表面波探査を用いた舗装上からの埋立地盤特性の把握に関する検討
関西国際空港(株) 正会員 ○眞野 裕子 関西国際空港(株) 正会員 江村 剛 (独)港湾空港技術研究所 正会員 前川 亮太 応用地質(株) 林 宏一 横浜国立大学大学院 正会員 早野 公敏
1.はじめに
関西国際空港の
2
期事業においては、土運船による直 投の後、表層については薄層転圧締固めによる強固な埋 立地盤を造成している。そのため、関西空港2
期島は通 常の地盤とは異なり、深部より表層の方が固い逆転層に なっていると考えられる。筆者らは、このような大規模 埋立地盤の特殊な地盤特性を舗装上から非破壊でモニタ リングする技術として、表面波探査の適用を試みている1)。また、表面波探査は通常、深部ほど
S
波速度が高くな ると仮定して解析を行うので、舗装のような高速度の表 層は評価することが困難であった 2)。そこで、表面波探 査における舗装の影響を評価するために、実際に埋立地 盤において同一地点で舗装前後に表面波探査の測定を実 施した。2.測定概要
測定位置を写真 1に示す。2009年
4
月9
日に供用を開始したエプロン内 に6
測線設定した。舗装前の測定は路盤工の前に実施し、舗設後GPS
測量 にて位置出しを行い、同一測線にて舗装後の測定を実施した。舗装構造は、図 1に示すように、コンクリート
36cm、路盤 17cm
の計53cm
である。測定状況を写真 2に示す。起振はカケヤにより行い、受振器には固有周波
数
4.5Hz
程度の速度型地震計(上下動)を用いた。受振点間隔は1m
もしくは
2m
、起振点は測線延長上とし、24
チャンネルで測定を行った。3.測定結果
(1)逆転層を有する地盤における表面波探査の適用性
図 2に舗装前の表面波探査から得られた
6
測線のS
波速度の深度分布を示 す。転圧締固めを行っていない1
次揚土(以下、揚土1)と転圧締固めを行
った2
次揚土(以下、揚土2
)を比較すると、揚土2
の方が100m/s
程度S
波速度が高くなっており、逆転層となっていることがわかる。各測線に大き な差異が認められないため、逆転層が存在していても、地盤特性のモニタリ ングの手法として表面波探査を適用することができると考えられる。なお、造成部についても転圧締固めを行ったが、揚土
1
に比べS
波速度が低下している。一般的に、地表面は応力解放さ れるため、S
波速度は小さくなる傾向にあり、その影響と考えられる。キーワード 表面波探査,埋立地盤,舗装,S波速度
連絡先 〒549-0001 大阪府泉佐野市泉州空港北1番地 関西国際空港(株)建設事務所技術・設計
G TEL:072-455-4007
写真 2 計測状況図 1 舗装構造 舗装後
写真 1 測定位置および現在の状況 舗装前 測定位置
関西国際空港用地造成(株)提供
土木学会第64回年次学術講演会(平成21年9月)
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(2)舗装の有無による差異
図 3に舗装前後の分散曲線の比較、図 4に舗装前後の測定波形記録と位相速度分布の結果を示す。
図 4において、青色の領域は位相の連続性が良い速度であり、青色 の領域をつなげたものが分散曲線である。舗装前は周波数
100Hz
程度 まで分散曲線が見られるのに対して、舗装後は周波数250Hz
程度まで 伸びている。舗装後の分散曲線において、周波数100Hz
以上は舗装、100Hz
以下は地盤の特性を表していると考えられる。図 3より、舗装の影響により周波数
100Hz
付近では若干の差が生じ ているが、80Hz
以下では舗装の前後で大差のない結果となったことが わかる。したがって、舗装上からでも地盤のS
波速度を測定すること は可能と考えられる。4.まとめ
大規模埋立地盤において、コンクリート舗装前後に表面波探査を実 施し、以下の結果を得た。
(1)
逆転層が存在すると考えられる地盤でも、概ね施工 履歴と整合するS
波速度構造を推定することができた。(2)
舗装の有無による分散曲線の変化は小さく、舗装上 からでも地盤のS
波速度を推定することは可能と考え られる。参考文献:1)眞野,江村,前川,林,早野:埋立地盤の地盤 特性の変化に関する数値シミュレーション, 第
44
回地盤工学 研究発表会,2009,2)林,斎藤:表層が高速度の地盤におけるP-SV
波動場の分散曲線とその解析,物理探査学会第110
回学 術講演会講演論文集, pp39-42, 2004.0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 24 (m)
距
離
0 100 200 300 400 50 0 600 700 800 900 1000 1100 (msec)
時 間
起 振点 位置= -1.0m
sxke0515.sg2 0
2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 24 (m) 距
離
0 100 200 300 400 500 600 700 800 900 1000 1100 (msec)
時 間
起振点位置= -1.0m
sxke6417.sg2
距 離
(m)
1 20
時間(msec)
0 200 400 600 800 1000
距 離
(m)
1 20
時間(m sec)
0 200 400 600 800 1000
10 10
位相速度分布(舗装前)
測定波形記録(舗装前) 測定波形記録(舗装後)
位相速度分布(舗装後)
図 4 測定結果
0 50 100 150 200 250 300 350 400 周
波 数
(Hz)
0 200 400 600 800 1000 1200 1400
位相速度(m/s)
起振点位置= -1.0m
0 50 100 150 200 250 300 350 400 周
波 数
(Hz)
0 200 400 600 800 1000 1200 1400
位相速度(m/s)
起振点位置= -1.0m
400
周 波 数0 100 200 300
位相速度(m /s)
(Hz)
600 1000 1200
0 200 400 800 1400
周 波 数
0 100 200 300
位相速度(m/s)
(Hz)
600 1000 1200
0 200 400 800 1400
400
図 2 測定結果(舗装前)
0
2
4
6
8
10
12
14
16
18
20
0 100 200 300 400 500 600
S波速度(m/s)
深度(m)
造成 揚土②
揚土①
深 度 (m)
S波速度(m/s)
200 400
0 600
16 12 8 4 0
20
造成
揚土2
揚土1
図 3 分散曲線
0 10 0 20 0 30 0 40 0 50 0 60 0 70 0 80 0 90 0 1000
0 10 20 3 0 4 0 50 60 70 80 90 100
周波数(Hz)
位相速度(m/s)
位 相 速 度 (m/s)
200 400 600 800 1000
0
20 40
0 60 80 100
周波数(Hz)
舗装前 舗装後 土木学会第64回年次学術講演会(平成21年9月)