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広範囲な狭隘部に施工するグラウトの実大規模充てん性確認試験

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Academic year: 2022

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広範囲な狭隘部に施工するグラウトの実大規模充てん性確認試験

JFE

スチール      松井  良典

JFE

スチール    正会員  大久保  浩弥 清水建設      木曽  友巳

清水建設    正会員  ○松本  和真        

1.はじめに  

  グラウトは逆打ち施工の打継ぎ箇所や PC ケーブル配管などの狭隘部に使用されることが多い.今回施工予 定の箇所は非常に広い面積を,非常に低い圧力で充てんし,目視による確認も不可能なため,実大規模の充て ん性確認試験を実施し,充てん性について検討した. 

2.施工条件からの要求品質  

  施工条件からの要求品質は  ①グラウトの流動性の保持時間が 3 時間程度以上  ②充てん時に上面にかか る圧力は 30kPa以下  ③材齢 28 日で 24 N/㎜2以上の圧縮強度  の 3 項目である. 

材料 練り上がり量 管理値

(kg/袋) (kg/袋) (リットル/袋) (㎜:JISフロー値)

グラウト材料 25 6.4 15 325±30

表 1  グラウト材料 3.試験概要 

3.1  グラウト材の配合  使用したグラウト材料 は,表 1 に示す特殊配合のプレミックスタイプ

(前報のグラウトA)である. 

3.2  充てん試験  実施工予定範囲は狭隘な空間(直径 21m×厚さ 4cm)であるため,その一部を切り出した実 大規模の試験装置を作成し確認試験を行った.実大規模試験装置を図 1 に示す.試験装置は長さ 21.4m×幅 2.3m

×高さ 4cm である.グラウトの吐出は流動状態を把握するため,2 箇所の吐出口を設けた.吐出口①は装置中 心,吐出口②はほぼ 1/4 点に配置し,ゾーン 1 は吐出口①・②の 2 箇所,ゾーン 2 は吐出口①の 1 箇所で充て んを行った.また,管内圧力計(PW−1MPA)を 1 箇所,型枠上面に圧力計(PDB−200KPA)を 6 個所設置(図 1 の◎印)し,グラウト充てんによる圧力を計測した.装置下面は実施工と同条件の 1:2 モルタル(t=6cm)

を打設し,浸透性吸水防止材を塗布した.装置上面は合板を基本としたが,ゾーン 1 側は透明塩ビ板(t=10

㎜)を用いて可視化し,グラウト先端位置やグラウト流動勾配を計測できるようにした.また,グラウトの製 造は実施工に合せて現地プラント方式とした.試験に使用したプラント機器は,①グラウトミキサー:OKG−

150,②グラウトポンプ:OKG−60MS,③60 リットルグラウトホッパー(ともに岡三機工㈱製)である. 

  グラウトは,グラウト材料 5 袋(25kg/袋),水 32kg をグラウトミキサーで 2.5 分間練混ぜたものを,20 バ ッチ(105 リットル/バッチ)製造した.グラウトの充てんは,吐出口①より開始しグラウトの先端が吐出口②を通 

CL

吐出口② 吐出口①

圧力計① 

◎  管内圧力計

2.3m 21.4m

ゾーン1 ゾーン2

3.6m 2.0m 2.0m

3.6m

◎:圧力計

図 1 装置平面図

キーワード  グラウト,充てん,実大規模 

連絡先      〒730-8535  広島県広島市中区上八丁堀 8-2  清水建設㈱広島支店土木技術部  TEL082-225-4667  土木学会第60回年次学術講演会(平成17年9月)

-97- 6-049

(2)

過した時点で,吐出口②へ切り替えてゾーン 1 を充てんした.ゾーン 1 充てん完了後,再び吐出口①へ切替を 行いゾーン 2 の充てんを行った. 

3.3  測定項目  試験時に測定した項目は  ①グラウト材のフレッシュ性状(JIS フロー値)と圧縮強度  ② 充てん時の圧力  ③充てん状況(充てん時の流動状況および硬化後の空隙面積率)  とした. 

4.試験結果および考察  

200 250 300 350 400

直後 30 60 90 120 150 180

経過時間(分)

JISフロー値(㎜)

1バッチ 5バッチ 10バッチ

2  フロー経時変化

4.1  グラウト材のフレッシュ性状と圧縮強度 JIS フロー値は練混ぜ直後に全バッチ計測した.JIS フ ロー値の平均値は 329 ㎜(標準偏差 4.6 ㎜,変動係 数 1.4%)であり,1,5,10 バッチ目については経 時変化をみた.フローの経時変化を図 2 に示す.図 2 より 3 時間経過時においても 250 ㎜以上のフロー が確保されており流動性は良好であると判断した. 

  圧縮強度試験結果は外気温が 22℃の時,σ1= 23.6N/㎜(現場養生),σ2 7=52.2N/㎜2,σ28=82.4N/

2(標準養生)であった. 

4.2  充てん時の圧力  圧力計測結果のうち,管内お よび吐出口①近傍にある圧力計①の計測結果を図 3 に示す.型枠上面に作用した充てん圧力は,吐出口 の切替時(①→②および②→①)に最大 25kPa 程度 であり,残りの圧力計も全てこれ以下であった. 

-25 25 75 125 175 225 275 325 375

0:00 0:10 0:20 0:30 0:40 0:50

圧力 kPa

圧力計① 管内圧力計 試験経過時間(分)

吐出口②へ切替 吐出口①へ再切替

3  圧力計測結果

管内圧力は,50〜320kPa で変動した. 45 分以後 の管内圧力が増大しているのは吐出口②から①に 再切替したためである. 

4.3  充てん状況  充てん開始直後から経時的にグ ラウトの先端位置と充てん範囲をマーキング(写真 1)し,充てん状況を確認した.グラウトは流動勾 配がおよそ 1/3.5 であり,空隙を外周方向に押出し ながらすべるように流動し,吐出口①からゾーン 2 全体を充てん出来た.また,充てんの翌日に型枠上 面を全面脱型して測定した空隙面積率は 1.6%で室 内試験と同様に良好な結果を得た. 

5.おわりに  

  当試験で使用したグラウトは,流動性の保持時間,

充てん圧力および圧縮強度が当初の目標を満足し,

低温時に行った実施工においても無事に工事を完了 することができた.実施工では,充てん圧力を直接 測定することはできなかったが管内圧力を計測し,

その管理値を設ける(実施工では 300kPa)ことによ り,グラウトの充てん圧力を管理した.使用したグ ラウト材は,非常に低い圧力で直径 20m程度の広範 囲かつ狭隘な部分への充てんが実施出来たことから,

同種工事への展開が可能と考える. 

写真

1  充てん状況確認

土木学会第60回年次学術講演会(平成17年9月)

-98- 6-049

参照

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