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吊橋主ケーブル照明用の電源供給および制御信号ケーブルの振動計測

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Academic year: 2022

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(1)

吊橋主ケーブル照明用の電源供給および制御信号ケーブルの振動計測

本州四国連絡高速道路(株) 正会員 ○楠原 栄樹 本州四国連絡高速道路(株) 正会員 麓 興一郎 本州四国連絡高速道路(株) 正会員 横井 芳輝

1.はじめに

明石海峡大橋のケーブル照明(イルミネーションシステム)では、主ケーブルに光の三原色(赤、緑、青)のラ ンプ 3 個を 1 セットとした特殊な灯具を多数設置し、それぞれのランプの明るさを変えることにより様々な色 のライトアップが可能となっており、本州四国連絡道路の淡路サービスエリアから見る夜景は「夜景 100 選」

にも選ばれている。これらの灯具を橋の全長(約 4km)にわたって任意に制御するためには、各灯具への電源供 給と制御信号を送るためのケーブルが必要であるが、供用後約 10 年が経過した時点において、これらのケー ブルに損傷が生じていることが確認された。本論文は、損傷原因を把握するために実施した現地振動計測の概 要について紹介するものである。

2.イルミネーションケーブルの構造 明石海峡大橋のイルミネーションシステ ムは、図-1に示すように主ケーブルの維持 管理用のハンドロープを利用して設置され ている。電源供給用のケーブルは中段ハン ドロープに、信号制御用のケーブルは下段 ロープに、ケーブル固縛用のラッシングワ イヤにより敷設されている。吊橋ハンドロ ープの振動は来島海峡大橋でも確認1)され ており、中段と下段のハンドロープには大 きな張力が導入されていないことから、振 動が発生しやすくなっていると考えられる。

電源供給用ケーブル

信号制御用ケーブル ハンドロープ

主ケーブル 灯具

灯具

図-1 明石海峡大橋のイルミネーションシステム

3.現地計測計画

損傷の発生したケーブルは主塔から最 も近い箇所でも 200m 程度離れており、主 ケーブル上という特殊な条件下で多くの センサ用の配線を行うことは困難である。

しかしながら、振動状況を把握するため には複数のセンサを設置する必要がある

ことから、1 つの配線で複数の計測が可能なセンサの調査を実施した。ヒアリング調査等を実施した結果、所 要の性能(多点同時計測可能、サンプリング周波数 100Hz、計測加速度±2G)を満たすものとして FBG(Fiber Bragg Grating)加速度センサ(写真-1)を選定し、実橋に設置することとした。また、ひずみ計による振動計測 の可能性を確認するための FBG ひずみセンサ(写真-2)と、風況を把握するための超音波風向風速計を同時に設 置した。各センサの設置状況を、図-2及び写真-3に示す。

40mm(w)×25mm(H)×12mm(D)

写真-1 FBG 加速度センサ

Φ20mm×100mm(L)

写真-2 FBG ひずみセンサ

キーワード:ケーブル、振動計測、光ファイバセンサ

連 絡 先:〒651-0088 兵庫県神戸市中央区小野柄通 4-1-22 アーバンエース三宮ビル TEL078-291-1000(代表)

1-279 土木学会第63回年次学術講演会(平成20年9月)

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(2)

4.計測結果

計測機器の設置は平成 20 年 2 月中旬である ため、本稿執筆時に振動の状況を分析できる だけの十分なデータは得られていないが、計 測されたデータの中で比較的大きな加速度が 記録されたケースについて、波形の処理を行 った。

スペクトル解析結果は、図-3に示すとおり である。加速度センサから得られる卓越振動 数は、中段および下段ハンドロープとも 4.9Hz であり、主ケーブルの振動(約 4.9Hz)と一致し ていることから、今回計測された振動は主ケ ーブルと共振している可能性があると考えら れる。また、ひずみセンサから得られる卓越 振動数も 4.9Hz であり、加速度センサと同じ 周期帯が卓越していることから、ひずみセン サによる振動計測の可能性があることが確認 された。

5.まとめ

計測の目的であるイルミネーションケーブルの振動原因を 推定するためのデータは現時点では得られていないことから、

現地計測を継続する予定である。

また、光ファイバセンサは、比較的新しく開発されたセン サであり、年々性能が向上しているが、現状の性能でも精度 良く振動の計測が可能であることが確認された。特に、長大 橋の様にアクセスが困難な場所の計測を行う場合は、多点同 時計測が実施できる光ファイバセンサは有効であると考えら れることから、モニタリング技術としての適用性についての検 討も実施する予定である。

(a) FBG 加速度センサ (b) FBG ひずみセンサ 図-3 計測データのパワースペクトル(2008 年 3 月 13 日 13:00 のデータ)

参考文献

1) 遠山直樹、山田郁夫、楠原栄樹:吊橋ハンドロープの風による振動計測結果報告、土木学会第 62 回年 次学術講演会、2007.9、pp331-332

写真-3 計測機器設置状況

風向風速計

FBG センサ

図-2 FBG センサおよび風速計の配置

上段ハンドロープ

中段ハンドロープ

下段ハンドロープ

主ケーブ

2P

ケーブルバンド (格点79)

ケーブルバンド (格点80)

FBG加速度センサ FBGひずみセンサ 超音波風速計

1A 2P

神戸

風向風速計

A-1(鉛直) A-2(水平)

A-3(鉛直)

A-4(鉛直)

A-5(鉛直)

A-6(鉛直) S-1

S-2 S-3

S-4 S-5 S-6

(S-n) (A-n) (すべてスパイラルロープ)

下段ハンドロープ:Φ=18mm 中段ハンドロープ:Φ=18mm 上段ハンドロープ:Φ=42mm

0 100 200 300 400 500 600

1 10

0 10 20 30 40 50 60

1 1

振動数(Hz)

振動数(Hz)

A-1 A-3 A-4 A-5 A-6

gal・sec)

0 S-2 S-4

S-5 S-6

μsec)

4.9Hz 4.9Hz

1-279 土木学会第63回年次学術講演会(平成20年9月)

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参照

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