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金沢医科大学報第124号

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Academic year: 2021

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(1)

■ 第17回総合医学研究所市民公開セミナー〈予告〉 金沢医科大学医学会30周年記念式典・祝賀会 ■学事 平成 18 年度入学試験要項 第 33 回解剖学実習解剖体納棺式 新任教授紹介 名誉教授の称号授与 第 32 回教育懇談会 第 1 学年早期臨床体験実習 第 16 回医学教育セミナーとワークショップ 附属看護専門学校 第 18 回戴帽式 報告:ハワイ大学医学教育ワークショップ 報告:医学教育における行動科学教育の重要性 ■学生のページ ボランティア体験記 PBL の醍醐味に気づく 紹介:国際医学生連盟(2)活動内容を紹介 ■学術 金沢医科大学医学会第31回総会・第41回学術集会 第 107 回日本薬理学会近畿部会 平成 17 年度科学研究費補助金の交付決定 ■病院 教育講演会:病院機能評価受審に向けた取り組み 医療安全管理体制確保のための職員研修会 平成 17 年度石川県民大学校 リーフレット「金沢医科大学病院の 21 世紀医療」シリーズ 北陸 3 県 膠原病患者会発足に向けて 研修医の頁:笑顔の研修医 CD-ROM 完成 続 研修医への一言 ■図書館 石川県大学図書館協議会定例会議及び講演会 ■随想・報告 整備が進む国内の Medical Oncology 施設 ■管理・運営 平成 16 年度決算 平成 16 年度人事評価 ■同窓会・後援会 平成 17 年度金沢医科大学北辰同窓会総会 平成 17 年度金沢医科大学後援会橘会総会 □金沢医科大学学術振興基金 募金

August 2005

No.

123

内灘の夏

(2)

第17回 総合医学研究所 市民公開セミナー

日 時 平成17年10月22日(土)13:00∼15:30

会 場 金沢市文化ホール2階大集会室

がんは早期に発見すれば、手術を中心とした治療に より完治する時代となった。一方、手術のみで完治し ない可能性がある場合や手術前後で、抗がん剤投与や 放射線療法を併用することにより、治癒を目指すこと ができるようになってきた。また、抗がん剤のみで完 治する例も増加している。がん化学療法とは、いわゆ る「抗がん剤」でがんを治す、あるいは進行を防ぐ治 療法のことで、点滴・注射薬と内服薬による方法があ る。これまでは副作用の強い薬しかなかったため、抗 がん剤治療は長期間の入院を要したが、最近は、有効 でかつ副作用が少ない抗がん剤がいくつも開発され、 必ずしも長期間入院する必要はなくなった。これには、 吐き気や白血球減少への対策が発達したことも大きく 関係している。 がんの診断面では、近年 PET、さらに CT と組み合 わせたPET-CT が登場し、全身にわたってがんの存在 を1 回の検査で診断できる方法が発達している。PET-CT により、がんの存在とその活動性が明らかになるこ とから、治療方針への大きな指針が得られる。 「集学的」とはいろいろな専門家の知恵を集めると いう意味で、がん治療には、手術・放射線照射・抗が ん剤投与という3 大療法があるが、これらを適切に組 み合わせ、個々の患者に最適な治療法を選ぶ必要があ る。そのためには、これらの分野の専門家が知恵を集 め、「チーム」となって患者につくすことが重要であ る。このがん治療チームには各分野の専門医師ととも に、看護師・薬剤師・栄養士・臨床心理士なども参加 し、皆で協力して、患者が安心して安全に治療を受け られるようにすることが望まれる。 2005 年 10 月には本学病院の「集学的がん治療セン ター」が本格稼働する。本センターは各診療科の専門 医との協力のもと、① がんの早期発見、② 最良の治 療法選択へのコーディネート、③ 外来通院がん化学療 法、④ がん治療成績向上に結びつく地域がん登録など を総合的に担当する。今回のセミナーは本センターが 設立された年にふさわしい内容となっており、多くの 方々のご参加を期待している。 (第17 回市民公開セミナー プランナーコーディネーター・ 総合医学研究所所長 松井 忍記)

□ 講演

1. 患者中心の集学的がん治療

元雄 良治(金沢医科大学腫瘍治療学教授・集学的がん治療センター長)

2. 最新のがん診断−PET検査の有用性

東 光太郎(金沢医科大学放射線診断治療学教授)

□ 特別講演

1. 腫瘍内科と外来がん化学療法

田村 和夫(福岡大学第一内科教授) コーディネーター: 松井 忍(金沢医科大学総合医学研究所所長) 元雄良治(集学的がん治療センター長)

〈予告〉

(3)

金沢医科大学医学会 30周年記念式典および 祝賀会が、「個性輝く 研究活動の創造を!」 を テ ー マ に 開 催 さ れ た。 最初に山本 達会長 の挨拶があり、医学会 の足跡および本学にお ける研究活動の現状報 告と、新しい活動的な 医学会をつくっていき たいとの抱負が述べら れた。続いて小田島粛 夫金沢医科大学理事長が来賓を代表して祝辞を述べら れ、昭和50 年6 月28 日、発会式と第1 回学術講演会が本 学講堂において立錐の余地もない状態でこの医学会に対 する情熱がひしひしと胸に迫るような雰囲気で開催され たことを思い出す。医学会活動が大学研究の活性化に不 可欠であるが、専門性の低い本医学会がいかにその役割 を果たしていくか、そのミッションを明確にして本学の 教育、研究そして診療の質を支える基盤となっていくこ とを期待すると述べられた。 次に、30 周年を記念して設けられた医学会賞の表彰が 行われた。中川秀昭会誌編集委員長から、過去 10 年間 (1995 年1 月∼2004 年12 月)に国際学会での表彰または インパクトファクターが特に高い雑誌への研究論文の掲 載があった若手研究者を今回の記念事業として公募し 「金沢医科大学医学会賞」を授与し表彰することになっ た旨の説明があって、選考経過が述べられた。山本会長 から下記の4 名に賞状および副賞が授与された。 次に、金沢大学大学院医学系研究科長山本 博教授 (金沢大学大学院医学系研究科医学科血管分子生物学) が、「個性と連携:金沢大学医学系研究科の目差すとこ ろ」と題して金沢大学が取り組んできた研究活動と施策 について、個性の追求、連携の追求の2 つの観点から講 演された。個性の追求では、1. 大学院部局化の理念の実 現、2. 研究教育プログラムの重点的推進、3. キャンパス 再開発、4. 大学院制度改革の視点から、連携の追及で は、1. 産学連携、2. 学際連携、3. 国際連携、4. 地域連 携の視点から、それぞれ具体的な例を参考にあげて解説 された。講演のあと、活発なディスカッションが行われ、 大学の研究活動の発展、活性化には、研究者個々のレベ ルアップ、意識改革に加え研究者を取り巻くすべての環 境との連携が不可欠であることが、改めて認識させられ る講演であった。 特別講演会終了後、同階レストランに移動して祝賀会 に移った。30 周年記念事業実行委員長山田裕一副会長 (副学長)の挨拶のあと、鈴木孝治副学長が乾杯の発声 を行い祝宴となった。美しい日本海の夕景とアトラクシ ョンとしての本学学生クラシック音楽同好会の演奏が流 れる中、歓談の雰囲気は盛り上がり盛況のうちに全日程 を終了した。(イントラネットVOD 視聴可能 72 分) (30 周年記念事業実行委員長 山田裕一記 )

平成17年7月16日(土)14:15

病院新館12階大会議室

◇金沢医科大学医学会賞 中村 常之〈発生発達医学(小児科学)助手〉

対象論文:Fas-Mediated Apoptosis in Adriamycin-Induced Cardiomyopathy in Rats In Vivo Study: Circulation, 102: 572-578,2000.

朝倉 邦彦〈生体感染防御学(微生物学・医動物学)助教授〉 対象論文:Epitope-Tagged L* Protein of Theiler's Murine Encephalomyelitis Virus Is Expressed in the Central Nervous System in the Acute Phase of Infection: Journal of Virology ・Dec.,13049-13054,2002. 三浦 克之〈健康増進予防医学(公衆衛生学)助教授〉

対象論文:Comparison of Four Blood Pressure Indexes for the Prediction of 10-Year Stroke Risk in Middle-Aged and Older Asians: Hypertension,44: 715-720,2004. 小川 法良〈血液免疫制御学(血液免疫内科学)助教授〉

対象論文:Involvement of the Interferon-γ -Induced T Cell-Attracting Chemokines,Interferon-γ-Inducible 10-kd Protein (CXCL10) and Monokine Induced by Interferon-γ(CXCL9), in the Salivary Gland Lesions of Patients With Sjogren's Syndrome: Arthritis &

Rheumatism,46: 2730-2741,2002. 医学会賞表彰式:左から朝倉助教授(代理)、三浦助教授、小川

助教授、中村助手 特別講演の山本博先生

(4)

学 事

平成18年度

入学試験要項

(抜粋)

本学の平成 18 年度の入学試験要項(一般選抜、特別推薦(AO)、推薦、編入)が次のように決まった。 なお、一般入試第 1 次試験出題教科・科目の出題範囲が変更になるので、平成 18 年度一般入学試験要項に て確認されたい。

□ 一般選抜入学試験

一般入試は第一次試験で学力試験が行われ、合格 者(募集人員の5 倍程度)に第2 次試験として面接試 験を課して最終判定が行われる。 1. 募集人員: 約65名 2. 出願期間 平成17年12月 12日(月)から 平成18年 1月 18日(水)まで 3. 試験期日 第1次試験:平成18年 1月25日(水) 第2次試験:平成 18年 2月 1日(水)、 2日(木)のうち希望する日 4. 試験科目 第1次試験:外国語(英語)・数学・小論文・ 選択科目(物理・化学・生物から 2科目選択) 第2次試験: 面接(グループ面接) 5. 試験会場: 本学/金沢医科大学 名古屋/名古屋ガーデンパレス 東京/TOCビル 仙台/仙台ガーデンパレス 大阪/天満研修センター 福岡/福岡ガーデンパレス 6. 合格者発表日 第1次試験:平成 18年 1月 28日(土) 第2次試験:平成 18年 2月 7日(火)

□ 特別推薦(AO)入学試験

学力を中心とした入学試験では評価が困難な学習 意欲、使命感、人間性の評価に重点を置いて選考が 行われる。将来への目標が明確であり、かつその目 標が本学の求めるものと合致する者について、書類 選考や面接に十分な時間をかけ、人物本位で選抜を 行っている。 1. 募集人員: 約10名 2. 出願資格(次の条件を満たす者) (1)平成17 年4 月1 日現在、25 歳以下の者 (2)高等学校を卒業した者及び平成18 年3 月卒業 見込みの者またはそれと同等以上の学力がある と認めた者 (3)合格した場合には必ず入学することを確約で きる者 3. 出願要件(次のいずれかに該当する者) (1)本学卒業後、出身地の地域医療の発展、向上 に貢献する意志の強固な者 (2)本学卒業及び本学大学院修了後、本学で教 育、研究、診療に従事し、本学の発展に貢献す る意欲の旺盛な者 (3)本学卒業後、発展途上国への医療援助など国 際医療援助活動に貢献する意欲の旺盛な者 (4)上記以外の出願動機で、それが本学建学の精 神に合致していると本学が特に認めた者 4. 出願期間 平成17年 9月 1日(木)から 平成17年 9月 9日(金)まで 5. 試験期日及び試験科目 第1次選考: 書類選考 第2次選考:平成 17年 10月23日(日) 基礎学力テスト、個人面接、 グループ面接 6. 合格者発表日 第1次選考:平成 17年 9月27日(火) 第2次選考:平成 17年 10月28日(金)

□ 推薦入学試験

本学の推薦入試は、医学に対する目的意識が明確 で、人間性豊かな人物を選抜することを目的として、 昭和61 年度入学生から実施している。 学力試験のみの選抜ではなく、面接を重視し、例 えば高等学校で指導的役割を果たした実績(クラス 代表等)、クラブ活動においてよい成績を修めた実績 など、学力以外の面でも医師としての資質を備えた 人材を見極めるよう努力がなされている。

(5)

〔実施日程〕 第1回 平成17 年7 月24 日(日)10:00 ∼15:00 第2回 平成17 年8 月 7 日(日)10:00 ∼15:00 第3回 平成17 年8 月28 日(日)10:00 ∼15:00 場 所 金沢医科大学キャンパス 1. 募集人員: 約20名 2. 出願期間: 平成17年11月 1日(火)から 平成17年11月 8日(火)まで 3. 試験期日: 平成17年11月13日(日) 4. 試験科目: 基礎学力テスト、小論文、 面接(グループ面接) 5. 合格者発表日: 平成17年11月25日(金)

□ 編入学試験

編入学制度は、医学部以外の分野の大学教育を既 に修学した者に医学を学ぶ道を開くために平成3 年度 入学生から実施している。第 2 学年に編入学し、既 に履修している教養科目の重複履修を省いて効率的 に医学の専門教育を実施し、医学研究及び医療の実 践に貢献する有為な人材を育成することが目的であ る。 1. 募集人員: 約5名 2. 出願期間: 平成17年11月 1日(火)から 平成17年11月 8日(火)まで 3. 試験期日:平成17年11月20日(日) 4. 試験科目:英語・小論文・面接(グループ面接) 5. 合格者発表日:平成17年11月25日(金) 平成 18 年度「大学案内」と「入試ガイド」 *お問い合わせ及び入試要項請求は下記へ。 〒920-0293 石川県河北郡内灘町大学1 −1

金沢医科大学入学センター

電話:(代表)076-286-2211(内線 2532∼2534) (直通)076-218-8063 FAX: 076-286-6279 E-mail : [email protected] ホームページ: http://www.kanazawa-med.ac.jp/ *参加希望者は参加日と参加者名を電話・FAX・ ハガキ・E-mailで入学センターまでご連絡ください。 〒920-0293 石川県河北郡内灘町大学1 −1

金沢医科大学入学センター

電話:(代表)076-286-2211(内線 2532∼2534) (直通)076-218-8063 FAX: 076-286-6279 E-mail : [email protected] ホームページ: http://www.kanazawa-med.ac.jp/

(6)

□ 一般入学試験

1. 募集人員: 約40名 2. 出願期間: 平成17年 12月 5日(月)から 平成17年 12月26日(月)まで 3. 試験期日: 平成18年 1月11日(水) 4. 試験科目: 数学Ⅰ・数学A、英語Ⅰ・ 国語Ⅰ(古文・漢文を除く)・ 理科選択(生物Ⅰ又は化学Ⅰ)・ 面接 5. 合格者発表日:平成18年 1月20日(金)

□ 推薦入学試験

1. 募集人員: 約20名 2. 出願期間: 平成17年 11月 1日(火)から 平成17年 11月 9日(水)まで 3. 試験期日: 平成17年 11月 27日(日) 4. 試験内容: 小論文、面接 5. 合格者発表日:平成17年12月 5日(月)

□ 社会人特別推薦入学試験

1. 募集人員: 若干名 2. 出願期間: 平成17年11月 1日(火)から 平成17年 11月 9日(水)まで 3. 試験期日: 平成17年 11月 27日(日) 4. 試験内容: 小論文、面接 5. 合格者発表日:平成17年12月 5日(月)

平成18年度 附属看護専門学校入学試験要項

(抜粋)

*お問い合わせ及び入試要項請求は下記へ。 〒920-0293 石川県河北郡内灘町大学1 −1

金沢医科大学入学センター

電話:(代表)076-286-2211(内線 2532∼2534) (直通)076-218-8063 FAX: 076-286-6279 E-mail : [email protected] ホームページ: http://www.kanazawa-med.ac.jp/ 1.募集人員: 35名 2.出願資格: ・大学の医学部又は歯学部を卒業した者及び平 成18 年3 月卒業見込みの者 ・外国において、学校教育における18 年の課程 (最終の課程は医学又は歯学)を修了した者 及び平成18 年3 月修了見込みの者 ・文部科学大臣の指定した者 ・本大学院が大学の医学部又は歯学部を卒業し た者と同等以上の学力があると認めた者 3.出願期間: 平成17年10月31日(月)から 平成17年11月11日(金)まで 4.試験期日: 平成17年11月25日(金) 5.試験科目: 筆記試験(外国語)、面接試 6.合格者発表日: 平成17年12月13日(火) なお、募集人員に満たない場合に、追加募集を実 施することがある。

平成18年度 大学院医学研究科選抜試験要項

(抜粋)

*お問い合わせ及び入試要項請求は下記へ。 〒920-0293 石川県河北郡内灘町大学1 −1

金沢医科大学大学院課

電話:(代表)076-286-2211(内線 2522∼2523) FAX: 076-286-6054 E-mail : [email protected]

(7)

第33回 解剖学実習解剖体

平成17 年7 月1 日(金)午前10 時からアナトミーセン ター2 階実習室において、第33 回納棺式が、分子細胞形 態科学教室員および解剖実習を終了した第2 学年学生全 員が参加して厳粛に執り行われた。 はじめに、平井圭一教授から、「解剖学は、人体の構 造と機能の真理を究めるため、学習者自らが実際に人体 を詳しく解剖することによって、医学の根幹をなす基礎 的知識を修得するものであります」と解剖学の重要性を 説く式辞が述べられた。次に平井教授と篠原治道教授 が、平成 17 年度の解剖実習に供された29 柱の御霊に対 し献花を行い、引き続き解剖を行った学生が班ごとに、 ご遺体一体一体が納められた棺に花束を手向け、また、 教室員は白薔薇の献花を行い、それぞれ一様に故人への 感謝の念を捧げご冥福を祈った。 最後に学生を代表し、玉井道裕君が、「献体に深いご 理解とご協力を賜りました故人ならびにご遺族の皆様方 のご厚志に報いるためにも、その責任と自覚を持ち、今 後一層の努力を惜しむことなく、良医への道を邁進して ゆくことを固く誓います」との感謝と決意の言葉を力強 く述べ、式は滞りなく終了した。 (教学課 松本順治記) アナトミーセンター 2 階実習室にて 本学アナトミーセンターには、解剖学ゆかりの方々 の全身連結骨格標本が2 体保管されている。第 1 体は 初代解剖学Ⅰの植木春三名誉教授である。植木教授は 昭和 47 年本学の解剖学教室開設とともに赴任され、 解剖学実習の基礎を作られた。定年退職後、昭和 56 年 11 月 22 日に金沢医科大学篤志団体天寿会の会員と して 成 願 じょうがん された。第 2 体目は本学学生の父兄で奈良 医師会会長であった小川益雄先生である。昭和56 年5 月15 日永眠され、生前のご意志に沿って献体された。 両氏とも医師として初めての献体であり、ご遺志によ って系統解剖後は全身骨格標本として永久に解剖棟 (当時)に安置することになった。 曽根潮児名誉教授は、昭和49 年から平成6 年まで解 剖学Ⅰの教授として系統解剖学一途に担当された。退 職後平成 15 年 7 月 10 日に天寿会の会員として成願さ れ、生前からの強いご意志と、遺言を尊重される節子 夫人のご理解によって全身骨格標本にさせていただく ことになった。既に 50 体以上の骨格標本作製実績の ある本学アナトミーセンターのスタッフと、組み立て 担当のメーカーの協力によって、本年5 月末に完成し、 6 月 7 日に夫人のご出席を得て、アナトミーセンター に安置した。本学関係者の全身骨格標本として第3 番 目になり、永く医学教育に寄与していただくことにな った。 (アナトミーセンター 平井圭一記) アナトミーセンターに安置される曽根名誉教授ご遺体骨格標本

(8)

古家

こ や

大祐

だいすけ

教授

内分泌代謝制御学(内分泌内科学) 本年 6 月 1 日付けにて、内分泌代謝制御学(内分泌 内科学)部門教授を拝命いたしました。 私は、昭和59 年滋賀医科大学医学部医学科卒業、同 大学第三内科に入局、内科全般の研修を行った後、糖 尿病・腎臓疾患、特に糖尿病性腎症の診療と研究に従 事いたしました。平成6 年より2 年間、米国ハーバード 大学医学部ジョスリン糖尿病センターに留学し、糖尿 病血管合併症の成因を中心に研究を行い、糖尿病性腎 症および糖尿病心筋症の発症・進展に関わるプロテイ ンキナーゼC(protein kinase C; PKC)活性化の意義に 関する研究に取り組みました。その後、滋賀医科大学 第三内科に戻り、糖尿病性腎症を中心とした糖尿病・ 腎臓疾患の研究を継続するとともに、糖尿病合併症の 感受性遺伝子に関する研究を開始しました。また、糖 尿病性腎症の新たな診断法の確立、あるいは新規治療 法の開発を目的に、産学連携にてプロテインチップに よる尿蛋白解析も積極的に進めております。 今後、金沢医科大学病院において、糖尿病に関する 臨床経験をさらに積むとともに、それに基づく研究に よって、糖尿病の臨床において最も重要課題とされて いる糖尿病血管合併症、特に腎症を阻止し得る新たな 診断法および治療法の開発を推進していく所存です。 また、教育面では、教室員が一丸となり、講義、臨床 実習、教育研修プログラムに積極的に取り組み、金沢 医科大学の学生諸君とともに明日を照らす医学人とな れることを目指してまいりますので、今後とも、宜しく ご指導、ご支援をお願い申し上げます。 【略歴】 1984 年 3 月 滋賀医科大学医学部医学科卒業 1992 年 4 月 滋賀医科大学医学部附属病院第三内科助手 1994 年 12 月 ハーバード大学医学部ジョスリン糖尿病セ ンター 研究員 2004 年 3 月 滋賀医科大学医学部附属病院内科講師 2005 年 6 月 金沢医科大学内分泌代謝制御学(内分泌内 科学)教授

佐々木

さ さ き

ひろし

教授

感覚機能病態学(眼科学) 本年5 月1 日付けで感覚機能病態学(眼科学)部門教 授を拝命いたしました。 私は昭和56 年に金沢大学教育学部附属高等学校、昭 和62 年に金沢大学医学部を卒業し、同年自治医科大学 眼科学教室に入局いたしました。自治医科大学では当 時日本におけるマイクロサージャリーの第一人者であ った清水昊幸教授のもとで網膜剥離、白内障手術の指 導をいただき、その他ぶどう膜炎、緑内障、角膜疾患、 硝子体手術について日本を代表する先輩方からお教え いただき、ここでの10 年余の経験が現在の私の臨床の 基礎になっております。平成3 年から米国ミシガン州の オークランド大学眼科研究所に2 年間留学し、水晶体の 酸化障害に関する研究を行いました。これが私と水晶 体研究との出会いで、ここで行った研究を発展させ自 治医大で学位を取得いたしました。 平成8 年3 月から金沢医科大学眼科学教室にお世話に なり、佐々木一之名誉教授のもと白内障の基礎、臨床、 疫学研究に携わり現在に至っております。中でも国内 外での眼疾患疫学研究は本学に移籍してからのテーマ で、国内では石川県門前町をメインフィールドに、海 外ではシンガポール眼科研究所、アイスランド大学、中 国医大を中心とする中国チームとの国際共同研究が続 いております。基礎研究も小島講師、坂本博士を中心 に紫外線、赤外線、電磁波関連の特色のある研究が進 行しています。眼科診療の内容はここ数年で大きく変 わって参りましたが、中泉助教授、北川助教授と臨床 経験の豊富な医師が新時代の先端を行く診療をしてお ります。マンネリに陥りがちな学生・研修医教育も新 たな独自の試みを導入したいと思っています。 医師、パラメディカル、事務、看護師のチームワー クを向上させ、皆がやりがいを持てる教室を作って行 きたいと考えております。皆様方のご指導、ご支援を お願い申しあげます。 【略歴】 1987 年 3 月 金沢大学医学部卒業 1987 年 4 月 自治医科大学眼科入局 1991 年 8 月 米国Oakland 大学眼研究所研究員 1993 年 10 月 自治医科大学眼科助手 1996 年 3 月 金沢医科大学眼科学講師 2004 年 12 月 金沢医科大学総合医学研究所 環境原性視覚 病態研究部門講師(併任) 2005 年 5 月 金沢医科大学感覚機能病態学(眼科学)教授

(9)

小坂

こ さ か

健夫

た け お

教授

(特任) 消化器外科治療学(消化器外科学) 平成17 年5 月1 日付けで、消化器外科治療学(消化器 外科学)助教授から教授(特任)に昇任の辞令をいた だきました。 私は昭和54 年に京都大学医学部を卒業後、金沢大学 第 2 外科に入局しました。昭和 56 年に金沢大学大学院 に入学し、宮崎逸夫教授および高島茂樹先生(現 本学 病院長)の指導の下、大腸発癌の研究で学位を取得し ました。昭和 61 年から金沢大学および金沢医科大学に おいて、おもに消化器がんの診療・教育・研究に携わ ってまいりました。平成 11 年には、高島教授、村上暎 二前理事長、小田島粛夫理事長、および松本静夫理事 のご配慮で、米国 Massachusetts 工科大学に留学し消化 器発癌の研究を行い、またその折に、Harvard 医学校と Massachusetts 総合病院での医学教育(PBL)や臨床検 討会に参加・見学しました。 最近の医療を取り巻く情勢は厳しく、より高度の外 科治療を指向し技術向上に努め、加えて安全・確実で、 安心できる外科治療を目指すと同時に、経済性を重視 した診療をしたいと思います。そのためには、病院内外 での多様な連携をさらに密にする必要があると思いま す。 この金沢医科大学で、患者さんや家族から期待され る診療と、将来それを担える医学生および研修医の教 育に尽力する所存ですので、今後ともよろしくご指導 とご協力をお願い申し上げます。 【略歴】 1979 年 3 月 京都大学医学部卒業 1985 年 3 月 金沢大学大学院医学研究科(外科学第2専 攻)修了 1986 年 4 月 金沢大学附属病院助手(救急部・集中治療 部) 1987 年 4 月 金沢大学附属病院助手(第2 外科) 1991 年 4 月 金沢医科大学一般消化器外科学助手 1995 年 4 月 金沢医科大学一般消化器外科学助教授 1999 年 7 月 米国MIT に客員研究員として留学 2005 年 5 月 金沢医科大学消化器外科治療学(一般消化 器外科)教授(特任)

松井

ま つ い

まこと

教授

脳脊髄神経治療学(神経内科学) 本年 6 月 1 日付けで脳脊髄神経治療学(神経内科学) 部門教授を拝命致しました。 私は昭和56 年に京都大学医学部を卒業後神経内科に 入局し、以降昭和 62 年に大学院を修了するまでの 6 年 間、教室を主宰しておられた亀山正邦教授の下で勉強 させていただく機会を得ました。亀山先生は当初、老 年科の教授も併任され、神経系の発達と老化を専門と した診療と研究にとどまらず、常にすべての臓器を、ひ いては個人としての患者様を全人的に診た上で治療に 至る道筋を示して下さいました。このような、臨床に 根ざした医学・医療を追究する精神は、卒後 24 年を経 た現在に至るまで私の原点となっております。 大学院では、元来興味のあった免疫学の分野との接 点から重症筋無力症と多発性硬化症を研究したことも あり、京大の助手の3 年目にHarvard 大学の神経研究セ ンター(多発性硬化症部門)へ2 年間留学しました。こ の間、経口トレランスという画期的な免疫抑制療法の 研究と治験に携わる幸運を得、また神経免疫学分野で 国内外の友人が多数できたのもこの時期です。平成3 年 に帰国後は佐賀医科大学に転任し、現在本学の教育の 根幹でもある全く新しい型の米国式医学教育システム に触れ衝撃を受けました。佐賀医科大学病院は一次救 急を引き受ける地域密着型の病院であり、また学生も 自由闊達でどことなく本学と似た雰囲気を持った職場 であったと思い起こされます。その後、現国立病院機 構宇多野病院で神経難病の診療と研究に7 年半携わりま した。 この度本学へ異動するにあたり、学生時代から始ま り医師になって最初の数年が個々の医者の人生を決定 することを思えば、身の引き締まる思いが致します。皆 様のご指導、ご鞭撻をお願い申し上げる次第です。 【略歴】 1981 年 3 月 京都大学医学部卒業 1987 年 4 月 京都大学神経内科助手

1989 年 7 月 ハーバード大学Brigham and Women's Hospital 神経研究センター研究員

1993 年 4 月 佐賀医科大学内科学(神経筋)講師 1997 年 10 月 国立療養所宇多野病院神経内科医長 2005 年 6 月 金沢医科大学脳脊髄神経治療学(神経内科

(10)

斎藤

さいとう

人志

ひ と し

教授

(臨床) 消化器外科治療学(消化器外科学) 平成 17 年 6 月 1 日付けをもって、消化器外科治療学 (消化器外科学)臨床教授を拝命いたしました。私は昭 和55 年に金沢医科大学を卒業し、本学の一般消化器外 科に研修医として入局し、それから早いもので25 年間 が経過いたしました。この間、小坂 進教授、木南義男 教授、そして高島茂樹教授にそれぞれ外科学における 診断、外科手術手技、術前術後管理について学ばせて いただきました。また、日本外科学会指導医、日本消 化器外科学会専門医、日本消化器病学会専門医などの 資格も取得させていただきました。 診療面では、膵胆道癌や急性膵炎などの肝胆膵領域 疾患に対する診断手技、外科的治療を中心に修練して まいりましたが、最近の腹腔鏡下手術手技の発展に伴 い、各種疾患に対する鏡視下手術の治療面にも力を注 いでおります。それらの中でも、高島茂樹主任教授に 指導していただきながら確立してまいりました教室独 自の膵頭十二指腸切除術における再建法であります膵 胃吻合空腸single loop 再建法は、術後合併症もほとんど みられず術後も極めて良好な経過が得られています。今 後も肝胆膵領域疾患の治療成績向上に更なる努力をし ていく所存であります。 また、腹部重症感染症に起因する敗血症例に対する 血液浄化療法にも力を入れております。特にエンドト キシン吸着療法(PMX-DHP)の導入による治療成績の 向上は明らかであり、一人でも多くの患者様を救命で きるよう治療成績向上に努めていきたいと思っており ます。 教育面では、医学知識や技術は勿論のこと、「相手を 思いやる気持ち」、そして「症例としてではなく、病ん でいる個々の患者様として診れること」の重要性を一 人でも多くの若者に伝えていきたいと思っております。 まだまだ未熟であり、微力ではありますが金沢医科大 学の発展を祈念して、力の限り尽くしていきたいと思 っております。今後ともご指導、ご援助をよろしくお願 い申し上げます。 【略歴】 1980 年 3 月 金沢医科大学医学部医学科卒業 1983 年 8 月 金沢医科大学一般消化器外科学助手 1992 年 4 月 金沢医科大学一般消化器外科学講師 2000 年 4 月 金沢医科大学一般消化器外科学助教授 2005 年 6 月 金沢医科大学消化器外科治療学(消化器外 科学)臨床教授 平成 17 年 6 月 16 日(木)本学会議室において、小 田島粛夫理事長から本年 3 月 31 日付けをもって教授 職を定年退職された先生方に、金沢医科大学名誉教 授の称号が授与された。 名誉教授の選考は、去る 4 月 25 日開催の名誉教授 選考委員会において選考され、山本 達学長の推薦に 基づき、4 月28 日開催の第721 回医学部教授会で承認 されたもの。 (庶務課) 称号授与された方々(敬称略)。 第60 号 廣瀬源二郎 前 脳脊髄神経治療学(神経内科学)教授 第61 号 内田 健三 前 内分泌代謝制御学(内分泌内科学)教授 第62 号 高橋 信夫 前 感覚機能病態学(眼科学)教授 左から高橋信夫、内田健三、廣瀬源二郎の各名誉教授

平成17年度

平成 17 年 6 月 14 日(火)午後 7 時からホテル日航 金沢において、学外臨床施設の医師 20 名を招き、山 本 達学長をはじめ16 名の教職員が出席し、金沢医科 大学臨床教授(学外)委嘱状授与式並びに学外臨床実 習に係る懇談会が開催された。 初めに山本学長から新任の臨床教授(学外)に委嘱 状が渡された。引き続き懇親会が行われ、大原義朗 教務部長により、スライドを使って「我が国の医学 教育の現状」について説明があり、和やかな中で活 発な意見交換が行われた。最後に、学外臨床施設を 代表して北陸中央病院院長小林勉先生がお礼の言葉 を述べられ、盛会裡に終了した。

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本学では、平成7 年度から学生が医療チームの一員と なり、スチューデントドクターとして行動することを目 的とした Clinical Clerkship(CCS)を導入し、平成11 年 度からは、大学病院では得られない体験実習を経験させ るため、学外の医療機関において臨床実習を行ってい る。また、平成 12 年度から受け入れ施設の指導医師の 方々を臨床教授(学外)等に委嘱しており、当初の13 名 から、学外臨床実習の充実とともに増え、今年度は 44 名の方々が委嘱された。任期は、平成17 年4 月1 日から 平成18 年3 月31 日まで(卒業年度順、敬称略)。 (庶務課 笠間孝一記) 西野 知一(千木病院院長) 山口 成良(松原愛育会松原病院院長) 宮崎 誠示(南ケ丘病院院長) 岡部美根子(岡部病院院長) 佐々木 誠(金沢赤十字病院院長) 野 謙介(カセノ内科医院院長) 倉知  圓(南砺市民病院院長) 東福 要平(石川県済生会金沢病院院長) 勝見 哲郎(国立病院機構医王病院院長) 浜田 重雄(二ッ屋病院院長) 竹下八洲男(金沢社会保険病院病院長) 波佐谷兼綱(珠洲市総合病院院長) 山田  燦(サンクリニックやまだ院長) 川西 徹郎(金沢リハビリテーション病院院長) 勝木 建一(やわたメディカルセンター病院長) 根井 仁一(公立南砺中央病院院長) 北田 博久(らいふクリニック院長) 村  俊成(予防医学クリニック院長) 川崎  英(金沢西病院院長) 駒井杜詩夫(厚生連高岡病院院長) 藤井 博之(博洋会 藤井脳神経外科病院理事長) 上田  博(辰口芳珠記念病院院長) 上野 敏男(浅ノ川総合病院院長) 倉田 孝一(県立高松病院院長) 前田 敏男(映寿会みらい病院院長) 小森 和俊(公立宇出津総合病院院長) 佐藤 秀次(金沢脳神経外科病院院長) 宮谷 信行(町立富来病院院長) 京井 優典(国民健康保険志雄病院院長) 横井 克己(公立穴水総合病院病院長) 近藤 邦夫(近藤クリニック院長) 一二三宣秀(北陸中央病院医務局長) 南部  澄(なんぶこども医院院長) 田 充彦(医療法人社団 宇野気医院理事長) 的場 宗敏(的場病院病院長) 伊藤  順(伊藤病院院長) 越野 慶隆(越野病院理事長) 藤井 久丈(藤聖会 八尾総合病院理事長) 神野 正博(董仙会 恵寿総合病院理事長) 中藤 秀明(中藤クリニック院長) 轟  清二(とどろき医院院長) 竹内 尚人(木島病院院長) 丸岡 達也(まるおかクリニック理事長) 佐原 博之(さはらファミリークリニック院長)

共用試験CBT

問題作成ワークショップ

平成17 年度から正式導入が決まっている共用試験は、 技 能 試 験 で あ る OSCE( Objective Structured Clinical Examination: 客観的臨床能力試験)と知識試験である CBT(Computer-Based Testing: コンピュータを用いた多 岐選択型問題の試験方法)に分かれている。当然のこ とながら、CBT では多数の良質の問題が必要である。 共用試験実施機構では、多くの良問をストックするため に平成 13 年度から全国の医学部・医科大学から問題を 公募し、これらの問題を blush-up し、ストックしてい る。開始当初レベルの高い問題は少なかったと聞いてい る。この点を是正するために、要請のあった大学には、 実施機構の委員が直接赴き、CBT 問題作成の要点を説 明している。 本学では平成 15 年度は聖マリアンナ医科大学の斉藤 宣彦教授、平成 16 年度は東京医科歯科大学の奈良信夫 教授にお願いして、CBT 問題作成ワークショップを開催 してきた。今年度は岩手医科大学の堀内三郎教授にお願 いした。今年度は特に基礎系の教員、そして新たに本学 に赴任された教員を対象とした。 まず堀内教授から過去4 年間のCBT トライアルの全国 結果そして良い客観問題の作成法について説明を受け、 その後各グループに分かれて各自が1 題ずつ問題を作成 した。最後に各自が作成した問題について堀内教授の指 導の下で、1 題ずつ討論をした。 なお、本学の昨年度の平均点は58 点(全国平均57 点)、 今年度は64 点(全国平均はまだ未定)。また本学から提 出された問題の採用率は平成15 年度は全国で3 位、平成 16 年度もトップレベルである。 (教務部長 大原義朗記)

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第1学年 早期臨床体験実習

第1 学年の早期臨床体験実習は「社会における医療と 福祉・介護の接点について、早期に実地経験をすること により理解を深め、将来医師となるために必要な学習の 動機付けを行う」ことを目的に、例年のようにすべての 講義を中断して5月23日から27日の5日間、学内外の諸 施設において実施された。学外実習に利用させていただ いた施設は、医王病院、石川療育センター、小松療育 園、陽光園、青山彩光苑、和光苑、鶴友苑、なぎの浦、 湖南苑、千木病院の10カ所である。施設ごとに、施設利 用者や患者さんへの対応が異なり、時には厳しい評価と コメントをいただいた学生もいたが、おおむね新入生と しては良く頑張ってくれたというのが私の印象である。 施設は県内各所に分散しているため遠方の施設に出向く 学生グループは集合時間も早く、当然早起きを強いられ ることになる。今年は、遅刻して電話で呼び出された学 生もかなりおり、担当者としては胃が痛くなるような毎 日であった。この点も含め、もっと徹底した事前のガイ ダンスが必要であるということが反省点として残った。 学内の実習は、従来行ってきた本学病院での臨床体験 を取りやめて、以下のようなメニューで福祉を考えても らう2 日間を新たに計画し実施した。すなわち、①ひろ びろ福祉会理事長の野間比南子先生による講演「障害 児・者と共にいる喜びと課題」、②DVD「奇跡の人」の 鑑賞、③国内外の福祉政策や、福祉に貢献した人々に関 する勉強会(パソコン検索)の3 つである。①の野間先 生の講演は、長く養護学校で教員生活を送ったご自身の 経験談をもとに障害者に対する真の愛情のかけかたを分 かりやすく話していただき、大変感銘深いものとなっ た。②では、最近亡くなったアカデミー賞女優のアン・ バンクロフトの名演技に感動した学生が多かったようで ある。③では、パソコン操作がまだ不慣れな学生が多い 中、グループで力を合わせて、なかなか充実したレポー トを作成してくれた。 実習全体を通して、まだまだ改善の余地はあるとはい え、入学間もない学生にとって本実習は貴重な体験であ ることに間違いはなく、これをきっかけに医学生として のモチベーションがより一層高められれば、我々担当者 として言うことはない。 最後に、この実習にご協力いただいた皆様に厚くお礼 申し上げたい。 (第1 学年主任・生命科学 堀 功記)

第32 回教育懇談会

テーマ:

Mercer University School of

Medicine

-Current Methods, Current Problems, Future

Directions-講 師:Dr. Robert Hash( マーサ大学医学部 Family Medicine 助教授) 平成 17 年 6 月 30 日マーサ大学医学部 Family Medicine 助教授 Dr. Hash を招いて、第 32 回教育懇談会を開催し た 。 本 学 は マ ー サ 大 学 と 平 成 1 0 年 に 提 携 を 結 び 、 exchange program がスタートした。現在まで、18 名の本 学学生を派遣しており、10 名のマーサ大学学生を受け入 れている。今年度は 4 名の本学第 5 学年の学生が 3 月に 渡米し、4 月には3 名のマーサ大学学生が来日しており、 彼らの報告は既に学報に掲載されている。Dr. Hash はマ ーサ大学教務副部長でもあり、今回黒部市民病院を来訪 した機会に、本学まで足を伸ばしていただいた。

氏は、「Mercer University School of Medicine -Current Methods, Current Problems, Future Directions-」と題して、 約40 分にわたり、マーサ大学のカリキュラム、現在の問 題点、そしてこれからの方向性に関して、丁寧に説明さ れた。マーサ大学はジョージア州の地域医療を担うとい う目的で 1982 年に創設された。現在まで約 75%の卒業 生がその使命に応えており、他の州でレジデントを終え てもまたジョージア州に戻ってくるという。また入学時 の成績は全国平均より下であるが、国家試験に関しては 全国平均を上回っている。そのカリキュラムの大きな柱 の一つとしてPBL があげられる。 36 名の教職員が参加し、講演後、PBL の現況・問題 点、臨床実習の問題点、評価法、進級率・USMLE 合格 率の関連性などについて、多数の質問が出され、活発な 討論がなされた。 今回紹介されたマーサ大学の現況は本学にとっても参 考となる点が多々あり、有意義な教育懇談会であった。 (教務部長 大原義朗記) 講師のDr. Robert Hash 助教授

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平成17 年4 月23 日(土)、24 日(日)の2 日間、第16 回医学教育セミナーとワークショップが、岐阜大学医学 部医学教育開発研究センター(MEDC、鈴木康之センタ ー長)と金沢医科大学(山本 達学長、鈴木孝治医学教 育センター長)との共同で、金沢医科大学病院において 開催された。 セミナー: 「英語教育の在り方 学力差を考慮したアプローチ 講師の渡辺義和助教授(南山大学)が、学生の英語教 育に対する期待度・習熟度の大きな差に着目。習熟度別 クラス編成によるカリキュラムの成果、英語教育に関す るFD や英語教育の今後の課題と展開について講演され た。 ワークショップ1: 「わくわく新カリ創作:「思いやり」の教育」 真の思いやりを持つ医師の育成についての討議がなさ れた。学生参加者からの積極的な意見が得られ充実した 討論が行われた。心理学者の武山雅志助教授(石川県立 看護大学)、ホスピス専門医の福徳雅章先生(函館おし ま病院)、解剖学で献体に関連して情意教育に取り組む 東 伸明講師(金沢医科大学)、模擬患者で医学教育に熱 心な井上千鹿子先生が参加され、堀 有行助教授(金沢 医科大学)がコーディネーターを担当した。 ワークショップ2: 「臨床実習への準備教育」 日本の医育機関では平成 18 年度には診療参加型臨床 実習の本番を迎えるが、木川和彦教授(熊本大学)がコ ーディネーターをされ、谷口純一講師(熊本大学)、吉 田一郎教授(久留米大学)とともに、診療参加型臨床実 習の入門としてのプログラムについて討論が行われた。 熊本大学と久留米大学の臨床準備教育および海外施設で の状況の発表、参加者からの臨床入門教育の問題点の抽 出が行われ、上記の目的に沿った臨床入門教育カリキュ ラム案が作成された。 ワークショップ3: 「ポートフォリオ」 ポートフォリオは、卒前、卒後、生涯教育で用いら れ、ポートフォリオの評価は態度やプロフェッショナリ ズムのアウトカムに関して有用とされている。吉村 学先 生(久瀬村診療所長)のコーディネートで、ファシリテ ーターの吉田一郎教授(久留米大学)とともに、ポート フォリオの基本的な理解、実例、評価の実際、導入に際 しての方略が討論された。さらに、医師、看護師、歯科 医師の卒前、卒後教育のポートフォリオ導入についてプ ロダクトが作成された。 ワークショップ4: 「歯科のPBL シナリオ作成」 歯学教育においてもPBL テュートリアルの導入が進ん でいる。岡野友宏教授(昭和大学)がコーディネーター となり、タスクフォースの岡野友宏教授、小野和宏講師 (新潟大学)、影山幾男助教授(日本歯科大学)、片岡竜 太講師(昭和大学)、鶴田 潤助手(東京医科歯科大学)、 内藤 徹先生(福岡歯科大学)とともに、終了時刻を大 幅に延長して熱心な討論が行われ、テュートリアルの体 験やシナリオ作成が行われた。 ワークショップ5: 「患者の個人医療情報を医学教材に使える条件」 患者の個人医療情報は貴重な教育素材で、医学部での 教育、研修病院での臨床教育で利用されている。高橋優 三教授(MEDC)がコーディネーターとなり、個人情報 保護の観点から、その情報を医学教材に利用できる条件 とは何かが討論された。 他に、金沢医科大学学内ワークショップとして、「これ からの筆記試験」〔コーディネーター:吉田一郎教授(久 留米大学)、安田幸雄教授(金沢医科大学)〕と「診療参 加型臨床実習」〔コーディネーター:津田 司教授(三重 大学)、松井 忍教授(金沢医科大学)〕が開催された。 総参加人数は149 名で、2 日間の本ワークショップで は過去最多だった。本企画の成功に寄与された参加者の 皆様、岐阜大学医学部 MEDC のスタッフと金沢医科大 学スタッフに心より感謝したい。 (医学教育センター 堀 有行記) ワークショップ 1 での討論風景

第16 回 医学教育セミナーとワークショップ

金沢医科大学と岐阜大学MEDCとの共同で開催

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第18回

平成17 年6 月10 日(金)、第18 回戴帽式が本部棟4 階 講堂において行われた。病院での実習生活に入る2 年生 60 名(うち男子2 名)が戴帽し、志を新たにした。 松原純一学校長が一人ひとりにナースキャップをかぶ せ、戴帽生はキャンドルを手にナイチンゲール誓詞を声 高く読み上げた。松原学校長から「患者さんに接するの に戸惑ってしまった時 は、患者さんの痛み、 苦しみ、辛いことを聞 いてあげることで道が 開ける。看護は心から 始まる。また、患者さ んや周りの全ての人に 挨拶ができるよう徹底 してほしい。そして勉 強してほしい」との式 辞が述べられた。 続いて高島茂樹病院長が「新しい病院づくりには、若 い力が必要です。私たちは皆さんがその一員に加わって 下さるように大いに期待しております」との祝辞を贈っ た。さらに戴帽生の出身高校の恩師を代表して穴水高等 学校小林俊雄校長から「高い目標を持ち日々研鑽を積ま れていくことを期待しております」との祝辞が贈られた。 これに対して戴帽生代表の酒井真葵さんが「看護者と しての高い倫理性を養い“全力・誠実”を尽くす看護の 実践を約束します」と誓いの言葉を述べた。 式後には出席された出身高校の恩師と生徒との交流が もたれ、和やかなひとときを過ごした。 (看護専門学校事務課 木村由紀江記)

平成17年度

看学学生寮の防火訓練が、平成17 年6 月13 日(月)・ 14 日(火)の両日にかけて、通学生も加わり実施された。 今回は学生寮の火災発生時の寮生の消防活動と消火器 具使用方法を理解させることを目的とした、 〔1日目〕6月13日 実施前説明会 17: 00∼ ①ビデオ 「家族de 防火」 私たちの身近に起る、たこ足配線のコンセントプラ グからの引火、調理中の油の引火などを例に、火災発 生時における通報・消火・避難の3 原則についての重 要さを認識した。 ② 防火訓練実施要項、役割分担の説明 〔2日目〕6月14日 防火訓練(通報・消火・避難)の実施 16: 40∼ 学生寮A 棟4 階の調理室から出火、初期の消火活動に もかかわらず延焼の恐れがあり、避難を要するとの想定 で行われた。 4 階調理室で発煙筒が点火され、最寄りの寮生が「調 理室が火事」と大声で連呼、火災報知器のボタンを押 す。1 階宿直室に本部が設置され、防災センターに通報 するとともに校内放送をする。4 階では消火器および消 火栓の放水により消火活動を開始。各階から消火器が運 ばれ消火を行うが、延焼の恐れがあり、各自素早く非常 階段から本校駐車場に避難。間もなく内灘消防隊が到 着、鎮火となった。 最後に内灘消防署の方から「おしゃべりしている学生 が多かった。もっと真剣に取り組んでほしい」と厳しい 講評を受けた。 引き続き全員で消火器の操作訓練が行われ、防火訓練 を終了した。 (看護専門学校事務課 高田結子記) キャンドルを手に新たな志を胸に 笑顔がこぼれる戴帽生

附属看護専門学校

附属看護専門学校

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講義を受け知識を整理してから臨床実習に臨む。臨床 実習は先輩医師の医療行為を見て学び、2年間の卒後臨 床研修で一人前の医師になる。このような医学部6年間 と卒後2年間を要していた医学教育は今変わろうとして いる。臨床実習に入る前に、Paper Patientから学ぶ問題基 盤型学習problem-based learning(PBL)が行われ、臨床実 習は、医療スタッフの一員として、病歴聴取、診療、カ ルテ記載などをこなす診療参加型になる。この臨床実習 に参加するための資格試験として、学生の知識・技能・ 態度を評価するために設定された全国共用試験が2005年 度から本番を迎える。

“Learning from the Patient: The Essentials of Clinical Teaching”と題したワークショップが2005 年2 月21 日か ら24 日にハワイ大学において開催された。全国の医学部 で臨床実習の見学型から参加型への移行作業が検討され ているが、このワークショップでは、この目的を達成す るためのエッセンスと多くのヒントが盛り込まれていた。 その一部を紹介したい。

臨床現場を想定した教育法

Clinical Case Simulation

学生 1 名と教員 1 名が実際の診療過程を模倣する教育 法である。教員自らが患者役を演じ、学生に病歴聴取を させ、学生は必要な診察項目や検査を示し、教員はその 所見を伝え模擬診療過程を進める。PBL を実際の臨床場 面を想定して行うものと理解できる。診療場面に即した 思考過程のトレーニングで、一人当たり20 分程度を要す るが、臨床実習前から行うことができる。

臨床現場での教育法

Teaching in Clinical Setting

外来の患者さんに臨床実習の医学生を紹介し、教育の ための協力を要請する。学生による問診と診察の後、そ れを確認するための診療を行うことを告げ指導医は退室 する。この間指導医は他の業務をこなしている。学生は 一人で患者さんからの病歴聴取と診察を行った後、戻っ た指導医にプレゼンテーションする。患者さんには「彼 の言うことに間違いがあれば遠慮しないで指摘してくだ さい」と伝え、プレゼンテーションに同席してもらう。 指導医は、確認のための問診と診察を行い、その結果を すぐに学生にフィードバックする。 臨床現場での過程は患者さんに時間的負担を与えてい るが、研修医による予診の時間が省かれている。また、 地域で(患者が)医師を育てるという意識もあるとい う。日本の場合、問題は指導教員側の時間的負担のよう に思われる。忙しい臨床業務の中で、このような実習を 行うことは容易ではない。しかし、予診、病歴記載や初 期診察など、従来研修医が行っていた業務のかなりの部 分が臨床実習の学生がカバーすることとなれば、むしろ 学生が医療チームの重要な人的資源になることは明らか である。さらに、学生はチームの一員として症例検討会 などにも参加するので、さまざまな状況で教えられるの ではなく、自ら学ぶことを余儀なくされる。こうなれば、 臨床実習中に行われていたレクチャーは激減するはず で、総合的には「教える時間」の問題は解決すると思わ れる。また、100 名の学生がこの形態の臨床実習をひと つの大学病院の中で行うことに障害があるならば、学外 に臨床実習の場を求めなければならないであろう。特定 機能病院である大学病院は、診断の確定した患者さんの 治療が主体であり、Primary Care の教育現場としては必 ずしも適当ではない。臨床実習の場を、病棟から救急外 来を含めた外来へ、さらに学外へ移すことがこれからの 課題と思われる。 効果的な診療参加型臨床実習を考える上で、米国式を まねるのではなく、日本の医療の実情に応じた、より水 準の高いものを目指すことができればと思う。 大きな刺激剤となったこのワークショップへの参加の 機会を与えていただいた山本 達学長、大原義朗教務部 長に心より感謝いたします。

―ハワイ大学医学教育ワークショップに参加して―

医学教育センター助教授

堀 有行

参加者が、模擬患者を前にハワイ大学の学生を指導する場面をビ デオに撮り、それを別室で見ながら評価し合っている。 報 告

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人間の行動を科学的に考察する「行動科学(Behavioral Science)」は、教育学、社会学、哲学、政治学、経済学 など多くの分野に関連するもので、それぞれの分野で独 自の発展をしてきました。医学の分野でも、対患者関係 や患者教育という観点から行動科学的な考え方が注目さ れ始め、医学教育においては1990 年代に入ってからしき りにその重要性が指摘されるようになりました。“病気 だけをみるのではなく病気を持った人間を全人的観点に 立ってみる”ことが医学、とくに医療での基本姿勢であ り、これは当然のことと言えます。しかし医学教育にお ける行動科学のカリキュラムは、多様な面を含む行動科 学という性質上、世界的にみてもまだ発展途上の状態で す。本邦でも 4 年前に公表された医学教育モデル・コ ア・カリキュラムや準備教育モデル・コア・カリキュラ ムの中で取り上げられるようになりました。前者では、 「基本事項」の中の“医の原則”、“医療における安全性 への配慮と危機管理”、“コミュニケーションとチーム医 療”の中で、そして準備教育では、「人の行動と心理」 の中で取り上げられています。「良医」とは「疾患を持 った“人間”を診ることができる医師」と定義するな ら、医学教育におけるこの分野の知識やスキルの修得 は、非常に重要な位置を占めるわけです。 私は昨年来、日本医学教育学会の行動科学・人間関 係教育委員会が主催したワークショップや講演会に出席 してきましたが、その出席者を対象に、この春、“行動 科学領域のカリキュラムが充実している米国医学部の視 察”が提案されました。研究者の一人がジョンズホプキ ンス大学に留学したことが、この計画の具体的なきっか けとなりました。好奇心旺盛な私は、米国東海岸の一流 医学部を覗けるという単純な動機で、真っ先に参加の名 乗りを上げました。 成田出入り組 4 名、名古屋出入り組 4 名、現地 1 名の 総勢9 名の参加者が顔を合わせたのは、メリーランド州 ボルティモアの観光スポット、インナーハーバーの中の レストランでした。6 月11 日(土)夕刻(現地時間)の ことです。潮風に吹かれながらワインで乾杯し、次の日 からのハードスケジュールに備えました。

Drexel University College of Medicine

http://www.drexelmed.edu/

1891 年、慈善家 の Anthony J. Drexel によって Drexel Institute of Art, Science and Industry として設立されたこと に始まります。2002 年にMCP Hahnemann University を 吸収合併し、医学部の規模は国内最大級のひとつとな り、さらに全キャンパスが無線LAN で連結されているこ

―行動科学領域のカリキュラムが充実している米国医学部の視察報告―

医学教育センター助教授

相野田紀子

〈日 程〉 6月12日(日)

午前:Johns Hopkins University(JHU, Baltimore, Maryland) 公衆衛生学部門で視察予定の打ち合わせと準備勉強会 午後:JHU 図書館・本館・病院の見学

6月13日(月)

午前・午後:Drexel University School of Medicine (Philadelphia, Pennsylvania)訪問 受講講義6コマ、スキルスセンター見学、返礼夕食会 6月14日(火) 午前:JHU 医学部訪問、学内視察、受講講義3 コマ、看護学 部で受講講義1 コマ 午後:JHU 医学部で受講講義3 コマ 6月15日(水) 午前:JHU 医学部 臨床教育センター訪問、受講講義2コマ 午後:JHU 医学部 健康政策学部門訪問、受講講義 3 コマ、 返礼夕食会 6月16日(木) 午前:Rochester, N.Y.へ移動

午後:University of Rochester School of Medicine(Rochester, New York)訪問

受講講義1 コマ

6月17日(金)

午前:University of Rochester School of Medicine 訪問、受講 講義7 コマ

午後:受講講義3 コマ、医学部教育施設の視察、主任教授宅 での招待パーティ

6月18日(土)

午前:成田組、名古屋組帰路につく

Drexel University College of Medicine のスタッフと

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とでも有名です。1977 年、医療における生物学的モデル (Biological model)の限界を指摘し、生物心理社会的モ デル(Bio-psycho-social model)を提唱した Dr. George Engel に師事したDr. Dennis H. Novack が、この大学での 行動科学教育を強力に推進しています。 1 学年 170 名の学生が在籍しており、カリキュラム全 体は講義とPBL 方式が混在するいわゆるハイブリッド型 です。1 年のカリキュラムは臨床症状を基盤とした計48 時間のモジュールで構成されており、行動科学はその中 の精神医学・行動社会学のコマで教育されています。2 年では臓器別のモジュールでカリキュラムが構成されて おり、行動科学は神経・精神モジュールで 28 時間以上 教育されています。1 ・ 2 年を通して、行動科学の教育 形態はPBL(この大学ではproblem-based learning ではな く、PIL: Program for Integrated Learning と呼ばれていま した)です。臨床実習期間の3 ・4 年では1 ・2 年で学ん だ行動科学の知識をベッドサイドで学ぶことになります が、3 年での精神医学 6 週間の臨床実習は必修です。さ らに、いつでもアクセスできる講義形式の教育リソース がウエブ上で公開されています。そのひとつで、現在こ の大学がもっとも力を入れているのが「医療面接e-learn-ing 用教材」です。模擬患者を使った診察場面のビデオ、 知識確認のための小テストと講義が巧みに配置されてお り、魅力的な教材です。とくに、医療面接の進行途中 で、何を目的にこの質問をしたか、状況はどうなのかな どに焦点を当てた医師のコメント、医師から言われたこ とをどう感じたか、何を言いたいのかなどの患者のコメ ントが挿入されており、学習者にとって非常に解りやす く、また臨場感が感じられました。 6 名の方の講義の最後は、再びDr. Novack による講義 で、米国医学協会から昨年出版された行動科学教育に関 する最終報告 (Improving Medical Education: Enhancing the Behavioral and Social Science Content of Medical School Curricula) についてでした。委員の一人として全米的に 活躍している先生のエネルギーと人柄が伝わってくるよ うな、魅力的なプレゼンテーションでした。

Johns Hopkins University School of

Medicine

http://www.hopkinsmedicine.org/ 19 世紀末まで、いわば徒弟的で非科学的に行われてい た米国の医学教育を改革しようとして創設されたのが、 この大学です。1893 年開設当初のファカルティ4 名の一 人が、臨床医学教育の父と呼ばれる有名な Dr. William Osler で、この大学がいかにDr. Osler を誇りに思ってい るかは、たった1 時間ほどの学内ツアーでも十分に感じ ることができました。また、JHU 付属病院はこの10 年以 上にわたって、全米最優良病院の栄冠を保っていること も、彼らの大きな誇りとなっています。信じられないほ ど広大なキャンパスには、信じられないほど多くの部門 ビルが立ち並び、方向音痴の私にはどこをどう移動した のか見当もつきませんでした。周囲の治安は悪く、キャ ンパス内での犯罪は日常茶飯事のようで、最近でも学生 寮で強盗殺人事件が発生したという話を聞きました。警 備員がビル内外のあちこちに配置されており、病院では 面会患者すべてが受付でチェックされ、名札を胸に付け ることが義務づけられています。さらに、写真撮影も厳 しい制限が課せられました。 ここでは、JHU でのカリキュラム改革全般の話、具体 的な行動科学カリキュラム、模擬患者を使った臨床技能 教育の実際、医療面接研究で著名なDr. Debra Roter の話 などを聞くことができました。行動科学については、専 門別には4 年間を通して精神医学・神経科学分野で教育 されており、さらにそれと並行して、“医師とは”、“コ ミュニケーション基礎”、“プロフェッショナリズム”な どのコース別にも教育されています。膨大な資料をもら って来ましたが、私はまだ十分に消化しておりません。 Harvard University と並んで世界の頂点に立つこの大学で は、とくに多様な教育スタッフが各自の明確な専門性を 持って医学教育に関わっていることが印象的でしたが、 逆に、規模が大き過ぎて、自分の専門分野以外の教育情 報の把握は不十分、というより無関心な様子でした。シ ステムのハード面・ソフト面の統合性という点では、本 学のような小さな単科大学の方が断然有利という強い感 想を持ちました。

University of Rochester School of

Medicine

http://www.urmc.rochester.edu/SMD

Johns Hopkins University(JHU) School of Medicine の 前で

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まるでテレビのホームドラマにでも出てきそうな街並 みが続くこの町には、コダック、ゼロックス、ボシュロ ムという有名な巨大企業が本社を置いています。クリン トン政権が当時、優良健康政策のお手本として上げた都 市ですが、経済事情が当時より悪化しつつある現在、状 況も変化しているようです。しかし、当時とおそらく変 わっていない山法師真っ盛りの木々の間をぬって、清楚 な家々が立ち並び、それは大学へ向かうシャトルバスの 窓から見ているだけで楽しく、そして絵になるようなき れいな風景でした。

Drexel University の項で紹介した Dr. George Engel がか つて教鞭をとっていたこの大学は、当然のことながら “生物心理社会的医療”を実践できる医師の養成を目指 しており、このミッションは明確です。医学教育4 年間 を通して基礎医学と臨床医学が巧みに組み合わされた 「二重螺旋構造カリキュラム Double Helix Curriculum」

は、今、全米の注目を集めています。行動科学的側面は 4 年間を通して講義、PBL、臨床実習の中で繰り返し教 育され、終末医療と尊厳死をテーマとした多数の著作で 高名なDr. Timothy Quill がリーダーシップをとっていま す。5 月に来日なさった折、東京大学でも特別講演をし ていただき、その時の博士ご夫妻のお迎え係りをした私 にとって、再会はひとしおの喜びでした。Dr. Timothy Quill は今春、10 年以上植物状態で過ごし栄養チューブ を抜去するかしないかで大統領をはじめ全米を巻き込ん だTerri Schiavo 事件について、栄養チューブ抜去禁止法 を痛烈に批判した論文をNew England Journal of Medicine に掲載したことでも有名です。視察当日は具体的な教育 内容について、医師、非医師の様々なスタッフから話を 聞くことができ、さらに講義室やPBL 室も見学でき、ス タッフの心の温かさとも相まって、私にとってはもっと も心に残る大学となりました。街といい、大学といい、 もう一度訪れてみたい場所です。 今回の視察旅行でとくに印象に残ったことは、教育に 関与する人材の豊富さとその専門領域の多様性のみなら ず教育効果を評価しようとするスタッフの積極的な姿勢、 教育そのものに対する組織の臨機応変さ、改革を続けよ うとする組織全体の情熱などです。たった1回の訪問で は真の姿が見えないことを差し引いても、彼らの情熱は ひしひしと感じられました。教育改革進行中のどの大学 でも、学生にとって良い教育プログラムを提供するとい う姿勢は明確で、今回の視察旅行はそのスケジュールの ハードさを十分に意味のあるものにしてくれたと思いま す。米国の状況を参考にしながら、日本独自の教育プロ グラムを作っていくことの必要性を、さらに強く感じた 旅でした。視察報告書は、日本医学教育学会、行動科 学・人間関係教育委員会編著として出版される予定です。 1 週間の出張を許可してくださった本学に感謝申し上 げます。使用した写真はすべて、東京大学医学教育国際 協力研究開発センター北村 聖教授のご好意により提供 していただきました。 注)米国の医学教育は、通常の4 年制大学を卒業した 学生が、MCAT (Medical College Application Test)とい う全国共通の医学部入学資格試験を受け、各大学の入学 条件(大学での成績、推薦状、入学試験、面接、入学動 機小論文など)によって選別されます。したがって医学 部入学者の平均年齢は日本の場合より高く、2003年現在 の入学時平均年齢は、20 ∼ 22 歳が 45 %、23 ∼ 25 歳が 39%となっています。ついでながら、女子入学生は51%、 男子入学生は 49 %(1992 年にはそれぞれ 42 %、58 %) と半々です。(2004年、東大でのDr. Noel講演から)

University of Rochester School of Medicine のスタッフと

〈視察グループのメンバー〉 リーダー: 中村千賀子助教授(東京医科歯科大学教養部・行動科 学人間関係教育委員会委員長) メンバー: 北村聖教授(東京大学医学教育国際協力研究開発セン ター) 鈴木康之教授(岐阜大学医学教育開発研究センター長) 藤崎和彦教授(岐阜大学医学教育開発研究センター) 尾関俊彦医師(名古屋市協立総合病院総合診療部) 杉本なおみ教授(慶応義塾大学看護学部) 三原祥子講師(東京女子医科大学日本語学研究室) 阿部恵子大学院生(名古屋大学医学部総合診療科・米 国留学中) 相野田紀子助教授(金沢医科大学医学教育センター)

参照

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