日本内科学会雑誌第97巻第7号
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(2) 1554. 表 1. 診断上重要となる主な悪性リンパ腫関連マーカー(非細胞表面マーカーには「*」を付す) 全般 CD45 CD34 TdT* CD30 ALK1 EMA bcl 2* cycl i nD1* * MI B1(Ki 67). T細胞関連 CD1a CD2 CD3 CD5 CD7 Tcel lr ecept or CD4 CD8 gr anz ymeB* TI A1*. LCA:白血球共通抗原 造血前駆細胞 リンパ球前駆細胞(核) 活性化抗原〈Hodgki nリンパ腫〉 未分化大細胞性リンパ腫キナーゼ 上皮系抗原,活性化抗原〈ALCL〉 非胚中心 Bリンパ球,Tリンパ球(細胞質) 細 胞 周 期 関 連 蛋 白(核)〈mant l ecel l l ymphoma〉 同上,増殖マーカー(核). 胸腺 Tリンパ球,Langer hans組織球 汎 Tリンパ球系抗原 同上 同上 同上 同上(αβ型 / γ δ型:Tリンパ球系である ことを確定する抗原) ヘルパー Tリンパ球,単球(弱陽性) 細胞傷害性 Tリンパ球 細胞傷害蛋白(細胞質) 同上:Tcel lr est r i ct ed i nt r acel l ul ar ant i gen1(細胞質). NK細胞関連 CD56 CD16 CD57. 汎 NK抗原,神経系細胞(NCAM) 汎 NK抗原,好中球 NK細胞,神経系細胞の一部. B細胞関連 CD10 CD19 CD20 CD22 CD79a* PAX5* I mmunogl obul i n CD21 CD23 FMC7 CD 38 CD138 bcl 6* MUM1*. 前駆/ 胚中心 Bリンパ球 汎 Bリンパ球系抗原 同上 同上 同上(細胞質) 同上(核) 同上(重鎖/ 軽鎖) EBV受容体,濾胞樹状細胞 BCLL/ SLL,濾胞樹状細胞 非 BCLL/ SLL系抗原 形質細胞,胸腺 Tリンパ球 形質細胞 胚中心 Bリンパ球(核) 非胚中心 Bリンパ球(核). 帰属等とは異なって,より密接している腫瘍や亜型がある場合は〈 〉内に示す. は非特異蛍光が生じやすいなど,手技的に難し. 2.細胞表面マーカー検索と免疫組織化学. い点が多いため検索対象の適応はかなり限られ ている (診断学的には細胞質のmyeloperoxidase. 表面マーカーは細胞浮遊液中においてそれを 1). 認識する抗体(蛍光標識)と反応し(図 2 左) ,. やCD3, 免疫グロブリン, 核のterminal deoxynucleotidyl transferase等) .. 蛍光強度等の情報は現在ほとんど例外なくフロー. 一方,病理医が日常の診断業務で頻用してい. サイトメーターという機器(染色された多数の. る免疫組織化学では組織切片を使用しているた. 細胞の蛍光強度等を高速度で電気的なシグナル. め細胞の横断面全体に一次抗体が反応する(図. 情報に変換してコンピュータ解析を行う機器1)). 1) 2 右) . そのため理論上は細胞表面のみならず細. で検出されている.そのような細胞の解析手法. 胞内すべての物質局在を顕微鏡下で同定できる. をフローサイトメトリーという.. ことになり,それはフローサイトメトリーにお. 通常,フローサイトメトリーでは細胞膜表面 のマーカーを蛍光標識抗体で認識することが目. ける通常の検出対象が細胞表面の抗原であるこ とと大きく異なる点である.. 的の殆どであるが,細胞膜を適切な試薬で処理. 悪性リンパ腫は白血化の可能性を含む全身性. することで適度な“穴”をあけ,抗体を通過さ. の血液疾患であるが固形腫瘍に分類され,それ. せることによって細胞質や核に存在するマーカー. 故に病理医がその生検組織の診断に携わる.そ. を検出することが可能である.ただ,その場合. のため,かつて悪性リンパ腫の免疫学的表現検. 日本内科学会雑誌 第97巻 第 7 号・平成20年 7 月10日. (42).
(3) 1555. 3μm. 免疫組織化学 (この場合は核内抗原) ▲ 抗原物質 ● 蛍光物質(左) ○ 二次抗体・アビジン・ビオチン・ ペルオキシダーゼ複合体. フローサイトメトリー (細胞表面の抗原のみ). 図 2. 浮遊細胞(フローサイトメトリー)と組織切片(免疫組織化学)に おける,抗体による抗原認識部位の違い.フローサイトメトリーでは検出 目的の物質(=マーカー=抗原)に特異的な抗体に蛍光色素が直接標識さ れており,免疫組織化学ではその次にビオチン標識した二次抗体,最後に アビジン・ビオチン・ペルオキシダーゼ(POX)複合体を反応性させる方 法が一般的である.. 索は専ら免疫組織化学のみで行われてきた.し かし, (1)発生母地であるリンパ球自体が免疫 学の分野において抗体 (種類が飛躍的に増加) と. 3.フローサイトメトリーとabnormal cell population. フローサイトメーター(極めて高度に発達)が 強力な手段の一つとして解明が進んできたこと,. 一般論として,急性白血病や骨髄腫の多くは. (2)固形癌とは異なって悪性リンパ腫の構成細. 腫瘍細胞が検体中で優勢(半分以上)であるこ. 胞が本来の性格上浮遊状態になりやすいこと,. とが多いため百分率表示のみでも腫瘍細胞の抗. (3)感度の高さや二重染色の容易性といった長. 原発現状況を把握しやすい.一方,悪性リンパ. 所を有していることなどから,近年,悪性リン. 腫の場合は種々の割合で反応性のリンパ球が混. パ腫症例においては免疫組織化学以外にフロー. じるために百分率表示のみでは腫瘍細胞の表現. サイトメトリーによる細胞表面マーカーの検索. 型を確定するのは少なからず困難である. また,. も併用されるようになってきた.日本で(見聞. フローサイトメトリーの結果に接するにあたっ. 上恐らくは世界でも)最初にフローサイトメト. ては, (a)その百分率表示の数値は,生化学等. リーを商業ベースで悪性リンパ腫の病理診断シ. で単位(g! dlやIU! ml等)によって示される数値. ステム(病理組織学的観察・染色体分析・遺伝. と違って絶対値ではないため質的に別物である. 2). 子解析と共に構成されるREAD system ) に組み. ことを認識すること,そして, (b)フローサイ. 入れて本格的に実用化させたのは筆者であり. トメトリーにおける解釈の基本は,二重染色に. 3). (1989 年) ,その後はWHO分類(2001 年) でも. よる展開図(以下,チャート)を読図して異常. フローサイトメトリーの併用が診断学的に有用. な細胞群[abnormal cell population (ACP)また. であることが示され,現在ではかなり一般化し. はunusual cell population (UCP) ] を見出すことで. てきている.. あること,の 2 つが大前提となる4,5). その理由は,二次元展開をしているフローサ (43). 日本内科学会雑誌 第97巻 第 7 号・平成20年 7 月10日.
(4) 1556. 表 2. 悪性リンパ腫のフローサイトメトリーで abnor malcel lpopul at i on(ACP)を見出す手がかり I mmunophenot ypeⅠ 免疫グロブリン軽鎖の発現による偏り(l i ghtchai nr est r i ct i on)の有無を見る.反応性の正常 Bリンパ球の場合は kappa鎖と l ambda鎖の陽性細胞が混在している(図 4a)が,大部分の B細胞性リンパではいずれかに偏る(図 4b) ことから ACPが存在するものと判断できる.それを l i ghtchai nr est r i ct i on(LCR)といい,一般的に kappa鎖が l ambda鎖の 3倍以上か l ambda鎖が kappa鎖の 2倍以上陽性の細胞が存在することをもって判断する. I mmunophenot ypeⅡ 正常細胞とは異なる抗原発現様式を示す群の有無を見出す方法: (a)汎 T細胞系抗原(CD2,CD3,CD5,CD7,TCRαβ 鎖)や汎 B細胞系抗原(CD19,CD20,CD22,CD79a)のうち,1つないしそれ以上の抗原が発現していない場 合,(b)異系列の抗原が出現している場合. I mmunophenot ypeⅢ 末梢のリンパ装置では存在しないか極端に少ない細胞(CD1a陽性 Tリンパ球,CD4+ CD8+細胞,γ δ Tリンパ球, NK細胞,顆粒球や単球等)が,特に大型細胞群において検体の全体の 10~ 20% を越えた場合,ACPであること が多い.. イトメトリーのチャート上では,相対的に少な い細胞数(チャート上のドットの分布密度が高. 4.読図の流れと結果の表記. ければ数 10 個程度から) でも 1 つの細胞群とし て視覚的に認識できるからである.白血病検体. ACPは主に表 2 の基準に従って抽出・判定す. では概ね白血病細胞が半分以上のため百分率表. るが,読図によってACPを見出しやすくするた. 示でも抗原発現様式の把握が容易であるのに対. めに重要な点は次の 2 点に集約される.. して,検体中に占める腫瘍細胞比率の幅が大き い上に半分以下∼わずか数%程度という腫瘍細. (1)抗体の選択と組み合わせ:それぞれを適 切に行うこと.. 胞比率が多い悪性リンパ腫検体においては,百. (2)読図ラインの設定:一定の流れに沿って. 分率表示よりもチャート上にドットで描出され. 効率的に読図できるよう,チャートを配置する. る細胞群を読図した方がACPを検出しやすい.. こと.. つまり,百分率表示において数値上の差異が微. それはあくまでも病理診断の作業過程におい. 妙故に判定困難な場合でも,チャートの読図と. て免疫組織化学と併用することを目的としたも. いう形態学的パターン認識(morphological pat-. のであるが,その 2 点を最大限に考慮した「悪. tern recognition)によってしばしばACPとして. 性リンパ腫のフローサイトメトリーにおける理. 抽出できるわけである(図 4,図 5) .. 想的な抗体の組合せと読図の流れ」を図 3 に示. また,細胞浮遊液作製という物理操作のため. す.それはACPが描出されやすいように工夫し. に生じる死細胞や間質成分に由来する非特異蛍. ており4), 更に, 今後想定される抗体治療 (CD22). 光によっても百分率の数値が大きく崩れてしま. やrituximab治療との関連でCD55 とCD59 を加え. うが,これは 7-amino-actinomycinD(7AAD:. ることで抗体治療医学の面で有用な情報を得る. 核と反応する蛍光色素)を使用する死細胞除去. ことも視野に入れている. また, 上記の基本セッ. 4). 法によって大幅に改善される .また,悪性リン. ト(検索する抗原数を 18 種類に絞っている)の. パ腫症例のフローサイトメトリーでは,白血病. 結果から 2∼3 つの亜型を想定できる場合はその. 細胞とは大きく異なり, CD45 によるゲーティン. 鑑別に必要となる対象抗原を 2ndセット(図 3. 4). グの意義付けはかなり低い .. 下段)として追加する方法は,費用対効果の面 から推奨される. そのような条件を一定にしたとしても,実際 にフローサイトメトリーのチャートを読図する. 日本内科学会雑誌 第97巻 第 7 号・平成20年 7 月10日. (44).
(5) 1557. λ κ. NC. CD56. CD10 CD2. CD20. CD19 CD22 D2. CD3. CD4. T系抗原 の群. B系抗原の群 CD45. CD8. CD5. CD13 D1. TCR. CD7. 反応性 Bリンパ球. γδ. TCRαβ CRα. 反応性 Tリンパ球. CD30 D3. 優勢群無し象限.
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(32) . (45). 日本内科学会雑誌 第97巻 第 7 号・平成20年 7 月10日.
(33) 1558 B 細胞性リンパ腫. 反応性リンパ節. <正常パターン>. λ-ch.. λ-ch.. <腫瘍性パターン>. κ-ch.. κ-ch.. 図 4. kappa鎖(FI TC標識抗体:横軸)と l ambda鎖(phycoer yt hr i n 標識抗体:縦軸)のフローサイトメトリーの結果(二次元展開図) .反応性 リンパ節(a)では kappa+細胞が若干多いものの基本的には両者が混在し ているが,B細胞性リンパ腫(b)では明らかかつほぼ完全に kappa鎖側 にシフトしている[=反応性パターンで存在する l ambda鎖群があるべき ところ(=水色の点線部)にドットの集中が無い]ため abnor malcel l popul at i onと判断できる.. T 細胞性リンパ腫. 反応性リンパ節 <正常パターン>. CD 7. CD 7. <腫瘍性パターン>. CD 2. CD 2. 図 5. CD2(FI TC標 識 抗 体:横 軸)と CD7(phycoer yt hr i n標 識 抗 体:縦軸)のフローサイトメトリーの結果(二次元展開図).左:反応性リ ンパ節(a)では CD2と CD7の双方に陽性を示す正常の反応性 Tリンパ 球が一つの集団として右上方の象限に存在する.右:一方,ある種の T細 胞性リンパ腫では CD2陽性・CD7陰性という群が右下の象限に abnor malcel lpopul at i onとして観察される[=反応性パターンで存在する CD2+ CD7+群があるべきところ(=水色の点線部)にドットの集中が 無い]が,このような一群は反応性リンパ節では見られない.. にあたって,その見方は担当者によって多少異. トは概ね共通しており,それらを流れに沿って. なる.とはいえチャートの読図によってACP. 示す(表 3) .フローサイトメトリーのチャート. を見出すため,或いは見逃さないためのポイン. を読図する作業は何回か繰り返すことで慣れて. 日本内科学会雑誌 第97巻 第 7 号・平成20年 7 月10日. (46).
(34) 1559. 表 3. フローサイトメトリーの各チャートを読図する際のポイント Lambda. Kappa. CD45. CD22. CD19. CD13. CD20. CD5. CD10. ・右上がり 45度の像(灰色部分)は非特異的な反応(主に Fcr ecept or等による)を意味している.原 則として「 」に群は見られないので kappa鎖と l ambda鎖を共に発現するリンパ腫であることを示 すには慎重を要する. ・kappa象限,l ambda象限にそれぞれ偏った群があれば l i ghtchai nr est r i ct i onを意味する. ・他のチャートで B細胞陽性群が優勢なのにもかかわらずその割合より kappa象限と l ambda象限の和 が著しく少ない時は,免疫芽球 /形質細胞が多いか B細胞性腫瘍であることを意味する.後者の場合は 抗体の種類を(例えば pol ycl onal抗体に)変えてみることも一法である. ・リンパ球増殖性病変においては CD45陽性細胞が大部分を占めていることを確認する.特に大型細胞 群において CD45陰性細胞が有意になったら非白血球系腫瘍を考える. ・正常リンパ球より弱い蛍光強度を示す CD45陽性群が出現している場合はリンパ芽球性リンパ腫,大 型細胞群で CD45が陰性の場合は非白血球系病変の可能性がある. ・反応性の場合,Bリンパ球は「 」の様な群となり,CD45象限には Bリンパ球以外が群をなす. ・CD22は CLL/ SLLで弱陽性になることが多いとされているが,それ以外の B細胞性リンパ腫でも減弱 ないし陰性になることがある. ・B細胞性リンパ腫(特にリンパ芽球性)や顆粒球肉腫でそれぞれ CD13と CD19が aber r antに発現 する場合,「 」象限に細胞群がみられることになる. ・CD13象限のみに陽性を示す群の si descat t er gr amのシグナルが低ければ(=顆粒成分が少ないこと を反映)腫瘍性の可能性が高い. ・CD19発現の有無にかかわらず,CD13陽性群がある場合は,CD34,CD33,MPOの検索を追加 して骨髄球系か否かを確認する. ・CD5とCD20が共陽性を示す群が「 」象限にみられるのはCLL/ SLL,mant l ecel ll ymphoma,CD5 陽性のdi f f usel ar geBcel ll ymphomaが主であり, いずれも多くの場合, CD5の発現 (蛍光) 強度はCD5 象限のTリンパ球のそれよりも若干弱い.この場合,FMC7とCD23を追加してCLL/ SLLと鑑別する. ・かなり稀だが,CD20陽性の T細胞性リンパ腫の場合も「 」 群に細胞群が生じる. ・CD20の発現強度は時に二峰性を示すが, 反応性と腫瘍性の双方の場合があり, 前者の意義付けは不明である. ・形質細胞(正常では CD20が陰性)がかなり多くなると,CD20の陽性率は CD19や CD22のそれ よりも有意に少なくなる. ・CD10陽性の T細胞性リンパ腫細胞群(特に angi oi mmunobl ast i cTcel ll ymphomaの場合に生じ る)が「 」象限に無いかどうかチェックする. ・CD10象限のみに陽性群をみるのは正常の胚中心 Bリンパ球か CD10陽性 B細胞性リンパ腫,ない し CD10陽性 T細胞性リンパ腫ながら CD2が欠失した場合等であるが,前 2者については κ鎖・λ 鎖の l i ghtchai nr est r i ct i on等で確認する.. CD2 ・反応性の場合は「 」のように Tリンパ球が一群となる. ・蛍光強度がずれて 2群に分離する現象は腫瘍性病変でみられ易いが,反応性でも時に生じることがあ る. ・CD7象限か TCRαβ象限のいずれかに明瞭な偏りを示す細胞群があれば腫瘍性といえる.. CD7. TCRαβ. CD56. CD3. CD8. CD4. TCRγδ. ・NK細胞性のリンパ腫細胞の場合,CD56象限ないし「 」象限に細胞群が生じる.ただ,反応性の場 合でも NK細胞群 10~ 20% 程度混じることがあるので,大型細胞群においてそれが優勢になれば腫 瘍性の可能性がかなり高まる. ・大型細胞群において CD56象限のみに有意な群が偏った場合は,CD56が陽性の B細胞性リンパ腫か 非造血器系腫瘍(対照は小細胞性未分化癌や筋原性/ 神経原性肉腫等)を考えるが,CD45や B系抗原 が陰性であれば後者となる. ・免疫グロブリン軽鎖とは異なり, CD4ないしCD8のいずれか一方に極端に偏った群が出現しても, それのみ で腫瘍性と断定することはできない. もちろんT細胞性リンパ腫の表現型を反映していることもあり得る. ・CD4とCD8が共陽性を示す群を 「 」 象限に見た場合, 或いはT系抗原が優勢なのにもかかわらずそれら が共陰性の場合, TLBLかATLLを考え, それぞれCD1a/ CD34/ TdT, HLADR/ CD25等を追加する. ・汎T系抗原陽性細胞がかなり低率であるにもかかわらずCD4弱陽性群が有意な場合は単球系の存在を考える. ・CD8が極端に優勢の場合,断定はできないものの EB vi r us感染に伴う反応性変化,Hodgki nリンパ 腫や癌との共存等も考えられるが一定していない. ・CD30,TCRγ δ陽性細胞が大型細胞群においてかなり優勢な群として出現するのは,それぞれ未分化大 細胞性リンパ腫,γ δ T細胞性リンパ腫の場合である. ・ホジキン細胞ではゲーティングを工夫すれば少数の CD30陽性細胞が得られることがある.. CD30 反応性リンパ球増殖病変では細胞群が生じないか,mi norpopul at i onをみるに過ぎない象限. CLL :chr oni cl ymphocyt i cl eukemi a,SLL :smal ll ymphocyt i cl ymphoma,TLBL :Tcel ll ymphobl ast i cl ymphoma, ATLL:adul tTcel ll eukemi a/ l ymphoma.. (47). 日本内科学会雑誌 第97巻 第 7 号・平成20年 7 月10日.
(35) 1560. 表 4. フローサイトメトリーの読図結果を示すための Pat t er n分類 Pat t er n5/ Neopl ast i c Ri ghtChai nRest r i ct ed Aber r antorExpandedPopul at i on Myel oMonocyt i c CD56 onl y Pat t er n4/ Pr obabl yNeopl ast i c Pat t er n3/ At ypi cal At ypi calT When CD1aposi t i ve cel l s and CD4+ CD8+ cel l s ar e pr edomi nantbyf l ow cyt omet r y,i ti s qui t edi f f i cul tt odi st i ngui sht hymomaorpr ecur sorTl ymphobl ast i cl ymphomawi t houtcl ear l ackofpanTcel lant i gen (s)ordef i ni t eaber r ancy.Ther ef or e,suchr esul ti scl assi f i edher e. Langer hanshi st i ocyt osi s,CD1a+ andCD4+ ,i sal soi ncl uded. Pat t er n2/ React i vewi t h(a)Pr edomi nantComponent (s) Pat t er n1/ React i ve Pat t er n0/ I nsuf f i ci entmat er i alf oranal ysi s. くるし, 概ね一定している定型的な反応性パター. しなかった抗原の発現をみることさえある.ま. ンを熟知すればそれと異なる分布を示すACP. た,フローサイトメトリーでは機器がとらえた. を見つける確率も向上してくる.そのような点. 電気的信号をみているので,腫瘍細胞の形態と. は血液塗抹標本や病理組織標本で形態学的観察. 表面マーカーの発現状況との間に乖離がないこ. を習熟していく過程に多少とも類似している.. とをチェックするため, 常にHE 標本や免疫組織. 最終的な読図結果は共通の表現方法で示され. 化学標本による形態学的観察と併せた総合評価. るべきであるが,残念ながらそれはまだ存在し. による判断が必須である.. ない.筆者は,読図結果を示す方法として表 4 のような 6 段階に分類 (Pattern Expression System)を提唱している5)が,読図結果を表わすた めの共通の表記方法を策定することは今後の大 きな仮題と言えよう.. 5.総合評価による判断 細胞表面マーカー検索を含め,リンパ腫細胞 の免疫学的表現型検索においては必ずしもその カウンターパートとなる正常細胞と同じとは限 らないし,発現を予想される抗原が陰性であっ たり或いはその逆であったりする.しかも予期. 日本内科学会雑誌 第97巻 第 7 号・平成20年 7 月10日. (48). 文. 献. 1)押味和夫編:カラーテキスト 血液病学. 中外医薬社, 2007. 2)一迫 玲:悪性リンパ腫における病理への提出と全国レ ベルの診断向上について.血液・腫瘍科 50(6): 557― 562, 2005. 3)Jaffe ES, et al : WHO Classification of Tumours, Tumours of Haematopoietic and Lymphoid Tissues. IARC Press, 2001. 4)一迫 玲,他:悪性リンパ腫診断のための解析―その結 果をどう解釈すべきか?―. 血液・腫瘍科 55 : 101―111, 2007. 5)Ichinohasama R, DeCoteau JF : Pattern expression system of flow cytometry for immunophenotyping of malignant lymphoma. Cytometry Res 15 : 1―9, 2005..
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図
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