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多文化福祉社会形成におけるコミュニティ福祉政策

著者

三本松 政之

学位授与大学

東洋大学

取得学位

博士

学位の分野

社会福祉学

報告番号

乙第188号

学位授与年月日

2010-01-25

URL

http://id.nii.ac.jp/1060/00003948/

Creative Commons : 表示 - 非営利 - 改変禁止

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多文化福祉社会形成におけるコミュニティ福祉政策

(4)

はじめに.._..__.__..___.__....__..____.._..._....__.___._.__._.1 序 章 多文化福祉社会のために__.____._____._............___....._g 第1節 地域福祉の展開とコミュニティ形成の試み______...____._._._.____.9  1.社会福祉システムの転換..______.______..____.__._.._.一一一....__9  2.地域福祉の新たな課題一「つながり」の構築______.__._____,.__10  3.気づきのない排除一社会的包摂の課題______._____一____㎡.___11  4.コミュニティの意義___...._..______.____ ,.,_..____..____]2 第2節 排除型社会におけるコミュニティ形成___._.__.._._____.___..___..14  1.支えあう関係..______.____.._.__ ______._._____.__._14  2.福祉コミュニティ形成と臨床性_._____._____._.___.___,,______15  3.「ありうるもの」の探求_____..______.___....__.___._.....____16  4.先行研究にみる多文化共生論の課題.__.....,__._.___._._._.,,,....._....._._−17 第3節 多文化福祉社会を問う意味______.._____.._..__.____.__.____23  1.多文化主義___.__..______._____._.__.._.__.______....___23  2. 「多文化共生社会」理念の拡大........一,,._.____._......_..._........_.____.........24  3.「外国人」問題への対応から「移民」政策へ______.__....______..___26  4.多文化福祉社会と福祉コミュニティ__.____.___.___,___..………・…一…….31

第1章 響導概念としてのコミュニティー福祉コミュニティの設計一___.34

第1節 生活変動と地域社会._._,_............_._.._..._.......,_._._._..._.__.......34  L生活課題への対応と地域社会_.,.,,.._._._....._.____._._._.._.__,,一一_.__.、34  2.生活課題への認識______._____..___.__..______.._.____36  3.大都市の衰退と新たな生活課題___..__.___.___..______.____.__38 第2節 地域コミュニティ論______..___.___...______.____._._.__39

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 1.地域社会類型モデル_________.__._  2.コミュニティ論の陥穽__...___._____.  3.コミュニティ形成に課せられた課題_____ 第3節 コミュニティをめぐる同質性と排他性.___._.._  1.匿名性と異質性______.______..__  2.コミュニティの2つの原理______.___..,  3.精神的絆で結ばれている社会関係______..  4.コミュニティの組織原理とコミュニティモデル 第4節 包摂するコミュニティ._____.  1.機能的コミュニティと福祉コミュニティ.  2.福祉コミュニティ形成と臨床の知._._..  3.広義の福祉コミュニティ___.__. .39 ,39 、,40 .._...._...   ....  ......42       ,42       .43       ,44       、.・15 .48 .,48 ,50 .52

第2章 排除するコミュニティー一社会福祉施設==地域社会コンフリクトー一

..._..■,............_.._.....t■................t._......._._.................■t......__.............._..55 第1節 迷惑施設と地域社会コンフリクト__..____.__._.___.____..__..__.55  1.地域社会における福祉の焦点化.._._._..._._._._._..__.、_..._.._._一.._,_._.._.55  2.施設=地域コンフリクト______.______.___..__._____.._.___55 第2節 施設=地域コンフリクトと施設社会化論.____.__._.._____._._____58  1.’70年代の施設=地域関係の新展開一______.__...___....______..____58  2.施設社会化論___.___.______.____.__._____.…・…………・…・…・……58  3.施設社会化論の限界______,.__..____.……・………一………・・………・・60  4.社会福祉施設へのまなざし__._.__.___..._...、._..___.__.__………61 第3節 施設=地域コンフリクトにみる「迷惑」の構造的把握......._._._.._._._._.__63  1.課題の限定.______._____._.___.___.___.___._____......___63  2.「問題関連圏域」の設定__.______._._____.______.___.___._…63  3.「生活権」意識と施設建設にかかわる住民の地域社会イメージ._._..._._,..__....._..65

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第4節排除から包摂へ一施設=地域コンフリクトの克服の視点..  1.住民運動論的視点の検討.,_...._  2.「受益圏」・「受苦圏」概念の検討__,___.._  3.住民の態度・意識変容への新たな契機___.  4.福祉コミュニティ形成への示唆___.__ .68 ,68 ..69 ,70 .72 第3章 外国人労働者の社会的排除と生活問題........_...__._._.____.._75 第1節 外国人労働者から生活者=地域住民へ一.._._._..___._....._一..........__......,75  1.外国人労働者の社会的排除_____._._______,______._._____..75  2.外国人労働者の流入___.___.______.______._______.__._76  3.滞在の長期化______._____.______.____....____...._77  4.デカセギ労働者から移住生活者へ___.,,_.. _.___,..._______78 第2節 生活福祉の視点_._.____.______....__.____..______...____79  1.外国人労働者から定住する生活者へ_.____.___..._.._.. ____._79  2.気づきの枠組み__.._._.._____..______._____._._____....._81  3.生活福祉とボランティアの位置づけ__.__._.______.______..____83 第3節生活支援の課題______...______..______.______._____85  1.社会的排除の視点______.______.______.______._____.85  2.景気後退と定住者生活へのその影響_____...______...______.____.,86 第4節 生活課題とその支援策______.____..__._____.._・…………・・…………88  1.外国人労働者をめぐる生活課題_._____...______.______.._._____...88  2.外国人労働者をめぐる課題の構図______.______.,.______.___.__90

第4章 外国人労働者の定住化の現状と生活実態

一一

卲nブラジル人の生活実態に関する調査をもとに一一....__.__.___95 第1節 調査対象地の概要__.____..____._._.___.__._.______..___95  1.岐阜県中濃圏域の動向..__.____、..._…・.’…,…・..…一,,,・.…・……..….......…・…・…・..・…−95

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 2.岐阜県における外国人労働者の分布...,.__.  3.岐阜県の生活支援施策__.___.___−  4.生活課題分析の視点.... 第2節 日系ブラジル人の生活実態に関する調査. ._ ._  1.調査の概要___..______....___  2.基本属性__.  3.生活課題の規定要件_...___.._____.,  4.日本での生活一. 第3節 複合的生活課題への対応.______.._    _.  1.課題の整理._______..._..  2.求められる生活支援.._  3.外国人労働者への生活支援______.__ 第4節 先駆的・実践的な支援活動______...  1.ボランタリー領域からの支援と気づき__.  2.日系ブラジル人支援にみる実践活動__....

ρ08Q∂QUQuQ立

.._..__....._100       ,lOO       ,100       ,103       .108 .111 .111 .114 .115 .117 .117 .118

第5章 日本における多文化社会への政策的対応

一一リ国の多文化統合政策への転換からの示唆一一__.___...______121 第1節 日本の外国人労働者受け入れ政策の変遷_____._._.___.__.______121  1.欧州における外国人労働者受入れ政策______.___..___.____.__..__121  2.日本の出入国管理政策._____.______._____.____……・…一……123 第2節 韓国の多文化社会化と移民政策__.__.__..___.___.__._.___.___126  1.韓国における外国人労働者の増加.._._._._._,_._,._._.__._._._.__.__._.,.126  2.韓国移住民人口の概要______.______.______.E.______.____127 第3節 韓国移住民政策の動向_____._.___._.__.______.__._.___...128  1.地方自治体の支援策_..__._.__.__._..._,一,一_._....__..,._._.__..__..._._128  2.地方自治体 居住外国人地域社会統合支援業務推進指針一一___.__...__.__._._.130

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 3,外国人支援機関・団体__. 第4節 外国人労働者と多文化家族______._  1.労働力需要と雇用許可制度_______..  2.多文化家族政策___  3.京畿道にみる地方自治体行政の動向..._._.  4.安山市における「外国人人権条例」の制定  5.多文化家族への支援_.. 第5節 韓国の多文化政策からの示唆.__  1.韓国の多文化政策のいくつかの特徴.  2.韓国の多文化統合政策への転換.一,_,, .131 .133 ,]33 .134 .135 .138 .]39 .141 ,141 ,143 第6章 多文化社会における福祉コミュニティ形成にむけて_..._._..........146 第1節  「外国籍移住民」観と多文化福祉社会の位置___.___..__.____.....__..146  1.政策推進の枠組みの構築____.__.______.__.___________.._.146  2.定住化の進展とソーシャル・キャピタルの深化__.___._.___一.___.、__148 第2節 福祉コミュニティモデル___..___...____.__..______  1.移住生活者への支援と地域福祉_..  2.包摂の空間_..__.._.._.__.._−  3.地域福祉計画とパートナーシップ.,  4.福祉コミュニティの位置づけ___ 第3節 社会福祉における課題認識の変化とソーシャル・インクルージョン.._  1.ソーシャル・インクルージョン論の課題______.__..____....  2.ソーシャル・インクルージョンと生活福祉の視点______.____  3.ソーシャル・インクルージョンと地域福祉計画__________ 第4節 福祉コミュニティ形成とその担い手_._  1.コミュニティ論の提起したもの___.  2.コミュニティ政策の今日的課題___. .151 .151 .153 .154 ,155 .159 ,159 ..159 .161 ■一........一■._㊨164      .164      .165

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  3.ボランタリー・セクターによる相互支援___....一一...一.一一..._.___...______._.167   4.福祉NPOと福祉コミュニティ形成..__.._._...._一._._._.______..____169   5.福祉コミュニティの苗床___.__._.____.........___.__,_._.____...__172 おわりに_____._._____._.___.__._._..___..._.__._.._._..178 [参考文献]_...__..._._.....___.._..___......_.._.__......___._183 [付記]_____.._____.._._____._..__、___._..__.____.___.__196

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はじめに 包摂型社会から排除型社会ヘ  グローバリゼーションが進行し多文化社会化する中で、移民や難民に関わるシティズン シップが問われ、国家の枠を超えた生活課題への支援や異質なi三体との共同・協働による 福祉社会形成のありようがこんにち問われている。  J.ヤング(J・ck Young)によれば20世紀の末3分の1は、社会を紡いでいた糸が急速にほ どけた時代であるという。ヤングは、この時期における市場のノJの社会への浸透と、それ に伴う社会生活の変容を背景に、 一方での個人1三義の深化、他方での社会的Ψ等への要求 の高まりが見られたとする。そして差異があらゆる領域を確実に浸食し、[安定的で同質的 な包摂型社会」から「変動と分断を推し進める排除型社会」へと移行したと述べる。包摂 型社会とは、第1次世界大戦後に登場し、「労働と家族という2リの領域に価値の中心が置 かれ、多数者への同調が重視される社会」であり、ド層労働者や女性、若者など幅広い層 の人々を取り込み、移民を単一文化に組み見込もうとするひと’ノにまとまりた川界である1。 そしてそこでの福祉国家の役割は[逸脱者を社会の周縁から中心へ連れ戻し、社会の1三要 な部分へ同化させる(assimilate)ことにあvた」とする2。  排除型社会への転換の時期は、まず1960年代から70年代にかけてでありコミュニティ や家族の因習が問題とされていた。続く転換期は1980年代から90年代にかけてであり、 それは労働市場の再編・分割による構造的失業者が発生する過程と、このような状況的変 化のもとで犯罪が発生し、その犯罪を制御することから排除が生じ、反社会的な行為が排 除的な性格を帯びていく過程であった。包摂型社会から排除型社会への移行は、同化と結 合を基調とする社会から分離と排除を基調とする社会への移行として特徴付けられている。 不確定性の高まり  現代社会においては、地理的移動だけでなく、職業選択の拡がりにともない職業階層移 動など社会の流動性が高まった。 ・方では、人びとの価1直観も多様化し、社会的共同生活 の最小単位であった核家族からも人びとは離脱し、消費をはじめとしたライフスタイルの 1Young、Jock(1999)The Exe/tlsivθ5b6∫θζ,∵Soc1没ノ」E.κc/lis∫Oノコ. C}’im e and.Difrei−ence ilコLate Modθiフniζu SAGE(2007、青木秀男・伊藤泰郎・岸政彦・村澤真保呂訳r排除型H:会』洛北出版、 P.22 2 「司h、 p.26

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個人化が進んできている。他方では、このような変化のもとでの社会生活は不確定性を高 めニリある。社会の変化と不確定性の高まりのなかで、生活の営みに関わる多様なリスク に直面する可能性が、わたしたちにはいつでも誰にでも存在している。こんにちのわたし たちの暮らす社会では、かソて家族や地域社会に求めることのできた相々:扶助にも、また 社会保障制度などの公的なシステムにも、日々の生活で生じるリスクへの対応を十分には 期待できなくなってきている。リスクへの対処は自己責任や自助努力といりた形で直接個 人に求められるようになってきている。  社会福祉は、これまで人々が生活の営みのなかで生じるさまざまな課題への社会的・共 同的な対応の制度的取り組みとして、その役割を果たし、貧困や障害者に関わる問題など 「社会的弱者」といわれる人々の抱える課題に取り組んできた。産業革命を契機とするll 業化、資本1三義化の進展は、生産の共1司の場であると同時に消費的な生活の共同の場でも あった共同体を解体した。そしてll業化とともに発展を遂げてきた近代社会には、経済的 繁栄や民}・1的で平等な社会の実現といりた光の側向と1司時に陰の側面が存在した。産業都 市ではスラムの形成などの貧困を中心としたさまざまな生活ヒの課題がIE生した。生活の 基盤としての共同体の解体が進むなかで、人びとの抱えた生活課題や困難U)解決は、まず は家族が、ときに弱体化した地域での関係が担リてきた。しかし、さらなる生活の社会化 の進展により、しだいに個人や個別家族では解決しがたい課題も多く存在するようになv た。 福祉国家とその変容  福祉国家では政府・行政が国家体制のもとに国民の福祉に“tfT,を負うことで、その向ヒ をはかってきた。資本1三義化にともなう諸課題の解決の担い手をめぐり、 ソ∫には政府に よる介人を小さくし、規制を緩和して政府の担っていた役割を市場に委ねるという新自由 1三義の、1五場があり、他方には、市場経済を否定するのではなくその改良を重ね、同時に人 権の尊重、連帯、平等などの実現を重視していこうとする社会民1三1三義の考え方がある。  この論議のなかでは、市場メカニズムの働きの結果としての1市場の失敗」、政府1…導の 経済政策の失敗としての「政府の失敗」が指摘されてきた。[業化とともに経済的な豊か さを実現してきた先進諸国でも、経済成長の伸びが期待しがたくなり、また環境との調和 のとれた発展が求められるという現実に直面し、さらにグローバリゼーションの進展する なかで、新たな方向性が模索されているのが、ポスト福祉国家をめぐるこんにち的状況で

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ある。  福祉社会の成立の前提条件となるのはそれを支える社会の成熟度であろう。福祉社会の 考え方は、礼1祉国家の社会的基盤として巾民社会の側も1{11祉の実現に向けて責任を持っ必 要性があるとするものである。それは国家体制のもとに政府・行政が国民の福祉に責任を 負い、その推進と責任i三体は国家に限定されるとする福祉国家の考え方に対置される。  W.ロブソン(William ARobson,)は、その著1{}『福祉国家と福祉社会』のなかで、[福祉 国家は議会が定め、政府が実行するものであり、福祉社会は公衆の福祉にかかわる問題に っいて人びとが行ない、感じ、そして考えるものである1という。彼は「福祉は、単に政 府のアウトプットないしその提供するサービスのなかにだけではなく、政治が執行される 過程にも存在する。階級や個人の問の社会・経済的イい1え等を縮小することに最も熱心な人 びとは、往々にして、権力を大臣や中央集権化した官僚制に集中し、それによりて国内の 政治的・行政的不’ド等を増大することに大変熱心な人たちである。だが、そ引は福祉社会 を建設する方法ではあり得ない。自由なき福祉は、福祉なき自山と同様に望ましからざる ものである。福祉国家は、II∫能なかぎり最大限度の「1由と福ト1[を同時に具体化すべきであ る。」とし「対応する福祉社会なくしては真の福祉国家の享有}まあり得ないこと、両者は相 互補完的であること」を論じている3。  藤村IJI之はグローバル化の時代において福祉国家の揺らぎが問題となっており、「福祉達 成をド支えする経済的要因にH配りするならば、もはや、社会政策を一国内の影響関係の み完結する社会現象として理解することは難しくなってきた」と述べる。そして福祉社会 には「福祉コンシャスな社会という側面と、国家だけではなく、さまざまな行為1三体の貢 献によって社会全体で福祉を達成していこうとする側面が内包されている1とし、後者の 福祉多元i三義welfare pluralismには結果として政府の相対的撤退を許容するという批判が みられ、「Ilq家の管理}−1“k・パターナリズムを克服し〉ブノ、福祉国家と社会福祉の相η:連携 が求められるのが現代だといえよう」と指摘している4。  グローバリゼーションが進行し、移民や難民に関わるシティズンシップが問われる現代 において、福祉社会を支えていくのは誰なのであろうか。国家の枠を超えた生活課題への 支援はいかなる形で吋能になるのだろうか。 3Robson, William、 A、(1976)陥.倫τθSraτθθ刀ゴ碓漉∼/θ500∫め∵〃1z810/i∼and rea7i’ トy, Allen& Unwin.(=1980,辻清明、星野信也訳『福祉国劣くと福祉社会:幻想と現実』東京大学出版会,、 pp.215−6 1藤村正之(2009)「福祉‡i二会のゆくえ一社会的包摂と公lll1『学術の動向』第14巻第]1}、 pp.36−37

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コミュニティの再生  イギリスの社会学者A.ギデンズ(Anthony Giddens)1ま、政府がrM(i社会0)さまざまな組 織と協力して、コミュニティの再生と発展を促進するための方策の必要性を指摘する。ギ デンズは新自由i三義でもなく、旧来の社会民1三1三義でもない新たな方向性を[第二の道・ として示している。彼は「第2の道、が日指すものは、グローバリゼーション、個人生活 の変貌、そして自然と人間の関わりの人きな変化のなかで、巾民・人ひとりが白ら道を切 り開いてゆく営みの支援だと述べている。連帯感の希薄化した社会の再生にたいして1第 三の道{は、地域1三導による実践的丁・段としてのコミュニティの再生を・P:視する。ギデン ズはコミュニティを「失われた地域の連帯の建て直しを意味するのではなく、近隣、都市、 より広い地域を、社会的、物理的に刷新するための実践A〈J f一段(practical means)にほか ならない]と述べている5。  わたしたちもこんにちの変動する社会における社会的営みとして人びとが相lllに支援す ることで共通の目的を実現する共同のありノiの可能性をコミュニティに探りたい。ここで のコミュニティは、地域社会という意味ももりが、それだけではなく人々が作り出す共同・ 協働のための「場」(社会的空間)という意味をもっ。  なぜこのような意味でのコミュニティの存在がこんにちの社会において市要なのであろ うか。こんにちの社会では、日々の生活を送るヒで信頼のできる関係性とそれを実現させ る場の再構築が求められている。人々の生活はそれぞれの日的に応じた場での ・時的な関 係にとどまりがちである。人びとは、その都度の場において意識的、選択的に支えあう関 係を生み出していかざるを得なくなっている。共同・協働のきりかけは、地域という場を 離れて、人びとの日々の暮らの目的的な関係性における多様な形と機会のもとに存在して いる。しかし、それは何らかの意図的な営みとして構築されなければ、形ある関係として 維持していくことは困難である。コミュニティは、意図的に構築される関係のありようを 指し示すものとして位置ついている。人びとの生活を支える実践的手段としてのコミュニ ティのあり方に’2いて検討したい。 bGiddens、 Anthony(1998)ThθThi}7d PVa. y, Polity(1999、佐和隆光訳『第二の道 効率と公ll:の新たな同 盟』日本経済新聞社, p.139)、pp.79−8

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論文の構成  序章では、異質な1三体がいかにf llいの違いを認めながら対等な関係が築けるのかという 課題への対応の力法にソいて、福祉コミュニテ(に着日してそぴ)果たす役割を探る。第1 節では地域福祉の展開、第2節では本稿で川いる、多文化福祉社会、コミュニティ福祉政 策などの概念を紹介し、また先行研究にみる多文化共生論の課題にりいて論じている。第 3節では、各項において多文化1義、[多文化共生社会」理念の拡大、「外国人1問題への 対応から「移民」政策へ、多文化福祉社会と福祁.コミュニティを論点として論じている。  多文化社会化という新たな状況ドでの課題への取組みにおいても、異質な1…体の協働を 基にした地域からの福祉施策の実現は、生括課題認識を共イ1することから始まる。その始 まりの場はコミュニティとしての確かな輪郭をもっものではない。それは、生活課題に対 して当事者を含む多様な属性を持つ人びとによるボランタリーな実践的な活動として点在 する。それらの活動は、福祉コミュニティを具現化するための苗床となる。またコミュニ ティ福祉政策は、このような活動の場における課題の発見と問題提起を含んだ実践を基点 とし、独自の活動のみならず1課題の解決のための行政などの諸機関への働きかけや協働を 含めた諸活動を通じ生活課題を公共課題化し、制度の改1¢や新たな制度化を図る、福祉コ ミュニティの具現化に向けた施策の体系である。ここでは1ありうるもの」としての多文 化福祉社会形成の課題について論じることを提示した。  なお外国人とコミュニティをめぐる先行研究としての多文化共生に関わる議論は}三に社 会学領域で蓄積がみられる。しかし後述するように社会学領域の共牛論には、政治的な布 置連関により生じる問題が文化に原因が帰せられるなどの共牛概念の限界も指摘されてお り、本稿においては多文化共生社会ではなく多文化福祉社会とした。  第1章では、コミュニティ形成を基盤とした政策的な取り組みにあたってのコミュニテ ィ概念にっいての検討を行った。コミュニティは形成されるべきものとして措定され、響 導概念としての役割を担っている。だがコミュニティ形成過程においてコミュニティは同 質性を媒介に排他的な性格を有することがある。この点に留意するために、コミュニティ の組織原理とノーマリゼーション原理を軸にモデル化を図っている。すなわち、原理的に は開放性・異質性を特質とする包摂的なコミュニティを遠心的コミュニティ系として位置 づけ、排除することのない桔{祉コミュニティの理念モデルとして検討をしている。  第2章では、共同や連帯を実現する場への期待は大きいが、地域社会において福祉が焦 点化するとき、現実には排除の論理がみられることを、社会福祉施設の新設をめぐって生

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じるコンフリクト(社会福祉施設=地域社会コンフリクト)を事例に明らかにした。そし てその解決に向けた取り組みのなかに福祉コミュニティ形成のu∫能性のあることを論じ、 コンフリクト過程とその克服の過程にりいての構図を提示した。施設=地域コンフリクト は、地域の社会的なまとまりが排除というfi∫能性を潜在きぜそいることをもりとも極端な 形において示す事例である。潜在化したイくll∫視な社会関係の存在が、人びとの生活に関わ るような形での社会的排除を引き起こしているにもかかわらず、社会的にその排除の認識 が共有されにくい。しかし、否定的に評価されζ)コンフリクトではあるが、地域に潜む排 除という課題を顕在化させる役割(社会問題0)構築)を担うこともありここに解決への端 緒を見出すことができる。  第3章では、社会的排除のもりとも今日ll勺な社会事象の’リでありながらその困難さの 共有化が進まない外国人労働者の定住化にっいて論じる。外国人労働者は労働K一から生活 者へ、「デカセギ」労働者から移住生活者へとその位置づけを変えリリあるが、その置か引 ている状況への関心や十分な認識が持たれないまま捌除の対象となりている。外国人の福 祉課題の共有化に向けた枠組みを示し、かれらの抱える生活問題の解決}こ関わる生活支援 の課題について検討している。そして外国人労働者をめぐる課題の構図を仮設し、生活福 祉という視点からの認識の必要性を論じている。  第4章では岐阜県で実施した日系ブラジル人の生活実態調査結果を踏まえて包摂するコ ミュニティ形成への課題について考察した。調査では「意図せざる定住化1の進展が不安 定な定住生活を形成しており、かれらが複合的な生活課題を抱えていることを明らかにし た。またその課題が世界不況のもとでより深刻化していることにも触れている。調査の結 果を①就労、②住宅、③日本での居住年数、④家族の呼び寄せ、結婚による家族形成、⑤ 帰国の意図、⑥生活面での心配、⑦来日後の生活の変化、⑧相談のできる日本人の友人・ 知人、⑨利用したことのある社会サービス、⑩日本の健康保険・年金加入、⑪日本語能力、 ⑫日本社会に望むことにっいて整理した(調査結果0)概要)。生活困難は、諸要因の複合 的相tl二作用の結果として生じている。  第5章では、まず外国人労働者の生活実態に対する対応施策という点で日本の現状が体 系的な受け入れ政策を欠いていることを各国の受け入れ政策の変遷においてみた。定住す る外国人労働者等に関わる受け人れ政策の体系的な展開がみられない日本に対して、日本 とほぼ同時期に外国人労働者の増加をみてきた韓国では外国人労働者だけではなく結婚移 民者の急速な増加による多文化社会への対応を迫られ、受け入れのための移民政策的取り

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組みを急速に進めている。その背景には公共課題化の過程で民間団体が果たしている役割 がある。韓国における現状と政策的対応に注目し、国と自治体の政策的関わりにりいて検 討した。韓国の多文化政策の推進にあたりては、地方自治体とNPOなどとの連携が重視 されている。地域で活動しているさまざまな団体と行政とが、相li:の、力易や特性を認めリ ソドぱした関係のもとに、共通する課題の解決や社会的日的の実現にli’,]け、対等な、itl場か ら協議し、その結果の合意にもとづきながら、サービスの提供など協働の活動を行リてい くパートナーシップが構築さオドゾ2ある。H本においては日系人の定住化が進み、社会統 合を踏まえた移民政策への転換が政策次」[では必要とさ引てきている。  第6章では、韓国の多文化政策から示唆を/ilて、多文化社会への対応としての福祉コミ ュニティ形成に向けての課題を整理し、多文化福祉社会形成にむけたコミュニティ福祖政 策の課題を探っている。外国籍移柱民観と多文化福祉社会の位1;オ{づけにりいてまず整理し た。仮説的には、外国人労働者のニーズに応じた包摂的政策を白治体がとり、異質性を容 認する住民の志向性がみられるならば同じ構成員としてのまなざしが期待でき、外国人労 働者は生活者としての外国籍住民と位置づけられる。こんにt)H本においては国レベルで の外国人に関わる施策は入管政策が中心であり、牛活支援などの施策は自治体レベルでも 不t分な状況にある。具体的な支援における民間団体の占める位置は人きいが、財政的基 盤の確立と政策形成への参画のためのルート作りが今後の課題となる。この点において移 住生活者の支援と地域福祉の関わり、社会福祉における課題認識の変化としてのソーシャ ル・インクルージョンの視点にりいて検討し、さらに福祉コミュニティ形成の担いT:とし てのNPOなどにっいても検討している。最後に異質なi…体の協働を基にした[ド(地域) から」の福祉の構築は、生活課題認識を共有することから始まること、そのはじまりの場 が福祉コミュニティの苗床としての役割を果たすとし、実践事例にソいて紹介している。 多文化化の進展する現状での福祉コミュニティは、コミュニティ形成の苗床となるさまざ まな活動実践の広がりがEfttなり合いながら重層的な構造として形成されていく。  おわりにでは、これまでの論述をふりかえったヒで、移住生活者の福祉の現状は、 [い ま、ここ」での課題に向けての生活支援の道を生活福祉として模索し続けていること、多 文化福祉社会の形成はいまだ過渡的な段階にあること、移住生活者への支援というだけで はなく、地域福祉の体系的な福祉施策のなかに福祉コミュニティ形成の課題として位置づ けた展開が必要であることなどを述べている。そして多文化福祉社会の形成は移住生活者 への支援というだけではなく、メインストリー一ムの周縁に位置する人びとの複合化した生

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活課題への支援のあり方に関わるものとして地域福祉の体系的な福祉施策のなかに位置づ

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序 章 多文化福祉社会のために

第1節 地域福祉の展開とコミュニティ形成の試み 1.社会福祉システムの転換  近代における資本1三義経済のもとでのll業化、都市化の進展は、共同体におけるll地を 基盤とした社会関係を解体し、地域における共同性は弱化した。家族は、人びとの生活の 再生産に関わり、とくに日々の労働ノノならびに次世代にむけた労働力の再生産の☆任を委 ねられてきた。しかし、核家族化、高齢化、そして少1㌘化という家族に関わる環境の変容 により、労働力の再生産という役割を家族が1’分に果たすことは難しくなりてきた。生活 の社会化が進み家族の担リていた機能の多くは社会のさまざまな制度化さ引たシステムに 取って代わられるようにな一)てきている。福祉という制度もそのような制度のひとりであ り、その充実化が求められている。  こんにちの目本の福祉は利川者1三体の社会福祉システムへの転換にむけて人きく変革さ れっ}Pある。改IE・改称された社会福祉法では、地域福祉が法制ヒの位置づけをり’えられ 計画段階からの市民参画を位置づけた地域福祉計画の策定が規定されている。社会保障審 議会福祉部会により2002年1月に取りまとめられた「市町村地域福祉計画及び都道府県地 域福祉支援計画策定指針の在り方にっいて(・人ひとりの地域住民への訴え山ではやや長 い引用となるが次のように指摘している。  とかく、これまでの社会福祉は、ややもすると行政から地域住民への給付という形をとっ てきた。しかしながら、これからは、個人の尊厳を重視し、対等平等の考え方に基づき、地 域住民すべてにとっての社会福祉として、かつ、地域住民すべてで支える社会福祉に変わっ ていかなければならない。そのためには社会福祉に対しての地域住民の理解と協力、つまり 地域住民の参加と行動が不可欠なのである。この際、一人ひとりの地域住民に対して、社会 福祉を限られた社会的弱者に対するサービスとしてではなく、身近な日々の暮らしの場であ る地域社会での多様な人々の多様な生活課題に地域全体で取り組む仕組みとしてとらえなお し、地域住民としてこれらの多様な生活課題に目を向け自発的、積極的に取り組んでいただ

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けるよう訴えたい。6  ここでは「地域住民すべてにとりての社会福kll.‘かリ1地域住民すべてで支える社会福 祉」に変わっていかなければならないことが述べられ、続いて社会福祉を社会自弱d者に対 するサービスとしてではなく、身近な日々の暮らしの場である地域社会での多様な生活課 題に地域全体で取り組む仕組みとして捉えなおすこと、その生活課題に自発的、積極的に 取り組んでくことを訴えている。このことは社会福祉供給1ヨ本の多元化の課題といえる。 2.地域福祉の新たな課題一「つながり」の構築  これまでに見てきたのが供給システムにおける課題であるとす引ば、生活課題の多様化 に伴う新たな福祉サービスニーズの出現、外国人労働K一の登場など福祉サービス利川M一の 出現といった利川者サイドに関わる新たな状況が生まれている。  2000年0)厚生省社会・援護局長の諮問機関による「社会的な援護を要する人々に対する 社会福祉のあり方に関する検討会」報llr,}}では、社会福祉制度の充実にもかかわらず、社 会や社会福祉の千が社会的援護を要する人びとに届いていない事例が散見されるとし、現 代社会において人びとの「っながり」が社会福祉によって作り出されるということを認識 し、「人々の『つながり』の構築を通じて偏見・差別を克llllするなど人間の関係性を1股視す るところに、社会福祉の役割がある」と述べている。そして、英仏では「・ソーシャル・イ ンクルージョン」が政策H標とされているが「これらは『つながり』の再構築に向けての 歩みと理解することもli∫能であろう」としている7。  ここに見るソーシャル・インクルージョン(社会的包摂)は、ソーシャル・エクスクル ージョン(社会的排除)が前提となる。ソーシャル・エクスクルージョンとは、社会的、 経済的、政治的、文化的な関係から切り離されることによりて問題を抱えた人びとや地域 の状態を、社会的に排除されているものとして捉え、それは多くの分野と関わる構造的問 題として生じるものである。  また2007(平成19)年度版のr国民生活白,1}りながりが築く豊かな国民生活』では、 6 社会保障審議会福祉部会[市町村地域福祉計画及び都道府県地域福祉支援計1由1策定指針U)(i三り方につい て(・人ひとりの地域住民へα)訴え)」hllP://wl∼.mhl“9∫}.IP/\hingi/2〔}〔}2/{〕1/gOll)83、huni(2008年11 ∫ヨ 25 f1閲覧) 7 厚生省社会・援護局長(2000年12月8日)[社会的な援護を要つる人々に対サる社会福祉のあり方に 関する検討会報告、琴」全国社会福祉協議会(200Vr地域福祉計画に関する調査研究事業報告書 地域福祉 計画の策定に向けて』、p.21

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「家族・地域・職場のりながり をテーマとして1収りヒげ、こオ1らの[リながり1の現状、 過去からの変化、その変化が国民生活にiJLえだ;}多響、 Vながり の再構築に向けた動きな どにっいて分析している。そこでの課題は1家族や地域のきずなが希薄化した」あるいは 「職場の人間関係が希薄になった」などの1漠が聞かオ/るなかで、「地域」や「職場1のり ながりに対する人々の意識がどのように変化しているのかを問うものであるS。 3.気づきのない排除一社会的包摂の課題  厚生労働省社会・援護局長のもとに1これからの地域福祉のあり方に関する研究会1が 2007年に設置された。この研究会の開催の趣旨は、地域社会で支援を求めているf”;’に住民 が気づき、住民相η1で支援活動を行ラ等の地域住民の’ノながりを再構築し、支えあラ体制 を実現するための方策を検討するためと示さ引ている。  そして各種福祉施策の利用方式が措置から契約に変わり、利川者のニーズにあわせた分 野別のフォーマルサービスの整備が進み、また高齢∼f等ができる限り{iみ慣Zlた地域や家 庭で生活を送れるよう各制度において地域への移行をキーワードとして、地域で支える仕 組みの構築が求められている。  だが、少f高齢化が進んでいるなか、地域におけるあらゆるニーズをすべて、フォーマ ルサービスでカバーするには限界があるとし、特に[制度の外にある生話ニーズへの対応」 「制度の谷間にある者への対応」「『孤独』への対応][制度から排除された者を社会として いかに受け人れるかというソーシャル・インクルージョンの問題1などは、地域で受けと め、対応していくことが必要であるとする。そして、「地域社会で支援を求めている者に什 民が気づき、住民相lilで支援活動を行う等の地域住民のっながりを再構築し、支えあう体 制を実現するため、本研究会を開催するjとしている。  そこでのi三な検討項目は(1)地域福祉の意義と役割、(2)地域福‡llの現状、(3)地域福 祉に関する諸政策にっいての評価、(4)今後のH指すべき方向である。具体的に示された当 面の論点は①現在、地域で問題となっている生活課題や対象はどのようなものか(⑦従来 0)施策では十分に捉えきれない問題、⑦地域でなかなか受け入オ1にくい問題、⑰地域で暮 らしていくヒで必要な「生活密着型」の課題) ②地域を支える関係施策において何が不足 しているのか、③地域福祉を推進するヒで障害やネックとなりている事項はあるか、④既 存の関係制度・施策をどのように見直せばいいのか、匂住民がその力をさらに発揮するた S 内閣府(2〔〕07)平成19年版『国民生括白書 vノながりが築く豊かな国民生活』、PP.2−8

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めに何が必要かをあげている9r  ここに見るように社会福祉の対象に対する政策的な認|識においても、[気づきのない排 除」という視点が見らdlる。  同研究会の報告書は『地域における[新たな支え合い を求めて一住民と行政の協働に よる新しい福祉 』と題された。ヒ述したように福祉諸領域、1渚制度での地域移行がキー ワードとなるil]で、福祉を地域で支えるll:紐みの構築が求めら引ると同時に、そこには1制 度の谷間にある人々1、制度から 排除された人々」の社会ll勺包摂(ソーシャル・インクル ージョン)がいかにIJ∫能かという認識が求められている。この認識は先に述べたように社 会的排除(ソーシャル・エクスクルージョン)への認識が前提となる。そオ1は社会的、経 済的、政治的、文化的な関係から切り離されることにより問題を抱えた人々や地域の状態 を、社会的に排除されているものとして捉え、かリ複合的な要囚による構造的川題として の理解にたりものである。  社会的排除は気づきのない排除となりがちである。社会福祉の政策的な認1識には行政の みならず住民による気づきが市要となるが、それは容易ではない。例えば社会的排除ψ)事 例とされる外国人労働者の問題は労働政策と結びりいた課題でもあるが、いかにして、外 国人労働者が生活者として抱く生活課題は福祉の課題であると認識され、いかにして政策 へと反映されていくのであろうか。 4.コミュニティの意義  同報告書の「HI.地域福祉の意義と役割1の「6.地域社会の再生の軸としての福祉」 では、「住民が地域の生活課題に対する問題意識を共有し、解決のために協働することは、 地域での人々のっながりの強化、地域の活性化につながることが期待され、その意味で、 地域福祉は、地域社会を再生する軸となりうる」としている。そして「N.地域福祉を推 進するために必要な条件とその整備方策1の[6.市町村の役割1では〈総合的なコミュ ニティ施策の必要性〉があげられている。  ここでの地域社会とコミュニティとの関係について注意したい。1地域社会の再生]とい う表現は、〈地域社会〉の機能の脆弱化を想起させ、その機能の再生を課題として認識さ せる。しかし新たな生活課題への1三体的かソ意図的な取り組みは、地域社会の再生という 9 「これからの地域福祉のあり方に関サる研究会報告」全国社会編祉協議会(2008)『地域における「新た な支え合い一を求めて一住民と行政の協働による新しい福祉一』、p.212

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よりは、人々の生活課題への気づきに始まり、解決に向けた意図〔1勺な営みとしてのコミュ ニティ形成の試みといえる(コミュニティのネットワークとしての認識には社会的bl:一除の 日∫能性が内包される点へσ)注意を要する)。そしてここでのコミュニティを住民たちの活動 の重層的な’場一(社会的空間)どフナるならば、それは公的な福祉サービスと住民により地 域で発見された問題をつなぐ仕組みともなるだろう。コミュニティを共助の空間として地 域の中に位置づける時、地域福祉は、地域における新たな支え合い(共助)のシステムを 構築する「場」(社会的空間)としてのコミュニティを媒介に新たな地域社会の創生の軸と なる。  平野隆之は、同報告潜に関わり[地域における『新たな支え合い』(共助)を確、‘∫:する; が、研究会の記録からそれが当初は[共助の空間を地域の中に位i㍑づける」とさオ/ていた ことを指摘し、「地域福祉=共助」ではなく、[地域福祉=共助のツ;ui問1という整川がより 魅力的に聞こえるとのべているω。この指摘の観点は、’ド野が[’1 9Z『地域福祉推進の理、論と 方法』においてコミュニティにソいて、それが「’ノiで福祉課題をかかえる人がけ也域(コ ミュニティ)のなかで:in the communily』暮らせるという空間・場所を意味していると ともに、他方では『地域(コミュニティ)によりて:by the community』と、福祉活動の 1三体としての意味をもっ」と論じていることと関わりているであろう川。平野は地域福祉を 動態的に捉えるためにコミュニティの1三体と空問という2りの側1自1から捉えようとする12。 っまり「コミュニティと福祉資源の両者は、地域福kl.という枠組みのなかで深く結びソき、 相η:に作川しあ一)て地域ケア資源の形成に対してそれぞれの役割を果たす」のである13。  U4野により提示されたヒ記の指摘からコミュニティは、空間の社会性とともに担いfと しての1三体のありようを内包している概念であり、ここにコミュニティを社会的空間とし て捉えることの意義を見出すことができる14。 10 NF.eei隆之(2008a)「報{与書を読む② ポトムアッフの政策協議を期待サる・‘『lll・ll福祉』91(9)、pp.18−9 n’Vi野隆之{2008b)『地域袴亘祉推進の理論と方法』有斐閣、 p.85 12 1司ヒ、 P.83 13 「司ヒ、 P.85 1’1なお平野は地域福祉に関わってのコミュニティの推進という側面だけではなく地域鶴{祉の推進ヒの支 障として登場することをコンフリクトの問題から指摘している。r地域福トii推進の理論とノ∫法』P.86

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第2節 排除型社会におけるコミュニティ形成 1.支えあう関係  わたしたちの社会は、いりからか他者に依存することなく生きるという「r礼した生活] をおくることを望ましいH標と据え、他者に依存することを好ましくないとしてきた。社 会自体はlllいに支えあう関係を前提に成り、’llリている。しかし、そ引らの関係は見えにく く、意識されにくいネットワークとして存在している。ミクL」レベルでは、身近な家族、 学校、職場などの集団内での人間関係のように比較的その関係を意識しやすく、相ノ∫:に支 えあっている関係を見出すこともできる。だが、マクロなレベルになると、たとえば商“IISI 流通にみられるように複雑な網の日状の関係であるためにその関係を意識しにくい。しか し、このようなt llいに支えあう関係が社会的な生llξの維持には欠くことができないもので ある。生活とは「生活者の多様な生活ニーズを充足し、その生命と多様な能力を維持再生 産する営み」]5であり、そのニーズの充足は社会的な関係を抜きにしては語れないのである。  しかし、現代社会において共同のための関係を形作る基礎となるような、たとえば、地 域での関係は希薄化し、小規模化した家族や親族のもリカも限らオ1ている。日々のさまざ まな生活ヒの課題にたいして、政府による解決を期待することも難しい。ここに今わたし たちはおil:いに支えあう新たな関係性を作り出す必要に迫られている。しかし、そこで求 めようとしているのは、義理人情などとして語られるような、ときに過剰な情緒的な関係 を受け入れて、他者から日歩されることにli“んじる場ではなく、 rい1的な関わりを志向で きる場の形成である。  ここで求められるのはドけにたいする新しい考えノiである。自Ulをまったく他者に依存 しないことと考えるのではなく、他者の支援を前提としても自己選択や自己決定していく ことが保障されていれば、それは自、‘∫:した生活であるとする、このようなドけの考え方を わたしたちは依存的[’1 ,t/1と呼んでいる。そしてわたしたちが日々の生活を送るヒで信頼ので きる関係性の構築が今、求められている。  先に述べたっながりは依存的ドぱの前提となるものである。それは地縁、lfll縁をもとにし た社会関係ではなく、また、福祉ビジネスによりて商品化され提供されるサービスのよう に、市場での商品という形態を介して成立する社会関係でもない。それは人びとが自発性 に基づきながらおll:いの多様な生活ニーズを充足し、生命と能力の維持再生産の営みを成 15[ti川孝順(2002)『社会福祉学』誠信∼享房、 p.97

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り、tllたせる関係であり、そのような関係が形成される環境として求められるのがコミュニ ティである。ここではコミュニティの持リ人々が作り出す共1司の』場1(社会的空川)とい う点に着口している。したがりてコミュニティの形成は人びとの意識的な共同のpf能性の 探求を意味する。  田中重好は地域社会の共1司性に着目する。それは1地域社会の中で共同’111はどういりた 形で存在しているのだろうか」という問いからの出発である16。川中によれは戦後H本の社 会変動は「私化」と「制度化1をもたらした。私化は、家族への閉塞、生活の個人化など の形をとり、地域における社会関係の希薄化をもたらし、制度化は、生活の社会化をII∫能 にする装置の整備(装置化)、生活の諸問題を行政が引き受ける行政化となりて現川て来た。 しかし、その私化も制度化もいまや限界にあり、「『私』が[「公』へ川路を開いていかない 限り、『私』の幸福は実現できない1とし、現在の地域社会は、私化と制度化が限界にある という意味で、その再編を求められ、コミュニティづくりの課題に結びりいてゆくとする17。 2.福祉コミュニティ形成と臨床性  福祉コミュニティの形成を試みる活動は、生と生活をその活動フィールドとする市民活 動であるともいえる。福祉の特質は生に関わる支援である。これを臨床性と表現すれば、 臨床性という特質をもソ福祉では、継続、維持していくことがln要な要素となる。生に関 わる支援であればそれは、活動の継続性が求められ組織化やマネジメントという課題、と きに制度化に向けた運動的取り組みも必要となる。  ところで、臨床性という特質をもっ社会福祉にかかわる研究が社会科学としての側而を も有していることはいうまでもない。社会福祉研究にかかわる者として研究を進める際に 耳にするのが、「研究のための研究」という現場での実践者から発せられる非難をこめた言 葉である。その背景には、福祉実践という目の前に存在する人の生の支援にかかわる課題 と取り組んでいる人びとにとっては、理屈はいいから実践をすることが先だという思いが あるのではないだろうか。  しかし、他方で臨床の場で実践を積み重ねる人びとも自らの実践にたいする理論的な裏 づけを求めている。幅広い活動の場で社会人として現場実践の体験を積んだ経験豊かな実 践家たちが求めているのは臨床の知を整理したり、理論化したりすることではないだろう 16田中重好(2007)『共「liJ性の地域社会学一・祭り・雪処理・交通・災害 』ハーベスト社、 p. x x 17@「司ll、 P,47

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か。実践活動に携り、試行錯誤のなかで活動を続ける人びとも1’1らの活動の意味を探り、 活動の試みにたいする基礎づけを欲しているのである.  新原道信はL‘臨床”について.『床に臨む』、1’1分であれ他者であれ病んでいたり、呂:し んでいるもののかたわらにいる、共にある、ただオUオUとかたわらにあるということ1 であるとする。そして臨床の“智一tにりいて 意識されないがゆえに語られない、あるい はうりすらとは意識されてはいるのだが、「硫化するには至リていなくて硫れない、不11∫視 でなおかv)微視的な“痛み”とそれにむきあう‘‘智” とする。ここでの“智⑱晦は複合的で か’ノ li∫変的な事実に対して、その動きのなかで変動に応えていくようなまとまりをも一)た ダイナミズムとセッションからなる。‘‘智”のセッションとは「エネルギーの蕩尽、違和感、 削齢、衝突、白己の揺らぎ、等々を聴くことの場1であるとする|8。  制度化の進む福祉環境の中で、異質な1…体の協働を基にしたiドから1の福祉施策の実 現は、生活課題認識を共有することから始まる。それはそれぞれの抱いた課題に対して、 当事者を含む多様な属性を持v人びとが々1いに排除することなくりながるボランタ11一な 個人ないし集団・組織をその構成員とし、試行錯誤の繰り返しのなかで形成さ引ていく相 II:支援の場である。それは新たなll∫能性を探求しりづ1するための協働的対応のための緩や かなつながりの場としての実践的なコミュニティであり、福祉コミュニティを具現化する ための苗床となる。  福祉コミュニティの具現化を図る施策の体系をコミュニティ福祉政策と1呼ぶことにする。 それは、苗床としての役割を担う場での課題の発見と問題提起を含んだ実践が基点となり、 独自の活動のみならず課題の解決のための行政などの諸機関への働きかけや協働を含めた 諸活動を通じ、生活課題を公共課題化し、制度の改善や新たな制度化に向けるものである。 3.「ありうるもの」の探求  越智昇は[地域組織への視座」という論文でA.グールドナー(Alvin Ward Gouldner)を引 きながら「あるべきもの」「ありうるもの」「あるもの」について論じている。越智は、「今 日のような危機の時代において、「あるべきもの」が求められていることを深く受け1ヒめね ばならない。しかし、それは表層的、あるいは直観的に出てくるものではいけないのであ って、視点をはっきり定めながら、地道に『ありうるものの領域』を探求して積みヒげる 18新原道信(2001)「“内なる異文化”への臨床社会学・L‘臨床の干ll】”を身につけた社会のオヘレーターの ために1野日裕1・大村英昭編r臨床社会学の実践』有斐閣、PP.259−60

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ほかないのである一という。 あるべきもの、(what L’011ghttobe”)にたいしては「ある もの」でなければならないが、グールドナーはその中間にいまひとりの領域として1あり うるものの領域、(‘‘the realm of what can be”)というカテゴリーを設けたとし、「lll確に 合理的に解明されたところの『あるもの』をいくら集積しても、それ白体の論理からは『あ るべきもの二がでてくることはない1のであり、‘あるべきもの1を導出するには、「あり うるもの一というカテゴリーが不口∫欠であるという。越智は、ひとがかかわりて[1ある』 ところの社会的事実というものは、 ある1ことの日∫能態として{ありうる1ことを論理化 することにより、その事実性を明らかにするのであり、1ありうるもの1の領域こそ屯要視 すべきという19。  「ありうるもの」の領域に位置するものとして本稿では、福祉コミュニテ(のありよう を検討したい。越智が指摘しているように[ありうる1ことの理論化を試みるものである。  本稿では制度的に確、’ノ1されたkli会福祉や、マジョリティにおける価値認識との相違から、 社会的課題としての共有やそ0)社会的位置づけがいまだ確、’/1さオ1にくいメインストリーム の周縁に位置して生活を営む人びとへの、生活支援のありノノに関わる福祉コミュニティ形 成、ボランティア活動などの果たす役割とともに、多文化福祉社会における福祉コミュニ ティの課題について論じる。多文化福祉社会とは、異なる複数の文化の共存可能性として の多文化1・:義の考え方を基礎にし、文化の基盤となる生活機会の保障という課題を基底に 据えた福祉コミュニティ形成を中核にしてその実現を図る動態的な社会モデルである。ま たコミュニティ福祉政策とは、さきに述べたようにそのような多文化福祉社会形成に向け た課題の発見と問題提起を含んだ諸実践が基点となり、個々の活動のみならず生活維持の ための課題の解決に向けた行政や関係諸団体への働きかけや協働を含めた諸活動を通じ生 活課題を公共課題化し、制度の改善のための施策化を図り、さらに新たな制度化などを通 して、福祉コミュニティの具現化を図っていく施策の体系である。 4.先行研究にみる多文化共生論の課題 コミュニティ研究とエスニシティ研究  コミュニティと外国人労働者をめぐる研究は、1三に社会学領域でその蓄積が見られる。  奥田道大は、「外国人労働者と日本社会」というテーマにおいては日本社会の’単’民族 国家としての同質性」、外国人労働者の受人れを閉ざす制度的、構造的特性が特記され、こ 19@越智昇(1990)『社会形成と人間一社会学的考察』青蛾,茎}房、pp.154−6

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れらの特性は地域社会レベルでは、地域社会のIl司質集住・異質排除」の原則が殊更に強 調されるが、そこには過度の単純化の誤りがあると指摘し、「さまざまな意味での異質・多 様性を認め合って、相fl:に折り合いながらともに自覚的、意志的に築く、洗練された新し い共同生活の規範、様式」が存在するとしている2{}。奥川とともにエスニシティ研究を進め てきた一人である広川康生はその研究の特徴のつとして労働者の側向だけではなく越境 移動者個人の生きノiと彼らが提起する問題をその移動や’ii該社会での生活の拠点とする場 所との関連で明らかにしていこうとしていたこと をあげている。そして「都市工スニシ ティ論」は、「越境者iの適応と社会参加の独特の形式や、r状況の乗り越え1とそdlを支 える絆が生み出す様々な問題を提起してきたこと、とくに1統合し尽くさオ1ることのない、 人々の生き方や行為の諸実践、あるいはそうした生き方に意味を’オえるアイデンティティ 形成の過程」に着日してきたとする。そのヒでこオLらのテーマはコミュニティ形成論など で論じられてきたものであることを指摘し、都市郊外部での新li民の生活問題に関わる住 民運動は「その運動の過程での既存の制度的llt界への異化作川と、自らの生活価値のllllい 直しを人々に提起した[奥川、1983]1とする。そして越境者と定li者双ノノに起きる異化作 川および意味創造の問題は、今後の課題として都市社会学的エスニシティ研究及び都巾コ ミュニティ研究が提起した重要な課題として認識しておきたい」と述べている21。 共生概念  奥田たちの研究が東京などのインナーシティで展開されているのに対して、小内透らは 日系ブラジル人の集住地として知られる群馬県太川市・人泉1‖1’で研究を進めた。小内は1980 年代以降の研究テーマとして4っの流れを指摘している。①国際的な視点ぺ・グローバルな 視点からの研究、②外国人労働者自身を対象としかれらの特性を明らかにする研究、③外 国人に対する諸制度や自治体の外国人政策に関する研究、④外国人労働者とその1”どもに 対する教育のあり方に焦点をすえた研究である。しかし、これらのi・1流をなす研究では、 外国人労働者の急増に伴う地域社会の変化やホスト住民に与える影響に関しての検討が不 ith分であったとし、外国人労働者を[移動を繰り返す・時的な『出稼ぎ者』と捉えるだけ でなく、定住化しっっある新たな地域住民として把握することも必要だとする。 20 奥田道大(1995)「都市的世界・コミュニティ・エスニシティー・一アメリカおよび日本の大都市におけ るエスニック・コミュニティの変容と再編」奥川編rコミュニティとエスニシティ』効・’;ll lil r.」」一、 PP3031 21 広田康生(2003)「越境する知と都市エスノグラフィ編集.一トランスナショナリズム1論の展開と都市 的世界一、渡戸一郎・広[H康生・田島淳子編ぎ都市的世界/コミュニティ/エスニシテで』明石,{}店、Pp.14−46

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 だがこれらの研究に対して流人、増加、定住化が地域社会に及ぼす影響にりいて外国人 だけではなくホスト住民をも対象にした実,;1[研究も見ら引るようになりてきていることを 指摘し、その特徴として外国人労働者とホスト住民との交流、対1‘ノ:、葛藤などを把握し共 生の展望と課題を明らかにしている点をあげている。また共生概念にvいての検討を行い、 共生がもり複数の意味を整理している。  まず①機構的システムないし制度ヒの共生(一「システム共生‘)と、・2V労働一生活川界 ヒの共生(= 「生活共生D とに区別し、それぞれには多様な形態があるとし、前者には③ 居住する国や地域社会(地方自治体)の各種の機構的システムないし制度を外国人がホス ト住民と対等、’ド等な条件で利川できるような1オーブンなシステム共生1、④それぞれの 国・民族の機構的システムないし制度が共存する「デュアルなシステム共生1、⑥そオ1それ の国のシステムが連結できる[インターステイトなシステム共生・がある。後者の「牛活 共生」には,⑥棲み分けによって 一種の呼和共存」の状況になりている「セグリゲーシ ョンによる生活共生」、⑦η1いに偏見なく、対等な、ltl場で、日常的にコミュニケーションを とり、新たな共同関係ができている「コミュナルな生活共生1がある。そして⑥と②の間 に,⑧「特定階層内の生活共生」や⑨1特定パーソンの生活共生1などの形態も存在しう るという22。 『顔の見えない定住化』  梶田孝道・丹野清人・樋II直人らの共著『顔の見えない定住化』は、[外国人労働者がそ こに存在しっっも,社会生活を欠いているがゆえに地域社会から認知されない存在となる こと」をその表題としたように「顔の見えない定住化」と呼んでいる2;3。1顔のみえない定 住化」は「就労の論理に従属した生活様式の形成なのである1という24。  それが生じる基本的なプロセスは、長時間労働によりて引き起こされる地域の日本人住 民との接点をなくす第1のプロセスと、労働力の配置替えという請負労働力化によりて生 じる第2のプロセスとが複雑に絡み合いながら進行する。そして当初の単身者によるデカ セギはしだいに滞U家族を頼っての家族滞在を進行させ、さまざまな世代が同居するデカ 22小内透(2001)「課題と方法」小内透・酒井恵真編『日系ブラジル人の定住化と地域社会一一群馬県太田・ 大泉地区を事例として』御茶の水,彗房、PP.3−22 231’}野清人(2005)「企業社会と外国人労働市場の共進化一移住労働者の包摂過程一」梶田孝1萱・丹野清ノ\・ 樋L」直人r顔の見えない定住化』名占屋大学出版会、P.72 2’4樋[1直人(2005)’共ノ1:から統合へ一一権利保障と移民コミJLニティの相ノ]1強化に向iすて.・」梶川・丹野・ 樋日『顔の見えない定住化』、p.209

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