■新春のごあいさつ 理事長、学長、病院長 ■ 総合医学研究所 市民公開セミナー「乳がん」 ■学事 平成 17 年度特別推薦入学試験(AO 入試)・推薦 入学試験・編入学試験終わる 特別講演会:医学生・研修生のドロップアウト対 策と支援について 平成 16 年度御遺骨返還式 米 バーモント大学木田先生、Mount 先生本学表敬訪問 フォーラム:新しい時代における教養教育について 平成 17 年度看護専門学校 推薦入学試験など ■学術 第 1 回日本褥瘡学会中部支部地方会学術集会 第 6 回耳鼻咽喉科ナビゲーション研究会 平成16年度実験動物慰霊祭 ■病院 第 10 回金沢医科大学病院地域医療懇談会 緩和ケア研究会講演会:医の原点 ホスピスの心 平成 16 年度保険医療講習会 金沢医科大学病院気管挿管病院実習修了書交付式 看護部から発信:看護部理念の確認と実践を 平成 16 年度災害訓練 研修医の頁:先輩の回想録、研修医への一言 内視鏡センター ■管理・運営 集学的がん治療センター設立準備はじまる 病院機能評価の受審について 平成 16 年度石川県私立学校教育功労者知事表彰 平成 16 年度永年勤続表彰 互助会:第 24 回文化祭 ■後援会 第 6 回金沢医科大学北斗会懇親・懇談会 ■随想・報告 エッセイ「解剖学者がみたミケランジェロの彫刻」 中日友好病院創立 20 周年記念式典出席記 20 年の勤続に思う ■KMUnet からのお知らせ ビデオ・オン・デマンド視聴 □金沢医科大学学術振興基金 募金
January 2005
No.
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黎明の河北潟と剣岳金 医 大 学 報
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皆さん、明けましておめでとうございます。本年は大学にとって非常に重要な年であり、皆さんのご協力を お願いいたします。 昨年は大学としては特別のことはありませんでしたが、福井の豪雨や新潟の地震など北陸地方で自然災害が 続き、さらに年末にはスマトラ沖大地震とそれに伴う東南アジアからインド洋沿岸全域を襲う津波が発生し、 地球が地殻変動期に入ったのではないかと疑うような1 年でした。中越地震の後で、病院新館が地震で倒壊す る夢をみることもありましたが、中越地震では免震構造の病院は全く被害を受けなかったということで、改め て免震構造を採用して良かったと思っております。また、この地域は地震に伴う液状化現象が発生し難い地質 であり、私どもの大学は地震などの災害に対しては安心はできますが、古い建物については耐震補強を進めな ければなりません。 さて、1986 年にイタリアのBra という片田舎で、スローフード運動がはじまり、スローライフ運動へと広が りを見せておりますが、この協会は、「・・・我々ホモ・サピエンスは聡明さを取り戻し、私たちを滅亡の縁へと 追いやるスピードから、自らを解放しなければならない」と宣言しております。20 世紀はロマンも夢もある、 ゆとりのある時代であったと思いますが、21 世紀は社会も、また、人間の生き方にも「ゆとり」が失われ、強 いものが生き残り、弱いものが消え去る、極めて厳しい時代であり、スローライフ運動に見られるように、危 機感を持っている人も少なくありません。私どもは改めて21 世紀は成果主義・評価主義の厳しい時代である ことを、自覚しなければなりません。 このような時代の中で、大学を維持し、発展させるためには、第1 は意識改革を通して、教職員が、大学に 対して帰属意識と誇りを持ち、大学の使命を自覚すること、第2 は時代に即した大学制度を作り上げることで あると思っております。 日本では敗戦後、帰属意識はむしろ戦争に結びつくと誤解され、悪いイメージを持つ人も少なくありません。 事実、イラクなど強力な帰属意識を基盤とした国家に対して、他の国は異常な警戒感を持っており、その現れ がイラク戦争であり、かつての太平洋戦争であったと思います。イラクで日本人が拉致された事件で、自己責 任論が話題になり、国家と国民を結ぶ帰属意識について考えるようになりました。本来、帰属意識とは個人が 他の個人、集団、組織などに一体感を持ち、共に行動しようとする意識(Identification)であり、帰属意識は 組織を作る上で基本的に重要であることは言うまでもありません。私が大学の運営を担当することになった最 初の年頭の挨拶で帰属意識の重要性について申し上げましたが、その考えは今も変わりはありません。詳しく は申し上げませんが、教職員の皆さんには、是非、この点を良く考えていただきたいと思っております。理 事 長
日本では長い間、大学は人材の育成と共に欧米の知識や文化を受け入れる窓口の役割を果たし、そのため社 会は大学に対して大きな期待を持ち、特別な存在と考えるようになりました。大学は社会の期待に応えるとい う使命を自覚し、良い意味でのエリート意識が芽生えたと思います。しかし、時代の流れと共にその役割が変 わったことに気づかず、また、エリート意識を特権意識と誤解するようになり、国立大学法人化に見られるよ うに、大学制度を改革せざるを得なくなりました。大学の社会的な位置づけは変わっても、大学は次の時代を 担う人材を育成する教育機関であり、私どもは大学の使命と誇りを自覚しなければなりません。大学に対する 誇りと使命感は教職員の大学に対する帰属意識を維持するためにも重要であることは言うまでもありません。 私どもが望む、あるいは望まないに関わらず21 世紀は成果主義、評価主義の流れが加速すると思われます。 このような時代に、大学を維持し、発展させるためには、教職員の帰属意識と使命感・誇りを心のよりどころ に、組織構築を行い、あらゆる変化に対応できる大学制度を作り上げなければなりません。幸い国立大学の法 人化の追い風もあり、昨年3 月、大学の制度改革の基本的な構想が決まりました。 この制度改革の基本は次の3 点です。 1)管理・運営から経営への転換 2)すべての教職員が本来の仕事に専念できる体制づくり 3)大学の将来構想 これまでは大学は利益追求であってはならず、経営という考えは大学にはふさわしくはないと考えられてお りました。しかし、皆さんもご存知の国立大学の法人化に見られるように、最終的には国立大学と言えども経 営的な自立が求められております。これが成果主義・評価主義時代と言われる21 世紀の本質であると思って おります。本学でもこれまでの管理を中心とした大学運営から、大学を経営するという方向への転換が必要、 不可欠ですが、制度改革の中で最も重要であり、最も難しい部分であり、教職員の意識改革が成否の鍵を握る と考えております。特に管理職の方に望みたいのは長い間続いた管理・運営的な考えから脱却していただかね ばなりませんが、現在、小グループでの話し合いを中心に、理解を深める努力をしております。 この制度改革の最も重要なポイントは学長と病院長の権限を分離し、それぞれのリーダーシップを確立する ことであり、リーダーシップを確立するためにはマンネリ化した、いわゆる手続き民主主義による選考方法を 変えることがその第一歩であると考えました。幸いにして前学長、現学長並びに教授会の皆さんのご協力によ って、学長および病院長の選考方法が変わり、学長および病院長は責任を持って、教育・研究および診療に関 してリーダーシップを発揮し、最終責任者として仕事に専念することが可能になりました。リーダーシップが 確立されるまでにはなお、時間が必要と思いますが、リーダーシップが完全に機能すると、部局単位の責任が 明確になり、すべての教職員が本当の意味で本来の仕事に専念できることになります(学長、病院長のリコー ル制度も規則化されております)。 次に新しい組織機構について簡単にご説明いたします。 学長室、病院長室を設置いたしましたが、これは学長・病院長のリーダーシップの確立のために必要な組織 ですが、さらに、トップダウンあるいはボトムアップ機構の組織化のためにも必要、不可欠と考えております。 管理運営評価委員会は法人化された国立大学の評議員会に相当するもので、その役割は、組織上は大学経営 会議の諮問委員会として位置づけられております。従って、教育・研究そして診療のみならず、大学経営など あらゆる問題点について審議していただき、審議結果は大学経営会議の資料にさせていただくことになってお ります。その他、国立大学の評議員会に相当する機能としては、学長や病院長の選考委員を推薦する役割があ
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ります。 昨年3 月に制度改革は理事会・評議員会で承認され、皆さんのご協力で改革は順調に進んでおり、皆さんに 心から感謝しております。それぞれの分野で作業が進んでおりますが、実践にあたって、修正すべき点があれ ば修正することにやぶさかではありません。 教職員の皆さんが大学に対して帰属意識を持ち、大学としての使命感、そして誇りを持つために重要なこと の一つは、大学の将来に希望を持つことであり、その意味では大学の将来構想は極めて大きな意味を持つこと になります。創立30 年を経て、大学は安定期に入ったと思いますが、これに甘んずることなく、大学の将来像 を明確にし、その実現のために努力しなければなりません。 将来構想は医学・医療技術の急速な進歩、一方では、大きく変わりつつある医学教育・医療制度に的確に対 応することを目標にしなければなりません。最初に大学の将来構想を考え、それを実行することになった経緯 について簡単にお話をさせていただきます。 少子化による受験生の減少が問題でしたが、本学への志願者はむしろ増加傾向で、最近は2000 名を超えて おります。平成 17 年度には医師の需要増加の傾向もあり、医学部定員の見直しを行うと言われており、ここ 数年は医学部は少子化の影響を受けることなく安定した状態が続くと思っております。 また、付属病院は特定機能病院にはじまり、院外薬局の問題や包括医療制度が導入されましたが、予想され たような収支の悪化はなく、この状態はしばらく続くと期待しております。しかし、制度が厳密に適用される と、大型病院の収支は悪化し、さらに高齢化が進むと、地方の特定機能病院の患者の減少が顕著になると予測 されております。3、4 年後には地方では特色ある病院のみが生き残ることになると思いますが、大学としては この点を考慮し、将来構想を考えております。 この様な種々の事情と、さらに大学の財務状態を勘案し、特色ある大学、特色ある病院作りを中心とした将 来構想を決定いたしました。この将来構想について、「21 世紀集学的医療センター」の開設など、特色あるも のについては山本学長からお話があると思います。その他の将来構想については、学報に掲載し、山下副理事 長から説明していただくことになりますが、将来構想に関する建設的なご意見を賜ればと思っております。 最後になりますが、チャールス・ダーウィンの「強い品種や賢い品種が生き残るのではない。変化に適応で きる品種のみが生き残る」という言葉を改めて思い起こし、新しい大学作りを進めてゆきたいと考えておりま す。皆さんのご協力を心からお願い申し上げ、年頭の挨拶と致します。明けましておめでとうございます。皆様にはそれ ぞれ素晴らしいお正月を迎えられ、新年に際して新 たな目標を掲げ出発を決意されているのではないで しょうか。私自身も昨年9 月に学長に任命されて以来 早や4 カ月が過ぎましたが、新しい年の初めにあたり 初心に帰り気持ちを引き締めて勤めてまいりたいと 考えております。 昨年から国立大学が法人化され大学も運営から経 営の時代へと大きな方向転換が迫られており、一方 では少子化が急速に進むという厳しい環境の中で、 これまでは国家の手厚い庇護のもとにあった大学も 最近では自由競争を強いられる状況になっておりま す。また、これまではどちらかというと聖域化されて いた学校自体の評価が一般化してきており、公立学 校でさえ80 パーセント以上で外部評価の結果を公表 し教育の質の向上に努めている現状にあります。私 どもはこの大きな変革の時期に際して、どう対処し てこの難関を切り抜けていくべきかを一人ひとりが 十分考えて、金沢医科大学のこれからの発展に向か って力強く前進していかねばならないと考えており ます。 幸いなことに、本学のカリキュラムは全国に誇れ る素晴らしいシステムが完成しつつありますが、そ の成果はこれからの教職員の努力に全てかかってお ります。しかしながら、教育の原点は教育を受ける 学生が十分理解し学力の向上が得られることが最も 重要なことであり、そのためには、教員の優れた教 育能力や教育技法、即ち、教育の質の向上が強く求 められております。また、学生の試験(評価)法が 各教室、各教員に任されており、現状ではその内容 はばらばらで比較的軽視されている傾向にあります が、これからはもっと重要な教育要件と捉え、より 公正で、学生の能力をできる限り正確に判定でき、 なお且つ学習意欲を強く刺激するような試験内容に 大学全体が統一した方法を導入する必要があると考 えております。このように教育の質や教員の教育力 の向上を推進し、大学主導のもとで、先進的でより 効果的な教育を提供していくことが急務であると考 えます。すなわち、教員の指導力強化と再教育を強 力に推進しながら全教員の資質を常に評価し、医学 教育の中心的な役割を担っていく部署として、4 月か ら“医学教育センター”を発足させることになりま した。教育の実質的な実行機関である教務部と教務 委員会とともに、一致協力してより効果的な教育体 制ができるものと大いに期待しているところであり ます。また、6 年生の国試対策においても、現状では 一部のプロジェクトチームの先生方に大変な負担を おかけしておりますが、国試の成績は大学の死命を 決する大変重要な外部評価の要素であることを考え ますと、大学全体として対応すべきであり、あらゆ る意味において再検討すべきであると考えておりま す。少なくとも、臨床実習に入る5 年生の始めからは 2 年間の系統だった国試対策が必要であり、6 年生に なってあわてて国試対策の詰め込みの受験対策をし なくても、密度の高い効果的な教育を6 年間受けるこ とにより、全員がスムースに医師になれる教育体制 の確立が今後の大きな課題であります。既に新しい 計画ができつつありますが、今後はこの点に関して も医学教育センターが中心となり、あらゆる方向か
学 長
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ら再検討していく方針であります。 本年1 月1 日からハワイ大学医学部と学生、教員の 交流に関する提携協定がスタートしました。この結 果、米国ではマーサ大学、バーモント大学を含め3 校 との学生の交流が可能となったわけです。米国の最 先端の医学教育の一端に触れることにより世界の医 療の現状を垣間見ること、異文化の世界を体験する ことや外国の友人を持つことにより自分の視野を広 め国際感覚を養うこと、英語能力を試すことにより 将来の海外留学への飛躍に大きな一歩を築くこと、 ひいては金沢医科大学生としての自信と誇りを持つ ことなど、この交流を通じて得られる成果は計りし れないものがあります。本年度の新入生から全員に TOEIC などによる客観的な英語能力判定法を取り入 れることにより、学生の実用英語の向上に興味を喚 起し、講義は勿論のこと課外活動等でできる限り英 語に接する機会を創出し、英語に慣れ、一人でも多 くの学生に海外交流活動にチャレンジしてもらいた いと考えています。医学という学問を選択した限り においては、学生時代から国際的視野を醸成してお くことは現代の医学生にとっては将来とも絶対に必 要な要素であり、卒業時にはカルテは英語で書け、 英語の学会発表ができるくらいの実力を養成できれ ばとの希望をもっております。一人でも多くの卒業 生諸君が、世界に羽ばたける医師となって活躍して くれることを心から期待しております。 一般の大学は就職難などもあり、大学院への入学 が最近ではポピュラーになってきていますが、医学系 の大学院は逆に冬の時代に入りつつあります。その 大きな原因の一つは、卒後の2 年間の臨床研修が義務 化されてその間の入学者が激減したことですが、最 近では専門医志向が大変強くなってきており、研修 修了後の2 年後にどれだけの人たちが大学院に戻って きてくれるかが想定できません。このような状況下 では、これまでどおりの待ちの姿勢では多くの入学 者を期待することはできません。大学院の活性化の ためには他の大学にはない特色ある魅力的な研究プ ログラムを提供することが大変重要になっています ので、各々の研究科での独自のご努力を強くお願い する次第であります。大学当局といたしましても社 会人大学院生や外国人大学院生の積極的な受け入れ に向けて、制度整備に万全を期するつもりでありま すし、またできる限りの範囲で経済的支援を考えて いかねばならないと思っております。 卒後臨床研修医の確保の問題も、大学の存続にと って大変重要な緊急の課題であります。研修医の受 け入れをマッチングという米国の制度をあまり深く 検討もせず突然取り入れたためか、研修医の大都市 集中と大学病院離れ現象が鮮明になり、この結果、 地方における医療過疎問題がむしろ深刻化するとい う皮肉な現象を生んでおります。我々の属する北陸 地方の大学も例外ではなく、新制度の下では優秀な 研修医を十分確保することは容易ではありません。 大学付属の教育病院として、また特定機能病院とし て大変重要な問題であり、大学、病院、各診療科の 総力を結集して問題解決にあたらねばならないと考 えます。既にこの対応の一策として、本学の6 年生や 研修医の希望を取り入れて従来の固定化した研修プ ログラムから、より選択の自由度の高いものに改正 していただきましたが、その他の対策として、より多 くの研修指導医の育成、より魅力的な関連研修施設 の整備、より優れた最先端医療技術や設備の導入な ど、早急に取り組まねばならない課題が山積してお ります。先生方には大変多忙な毎日をお過ごしのこ とと思いますが、大学院生や研修医は“大事な虎の 子”とお考えいただき、今後ともできる限りのご指 導をお願いいたします。 本学の教員は教育、研究、診療、管理と多面的な 評価を受けていますが、学校法人自体が一般社会や 第三者評価機関から厳しい評価を受けている現実を 考えると、教員評価も致し方ないことだろうと考え ております。本学は医育機関としても立派に存在感 を主張していますが、やはり研究実績は大学存立の 最重要課題であることには疑う余地はありません。 これまでは、講座研究費は平等に同額が配分されて きましたが、これでは競争原理が全く作用せず、結 果としてほとんど研究活動もしない、意欲のない教 員が存在することとなり、研究の活性化の妨げになってきたのも紛れもない事実であります。研究の活 性化は至上命題という環境下で結果を出していくに は、大学といえども従来の“平等から公平”への転 換、さらに一定の成果主義“Publish or Perish”を採 用せざるを得ない状況であると考えています。今後 の方針としては、研究費の教室配分は必要最低限に 止め、教員一人ひとりの業績を重視して傾斜配分す る方向で進めて参りたいと思っております。勿論、 研究者に最も求められていることは、自らの業績を 世の中に広く示して、少しでも多くの外部資金を獲 得することであり、この成果に対しては大学は最大 限の高い評価を与えるべきだと考えております。 新年を迎え新しい目標を立てて張り切っておられ る方も多いかと存じますが、開学以来 30 年を過ぎた 現在、組織の老化現象と職員の高齢化により職場全 体になんとも言えない閉塞感や沈滞ムードが漂って いると感じている人は、私だけではないと思います。 幸いなことに、昨年から今年にかけて十余名の新進 気鋭の教授が誕生する予定であり、大学、病院とも に新風を吹き込んでいただき沈滞気味の雰囲気を一 掃して活気に満ちた職場にしてもらいたいと大いに 期待しているところであります。ハード面でも、本年 度はアネックス棟を中心として“21 世紀集学的医療 センター”構想が本格化するものと思っており、そ の手始めとして PET によるガン診断が夏ごろには稼 動できるのではないかと期待しております。この構想 が実現いたしますと、単に患者さんに対する高度医 療の提供ができるというだけではなく、病院はもち ろんのこと研究面でもかなり大きなインパクトがあ るものと思われます。また、他の大学ではなかなか 取り組めない診療科の垣根をなくしたこのような集 学的医療の実践は画期的なことであり、本学の大き なセールスポイントとして育っていくのではないでし ょうか。 これと並行して、長年の悲願であった看護専門学 校の大学への昇格も重要な検討課題に上っておりま す。この企画は現在の趨勢にマッチするものであり、 医学教育に携わっている私どもとしては、大いに期 待しているところであります。また金沢医科大学の 存在感を高め、職員の自負心を高揚させる意味でも、 できる限り早急に看護大学が実現できることを心か ら期待しているところであります。 歴史的にも大学や病院は政府の庇護下にあり、そ つのない運営をしていれば安泰だったのは事実であ り、これまでは冒険をせず事なかれ主義が最善の生 き残り術だったのかもしれません。しかしながら、日 本を代表するような銀行やスーパーマーケットが情 け容赦もなく次々と整理統合されていく時代となり、 今や大学経営も例外ではなく苦難の荒波が押し寄せ ており、この激しい変化に対応できない大学組織は 滅びる以外に道はないと思われます。このような、大 学を取り巻く環境が大きく変わってきた時代に、他 大学を押しのけて本学が力強く前進していくために は、大学や病院のハード面での整備も大変重要であ りますが、我々金沢医科大学の全職員が、これまで しがみついてきた古い慣習やがんじがらみの管理体 制で硬直した組織運営手法を、全面的に改革する必 要があるのではないでしょうか。このような旧態依然 とした組織を抱えている大学は、もはや衰退してい くより仕方がないといえます。現在のように大学に 求められる条件が激しく変動していく時代の組織は、 その要 請 に柔 軟 に対 応 できるように常 に大 胆 な “Power Shift”が必要であり、リーダーに求められる ものは創意と企画力であり、挑戦であり、実行であ ります。これまでのような過去のしがらみでがんじが らみになったヒエラルキー社会から一刻も早く脱出 し、明確なビジョンを示し、論議し、部下の意見を 取り入れ、早急に決断を下してスピーディに実行に 移していくことが何よりも大切であります。金沢医 科大学の将来を考える時、今こそ全員が意識改革と 思い切った発想の転換の上に立ち、一人ひとりが明 確な目標を定め、スピード出して突き進む時期では ないでしょうか。 皆様の今年のご健康とご活躍を心からお祈り申し 上げ、年頭のご挨拶といたします。
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新年おめでとうございます。年末から寒くなりまし て、雪も降りましたが、穏やかな新年を迎えられたこと と思います。年頭の挨拶ということでありますが、勤務 時間前の限られた時間のなかで「昨年を振り返って」と 「今年、病院全体で取り組む重要課題」について皆さん に提示し、ご理解とご協力をお願いしたいと思います。 1)新館オープン後1年 本館、別館との連携上いろいろ問題があることが指摘 されておりますが、皆様のご努力によりまして、運用面 の対応で解決しつつ、新館の新しい施設設備やシステム を中心にした診療体制を定着させることができました。 病床数の削減に伴う入院患者数の減少を病床利用率の向 上によって防ぐとともに、DPC による入院単価のアップ という好条件によりまして、入院診療収入の落ち込みを 回避することができました。 2)新館稼動1年目にあたる診療実績 昨年4 月の診療報酬改定は、診療報酬本体はゼロ、薬 価と材料費合わせて−1 %という小幅なダウンにとどま りました。また、本学病院のDPC 医療機関係数は0.0217 ポイント、アップしました。昨年 4 月から11 月までの8 カ月間累計データでは、患者数は入院が微減、外来は微 増でした。一方、診療単価は入外とも上昇しています。 この結果、収入は入院・外来とも前年を1 億円以上、計 2 億 1 千万円上回っておりまして、これまでのところ収 益は好調です。比較対象となる前年度 11 月は病棟移転 の影響で収入が大きく減少した月であったこと、同じく 前年度は2 月と3 月の実績が極めて好調だったことを勘 案すると、必ずしも楽観はできませんが、年度ベースで 昨年実績を上回るという所期の目標を達成することが可 能だと思います。 3)新臨床研修医制度 昨年4 月からは、新臨床研修医制度が導入されました。 本学は単独型でスタートしましたが、臨床研修センター を立ち上げ、指導医の養成、研修プログラムに基づいた 指導体制、研修管理体制を整えるなど充実した研修環境 の整備が進められ、38 名の研修医を受け入れて研修を開 始いたしました。ほぼ順調なローテーションが行われて おります。 4)医療機器等の整備 医療機器等の整備の面では、法人サイドの理解を得 て、診療各部科の要望が強いファンダメンタルな機器の 更新を中心に一定の整備を行いましたし、理事長から病 院長裁量の別枠予算をいただいて、新技術の導入、収益 性の向上などの政策的な観点からの整備も行いました。 5)病院情報システム 4 カ年計画の2 年目にあたる病院情報システムのグレ ードアップもほぼ順調に進行しておりまして、電子レセ プト対応の新医事会計システムは昨年 11 月から運用開 始されておりますし、DPC 分析を含む経営管理システム はまもなく利用可能になります。また、オーダリング、 電子カルテ、看護管理の統合システムは、年度末の切り 替えに向けて、1 月中旬から操作訓練を行うことになっ ています。 6)中央臨床検査システム システムの老朽化が著しいこと、大きな合理化が期待 できることから、急遽更新することが認められておりま す。しかし、数年後の外部委託の可能性は考慮のなかに 置かれていることを申し添えておきます。 7)診療各科とヒアリング 昨年夏に、各診療科長および医局長の先生方とヒアリ ングを行いました。診療科からは要望や将来展望をお聞 きし、私どもからは、診療科の診療実績、カルテ管理、 院外処方や医師派遣の状況を提示し、病院方針への理解病 院 長
と協力を要請いたしました。提示された要望等のいくつ かは既に実施しましたし、また診療科からも当方の要請 を真摯に受け止め、応えてくださったところも少なくな く、非常に有意義だったと思います。 ご存知のように医療環境は大変厳しくなっておりまし て、地域のニーズにあった特色ある医療サービスを安全 かつ効率的に提供する機能が求められています。本学病 院は高度医療を提供する特定機能病院であり、高機能病 院としての特性を生かして地域の中核的医療機関として 地域医療の向上に貢献することをミッションとしており ます。これが私どもの存立の根拠でありまして、まず、 これを欠いては存在意義がなくなるわけであります。ま た、当院は医療を提供する姿勢として、患者さんの人格 と権利を最優先することを自らに課しておりますが、私 たちは年頭にあたり、「いつでもだれでも安心してかか れる病院」でありたいとする、原点を見つめなおす必要 があると思います。そして、常にこの原点に立ち返りな がら、私どもを信頼して訪れてくださる患者さんや、紹 介してくださる地域の医療、福祉施設の皆さんの期待に 沿う医療を展開していくならば、結果はついてくるもの と信じます。 昨年の年頭挨拶でも強調しましたが、私たちの課題は 「地方の特定機能病院として地域から支持され選ばれる 病院づくり」という一言で言い尽くされています。これ から申し上げる新年に取り組むべき具体的な事項もすべ てここに結びつくものであります。 1)第Ⅱ期整備計画 今年は、本館の解体改修、別館の改修等により、本 館、別館に残された外来、病棟および中央診療施設等の 抜本的な再編整備を内容とする第Ⅱ期整備計画を具体化 して実施に移すべき重要な年になります。本日 1 月 4 日 付けの北國新聞では、がん、生活習慣病、健康管理(人 間ドック)、リハビリテーション、小児遺伝子疾患ケア の各センターを置く集学医療センターを設置する旨の報 道がなされました。これによって、地方の特定機能病院 として、また地域医療の中核病院としての本学病院の機 能を一層充実させ、将来に向けての発展の基盤を更に強 固なものにすることができると期待されるところです。 2)高度医療の提供・新技術の開発と評価 特定機能病院にふさわしい医療提供の機能を更に高め ることが求められます。DPC 包括評価制は2 年目に入り、 一般医療機関も試行適用に参入してきています。現在は 移行期であり、基本的には前年の実績補償という枠組み の中で運用されています。今年も大きな変化はないもの と思いますが、平成18 年度に予定されている医療保険制 度の改革の中で医療機関の機能、提供する医療の「質」 と「コスト」を厳しく評価する方式へシフトするものと 思います。医療機関の機能を客観的に比較評価するクリ ニカル・インジケータの開発が進められていますし、手 術件数や生存率、再入院率等のいわゆるアウトカムによ る医療の質評価の手法も議論されています。こうした制 度改変に対応するためには、二つのことが必要です。ひ とつは、言うまでもなく特色ある高度医療の提供機能を 高めることでして、具体的には、本学独自の高度先進医 療の新開発や地域ニーズにマッチした高度医療の実施に よって、他病院との差別化を図ることです。各診療科 は、新しい人材の獲得・養成も含めて、創意工夫と新技 術を生み出す一層の努力が必要ですし、これらを発掘・ 育成する経営的な支援を行いたいと思います。少なくと も毎年 2、3 件の高度先進医療クラスの新規技術をコン スタントに開発・導入したいと考えています。また、高 度医療の提供機能は、昨今論議のあった「混合診療」と の関係でも今後一層重要になってくるものと思います。 いずれも患者のニーズにあった高度医療、付加価値の高 いサービスの提供が求められる訳でして、今後は、ファ ンダメンタルな医療提供に加えて、どれだけ自分たちが オンリーワンまたはブランドとなるものを生み出せるか がカギになると思います。もう一つは、経営的な面での 対応です。新しい評価システムに対応するためには、 DPC 分析を基礎としながら、更に各種のクリニカル・イ ンジケータを収集、管理する経営手法を構築することも 求められます。 3)地域医療連携の拡大 紹介患者の受け入れは、新規患者と入院患者の確保の 面で極めて重要です。昨年4 月から11 月までのデータで は、文書による紹介は、5,364 件で前年比9.3 %増加しま したし、診療報酬上の紹介率は36.8 %で0.3 ポイント向 上しています。初診も増えておりますので紹介率の上昇 の度合いは少ないのですけれども、紹介患者数が着実に 増えていることは評価できると思います。同じ期間の逆 紹介の状況は、4,562 件で前年比2.5 %の増加でして、紹 介数の伸びを下回っています。ある調査によると本学病 院が患者さんを安心して紹介できる病院との評価も得て います。これも、私たちが紹介受け入れに前向きに取り 組み、返書の徹底や逆紹介の推進、その他紹介患者さん の受診の便宜を図る努力をしてきた結果だと思います。 今後の課題は、逆紹介を一層積極的に行うこと、迅速か つ的確な内容の返書を徹底することと共に、紹介患者さ んが当院に紹介されて良かったと思う医療を提供し、紹 介元への患者さんの転帰に関する情報提供にも配慮し
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て、紹介元の先生方との信頼関係を緊密にすることで す。稀なケースですが、紹介患者さんが当院の医師の対 応に不満を抱き、紹介元の先生から苦情がくることがあ りますが、こうした不注意は、二重の意味で大切な顧客 を失うことになります。また、最近の傾向として、一般 の病院・医院からの紹介に比して、関連病院からの紹介 が少なくなっていますが、派遣先との連携内容を精査し てみたいと思います。地域連携を一層発展させる施策と して、すでに一部で行われている各診療科対地域の開業 医の先生方との専門的疾患別の診療検討会、開業医の先 生方から要望があったオープン・カンファレンス、紹介 患者さんの医療情報を共有できるネットワーク・システ ムなどを推進しながら、地道な連携を積み重ねていくこ とが必要と考えております。 4)医療の安全確保 医療の安全確保は、焦眉の重要問題です。昨年暮れ に、他の大学病院などでも問題が大きく報道されまし た。昨年の医療監視でも医療事故防止対策に関する調査 が大きなウエイトを占めていたように、医療の安全確保 の視点から大学病院の安全対策を見る目が一層厳しくな っています。大学病院の特性として、難度の高い治療を 要する患者さんや複雑な合併症を伴う患者さんが多いの ですが、患者さんは大学病院としての高い医療レベルを 期待し信頼もしてアクセスされるわけですから、その期 待に応えなければならない訳です。医療事故防止のため に安全管理に関する規定やマニュアルを定め、安全対策 委員会とリスクマネージャの制度や事故調査委員会など の組織的、人的な責任体制を整備して、医療従事者に対 する研修啓発を行うなど安全管理を進めていますが、残 念ながら事故絶滅には至っていません。重大な事故は、 何よりも患者さんに精神的、身体的な苦痛をもたらすだ けでなく、時には命に関わる被害を及ぼすことになりま す。それだけでなく、当の医療従事者自身も深刻な苦悩 を抱え、場合によっては刑事責任を問われることになり ます。また、病院にとっても管理責任を追求され経営的 に大きな打撃を受けざるを得ません。これまで、医療安 全対策部と同委員会を中心に、安全教育・研修により医 療現場と医療従事者に対する啓発を行いながら、日常的 にアクシデント・インシデントの報告収集と分析を行 い、ケース・スタディを通じて同種事例の再発防止活動 を進めてきました。しかしながら、同じようなアクシデ ント・インシデントが毎月報告される状況について、い つか重大な事故に繋がる事態として私どもは深刻に受け 止めなければなりません。私は、これまで取り組んでき た事故防止活動が、委員会レベル、リスクマネージャレ ベルの狭い範囲で留まっていて、全職場において職場単 位の防止活動にまで十分に広がっていないところがある のではないかと思います。したがって、アクシデント・ インシデント事例の収集・分析結果に基づく改善方策 が、職場レベルでどのように生かされているか改善状況 の検証と他の職場へ普及がどのように行われているかを 検証するフォローアップに力を入れたいと思います。ま た、安全対策教育・研修は講演形式の大人数教育になら ざるを得ない状況ですが、より系統的なカリキュラムに よる受講制度を開発してほしいと思います。また、不幸 にも医療事故が発生した場合の院内報告の在り方に関し ても、特に重大な事態の場合は、事故性が疑われる場合 も含めて、現場での初期対応後直ちに迅速な報告を行う ことが肝要です。 5)医療の高度化と効率化への実際 先に昨年の医療収入は好調と述べましたが、正確に は、収入は伸びているが、それ以上に薬品・医療材料等 の直接経費支出が増えていると申し上げなければなりま せん。つまり、収支効率が若干低下しつつありまして、 これを打開するためには、医療の高度化と効率化を進め る必要があります。その方策として、今年は以下の課題 に取り組みたいと思います。 第一に、入院診療、病床利用の効率化でして、クリテ ィカル・パスの量的、質的な拡充の速度を上げる必要が あります。今年はDPC 分析ツールを実用化できますし、 クリティカル・パスの本格普及と併せて入院医療の標準 化・適正化、即ち合理的な入院治療計画と退院指導計画 を実施していただきたいと思います。クリティカル・パ スに関してはパス委員会でパス大会を実施するなど普及 活動を進めていますが、各科の主要な疾患についてパス を開発することを求めます。その際、現行の入院診療を そのまま工程化するのではなく、適正化するための評価 を行う必要があります。また、看護計画ではなく医師が 主導する「治療計画」でなければなりません。適正なパ スの導入は医療の標準化とチーム医療の実践であり、医 療ミス防止と医療の質向上に寄与しますし、診療やケア に投入する時間や薬品・医療材料など医療資源の適正化 という面からは、医療費の節減、患者負担の軽減や収益 性の向上をもたらします。入院診療の効率化は、術前検 査や化学療法の外来実施というサービスを通じて、在院 日数の短縮と患者負担の軽減に繋がりますし、計画的な 入退院によって病床回転率の向上も期待できます。第二 は、個室料金の見直しにより個室を利用しやすくして、 個室利用率を上げる必要があります。第三に、新舘のメ リットを生かした病床機能の高度化です。具体的にはハ ートセンターまたは ICU と病棟に展開する HCU との連 携によって、新たな施設基準を獲得できる可能性があります。このためには看護要員の重点配置と専任医師の配 置が必要ですが、看護要員の充足状況を見ながら検討を 進めたいと考えています。その他、臨床検査システムの 更新による検査の迅速化、効率化、コストパフォーマン スの向上が期待されますし、院外処方に関しては70 %の 適正ラインを実現します。 6)臨床研修の充実 昨年4 月に発足した新臨床研修制度の導入は比較的順 調に行うことができましたが、2 年目にあたる17 年度の マッチング結果については、全国的な大学病院離れの傾 向が加速し、特に地方の大学は低調でした。本学でも32 名という結果に終わりました。研修医の多寡は、将来的 に本学の人材確保に直結する問題であり、また大学院生 の確保にも大きな影響を及ぼす重要な問題です。研修医 の意見を取り入れて、提供するプログラムの弾力化など の改善を行う一方、募集方法のあり方に関しても反省す べき点があったとして対策を講じていきます。さらに、 初期研修修了後の後期研修=高度専門研修の研修体制 がまだ確立されていないところから、早急に高度専門研 修のプログラムや指導体制を組み立てて、一貫した研修 を行うティーチング・ホスピタルとしての魅力を打ち出 す必要があると考えています。 7)マンパワー不足の解消 昨年のこの場で医師の派遣問題についてお話ししまし た。昨年は診療科とのヒアリングの中でもこの問題に対 する病院の方針を説明し、派遣時間については、原則1 週間に1.0 日の範囲となるように改善すること、派遣先 については患者紹介関係や医師の修練などを考慮して、 漸次整理することなどを要請いたしました。許容範囲を 超える無原則な派遣は、医師のマンパワー不足を惹起 し、診療報酬上の施設基準に係る専任医師の要件に抵触 するだけでなく、時間外検査オーダーの発生によるコメ ディカル部門への負荷、インフォームド・コンセントや 診療録記載の不備、医療チームのコミュニケーションの 阻害、ひいては医療トラブルや事故予防に対する気配り と対応への影響などが危惧されるところであり、新年度 の派遣を検討する時期にあたり、改善されるよう改めて 要請する次第です。看護師の充足も大きな課題です。新 舘稼動に伴い、約40 名の増員を行いましたが、現在のと ころこの増員分の充足ができない状況でして、引き続き 募集活動を行っていますが、病床再編による看護単位の 統廃合や看護配置の重点化が避けられないと考えます。 更に、今後の確保対策として、募集方法の改善、募集活 動の強化を図ると共に、看護師の勤務体制の改革を含め た処遇の改善を実施すべく検討しています。 8)個人情報保護法施行への対応 今年の 4 月に個人情報保護法が施行されるのに伴い、 厚労省が近々に医療・介護事業者向けのガイドラインを 策定します。医療分野は特に個人情報の厳正な取り扱い が必要でして、患者情報の利用や第三者提供については、 あらかじめ本人の同意を得ることが前提になっています し、情報の安全管理や情報開示についても厳しい義務が 課せられることになります。今後、法律やガイドライン に沿って組織的、人的、物理的、技術的な面で安全管理 体制を整備することが求められます。後述する病院機能 評価においても厳しく評価される事項ですが、特に診療 録を始めとして診療諸記録に関しては、これまで以上に、 適正な記載、適正な利用、安全管理措置が求められます し、個人情報は原則開示とされ、本人から開示と訂正を 求められることも想定しなければなりません。正式なガ イドラインが公布されましたら、お知らせしますので、 医療に従事するものにとって必要不可欠の常識として捉 え、関心を持って修得していただきたいと思います。 9)病院機能評価の受審準備 病院機能評価に関しては、ご存知のように近年は評価 制度が普及し、認定病院も急速に増えており、大学病院 でも認定取得が進んでいます。当院は病院増改築の途上 であるという施設的な制約がありますが、平成17 年度中 に審査を受ける方向で準備を開始いたしました。 既に、竹越副理事長を総括責任者とし、小職を委員長 とする受審準備プロジェクトを編成して、講習会の開催 や予備調査に入っています。今月中に予備調査の結果を 踏まえて予算を含む受審計画を策定して法人の承認を得 て本格的に受審に向けて活動することになります。 機能評価を受審することは、評価を受ける準備、評価 受審、認定と至る過程を通じて、病院の現状を体系的に 自己評価し、職員全体が問題点について共通の認識を持 ち、目標を設定して改善活動に取り組むことを意味して おります。改善への努力を含む現状について、評価機構 という第三者機関が体系的な審査を行い、長所と改善を 要する問題点を客観的に評価し、その結果として認定さ れれば社会的な信頼を高めることができるわけです。 機能評価の受審は、当事者の病院にとっては、きちっと 自己評価し、職員全体が意欲をもって改善活動を行うと いう一大事業に他なりません。 以上、年頭にあたり、新年に取り組むべき主な課題と 私の所信を述べさせていただきました。多くの課題があ りますが、目標は当院が「特定機能病院として地域から 支持され選ばれる病院」になることにあります。 新しい一年も、病院運営に対する職員の皆さんの一層 のご協力をお願いいたします。
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総合医学研究所恒例の市民公開セミナーが、平成16年10月23日(土)午後、 金沢市文化ホールにて開催された。本セミナーは一般公開講座として一般市民 を対象に、病気に対する正しい知識と医療に対する理解を深めてもらう目的で 行われているものであり、石川県民大学校教養講座の一つにもなっている。 本年度のセミナーでは女性が最も関心を持っている病気、乳がんを取り上げ た。乳がんは生活の欧米化に伴い増加中であり、罹患率は女性のがんでは第 1 位となっている。さらに乳がんの検診、画像診断、手術および薬物療法の進歩 がめざましいことから、セミナーのテーマは「乳がんの最新の診断と治療」を 掲げた。 講演の1 では、本学の喜多一郎教授が「乳房自己検診のすすめ」のタイトル で、自分で毎月1 回検診を行うことの重要性、その効果、実際の方法について 分かりやすく説明を行った。 講演の2 では、本学の瀧鈴桂講師がMammography による早期の発見、さらに 手術術式の選択に必要ながんの広がりを調べるCT 検査、MRI 検査などの画像 診断の重要性を講演された。 特別講演の高嶋成光先生には、疫学から乳がん診療全般について最新の知見 を含めてご講演いただいた。豊富な臨床経験に基づいた、乳がんで命を失わな いために一般女性に必要な知識や実践方法の啓蒙は一般市民にも分かりやすく 素晴らしい講演であった。さらに、先生の研究であるEvidence Based Medicine による乳がん治療の標準化を目指す「乳がん診療ガイドライン」についても触 れていただいた。 特別講演に引き続いて、乳房自己検診モデルを用いた実習−「乳房自己検診 法を学ぼう」−が行われ、約30 名の女性が前掛けタイプのモデルを実際に装着 して、本学消化器外科治療学スタッフによる指導を受けた。 今回の参加者は例年になく多数の150 名を超え、それぞれの講演では聴衆よ り活発な質問があり、有意義なセミナーであった。 特別講演をしていただいた高嶋先生はじめ講演の瀧先生、また、座長の先生 方に深謝いたします。最後にセミナーの運営にご尽力いただいた総合医学研究 所のスタッフに感謝いたします。 (総合医学研究所 喜多一郎記)−乳房自己検診法
(実習を含む)
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日時:平成16年10月23日(土)13:00∼16:15
場所:金沢市文化ホール
高嶋成光院長(独立行政法人国立病 院機構四国がんセンター) 喜多一郎教授(本学総合医学研究所) 特別講演: 乳がん診療の最前線 講演1: 乳房自己検診のすすめ 瀧 鈴桂講師(本学放射線診断治療学) 講演2: 乳がんの早期発見と最適な 治療のための画像診断学 事
◇ 特別推薦入学試験(AO入試)
本学の特別推薦入学試験(AO 入試)は、医師となる 者の倫理性、人間性が一層強く求められる時代にあっ て、従来の学力を中心とした入学試験では評価が困難で あった学習意欲、使命感などに評価の重点をおいて選考 することを主旨として設けられた入試である。建学の精 神に沿った人間性豊かな活力のある人材を求めるため に、平成13 年度入試から実施されている。 今年度は募集人員約10 名に対して全国から155 名の出 願があった。 第1 次選考は書類選考であり、内申書とともに、本人、 教師、家族のそれぞれによって書かれた推薦書について 選考が行われ、9 月28 日(火)に第1 次選考合格者29 名 が発表された。 第 2 次選考は、10 月 24 日(日)に本学において 29 名 の「個人面接」・「グループ面接」・「基礎学力テスト A」が行われた。またこの29 名については、試験委員が 全国に出向いて推薦書を書いてくださった教師とも面接 して選考の参考とした。 第2 次選考合格者は10 名で、10 月29 日(金)午後1 時 に本部棟正面玄関ならびに本学HP 上に公示された。◇ 推薦入学試験
平成 17 年度推薦入学試験は、11 月 14 日(日)、本学 で行われた。 本学の推薦入学試験制度は、目的意識を持ち個性豊か で優秀な人材を見い出し、ゆとりを持って学習を進めて もらうことを目的として、昭和61 年度入試から実施され ている。 今年度は、募集人員約 20 名に対して全国から72 名の 出願があり、欠席者1 名を除く71 名が「基礎学力テスト B」・「小論文」・「面接」の各試験に取り組んだ。 合格者は 20 名で、11 月 26 日(金)午後 1 時に本部棟 正面玄関ならびに本学HP 上に公示された。◇ 編入学試験
平成17 年度編入学試験は、11 月21 日(日)、本学で行 われた。 本学の編入学試験制度は、医学以外の分野を修学した 者に医学を学ぶ道を開き、すでに履修している教養科目 の重複履修を省いて効率的に医学の専門教育を実施し、 医学の研究および医療の実践に貢献する有為な人材を育 成することを目的として、平成3 年度入試から実施され ている。 今年度は、募集人員約5 名に対して87 名が出願し、欠 席者8 名を除く79 名が「英語」・「小論文」・「面接」の 各試験に取り組んだ。 合格者は7 名で、11 月26 日(金)午後1 時に本部棟正 面玄関ならびに本学HP 上に公示された。 (入学センター 村井幸美記)平成17年度
特別推薦入学試験(AO入試)・推薦入学試験・編入学試験終わる
1. 募集人員: 約65 名 2. 出願期間: 平成16 年12 月13 日(月)から 平成17 年 1 月12 日(水)まで 3. 試験期日: 第1 次試験 平成 17 年 1 月19 日(水) 第2 次試験 平成 17 年 1 月26 日(水)、27 日(木) のうち希望する日 4. 試験科目: 第1 次試験 外国語(英語Ⅰ・Ⅱ)、数学、小論文、 選択科目(物理・化学・生物から 2 科 目選択) 第2 次試験:面接 5. 試験会場: 第1 次試験:本学、東京、大阪、名古屋、仙台、 福岡 第2 次試験:本学 6. 合格者発表日 第1 次試験:平成 17 年 1 月22 日(土)午前11 時 第2 次試験:平成 17 年 2 月 1 日(火)午後1 時一般入学試験の日程は以下のとおり
一般入試は第1次試験で学力試験が行われ、その合格者に第2次試験として面接試験を課して最終判定が行われる。【学事】
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多様で柔軟な支援のための受け皿を
学生や研修医のドロップアウト体験は希なものではな く、むしろ日常的に起こりうることです。挫折への瀬戸 際に立たされた時に、学生や研修医を支えてくれる人が いることが何より重要です。危機を乗り越えるときは、 支えてくれる人が必要なのです。保健管理センターや学 生相談室などの専門家のみならず、全ての大学教員・職 員がカウンセリングマインドを持ち、友人、サークル、 クラブ部活、仲間どうしのカウンセリング(ピアサポー ト)など、多様で柔軟な支援のための受け皿があること こそが健全な大学の姿なのです。やってみよう、学生支援
学生や研修医が思い浮かべる好ましい相談相手は、ま ずは相談に応じてくれそうな人です。相談された、その 時が肝心です。相談者の思いに対し、支援の姿勢を示 し、「君は一人ではない。一緒に考えよう」という教員 のコメントや態度が何よりも重要です(同行二人モー ド)。胸一杯に詰まった話を傾聴してあげましょう。相 談者の苦しみへの支持・ねぎらいを、言葉で伝えること が重要です。また、例え客観的には誤っていても相談者 の主観的現実を尊重し、あまり早くにご自分の意見や結 論を相談者に伝えないことが重要です。「話を聞いてく れる人がいる」だけで心の整理がつく場合が多いのです (対話モード)。次に相談者の話から、とりあえずどうし たらよいかという点に焦点を絞って、合意を目指します (問題解決モード)。援助リソースとの連携を積極的に行 うとともに、次回面接の予約や、e-mail などの連絡先を 確かめるなど、状況が落ち着くまで相談者との関係を切 らないことが重要です。適度な「いい加減さ」を身につけて
−自信がなくまじめな現代学生− 最近の学生の生き辛さの背景には、過剰なまじめさ (強迫性)とともに、自尊感情の低さがあります。また 若者の種々の問題行動は、ドロップアウトからの解決へ の自助努力の結果であることが多いのです。「あなたは だめ」というメッセージ を与えないことが肝心で、 自尊感情を高めつつ、ま た「全か無か」ではなく 柔軟な対応に向け適度な 「いい加減さ」を身につけ ることを援助することが 大切です。学生支援と医療面
接の本質は同じ
挫折しそうになってい る学生に対する支援は、病める人の心を開く医療面接と 本質は同じです。医学生の自殺率は他学部学生より高い というデータがあります。医学生にはより大きなプレッ シャーがかかっているのかもしれません。そうであるな らば、病める人を癒すことが仕事の医師を目指す医学生 や研修医が、仲間どうしの支援を強化し、カウンセリン グや学年間での支援が自然にできるように、心を開く医 療面接技法を習得することが医学教育の中で重要な意味 を持つといえます。ドロップアウトこそはアイデンティティ確立
のチャンス
本人にとっては理不尽な、思いもかけない理由による特別講演会
テーマ:
講師:斎藤清二教授
(富山大学健康管理センター長)
平成16 年11 月19 日(金)、午後5 時30 分から学生支援センター・学生生活支援室主催による特別講演会が本学教 職員を対象として行われた。講師には富山大学健康管理センター長・教授の斎藤清二先生をお招きして、「医学生・ 研修医のドロップアウト対策と支援について」のテーマでお話しいただいた。 (学生生活支援室長 森本茂人記) 講師の斎藤清二先生 土田英昭学生部長(左)と森本茂人学生生活支援室長青天の霹靂ドロップアウト、学業に対する意欲が低下し 低空飛行を続ける切迫ドロップアウト、普段はまじめに 頑張っているが周期的に意欲の低下を来すプチドロップ アウトなど、種々のドロップアウトがありますが、これ らから立ち直る時には、人それぞれ異なる「受け皿」が あり、さらに挫折体験による視野の拡大、新しいアイデ ンティティの確立が認められ、ドロップアウト体験こそ が個の確立に必要な一過程とさえ考えられます。一方、 「受け皿」がなく支援の網の目から漏れる真性ドロップ アウトへの移行防止には、孤立を防ぎ、仲間どうしのピ アサポートなども含めた多様な支援が何よりも重要です。 (森本茂人記)
平成16年度
平成16 年11 月20 日(土)午後1 時15 分から、本部棟 2 階会議室において平成16 年度の御遺骨返還式が行われ た。返還式には、今年度の解剖学実習に使わせていただ いたご遺体のご遺族、分子細胞 形態科学部門の教職員など 50 名余が参列した。 式では最初に、医学部第2 学 年生を代表して鉢嶺将明君が 「解剖実習により人体の構造に ついて理解を深めることがで き、また、人体の構造の素晴ら しさ、生命に対する神秘さなど に触れるという体験もできまし た。この経験を無駄にすること なく、また、ご遺族皆様方への 感謝の気持ちを忘れず、これか らも切磋琢磨し良医への道を志 していきます」と、献体をいただいた方々とご遺族の皆 様にお礼の言葉を述べた。次いで参列者全員が、故人を 偲び、また崇高な意思に感謝しつつ献花を行った。その 後、平井圭一教授から、ご遺族の代表一人ひとりに、ご 遺骨が丁重に手渡された。最後に、篠原治道教授から、 ご遺体を長期にわたり預からせていただいたことについ て改めて謝辞が述べられ、厳粛な雰囲気のなか式は終了 した。 (教学課 松本順治記) ご遺族一人ひとりにご遺骨を手渡す平井圭一教授 お礼の言葉を述べる 2 学年 学生代表の鉢嶺将明君 御遺骨返還式に先立ち、本部棟2 階会議室において文 部科学大臣感謝状の伝達が行われた。この感謝状は、 「献体に対する社会の理解を深め、もって、医学教育お よび歯学教育の充実向上に資するものとする」ことを目 的に、生前から本学の天寿会などの献体篤志団体に属 し、没後に献体をされた方々に対し、文部科学大臣から 贈呈されるものである。大原義朗教務部長からご遺族の 方々に感謝状が手渡された。 (教学課 松本順治記) なお、今年度の対象者は次の14 名の方々である。 故 大澤ミナ子殿 故 畑中 勲殿 故 近藤兵一殿 故 新田ひさ殿 故 上田みどり殿 故 佐々木松枝殿 故 高 貞治殿 故 田中宗平殿 故 向江親純殿 故 山本健三殿 故 江口繁夫殿 故 中村一郎殿 故 村上金與殿 故 鈴木 弘殿 ご遺族の方々に感謝状を手渡す大原教務部長【学事】
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2004 年 10 月 18 日(月)、19 日(火)の 2 日間、米 国バーモント大学よりSharon Lee Mount先生(病理学 教授)、木田正俊先生(病理学助教授)、Laura M. Schned さん(病理学の研修学生)、Zena Mount さん (Mount先生の娘さん)の4人が本学を訪問された。 バーモント大学とは4年前に当大学総合医学研究所 の石川義麿教授と木田正俊先生との友好関係から、 夏休みの期間に学生の病理学実習と臨床研修を目的 として2週間の海外研修が始まった。木田先生は1978 年まで本学に在学された経緯から、今度は本学に対 して何か役立つことができないかという先生の母校愛 からこれまで18 人の学生を受け入れ、手厚くご指導 をいただいてきた。 今回の訪問の目的は、これまで木田先生のプライ ベートなご好意で交流を続けてきたが、両大学の正 式な学生交流プログラムとして樹立できないかどうか、 また双方の教員も互いに交流し、講義を行うことが可能 かどうかを検討することである。 訪問スケジュールの1 日目は、理事長、学長の表敬訪 問に始まり、病院新館の見学ならびに医学教育・情報学 の堤 幹宏助教授の協力を得て当院の電子カルテシステ ムを体験してもらった。特に大学として重要な学生教育 にこのシステムが生かされ、新しいコンセプトが築かれ ていることに感動されていた。その後、新館12 階のレス トランでは、日本海を望みながら昼食を楽しんだ。午後 は病院病理部、病理学、生殖周産期医学の研究室を訪 れ、ハイテクを生かした病理診断システムに大変興味を 示し、終始質問攻めであった。 続いて、木田先生、Mount 先生と私ども国際交流委員 会との会合では、今後の交流、両大学の対応などについ て協議がなされた。バーモント大学には全学的な国際交 流センターがあるが、医学部内には病理学を中心に交流 を行ってきただけで今後はセンターの協力を得て、医学 部として受け入れ体制を確立していく意向が示された。 今後、実績を重ねながらさらに交流を発展させていくこ とで合意が得られた。一方、教員については毎年交互に 交流し、学生の講義を受け持つだけでなく、両国の医学 教育システムを理解することも含めて今後検討すること になった。 その後、Mount 先生の特別講義が新館 12 階の会議室 で、病理学の大学院特別講義の枠で行われた。勝田省吾 教授の司会で、「Interesting Gynecologic Oncology Cases from the University of Vermont Pathology Department」の タイトルで、婦人科病理を中心に珍しい症例の提示がお こなわれた。産婦人科、病理の医師を中心に、大学院 生、学生も参加し会場は立ち席が出るほどの大盛況であ った。これに引き続きバーモント大学の紹介が行われ た 。 今 、 病 理 で 実 習 を 行 っ て い る Student Fellow の Schned さんから、医学部キャンパスや医学教育システ
米 バーモント大学
理事長室にて 左から木田正俊先生、Sharon Lee Mount 先生、 小田島粛夫理事長
ム、バーモントの町の紹介があり、木田先生は今まで受 け入れた学生の印象などについて講演された。続いて今 年参加した6 人の学生から、彼らが体験した楽しい思い 出や失敗談などをパワーポイントを駆使してアトラクテ ィブに紹介され、会場に来ていた後輩たちは大変興味を もって聞き入っていた。隣接するスカイレストランでは、 学生も含めてアットホームな歓迎パーティーが開かれ た。興味を持った学生たちは2 次会の席を居酒屋に移し、 深夜まで皆さんと盛り上がったようである。 翌日は、教育研究事業推進室の古本課長代理のガイド で、金沢市内観光を楽しみ、伝統的文化に触れて古都金 沢を堪能された。特にMount 先生は日本訪問がはじめて とのこともあって、目にするものすべてに興味を持たれ たようである。その夜は、学長主催の正式な歓迎会が催 された。純和風の料亭で加賀料理の味を楽しみ、地酒に 舌鼓を打ち、和やかな時間が過ぎた。宴もたけなわ、琴 の演奏が始まり古都の音色に皆聞き入った。海外からの 来訪者には特別に演奏を実体験できるおまけ付きでいつ までもその感激を忘れることなく、翌日、京都に発たれ た。 海外との交流は、その国の長い歴史の上に育まれた思 想、文化に触れることであり、まさにグローバルな視野 に立ってものの考え方を学ぶチャンスである。これから 日本の医学を背負って立つ若い学生たちにぜひとも体験 してもらいたいと願っている。 (国際交流委員会副委員長 友田幸一記) 1. 留学生の往来 2004 年 10 月12 日 中国・黒龍江省牡丹江市出身、全亮亮氏が機能再建外科学において、短期研究員として研究を開始した。 11 月15 日 中国・吉林省延吉市出身、日本学術振興会外国人特別研究員金哲雄氏が血液免疫制御学において、外国 人特別研究員として研究を開始した。 2. 留学生の紹介