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アフリカで学ぶ文化人類学 : 民族誌がひらく世界( 資料紹介)

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アフリカで学ぶ文化人類学 : 民族誌がひらく世界(

資料紹介)

著者 岸 真由美

権利 Copyrights 日本貿易振興機構(ジェトロ)アジア

経済研究所 / Institute of Developing

Economies, Japan External Trade Organization (IDE‑JETRO) http://www.ide.go.jp

雑誌名 アフリカレポート

巻 58

ページ 86‑86

発行年 2020‑09

出版者 日本貿易振興機構アジア経済研究所

URL http://doi.org/10.20561/00051826

(2)

資 料 紹 介

86 アフリカレポート 2020 年 No.58

Ⓒ IDE-JETRO 2020

アフリカで学ぶ文化人類学

――民族誌がひらく世界――

松本尚之・佐川徹・石田慎一郎・大石高典・橋本栄莉 編 京都 昭和堂 2019年 270p.

本書はアフリカと文化人類学を同時に学ぶことができる教科書である。序章と11の章と9つの コラムから構成されており、各章で取り上げられるトピックは、環境、経済、都市、親族・家族、

法、民族、宗教、歴史、呪術、難民、開発である。また、コラムでは障害、貨幣、観光、汚職、ア ート、植民地主義、病、紛争後社会、民族誌映画を取り上げている。これらのトピックはいずれ も現代アフリカを語る上で重要なものである。

本書の特徴は、各章の前半でアフリカをフィールドとする人類学の古典的な民族誌を丁寧かつ コンパクトに紹介している点である。取り上げた民族誌については、具体的な内容のほか、学説 史上の位置づけやそこで描かれた民族の紹介、時代背景などをできる限り詳細に記述したという。

そして各章の後半では、前半の民族誌の内容を踏まえ、フィールドワーカーである執筆者自身の 調査研究に基づいて、そのトピックに関連するアフリカの現在と最新の研究成果が紹介されてい る。

本書の工夫はこれ以外にもなされている。序章は文化人類学がどういう学問かをまず解説し、

各章で取り上げる民族誌とその章の要点を提示している。序章を読むことで、読者はこれを見取 り図として、自分の関心に沿って進む道(章)を選ぶことができる。各章の文末には参照文献の ほかに読書案内が設けられており、後者については簡潔な紹介文が付されている。教科書ではた いてい参考文献があげられているが、文献名を見るだけでは次に手に取る文献を選ぶのは難しい。

その点、本書なら各章を読んで関心をもったトピックについて、読書案内の紹介文を読むことで、

次に読むべき専門書のあたりがつけやすい。よく練られた構成である。

どの学問分野においても大部の古典的文献をいきなり読むのは初学者にとってはハードルが高 い。その点で、本書は古典的な文献のエッセンスを解説し、最新の研究成果を紹介し、そこから さらに次の文献への水先案内も務めてくれる、一度で三度おいしい教科書である。アフリカと文 化人類学に関心を持つ読者なら是非本書を手に取ってみることを勧めたい。その大海原に乗り出 すときの羅針盤となってくれるだろう。

岸 真由美(きし・まゆみ/アジア経済研究所)

参照

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