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外国人労働者の定住化の現状と生活実態

一一卲nブラジル人の生活実態に関する調査をもとに一一

第1節 調査対象地の概要

1.岐阜県中濃圏域の動向

 わたしたちが実態調査対象地とした岐1;{県中濃地域に位置する)ミ濃川げ支巾、日∫児市への 外国人労働者の流人は「出人国管理及び難民認定法1(人管i/1)の改1ピをみた1990年ごろ から増加している。これは、いわゆる日系2世、3世等が[日本人の配偶者等1あるいは[定 住者」といった改正入管法ヒの身分・地位に基づく在留資格を/・1り一さかる場合には就労活 動には制限がないことから、日系人にりいては職種による制限を受けずに就 V5・が認めらdl たことによる。

 坂幸夫によれば「日系外国人労働者の大多数は、その出身地における職種がいかなるも のであれ、日本においてはほとんどが単純技能労働者でありた。彼らの多くは群馬県人泉 町や静岡県浜t皇!市,名占屋市、そして本調査の対象地である岐阜県可児巾、)ミ濃加茂市と いった地方都市とその周辺に居住し、それぞれの地域における電機産業や自動車産業,そ の他の産業の1:場に就労の場を求めた」のである126。

 坂によれば電機,自動車産業は総じてみれば成長産業の位置を確保し、その事業所配置 には「例えば電機産業についてみれば、大都市近郊、とりわけ首都圏の事業所はもっはら 研究開発機能を中核としたものに変化し、製造・組、tllは物流の発達と淀程度の労働力の 集積を前提として、地方都市近郊へ」という生産Il程の地方、71地がみられ、白動車産業に おいても1,ij様であったとされる。

 そして坂は、業務請負業者の果たす機能を 切り離し装置 とする丹野清人の研究成果 に対して、労働市場における日本人労働者と外国人労働者、業務請負業者の布置連関を構 造的に明らかにすることに成功したと評価している。つまり、 事業所あたりの労働力品 要がある程度まとまった量になる電機、自動車産業では業務請負業者の介在による労働力 の調達がなされ、それらの企業が、t/l地する11∫児市、美濃加茂市においてもブラジルを中心 とした日系外国人労働者の多くが業務請負業者を媒介として居住、就労することになった

126坂幸夫(2001) 外国人単純技能労働者の労働市場と事業所内労働力配置の展開一一岐f;1県11∫児rlf,美濃 加茂市、 Z地事業所の事例研究から一」『大原社会問題研究所雑誌jNo.515、2{)Ol10

と分析している。そして美濃加茂市、日∫児市地域の労働市場は、ブルーカラーを中心とし た正規従業員層と縁辺的労働hとしての1:婦・学生、そして外国人労働者によりて多層的 に構成されているという。

 坂によるとブルーカラーを中心としたlll規従業員の多くは70年代、80イ1・代に進出した白 動車産業、電機産業関連の部品製造・alU , t:ll場に就労していたが、80年代の人都市部にお ける第3次産業の急激な雇川硅の増加により、その多くが名占屋市を中心とした人都市部 へ就労の場を求めたとし、)ミ濃加茂巾にみられる市内高校新卒者の就職状況を示す。巾内 高校新卒者は87年の段階で約700人でありたが、)ミ濃加茂市周辺1 //[Sに就職したKは2割で、

その数は毎年減少の一途をたどり、93年以降地元に就職する新卒者は100ノ\以ドにとどま ソている。80年代までは地方からの出稼ぎ労働者と1三婦層を中心としたハートタイム労働 者が、そして90年代にはパートタイム労働者と外国人労働者がこの/〈足分を補リた,,しか し、i三婦を中心としたパートタイム労働者においては郊外型刷坂店へ就労する者が増え、

ll場ではパートタイム労働者の確保も困難をきたし、外国人労働者は労働者不足を補うも のとして位置づけられた。外国人集住地域では、産業構造の変化にfrラ労働力移動U)結果 として外国人労働者が急増することになる。

 したがって、これらの地域は労働市場における需給関係のなかで外国人労働者の集住と いう結果が生じたのであり、政策的に外国入労働力の集住を意図したわけではない。その ことは、外国人労働者をかれらがも》2もう  つの側面である生活者として受け人れる十分 な準備が整っていたわけではないことを意味する。すなわち、就労という基礎条件に規定 された外国人労働者に共通する生活課題として居住、教育、医療、行政サービスへのアク セス、地域への参加をめぐるさまざまな課題が生じることになる。

 わたしたちは、2005年から日本学術振興会の科学研究費助成を受けて進めてきた研究の 環として実態調査を実施した。この調査は、美濃加茂市や隣接した11∫児市を含む岐阜り,〔

中濃圏域での[1系ブラジル人の生活実態とその福祉的課題についての調査研究である11t1。次 節において本調査の結果にもとついて移作生活者の生活課題にりいて考察する。

2.岐阜県における外国人労働者の分布

本章で実態調査の対象地とした岐阜県には、2007年には57、250人が外国人登録を行りて

127基盤研究(C)2005年度〜2008年度「複合的多問題地域に・フメる社会的排除の構造FP解とその生活福 祉支援に関する比較地域研究」 (研究代表者::本松政之)

いる。

70.000

60000

50.000

40.oeo

30,000

20000

10000

4000

3500

3000

2500

2000

15De

1000

500 0

 19S8年|990年1992年1993年1994年1995年19e6年1997年1998年1999年2000年2001年20e2年2003年2004年2005年2006年2007年

(出所)岐阜県ホームページ「岐阜県における外国人登録の状況」より作成        図4−1岐阜県外国人登録者数の推移

0

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図4・2 美濃加茂市のブラジル人人口の推移

(出典)『広報みのかも』2007年6月1日号、美濃加茂国際交流協会資料から

作成。

主な国籍は、ブ ラジル20,912 人、中国17,069 人、フィリピン 8,176人、韓国 5,971人、ペル ー1,185人の順 となっている。

また県内の地域 別でブラジル人  が多いのは、

 岐阜、西濃、

 中濃、東濃、

 飛騨の5圏域  のうちの西濃  と中濃が多く、

 それぞれ

 29.5 % 、

 50.4%で約8  割を占めてい  る。西濃圏域  では大垣市だ  けで同圏域の 8割弱を占めて

いる。

 中濃圏域では 隣…接した美濃加 茂市と可児市とで同圏域の8割以上を占めている。これらの地域は、自動車関連の下請企

業、電気機器製造現場などが多く、業務請負会社や人材派遣会社の社員として聞接雇川形 態で働いている。

 美濃加茂市の2008年4月1日時点での外国人登録者の総数は5、927人であり、市の総人 ll55、083人の10.8%であり、最も多いブラジル国籍の者は3、7〔|6名である。また1|∫児巾で は外国人登録者の総数が7、244人であり、市の総人川1〔〕2、856人の7.0%であり、最も多い ブラジル国籍の者は4,851名である。登録者数ではpl児市が)ミ濃lj日茂巾をヒ回リているが、

外国人割合では芙濃加茂市が日∫児市をヒ回りている1!S、

3.岐阜県の生活支援施策

 同県の「岐阜県多文化共生推進基本ノ∫剣〜外国籍の県民とともに進める地域づくり〜

(2007年)では「単なる『一時的な労働者』ではなく、 『岐阜県に暮らすノll、『者』という 存在になっている。多様な文化的背景を持りた在住外国人が、地域社会で共に生活し、様々 な分野に参画することにより、地域社会が活性化し、より豊かな魅力ある岐阜県がりくら れることが期待できる。これからは、県内の在住外国人を、地域社会を構成する『外国籍 の県民』として認識し、 『県民が1 1いの文化や考えカを尊屯するとともに、安心して快適 に暮らすことのできる地域社会(多文化共生社会)』を構築することが求めら91ている。1 としている。ここには労働者から生活者へという認1識が示さオ1 1外国籍の県民」として位 置づけている。またこの基本方針に基づく「 ド成20年度 多文化共生推進施策1では、1.

コミュニケーション支援、2.生活支援、3.多文化共生の地域づくりという3リの施策を 柱に展開している。

 「コミュニケーション支援」では日本語を十分に理解できない在住外国人に対して地域 生活で必要となる情報の母語での提供、日本語でのコミュニケーション能力を高めるため の取り組み、 「生活支援」では在住外国人も[外国籍の県民1であるとの認識のもと、教 育、労働、保健・医療、防災・防犯、生活全般等において、川本人住民と同様のきめ細か な住民サービスを提供するとし、教育環境の整備、安心して働ける環境の整備、安心して 利川できる保健・医療体制の整備、緊急時における体制の整備、生活全般における支援の 充実に区分し各担当部局の施策が提示されている。 [多文化共生の地域づくり」では在住 外国入・口本人双方に対する意識啓発、在住外国人が参画しやすい地域づくり、在住外国 人自身の取組の促進、在住外国人の意見を反映させる仕組みづくりを進めるとしている。

128外国人集住都市会議HPより。表3−1参照。

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