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受講者の模擬授業を重視した情報科教員養成向け授業実践

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受講者の模擬授業を重視した情報科教員養成向け授

業実践

著者

深谷 和義

雑誌名

椙山女学園大学研究論集 自然科学篇

45

ページ

127-136

発行年

2014

URL

http://id.nii.ac.jp/1454/00002111/

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* 教育学部 子ども発達学科

 椙山女学園大学研究論集 第45号(自然科学篇)2014

受講者の模擬授業を重視した情報科教員養成向け授業実践

深 谷 和 義*

Practice Using Trial Lesson for Teacher Training Course of Information Studies

Kazuyoshi F

UKAYA あらまし  教科「情報」の教員免許取得のための教職に関する科目「情報科教育法」 において,受講者の模擬授業を中心とした授業を実践した。その結果,学習 指導案を書くこと,人前で授業を行うこと,授業で板書すること等におい て,受講者に対して,ある程度の自信が持てる力量をつけさせることができ た。また,実習型の模擬授業では,講義型の模擬授業よりも受講者による相 互評価が悪く,授業展開に難しさがあることが分かった。 キーワード:教員養成,情報科教育法,学習指導案,模擬授業,大学 1 はじめに  高等学校教員免許取得のために必要な教職に関する科目のうち,「教科の指導法」は, 受けようとする免許教科ごとに単位を修得する必要がある。教科「情報」については,各 大学において「情報科教育法」等の授業科目名で4単位開設されていることが多い。これ は,文部科学省の「教職課程認定審査の確認事項」において,高等学校教諭の養成を行う 学科等において,一種免許状の課程の認定を受ける場合にあたっては,「教科の指導法」 について「4単位以上の授業科目を開設することを原則とする」としているためである[1]。  文部科学省は,「教職に関する科目の趣旨」の中で,「教育課程及び指導法に関する科 目」に関して,次のように示している[2]。 「各教科,道徳及び特別活動の指導法等に関する各科目については,学習指導要領に掲げる 事項に即して包括的な内容を含むこととする。また,各教科等を,実際に指導する場面を想 定して,学習指導案の作成や教材研究,模擬授業等を組み入れ,実践的な指導力を身に付け させるような事項を,当該区分の授業科目の講義概要(シラバス)で示すこと。」

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従って,教科書等の授業で教える内容を知っていることだけでなく,実際に授業におい て,指導できることが求められている。  教科書等の授業で教える内容に関して,教科「情報」は,他教科に見られないほど多様 である[3]。教科「情報」には,共通教科「情報」と専門教科「情報」の2種類が含まれ ることもその理由の一つである。2013年度から実施されている現行の学習指導要領では, 共通教科「情報」で「社会と情報」,「情報の科学」の2科目,専門教科「情報」では13 科目の計15科目1)が教科「情報」の免許によって担当できることになっている[4]。この ことは,教科「情報」の免許を取得することで,共通教科「情報」だけでなく,専門教科 「情報」についても担当できるという問題として指摘されている[5]。更に,情報の分野は 時代とともに大きく変化し,学校現場では,教科書に基づく指導だけでなく,担当教員独 自の教材を用いた授業が展開されることも多い。  授業において指導できる教員を養成するためには,模擬授業が有効であるとした先行研 究が見られる。例えば,文献[6],[7]では,理科において,模擬授業の効果を示してい る。これらは,理科の目標の中で,観察・実験が重要視されていることから,文献[6]で は中学校・高等学校の「理科指導法」において,文献[7]では小学校の「理科指導法」に おいて,いずれも実験に関する模擬授業を実践することで,その効果を評価している。ま た,文献[8]では,家庭科において,ICT 機器を活用した模擬授業を実践している。一方, 情報科においても,パソコンを使った実習があり,通常の座学とは異なる指導形態を身に 付ける必要がある。しかしながら,情報科において,実習での授業を考慮した模擬授業の 効果を調査した研究は見られない。  そこで,本論文では,情報科教育法の授業において,模擬授業を重視することで教育効 果が高まることを実践により検討する。模擬授業は,講義型模擬授業と実習型模擬授業の 2種類を扱うこととする。以下では,2章で各大学での情報科教育法等における現状を示 す。次に,3章では,筆者が実践した大学における情報科教育法の状況を示す。また,4 章で結果と考察を示し,最後に,5章で本論文の結びと今後の課題を述べる。 2 情報科教育法等の現状  2009年4月1日現在,大学の通学課程で教科「情報」の一種免許状を取得できる大学・ 学部・学科は,全部で319大学661学科(専攻等を含む,以下学科等とする)ある[9]。こ れは,高等学校における教科の中で,「地理歴史」または「公民」の1303学科等[10]に次 いで多い数である。それらの中から在籍学生数の多い学科を中心に抽出し,そこからシラ バスを閲覧できた50大学に対して,学習指導案作成・模擬授業実施に関する授業回数と 受講者に高等学校用教科書を購入させているか否かを調べた。  まず,学習指導案作成・模擬授業の実施状況を授業回数ごとの大学数で図1に示す。学 習指導案の作成をシラバスで明記していない大学が15大学ある一方で,最大7回扱う大 学があった。学習指導案の作成を扱う回数は,平均2.00回であった。また,模擬授業実施 の回数においても大きく差があり,0回が12大学,10回以上が5大学あった。平均では, 4.54回であった。これは,担当教員による違いであり,模擬授業を重視している教員から あまり重視していない教員まで大きく分かれるといえる。なお,ここでの回数は,原則と

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学習指導案          模擬授業 回数 大学数                                         図1 学習指導案作成・模擬授業実施に関する授業回数ごとの大学数 受講者の模擬授業を重視した情報科教員養成向け授業実践 して,90分の授業すべてに対する内容が学習指導案もしくは模擬授業であると示されて いる授業を数えている。  次に,高等学校情報科用の文部科学省検定済教科書の利用状況については,50大学中 10大学で授業用に購入させていた。しかし,残る40大学においても模擬授業をさせてい る大学が28大学あることになる。これは,新規購入以外の方法で教科書を利用している ことになる。  なお,教材研究に関する状況は,90分の授業で教材研究だけを行う旨をシラバスに明 記していない大学が多かったため,本論文では扱わない。 3 大学での授業実践 3.1 各回授業の進め方  筆者が担当するA大学においては,教科「情報」免許取得希望者対象で,3年次前期に 「情報科教育法I」,同後期に「情報科教育法Ⅱ」をそれぞれ2単位で開講している。2012 年度の受講者は13名(11名と2名の2クラスで開講)である。学習指導案の作成,模擬 授業に関する内容は主に情報科教育法Ⅱで扱っており,そのシラバスにおける授業計画を 表1に示す。ただし,10∼15回目の実習型授業における具体的な単元は,受講者に選択 させたものである(詳細は後述)。特に,模擬授業を中心に実施しており,情報科教育法 Ⅱでは15回中に計12回の授業で受講者に模擬授業を行わせている。学習指導案について は,情報科教育法Iにおいて,書き方の説明で1回,情報科教育法Ⅱにおいて,講義型模 擬授業と実習型模擬授業でそれぞれ1回ずつ作成させており,計3回扱っている。なお, 以下において,実施した模擬授業については,11名受講のクラスを取り上げる。  教科「情報」は講義形式での授業だけでなく,実習を伴う。そのため,模擬授業は,講 義型模擬授業と実習型模擬授業の2回を全員に課した。本論文において,講義型模擬授業 は,教員だけがパソコンや実物投影機などの ICT 機器を使った授業であり,実習型模擬 授業は,他の受講者にパソコン操作をさせる授業である。教科書は,実教出版の「高校情

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表1 情報科教育法Ⅱのシラバスにおける授業計画 回 授業内容 1 オリエンテーション,模擬授業担当決め 2 講義型授業の学習指導案 3 講義型模擬授業⑴ 個人情報の保護 4 講義型模擬授業⑵ 共通の取り決め 5 講義型模擬授業⑶ コンピュータと周辺機器の接続 6 講義型模擬授業⑷ 表現の工夫 7 講義型模擬授業⑸ 数値・文字のあらわし方 8 講義型模擬授業⑹ ネットワークとは 9 実習型授業の学習指導案 10 実習型模擬授業⑴ Web ページのしくみ 11 実習型模擬授業⑵ 検索と論理演算 12 実習型模擬授業⑶ 問題を解決するには,分析のための工夫 13 実習型模擬授業⑷ プレゼンテーションの方法 14 実習型模擬授業⑸ 情報化の影 15 実習型模擬授業⑹ 分析の方法 報A[11]」を使用した。この教科書は,2012年度の教科「情報」における教科書の採択 状況で,もっとも採択率が高い教科書である[12]。また,2003年度に改訂された学習指 導要領に基づきながら,2007年と比較的新しく発行されている。なお,この教科書は, 受講者全員に購入させている。これにより,自分が模擬授業を担当する単元だけでなく, その前後の単元を見たり,全体での位置づけを見たりなど,幅広く教科書における学習範 囲を把握できるようにした。また,教員向けに発行されている教師用指導書の「高校情報 A 指導資料[13]」を模擬授業実施者に事前に貸出しした。  情報科教育法Ⅱの1回目の授業において,模擬授業の担当を決めた。講義型模擬授業に おいては,こちらがあらかじめ表1における授業計画の3∼8回目に示す6つの単元を決 めておき,受講者全員を抽選で分けた2名ずつの6グループで担当させた。ただし,受講 者数の関係で,1グループのみは1名とした。2回目の授業において,全員に対して自分 の担当箇所の学習指導案を作成したものを課題として持ってこさせたうえで,それを全員 で議論した。3∼8回目の6回の授業は,次の流れで実施した。まず,各グループの受講 生に,2回目の授業での議論を踏まえて改善させてきた学習指導案に基づき,50分間の 模擬授業を行わせた。その際,模擬授業に対して,受講者同士で相互評価させた。評価項 目は, 内容 , 方法 , 展開 , 総合 の4項目である。それぞれ, 指導内容が明確に 伝わったか , 生徒が理解しやすい工夫がされていたか , 授業の流れ(説明,板書,実 習などの配分を含む)が良かったか , 模擬授業に対する総合評価 の意味である。これ らは,他大学の教員が情報科教育法の模擬授業に対する相互評価に使っているものを参考 に決めたものである。どの項目に対しても,5を最高に,5∼1の5段階とさせた。その 際,模擬授業の回数を重ねるごとに担当者が上達することを加味し,全体を通じて担当の 順番によって不公平にならないように評価することを指示した。模擬授業後の残り時間

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受講者の模擬授業を重視した情報科教員養成向け授業実践 で,受講生同士の質疑応答による議論を行い,最後に筆者が模擬授業に対する指導・助言 を行った。  実習型模擬授業に関しても,おおよそ同じ進め方で,9回目に学習指導案,10∼15回目 の6回の授業で模擬授業を扱った。ただし,単元については各グループで選ばせた。その 際,他のグループと同じ単元にならないように調整した。2012年度に担当された単元を 表1の10∼15回目に示す。なお,講義型模擬授業のときのグループとは別の受講者と同 じグループになるようにした。  模擬授業を行わせるにあたって,事前には細かな説明や注意をしていない。これは,先 に話を聞くより,やった後に聞くことで初めて分かることが多いと考えたためである。始 めの方に行った模擬授業に対しては,大まかな留意点を指導し,回数が進むにつれて細か なことまで指導するようにした。 3.2 アンケート調査  前節で示した模擬授業を中心とした情報科教育法Ⅱを受講することで,受講者が教科 「情報」に対する指導力を身に付けたかどうかを調べるために,2種類のアンケート調査 を行った。  一つ目は,情報科教育法Ⅱ実施前の3年前期終了段階で,「高校情報A」の教科書の単 元ごとで事前にどの程度理解していたかを調査した。アンケートでは,単元ごとに,「a ほとんど理解していた」「bある程度理解していた」「cあまり理解していなかった」「d ほとんど理解していなかった」で回答させた。なお,単元は50個あった。  二つ目は,情報科教育法Ⅱの最後の授業時に,模擬授業中心の授業で身に付けた力量に 関する意識調査を行った。調査項目は,まず,⑴「高校の共通教科『情報』の内容が分 かったか」,⑵「人前で授業ができるようになったか」,⑶「授業で板書ができるように なったか」,⑷「学習指導案が書けるようになったか」,⑸「教育実習に行っても授業がで きるようになったと思うか」,⑹「半年間トータルの情報科教育法Ⅱでの勉強時間は他の 授業に比べて多かったか」の6設問に対する選択形式である。回答は,⑴なら「a分かっ た」「bある程度分かった」「cあまり分からなかった」「d分からなかった」の四つから 選択させた。⑵から⑹についても⑴と同じような4件法とした。また,「他の授業で学習 指導案を何回書いたことがあるか」と「模擬授業を何回行ったことがあるか」を記入させ た。更に,「模擬授業中心で行ったことに対して良かったこと」と「悪かったこと」に対 して自由記述を求めた。 4 結果と考察 4.1 教科書の理解度  教科書理解に関するアンケート結果では,単元ごとに,「aほとんど理解していた」「b ある程度理解していた」「cあまり理解していなかった」「d ほとんど理解していなかった」 の回答に対して,順に4,3,2,1点として平均を出した。その結果,3点以上が17単元, 2点以上3点未満が24単元,1点以上2点未満が9単元であった。また,すべての単元を 平均すると2.60点であった。表1の授業計画から模擬授業を行った回を取り出し,模擬授

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表2 実施した講義型模擬授業におけるその単元の 教科書理解度と相互評価       回 単元 理解度 相互評価 3 個人情報の保護 3.42 3.83 3.70 4 共通の取り決め 2.25 3.64 3.56 5 コンピュータと周辺機器の接続 2.08 2.36 3.78 6 表現の工夫 3.33 4.21 4.29 7 数値・文字のあらわし方 2.75 3.61 4.18 8 ネットワークとは 2.42 3.71 平均 2.71 3.71 表3 実施した実習型模擬授業におけるその単元の 教科書理解度と相互評価       回 単元 理解度 相互評価 10 Web ページのしくみ 3.08 3.38 3.38 11 検索と論理演算 3.08 3.56 3.41 12 問題を解決するには 2.83 3.55 分析のための工夫 3.00 4.00 13 プレゼンテーションの方法 3.08 3.78 3.59 14 情報化の影 2.92 2.25 3.63 15 分析の方法 3.00 4.35 平均 3.00 3.53 業で実施した単元における教科書の理解度を受講者13人の平均で講義型と実習型に分け てそれぞれ表2,表3に示す。表3の12回目においては,50分間の授業で二つの単元を 含んでいたため,教科書の理解度もそれぞれの単元に対して記載してある。表2,表3よ り,講義型模擬授業で扱った単元の理解度の単純平均は2.71,実習型模擬授業では3.00で あり,実習型模擬授業の方が理解度の高い単元となっている。これは,実習型模擬授業の 単元のみ受講者自身で単元を選んだため,分かりやすい単元を選ぶ傾向にあったからだと 考えられる。 4.2 模擬授業の相互評価  模擬授業に対する相互評価は,3.1節で述べた4項目に対して行わせている。模擬授業

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受講者の模擬授業を重視した情報科教員養成向け授業実践 実施者に対する相互評価を次のように求めた。まず,各模擬授業実施者が行った授業に対 して,模擬授業実施者を除いた出席者が評価したそれぞれ4項目の評価の平均を個人平均 とする。次に,すべての個人平均を平均したものを模擬授業実施者に対する相互評価とす る。11人のクラスにおいて,各模擬授業実施者に対する相互評価を表2,表3の右端列 に示す。なお,1回の授業を二人のグループで担当している単元は,授業を行った順に二 人の相互評価が記載されている。表2,表3より,講義型模擬授業で扱った単元の評価の 単純平均は3.71,実習型模擬授業では3.53であり,自分たちで単元を選んだ実習型模擬授 業の方が,教科書の理解度が高かったにもかかわらず,相互評価は低くなっていることが 分かる。これは,実習型は,受講生のパソコン操作があり,自分が分かっていることと, 授業を円滑に行えることとがかなり異なることが原因だと考えられる。 4.3 模擬授業に対する指導内容  3.1節で述べたように,毎回の授業において,模擬授業実施後に,行った授業に関する 指導を筆者が行っている。その指導内容をいくつか示す。  ・学習指導案を作成することが目的とならないようにすること。学習指導案に書いたこ とを実際の授業でやれるように準備すること。  ・学習指導案を印刷してから授業の練習をきちんと行うこと。  ・板書計画をきちんと立てておく。自分がどのように板書して,生徒がどのようにノー トに書くかを考えること。  ・板書では,添え字は大きめに書かないと見にくい。また,赤色の文字は見にくい場合 があるため,できるだけ他の色にすること。  ・教員は十分な知識を持って,その中から選んで授業で伝えること。  ・「教科書(あるいはプリント)に書いてある通りです。」といわない。書いてあること を教えるために授業を行っているからである。  ・用語等の説明を読み上げるのではなく,自分の言葉で分かりやすく話す。そのために は,「①一つの文を短くする」,「②初めに概略をつかませる説明をする」の二つに気 をつける。  ・パソコン操作の指示は,「①教員の画面を見せながら説明する」,「②生徒にやらせる」, 「③自分がやる」の順とする。自分が先にやると,説明時に見ていなかった生徒がで きなくなる。  ・「全員の生徒にやらせること」,「自分がやって見せること」を明確にする。あまりに 多くを生徒にやらせようとすると時間が不足する。  ・「これは絶対やる」,「時間があればこれを紹介する」を事前に決めておく。  ・生徒全体に対して,説明により進めつつ,パソコンのトラブル等でできない生徒へは 個別に対応する必要がある。  これらの中で,後ろの4項目については,特に実習型授業において注意しなくてはなら ないこととして指導した。 4.4 授業実践後の調査結果  受講者13人に対して最後の授業時に行った模擬授業中心の授業で身に付けた力量に関

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⑴内容 ⑵授業 ⑶板書 ⑷指導案 ⑸実習 ⑹勉強 a b c d % % % % % % % % % % % 人 人 人 人 人 人 人 人 人 人 人 人 人 人 人 人 人 人 人 人 人 人 人 人 図2 授業実践後の意識 する調査結果を述べる。  まず,選択形式で調査した6項目における授業実践後の意識の結果を図2に示す。ここ で,「a分かった」「bある程度分かった」「cあまり分からなかった」「d分からなかっ た」等をそれぞれ順に4点から1点とすると,平均は,項目順に⑴3.23点,⑵2.92点,⑶ 3.08点,⑷3.15点,⑸2.62点,⑹3.23点であり,⑸を除いて比較的高い点数になった。以 下,各々の調査項目に対して考察する。まず,⑴「高校の共通教科『情報』の内容が分 かったか」では,調査の仕方が異なるにしても,4.1節で示した模擬授業実施前に比べて, かなり良くなっている。これは,あまり理解できていない単元を授業担当する場合でも, 事前に教科書,教師用指導書,専門書等できちんと準備して臨むことで,ある程度授業が できるようになったことから,内容理解についても自信が生じてきたためだと考えられ る。次に,⑵「人前で授業ができるようになったか」,⑶「授業で板書ができるように なったか」,⑷「学習指導案が書けるようになったか」では,学習指導案を作成してみて, それを元に実際の授業を行うという流れを何回か経験できたことから,いずれもある程度 の自信につながったと思われる。⑸「教育実習に行っても授業ができるようになったと思 うか」では,さほど高くない結果だった。これは,今回の模擬授業とは異なり,教育実習 では受講者が大勢の高校生であるため,特に実習型授業ではスムーズな授業展開をする自 信が持てないからだと考えられる。⑹「半年間トータルの情報科教育法Ⅱでの勉強時間は 他の授業に比べて多かったか」では,人前で責任を持って授業を行うためには事前準備が 多く必要だったためだと思われる。  以上より,情報科教育法Ⅱの授業において,模擬授業を多く実施したことで,事前準備 のための勉強時間が増加し,授業を担当できる自信がついただけでなく,教科書の内容が ある程度理解できたと思えるようになったといえる。  次に,受講生は,情報科教育法Ⅱを受講する前までに,学習指導案を作成したことは, 受講者13人の全員が経験しており,平均2.23回である。それに対して,模擬授業を行っ た経験は,13人中5人が全く経験なく,平均で0.92回となっている。これは,教科「情 報」以外の免許取得のための授業を受講していない学生の場合に情報科教育法Ⅱが唯一の 模擬授業が体験できる機会となっているためである。  また,「模擬授業中心で行ったことに対して良かったこと」の自由記述では,次の意見

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受講者の模擬授業を重視した情報科教員養成向け授業実践 があった。  ・人前で話せるようになった。  ・実際に行ったことによって自分の悪い癖を知ることができた。  ・流れが分かった。  ・授業をすることがどれだけ大変かを知ることができた。  ・自分で考えながら準備等を行ったので身を持って大変さを理解することができた。  ・準備にどの程度時間がかかるか分かった。  ・授業の準備やシミュレーションが大切なことが分かったこと。  ・座学・実習の両方の授業ができた。  ・生徒と先生の両側の目線から見ることができたこと。  自分で実際に授業をやってみて,初めて分かることが多く記述されている。逆に,「模 擬授業中心で行ったことに対して悪かったこと」の自由記述では,次の意見があった。  ・25分しかないこと。1回は50分でやってみたかった。  ・前半と後半で担当者が違ったので多少の打ち合わせが必要だったこと。  ・結構手探りだったのでもう少しアドバイス的なものをもらえるとうれしかった。  受講者の人数の関係で,どうしても50分間の授業を二人で担当させることになる。ま た,手探りでやらせたのは,自分で苦労させることにより,終わってからの指摘事項をよ り実感させるためである。 5 ま と め  情報科教育法の授業において,受講者の模擬授業を中心に授業を展開した。その結果, 受講者に対して,学習指導案を書くこと,授業を行うこと,授業で板書することに対して, ある程度の自信をつけさせることができた。また,実習型の模擬授業では,授業展開に難 しさがあるため,講義型の模擬授業よりも受講者による相互評価が悪いことが分かった。  今後は,教育実習を終えた学生に対して,模擬授業を重視した情報科教育法の授業評価 を聞き,内容を更に検討したい。 謝辞  本研究は椙山女学園大学学園研究費助成金 (B) による助成を受けた。また,本研究の一部は, 教育システム情報学会第38回全国大会(2013年9月3日,金沢市)で発表した[14]。 注 1) 2012年度入学生までを対象とした学習指導要領では,共通教科(当時は,普通教科と称さ れていた)「情報」で「情報A」,「情報B」,「情報C」の3科目,専門教科「情報」で11科目 の計14科目であった。

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参考文献 [1]文部科学省: 教職に関する科目の設置趣旨 , http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/kyoin/1268587.htm(参照日2013.9.1) [2]文部科学省: 教職課程認定審査の確認事項 , http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/detail/_ _icsFiles/afieldfile/2013/02/25/1267752_04. pdf(参照日2013.9.1) [3]香山瑞恵,永田奈央美,高谷知憲,高橋正憲: 高等学校普通教科「情報」教科書に対する 内容分析:平成15年度版教科書と17年度版教科書との比較より ,日本教育工学会論文誌, vol. 31, no. 1, pp. 97‒106(2007) [4]文部科学省: 高等学校学習指導要領解説情報編 ,開隆館出版販売(2010) [5]橘孝博: 高等学校教科「情報」の教員養成における課題と教師に求められる力 ,早稲田教 育評論,vol. 23, no. 1, pp. 33‒46(2009) [6]川村康文,田代佑太: 理科教員養成における模擬授業の効果に関する研究 ,科学教育研 究,vol. 36, no. 1, pp. 44‒52(2012) [7]野崎健太郎: 小学校教員養成における模擬授業を導入した「理科指導法」の学習の立案と 実践─授業を準備し実践するまでに必要な時間経過を理解するために─ ,椙山女学園大学教 育学部紀要,vol. 5, pp. 165‒175(2012) [8]小清水貴子,大石智里,藤木卓,寺嶋浩介,室田真男: 教員養成課程における ICT 機器を 活用した模擬授業の実践と学生の意識の変容 ,日本教育工学会論文誌,vol. 36 (Suppl.), pp. 69‒72(2012) [9]文部科学省: 高等学校教員(情報)の免許資格を取得することのできる大学 ,http://www. mext.go.jp/a_menu/shotou/kyoin/daigaku/detail/1287078.htm(参照日2013.9.1) [10]文部科学省: 中学校・高等学校教員(社会・地理歴史・公民)の免許資格を取得すること の で き る 大 学 ,http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/kyoin/daigaku/detail/1287059.htm( 参 照 日 2013.9.1) [11]岡本敏雄ほか: 情報060 高校情報A ,実教出版(2007) [12]時事通信社:『内外教育』データで読む教育 2011∼2012 調査・統計解説集 ,時事通信 社(2012) [13]岡本敏雄ほか: 情報060(教師用指導書) 高校情報 A 指導資料 ,実教出版(2007) [14]深谷和義: 情報科教員養成における模擬授業中心の授業実践 ,教育システム情報学会第 38回全国大会講演論文集,pp. 173‒174(2013)

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