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尼崎 朝子

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Academic year: 2021

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第 85 回獣医学会講演抄録

【はじめに】

食性に適応し,消化器系は様々な進化を示してい る。唾液腺もその一つであり,構造と機能が食性に 適応して様々に分化している。そこでオーストラリ ア大陸の環境下で独自に進化をした有袋類に着目し,

一般の哺乳類の食性への適応と比較し調査を行った。

一部の種を除いて,ほとんどの有袋類はオースト ラリア大陸の隔離された環境下で,適応し進化して いるので異なった食性に適応している唾液腺の構造 と機能の違いについて調べた。調査は,特に食性に 対応して変化の大きなイオン分泌能に着目し,その 機能マーカーに炭酸脱水酵素群(以下 CA)を用い,

一般組織構造と共に調査した。

【材料と方法】

マーカーである CA は,これまでに有胎盤類で報 告のある CAI ・ II ・ III ・ VI を用いた。調査材料は,

後腸発酵型有袋類としてコアラ 4 個体と,前胃発酵 型有袋類としてワラビー(1 個体)を用いた。また,

対象器官は漿液性の強い傾向にある唾液腺である耳 下腺と下顎腺について観察した。

【結 果】

結果としてコアラとワラビーの耳下腺と下顎腺で は介在導管,線条導管,小葉間導管に CA 群の陽性 反応が認められた。一方,ワラビーでは耳下腺の腺 房細胞と下顎腺の一部の腺房細胞に CAII に対する陽 性反応が確認された。

アカカンガルーはコアラに比べて,重炭酸イオン の分泌能が,耳下腺,下顎腺の両腺において高いこ とが報告されているが,ワラビーにおいても前胃発 酵型の有袋類であり,唾液腺の性状はアカカンガル ーと類似していた。

以上の結果から,耳下腺と下顎腺の CA の組織内 分布の比率が高い種ほど唾液腺からの重炭酸イオン の産生能が高い傾向を示すことが確認された。また,

ワラビーは前胃発酵型の唾液腺の分化を示している ことが明らかになった。

41

尼崎 朝子

1

,浅利 昌男

1

,西田 利穂

1

,水野 哲男

2

,大石 元治

3

,尼崎 肇

3

1

麻布大学解剖学第一研究室,

2

AJWCEF,

3

日獣大

第 85 回麻布獣医学会 一般演題 5

参照

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