• 検索結果がありません。

狭隘箇所における分岐器挿入施工計画及び実績

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2022

シェア "狭隘箇所における分岐器挿入施工計画及び実績"

Copied!
2
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)土木学会東北支部技術研究発表会(平成26年度). VI-39. 狭隘箇所における分岐器挿入施工計画及び実績. 1.. 東日本旅客鉄道㈱. 東北工事事務所. 正会員. ○成瀬. 大祐. 東日本旅客鉄道㈱. 東北工事事務所. 正会員. 関. 啓充. はじめに. 小牛田. 東北地方太平洋沖地震に伴う津波によって、仙石線. 石巻線 前谷地. 東北本線. 沿線は甚大な被害を受けた。地震直後から、復旧工事 計画位置. が進められ、あおば通・高城町間および陸前小野・石. 石巻 仙石線. 巻間の運転は再開しているが、高城町・陸前小野間は、. 松島. 高城町. 今なお運転を見合わせている。現在、復旧へ向けた線. 矢本. 陸前小野. 復旧予定. 東塩釜. 路移設・復旧工事を実施している。. 東北本線. 本計画は、宮城県の2大都市である仙台~石巻間を、. 仙台. 仙石線. 東北本線と仙石線を接続し直通運転することで、速達 図-1 宮城県東部の鉄道ネットワーク. 性向上及び利便性向上を図り、沿線の復興に弾みをつ. けることを目的とするものである。以降、本工事の計画及び主要工事の分岐器挿入について報告する。 2.. 接続計画. 宮城県東部の鉄道ネットワークを図-1に示す。東北本線は、南北方向に整備されている。仙石線は、高城町駅 起点方までは東北本線に概ね並行し、高城町駅付近から東側の沿岸沿いを通り石巻まで整備されている。 東北本線は、東京~青森間を結ぶ幹線として建設され、貨物列車の運行もあり、駅間が比較的長く、列車速度は 比較的速い。一方、仙石線は、過去に宮城県の私鉄である宮城電気鉄道により建設された線路で、駅間が短く、列 車速度が遅い。また、快速列車の設定もあるが、追い越し設備等もなく、増発は難しい状況にある。 そこで、線路が大きく離れる松島駅近傍に接続線を設け、東北本線を北上した列車が仙石線に乗入れる計画とし、 松島駅起点方に接続線を設けることとした。この接続線の整備のためには、図-2に示すとおり、東北本線に分岐 器3台、仙石線に分岐器1台の合計4台を挿入する必要がある。この4台の分岐器は、いずれも営業線に挿入する ため、安全・安定輸送の確保を第一に施工する必要がある。 それぞれの分岐器工事における施工計画と施工実績を以下に報告する。 3.. 分岐器挿入工事. (1)施工条件 4台の分岐器の施工条件を以下表 ―1に示す。 分岐器を挿入する箇所は、地形上狭 隘な箇所であり、事前に組立てるスペ ースを確保できないため、組立が確保. 図-2. 接続線分岐器挿入概要. 出来る場所から、分岐器を横移動・縦 表―1. 移動する必要がある。横移動はそろば んローラーを横移動架台と分岐器の. 番号. 間に挟み分岐器の自重とローラーの. ①. 東北本線. ②. 東北本線. 滑動で移動する方法で計画し、縦移動. ③. 線区. 施工条件. 台数. 組立スペース. 横移動. 縦移動. 下り線. 1. 狭隘箇所なため無し. 6.5m. 80m. 上り線. 2. 有. 8.0m. -. 1. 狭隘箇所なため無し. 5.0m. 35m. 仙石線. においては担車をレールに載せ、その キーワード:分岐器施工計画 連絡先:〒980-8580 宮城県仙台市青葉区五橋 1-1-1 TEL:022-266-9660. FAX:022-262-1487.

(2) 土木学会東北支部技術研究発表会(平成26年度). 上に分岐器を載せて線路方向に移動する計画をした。. 断面図. 分岐器. (図―3、4参照). そろばんローラー. (2)施工計画. 横移動架台. いずれの分岐器工事においても、主に「現在線軌きょう撤去⇒分 岐器移動(横移動、必要により縦移動)⇒分岐器据付調整⇒バラス. 図-3. そろばんローラー配置断面図. ト投入⇒軌道整備⇒検査」の施工順序で計画した。また、時間内に. 断面図. 分岐器を確実に施工する必要があることから、事前に分岐器設置箇. 分岐器. 所の位置と高さについて以下の通り計画した。 ① 位置の管理. 担車. 事前に分岐器を設置する前後のレールを切断して継目を構成し、 所定の分岐器据付位置を確保しておくこととした(図-5)。これま. 図-4. での分岐器工事の実績では、作業当日に挿入箇所のレールを切断し. 担車配置断面図 分岐器 後端. 分岐器 前端. て、所定の位置に分岐器を設置する方法がとられていたが、今回は、 温度変化を考慮し、レール切断作業を挿入当日と同じ時間帯で分岐. 分岐器全長. 器全長を測定し、既設レールを切断し継目を構成した。これにより. レール切断 継目構成. レール切断 継目構成. 当夜のレール切断及びレール孔空け作業を無くす事ができ、30 分程. セ. セ. 度時間短縮できた。 図-5. ② 高さの管理. 分岐器設置箇所の位置管理. 既設軌きょう撤去においては、撤去するバラスト量を管理するた 分岐器 前端. 分岐器 後端. 高さ管理杭. め、前後のレール高さに合せて分岐器を据付けることと、バラスト の撤去量を最小限にして、分岐器設置後のバラスト投入時間を短縮. 分岐器全長. するため、事前に高さ管理杭を設置した。高さ管理杭は、分岐器設 施工前(PCマクラギ). 置箇所の前端から後端まで 10m 間隔で、バラスト撤去量が最小にな. 施工後(分岐マクラギ). レール. レール. るようにマクラギ下端から 30mm の深さに埋め込んだ(図-6) 。こ. 340mm. 370mm. れにより設置高さの確保とバラスト撤去・投入量の適切な管理がで 30mm. バラスト撤去高さ. き、効率的に作業を進めることができた。 4.. レール上端 344mm ~ マクラギ下端. 高さ管理杭(事前埋込み). 施工実績 図-6. 以上の計画により、作業当日は、継目を解体するだけで分岐器設. 分岐器設置箇所の高さ管理. 置位置を確保でき、レール切断に要する時間を省くことができた。また、高さ管理杭が露出するまでバラストを撤 去したことで、設置高さの確保とバラスト撤去・投入量も適切に管理でき、効率的に作業を進めることができた。 施工実績を表―2に示す。 表―2 時刻 経路閉鎖. 23. 下り. 1. 2. 施工実績 3. 4. 5. 6. 7 【凡例】 計画 実績. 上り. 作業内容. 数量. 現在線軌きょう撤去. 30.0m. 分岐器横移動. 6.5m. 分岐器縦移動. 80.0m. 分岐器据付調整. 1.0台. バラスト突入. 30.0m. 軌道整備. 40.0m. 検査. 40.0m. 5.. 0. おわりに. 本工事は、限られた間合の中で確実に施工することが求められたが、関係者の協力により、無事予定通り. に分岐器施工を行うことができた。 今後も、 安全に最大限留意しながら引続き施工を進めていく所存である。.

(3)

参照

関連したドキュメント

第1部は日本植民地時代の映画に関する検閲統制 の関連法令と統制機関を詳しく分析している。著者 は映画の関連法令を,

本研究では、2005年日本国際博覧会における円滑 な観客輸送の実現をめざし、会場周辺道路整備後におけ

実験概要

実験対象区間では、大きく分けて国道 54 号線経由と 旧道経由の2系統のバスが存在する(図 3) 。方面の分 岐が多い「国道 54

いるが,1000 回程度まで線形的な増分をしているが,部材角 0.0005 以降で,急激に増加が始まっている.一方 5Hz の方は 100

像から右折車が流入部停止線および交差点内の誘導停止線を通過する時刻を読み取り,分析は右折需要が多く過

歩行者と車両の通行を時間的に分離する歩車分離信号 が導入されている。警察庁は、全国で約 1600 箇所ある 歩車分離信号を平成15

対象橋はⅡ種地盤に架かる図-1に示すような分散ゴム支承(RB)を有する橋脚高さ 10 m一定の PC12 径