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フレア型護岸隅角部越波処理に関する実験的研究 宮崎大学

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Academic year: 2022

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(1)II‑061. 土木学会西部支部研究発表会 (2014.3). フレア型護岸隅角部越波処理に関する実験的研究 宮崎大学 学生会員 ○杉本直弥 宮崎大学 正会員. 村上啓介 真木大介. 11.3m. 1.はじめに 日本は,国土全体の約 75%が山岳部であるため,沿 岸部の狭い平野部に都市・経済機能が集中しており, 高潮・高波など波浪災害の被害を軽減することが課題 とされてきた.また,約 34000km にも及ぶ海岸線を有. 15m. しているため,複雑な海岸形状に応じて護岸形状が屈 曲して護岸隅角部が生じる場合が多い 1).このような護 3.7m. 岸隅角部は,入射した波の反射・回折・散乱など様々. θ. 波高計. な現象により護岸前面の波高は増幅し,越波量が多い 20m. 箇所になる 2).. 図‐1 水槽平面図. 著者らは護岸越波量を大きく低減できるフレア型護 岸を提案し,その越波低減効果を検証してきた.フレ. 0.08m. ア型護岸の実海域への適用事例が増えつつあるなか, フレア型護岸隅角部の越波処理が従来の直立消波護岸. 0.16m. と同様に検討すべき項目となった.. 0.15m. 容器. 0.18m. 本研究は,フレア型護岸隅角部における越波特性と. 0.1m. 0.3m. その処理方法について,水理模型実験で検討すること. 0.7m. を目的に実施した.. 図‐2 フレア型護岸断面図 2.実験条件 実験には,長さ 20m,幅 15m,高さ 0.7m の平面水槽. (1)ケース1 隔壁の効果について. を用いた.図‐1 に実験水槽の概要を示す.また,図‐. ケース1では,フレア型護岸の断面にスリットを取. 2 にフレア型護岸断面形状を示している.模型縮尺は. り付けて実験した.護岸形状を図‐3 に示す.スリット. 1/30 を想定している.. は,フレア型護岸前面に発生する沿い波を消波する機. 護岸模型は,高さ 0.1m のマウンド上に設置し,水槽. 能を期待したものである.隔壁同士の間隔bを 0.3m,. 内のほぼ中央に配置した.護岸は 0.6m ごとの小ユニッ. 0.15m,0.075m の 3 パターン,隔壁の種類は空隙率 0%. トに分割し(図‐1 の 1~8) ,各ユニットで越波した水. と 35%の 2 パターンについて実験した。今回は,1 番効. は護岸背後の容器に集めて越波量として計測した.. 果が表れた空隙率 0%,b=0.15m の条件について取り. 護岸法線は波峰線に対して 15 度と 30 度傾けて実験. 上げる.. を行った.護岸前面水深は 0.18m,入射波高は 0.16m, 周期は 1.2 sec である.越波量の計測は,水槽側壁から の反射波の影響を排除する目的から,実験は造波機始 動後の 5 波のみを対象とした.越波量の計測場所は図 ‐1 の 1~8 の小ユニットであり,波高計は造波板から 3.7m 離れた位置に 1 つと(入射波高計測) ,図‐1 に示 す護岸前面に 5 か所に設置した. 図‐3 隔壁を取り付けた護岸形状 ‑241‑.

(2) II‑061. 土木学会西部支部研究発表会 (2014.3). (2)ケース2 消波ブロックの効果について. フレア. ケース 2 では,消波ブロックをいくつかの場所に設. フレア+消波ブロック. 1 0. 置して実験を行った.その中で,今回は図-4 のように. 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 9. 無次元越波流量. 0.1. 直立型護岸前面に消波ブロックを設置した条件につい て取り上げる. フレア型護岸 直立護岸. 0.01 0.001 0.0001 0.00001. 護岸1~8番. 図‐6 θ=30 度 消波ブロックの効果について フレア. フレア+消波ブロック. 1. 無次元越波流量. 0. 図‐4 消波ブロック設置状況 3.実験結果 (1)ケース1 隔壁の効果について. 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 9. 0.1 0.01. 0.001 0.0001. θ=15 度での,実験結果を図‐5 に示す.グラフの 0.00001. 護岸1~8番. 縦軸は無次元越波量,横軸は越波量の計測場所 1~8 番. 図‐7 θ=15 度 消波ブロックの効果について. となっている. 図‐5 より,フレア型護岸断面に,スリットを取り付. 4.結論. けることで,スリットなしの条件より隅角部 4 番で越. 本研究は,直立型護岸とフレア型護岸からなる隅角. 波量を減らせることが確認できた.. 部において,越波特性とその処理方法について,水理. しかし,θ=30 度では,スリットありとなしで実験. 模型実験で検討した.本研究で得られた結果を以下に. 結果に大きな変化はなかった,これは,角度が変わっ. 示す.. て,フレア型護岸前面に発生する沿い波が強くなり,. (1)フレア型護岸断面にスリットを用いることで,. スリットで消波しきれなくなったためと考えられる.. θ=15 度では隅角部において越波が抑制されるこ. フレア. とを確認した.しかし,θ=30 度では,スリット. フレア+隔壁. 1. 無次元越波流量. 0. 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. の機能が明確ではなかった.これは,フレア型護. 9. 岸前面の沿い波が強くなりスリットで消波しきれ. 0.1. なくなったためと考えられる.. 0.01. (2)消波ブロックを直立型護岸前面に設置すること. 0.001. で,θ=15 度,30 度ともに隅角部 4 番での越波量. 0.0001. を減らすことができた.このことより,フレア型. 0.00001. 護岸1~8番. 護岸隅角部の越波量を減らすためには,隅角部の. 図‐5 θ=15 度 隔壁の効果について (2)ケース 2. フレア型護岸前面に消波ブロックを設置しなくて. 消波ブロックの効果について. も,設置する場所を工夫することで越波量を減ら. θ=30 度での,実験結果を図‐6 に示す.図‐6 よ. せることが確認できた.. り,消波ブロックを直立型護岸前面に設置することで,. 参考文献. 消波ブロックなしの条件より,隅角部 4 番の越波量を. 1)井上雅夫,中川巧, (1979) ,凸 90°隅角部を有する鉛. 減らせることが確認できた.比較として,θ=15 度で. 直護岸の越波特性,海岸工学講演会論文集,pp.277‐280. の実験結果を図‐7 に示す.θ=15 度では,消波ブロ. 2)井上雅夫,土屋義人,(1971),斜め入射による鉛直堤. ックの効果がより大きくなり越波量を減らせることが. の越波に関する実験的研究,海岸工学講演会論文集,pp.. 確認できた.. 259-264. ‑242‑.

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