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建築限界測定車

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Academic year: 2022

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(1)Ⅵ− 10. 第39回土木学会関東支部技術研究発表会. 軽量型走行式建築限界レーザー測定器の開発 JR 東日本. ○ 吉田 信幸. JR 東日本 正会員. 池津 大輔. 1.はじめに 列車が通るある一定の空間内になんらかの障害物があると、車両や列車を 安全に走行させることができない。そこで、列車の走行に支障をおよぼす空 間の寸法を設定し、構造物や樹木などすべての障害物がその空間に入らない ようにする限界のことを建築限界という。本稿では、建築限界管理における 管理業務の軽減、限界支障ランクの早期確定を目的とし、作業効率の向上に ついて取組んだ内容を報告する。. 写真 1. 建築限界測定車. 2.現状と課題 現在、建築限界測定車(限界マヤ車)等によって建築限界支障が確認され た場合、接触型測定器の建築限界定規及び非接触型測定器のプロファイラー を使用して支障の確認・測定を行っている。現状の測定方法及び測定機器の 課題として以下が挙げられる。 ・ 建築限界定規及びプロファイラーの重量が各々約 25kg と大きく、搬入箇 所の選定が必要となる. 写真 2. 建築限界定規. ・ 現行プロファイラーでは走行させながら連続的に建築限界支障箇所を確 認できないため、マヤ車の測定情報から支障箇所が特定できない場合は、 建築限界定規とプロファイラーを両用する必要があり測定人員が 3 人以上 必要となる ・ プロファイラーシステム一式の価格が高額であり、補修・維持費用も高額 となる 3.開発概要. 写真 3. プロファイラー. 現状の課題を踏まえ、以下の内容に重点を置き開発に取り組んだ。 ・ 測定器一式の重量 10kg 程度とし、電車での運搬を可能にする ・ 多角レーザーを使用し、走行台車により連続的に建築限界支障箇所を確認 する(連続測定) ・ 支障箇所が判明した場合、アラーム等で警告音を鳴動させ、測定モード変 更した上で建築限界測定を行い記録、図化する(精密測定) ・ 記録された支障データを市販の CAD ソフト等で加工、修正することがで きるような汎用性の高いもので出力できるようにする. 写真 4. 今回開発品. ・ 装置本体は片手で支持できるサイズとし、1 人で運搬、測定が可能なものとする 3-1.レーザーセンサの概要 センサの精度、重量、コストを考慮し、市販されている非接触型測定器の中で最も小型で安価であり、自 動車料金所の車両検知やセキュリティー検知等の様々なフィールドで広く使用されている実績もある製品を 採用することとした。しかし、本来測定用途として開発されていないため、精度の検証が必要である(メー カ公証値誤差±40mm)。 キーワード 建築限界,連続測定,精密測定,測定精度,補正処理 連絡先 〒101-0014. 東京都千代田区外神田 1-17-4. JR 東日本 東京支社東京土木技術センター. TEL 03-3257-1693.

(2) Ⅵ− 10. 第39回土木学会関東支部技術研究発表会. 3-2.トロ台車の構造 可搬性や作業性、強度を考慮し、以下の構造とした。 ・ 軽量化を図り、全重量 10kg とする ・ フレーム素材にカーボン製パイプを使用し、継ぎ手部は同素材の差し込み式継ぎ手とする ・ 継ぎ手を追加することにより新幹線にも対応可能とする ・ 形状は安定性、計量化を考慮した 3 輪構造とする ・ 無線 LAN を活用し、ワイヤレス構造とする 3-3.測定方法 (1) 連続測定 走行しながら建築限界支障の有無を検知し、アラーム警告を行う測定である。一般的に歩く速度で支 障検知し、処理端末にて支障箇所の確認を行うことができる。 (2) 精密測定 連続測定にて確認された箇所の限界支障距離を測定する。5 秒間で 125 断面を測定し、測定データの 平均値から信頼区間 68%内のデータの再平均化を行い、精度向上を図った。 4.実証試験 建築限界支障において多くの割合を占める高架橋柱、スルーガーダー桁、ホームにて試験測定を行った。 また、トンネル内空断面変位測定へも対応できると考え、トンネルにおいても同様に測定を行った。以下に、 現行使用しているプロファイラー測定値との比較における最大誤差を示す(表 1)。 表 1.プロファイラー測定値との比較における最大誤差. 試験箇所 最大誤差. 高架橋柱 10 mm. スルーガーダー桁 9 mm. ホーム 15 mm. トンネル 10 mm. 表 1 のとおり、各試験箇所において建築限界を管理する上で信頼できる値を得ることはできなかった。そ こで、レーザーセンサの精度について再度見直し、センサの特性調査と補正処理方法を検討した。 5.精度確認と補正処理. 30. 開発した測定器を水平架台に設置し、精度の良いレーザー測定. 20. 器を真値としたときの測定値の誤差(ズレ)を確認した。 (図 1) 真値とのズレ. 図 1 より、軌道中心から 1,500mm 付近から真値との誤差+10mm. 10. 0. 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 90 ,50 ,50 50 70 ,90 ,10 30 ,50 30 ,50 ,70 90 ,10 1 3 4 1 2, 1 2 5, 1, 1, 2 2 2,. ~15mm となっていることが確認できた。この結果から、補正値. -10. を 12.5mm(10mm~15mm の平均値)と設定し、測定結果から補. -20. 正値を差分する補正処理を行うこととした。. -30. 1回目 2回目 3回目 4回目 5回目 平均値 補正後の値. センサーからの距離. 6.補正処理における測定試験. 図 1. 精度評価グラフ. 補正処理にて再度測定試験を行った結果を以下に示す(表 2)。. 表 2.プロファイラー測定値との比較における最大誤差(補正処理後). 試験箇所 最大誤差(補正後). 高架橋柱 5 mm. スルーガーダー桁 3 mm. ホーム 10 mm. トンネル 5 mm. 表 2 のとおり、補正処理前の結果と比較すると、各測定箇所においていずれも精度向上を図ることができ た。しかし、建築限界を管理する値としては不安が残る結果である。 7.今後の課題 本開発では、センサの測定精度について補正処理を行った結果、メーカ公証値±40mm に対して精度向上 を図ることができた。しかし、実用化にあたっては、今後も様々な条件下での試験を継続して測定データを 採取し、補正方法の更なる検討が必要である。また、付属機器類については、今回無線化にしたことにより、 環境等の影響から誤差が生じているため、台車フレーム材も含め耐久性を継続して確認する必要がある。.

(3)

参照

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