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Academic year: 2022

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全文

(1)

生年月日

本籍(国籍)

学位の種類

学位論文審査結果の報告書

下出孟史

学位授与の条件 (1専士の学位) 論文題目

Role of macropha宮es and plasminogen activator inhibitor‑1 in delayed bone repair in diabetic female mice

H召手R 61年

大阪府

博士(医

医弟 1279

学位規程第5条該当

5月 16日

雌性マ

フア

学位論文受理日

学位論文審査終了日

学位記番号

スにおける糖尿病による骨修復遅延におけるマクロ

とプラスミノーゲンアクチベーターインヒビター1の役割

工コ

万'

審 査 委

2018年 2019年

(主査)

(副主査)

(副主査)

(副査)

指導教員

Ⅱ月 1月

7日

31日

磯貝典孝 池上博司

,

'ミ辻入'

高橋英夫

梶博史

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(2)

佃的】

糖尿病①M)患者では、骨折りスクカ吐曽加し、骨修復遅延が生じることが知られている。骨修復は、

炎症期、修復期、りモデリング期の三期に分類されるが、これらに対するDMの影響に関する詳細な分 子機構は不明である。近年、マクロファージ(MΦ)が組織修復に関与することが報告されており、骨 局所のMΦが骨形成に関与することが示唆されている。また、ストレプトゾトシン(STZ)投与による DMマウスにおいて、骨損傷後の修復遅延が生じ、 DMにより局所の骨芽細胞分化が阻害され、その機序 にプラスミノーゲンアクチベーターインビビター 1 (PAI‑1)が関与することが報告されている。しかし、

骨修復早期段階である炎症期におけるDMの影響については、いまだ解明されていない。

そこで今回の研究では、 DMによる骨修復遅延における炎症性細胞の役割と、その機序におけるPAI‑1 の役割について検討することとした。

【方法】

生後8週齢の野生型およびPAI‑1欠損雌性マウスにSTZを投与し、 DMを誘発した。 DM誘発2週問 後に大腿骨に損傷を加え、損傷後の骨修復過程における変化を検討した。

礁果】

骨損傷2日後において、野生型マウスにおいて、大腿骨骨損傷部における MΦ数がDM群において優 位に減少したが、好中球数は差異を認めなかった。骨損傷2日後に、 FACSにより採取した骨髄中の造血 幹細胞数は、対照群では、非損傷側と比較して損傷側で優位に減少した。また、 DM群では骨髄中の造血 幹細胞数の減少を認めたが、損傷側と非損傷側の間で造血幹細胞数の差異を認めなかった。DMによる骨 損傷部における MΦ数の減少は、 PAI‑1遺伝子欠損により優位に回復した。骨損傷後の骨髄からFACS により集めたMΦを解析したところ、 DM によりiNOS、1L、6 mRNAの発現低下を認めたが、 PAI‑1欠損 の影響は認めなかった。 DMにより、骨損傷部周囲の骨内膜におけるSDF、1陽性前骨芽細胞数は減少す る傾向を認めたが、 PAI‑1欠損の影響は認めなかった。また、 MΦの貪食能は糖尿病により優位に低下し たが、 PAI‑1欠損により回復した。

【考察】

糖尿病により、肝臓でPAI‑1産生力吐曽加することが報告されており、これにより血奬中のPAI‑1濃度 が上昇する。この変化が、骨損傷部ヘのMΦの集積や、 MΦの貪食能を低下させ、骨修復早期過程にお ける修復機構が阻害される可能性が示唆された。しかしながら、 PAI‑1は骨損傷による前骨芽細胞からの SDF・1誘導を介する MΦ集積過程には関与しないものと考えられた。

【結論】

DMにより血奬中PAI‑1濃度が増加し、 MΦ機能の低下が生じることにより、骨修復早期過程が阻害さ れ、骨修復遅延が生じると考えられる。

論文内容 要 旨

(3)

ノ弌、

2018年4月1日公 (D01:10.1210/en2018‑00085.)

Role of macrophages and plasminogen activator inhibitor・1 in delayed bone repair in diabetic

female mice

年 月

ノ、

出版物の種類及び名称

博士学位論文 Endocrin010gy

2018 Apr l;159(4):1875‑1885.

2018年4月1日掲 載

博士論文の印刷公表

(4)

D 論文内容の要旨

【目的)

糖尿病ΦM)患者では、骨折りスクが増加し、骨修復遅延が生じることが知られている。骨修復 は、炎症期、修復期、りモデリング期の三期に分類されるが、これらに対する鯏の影響に関する詳 細な分子機構は不明である。近年、マクロファージ(MΦ)力泳且織修復に関与することが報告され ており、骨局所のMΦが骨形成に関与することが示唆されている。また、ストレプトゾトシン

(STZ)投与による脳マウスにおいて、骨損傷後の修復遅延が生じ、則により局所の骨芽細胞分化 が阻害され、その機序にプラスミノーゲンアクチベーターインヒビター1(PA卜D が関与するこ

とが報告されている。しかし、骨修復早期段階である炎症期における別の影響については、いまだ 解明されていない。

そこで今回の研究では、醐による骨修復遅延における炎症性細胞の役割と、その機序におけるPAト 1の役割について検討することとした。

【方法】

生後8週齢の野生型およびアAI‑1欠損雌性マウスにSTZを投与し、脳を誘発した。DM誘発2週間後に大 腿骨に損傷を加え、損傷後の骨修復過程における変化を検討した。

【結果】

骨損傷2日後の野生型マウスでは、大腿骨骨損傷部のMΦ数が別群において有意に減少したが、好中 球数は差異を認めなかった。骨損傷2日後に硲CSにより解析した骨髄中の造血幹細胞数は、対照群 では非損傷側と比較して損傷側で優位に減少した。また、洲群では骨髄中の造血幹細胞数の減少を 認めたが、損傷側と非損傷側の間で造血幹細胞数の差異を認めなかった。脳による骨損傷部におけ るMΦ数の減少は、PAI‑1遺伝子欠損により優位に回復した。骨損傷後の骨髄からncSにより集めた MΦを解析したところ、 WによりiNOS、Ⅱ一6mR臘の発現低下を認めたが、 PAI‑1欠損の影響は認め なかった。洲により、骨損傷部周囲の骨内膜におけるSDF‑1陽性前骨芽細胞数は減少する傾向を認 めたが、PAI‑1欠損の影響は認めなかった。また、 MΦの貪食能は糖尿病により優位に低下したが、

PAI‑1欠損により回復した。

【考察)

糖尿病により、肝臓でPAI‑1産生が増加することが報告されており、これにより血榮中のPAI‑1濃度 が上昇する。この変化が、骨損傷部ヘのMΦの集積や、MΦの貪食能を低下させ、骨修復早期過程に おける修復機構が阻害される可能性が示唆された。しかしながら、PAI‑1は骨損傷による前骨芽細 胞からのSDF‑1誘導を介するMΦ動員過程には関与しないものと考えられた。

絲吉論) Wにより血榮中PAI‑1濃度が増加し、 MΦ機能の低下が生じることにより、骨修復早期過程 が阻害され、骨修復遅延が生じると考えられる。

本論文は、糖尿病における骨修復遅延の機序の解明を目的とし、さらにその機序におけるPA{‑1の 役割について論じており、独創性の高い研究論文である。糖尿病が、骨粗懸症の原因となることが 近年明らかとなり、糖尿病患者において骨折りスクが増加することが報告されている。我が国にお ける糖尿病患者数は、予備軍も含めて1650万人にもおよぶといわれており、糖尿病性骨粗癒症や、

糖尿病による骨修復遅延の臨床的重要性は増すことが予測され、その病態解明は急務である。すな わち、本論文は基礎的にも臨床的にも意義のある内容であるといえる。

2)審査結果の要旨

本論文に対する最終試験は、平成31年1月8日の17時30分から第6講義室で実施された。

著者は、歯科口腔外科臨床医でもあり、日常臨床において経験する外傷、歯科インプラント手術、

抜歯手術などに際して、創傷治癒、骨修復の詳細な分子機構に興味を抱いた子とが研究活動の動機

である。臨床で生じた疑問点を、基礎研究で解明しょうとする基本的姿勢は評価に値する。

最終試験では、まず下出氏が本研究を行うに至った背景、対象と方法、結果と考察を口頭で発表 し、それに対して主査の磯貝、副主査である池上教授、高橋教授がいくつかの疑問点を質問した。

質問内容は、磯貝から、①膜性骨化により骨化が起こる部位でも、軟骨内骨化と同様な糖尿病によ る骨修復遅延やPAI‑1の関与があるか、②骨損傷部局所における、脚、 Wマクロファージの免疫染 色による検討はどぅか、③マクロファージの貪食能について、電子顕微鏡で評価を行っているが、

具体的な方法はどぅかを問うた。池上教授からは、④臨床ではⅡ型糖尿病患者の方が多く存在する が、Ⅱ型でも同様の骨修復遅延は認められるのか、⑤Ⅱ型糖尿病でも同様に肝臓でのPAI‑1産生は 増加するか、⑥骨修復遅延が生じるのは、インスリン欠乏によるものか、高血糖によるものか、⑦ 血糖値を正常化すれば骨修復遅延は改善するのか、⑧SIZはマウスにより感受性が異なるが、使用

したマウスの遺伝的背景はどぅか、⑨PAI‑1の作用は線溶系を介した機序によるものか否かが問わ

れた。

J'ー, フk 1士

モニ土ι

払︑

(5)

高橋教授からは、糖尿病以外の病態で、PAI‑1は上昇するか、また、PAI‑1を上昇させる誘因は何

か、⑪糖尿病による吾修復遅延を改霽するには、マクロファージのどの部分を治療の標的にすべき

か、⑫集積するマクロファージを増殖させれぱ骨修復は改善するか、などについてが問われた。

これらの多方面にわたる質問に対して、著者は、過去の報告と自身の研究結果を照らし合わせ、

具体的に極めて的確に応答した。したがって、主査・副主査は合議の上、提出された学位論文が確 かに下出孟史氏の研究成果であること、学位授与にふさわしい知識や能力を持っものと判断し、

終試験を合格と判断した。

3)最終試験の結果 合格

4)学位授与の可否:

参照

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