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鉄道高架橋の不整形地盤の有効応力を考慮した3次元非線形動的解析

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Academic year: 2022

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(1)I-A131. 鉄道高架橋の不整形地盤の有効応力を考慮した3次元非線形動的解析 JR東海コンサルタンツ㈱ 正会員 〇岩田秀治, 京都大学大学院工学研究科 フェロー 家村浩和 (財)鉄道総合技術研究所 正会員. 村田清満,. JR東海. 正会員. 石井拡一. 1.はじめに 兵庫県南部地震での構造物の被害は,近接した構造物間においても破壊・損傷形態に大きな差が見られた. これは,構造物の振動特性に加え,表層地盤の挙動も影響していると考えられる.そこで,鉄道の新しい耐 震基準 1)では,都市直下地震動を考慮し,部材の安全性の評価に関しては破壊モードを考慮することと同時 に,構造物の応答値の算出にあたっては表層地盤の動的特性を考慮することとした.そのためL1地震動, L2地震動(スペクトルⅠ・Ⅱ)の設計想定地震動は,工学的基盤面上で設定され 2),複雑な 地震時の構造 物の動的挙動の評価法としては,地盤−構造系(上部+下部+基礎構造)の一体モデルを用いた非線形動的 解析(時刻歴解析)による照査法も新しくアプローチされた. 今回,対象構造物は鉄道ラーメン高架橋を想定し,当該表層地盤の液状化および不整形地盤の影響を考慮 した3次元地盤−構造系一体モデルの有効応力解析を行った.以下,鉄道耐震設計地震動を用い,地盤−構 造系一体モデルによる複雑な地震時の表層地盤の動的挙動を考慮した解析事例を示す.. 2.耐震標準 1) の表層地盤の影響の考え方 地震動による構造物の応答値の算出にあたっては,基盤地震動を用いて表層地盤および構造系を一体モデ ル化した時刻歴動的解析によって応答を求めても良いが,一般的には地盤種別を8種類に分け,基礎−上部 構造を多点質点系モデルに地表面での地震動を入力する手法が用いられる.しかし,8種類に分けた地表面 波では,液状化層や不整形地盤の影響および局所的な地震動増幅作用は考慮されてなく,それらの影響が懸 念される地点での構造物の建設に際しては,地盤のひずみとせん断弾性係数および減衰定数の関係など物理 試験を行い,表層地盤の動的性状をできるだけ精度よく把握し,その地点特有の表層地盤の影響を評価する 必要性がある.. 3.3次元(地盤−構造一体)モデルの有効応力解析 対象構造物は,柱部材にコンクリート充填円形鋼管(CFT)を用いた鉄道ラーメン高架橋で,解析モデ ルを図―1,入力地震動を図−2に示す.なお,別途行った多質点系モデルによる非線形動的解析において も,対象構造物のL2地震動における耐震性能は,耐震性能Ⅱ(地震後に補修を必要とするが早期に機能が 回復可能)を確保している結果を得ている. 表層地盤の動的特性を高精度に評価するため,本解析は,過剰間隙水圧の上昇に伴う有効応力の変化に応 じて土の応力ひずみ関係を時々刻々と変化させる解析手法で,液状化現象に伴う過剰間隙水圧の蓄積による 地震波の加速度の低減と変位の増加傾向や,透水や圧密の考慮による土粒子と水の相互作用の過剰間隙水圧 の消散と地盤の沈下量の把握および砂地盤特有のサイクリックモビリティーも表現できるものであり,構成 則のタイプは「履歴関数+体積ひずみモデル」,ひずみ依存性の関係は「修正R−Oモデル」,ダイレイタン シー特性は「おわんモデル」を用いた.なお,3次元地盤−構造系一体モデルの有効応力解析の前段で,地 盤のみの1次元有効応力解析,3次元地盤有効応力解析を行っている.. 4.解析結果 結果は,地盤の最大変位および最大加速度は地表面に,構造物の最大変位は上層梁に生じた.構造物周辺 部の砂質土層では,半液状化するために加速度が少々低減し,約 700gal〜900gal となり ,風化岩層の加速度 増幅率に比べ,砂礫層及び砂質土層の加速度増幅率が大きくなっており,地表付近では3次元地盤モデルに 比べ地盤‐構造物一体系モデルによる加速度が少し低減して傾向にある.最大変位は,地表面で約 20cm,モ デル底面で約 14cm であった.また,今回の特異な事象として,3次元地盤モデルは液状化していないが一体 系モデルでは構造物近傍の地表面の砂質土層で完全液状化(最大過剰間隙水圧比 95%以上)が確認された. 図―3は弾性加速度応答スペクトルの比較を示す.3次元地盤解析の地表面の加速度応答スペクトルは, 周期約 0.5sec 付近で最大約 2300gal となっている.一方,3次元地盤‐構造物一体系解析の地表面加速度応 キーワード. :. 非線形動的解析,有効応力,不整形地盤,液状化,耐震設計. 連絡先:JR東海コンサルタンツ㈱〒460-0008 名古屋市中区栄 2-5-1 Tel052-232-4125,Fax052-232-4129. -262-. 土木学会第56回年次学術講演会(平成13年10月).

(2) I-A131. C8 C5 C1. 48.65m. 93.00m. 構造系モデル. 278.0m. (鉄道ラーメン高架橋). 最大加速度:749gal. 図−1. 3次元地盤−構造系一体解析モデル. Acceleration (gal). (gal) 3000 2000. 図―2. 加 速 度. 1000. Time (sec) L2地震動スペクトルⅡ適合波(基盤波). 基盤面表面波(入力地震波) 300. 答 ス ペ ク ト ル は , 周 期 約 0.7sec 付 近 で 最 大 約. 200. 3次元地盤解析 地表面波 3次元地盤−構造系一体解析 地表面波 G3地盤 弾性加速度応答スペクトル. 2200gal となっている.3次元地盤解析のものに. h= 5%. 比べ,3次元地盤‐構造物一体系解析では短周期. 100 0.1. 側で低減し,周期 0.7sec 以上では,ほぼ同じ大き. 0.2. 0.3. 0.4. 1.0. 周. さとなっている.入力地震動と比較すると,長周 図―3. 期側の加速度応答スペクトルが増加した理由とし. 2.0. (sec). 期. 応答加速度スペクトルによる比較. ては,地表面の砂質土層で過剰間隙水圧の上昇に 伴う地盤の軟化によるものが考えられる. また,構造物の応答値は,C1,C5,C8ラーメン列において,応答加速度は上部構造物(上層梁,C FT柱)で 800gal〜900gal,下部・基礎構造物(地中梁,杭)で 570gal〜800gal であっ た.最大変位は, 上部構造物で約 20cm,杭中間部で約 18cm,杭先端部で約 15cm であった.. 5.まとめ 今後として,より簡易な手法での高精度な解析技術の開発に努めたいと考え,以下,本成果から考察する 応答解析の留意点などを示す. ① 1次元モデル地盤有効応力解析は,地表面での最大加速度・最大せん断ひずみ等の把握には簡易で効果 的だが,液状化現象に伴う地震加速度の過度な低減や実挙動に即しない応答変位値となる危険性がある. ② 解析モデルの相違や入力方向の違いにより,大きく応答値が異なることもある. ③ 解析モデルが複雑になると,異常な応答値の原因が考察しにくくなり,多くの解析事例が出そろうまで は,感度解析や事前の簡易モデルでの応答値の算定作業などが,結果の信憑性を含めて重要と考える. ④ 特に表層地盤の影響が懸念される地点は,軽視されがちな地質調査の重要性が高まると考える. ⑤ 複雑なモデル化による解析は,入力地震動自体の周波数特性も結果に大きな影響を与える要因である. ⑥ 地震動の水平2方向(x−y方向)の同時入力,鉛直地震動の影響も考慮する必要がある. 【参考文献】 1). 運輸省鉄道局監修. 2). 西村昭彦,室野剛隆:所要降伏震度スペクトルによる応答値の算定,鉄道総研報告,第 13 巻,第 2 号,199 9.2.. 3). 岩田秀治,村田清満,家村浩和,石井拡一:鉄道高架橋の有効応力を考慮した3次元非線形動的解析,第4回地震時保有耐力法. 鉄道総合技術研究所編:鉄道構造物等設計標準・同解説(耐震設計),丸善,1999.10.. に基づく橋梁の耐震設計に関するシンポジウム,2000.12.. -263-. 土木学会第56回年次学術講演会(平成13年10月).

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