.4

Panhandl eEas t e r nPi pe‑ ‑

日一‑‑‑‑‑‑γ‑‑‑

4 . 8 Che mi c alBank

‑一‑‑‑‑‑一日‑‑‑‑‑‑‑一

5

.4

メ リル .リンチ

(3

社)

Che s ape ake & Ohi 0‑ ‑

‑‑‑I

‑‑‑

‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑一

4

.

4 Pac i f i cPowe r

&

Li ght

日‑‑‑一‑‑‑‑‑‑‑一

2. 5

41

による大量 の株式取引が証券市場 に与 え る影響 に関す る問題である

(1

)機関株主 と しての信託機関

信託機関を含む機関投資家 の株式投資 について は,米国議会および

SEC

よる各種 の調査が行 なわれて きたが,とりわけ信託機関の株式保有 については, 前述 し‑たよ うにバ ッ トマ ン委員会 による調査以後 も

,7 0

年代 のメ トカー フ委員 ,80年代 の リピコフ委員会 によって継続 的な調査報告がなされて きた。 こ う

した調査報告 によ って既 に明 らか にされて きた ことであるが,信託機関 (商業 銀行信託部門) は大量 の株式投資 の結果,多 くの大企業 において最大 の株主 と な って いる

メ トカーフ委員会報告 によれば

,1 9 7 2

年 の時点で調査対象 と した

1 3 2

の会社 の うち

,5 8

の会社 において銀行信託部門 が最大 の議決権 株 の株主 と な っていた33)。 この うち主 な銀行 につ いて,その銀行信託部門が最大株主 となっ てい る会社数 を紹介 してお くと,チ ェース ・マ ン‑ ッタン

2 0

社,ファース ト・

3 3 ) U. S.Cong. ,Se nat e,Commi t t e eonGov e r nme ntOpe r at i ons ,Di s c l os ur e

o fCor por at eOwne r s hi p ,( G. P . 0. ,1 97 4),pp. 2 2 ‑ 2 3

,参照。

(8)

4 2

39

2

ナシ ョナル ・シテ ィ

9

杜 ,モルガ ン ・ギ ャランテ ィ

4

社 ,バ ンカー ズ ・ト ラス ト 3社である (表11参照)0

次 に表

12‑ 15

は,上記商業銀行 の信託部門が どのような会社 の株式 に投 資 し ているか表示 した ものであ り,投資額 の多 い順 に上位

20

社 が掲載 されて い る

ただ し,これ らの表で はバ ンカーズ ・トラス トを除 いて,議決権株 か否 か の区 別がなされていない点 に留意 してお く必要がある。 これ らの表か らわか るよ う

に,信託部門 は全体 と して

IBM

,ゼ ロックス等 の優良大企業 に集 中的 に投 資 す る傾 向が見 られ る。 なお,この

4

行 に共通 の投資先企業 は,前記

2

社 の他 に イース トマ ン ・コダ ックとエクソンがあげ られ る

1 2

モルガン・ギャランティ・トラス トの保有株式

( 1 97 5

6

3 0

日現在) 保 有 額(

1, 0 00

ドル) 持株比率

( %)

対総資産比率 (%)

1Ⅰ BM

‑一‑‑‑‑一

一 一 一 一 ‑ ‑ ‑‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ 一 一 一 一 ‑‑‑ ‑一 一 ‑ 一 一 一 一 一 一 一 ‑ ‑ 1, 3 4 8, 5 41 4. 3 5 5. 7 3 2Eas t manKodakC0.‑ ‑ ‑‑ ‑‑‑ ‑‑ ‑ ‑‑ 8 7 3, 1 1 9 5. 2 3 3. 71 3Ame ri c anHomeProduc t sCor p. 3 8 8, 01 9 5. 5 8 li 65 4Proc t e r& Gambl eC0. ‑ ‑ ‑‑ ‑ ‑ ‑ ‑ 日一 一 一 一 一 ‑ 3 8 0, 48 0 4. 71 1. 62 5Sear s,Roe buc k & C0.

‑‑ ‑‑

‑‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ 3 8 0, 42 9 3. 3 0 1. 62 6EXXonCor p.

日‑

一 一

一一一一

一一一日 一一一一一

日 一 一 一 一 一 一 3 3 6, 72 0 1. 6 3 1. 43 7. Sc hl umbe r ge rLt d

∴ 一

一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 ‑一 一 一 一 一 一 3 35, 6 2 0 7. 0 0 1. 43 8Ge ne ralMot or sCor p.‑ ‑ ‑ ‑‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ 2 91, 9 6 0 2. 0 8 1. 2 4 9S. S. Kre sgeC0. ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ 一 一 一 一 一 一 一 一 日一 一 一 日‑ 一 一 一 一 一 一 ‑一 一 一 2 83, 31 4 7 . . 5 3 1. 2 0 1 0Coca■ Col aC0. ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ 日 一 一 一 一 一 一 一 ‑‑ 一 一 一 一 ‑‑一 一 一 ‑ ‑ ‑ 2 6 3, 9 4 8 4. 8 7 1. 1 2 1 1Ⅰ nt e r nat l onalPape rC0. ‑ ‑ ‑ ‑ ‑‑ ‑ 日 一 一 一 一 一 2 43, 61 3 1 0. 8 2 1. 0 4 1 2 Me rc k & Co. ,Ⅰ nc.

一 ‑‑ ‑一 一 一 ‑ 一 一 一 一 一 一 2 2 8, 02 4 3. . 5 6 . 9 7 1 3 Ci t i c or p

‑‑一

‑ ‑ ‑

‑‑‑‑‑‑

‑ ‑ ‑ ‑ ‑ 一 丁 ‑ ‑ ‑ 一 一 2 2 6, 5 3 2 4. 7 7 . 9 6 1 4 Hal l i bui ‑ t onc0.‑ ‑ ‑ ‑ . ‑ ‑ ‑

日一日‑‑

一 一 一 一 ‑ ∴‑ 21 9, 6 6 8 6. 1 0 . 9 3 1 5 Phi l i pMor ri s,Ⅰ nc. 一 一 一 一 一 一 日一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 : 21 7, 0 ̲ 0 8 7. 3 9 . 9 2 1 6 Ⅹe roX Cor p.

‑‑ 一 一 一 一 ‑ 一 一 一 日一 一 日一 一 一 ‑一 一 一 一 一 一 日‑ 21 3, 01 5 3. 8 6 . 91 1 7 Ame ri canExpre s sC0.‑‑ ‑‑ ‑ ‑‑ . ‑ ‑ ‑ 1 8 8, 421 6. 0 6 . 8 0 1 8 J. C. Pe nne yCo. ,Ⅰ nc. 一 一 一 日一 一 一 日‑ ‑ 一 一 一 一 ㌦ 1 7 6, 1 3 8 5. 1 0 . 7 5 1 9 Mc I ) onal dsCor p

∴‑‑‑一

一 一 一 一 日 ‑一 一 一 ‑‑ ‑ 1 7 4, 62 8 7. 6 9 . 7 4 2 0 Dow Che mi c alC0.

‑‑‑‑‑‑‑‑

‑ ‑ ‑ ‑‑‑ ‑ 1 6 9, 91 5 1. 9 3 . 7 2

(出所)

U. S.Congre ss,Commi t t e eonFi nanc e,B

an

kTr ustSt oc k

Hol di ngs ,p. 6.

(9)

アメ リカにおける信託資産 の拡大 と証券投資

(2)

1 3

バ ンカーズ ・トラス トの保有株式

( 1 97 4

1 2

31

日現在)

( 1 0 0

万 ドル) 持株比率

( %)

議決権株比翠 (%)

1 I BM

‑一‑‑ ‑一日二‑‑一日一

一 ‑ ‑ ‑ ‑ 一 一 一 一 一 ‑ 671. 2 2. 7 1. 9 2ATT

‑一‑一‑‑‑一‑一

‑‑

一 ‑‑ 5 49. 5 2. 1 .

4

3 Mobi 10i lCor p.

‑‑‑‑一日‑

2 5 4. 5 6. 8 1. 2

4 Me rc k

&

Co. ,I nk.

‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑

2 02. 3 4. 0 2. 5 5 E1 1 ° Li 1 1 y

&

Co

∴‑‑一‑一‑‑

1 62. 9 3

.4

1. 5 6 Eas t manKOdak C0.

‑‑‑‑‑

1 36. 7 1. 3 . 8 7 Exxon Corp.

‑ ‑‑‑

‑‑‑

‑‑‑‑‑

1 30. 6 . 8 . 5 8 Ame r i c aユ 1HomeProduc t sCor p‑ 1 24. 0 2. 3 1. 8 9Bur roug. hsCor p.

‑一‑一‑‑‑一 11

6

.

1 3. 9 2. 6 1 0 Johnson & Johnson‑ ‑‑

‑一‑‑一

1 05. 8 2. 2 1. 6 1 2 Mi nne sot aMi ni ng & Manu‑

f ac t ur i ng C0.

‑‑

‑ ‑ ‑ ‑一 日‑‑ 一 一 一 ‑ ‑ ‑ ‑ ‑

1 3 Dow Che mi c al C0.

‑‑一‑一

91 . 0 1. 7 1. 3 1 4 Cont i ne nt a10i l C0.

‑‑‑‑日一‑‑

89. 9 3. 9 . 5 1 5 Ⅹe roX Cor p.

日‑一山一‑一‑‑‑‑‑一

83. 2 2. 0 1. 1 1 6 AvonProduc t sI nc. ‑‑ ‑

‑ ‑‑‑‑

‑ ‑ 82

.4

4. 9 3. 0 1 7 Ge ne l alEl e c t r i cC0. ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ 一 一 一

‑‑一日一

一 一 一 一 80. 6 1. 3 . 8 1 8 Sc hl umbe r ge rLt d. ‑ ‑一 一 ‑一 一 日一 一 日

一 一 一 一 一 ‑ 7 2. 2 1. 8 1. 1 1 9 We Ve rhae us e rC0.‑ ‑ ‑ ‑ ‑

‑‑ ‑ ‑‑‑‑‑

一 一 一 ‑ 一 一 一 71. 7 2. 0 . 8 2 0 Phi l i p Mor ri s,Ⅰ nc

‑一一一一一一一一‑ ‑‑

‑ 一 一 一 一 ‑一 一 一 67. 9 2. 5 1. 2

(出所)

I bi d. , p. 9

4 3

これ らの表 か ら判 断 す る限 り,モル ガ ン ・ギ ャラ ンテ ィには他 の

3

行 に比 べ て 高 い持株比率 の企業 が多 く見 られ,5%以上 の持株比率 の企業 は,掲 載 され て い る

20

社 の うち半数 の

10

社 に も達 して い るその中で も特 にイ ンターナ シ ョナ ル ・ペ ーパ ー社 の持 株比率 は

10%

を越 えてお り,他 の会社 と比較 して非 常 に高 い といえ る

さ らに調査時点 が異 な るた め正確 で はないが,参考 のため

4

行 の 共通 した投 資先企業 で あ る前記

4

社 につ いて,

4

行 を合計 した持株比率 を次 に 示 してお こう

。 IBM

l

l. 05%

,ゼ ロ ックス

1 4. 06%

,イース トマ ン ・コダッ

9. 93%

,エ クソ ン

6. 13%

で あ る

こう した商業銀行信託部 門 による大企業 の株式 保有 に注 目 して, 『パ ッ トマ

(10)

4 4

3 9

2

ン委員会報告 』や フィ ッチ34),コ ッツ35)等 の論 者 に よ って,銀 行 に よ る会社 支 配が行 なわれて いるとい う銀行支配説 が主張 され るよ うにな った。 しか しなが ら,信託部門の株式保有動機 は各信託 資産 の性格 によ って異 な るため,必 ず し もその よ うに断言 で きないよ うに思 われ る

例 えば信託部 門の管理す る年金基金 によ って保有 され る株式 は,基本 的 に は

1 4

フ ァース ト ・ナ シ ョナル ・シテ ィ ・バ ンクの保有株式

( 1 9 7 4

1 2

31

日現在)

( 1 0 0

万 ドル) 持株比率

( %)

対総資産比率 (%) ‑ 1Ⅰ

BM

‑‑

‑ ‑ ‑ ‑ ‑ 日日‑ ‑

‑‑‑一‑一‑一‑‑一

6 0 6 2. 5 3. 8 2Me r c k

&

Co. ,Ⅰ nc

∴ ‑‑‑一‑‑

2 7 2 5. 5 1 . 7 3Ⅹe r oX Cor p.

‑ ‑‑‑一‑一

2 6 9 6. 6 1 . 7

4

Eas t manKodakC0.

‑‑‑‑‑一

2 4 7 2

.4

1. 6

■5 Johns on & Johns on

:‑一‑‑一‑‑

21 2 4. 6 1 . 4 6 At l ant i cRi c hf i e l dCo

‑一‑‑‑一

1 9 4 4. 6 1 ̲ 2 7 E1 ‑ iLi 1 1 y

&

Co∴‑一

一一一

一一‑‑‑ ‑一.

1 7 5 3. 7 1 ̲ 1 8 Ge ne r alEl e c t r i cC0.‑ ‑ ‑ ‑‑ ‑ ‑ ‑ ‑‑ ‑ ‑ 一 一

1 5 5 2. 5 1 . 0

9 EXXonCor p

‑ ‑

‑ ‑ ‑ 一 一 一 ‑ 一 一 一 一 一 ‑ 小 一 ‑ ‑ ‑ ‑‑ ‑ 1 1 5 51 3 3. 1. 0 1 1

1

. .0 0 1 0Mi nne s ot aMi ni ng

&

Manu‑

f ac t ur i ngC0.‑‑ ‑

‑‑

‑‑‑ ‑ ‑ ‑‑ ‑ ‑ ‑‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑

l lS. S. Kr e s geCo∴一 一 ‑ ‑ ‑

‑ 一一一一‑ 一一一一‑ ‑ 一一一

一 一 一 ‑ 1 4 0 5. 3 . 9 1 2Se ar s,Roe buc k & C0.

‑‑‑‑‑ ‑‑‑一一一一一‑ 一一

1 3 6 1. 8 ̲ 9

1 3Coc aCol aCo∴ ‑‑ ‑ ‑‑ 一 一 ‑一

‑ ‑‑一一一一一‑m ‑

‑ 1 3 6 4. 3 . 9

1 5Te XasⅠ ns t r ume nt sⅠ nc

一 一 一 ‑‑一 一 一 日一 一 1 1 9 7. 7 ̲ 8 1 7Ame r i c anHomePr oduc t sCor p. 1 0 4 2. 0 . 7 1 8He wl e t t ‑ Pac kar dCo̲‑ ‑ ‑ ‑ ‑‑ 一 一 ‑‑ ‑ 一 一 一 一 一 ‑ ‑ 1 0 0 6̲ 2 . 6 1 9Phi l i pMor r i s,I n°̲ ‑ ‑ ‑

m一

‑一 一 ‑ ‑ ‑ ‑ 一 一 ‑ 9 5 3. 6 ̲ 6 2 0Sc he r 1 Ⅰ 1 g‑ Pl o‑ ugh Cor p

∴‑一‑‑‑

一 一 一 一 一 一 9 3 3. 3 . 6

(出所)

I bi d.

,p.10

3 4 )

フィ ッチ&オ ッペ ン‑ イマ〜著 ,岩 田巌雄 ,高橋昭三監訳 『だれ が会社 を支配 す る か‑ 金融資本 と 「経営者支配

』 ミネル ヴ ァ書 房

,1 9 7 8

( Robe r tPi t c h and Mar yOppe nhe i me r

,"

WhoRul e st heCor por at i ons ?" Soc i al i s tRe v ol ut i on

,

Vol

.

1 ,Nos. 4 ‑ 6,1 9 7 0 )

を参 照。

3 5 )D. M.

コッツ著 ,西山忠範訳 『巨大企業 と銀行支配‑ 現代 アメ リカ大企 業 の支配 構造‑ 』文展堂

,1 9 8 2

( Dav i dM.Kot z ,Bank Cont rolo fLar geCor po‑

r at i onsi nt heUf u‑ t e dSt at e s,1 9 7 8 )

を参照。

(11)

アメ リカにおける信託資産 の拡大 と証券投資

(2)

45

将来 の退職者 に対す る年金支払 いが行 なわれ るまで,資産運用 のための投 資対 象 と して保有 され るのであ り,株式 の配当 とキ ャピタル ・ゲイ ンを主 た る目的 とした保有動機である年金基金 の受託者 は,受託者 に課せ られたブル ーデ ン

ト ・マ ン ・ルールや分散投資の原則 によ って,受益者 の利益 を第‑ の基 準 と し た投資行動 を とることが基本 であ るしたが って この場合 には,株式 の 「支配 証券」 としての側面 は後景 に退 くことにな る

ただ し,必ず しも支配 目的 とい うことで はないが,企業 の年金基 金 を受託 し た商業銀行が,委託 した企業 との間 に融資関係や重役兼任等 の人的結合 関係 を 有 している場合 には,恐 らくその年金基金 のポー トフォ リオの中 に委託 した企 業 の株式が含 まれ るであろ うことは容易 に推測 しうることであ る

そ して この 株式所有が,銀行 と企業 との問の協調関係 を支持補強す るよ うに作用す るで あ

1 5

チェース ・マ ン‑ ッタン ・バ ンクの保有株式

( 1 9 7 4

1 2

31

日現在)

( 1 0

0万 ドル) 持株比率

( %)

対総資産比率 (%)

1EXXonCor p.一 一 一 一 一 ‑一 一 ‑‑ ‑ 一 一 一 一 一 ‑一 一 一 日一 一 一 一

‑‑‑

3 6 9 2. 6 4. 9 2Ⅰ BM‑ ‑

‑一

一 日一 一 一 一 ‑ ‑‑ ‑ ‑‑ ‑ ‑ ‑ ‑一 一 一 一 一 一 一 日‑ ‑ ‑‑ ‑ ‑ ‑ 一 一 3 6 7 1. 5 4. 9 3St andar dOi lCo.orⅠ ndi ana‑ ‑ ‑一 一 1 4 6 2

,4

1. 9 4Eas t manKodakC0. ‑ ‑

‑ ‑ ‑‑ ‑一 一 ‑ ‑‑ ‑ 1 0 6 1. 0 1 . 4 5At l ant i cRi c hf i e l dC0.

‑‑‑‑‑

‑ ‑ 一 一 一 一 1 0 6 2. 5 1. 4 6ATT‑一

‑ ‑ ‑ ‑‑日日一 一 一 一 一 一 一 一 一 ‑

‑‑‑一日一

1 0 0 . 4 1. 3 7Me r c k

&

Cb. ,I n°.

‑一‑‑‑‑一

1 0 0 2. 0 1. 3 8Mobi 10i lCor p.

‑ 一 一 一 ‑一

日一日一

8 8 2

.4

1. 2 9St andar dOi lCo.ofCa

lif.‑日‑

7 8 2. 0 1 . 0 1 0Ⅹe r oXCor p.一 日一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 ‑‑‑

日一‑一

6 5 1. 6 . 9 l lS. S. Kr e s geCo.

‑∴

‑ 一 一 一 一 一 m

m ‑

一 6 5 2. 5 . 9 1 2Ge ne r alEl e c t r i cC0. ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ 一 一 一 m一 一 ‑一 一

‑ 6 3 1 . 0 . 8 1 3Ⅰ nt e r nat l onalPape rC0.‑ ‑‑ ‑

‑‑

‑ ‑ ‑ ‑ 5 9 3. 7 . 8 1 4Dow Che mi c alC0. ‑ ‑ ‑‑ ‑ ‑

‑‑‑

‑ ‑‑ 5 9 i. 2 . . 8 1 5J. P. Mor gan & Co. ,Ⅰ nc.

‑‑

‑‑一 一 5 8 3. 1 ̀ . 8 1 6Ame r i c anHomePr oduc t sCor p. 5 4 1. 1 . 7 1 7El iLi 1 1 y & C0.

‑‑ ‑ ‑ ‑ ‑‑‑ ‑ ‑ 一 一 ‑一 一 一 一 ‑ ‑‑ 4 8 1. 0 . 6 1 8Johns on

&

Johns on一 一 一 一 一 ‑一 一 一 一 ‑m‑一 一 一 一 4 7 1 .

0

. 6 1 9Ci t l c or p‑‑ ‑ 一 一 一 ‑‑一 一 一 日一 一 一 一 一

‑‑‑一

‑‑一 一 一 一 4 3 1. 2 . 6 2 DSpe r r yRandCor p.

‑一日一‑m‑

‑一 一 一 ・4 2 4. 4 . 6

(出所)

I bi d. ,p. 1 3.

(12)

46

3 9

2

ろ う,とい うことも否定で きない側面であ る

しか しなが ら,銀行 ・企業 間 の 協調関係 の維持 ,強化 のために保有株式 を利用す るとい うことと,銀行 によ る 一方的な会社支配 とい うこととは区別 され るべ きである。

また,財閥家族 の財産が信託 の形態で蓄積 されていることは既 に指摘 したが, その信託資産 の中に会社支配 を目的 とす る株式所有が存在す ることは事実 であ る36)。 もちろん,ここで は会社支配 を行 なお うとす る主体 は,銀行 で はな く財 閥家族 である

この点 ,信託資産 に基づ く銀行 の会社支配 とい う議論 とは問題 の性格 が異 な るので,区別 してお く必要がある信託部門が個人信託 の資産運 用 につ いて投資裁量権 を行使 しうる場合 には,信託部門 は年金基金 と同様 ,信 託資産 の投資収益 を第一 の基準 と して株式投資を行 な うのであ って,銀行 によ

る会社支配 の 目的のために,個人信託 による株式所有 が行 なわれているわ けで はない。

ハーマ ンは,上述 した点 を含 め,商業銀行が信託部門の保有す る株式 を会社 支配 に利用す ることを制約す るい くつかの条件 をあげているので,彼 の説 を要 約 して紹介 してお こう

3

7)0

1

の制約条件 は,銀行 の組織機構 の中で信託部 門の独立性が強 い ことで あ

その ことは,他 の専門的投資 グループとの激 しい運用競争 にさらされ て い る信託部門の職員 に,会社支配 とい う観点 よ りも投資パ フォーマ ンスの向上 を 計 るとい う観点 か ら株式投資 を行 なわせ ることを可能 にす るこの組織的独立 性 は,銀行 の戦略的観点 に基づ く支配 のための株式投資 を排除す るわけで はな いが,それは例外的な ものである

2

の制約条件 は,銀行 に資産運用 を依頼 した顧客か らの高 い投資パ フォー マ ンスを求 め る圧力 の存在である。仮 に,支配 目的 による投資を行 な った結果, 投資パ フォーマ ンスが悪化すれば,その銀行 は顧客 の信頼 と委託 された資金 を 失 うことにな るか らである

3 6 )

個人信託 を含 む ロックフェラー等 の財閥家族 の株式所有 については,松井和夫 ,『現 代 アメ リカ金融資本研究序説

,8 3 ‑ 9 6

頁を参照 されたい

3 7 )

この叙述 につ いて は

,He r man,op.

°

i

t.

,pp.5 0 ‑ 5 6

,を参照 した。

(13)

アメ リカにおける信託資産の拡大 と証券投資

(2) 47

3

の制約 条件 は,法 的規 制 の存在 で あ るが,これ は独 占禁止 法 と信 託 口座 に対 す る銀行 の信託義 務 に基 づ くもので あ る。

4

の制約条 件 は,会社 の支 配 的経 営 グル ー プが ,外部者 によ る支 帯 ・介 入 に抵抗 す る とい う事実 で あ る

ただ し,実 際 に は株 式取得先 の会社 が そ の銀 行 と取 引関係 を有 して い る場合 に は,信託 部 門 によ る株式 の取 得 は会社側 か ら歓 迎 され る

つ ま り,株 式 の取得 は両者 の互恵 的取 引関係 を支 持補 強 し,同 時 に 会社 の経営 陣 に対 す る信頼 の表 明 とみ な され るか らで あ る

ハ ーマ ンは,以上 の四つ の制 約条件 を あげ,銀行 に よ る会社支 配 に否 定 的 な 見解 を示 したが ,株式 の 「支配 証 券」 と して の側面 が ,一定 の条 件 の下 で は重 要 な役 割 を果 たす場合 が あ る

近年 活 発 に行 な わ れ て い る企 業 の合 併 ・買 収

(M&A)にお け る株式 の公 開買 付 (TOB)が それで あ る

この よ うな状 況 にお いて信託 部 門 の保 有方式 は,そのTOBの成功 を左右 す る重要 な位 置 に あ

1 982

年 にベ ンデ ィ ックス社 とマ ーチ ン ・マ リエ ッタ社 との間でTOB合戦 が 行 なわ れ たが ,この時 シテ ィバ ンクは,ベ ンデ ィ ックスの社 員持 株 制 度 で あ る

「サ ラ リー受給 従業員 貯蓄 ・株式所有 計画」 の基金 を信託 財産 と して所有 して いた。 この基金 はベ ンデ ィ ックスの ほぼ

2 3%

に相 当す る株式 を所 有 して いたた め,TOB合戦 は当初 ベ ンデ ィ ックスに有利 と見 られて いた。 しか しそ の後 , シテ ィバ ンクが マ リエ ッタ側 に株式 を売却 す る決定 を行 な った ことによ り,ベ ンデ ィ ックス は不利 な状 況 に置 かれ る ことにな った38)。 なお , このTOB合 戦

3 8 )

この叙述 については,メア リー ・カニンガム著,佐々木謙一訳 『パ ワープ レー‑

権力抗争 』徳間書店,1

9 8 5

6

月,2

7 912 9 2

( Mar y Cunni ngham,Powe r pl ay

,

1 9 8 4)を参照 した。

このTOB合戦において,ベンディックスの基金を受託 していたシティバ ンクが, なぜベ ンディックスではなくマ リエッタの有利になるような決定 を行 な ったのか, その背景 について述べておこう

まず このTOB合戦 は,次のような構図の下で展開された。発端 は自動車部品の 製造を中心 とするベ ンディックスが,航空宇宙産業 に進出 しよ うとして,航空 ・軍 需関連企業のマーチ ン ・マ リエッタに対するTOBを宣言 したことに始 まる。 次 に それに対抗 して,マーチン ・マ リエッタがベンディックスに対す るTOBを宣言 し

(14)

4 8

3 9

2

は,最終的 にア ライ ド社 がベ ンデ ィックスを買収 して終止符が打 たれた。

また近年,こうした問題 に関連 して会社 の経営陣が乗 っ取 り防止 のた め,令 併 や会社資産 の売却 の承認 に必要 な株式 の比率 を増加 させ るとい う定款 の変更 提案 を行 な う事例が増 えている

乗 っ取 りは,株価 を上昇 させ株主 に利益 を も

た らすが,乗 っ取 り防止 のための定款 の変更 は,そのよ うな株価 の上 昇 を阻害 す るため,株式所有者 としての信託部門 はそのよ うな提案 に しば しば反対 投票 を行 な うことがある

信託部 門 は,一般 に現在 の経営陣を支持す ると言 われ る が,経営者 の こうした提案 に賛成す るか否か とい うことは,両者 の間 に どの程 度 の協力的関係 が存在 しているか とい うことが決定 的であ る39)0

(2

)機関投資家 と しての信託機関

ここで は信託機関の株式投資 とそれが証券市場 に与 え る影響 につ いて考察 す

信託機関の株式保有額 は

,1 9 8 1

年 と

8 4

年 に減少 した ものの,他 の各年 にお い て は

1

年 間に少 ない年で

2 4 2

億 ドル,多 い年 には

5 7 3

億 ドル も増加 している (

1 6

参照

)0 1 9 7 9

年か ら

8 4

年 までの期間 において,信 託機 関 の保有 す る株式 の年 平均増加額 は

1 9 0

3 0 0

万 ドルであ った。 それに対 し,株式 の年平均新 規発 行額

2 6 9

8, 9 0 0

万 ドルであ った。 したが って平均値で見 る限 り,信託機 関 の保有 株式の年 間増加額 は,株式の新規発行額 を下回 っていたが,保有額 の減 少 した

。 同 じく航空 ・軍需関連企業 のユナイテ ッ ド ・テクノロジーズもマ ーチ ン ・マ リ エ ッタの盟友 として,同社 を援助す るためにベ ンデ ィックスに対 す る

TOB

を宣言

した。

この時 ,シテ ィバ ンクの ビル ・スペ ンサー頭取 はユナイデ ッ ド ・テ クノ ロジー ズ の取締役会 に席 を占め,ユナイテ ッ ド・テクノロジーズの‑ リー ・グ レイ会 長 は シ テ ィバ ンクの持株会社で あるシテ ィコープの取締役会 に参加 していた。 ‑ リー ・グ レイは同時 にシテ ィバ ンクの信託委員会 の委員で もあ った。 したが って,上 述 の シ テ ィバ ンクのベ ンデ ィックス株 の売却決定 は,ハ リー ・グレイがマーチン ・マ リエッ タの有利 にな るよ うに,信託委員会 を通 じて影響力を行使 した結果 で あ る と推 測 さ れ る

この事例 は,信託部門の保有す る株式 の議決権 の行使 に関 して も,銀行 と企業 間 の重役兼任関係や人的関係が非常 に重要 な決定要因であることを示唆 してい る。

3 9 )He r man,op. ° i t . ,p. 7 2.

(15)

アメリカにおける信託資産の拡大と証券投資

(2)

1 6

各年中の保有株式増加額と新規発行額

(単位 :

1 00

万 ドル)

1)保有株

2 )

新 規 式増加額 発行額

1 9 7 9

2 4, 2 3 4 l l , 3 2 5 1 9 8 0 . 4 5, 5 61 2 0, 4 9 0 1 9 81 ▲2 6, 4 6 1 2 5, 3 4 9 1 9 8 2 3 9, 2 9 1 3 0, 5 6 2 1 9 8 3 5 7, 3 1 9 5 1, 5 7 9 1 9 8 4 ▲2 5, 9 2 6 2 2, 6 2 8

▲ は減少 を示す

(出所)1)

Tr us tAs s e t so fFi nanc i alI ns t i t ut i ons

,

各年版より算出。

2 )Fe de r alRe s e r v eBul l e t i n,var ・ i ousi s sue s

4 9

1 981

年 と

8 4

年 を除 いた各年 において は,信託機関の保有株式 の増加額 は常 に株 式 の新規発行額 を大幅 に上回 っていた。言 い換 えれば,信託機関には新規発 行 株 をすべて吸収 して もまだ余裕 がある程 の資金 が毎年流入 していたことになる。

もちろん,信託機関の保有株式 の増加 には,前述 したよ うに株式市 場 にお け る 株価 の上昇 による評価増 が含 まれてい るので,単純 にその増加額 を株式 の新 規 発行額 と対比す ることは不適当か も知 れないが,それで も株式発行市場 にお け

る信託機関の位置 を推定す る上 で一つの参考 になる

次 に,流通市場 における信託機関の位置 につ いて考察 してみよう

戦後 のアメ リカで は,1

955

年頃 までニュー ヨーク証券取引所 (NYSE) 株式売買高の

4

分 の

3

近 くを個人投資家が占め,残 りの

4

分 の 1を機関投 資家

が 占める状態が続 いたが,1

960

年代 に機 関投資家 の占め る比率が急速 に上昇 し,

60

年代 の後半 には機関投資家 と個人投資家 の売買高 は逆転す ることにな った。

この傾向 はそれ以後 も一貫 して続 き,1

98 0

年 の両者 の売買比率 は,個 人投 資家

35. 1%,機関投資家6 4. 9%

とな った (表17参照)

0

また,株式売買高 とな らんで機関投資家 の保有株式 も次第 に増加 し

,1 9 80

にはNYSE上場株式 の時価総額

1

2, 42 8

億 ドルの うち4,

402

億 ドル,比率 に

(16)

5 0

3 9

2

1 7 NYSE

の株式取引高

r

1

日の売買高

(

1 0 0

万株) ‑両者の比率 ( %)

1 95 2

9

1. 8 0. 8 2. 6 6 9. 2 3 0. 8 1 95 3

3

3. 0 1. 0 4. 0 7 5. 0 2 5. 0 1 9 5 4

3

2. 3 1. 0 3. 3 6 9. 7 3 0. 3 1 95 4

1 2

4. 8 1. 3 6. 1 7 8. 7 21. 3 1 95

.

5

6

4. 0 1. 3 5. 3 7 5. 5 2 4. 5 1 95 6

3

14. 2 1. 4 5. 6 7 5. 0 2 5. 0 1 9 5 7

1 0

2. 7 1. 1 3. 8 71. 1 2 8, 9 1 9 5 8

9

5. 0 2. 0 7. 0 7

1.4

2 8. 6 1 95 9

6

月 ‑

3. 6 1. 5 5. 1 7 0. 6 2 9

.4

1 9 6 0

9

3̲ 5 1̲ 6 5. 1 6 8. 6 31. 4 1 9 61

9

3. 8 1. 9 5. 7 66. 7 3 3. 3 1 9 6 3

1 0

6. 5 2. 9 9

.4

6 9. 1 3 0. 9 1 9 6 5

3

5

.4

3. 5 8. 9 6 0. 7 39. 3 1 96 6

1 0

6. 1. 4. 6 1 0. 7 5 7. 0 . 43. 0 1 9 6 9

年全体

7, 9 1 0, 1 1 8. 0 4 4

.1

5 5. 9

上半期

8, 1 1 0

.

0 1 8. 1 44. 6 5 5

.4

下半期

7. 8 1 0. 2 1 8. 0 43. 5 5 6. 5 1 97

1年上半期

1 0. 7 1 5. 9 2 6. 6 40. 3 5 9. 7

第 1四半期

1 2. 1 1 6. 2 2 8. 3 42. 6 5 7

.4

2

四半期

9

.4

1 5. 6 2 5. 0 37. 6 6 2

.4

1 9 7 4

年第

1

四半期

9. 5 1 3. 7 2 3. 2 41. 1 5 8. 9 1 97 6

年第

1

四半期

1 8. 8 2 5. 3 4 4. 1 42. 7 57. 3

(出所)

Ne w Yor kSt o c kExc ha nge ,Fac t Book1 9 85,p. 5 6.

して

35

.4%を機関投資家が保有 していた (

1 8

参照)。

このよ うに株式取引,株式保有 に占める機関投資家 の比率が増加 す る現 象 を

機関化現象

( i ns t i t ut i o nal i z at i on)

と呼んでいるが,機関投資家 の中で も非 保険型民 間年金基金 は,株式保有額 と売買額 の大 きさか ら見て,証券 市場 の機 関化 の中心的担 い手 であ った と言 うことがで きる (

1 8,19

参 照)。 前述 した よ うに,非保険型民間年金基金 の多 くの部分 は,信託機関 によ って管 理 ・運 用 されているのであるか ら,証券市場 の機関化 を主導 したのは信託機関で あ る と

表 1 3 バ ンカーズ ・トラス トの保有株式 ( 1 97 4 年 1 2 月 31 日現在)

参照

関連したドキュメント

信託財産の健全性に留意し行うものであること。 8 デリバティブ取引等の制限

先ず,国際証券市場モデルとして,Mamaysky [12] のアフィン潜在ファクター株式市場モ デルと Leippold and Wu

6.今後の課題

株式 債券 オルタナティブ

託会社が何時でも資産価値で売渡し叉買入れする︶︑

1 .この信託は、 TOPIX Core 30 に採用されているまたは採用が決定された銘柄の株式のみに投資を行 ない、信託財産中に占める個別銘柄の株数の比率を

最初に述べたように,為替エクスポウジャーがリター

■投資リスクについて