• 検索結果がありません。

1.まえがき 実橋梁の健全性を診断するためには,目視,非破壊検査,

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2022

シェア "1.まえがき 実橋梁の健全性を診断するためには,目視,非破壊検査,"

Copied!
2
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)土木学会第66回年次学術講演会(平成23年度). Ⅴ‑059. 分光分析法による 分光分析法による実橋梁 による実橋梁の 実橋梁の診断システム 診断システムの システムの開発 株式会社 IHI インフラシステム. 正会員 ○戸田. 勝哉. 株式会社 IHI インフラシステム. 中村. 善彦. 株式会社 IHI 検査計測. 倉田 孝男. 1.まえがき 実橋梁の健全性を診断するためには,目視,非破壊検査,. 起点. コア抜きによる詳細検査が実施されているが,目視のみでは. S05 S04 S03 S02 S01. 100mm ピッチ. 精度が低く,コア抜きでは測定箇所が限定される.そのため, 診断精度が高く且つ広範囲を短時間で測定する診断システ ムが現在必要とされる.分光分析法は,短時間で広範囲のコ. 30 000 25 000. 20 000. 15 000. 100 00 50 00. 5 000. 900. 発が実施されている .本技術が確立することができれば,目. 25 000. 20 000. 150 00. 10 000. 15 000. 10 000. 10 000. 0. 1). 25 000. 200 00. 受光強度. 15 000. 受光強度. 受光強度. 受光強度. ンクリート表面の劣化因子を検出できる技術として研究開. 250 00. 20 000. 10 00. 110 0. 1 20 0. 13 00 14 00 波長 nm. 150 0. 160 0. 0 9 00. 1 700. 5 000. 5 000. 0 100 0. 1 100. 12 00. 130 0 波長 nm. 1 400. 15 00. 16 00. 1 700. 0 900. 10 00. 110 0. 1 200. 13 00 波長 nm. 14 00. 150 0. 1 600. 17 00. 900. 10 00. 110 0. 1 200. 13 00 波長 nm. 14 00. 150 0. 1 600. 17 00. 図-1 測定箇所における吸光度と波長の関係. 視検査と併せて非破壊検査やコア抜きの場所のスクリーニ 40. ングが可能となり,診断精度が向上することが期待される.. 30 25. 3. 計算値 (kg/m). 本論文では,分光分析法を供用中の橋梁に適用させた,新し い診断システムの実例を紹介する. 2.分光分析法による 分光分析法による診断方法 による診断方法. 中 性 化 促 進 13W. 35. 20 15 10 5. 本診断システムは,プローブヘッドと分光器ユニットから. 0 -5. 構成される.プローブヘッドで光を照射し,コンクリートか. - 10 0. ら反射光を受光する.プローブヘッドにはタイヤが装着され. 5. 10. 15. 20. 25. 30. 35. 40. 塩化物 イオン 濃 度(設定 値) (kg/ m 3 ). ており,測定対象コンクリート表面に密着させて,走査させ. 図-2 使用する検量線の一例. ることでライン状に連続して計測することが出来る。タイヤ 6. にはエンコーダが内蔵されており,あらかじめセットした間 って既知の濃度のスペクトルを採取しておき,検量線(図-2) を作成しておくことで,ケモメトリックス手法により目的の 濃度が得られる.そのことから,1 ラインを計測した場合,各 スペクトルで濃度計算を行えば,横軸移動距離,縦軸濃度の. 5 塩化物イオン濃度(kg/m3). 隔,例えば 50mm 間隔でスペクトルを採取する(図-1).前も. S01 S02 S03 S04 S05. 4 3 2 1 0 0. グラフが描ける(図-3).複数のラインを計測すれば,面状 の計測が出来る.プローブヘッドの幅は 100mm なので,100mm. 1000. 2000 3000 距離(mm). 4000. 5000. 図-3 測定距離と塩化物イオン濃度の関係. 間隔で計測する.得られた結果は,測定面各格子に濃度が算 出されるので濃度分布のコンター図が作成される.実橋梁の 図面に重ねれば,例えば,橋梁床版下面のどの部分の濃度が 高いかを,一目で知ることが出来るようになる(図-4).測 定条件にも依存するが,標準で 1 日 200m2 程度の速度で測定 が可能である.本システムは,非破壊検査やコア抜き検査の 前の場所限定のためのスクリーニングでの利用を考えてい る.また,腐食ひび割れが起こる前に異常を発見できるので,. 塩化物イオン濃度が高い箇所. 図-4 コンター図による出力結果. 潜伏期や進展期で威力を発揮できる. キーワード:分光分析,非破壊,塩化物イオン,コンター図 連絡先:〒108-0023 東京都港区芝浦 3-17-12 吾妻ビル TEL03-3769-8604 FAX 03-3769-8608. ‑117‑.

(2) 土木学会第66回年次学術講演会(平成23年度). Ⅴ‑059. 3.実橋梁測定結果 本システムの診断精度を検証するために,北陸地方にある海岸より近い供用中の橋梁で測定を行った. 3.1 PC 桁の測定結果(A 測定結果(A 橋) 本橋梁は,海岸に面した 31 径間単純ポステン T 桁である.供用 36 年,橋長 991.6m,全幅員 11.25m である. 測定対象とした箇所は,A 橋のうち陸上部分の 1 径間(30m)の桁下面と桁側面と床版の一部である.外観は, 飛来塩分や融雪剤の影響を受けているため桁端部に塩害による断面剥離が生じていた.図-5 に本システムに よる測定結果を示す.最も塩化物イオン濃度が高い箇所は 8.44kg/m3 であり,海面より 1 本内側に入った桁下 面であった.この箇所において,コア抜きおよび表面のコンクリートをグラインダーで採取して,塩化物イオ ン濃度を測定した結果,6.30kg/m3 であった.同位置での分光分析による測定結果では,6.80kg/m3 であったの で,ほぼ同等の値であった. 3.2 床版コンクリート 床版コンクリートの 測定結果(B 橋) コンクリートの測定結果(B 本橋梁は,海岸より 1km 離れた 2 径間連続箱桁および 3 径間連続鋼桁である.供用 27 年,橋長 264.6m,全 幅員 26.0m である.対象とした箇所は,A1-P1 間の 1 径間(60m)の床版下面である.外観は,張出しや桁間 に軽微なひび割れが見られるが,大きな損傷は生じていなかった.図-6 に本システムによる測定結果を示す. 最も塩化物イオンが高い箇所は 4.76kg/m3 であり,コンクリートの打継ぎ付近であった.しかし,その箇所以 外は 3kg/m3 以下であり,飛来塩分の影響はあまり受けていないことが確認された.A 橋と同様にコア抜きおよ び表面の塩化物イオンの測定を実施した結果,0.70kg/m3 であった.同位置での分光分析による測定結果では, 2.00kg/m3 であったので,濃度の高い点の位置,低い点の位置が把握できており,分布が計測できていること が分かった.. 図-5 A 橋(PC 桁)測定結果. 図-6 B 橋(床版下面)測定結果. 4.まとめ 本システムは,実橋梁のコンクリート表面の濃度分布を,非破壊且つ短時間で計測することが示された.計 測された濃度は,既存の計測手法の値と一致し,計測結果の妥当性を得ることが出来た.本システムにより非 破壊検査やコア抜きによるスクリーニングが可能であり,より精度の高い劣化診断が可能と考えられえる. <謝辞> 本研究において,調査フィールドを提供していただいた国土交通省北陸地方整備局様,技術的助言をしてい ただいた長岡技術科学大学丸山教授,下村准教授に対して記して謝意を表します. <参考文献> 1) 戸田勝哉,中村善彦,倉田孝男:分光分析法を用いた非破壊コンクリート診断システムの開発,土木学会 第 65 回年次学術講演会,pp.521-522, 2010. ‑118‑.

(3)

参照

関連したドキュメント

(備考) 1. 1日平均値の評価にあたっては、1時間値の欠測が4時間を超える場合、また、年間における測定時間が 6,000

対象橋梁は,写真-1 に示す昭和 56 年 11 月に竣工した 支間 25.6m+25.6m,有効幅員 16.0m の 2 径間連続鋼床版鈑

図-3 測定データの一例(1 車輪) 3.営業線における測定例 開発した手法を用いて,営業線でアタック角の測 定を実施した.測定箇所は,単線シールドトンネル

  対象橋脚は, 図2に示すような門型橋脚とT型橋脚であり, 1970

どの違 いに よっ て各 装置 で測 定 した結果 には測定誤差 が 存在す る.ま た,舗 装の弾性係 数 に関す る事 前情報 は舗装 の材 料構成 測定 時の気温 な どに基 づい て総 合的 に判断

橋梁の概要と解析モデル 検討の対象とする橋梁は、中央支間 170m、幅員 9.8m、橋脚高 74mP1,68mP2、主塔高 39mP1,P2を有

今回比較検討に用いるモデルは、中央支間長 500m の 5

3. 結果と考察 (1)橋梁部の表面粗度が流木捕捉に及ぼす影響:流木 捕捉と橋梁表面粗度の関係を調べるために,サンドペー