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雑誌名 福井大学教育実践研究

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Wiki を用いた協働での情報通信ネットワーク探究 : 目指せ.com エキスパート(1学年)

著者 奥村 栄司郎, OKUMURA Eishirou

雑誌名 福井大学教育実践研究

巻 33

ページ 35‑40

発行年 2009‑01‑31

URL http://hdl.handle.net/10098/1942

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1.はじめに 本題材の意義

インターネットの利用が日常化し,小学校や家庭で道 具としてコンピュータを利用してきた生徒にとって,中 学校技術・家庭科<技術分野>(以下 技術科)の情報 とコンピュータ領域の中で,一番身近で興味を持ってお り,かつ学習の必然性を感じる内容は,情報通信ネット ワークである。日々発展し可能性を広げているインター ネットは,私たちに魅力的な情報を豊富に与えているが,

玉石混在の中から目的の情報を見つけ出すことは今まで 以上に難しくなってきている。情報通信ネットワークを 材に情報の収集・判断・処理・発信を繰り返す中で,知 識基盤社会に求められる「生きる力」を高めていきたい。

また,インターネットにはさまざまな利用方法があり,

日々新しい技術が開発されている。すべての生徒に経験 があるといっても,その内容に関しては様々である。そ のため入学して間もない生徒にとっても情報通信ネット ワークを材にすることは,協働での探究活動につなげや すいと考える。

自分の生活との関係をつなぐ

技術科は核となる学びを「ものを技術的に捉え,自分 の生活との関係をつなぐ」と定めている。この授業では,

生徒が各自の探究を,生活に生かすという視点で情報通 信ネットワークをまとめ,発信していく。まずは,子ど もが個々の経験を振り返り,その理由を明らかにしなが ら,十分な時間をかけてテーマを設定する。その上で,

情報通信ネットワークを活用し,調査活動を進めていく こととなる。生活に生かすという視点で情報を取捨選択 し,発信していく活動そのものが情報通信ネットワーク との関係をつないでいることになるが,さらに探究した 内容が生活との関係をつなぎ,生活に生かす術を発信し た内容で仲間との関係をつなぎ,自分の生活に還ってい くという連鎖を生み出す。このつながりが本校の実践で

大切にしている「探究するコミュニティ」を実現すると 考える。

仕組みと使い方の2つの柱での情報通信ネットワークの 探究

情報社会に参画する態度を育成するにあたり,情報モ ラル教育への取り組みの必要性は言うまでもない。ウイ ルスによる被害やフィッシング詐欺,ファイル共有ソフ ト等による情報流出などの様々なトラブルは情報技術へ の理解があればある程度防ぐことができる。仕組みと安 全な使い方の2つの柱で探究を進めることにより,基本 的なコンピュータや情報通信技術の特性と仕組み,情報 技術に関連する法律の知識を深めることができる。さら に次々と生み出される新しい手口に対しても問題意識を 持つことができ,モラルを単なる知識ではなく態度とし て定着させることができると考える。

個人の課題を協働で支える展開

一人ひとりが課題解決に向ける意志を持ち,探究活動 を進めていくことに加え,同じ課題を持った者同士,あ るいは違う視点で探究している者との接点が,自己の探 究をより深めていくことになる。この「探究するコミュ ニティ」を組織する手立ての一つとして,校内ネットワ ーク上にコラボレーションツールであるWikiサーバを 立ててみた。コンピュータ教室内のネットワークにWiki 用のイントラネットWebサーバを準備し,PHPで書か れたPukiWikiを用い,附中版Wikiを実現した。質も 量も史上最大の百科事典を創り上げることを目的とした ウィキペディアというサイトがインターネット上にある が,このシステムはネットワーク上のどこからでも,文 書の書き換えができるようになっており,共同作業で文 書を作成することができるのが特徴である。附中版Wiki で情報通信ネットワーク活用に関する情報をまとめ,そ の情報を共有し,お互いに評価し合いながら,練り上げ ていかせたい。また,蓄積した情報で,世代を超えたコ

Wiki を用いた協働での情報通信ネットワーク探究

〜目指せ.com エキスパート(1学年)〜

福井大学教育地域科学部附属中学校 奥 村 栄司郎 教育実践報告

日々発展し,可能性を広げているインターネット。より豊かな社会の実現のため,主体的に活用し ていくためにはどうあるべきか。中学校技術・家庭科の技術分野において,コンピュータの双方向性を 生かしながら,協働で情報通信ネットワークの仕組みや使い方を探究し,生活に生かしていく術を発信 していく授業を展開したい。このような思いから,附属中学校のネットワークに情報共有ツールとして 注目されているWikiサーバーを立て,個人探究を協働で練り上げていく方策を研究し,第1学年にお いて授業実践を試みた。

キーワード:情報通信ネットワーク,探究,協働,Wiki

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ミュニティを形成するツールとしても活用していきたい と思っている。

2.学びのすがた

(1)技術科3年間の内容を知り,コンピュータを道具 として活用していく準備をしよう(第1時)

生徒にとっても,授業者である私にとっても,附属中 学校で初めての技術科の授業である。「技術は何をする 教科だと思いますか」との問いに真っ先に聞こえてきた のが,「コンピュータの勉強をする教科です」,「いろい ろなものを作ります。玄関を入ったところにあるペンチ は先輩が作ったものだと聞いています」,「ものを作るの は楽しそう」という声が聞こえてくる。その中で,「イ ンターネットの学習がしたい」という意見も多くあった。

そこで「技術科は先人のくふうの繰り返しと地球資源の 消費によって生まれた豊かな現代社会において,自然と の共生を大切にした技術の活用について考え,私たちの 明日・地球の未来を拓く学びに挑戦していくための教科 である」旨を告げ,3年間のおおまかな学習内容を伝え,

技術の学びについての全体的なイメージを共通認識した。

「これからインターネットを始めとする情報通信ネッ トワークについてみんなで学習していこうと思う。さっ そくコンピュータを使ってみよう。」生徒にユーザー名 とパスワードの書かれたカードを配布し,実際にネット ワークにログオンさせた。

生徒:うちのパソコンはスイッチを入れたらすぐ使えるのに,

学校のパソコンは面倒くさいです。

生徒:このパスワード全然覚えられないです。

生徒:何とかなりませんか。

附属中学校のコンピュータは,パーソナルなものでは なく,パブリックなものである。記憶装置などのリソー スはユーザー名で割り振られているので,どのコンピュ ータを使っても,自分の環境で作業ができるようになっ ている。さらに,福井大学のコンピュータネットワーク の一部であり,責任を持って使って欲しいと伝えた。そ の上で,ネットワークにおいて「鍵」となるユーザー名 とパスワードを意識し,各自が管理するパスワードを再 設定した。

<日奈子の振り返り>

技家は小学校になかったので,中学校で頑張りたいです。パ スワードの変更の仕方が分かったので,個人情報を守るために,

徹底的に変えようと思いました。

(2)Wiki を使って情報共有

〜自己紹介をしよう〜 (第 2 時〜第 3 時)

コンピュータネットワークは,送信する機器を特定す るための番号であるIPアドレスをもとに,お互いに情 報をパケットに分割してやり取りをしている。まずは今 後情報通信ネットワークを調査していく上で重要になる

「仕組み」に焦点を当てるため,ipconfigで各自のコン

ピュータのIPアドレスを調査し,pingコマンドでお互 いにデータが届くかを実験した。「何かむずかしい」「IP アドレスって聞いたことがある」「僕はパソコンに自信 がある。本格的な内容でやる気がわいてきた」というつ ぶやきが聞こえた。

情報共有ツールとしての Wiki

「今日は附属中学校のウィキペディアを使ってお互い に自己紹介をします。」こう切り出すと,子どもからは

「ウィキペディアってインターネットのやつ?」,「調べ ごとをするときに使っているよ」,「インターネットで書 き込みをするのは大丈夫なの?」,「附中のWikiはどこ にあるんですか」,「家からもつかえるの?」と様々な声 が飛び交う。挙手させると,ほとんどの生徒が今までに インターネットでウィキぺディアを使ったことがある。

実際に附中版のWikiサーバに接続して,ネットワーク を使った情報共有を自己紹介という形で体験する。まず はタイトルと箇条書きの方法をワークシートで使い説明 すると,早速ページ作りに没頭する。ページ作りの中で,

うまく表示されないものが,隣の仲間と相談しあってい る様子。のぞいてみると,文字の大きさが違い,そのこ とを指摘され修正している。

康正:パソコンに半角,全角があるなんて初めて知りました。

違いを調べたいと思います。

春菜:今日は自分のページを立てました。最後に打つ#com- ment を打って更新したら,相手からのコメントが入 れられなかったそうです。ショックです。

その日の振り返りには,このように書いてある。康正 は,文字の違いに気づいたが,春菜は気づけなかったよ うである。そこで次時は,「うまく表示されなかったり,

コメントが入れられなかったりした人は,他の人のペー ジと自分のページを見比べて違いを探そう」と切り出す こととした。

春菜:今日は自分のページにコメントが入れられるようにな ったのでよかったです。

コンピュータの学習でレディネスの違いはよく指摘さ れる。今回のテーマである情報通信ネットワークは進歩 がめざましく,既知の知識では陳腐化して対応できない ことも多い。この授業においても仲間をともに学習を進 めながら,自分で解決していく力をつけていることを感 じた。

Wiki による情報交換

次の週はいよいよWikiを使った情報交換を始めた。

附属中に入学してまだ1ヶ月弱,少しずつ打ち解けて,

お互いの思いを語り始める時期である。まずは子どもた ちの必然性を持った内容で,情報通信ネットワークを体 験させたいと思い,今回の自己紹介を設定した。Wiki は複数で1つの情報をまとめていくことができるツール である。今回は自分のことを簡単に紹介するページを作 り,最後にコメントを入力する欄を作った。この欄を活 用することで,各自のページにコメントが自動的に追加 奥村 栄司郎

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され,ページが充実していくが,情報を発信する側には 責任が伴う。ここで,4班美佳の前時の振り返りを紹介 して,どうすべきかを考えた。

美佳:今回は主に「自分のページ」を作りました。私 は初めて自分のページを作るので,不安ですが,

注意点などをしっかり押さえて学習していきた いです。

お互いの意見を出し合う中で「情報を扱う上での大切 なことは,正しい情報をわかりやすく伝えることであ る。」と結論づけ,発言には名前を入れることや,適切 な内容の書き込みを意識することなどを確認し合い,今 後の学習に活用していくこととした。

「みんなのことがよく分かった。」,「みんなおもしろい 内容を書いていた。」,「今日も自分のページを変更しま した。まだあまり作っていませんが,これから楽しんで やっていきたいです。」この取り組みを通して,まずは 附中版Wikiの可能性を感じてくれたようである。

(3)インターネットをしくみと使い方で調べていこう

(第4時〜第7時)

情報通信ネットワークの世界を広げる

本時からいよいよ本題の情報通信ネットワークの探究 活動に入っていく。まずは個人で挙げたインターネット に関するキーワードを生活班で持ち寄る。そのキーワー ドをグループでつなげながら,インターネットに関する イメージマップを作りあげていく。

4班ではインターネットを肯定的に捉え,楽しい・便 利と考えていた日奈子,美佳に対し,亮と克明がインター ネット詐欺やブログの問題点を指摘し,インターネット の2面性について話が進んでいった。

美佳:インターネットはたくさんのことが関わっていた。便 利な分,危険なこともあることが分かりました。

そこで出てきたキーワードを元に,もう一度自分の体 験を振り返りながら「しくみ」と「使い方」の2つに分 類していく作業を進めた。日奈子はこの二つの分類に新 しく加わった視点を加えることがなかったが,美佳は「詐 欺」を使い方の分類に加えた。

<日奈子の振り返りより>

今までこんなことを考えたことがなくて,意外に多くあっ てびっくりしました。まだまだあると思うから見ていきたいで す。

自分のテーマを決める

各自が分類したキーワードについて,テーマになりそ うなことを個々にインターネットや資料を基に調べ,自 分の探究する2つのテーマを決定する。ここでは十分な 時間をかけて探究に値するテーマを選択する中で,子ど もが個々の経験を振り返るとともに,すでに探究活動を 進めることになる。さらに子どもと情報通信ネットワー クとの関係をつないでいる。

なかなか見つからなかったけれど,不思議に思ったこ とを中心に調べようと思いました。

<日奈子のワークシート・振り返り>

日奈子のワークシートより

日奈子のワークシートより

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探究テーマを交流する

各自が悩みながら設定したテーマ。ここで仲間と交流 する中でもう一度見つめ直し,今後の探究の方向性を確 認するとともに,自分の課題を追究する姿勢を持たせる ことを目的として本時を設定した。まず,テーマ設定の 出発点であるグループに戻り,自分の考えた課題をお互 いに発表しながら交流することとした。

洋 :コンピュータウイルスにかからないようにするために 使い方として調査します。また,フャイヤーウォール というのが外部からの侵入を防ぐはたらきがあるので しくみとして調べたいです。

克明:どんなことに気をつければいいか知りたいので,イン ターネット詐欺のしくみについて,そしてよく使う グーグルアースのいろいろなことが知りたいから使い 方について調べます。

亮 :僕もインターネット詐欺とグーグルアースについて調 べます。

日奈子:クリックするとページが移ることがすごいし,不思 議なのでハイパーリンク,またどうやって情報が送 られてくるか知りたいのでメールのことを調べます。

美佳:よく使うグーグルの使い方と,サーバーのしくみにつ いて調べます。

各自が自分のテーマを発表し,お互いに意見を交換し た。しかし,自分のテーマが決まっているため,他のメ ンバーのテーマにはなかなか興味を示すことができず,

4班は単なる報告会で終わっている。続いて,Wikiの 検索機能をもとに,同じテーマや自分の興味のあること を調べようとしている仲間とコミュニケーションを図る 中で,自分の課題を見つめ直し,今後の探究の方向性を 確認することとした。日奈子はハイパーリンクやリンク をキーワードに同じテーマの仲間を捜したが,クラスの 中にはいなかったため,メールに関して情報交換を進めた。

更 :メールはどんなところでもインターネットがつながれ ば誰とでもできて,いろんな人との輪が広がっておも しろい。

志織:私がいつも使っているメールがどうやってつながって

いるのか不思議で知りたい。

雅美:どうやってつながっているかとメールの正しい使い方 を知りたい。

<日奈子の振り返り>

同じテーマをしらべている仲間は少なかったけれど,みんな どうしてこのテーマにしたのかっていう理由が違ったので,自 分の思ったことを調べたいです。

(4)自分のテーマをインターネットや資料で調査しよう

(第8時〜第9時)

本時からいよいよ個人探究に入る。各自が設定した テーマを一覧表にまとめ,全体で共有する中で,仲間の 探究を意識させるようにした。その上で各自が2つのテ ーマについて「自分はどのように理解していったか」「ど のような場面で役に立つか」を意識しながら調査活動を 行い,まとめていく。今までの課題設定までのプロセス において,調べたい,まとめたいという気持ちが高まっ ていたのか,無言でコンピュータに向かい,必要な情報 を自分のWikiに貼り付けているもの,仲間のページを 閲覧しながら,自分の探究を見直すものなど様々である が,どうしても,インターネットによる情報を頼りにし,

見つけた情報をそのまま貼り付けているものが多い。個 人探究2時間目はどんなページを作りたいかを問いかけ たところ,「作ったページは附中版Wikiとして,みん なはもちろん,先輩,後輩と使っていけるものにしたい」,

「難しい言葉では分からない」,「見やすいレイアウトに したい」といった声も上がった。

各自のテーマ一覧表

<日奈子の振り返り>

ハイパーリンクについて,少しは詳しく調べることができた ので良かったです。他の人のページも参考にしてみたいです。

ハイパーリンクの中にハイパーテキストや URL などが出てき たので,ハイパーリンクはいろんな事とつながっていることが 分かりました。

グループで自分のテーマについて発表しあう

奥村 栄司郎

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(5)お互いに進行状況や参考資料を紹介し合い,調査 に生かそう(第10時)

まず,仲間のWikiを閲覧する中で,読み手を意識し たわかりやすいまとめ方について,各自が考え発表し,

全体としてまとめ方の視点を共有しようと投げかけた。

「自分の言葉で書くとわかりやすい」,「書いてある分量 は少ないけれど,まとめてある」といった意見が出た。

そこで「わかりやすい文章,書式の工夫,視覚的に訴え る図」とポイントをまとめた。続いて,テーマ設定から 関わっている生活班で中間発表を行う中で,各自が進度 について確認するとともに,自分たちのまとめ方を振り 返らせた。さらに,同じテーマや興味のあることを調べ ている仲間をWikiで探し,お互いに交流する中で,内 容面に関しても充実させていきたいと考えた。Wikiへ のコメントの書き込みを通して,この取り組みをクラス 全体に広げていった。

<日奈子の振り返り>

分かりやすく書いてある人がいて,いいなあと思います。真 似したりして,伝えたいことが良く伝わるようにしていきたい です。

(6)意見を参考に自分のテーマをさらに調査しよう

(第11時〜第13時)

助言しあったことを参考に再調査を行ったり,内容の 再検討を行ったりして,調査活動を進める。また,読み 手を意識した内容はもちろんのこと,Wikiの書式に則 り,わかりやすい紙面を心がけまとめていく。

日奈子はハイパーリンクについて調べている中で出て きたURLをキーワードに検索し,URLを調べている沙 織へ次のような書き込みをした。

URL について,よくわかりました?ズラーって書いてある と分かりにくいから箇条書きにするといいかもォン!! 2008- 06-25 (水) 11 : 14 : 40

これを受けて沙織は次のように,ページを書き換えた。

またこれを受けて,沙織から日奈子の書き込みがあっ た。

URL に組織の種類まであるなんて初めてわかった?!

--2008-06-25 (水) 11 : 25 : 24

次々と友達に書き込みをしていく日奈子。自分の友達 関係だけではなく,同じメールについて調べている仲間 のWikiを閲覧して,コメントを書き込んでいる。

沙羅:画像が張ってあって,みやすいょン。 -- 2008-06-25

(水) 11 : 17 : 42

雅美:ポイントとかあって見やすいよ。例とがあっていいね ン!-- 2008-06-25 (水) 11 : 19 : 19

百合:大事なところとかかこってあって,とっても見やすい です!! -- 2008-06-25 (水) 11 : 20 : 38

更 :箇条書きで,とっても見やすいよン!自分の言葉に直 してあって,素敵!! -- 2008-06-25 (水)11 : 23 : 41 同じように書き込みで漢字の間違いの指摘を受け,修 正して自分の探究のページを完成させた。

<日奈子の振り返り>

今回は,テーマの「メール」や「ハイパーリンク」について 詳しく知ることができました。他にも文章をより伝わりやすく なるようにとか,まとめたりするのも他の子のを見たりして,

いろいろ工夫することができました。文章を丸写しするのでは なく,自分の言葉に直すって言うのも,情報を伝えることの中 でも大切なことだと思いました。これからもっと深く探究して いけたらいいと思います。

(7)「作成した Wiki で仲間に情報を伝えよう」

(第14時〜第15時)

まだ実践していないが,仲間のWikiを読みながらそ の内容を理解するとともに,感想や質問をお互いに送り,

知識を深めたり,修正を促したりする内容であと2時間 授業を行い,この単元を終了する計画である。

日奈子の作った探究のページ

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3.題材を通しての省察

(1)子どもの学びのプロセス

日奈子は中学校で始まった技術の学びに関心を持ち,

意欲的に学習に取り組もうとしている。前時の授業が終 わるとすぐにコンピュータ教室に足を運び,他の生徒の 電源も入れて回る。授業が始まるまでは自由にパソコン を使ってよいことにしてあるので,2,3時間目に設定 した自己紹介のWikiページで友達とのメッセージ交換 を楽しんだり,自分のテーマについて,調査を進めてい たりしたこともあった。

探究のテーマ設定では,各自が挙げたキーワードを,

グループで持ち寄ってイメージマップを作成することか らスタートしたが,ここでも班の中心となって話を進め ていた。そのような中で,いわゆるインターネットの影 の部分が表面化してきて,グループのマップに書き込ん でいった。同じグループの美佳は新しい視点を次々と書 き込んでいったが,日奈子は自分で挙げたキーワードへ のこだわりが強く,そのようなキーワードにはほとんど 触れずに,インターネットのプラス面を追究しているよ うであった。このあと,自分のテーマを絞り込む活動を したが,1時間目はキーワードを入力し,検索した結果 を見て,また次のキーワードを入力するということの繰 り返しであった。そして2時間目は「不思議のある疑問 が多いもの」という基準を立て,テーマを「ハイパーリ ンク」と「メール」に絞り込んでいった。

個人の探究活動では,まず「ハイパーリンク」を課題 に挙げ,インターネットでの検索で引っかかった文章を 貼り付けていたが,その中でまた分からない言葉が出て きて,その言葉を調べて貼り付けるという繰り返しでペ ージを作ってきた。中間発表では,同じグループの仲間 のインターネット詐欺についての発表を聞き,「詐欺に もいろいろな種類がある。引っかかったら焦らず,冷静 になることが大切だと思った」と自分の気づきを書き留 めている。また,お互いにページを見せ合ったり,書き 込みをしたりという中で,自分の言葉で表現し,伝える ことの大切さに気づいた。

後半の個人探究では,もう一度友達や同じテーマを調 べている仲間のページを閲覧し,精力的に感想を書き込 んでいる。前述した沙織のようにそれらの書き込みを元 にクラス全体のページ作りが大きく動いていった。「メー

ルは結構簡単に調べることができたけれど,ハイパーリ ンクはあまり資料が出てこなかったので難しかったです。

だけど少ないことでも上手にまとめている人がいたので すごいなあと思いました。私のテーマは難しいのだった けれど,ちゃんとまとめることができたのでよかったで す。」と述べている。これは個人探究を進めるにあたっ ても,コミュニティの中で,お互いの探究を深めている ことの表れだと感じる。

このようにして日奈子は,情報通信ネットワークの情 報の相互参照性や,検索可能性を使いこなして,考え,

判断し,発信する能力,すなわち知識基盤社会で求めら れる「生きる力」を伸ばしていったことが,最後の振り 返りからも読み取れる。

(2)今後の課題

今回の取り組みは,コミュニティを生かした個人探究 をつなぎ合わせて,全体の学びに高めることを目指した。

まだ最後の全体の学びに統合するところまで授業が進ん でいないが,この部分を成功させるには,単に評価しあ うだけではうまくいかないように感じる。共有の場を作 る仕掛けを工夫していきたい。

また,今回のレポートを書きながら痛切に感じたのは,

事実の一部は見取れても,学びは見取れていないという ことである。この4ヶ月,見よう見まねで附属中学校の 授業スタイルを実践に当てはめようとしたが,うまくい かなかったことも多い。ますは,何よりも協働の必然が ある題材に持って行けたか,子どもの筋でストーリーが 展開する題材の構成がデザインできたか,子どもの思考 が表出するドキュメンテーションの工夫があったかとい う視点で実践を見つめ直していく必要がある。

参考文献

福井大学教育地域科学部附属中学校(2004)

中学校を創る 東洋館

福井大学教育地域科学部附属中学校(2008)

学びを拓く≪探究するコミュニティ≫研究紀要36号 PukiWiki公式サイト

http : //pukiwiki.sourceforge.jp/?FrontPage

Information and communication network research by the collaboration in the class that Wiki was used Aim to a .com ex- pert

Eishirou OKUMURA

Key words :Information and communication network , inquiry , collaboration ,Wiki 奥村 栄司郎

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参照

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