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図 2 超音波非破壊検査位置(平面図)

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Academic year: 2022

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(1)土木学会第70回年次学術講演会(平成27年9月). Ⅴ‑417. 超音波非破壊検査による覆工コンクリート内部亀裂厚さおよび深度の検知精度 明石高専都市システム工学科 学生会員 ○松本俊範 明石高専都市システム工学科 正会員. 鍋島康之. 日本マテック(株). 神田文義. 1.はじめに 国土交通省の発表 1)では平成 24 年 1 月 1 日から平 成 25 年 3 月 31 日までにトンネルや橋などの鉄道施 設でコンクリートやモルタルがはがれて落下する事 故が 77 件発生しており,コンクリートの内部劣化を 判定する手法が必要とされている。本研究では超音 波トモグラフィーによる非破壊検査法を用いてコン クリート内部に生じた亀裂の検査手法について検討 図 1 内部亀裂を有する擬似供試体(断面図). したので報告する。 2.超音波トモグラフィー非破壊検査 本研究で使用した非破壊検査装置は日本マテック (株)製超音波トモグラファー探傷システム A1040 MIRA(写真 1)である。本装置には 12ch のセンサ ーがあり,各チャンネルには 4 個の DPC(Dry Point Contact)センサーが配置され,計 48 個のセンサーが 下面に配置されており,1056 通りの路程信号を受信. 図 2 超音波非破壊検査位置(平面図). して演算させることで信号の位置精度の向上,ノイ ズの消去を行い,断面図をトモグラフィーとして可 視化している。まず,1ch から超音波を送信し,残り. 柱供試体を用いて割裂試験を行い,2 分割した供試. の 11ch で受信する。次に 2ch から超音波を送信して. 体にスペーサーを挿入し,疑似的な亀裂を作成した。. 3~12ch で受信する。これを順に送受信チャンネルを. それを図 1 に示すように疑似供試体内に埋め込み,. 切り換えて 66 通りの信号を受信することで供試体断. 亀裂厚さや亀裂発生位置が既知なコンクリート供. 面図を作成するシステムになっている。. 試体を作製した。この疑似供試体を用いて図 2 測線 ①に示す位置において超音波非破壊検査を行い,亀 裂の厚さや位置をどの程度精度よく検知できるか を検討した。 3.1 亀裂厚さの検知精度 図 3,4 は図 2 測線①における超音波トモグラフィ ー画像である。内部亀裂の厚さが超音波非破壊検査 にどのような影響を及ぼすかを検証するために,内. 写真 1 非破壊検査装置. 部に挟み込むスペーサーの厚さを変化させることで 内部亀裂の厚さを,図 3 は 0.1mm,図 4 は 0.5mm と. 3.検査手法ならびに検査結果 本研究では,図 1,2 に示すような疑似供試体を. 変化させて実験を行った。亀裂深度は 100mm として いる。図中の縦軸は深度,横軸は試験機中心からの. 作成した。直径 10cm,高さ 20cm のコンクリート円. キーワード:覆工コンクリート、内部亀裂、超音波非破壊検査、亀裂厚さ、探査深度 連絡先:〒674-8501. 兵庫県明石市魚住町西岡 679-3. ‑833‑. 明石工業高等専門学校. TEL 078-946-6170.

(2) 土木学会第70回年次学術講演会(平成27年9月). Ⅴ‑417. 位置を示している。通常,超音波が供試体内部の亀 裂に到達すると,コンクリートと空気の音響インピ ーダンス値の違いにより境界面で反射される。そし て,反射された超音波(エコー)の強度を読み取り, 強度の強いエコーを観測できた箇所は明色で表示さ れるため,強度の強い色から赤,黄,緑,青,黒色 となっており,黒色はまったく反射していないこと を意味する。一般的にコンクリートと空気の音響イ. 亀裂厚さ 0.1mm 亀裂深度 100mm. ンピーダンス値の差は非常に大きく,超音波は 90% 以上反射されてしまうため,亀裂を観測した箇所は. 図 3 亀裂厚さ 0.1mm のトモグラフィー画像. 赤,黄,緑色で現れる。図 3,4 より内部亀裂の厚さ を変化させても赤や黄色といった強度の強いエコー が得られた範囲が変化していないことがわかる。ま た,亀裂の厚さを変化させても赤,黄,緑色が現れ る位置も変化していない。これより,亀裂の厚さは エコーの強度に影響しないといえる。これは超音波 の反射はコンクリートと空気との境界面で生じるた め,亀裂厚さによる差が生じなかったのだと考えら. 亀裂厚さ 0.5mm 亀裂深度 100mm. れる。 3.2 亀裂深度の検知精度. 図 4 亀裂厚さ 0.5mm のトモグラフィー画像. 次に,亀裂深度が超音波非破壊検査にどのような 影響を及ぼすかを検証するために,コンクリート内 部の亀裂深度をコンクリート供試体上面から 50mm の位置に変化させた供試体を用いて検査を行った。 なお亀裂厚さは 0.5mm である。図 5 は図 2 測線①に おいて検査を行った結果である。図 4,5 を比較する と,図 4 では赤,黄色が深度 100mm 付近にあり,概 亀裂厚さ 0.5mm 亀裂深度 50mm. ね亀裂深度と一致しているが,図 5 では内部亀裂を 深度 50mm の位置に設けているのに対し,緑色の範 囲が確認できたが,深度 90mm 付近に広く拡散して. 図 5 亀裂深度 50mm のトモグラフィー画像. おり,図 5 のトモグラフィー画像から亀裂深度を精 度よく測定できたとはいえない。これは,超音波非. 果を以下に示す。. 破壊検査をコンクリートに用いる場合,骨材やコン. (1) コンクリート内部の微小な亀裂を超音波非破壊. クリート内部の空気などの阻害要因による減衰を小 さくするために,低い周波数を用いて波長の長い超. 検査では検知することができた。 (2) 亀裂の厚さを変化させてもエコーの強度に差は. 音波を使用しているが,波長が長くなることにより, 表面に近い部分に存在する亀裂を検出しにくくなっ 2). ている からだと考えられる。 4.まとめ 本研究では,非破壊検査法の一つである超音波非 破壊検査法がコンクリート内部の亀裂をどの程度の 精度で検知可能かを検証した。本研究で得られた成. 見られなかった。 (3) 亀裂深度が浅い場合,検知精度が悪くなる。 【参考文献】1) 国土交通省:鉄道構造物における剥 落事象について,http://www.mlit.go.jp/common/ 000995196.pdf (2015 年 4 月 1 日取得) 2)日本非破壊検査協会:非破壊検査便覧,pp.427-567, 1972.. ‑834‑.

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