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金沢医科大学報第129号

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Academic year: 2021

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(1)

■年頭挨拶  理事長、学長、病院長 病院第 2 新館オープン ■学事 平成 19 年度医学部 AO・推薦・編入試験 看護学部設置認可される 新任教授紹介(北村) 第 38 回教育懇談会 □学生のページ 学生の表彰 ■学術 第 2 回 KMU 研究推進セミナー 第 40 回日本てんかん学会 第 33 回日本胆道閉鎖症研究会 産学連携セミナー 産学連携の概要と代表事例 ■病院 「病院機能評価」の訪問審査終わる 患者用図書コーナー設置 地域がん診療連携拠点病院指定内定 第 12 回地域医療懇談会 平成 18 年度防災講習会・災害訓練 ■管理・運営 平成 18 年度本学永年勤続表彰 互助会:第 26 回文化祭 ■随想 20 年の勤続に思う ■報告 国立台湾大学腫瘍内科を訪ねて ■同窓会・後援会 第 8 回金沢医科大学北斗会懇親・懇談会

No.

129

January 2007

兼六園のろうばい

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金 沢 医 科 大 学 報

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年 頭 挨 拶

新年、明けましておめでとうございます。皆さんも新たな心で新年を迎えられたことと存じます。 昨年は、病院機能評価の審査、地域がん拠点病院の指名、看護学部の認可、また、第 2 新館も完成し、病院の 増改築も一段落することになりました。平成 12 年 12 月 14 日に病院新館の建設がはじまって以来、大学にとって は、まさに熱い 7 年間であったと思います。改めてご協力いただいた皆さんにお礼を申し上げます。 昨年を振り返りますと、母親が幼児を、また、息子が年老いた親など、弱いものを虐め、虐待し、さらにはそ の命を奪う悲惨な事件が多発し、学生時代の性善説や性悪説の議論を思い出しました。結局、人間の本性は悪で あり、「礼」によって整え、社会秩序を維持するという、荀子の性悪説に軍配が上がり、60 年振りにこの問題が決 着したと感じております。このような事件の背景には、教育の問題があると思いますが、最近の教育は「知識と 技術の修得とその評価」に重点がおかれ、教育の本来の目的である人格形成が忘れ去られているように思います。 その意味で、私は医学教育を含め、日本の教育は根本から見直す必要があると思っております。 さて、私は昭和 49 年にこの大学に着任いたしましたが、当時の病院長である吉田清三先生は、これまでの大 学付属病院とは違う、「患者中心の医療」を目標とした、病院を作りたいと考えておられました。建学の精神であ る「人間性豊かな良医の育成」とこの「患者中心の医療」が、私の医学教育を考える原点になりました。 この大学に勤務して 33 年になりますが、私の視点で、これまでの大学の歩みを振り返り、これからの大学の 課題についても、お話をさせていただきます。独断と偏見についてはお許しいただきたいと思います。

1.豊かな人間性を育む教育について

大学が創設されてからの 15 年間は、大学はまさに混乱期であり、表現に問題はありますが、当時、教育に求 められたのは、国試対策のために少人数を対象とした家庭教師なみの教育でした。しかし、このような教育を通 して、成績不振は能力の問題ではなく、学習の仕方が確立しておらず、そのために学習意欲が著しく低下してい ることが原因であることが分かりました。国家試験の合格率も向上し、入学志願者も次第に増加し、大学にも余 裕ができたこともあって、建学の精神である「豊かな人間性を育む」教育を含めて、金沢医科大学の教育を考え ることになりました。 最初に、現代教育の理論的な原点であるペスタロッチの教育原理、明治維新で活躍した多くの人材を育てた松 下村塾や緒方洪庵の適塾、さらには丁稚奉公などを参考に教育技法を検討いたしました。これらの教育技法は「顔 の見える教育、同じ目線での教育」を中心に、いずれも少人数教育を基本としております。この少人数教育は、「人 間性を育む」ために有用であり、「知識や技術の正確な修得」にも適していると考えました。実は、これまでの医学 教育でも少人数教育は導入されており、現在の PBL や CCS などの原型になっていることはご存知のとおりです。 昭和 63 年に副学長になった折りに、「豊かな人間性を育む」教育の具体的な目標について、当時、医学教育振 興財団理事長であった懸田克躬先生にお考えをお尋ね致しました。そして「医者としての Attitude(態度、心構 え)」教育、あるいは「人間としての Manner 」教育を第一に考えるべきであることを教えていただきました。医 者としての心構えや人間としての態度教育を考える上で、最初に、頭に浮かんだのは新渡戸稲造の「武士道」で した。この武士道では人間としてのマナーの基本として「義、勇、仁…」などを上げておりますが、医師を対象

きびしい現実を見つめ

さらなる発展を

理事長

小田島 粛 夫

※本学イントラネット VOD 供覧中

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とする「豊かな人間性」を育む教育の第一歩としては、慈愛と謙遜を基本とし、他人の感情を理解して行動する「礼 儀」を取り上げるべきであると考えました。この「礼儀」は荀子の「礼」に通じ、具体的には「躾」に属するもので、 講義などで教える、あるいは教えられるものではありません。学生がその成長過程で、自然に身につけるもので あり、昔から「親の(あるいは師の)背中を見て子は育つ」と言われているように、学生に影響力のある親や教員 の行動が極めて重要であると考えました。 このような考えから、教授選考では、研究能力が第一であることには変わりがありませんが、人物考査を重視 し、教授選考に面接を導入することにいたしました。日本では例のない試みであったと思いますが、いずれにし ても「礼儀」をわきまえない教員は排除すべきであると思っております。 また、学生についても、学力のみではなく素質を重視した、人物本位の選抜を行うべきであると考え、ハーバ ード大学などの入学試験方式を基に、山下副理事長のご意見もあって、ワシントン大学の入学試験方式などを参 考に、日本に適した AO 入試を検討いたしました。しかし、日本ではクリアすべき問題も多く、非常に難しいの が現実であると思っております。医学部での AO 入試の導入は本学が最初ですが、最近、AO 入試を導入する医 科大学・医学部も見受けられます。いずれにしても医師として、「豊かな人間性を育む」教育の鍵を握るのは AO 入試であると思っております。 次に大学の経営を中心とした、制度改革について、基本的な考えについて述べさせていただきます。

2.大学の管理・運営と経営について

1)理事構成について 開学時に不祥事が相次ぎましたが、その回復が遅れた 1 つの原因は、大学の最終意志決定機構である理事会構 成に問題があると考えました。開学時の理事 13 名のうち、教育に関連する理事は学長のみであり、開学 10 年後 の昭和 56 年に、新たに病院長が理事になりましたが、それでも 15 名の理事のうち、教学系の理事が 2 名に過ぎ ませんでした。その後、歴代理事長の努力によって教学に理解のある理事が増加し、平成 16 年の理事改選では、 大学から選ばれた理事が過半数を超えるようになりました。一般に、学外理事の少ない私立大学が多く、これは 意志決定を迅速に行うためであると思いますが、これからの大学経営を考えれば、問題も多く、さらに検討した いと思っております。 2)大学における業務分担と責任体制について 古い話になりますが、私がこの大学に着任した昭和 49 年ころ、教授会は医学部教授会規程を作る作業を進め ており、教授会規程第3条は「教授会は次の事項を審議・決定する」と致しました。しかし、理事会ではこの「決定」 は削除され、現在の教授会規程第3条は「次の事項を審議する」になっており、決定は削除されております。実は、 寄附行為に付随した学校法人金沢医科大学理事会業務委任規則の第 4 条で、教育・研究に関しては学長に、診療 については病院長に、その他の経営に関する財政や人事は理事長に委任することが規定されており、基本的には 教授会規程で「決定」を削除した理事会の判断は正しいと思っております。なお、この規程のように、一般に理 事長、学長や病院長の役割と責任は明確に規定されており、本学に特有のものではありません。しかし、機構の 異なる国立大学と混同し、私立大学における業務や責任分担を誤解している教職員も多く、私立医科大学におい てはこの規程の趣旨を徹底しなければなりません。 3)学長、病院長のリーダーシップの確立について   大学を取り巻く環境の変化に的確に対応し、教育・研究および診療体制の見直しを進めるためには、学長や病 院長のリーダーシップが必要不可欠であると考え、これまでの教授による学長および病院長の選挙を廃止するこ とに致しました(平成 16 年度)。詳しい説明は省略致しますが、規程の上でも、この決定は正しい判断であった と思っております。 本学が学長選挙を廃止して 1 年後に、学長選挙を廃止した国立大学もあり、最近では、改革が進んでいる国立 大学の多くは、選挙による学長選出を廃止しており、学長選挙制度の廃止は、まさに時の流れであると思ってお ります。この学長選挙制度の廃止は、大学の制度改革の中でも、最も重要な意味を持っていると考えております。 4 月あるいは 9 月には学部長制度を導入することになりますが、これによって、教授会と学長の役割、その関 係がより鮮明になると思っております。なお、この学部長制度は決して新しい制度ではなく、本学は、開学時に は学部長制度を採用しておりました。 4)企業としての大学の体質変換について 正直に申しまして、本学は発足以来、あらゆる点で国立大学医学部を模倣した、いわばそのミニチュアであり、 今なお「親方日の丸」的な考えから抜け出すことができず、私立医科大学としての自覚に欠けているように思っ

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金 沢 医 科 大 学 報

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ております。一方、国立大学は急速に管理・運営から経営へと体質の変換を進めており、この傾向は優れた業績 を上げている大学ほど、足早であるように思います。 例えば法人化した国立大学は事業を企画するにあたって、あらゆる角度から分析し、一般企業と同じく最終的 には、収支についても厳しくチェックしております。これまでの教育や研究を「錦の御旗」として最優先する考 えは薄れて、収支を重視した、企業そのものに変わりつつあると言っても過言ではありません。今後、私どもも、 この点の意識改革が必要であると思っております。 私個人としては人材を育成する大学は「象牙の塔」であり続ける、あるいは「象牙の塔」でなければならないと 思っておりますが、大学が発展するためには、すべての教職員が、大学を取り巻く環境を認識し、企業意識を持 って努力しなければ、今後の大学の発展はないと思っております。 以上、大学が存在し、運営される基盤については、一応、整理して述べることができたと思っておりますが、 将来に向かって問題がないわけではありません。旧態依然とした講座中心、あるいは講座お任せの教育、研究、 そして診療システムでは多彩な社会の要望に応えることは難しく、抜本的な大学の機構改革が必要であると思っ ております。 当日、時間の関係でお話しできなかった大学が直面する諸問題について、ここに付記させていただきます。

3.大学の直面する諸問題について

1 )建学の精神と医学教育について: 講座お任せの教育からの脱却など教育の効率化が進めば、国試合格率の 向上は、特に問題はないと思います。今後は金沢医科大学として、人間性豊かな良医を目標とした、特色ある教 育の確立が、大きな課題になると思っております。 2 )研究の活性化について: 将来、医師を目指す学生のために、研究心を育むことが極めて重要であり、教育 の担当者である教授は優れた研究者でなければなりません。また、研究の活性化は、大学としてはもちろん、次 代を背負う若手研究者の育成のために、不可欠であると考えております。 3 )がん治療センターについて: 地域のがん拠点病院に指名され、21 世紀集学的治療センターを中心に、 PET-CT やリニアックなどの高度の診断・治療機器を整備いたしました。社会的責任を果たす意味でも、全学を 上げて、がんの診断や治療に取り組むことが望まれます。 4 )地域医療支援について: 本学の電子カルテシステムを中心に、時空環境学会議の支援を得て、電子カルテ を基本とした、地域医療支援対策を積極的に進めるべきであると考えております。しかし、医療支援システムの 整備などの問題もあり、現在、理事長室を中心に努力中です。 5 )看護師不足問題・プロジェクト N について: 看護専門学校から看護学部への移行に伴って、深刻な看護師 不足が予測されますが、一方では、全国的な看護師不足が医療上、大きな問題になっております。看護師不足の 問題は、単に宿舎の完備を含む待遇改善などもさることながら、看護師にとって「病院が心から満足できる職場 であるかどうか」という本質的なことが問われているように思います。この問題の解決は容易ではありませんが、 大学としては抜本的な対策が必要であると考え、現在、その組織作りを進めております。 6 )予算制度の効率化について: 平成 17 年度から、予算案の作成にあたっては、部門別の中長期計画および 当年度計画の提出をお願いしております。この方式によって、大学としての重点事業を十分に検討できること、 将来構想の実現に向かって、かなり現実的な計画が可能になりました。 7 )大学のリニューアルについて: 病院別館の増改築が終了すれば、最初に予定していた大学の増改築は終了 しますが、その後の増改築の計画については、現在、検討中です。大学の多くの建物は、建設されてから 35 年 以上経過しており、いずれリニューアルが必要になると思っております。現在、昭和 56 年に改訂された耐震基 準に従って、すべての建物の耐震診断を行い、また、一方では大学を取り巻く活断層の分布についても検討して おります。耐震補強が必要な建物、あるいは建て替える必要があるものなどの選別を行い、順次、リニューアル を進める予定ですが、このために大学のグランドデザインを急がなければなりません。大学のグランドデザイン を明確にした上で、緊急性の高いものから順次、改築あるいは増設など、大学のリニューアルを進めたいと考え ております。 大学は大きな転換期を迎えており、リーダーはもちろん、教職員は先に述べた大学の管理・運営と経営の実態 を正確に理解し、今後の教育、研究そして診療の改善・改革に取り組むことを心から望んでおります。 皆さんのご協力をお願いし、年頭の挨拶とさせていただきます。

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年 頭 挨 拶

現在の延長線上に将来はない

将来は皆の力で新しく創っていくものだ

学 長

山 本  達

はじめに

皆さん明けましておめでとうございます。ご家族そ ろって良いお正月を迎えられたことと思います。 昨今の世界情勢はイラク問題、北朝鮮問題と多事多 難でなかなか心も休まりません。 国内では、激しかった小泉政権の改革の荒波、米国 一辺倒の政策誘導が終わったかと思えば、安倍新内閣 が発足し、戦争を全く知らない戦後生まれの初めての 総理大臣の誕生に国民は新たな期待をしているわけで すが、当面は保守回帰の機運が徐々に高まっていくの ではないでしょうか。 このような社会情勢の大きな変化に加え、医学教育 制度や医療制度改革の嵐の中でありながらも、本学は 皆さんの一層の努力と柔軟で適切な対応のお陰で、経 営面でも、教育・研究・診療面でも大変順調な歩みを 続けているものと確信しております。 2007 年の年頭にあたり、教学を中心とした大学の 現状と今後の方針について少し述べさせていただきた いと思います。 1. 教育改革の推進 幸い本学の教育の外部評価の最たる指標である医師 国家試験成績は近年着実に改善されてきており、喜ば しいことでありますが、より良い成果を得るためにこ れからも手綱を緩めることなく最大の努力を傾注して 行かねばならないと考えております。 また、入学生も多くの志願者の中から優秀な人材 を 獲 得 す る こ と が で き て お り ま す が、 実 態 は 2006 年問題といわれる ゆとり教育 で育った人材であ り、本学が目指す良医の育成のためには、低学年の う ち に い か に 自 立 心 や 自 学 自 習 の 学 習 態 度(adult learning theory による)を修得させ、医師になるとい う professionalism を植えつけるかが最も重要である と考えております。 一昨年、医学教育センターを発足させ、教務の頭脳 として教員の FD や新しいカリキュラムの研究を推進 していただいておりますが、現時点での最大の課題は、 これまでのように教育が講座任せで、大学として授業 の正確な実態が把握できない状態から脱して、内容や 質が十分に保障された最善の教育を学生に提供できる 大学主導の体制を作ることであり、教員が力を合わせ ることによって、より責任ある教育体制を構築して行 かねばならないと考えております。 本学のカリキュラムは教育改革の最先端を走ってお り、他に自慢できる立派なものであると考えておりま すので、現時点で大幅な変更は必要ありませんが、 制 度は作った時から陳腐化する ということも事実であ ります。PBL 問題等、教員のマンパワー不足も露呈 しており、本学の実態に合わず目的達成に苦しんでい る部分については、少しでも教育効果を高めるべく、 ダイナミックな改変を行っていくべきであろうと考え ております。 2. E-Learning への助走 現在、3 月末を目標に、本学の全ての授業の電子シ ラバス化の作業を進めているところであります。電子 化の目的はたくさんありますが、授業内容が事前にす べて公開され、常時アクセスが可能になり、教員と学 生が情報を共有することで、より充実した教育効果が 期待できます。予習、復習が容易になり勉強すべき参 考資料も提示されていれば、授業内容について常時学 生と教員間で双方向の質疑応答ができる体制が構築さ れます。学習評価法等についても明示され、より効率 的な学習ができます。シラバスの内容により、教員の ※本学イントラネット VOD 供覧中

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授業に対する考え方や意欲が評価できることにもなり ます。さらに、一度電子化しておけば毎年容易に改定 することができ、教員の負担も大幅に軽減される等多 くの相乗効果が期待できるものと考えております。 また、今年度より念願であった図書館の電子化が数 年の計画で予定されており、図書館情報にも 24 時間 常時アクセスが可能となります。 一方、昨年より本格的に始まった 4 年次の CBT 対 策の一環として電子講義室の整備が望まれております が、1 学年全員が同時に使用できる端末数を備えた 24 時間開放型の電子講義室が実現できれば、CBT はも ちろんのこと、情報教育や英語教育など多目的に利用 できる上、学生たちが 24 時間いつでも自由に電子シ ラバスにアクセスでき、予習、復習の環境整備が整う のではないかと考えております。 このことは、全世界の大学や図書館へのアクセスも 可能となり、E-learning への準備に一歩も二歩も前 進するのではないかと大きな期待をよせているところ です。 3. 新大学院の完成年度、研究の充実 本学の大学院は昭和 57 年にスタートしており、旧 制度の大学院は基礎医学系 3 分野、臨床医学系 2 分野、 合計 5 専攻分野に分けられた講座主体の組織でした が、最近の医学研究の急速な進歩とパラダイムシフト にはもはや対応しきれず、全体を横断的研究が可能な 生命医科学の 1 専攻にまとめられた新大学院組織に改 組されました。この 3 月で完成年度を終え、昨年 12 月 に、この 4 年間の成果に対する文部科学省のヒアリン グも無事終了しました。時代に即応した本学独自の大 学院が完成したと考えております。 このような素晴らしい大学院制度が整えられたわ けでありますが、一方で、卒後 2 年間の臨床研修義務 化が施行されて専門医志向が強くなり、以前のように 多くの卒業生が継続して大学院での研究を選択してい た時と、医学部における大学院のあり方が少し変化し てきたことも事実であります。従来の考えにとらわれ ずに、医学生にもっともっと興味深く、多彩な研究テ ーマを提示していかねばならないのではないでしょう か。 本学の研究業績も、国試結果が改善されてきたよう に着実に充実してきており、大学全体の研究活性度の 指標の 1 つである文部科学省の科学研究費の取得状況 も、まだまだ満足すべきものではありませんが、本年 は前年実績の 40%の増加がみられたことは大変喜ば しいことであります。 国や社会から大学機関に対する大きな要請事項であ る産学共同研究の推進を踏まえ、総合医学研究所を包 括した全学的な取り組みで、時代に即応した戦略的な 研究体制に再構築し、ますますの活性化を図っていか ねばなりません。 4. 看護学部の認可   本学の看護専門学校は昭和 48 年医学部に 1 年遅れて 開校し、多くの立派な看護師を育成し、大きな実績を 残して参りましたが、最近の医学や看護学の進歩には 目覚ましいものがあり、最先端の看護知識や技術を習 得することは容易ではなくなってきており、また一方 では、若者の大学志向の風潮も強く、現状では優れた 人材を獲得することが大変困難になってきたことも事 実であります。新しい時代に新しい看護を実践できる 有能な人材の育成に向けて、4 年制の看護学部が 4 月 からスタートすることになりました。 タイミングとしては、病院の看護師不足や、大学に おける看護教育要員の人材不足も重なって、準備当初 からかなり厳しい状況にありましたが、本学開学 35 年目での 2 学部体制への大きな飛躍であることを考え ると、大学の総力を挙げて、どこにも負けない立派な 看護学部に育てていかねばならないと決意しておりま す。 5. 大学の外部評価の受審 昨年は病院の皆様が大変ご苦労されて病院機能評価 を受審されましたが、引き続き本年は大学が外部評価 を受審することになりす。 大学の方は 5 年前に最初の審査を受けておりますの で 1 回目ほどではないと考えておりますが、大変な作 業量が予想されますので、関係部署の皆さんには是非 とも絶大なご協力をお願いしたいと思います。 このように自分たちの組織の運営と業務遂行に対し て、厳しい第三者評価を受け、皆さんとともに反省を する機会が与えられることは、むしろ今後の本学の一 層の飛躍・発展のための絶好の restructure のチャン スととらえて、粛々と進めて参りたいと思います。 6. 教職員の意識改革 昨今のように社会情勢が大きく変化し、大学を囲む 環境が急変した現在は、大学に対して情報公開、自立 や社会貢献が強く求められ、また厳しい大学間競争の 世界を進んでいかねばならなくなっております。この ような環境の変化に柔軟に対応するために、教育や研 究体制の改革を推進して参りましたが、これを可能に する原動力は、やはり長期的な人材の育成であり、短 期的には現教職員の意識改革が最重要課題であると考 えております。その一例といってはなんですが、本学 は他大学に先駆けて敷地内禁煙を決定し、実施して参

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りましたが、禁煙指導を率先していくべき責任のある 職場でありながら、いまだに完全に守られていない惨 めな現実があります。大きく変化する社会の要請に対 する本学の責務を果たしていくためには、職員一人ひ とりが個人の責任においてもっと真摯に考えていかね ばならないと思われます。 中でも、教授や教授会はリーダーとして先頭に立っ て、大学の自立への努力と積極的な大学経営への参画 意識の醸成が求められます。 また、教員の皆さんはどちらかといえば教育より研 究に主力を注ぎたいと考えている方が多いと思われま すが、 研究は責任、教育は義務 という考え方を念頭 に置き、従来の教員中心の考えから、学生を重視した 行動規範を心がけていただきたいと考えます。病院の 最も重要な stake holder は患者さんである(patient-centered )ように、大学のそれは学生である(student-centered )ことを十分認識することが大切であります。 授業の取り組み方においても、今までのように 教 員が何を教えた ということは大きな問題ではなく、 学生が何を学んだか ということが大切で outcome-based education の理念に基づく教育の重要性を理解 していただきたいと思います。 時代の推移とともに労働に関する考え方も大きく変 化してきており、フリーターやニートが蔓延する時代 となり、職員の皆様に以前のように帰属意識を強く求 めることは大変困難でありますが、少なくとも大学に 勤務されている限りにおいては、大学の社会的使命・ 存在意義(university social responsibility )を達成す るべく最大限の努力をすることが大学職員としての義 務であり、責任であり、使命であります。 本学の果たすべき社会的使命とは、建学の精神であ る 良医の育成 、 最先端医療の開発・実践 、 社会へ の貢献 そのものであります。 言い換えますと、皆さんが職場で働く原点として、 1 )学生(患者)のためになっているだろうか、2 )大学 (病院)のためになっているだろうか、3 )社会のため になっているだろうかの 3 点にすべての言動が立脚し ていなければならないと考えます。

おわりに

昨今のように変革の時代には、 今日は昨日の続き ではない ということを皆さんがしっかりと認識して 日常業務を進めていただきたいと考えております。 現在の延長線上に将来があるわけでなく、将来は 自らの手で新しく作っていくべきものである という ことを肝に銘ずるべきであり、そのためにも教職員一 人ひとりが常に積極的な参加者(participant )であっ て、傍観者(bystander )であってはならず、常に責任 ある行動が求められております。 今年は開学 35 周年になります。皆さんの総力をあ げて金沢医科大学の飛躍・発展のために思う存分活躍 されんことを心から期待して年頭の挨拶にさせていた だきます。

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金 沢 医 科 大 学 報

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年 頭 挨 拶

年頭にあたって

病院長

高 島 茂 樹

新年おめでとうございます。例年にない好天に恵ま れたお正月となりましたが、皆さんには新しい気持ち で新年を迎えられたことと思います。 昨年は、1 月に着工した第 2 新館の新築工事が着々 と進行するなかで、全病院を挙げて病院機能評価受審 に向けた自己評価と改善活動が展開され、11 月 15 日 から 17 日にかけて、機能評価に係る訪問審査を受け ました。当院にとって初めての総合的な第三者評価で したが、全部門、全職員の協力で極めてスムーズに審 査が進行しましたし、全体の講評でも職員の対応につ いては最高のお褒めのことばをいただきました。 私たちは、新しい理念と基本方針を掲げて、地域に 根ざした大学病院として、患者さま中心の急性期高度 医療を提供する高機能病院づくりを目標に、中長期計 画と事業計画を定め、それに基づいて 18 年度の病院 運営に当たってきました。 本日は、年頭にあたり、いくつかの重点課題につい て昨年を振り返り、新年への展望を述べさせていただ き挨拶に変えたいと思います。 1.平均在院日数の短縮 18 年度上半期の一般病床平均在院日数は 20.5 日(前 年同期 21.7 日)とおおむね順調に短縮されておりま す。DPC 在院日数の方は、昨年 7、8 月の 2 カ月のデ ータで見る限りは 18.86 日(平成 17 年度、18.71 日)で 短縮は進んでいません。 新入院患者数は 17 年度並みでしたので、上期の病 床利用率は 86% から 83% 台に 3% 程度低下し、入院延 べ患者数は減少しております。入院単価は、入院基本 料 7:1 算定による DPC 単価のアップ、処置手術単価 の増により大幅(約 6.5% )に延びております。このた め、入院収入は 17 年度を上回っています。 一方、外来については、外来受付時間を短縮し、慢 性期再来患者さまを地域へ逆紹介するとの方針に基づ き、逆紹介数は増加し、外来患者数が減少しておりま す。さらに院外処方の増加も加わって、外来収入は、 昨年度を下回っています。 入院収入の増加が、外来収入の減少を上回ったこと から、4 月に実施された診療報酬の大幅な切り下げの 中で、全体としては前年に比べてプラスになっていま す。これは、主として入院基本料の 7:1 算定による ものです。 今後の課題として、DPC 入院日数の適正化、計画 的な入退院により、平均在院日数の着実な短縮を引き 続き推進していくことは重要ですが、他方では新患数 の増加を図ることが急務で各診療科が毎月 1 人でも多 くの新規入院患者の増加に心がけるなど、新規入院患 者の確保に努める必要がありますし、また、逆紹介を 新患獲得につなげることも重要です。 2.21 世紀集学的がん治療センターの充実 集学的がん治療センターにおける外来化学療法の件 数は着実に増加しておりますし、昨年秋には地域がん 診療連携拠点病院の候補として県の推薦を受け、1 月 には正式に国の指定を受ける予定です。 がんの集学的医療を推進するため専門各科の連携、 協力のもと運営委員会および緩和ケア委員会を発足さ せ、院内がん登録、緩和ケア等の取り組みを進めてお ります。また、がん登録士の養成研修へ診療録管理士 を参加させたほか、診療録管理士の養成・増員、がん 専門看護師の採用確保も実現する見込みです。 今後は、各診療科と化学療法部門、放射線治療部門 との連携医療を一層拡大するほか、緩和ケア委員会を 中心にした緩和ケアの実践体制の充実、院内がん登録 ※本学イントラネット VOD 供覧中

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支援システムの構築によるがん登録の仕組みの改善、 がんに関する情報提供機能の拡充など、拠点病院とし ての機能を向上するための取り組みを、地域医療機関 との連携協力のもとに、更に強化することにしており ます。 3.看護師の負担軽減と業務効率化 一昨年来、看護業務の改善の一環として病棟二交替 勤務の導入や一看護単位一師長制を実現するなど政策 的に看護部門の業務改善を行ってきました。今年度は 引き続き看護業務の改善を重点項目に位置づけて諸施 策を実行しております。 まず、新看護管理システムの導入を行いました。本 格利用はこれからですが、今後勤務割作成、入院基本 料算定にかかる勤務時間計算の省力化などの負担軽減 が期待されます。 機能評価への取り組みの中で、看護業務と周辺業務 に関する見直しが進められ、改善が図られました。 薬剤システムの更新が 8 月に完了し、注射薬一本渡 しが実現したほか、手術部管理システムの導入も実現 しました。また、薬剤部が目指す病棟ファーマシーの 仕組みは、物理的、人的制約から実現困難な状況でし たが、今回導入されたシステムにより、カート基地か らの供給が可能となり、医療安全と看護業務の負荷軽 減の上で、大きな改善と評価されます。 今後の課題として、医療安全と看護業務の一層の改 善、省力化のため、バーコードシステムの導入が必須 であると考えます。同システムは平成 19 年度に運用 すべく、導入準備のためのシステム設計を行い、次年 度の優先重点事業として予算化する予定にしておりま す。 4.医師勤務体制の見直し(当直の軽減) 医師の勤務条件の改善に関しては、今年度から時間 外救急患者に係る処置手術手当を設けました。また、 外来診療受付時間の見直しと慢性期再来患者を地域へ 帰すことなど一連の外来政策は、限られた医師のマン パワーを急性期入院医療と高度専門医療に選択的に集 中することを目的としたものであります。 また、当直勤務が大きな負担になっていることに鑑 みて、新年度は、全科 1 名当直制の見直しを行い、関 連する複数診療科の協力による当直制の在り方など医 師負担の軽減に向けた施策を検討したいと考えており ます。 5.外来待ち時間(採血および診察等)の短縮改善 と環境整備 4 月からの採血 8 時開始、8 月からの安静時心電図 8 時開始などにより、待ち時間の改善が行われ、採血、 心電図検査の待ち時間に係る苦情が顕著に減少しまし た。 患者用図書コーナーの設置による待ち時間の苦痛を 緩和、医療費自動支払機の整備によるサービス改善も 行われたほか、検査の迅速化を図るため中央検査部検 査室の改修、採血室の集約化、検査室と採血室、新館 病棟を結ぶリニア搬送設備の延長工事等が実施されま した。 今後の課題としては、診察待ち時間の改善努力が引 き続き必要で、特に自家検査が多い一部の診療科に関 して、その特性に応じた抜本的な対応が求められます。 6.病院機能評価受審の条件整備と医療安全の維 持確保 機能評価対応の施設整備として計画された玄関周り 各種掲示サイン、薬剤カウンターの改善、会計呼び出 し表示装置や自動支払機設置、職員ロッカー移転等の 改修がおおむね当初計画どおり実施されました。その 他、血液センター拡張など当初計画外の施設整備が追 加で実施されています。玄関周りの改修については、 当初の計画を修正して、回転ドアの移設をほぼ全面改 修の形で行うことになり、本年度中に正面玄関ロビー と中央受付の改装が行われる予定です。 また、病歴管理システムが構築され、疾病統計の作 成が容易になったほか、血液センターにおける血液管 理の一元化に伴い、血液センターのオーダリングシス テム等の更新も行われました。 7.病院第 2 新館建設工事の推進と円滑な移転 第 2 新館は予定どおり 12 月 26 日竣工し、外来は年 末に移転が行われ、1 月 4 日から第 2 新館で業務を開 始しました。また、中央放射線部は年末から移転を開 始し、今後段階的に移転することになっています。 第 2 新館は、1 階は画像診断と放射線治療施設を集 約して整備しております。同施設の新築に伴い、新た に PET-CT や前立腺小線源治療装置を導入するほか、 リニアックをはじめ血管撮影装置などを更新整備する ことにしています。これによって画像診断と放射線治 療の機能が一段と向上するとともに、患者さまの受診 環境、職員の作業環境が大幅に改善されます。 また、2 階には耳鼻咽喉科、眼科、産科婦人科の外 来を本館から移転しました。診察室、検査室、処置室、 待合室等の機能性、快適性に配慮した設計を心がけ、 患者さまにも満足していただけるものと期待していま す。 今後、第 2 新館の稼動に伴い、予測できない運用上 の問題も出てくるかと思いますが、関係部門は適切、 迅速に対応していただきたいと思います。

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8.病院別館・本館等の改修整備工事 今年度は、第 2 新館建設工事に平行して、別館改修 の準備段階として、別館施設を本館へ一時退避させる ための仮設工事が本館の本設改修工事と一体で進めら れています。 今後は、別館の利用形態に関して、主として同施設 で確保する病床機能と病床数について、最近の看護師 確保状況、在院日数と病床利用率の状況、特定集中治 療室加算の施設基準取得と 7:1 看護の維持等を勘案 して、最終確定することにしております。 9.特定集中治療室加算の体制整備 ICU および CCU の特定集中治療室加算取得実現を 重点事業として定めましたが、専任医師の確保のため の院内調整が困難で間に合わなかったことに加えて、 一般病床において入院基本料 7:1 が成立することが 判明したことから、経営的な観点から、本年度は 7: 1 を実現することにしました。これに伴い一般病床に おける看護配置を手厚く、かつ ICU、CCU について は来年度の取得を目指して実質的に特定集中治療室の 施設基準に適合する看護配置と運営を確保しつつ、専 任医師の配置調整に取り組むことに方針を変更しまし た。 以上の方針に基づき、ICU、CCU については将来 の施設基準取得を想定して、運営委員会を再編し、医 師の専任体制の構築、入退出基準の見直し、責任体制 の明確化等を協議し、管理運営の適正化を進めてきま した。 今後の課題は、次年度、ICU、CCU で特定集中治 療室の施設基準を取得することです。そのためには、 看護師の充足を図るとともに、入退出基準を遵守した 運用を更に定着させることが肝要です。同時に、関連 診療科の協力により開始した専任担当医の当直体制を より安定的に運用できるよう努める必要があります し、また、病床規模についても慎重に検討したいと考 えています。 10.人間ドック体制の整備と再構築 人間ドックの将来に関しては、別館の改修整備計画 の中で、検討することにしておりますが、施設的には 別館の 7 階および8階をドック専用フロアとして日帰 りドック、入院ドック(20 床)を展開し、フロアには ドック専用の診察、検査、相談室を併設する方針です。 同時に、PET-CT 導入に伴い、ドックの健診メニュ ーの多様化を図るとともに、予防から完全なアフター ケアにいたる一貫した医療サービスを提供する会員制 ドックの再構築を行いたいと考えています。 11.急性期疾患別リハビリテーションの条件整備 本年度からリハビリに係る診療報酬体系が大きく変 わり、本年 4 月から理学療法士 1 名、作業療法士 2 名 を増員して増収を目指しましたが、療法士が行う実施 単位が一部弾力化されたものの、点数が切り下げられ たため、増員が増収につながっていません。 また、心大血管リハビリは、特定集中治療室管理加 算が条件であることと専任の循環器専門医配置が必要 など施設基準が厳しく、認定を受けるに至っていませ ん。このため、循環器の患者さまにリハビリを施行し ても収入につながらない状況であります。 次年度は、特定集中治療室加算の施設基準を取得し、 心大血管リハビリの施設基準を申請できる条件をクリ アし、同時に専任の循環器専門医を確保するとともに 専用の訓練室を整備する必要があります。 急性期リハビリの件数は順調に増加しており、療法 士のマンパワーを増員すれば、在院日数の短縮につな がり、かつ収益に寄与できるので、来年度も可能な限 り療法士を増員したいと考えています。 また、今年度から試行的に開始した精神科作業療法 について、次年度は専門の作業療法士を採用して本格 実施する予定です。 12.医療経費の削減 医療総収入が伸び悩んでいる現状では医療経費の削 減は極めて重要であります。 これまで造影剤について一部ジェネリックを導入し ましたが、期待したレベルまで切り替えは進んでいま せん。また、4 月から医療制度改革に伴う院外調剤の ジェネリック選択対応も行われたが、利用者は少ない 状況です。今後の課題としては、ジェネリック薬品に 関しては安全性など様々な議論が行われていますが、 患者さまの希望、負担軽減と経営上の観点から、引き 続きジェネリックの導入に努める必要があります。 院外処方のジェネリック選択は、今後件数が増加す ることも考えられるところから、院外薬局が調剤した ジェネリック情報を当院の医療情報システムに入力す る効率的なシステムを検討することも必要です。 また、今年度は手術材料など医療材料等の標準化に よるコスト削減に積極的に取り組んできましたが、今 後も一層の検討を続けていきたいと思っています。 13.病院機能評価の継続性 今年度当初から、機能評価に向けた改善点の職員 への周知徹底と、改善後の業務運営を軌道に乗せてい く作業を中心に取組みが行われ、冒頭に申し上げたよ うに予定どおり 11 月 15 日から 17 日に訪問審査を受審 しました。訪問審査の状況に関しては、講評の内容も

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含めて去る 12 月 6 日に報告会にて説明したとおり、お おむね良好な印象を得ておりますが、最終結果は医療 機能評価機構がどのように判定するか予断はできませ ん。 また、12 月 11 日には、1 年半あまりにわたり、機能 評価を通して改善に取り組んでいただいた職員の皆さ んとともに慰労会を行い、多数の参加をいただいて、 互いに労をねぎらいあうことができました。 判定がどうであれ、評価を受審したプロセスが重要 であり、受審を通して改善に取り組んだことが大きな 財産になると考えます。私たち自身が、評価の基準に 照らして、達成できたこと、改善途上のこと、今後改 善に取り組む必要がある事項などについて一番自覚し ているはずですので、今後は、改善を後戻りさせず、 未達成の事項の改善に継続して取り組むことによりさ らに前進することが肝要です。 機能評価の観点からの改善の結果は、まず、患者さ まに還元されて患者さまの評価がたかまり、自分たち の働く職場に還元されて自らの満足度の向上や仕事に 対する自信や誇りにつながるものだと思います。

おわりに

皆さんもご存知のように、7:1 看護の新設により、 全国的に激しい看護師の獲得競争が行われています。 当院の看護師募集も大きな影響を受け、例年よりも看 護師確保が困難になっております。患者さまに対し、 急性期入院医療を中心とした良質の医療サービスを提 供するためには、看護師の人材の確保は極めて重要で す。 本学では、来年度から看護学部がスタートいたしま す。看護学部の卒業生の当院への定着を促進する対策 が講じられていますが、3 年後には学内から 1 年間看 護師供給が途絶えるという事態が避けられません。 こうした事情も踏まえて、安定した看護師のマンパ ワーを継続的、計画的に確保することを、今後の最重 要課題と位置づけ、既に看護師確保対策プロジェクト を立ち上げて対策を検討しております。 私は、病院経営の責任者として、離職者を減らし、 応募者を増やすためには、待遇の改善と魅力ある職場 をつくることが必要と考えています。各種の手当の改 善など経済的なインセンティブや子育てや介護など各 種の就業支援を含む処遇の改善に係る事項は、大学当 局の理解を得て実現したいと思います。 働き甲斐、生きがいに係る職場づくりは、職場にお けるコミュニケーション、研修体制の改善や勤務管理 の改善など看護職場の内発的、主体的な努力に期待す るところが大きいといわざるを得ません。その意味で は、看護部幹部と師長、主任の皆さんが一体となった リーダーシップが重要です。また、看護部門とコメデ ィカル部門の業務分担と連携協力のあり方、医師と看 護職員の良好な信頼協力関係に基づく病棟運営の確保 なども極めて重要です。 私たちは看護現場におけるそうした努力なり、取り 組みなりを制度的な環境整備や財政的な面で強力に支 援したいと考えています。 看護師の確保は、目下の急務の課題になっておりま す。医師の先生方をはじめ、コメディカル、職員の皆 さんには病院をあげて一人でも多くの看護師の人材を 確保するためのご協力をお願いいたします。 新しい年を迎えて、18 年度の残りの 3 カ月を、年度 当初の目標達成に邁進するとともに、19 年度への抱 負と展望をもって、頑張りたいと思います。特に本学 が特定機能病院(急性期疾患高機能病院)であること を再認識し、地域医療機関との連携のもと、地域に根 ざした大学病院として努力を続けていきたいと考えて います。皆さんの一層のご協力、ご支援をお願いしま す。

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病院第 2 新館オープン

金沢医科大学病院第 2 新館が平成 19 年 1 月 4 日(木) にオープンした。第 2 新館の建設は、病院第二期整備 計画の一環として進められてきたもので、平成 15 年 に竣工した病院新館に続く診療棟となる。 病院第 2 新館は、地下 1 階地上 2 階建ての建物で、 延べ床面積は 7,366.17 ㎡となる。1 階にはこれまで本 館にあった中央放射線部が移転し、2 階には本館に残 っていた眼科、耳鼻咽喉・頭頚科、産科婦人科の外来 が移転した。移転作業は年末年始にかけて行われたが、 雪による影響もなく順調に進められた。中央放射線部 の移転については大型機器が多いことから、1 月中も 作業が続けられ、機器の設置が終了次第、順次、運用 が開始されることになる。 病院新館と別館に隣接して建てられた第 2 新館の稼 動により、病院内のアクセスが飛躍的に向上し、改善 が望まれていた患者さんの動線が大幅に短縮した。外 来部門のほとんどが第 2 新館と病院新館に集約され、 レントゲン撮影等を行う中央放射線部が外来の近くに 配置されたことで、検査や治療のための移動距離が短 くなった。 今回の移転に合わせ、中央放射線部には最新の医療 機器が導入された。PET-CT システムをはじめ、64 列 マルチスライス CT などの高機能画像診断機器や、リ ニアック、前立腺密封小線源永久刺入治療支援システ ムなどの放射線治療機器が順次稼動し、今後の医療体 制に大きく貢献するものとして期待されている。 眼科、耳鼻咽喉・頭頚科、産科婦人科の各外来は、 H ブロックとして配置され、病院新館と同じように、 医師の予約患者画面と連動した診察表示システムの導 入により、プライバシーに十分配慮した環境となって いる。特に、産科婦人科については、お産の患者さん と婦人科の患者さんへの配慮から、産科と婦人科の診 察エリアは別々に配置され、それぞれの診察エリア内 に待合室が置かれている。 第 2 新館の設置で各建物を結ぶ廊下が増え、院内で 戸惑う患者さんも見受けられたが、大きな混乱もなく、 患者さんからは施設が充実して便利になり、安心して 診察が受けられるとのご意見をいただいた。病院の第 二期整備計画では、今後の 2 年間で病棟の再編、別館 の改修、本館の解体(高層階 5 階以上)・整理が予定さ れており、平成 21 年の完了を目指している。今後も 当院の役割を見据えて、安全で快適な医療環境を提供 していくことになる。 (病院長室管理部門 木村晴夫記) 2 階連絡通路 2 階耳鼻咽喉・頭頚科外来待合 2 階婦人科外来待合 1 階:中央放射線部受付 2 階:眼科、耳鼻咽喉・頭頚科、産科婦人科の受付

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学 事

◇特別推薦入学試験(AO 入試)

本学の特別推薦入学試験(AO 入試)は、医師となる者 の倫理性や人間性が一層強く求められる時代にあって、 従来の学力を中心とした入学試験では評価が困難であ った学習意欲、使命感などに評価の重点をおいて選考 することを主旨として設けられた入試である。建学の 精神に沿った人間性豊かな活力のある人材を求めるた めに、平成 13 年度入試から実施されている。 今年度は募集人員約 10 名に対して全国から 141 名の 出願があった。 第 1 次選考は書類選考であり、調査書とともに、本人、 教師、家族などによって書かれた推薦書について選考 が行われ、9 月 28 日(木)に第 1 次選考合格者 32 名が発 表した。 第 2 次選考は、10 月 22 日(日)に本学において「基礎 学力テスト A 」・「個人面接」・「グループ面接」が行われ た。また、この 32 名については、試験委員が全国に出 向き、推薦書を書いた第2推薦者(教師など)から聞き 取り調査を実施し選考の参考とした。 第 2 次選考合格者は 10 名で、10 月 26 日(木)午後 5 時 に本部棟正面玄関ならびに本学 HP 上に公表した。

◇推薦入学試験

平成 19 年度推薦入学試験は、11 月 12 日(日)、本学で 行われた。 本学の推薦入学試験制度は、目的意識を持ち個性豊 かで優秀な人材を見い出し、ゆとりを持って学習を進 めてもらうことを目的として、昭和 61 年度入試から実 施されている。 今年度は募集人員約 20 名に対して全国から 76 名の出 願があり、欠席者もなく「基礎学力テストB」・「小論 文」・「面接」の各試験に取り組んだ。 合格者は 22 名で、11 月 24 日(金)午後 5 時に本部棟正 面玄関ならびに本学 HP 上に公表した。

◇編入学試験

平成 19 年度編入学試験は、11 月 19 日(日)、本学で行 われた。 本学の編入学試験制度は医学以外の分野を修学した 者に医学を学ぶ道を開き、すでに履修している教養科 目の重複履修を省いて効率的に医学の専門教育を実施 し、医学の研究および医療の実践に貢献する有為な人 材を育成することを目的として、平成 3 年度入試から実 施されている。 今年度は、募集人員約 5 名に対して 82 名が出願し、 欠席者 9 名を除く 73 名が「英語」・「小論文」・「面接」の 各試験に取り組んだ。 合格者は 6 名で、11 月 24 日(金)午後 5 時に本部棟正 面玄関ならびに本学 HP 上に公表した。 (入学センター)

平成 19 年度

医学部

特別推薦入学試験(AO 入試)・推薦入学試験・編入学試験終わる

1. 募集人員: 約 65 名 2. 出願期間: 平成 18 年12 月4 日(月)から 平成 19 年 1 月9 日(火)まで 3. 試験期日 第 1 次試験: 平成 19 年 1 月 16 日(火) 第 2 次試験: 平成 19 年 1 月 24 日(水)、25 日(木)の いずれか希望する日 4. 試験科目 第 1 次試験: 外国語(英語)、数学、小論文 選択科目(物理・化学・生物から 2 科目 選択) 第 2 次試験: 面接 5. 試験会場 第 1 次試験: 本 学、 東 京、 大 阪、 名 古 屋、 仙 台、 福岡 第 2 次試験: 本学 6. 合格者発表日 第 1 次試験: 平成 19 年 1 月 19 日(金)午後 1 時 第 2 次試験: 平成 19 年 1 月 30 日(火)午後 1 時

一般入学試験

日程は以下のとおり

一般入試は第 1 次試験で学力試験が行われ、その合格者に 2 次試験として面接試験を課して最終判定が行われる。

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金 沢 医 科 大 学 報

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【学事】

設置認可まで

看護学部の設置について、平成 18 年 6 月に文部科学 省に申請し、学内・学外の多くの方々のご協力により、 11 月 30 日付けで正式な設置認可書が届きました。こ れにより、平成 19 年 4 月から金沢医科大学看護学部看 護学科が発足することになり、その準備を進めること になりました。 本学の看護教育は、昭和 48 年の看護学校の開校以 来、34 年間にわたって金沢医科大学の理念、目的に 鑑み、質の高い看護師を育成してきましたが、看護学 部開設により、看護専門学校は平成 19 年度からの学 生募集を停止することとなります。看護学部では、こ れまでの看護専門学校で培ってきた人間性豊かな看護 職者の育成の精神を継承し、さらに発展していくよう、 現在、開設に向けて看護学部開設室において、学生受 入れ等の準備を行っております。

質の高い看護職者の育成を

近年、急速な医学の発展と医療技術の進歩に伴い、 医療の専門化や細分化をもたらす一方、少子・高齢化 による社会基盤や疾病構造の変化により、求められる 医療の概念も大きく変化してきております。このよう な社会環境の変化の中で、医療・保健・福祉全般に携 わる看護職者の役割はいよいよ範囲が増大し、かつ高 度の知識や技術を兼ね備えた専門性も求められており ます。 昭和 48 年 4 月に金沢医科大学附属看護学校(昭和 62 年 12 月専修学校に昇格し、「金沢医科大学附属看護専 門学校」となる)を設立し、心の通った看護のできる 看護師を多数輩出してきましたが、看護学部において も、この精神を受け継ぎ、幅広い知識、技術、人間性 を兼ね備えた看護職者の育成を目的としています。 さらに、医学部とともに、本学病院と密接な連携を 図り、最先端の医療チームの下で実習を行うことによ り、チーム医療の一翼を担う看護職者の育成を目指し ます。 看護専門学校の 4 大化構想は、以前から検討されて きましたが、このたびの看護学部の開設は、これまで 参画していただきました諸先生方、また、看護専門学 校の歴代の校長先生や各先生方のご努力の賜と思って おります。皆様に感謝申し上げますと同時に、今後と もご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。 (看護学部設置準備室室長 鈴木孝治記)

平成 19 年度

看護学部一般入学試験要項

 平成 19 年 4 月に開設される本学看護学部看護学科の一般入学試験が下記のとおり実施されます。 詳細は、入学センターにお問い合わせください。 なお、入学試験要項および出願書類は入学センタ ーで無料配布しております。お気軽にお申し込みく ださい。 募集人員 約 30 名 出願期間 平成 19 年 1 月 22 日(月)∼2 月 14 日(水) 試験期日 

平成 19 年 2 月 20 日(火)

試験科目 英語: 英語Ⅰ・英語Ⅱ 数学: 数学Ⅰ・数学Ⅱ・数学A 理科: 3科目から1科目を選択 物理: 物理Ⅰ 化学: 化学Ⅰ 生物: 生物Ⅰ 面接: 個人面接(約 10 分間) 試験会場 本学 合格発表 平成 19 年 2 月 27 日(火) 受 験 料 30,000 円 お問い合わせおよび入試要項請求は下記へ 〒 920-0293 石川県河北郡内灘町大学 1 − 1

金沢医科大学入学センター

電話:(代表)076-286-2211(内線 2532 ∼ 2534 ) FAX: 076-286-6279 E-mail: [email protected] ホームページ: http://www.kanazawa-med.ac.jp/

看護学部設置認可される

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新 任 教 授 紹 介

きたむら

村 修

おさむ

教授

法医学

本年 1 月 1 日付けで法医学教授を拝命いたしました。 私は、昭和 63 年長崎大学医学部を卒業し、同大大 学院に進学、東京慈恵会医科大学、徳島大学において 法医学の実務、研究に取り組んできました。 研究においては、剖検例における低酸素性・虚血性 脳障害の研究をはじめ、中枢神経系に重点を置いてい ます。近年では、覚醒剤等の薬物依存について、ヒト と動物との両者において研究を行ってきました。免疫 組織化学的手法を用いた剖検脳の研究においては、覚 醒剤の神経毒性についてのメカニズムを探求してきま した。さらに、米国留学中は、行動薬理学という観点 から依存性薬物の摂取パターンを解析し、今後の研究 に有用と思われる動物モデルの作成を試みてきまし た。 今年より新しい環境で研究、教育および法医学実 務に専心できる機会を与えていただき、改めて身が引 き締まる思いです。特に医学教育においては、法医学 を通じて臨床医学を眺めることで、サイエンスに加え 法律、倫理という視点を持てるように取り組んでいき たいと考えます。法医実務では、「医療関連死」の解 剖による死因究明が制度化される予定ですが、時代の 推移により要求が拡大しており、このような変化に対 応できる体制作りも大きな責務のひとつと考えていま す。 皆様には今後ともご指導ご鞭撻を賜りますようお願 い申し上げます。 【略歴】 1988 年 3 月 長崎大学医学部卒業 1994 年 7 月 長崎大学大学院医学研究科卒業 1994 年 8 月 東京慈恵会医科大学助手 1999 年 4 月 徳島大学医学部助手 2000 年 6 月 徳島大学講師 2002 年 10 月 アメリカ・スクリップス研究所留学 2007 年 1 月 金沢医科大学法医学教授

平成 17 年度

優良教員表彰

平成 17 年度教員評価における優良教員の表彰式が平 成 18 年 12 月 25 日(月)、本部棟 2 階会議室で行われた。 山本 達学長から優良教員賞の受賞者一人ひとりに 表彰状が授与され、将来の我が大学を担う人材として、 さらなる活躍を期待している旨の激励がなされた。 (学長室 今村吉克記)

平成 17 年度優良教員表彰者

○教育活動部門 8 名 堀  有行 医学教育学助教授 田邉  洋 環境皮膚科学(皮膚科学)助教授 鈴鹿 有子 感覚機能病態学(耳鼻咽喉科学)助教授 東  伸明 分子細胞形態科学(解剖学)講師 藤田 拓也 運動機能病態学(整形外科学)講師 松井  大 脳脊髄神経治療学(神経内科学)講師 土島  睦 消化器機能治療学(消化器内科学)助手 福羅 匡普 消化器機能治療学(消化器内科学)助手 ○研究活動部門 5 名 三浦 克之 健康増進予防医学(公衆衛生学)助教授 須貝外喜夫 生理機能制御学(生理学)助教授 倉田 康孝 生理機能制御学(生理学)助教授 金山 景錫 顎口腔機能病態学(口腔科学)講師 中橋  毅 高齢医学(老年病学)講師 ○診療活動部門 7 名 宮澤 克人 泌尿生殖器治療学(泌尿器科学)助教授 福島 俊洋 血液免疫制御学(血液免疫内科学)助教授 正木 康史 血液免疫制御学(血液免疫内科学)講師 兼氏  歩 運動機能病態学(整形外科学)講師 奥田 鉄人 運動機能病態学(整形外科学)講師 伊藤 順庸 発生発達医学(小児科学)助手 白神 俊祐 脳脊髄神経治療学(脳神経外科学)助手 表 彰 山本学長から優良教員賞が授与された

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金 沢 医 科 大 学 報

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【学事】

平成 18 年度

解剖学実習

ご遺骨返還式

11 月 25 日(土)、本部棟 2 階会議室において、平成 18 年度のご遺骨返還式が、厳粛に開催された。参列 者は、過去にご献体され、平成 18 年度の解剖学実習 および夏季研修に使わせていただいたご遺体のご遺族 をはじめとする約 60 名である。 冒頭、本学の学生を代表して、医学部第 2 学年の安 田絵里子さんがお礼の言葉を述べ、人体の解剖という、 医学生にしか許されない貴重な体験を糧とし、献体に 深いご理解とご協力をいただいた故人並びにご遺族の 皆様方のご厚志に報いるためにも、生命の尊厳、また、 人類愛を知る良き医師として、そのご恩を広く社会に 還元すべく、責任と自覚を永久に胸の奥深くに抱き、 そして決して忘れず、今後一層努力を惜しむことなく、 生涯、果てしのない良医への道を探求し続ける旨を宣 言した。 続いて、故人を偲び、また、その崇高なご遺志に感 謝し、分子細胞形態科学教授、ご遺族、学生代表、教 職員の順で献花が行われた。 その後、平井圭一教授が、ご遺族一人ひとりへご遺 骨を丁重にお返しした。 最後に、篠原治道教授が挨拶し、長い間ご遺体を預 からせていただいたことについてご遺族に謝意を述べ た。 (教学課 土田壮一記) 平井圭一教授からご遺族一人ひとりにご遺骨が手渡された

篤志献体の方々に

文部科学大臣感謝状を伝達

11 月 25 日(土)本部棟 2 階会議室 2 において、ご遺 骨返還式に先立ち、教務部副部長栂 博久教授から文 部科学大臣感謝状の伝達が行われた。 この感謝状は、「献体者に対する感謝状贈呈要項」 (昭和 57 年 8 月 6 日文部大臣裁定)に基づき交付される ものである。その趣旨は、「献体に対する社会の理解 を深め、もって、医学教育および歯学教育の充実向上 に資するものとする」ことであり、生前から天寿会に 属し、没後に献体をされた方々のご遺族の意思により、 文部科学大臣から贈呈される。 感謝状は、栂教授からご遺族一人ひとりに手渡され た。 最後に、栂教授から、解剖学実習は医学生にとって、 医学知識の修得のみならず、人格の陶冶の面において も大きな影響を及ぼすものである旨の挨拶があり、そ の重要性にご理解とご協力をいただいた故人並びにご 遺族へ、お礼の言葉があった。 なお、今回の贈呈対象者は、次の 9 名の方々であっ た。 (教学課 土田壮一記) (故)啓塚 敏雄 殿 (故)米光 辰朗 殿 (故)森川 重三 殿 (故)坂下 静枝 殿 (故)大畠みつい 殿 (故)寺嶋 久成 殿 (故)駒井 健二 殿 (故)根布井弘子 殿 (故)前田 信雄 殿 栂 博久教授からご遺族の方々に感謝状が手渡された

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第 38 回 教育懇談会

OSCE の現状と将来

講師: 北村 聖先生(東京大学医学教育国際協力研 究センター教授 日時: 平成 18 年 11 月 24 日(金 17:30 ∼ 18:30 場所: 病院本館 4 階 C41 講義室 平成 18 年 11 月 24 日(金 医学系 OSCE 実施小委員 会委員長の北村 聖教授をお招きして、第 38 回教育懇 談会が本学教職員と学生を対象に開催された。冒頭、 東大国際協力研究センター教授として、破壊されたア フガニスタンの医科大学再建へ向けたお仕事を名刺代 わりと称されてご紹介になられ、続いて、参加してい た学生に OSCE の半秘密事項も紹介するのでここで の講演内容は忘れるようにとのユーモアたっぷりのお 話から開始された。 まず現行の OSCE は発展途上であり、今後様々な 改良が加えられる可能性があること、また、実施の具 体的方法は各大学でかなり異なることについて言及さ れた。たとえば、今年度の OSCE では、従来の医療 面接、頭頸部診察、胸部診察+バイタルサイン、腹部 診察、神経診察、外科手技 and/or 救急の 6 もしくは 7 ステーションによる実施であったものを、バイタルサ インを独立させて胸部診察 and/or バイタルサインと いう最大 8 ステーションの実施要領としたこと、さら に試験実施に際して and/or の選択を予め学生に知ら せているか(東大 あるいは当日になって判明するか (本学 などの違いがあること等である。以下、主要 な話題を紹介する。1 現在課題内容は公表されてい ないが、各診察について 20 程度の課題がプールされ れば公開する予定である。2 症例のプレゼンテーシ ョンの仕方、病歴の記載、心音・呼吸音の聴取、整形 外科的診察、検査データの評価等の能力についても問 う試験を実施する可能性がある。3 模擬患者(SP を 使用した advanced OSCE を実施して臨床推論をきち んと行えるかどうかを評価する可能性がある。4 こ れらの延長線上に医師国家試験の中で臨床技能試験を 取り入れることを視野に入れている。最後に、国外で の臨床技能実習には組織的な SP の協力がうまく働い ていることを紹介された。 本学では独自の SP 協力体制が組まれており、比較 的良好な医学教育環境にあるといってよいのではない かと思われた。 (脳脊髄神経治療学 松井 真記

註 OSCE: Objective Structured Clinical Examination (※本学イントラネットで VOD 供覧中

講師の北村 聖教授

□ Georg Kojda 博士

/デュッセルドルフ・ハインリッヒ−ハイネ総合大学総合病院、薬理学・臨床薬理 学教授/東京で開催された「Japan Heart Club 」ならびに「臨床運動生理学研究会」に招かれて来日された のを機に、本学生体情報薬理学教室を訪問(1999 年 3 月に続いて 2 回目 。NO-cGMP 系の研究成果につい て意見交換を行った。その後、「金沢 NO フォーラム」(11 月 28 日、参加者 25 名 にて「一酸化窒素(NO )に よる血管保護:その機序、運動の効果そして薬物治療の可能性について」と題した講演を行い、活発な討 論が行われた。/(生体情報薬理学

参照

関連したドキュメント

日時:平成 18 年 3 月 2 日(木) 17:30~20:00 場所:三菱ビル 9階

学位授与番号 学位授与年月日 氏名 学位論文題目. 医博乙第1315号

URL http://hdl.handle.net/2297/15226.. 学位授与番号 学位授与年月日 氏名 学位論文題目. 医博甲第1138号

学位授与番号 学位授与年月日 氏名 学位論文題目. 医博甲第1434号

URL http://hdl.handle.net/2297/15226.. 学位授与番号 学位授与年月日 氏名 学位論文題目. 医博甲第1138号

URL http://hdl.handle.net/2297/15227.. 学位授与番号 学位授与年月日 氏名 学位論文題目. 医博甲第1139号

URL http://hdl.handle.net/2297/15112.. 学位授与番号 学位授与年月日 氏名 学位論文題目. 医博甲第1101号

学位授与番号 学位授与年月日 氏名 学位論文題目. 医博甲第1102号