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生活、文化の反映としての英語史緒言の一節

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九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

生活、文化の反映としての英語史緒言の一節

豊田, 實

https://doi.org/10.15017/2556626

出版情報:文學研究. 26, pp.45-55, 1939-12-30. The Kyushu Literary Society バージョン:

権利関係:

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英語史は言研學︑言諦史の一部門で文化科學に脇するのでありますが︑凡そ二つの兄地から足に向ふととができる

のであります︒一つはいはば純一両研學的の兄地︑他はその言諦を蒲る民族の生活及び文化の反映をそのうちに兇ようと

するいはぱ狭炎の文化史的の兇地であります︒但しそのうち飛礎をなすものは第一で︑第二は其の腔川的立場にある

ものであります︒私の今度の淋錐は飾二の兄地から試みるつもりでありますが︑その韮礎をなす第一の兄地に立つ英

諦史の術問題にも燗れつ凹祇を進めて行きたいと胆ひます︒それで今日は先づ純言語學的の英語史と文化史的の英語

史における目のつけ所のちがひ︑垂軸の世き方の茶が自ら皿解できるやうに︑具柵的の例を取りつ凹緬を進めるつも

りであります︒

言ふまでもなく︑私のいふ鋪一の兄地からする英諦史も有益であるのみならす非術に興味深いものであります︒例

へぱ英研といふ言諦の起原の問題︑古期英諦と巾期英研︑中期英諦と近代︑現代の英語との冊に如何なるちがひがあ

り︑それが如何にして生じたかといふやうなことを詳細に老へることには深い興味が件ひ︑又赴は非附に右益なこと

でもあります︒また英語と他の言語との比較もなかなか面白いのであります︒例へぱ現代のドイツ話と英語とを比較

畦岬ご哩乱唖英読史縦一市の一節四五︵三○九九︶ 畦嘘故鰍英語史緒言の一節

llliI 豆

毒員

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■■■■■■■■■■

文學研究第二十六蝿四六︵三一○○︶

して兇ませう︒どんな例を取ってもよいわけですが︑イエス・ヘルセンは次のやうな文章を蕊げて居りますC⑥名日切の旨

︒§巴違員電包め︑篭ロミ愚.ここ︑吋碧輪愚息偶S猪ペミ困偽︺g・凸・鈩旨の昌里の旨狩g星菖匡の目︲司尉H⑦管呂の1○鼻席胃﹈︺.シ巨号の試己匡

画国営ご凹胃︑庁ご凹庁嵐ご①舜彦①HP

との川じ意味の簡単な英猫の文章を比較しただけでも︑それが独舞のことを直接Ⅲ扱われわれに柵るのでありま

す︒光づ諦荊はこの二つの文章の間における耶締の類似を見られるでせう︒少なくとも騨胃と畠︑畠この己と君旨﹀

庁胃邑とぼく①が同語であることは言緋鯉に素人の人でも解ることであります︒さうしてこれから推して︑英諦と獅

諦の親獅關係が想像されるでせう︑さうしてその想像は淵ってゐるのであります︒即ち英稠雨語は共にチ星−トン詔

系に脇するものであって︑その系岡上の關係も比較言諦蕊では明瞭に解ってゐるのであります︒然しなほ詳細な洲在

の結果によりますと︑この雨語間における単語の類似は主として日常語の範州に限られてゐるのでありまして︑僻書

に現はれる単研産旗く洲管へると︑英猫朋諦川の諦焚の類似は寧ろ非常に少ないのであります︵陣凹昌喝ご偽ゞ胃きぉ

具噂侭冒畳℃・画参照︶︒さうしてその原川は那逢にあるかといふと︑英諦はその前身が獅諦から分離して烏に来て

以来︑世接間接フランス語︑ラテン語︑ギリシャ評の影繩が非附に多かったのに反して︑ドイツ語は比較的純粋のま

k進んだからであります︒さういふととも言語の歴史かち明かになって來るのであります︒

それから語の形態は要するにその發背が堆礎になってゐるのであります︒元来文字はどの言語においても︑その長

い歴史から弛れば︑比較的新らしい發明であり或は採用でありまして︑又文字が使川されるやうになっても凡ての人●夕が之を利川したわけではなく︑生きた言語の形態的發展は文字ができて後もやはり昔韻の鍵化によって辿らる叩きで

IlIIIIIIII時1111︐︲︲1l︲I︲IIIIIIlIIIbrl

J4

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あります︒從って言語史の大切な一面は即ち晋献愛化の歴史となるのであります︵屋︒︒日時E曾覺ミ魚︵ご鴎︶.勺

畠参照︶︒英諦史においても例へぱオヅクスフォードの言︶嵐教授などはこの方面の研究が特に委しいのでありま

す︒︑

秤ぴ英獅叩語の比較に蹄りますが︑この二つの言語が一度分離して以来發鵬の裡路を異にした今一つの現はれは︑

英研における語尾鍵化の脱落であります︒さきに引川しましたシ扁云だのドイツ語の文章を兇ますと︑・副詞:H骨

以外は目閂のといふ複数名詞に關聯して凡ての締が複数形を取ってゐます︒然し丑に對する英語の文章では目自己

に複数のしるしたるSが附いてをり︑胃のが三人稲軍数現在の場合に胃のぃとなる外︑他の凡ての語においては特に

複数だからだといふ愛化はなく︑叉そのために意味が媛昨になるといふこともないのであります︒然し英語も烏に來

て後も初めの綴はやはりドイヅ語のやうに多くの語尼愛化があったのでありますが.それが次第になくなったのであ

ります︒さうしてとの語尾鍵化の消失といふことは英諦史上蚊も特徴ある一耐でありまして︑英語史は形態的見地か

らは研尾脱落史であるとも言へる位であります︒

それから謝洲も知られる通り︑ド・イッ研の名詞にはそれぞれ性があり︑その性は必ずしも迩際の男女と一致してゐ

ないのみならず︑また男女性のほかに巾惟がある以外︑性の無いものの名に性があったりします︒さうして古期英詔

はこの鮎においてもドイツ語と同じであったのであります︒例へぱい屋コョの︵太陽︶が女性︑目目圏︵舟︶が男性︑笥忌雌︶

が叫惟で︑盲目︵手︶が女性︑一角︵:冒昌︶が中性で昌冒煙冒国曾○日目︶が外性といったやうなわけであります︒然る

に英諦ではか坪る性の腫別も次節になくなって︑所訓目冨邑鳴且のH︵と穏刷︒昌口︑農︒己︶の現狄となったのであり

・叫蝿母哩恥恥英研史緒言の一節四七︵三一○一︶

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文畢研究第二十六岬凹八︵一三○一こ

ます︒さうしてそれには勿論それ机常の歴史があったのであります︒

以上のやうなこ逵も英研史では大切な川越であり︑それには多くの興味もつながるのであります︒それで私のこの

識表でもさうした川越も一通りは説明するつもりでありますが然しこの荊韮では寧ろ亜軸を言語の意味の上に吐きた

いのであります︒例へば或る単研はいつの時代からいかなる意味で英研またはその前身にあったか︑さうしてそれは

何庭から来た締であるか︑又或る取締はいつの昨代から英人によって一般に使川され︑いつの時代どういふ意味の睡

化と生じたか︑さうしてそのことは何を研惑ものであるか︒さういふことなども老へて見たいのであります︒卑近な

例をとれば︑シ垂イクスピア時代の作舳だといふ燗れ込みで流君の前に川されたものの中に旨︒言寓︲の胃・簡島︒二2・晩︺

鱒の汽○已脚ョ①といづた語があったとすれば︑諸君は二mの下にそんな馬鹿なことがあるか︑と言ふでせう︑それは何を

語るかと↓両へば︑即ち・ンニイクスピーノの時代には︑そんな科學の進歩はなかったといふことであります︒北陸.・凹諦

に示された時代の机述の並も明かな例であります︒然し次の場合の鑑定はどうでせう︒剛じくシェイクスピア昨

代の作品と孵されるものの巾に四旨の員旨員の一・①己弄.旨︺冨目のの昏蒔も貝伽︒冒昌qといった語句が見川されるとしたら︑

諸君のうち或は頭をかしげるのみで速答のできない人もあるかもしれないでせう︒然し英語を母叫研とする入廷のう

ち教養ある春は一両ふに及ばす︑その他の文化人でも英諦といを両語を系統的に學んだ者であれば︑殆んど直感的にわ

かる筈でありますα即ち今繋げましたやうな語句はシェイクスピア時代にはなく︑もつともつ芝近代的のものであり

ます︒さうしてその事は文献の上でも證明できるのであります︒先づの×・旨侭といふ形容制は十九枇紀以前には兄

川されないのであります︒また旨目2一月といふ形容河は︑我が剛の中學初年級生でも知ってゐろ研で︑へInの英

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語にはなくてならぬ語でありますが︑十八世紀以前にはなく︑しかもこの語の英語における初めの意味は甘名︒H鼠具

でありまじて︑この語が文献の上で現在の意味で初めて使川されたのは西暦一七六八年の聾の目印の鳶ミききミ

ごヘミミにおいてであったのであります︒且いの昌旨目目といふ語を初めて使川し出したのもスターンであったらし

く︑との文人は今書名を梁げました旅の印象記よりもずっと以前︑一七Ⅲ○年の文献にとの語を使用し︑それがこの

語の蚊初の例であるやうであります︒但し共虎ではこの語は.壗昌冒巴符農侭を特徴とする意味の形奔詞・として使川

されたのでありまして︑現在の感傷的といふのとは意味がちがってゐたのであります︒

以上のことは何を語るでありませうか︒それは即ち或る時代に如何なる雌諦或は語句語法が行はれたかといふとと

は︑その時代に存在した特徴ある事物を示すのみならず︑その時代を支配し攻は少なくともその時代に行はれてゐた

想念を示し︑場合によってはその時代の人だのとまかな感術の動きの泳幽菜をさへ示し得るといふことでありませ

う︒元來人川の雁史といふものはわれわれ人間にとつで蚊も興味ある主題でなくてはならぬのでありますが︑その雁

史のなかでも過去の時代の祉禽的意紬或は時代の深附氣といったものの研究は扱も大切で且興味あるものでありま

す︒例へぱ歴史上の出来事を知るにしても︑いつの時代どこで如何なる事が起った︑誰がその主な關係群でどういふ

結末になったといふやうなことだけを知るのでは︑雀だ意味稀薄なものであります︒英語史と也接關係のある事柄で

も︑例へぱ十字叩や宗教改革︑戎は毛−サアやシェイ次スピアの出現等についで知るに妓も値することは︑地なる事

件の經過や作品の年代梗概等ではなくして︑か上る事件を惹き越しまたは之を導いた抑念或は熱怖︑かきる作品に現

はれた時代の郡州氣︑人生槻︑仙界槻等でありませう︒例へぱシ遙イクスピアは西暦一五六四年に生れて一六一六年

︲唾岬冴哩乱加英締史緒言の一節四九今一二○三︶

jlllJ母

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︑丈班研究鋪二十六職五○︵三一○四︶

に死しI英文學を専攻する諸飛はかkる年代位は言ふまでもなく謡んじてゐなければならぬのでありますが11世

を去る約五年前から測って凡そ二十年川に或は班澗で又は合作で四十近くの刺を害き︑百五十川首のソネヅドと二つ

の叙事詩を書き︑その大鵬の内容はかうであるといふやうなことも︑英文學を専攻する人共は知ってゐて欲しいので︒

ありますが︑それよりももつと大切なのは︑その作品に磯られた如何にも翌かな人間味でありませう︒われわれはシェ

イウスピアを通じて人川が知りたいのであります︒さうしてその目的を逹するためには︑先づその作品を識むとと

が最も確かな逆であります︒さうしてその作品を読むといふととは先づ言語を読むといふことであり︑シェイクスピ

アの場合においては今から三百年を隔てた︑しかもわれわれからは外國語の文献を誠むといふことであります︒さう

してなほ向剛語の場合においても︑古い時代の文献を誠む際に並も陥り易い危嶮は現代の老へを古い文諜のなかに読

み込むといふことであります︒尤も︑現代人との關係のない古い文書はわれわれには無用であるといふ考へ方もありま

す︒処は一唯尤もな議論であります︒言ふまでもなく︑われわれが古い文献を読む場合は︑現代人たる自らが自らの

ためまたは他の人糞のためにもその文献から何等かのものを独得しようとして誠むのであります︒が︑これを液む場

合︑事毎に現代的の立場からのみ之を解繩しますならば︑われわれは結局何をもそれから得ないといふととになるの

であります︒即ちわれわれが眞に布益に古い文献に接せんがためには︑先づその作品︑作粁の時代的雰剛鋪に入り︑.

少なくとも一雌は先づ作考の側で人生を見︑伽の中を兄なくてはならぬのであります︒さうして之をなすためには言

語の歴史的知識が非術に大切な役荊を務め一るのでありまして︑進なく︑してこの事を拭みるのは無謀であり︑不合理で

あります︒・処に反し︑若しわれわれが或る時代に如何なる語が行はれ︑如何なる語が新たに川來︑或は在來の語に如

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トー 11

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何なる新らしい意味や感じが加はったといふやうなことを詳かにすれば︑それによってその時代の精祁︑その室氣へ

鯛れることができるのであります︒尤もわれわれは新らしい邪念といふやうなものを常にその根源まで測って跡づけ

得るものではありません・例へぱ英語で或る理念をあらはす語は速くロ川マ戎はギリシャ等から来てゐる場合もありま

せう︒又は或る老へが一般に行はれるやうになるずっと以前に︑或る人によって老へられてゐたといふこともありま

せう︒︽然し或る槻念が何時域祉称意識のなかに入って来たか︑戎は在来の締に何昨頃どんな新らしい意味が生じたか

といふやうなことは︑言研の歴史で大艘判明するのであります︒さうしてその雁史はわれわれの忠ひなかばに過ぐる

ことをわれわれに教へてくれるのであります︒

例として現代英諦で進歩とか改祢とか進化とかいふ意味を現はす一群の謡をとって兇ませうI且く:8四目農c︲

硫農○国︾烏くの冒帛白の具﹄﹄冒頁︒ぐの日の目︾官︒喝のいい︾のぐ︒旨§旨.P.F日叩邑の目胃引き陣員暮冒畠ミミ︾勺・陶や以下参照・︶先

づ赴等の冊は︑何れも十六世紀以前には現在の意味では使川されてゐないのであります︒少号昌8.いう﹃四口︒耐冒g骨は

英諦にはかなり古くからあった紙でありますが︑古くは低い役から商い役への外進を意味したのでありまして︑これ

が進歩︵胃︒閏のいい︶の意味に使川され川したのは中仙以後のことであります︒旨官︒舟.﹈日胃︒ぐ印冒の具は元来フランス法

︵旨弩国gg︶の語で︑荒地を仕切り刷って之を耕作することを意味したのでありまして︑それが冒蔦の胃胃亀の窓

に使川され姑めたのは十七仙紀以来のことであります︒さうして旨冒︒ぐのがこの意味に使川された娘も早い例の一

つは西暦一六六○年に創立された學術協愈の名榊目胃両昌巳曽骨q旦冒且︒己曽境冒胃Ca眉z四日邑嗣ロ︒畠の侭の

において回あります︒またのぐ︒冒旨︺といふ研は英諦では新らしい研であります︒この語は英語の雁史では十七枇紀

酔岬ど唾靴如英諦史緒喬の一節五一︵三一○五︶

1

I.︲︲︲︲︲︲︲︲︲︲当口︐IIIIIII︲

(9)

文學研究節二十六脚五二二二○六︶

に初めて使川されてゐますが︑その早い川例は耶事上の蒲として回あります︒即ち門暦壼ハニニ年の同旨肖犀同旨

著助︒:ミミ︒︑︾弓.く旨自臼に次のやうに使川されてゐます1

国巨庁儲岸すの8つのHmOHヨの四国旬閃ご巳一再ざ昌○門巴篇尽騨陣○冒○閉口︑吾貝の・・・言︸昂ロロの鼻己﹈樟︑の①詐琶騨庁二︺の︺︵︶一︺いの嵐巨の脚行

樟の脚︑庁切﹄x閉○○斤の口粋切汁秒ごnの︒・・ご⑦貢弓のの﹈︺の○口①甲閨○Hい①日巨四コ四口包画ロO垂︼の風

軍事上の諦としてののぐ︒胃ざ冒は︑展州の意味から一般に位世の郷換をも意味するに至ったのであります︒さうし

てこの蒲が進化といふ現在重要な意味をもち︑旗く雌川されるやうになったのは十九世紀のことで︑・言ふまでもなく

口肖昌冒やgの月の珂の業績によるものであります︒尤も中世にもH凋呂の国9コ﹄騨冒の邑旨の具といふ語はあったので

ありますが︑妃等は人川の仙人的人格の改辿︑行爲の改蕃の意味に使川されたのでありまして︑連続的准腱向上の意

味を現はす一般的の語は中世にはなかったのであります︒さうして淵時さうした語がなかったのは︑その必要が感ぜ

られなかったからであります︒尤も少数の思想家の頭にはさうした進歩の老へが浮ばないでもなかったでせうが︑さ

ういふ老へは術時一般的には認められず︑言語にも明確に表明されなかったのであります︒要するに樵時の枇称的意

識はさういふ理念の發生成挺に不適微であり.それまでに熟してゐなかったのでありまして︑中世は進化とは寧ろ反

對の思想が一般意識を支削してゐたのであります︒即ち柑時の老へでは人間及びこの世界は堕落したものであって︑

後ではもつと陥落し退化して遂に世の怒りに到逹す可き運命をもつものであったのであります︒中枇の後に来た宗教

改革の時代においても︑罵曾昌昌農︒冒即ち送り唖すといふ語によって表はされたその理想は原始的の純な時代への逆

戻りであったのでありまして︑從って連練的の進化︲過去を超えての進歩といふ考へはなく︑さうした進歩の理念は

I

1111

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極めて新らしく現はれたものであります︒即ち人Ⅲ肺禽に鮒するかうした不断の進化の考へは十八世紀以前には殆ん

ど見られなかったのであります︒さうして十九枇紀になって愈迂寓物進化といふ老へ方が行はれハ人間の人生槻世界

槻に一大希望が典へられたのであります︒

次に胃︒喝のいいといふ語は︑古くは旅行の意であったのであります︒例へば儲昌旦冒︒喝のいいは即ち行幸︑行啓︑ま

た本の題Hのご︺の昌噴旨・ぃ厚c喝の閉は巡繩の紀行の意であります︒尤も︑この語には尋︿一ヤン以前シェイクスピ

アの畔代に︑述練的改善︵8昌冒言c屋い﹄冒胃cくの目g庁︶の意味が萠し︑この詔はその醜また動詞としても使用されるやう

になり︑なほベイコンの随華中には胃︒喝の切望ぐのといふ形芥詞が兇川されます︒但し動詞としての胃︒固ののはその

後英諦では一日藤語となり︑再びアメリカから輸入されたのであります︒即ち十八世紀の思想家逹がその思考系統の

なかに進歩の概念を取り入れ︑それが次蛎に一般人の意識にも入り︑人Ⅲ枇称は絶えず進歩しで行くのだといふ近代

の大希梁が祗命的意識のなかに生れて後︑アメリカから呼びとの語が英剛に輸入されたのであります︒

以上は極めて倣かの例を梁げたのみでありますが︑或る語が或る言語の歴史に何時現現はれ︑叉はいつの時代に如

何なる意味の愛化を生じたかが︑その言諦を話す民族の生活及び文化といかに特接な開係があるかの一端は︑明かに

されたことと忠ふのであります︒さうしてまたさういふ方面を商洲す葛英語史の意誰も︑ほご理解されたことと恩ふ

のであります︒尤も︑とlに注意す可きは︑前にも多少暗示しましたやうに︑或る語が或る時代に全く存在せず︑或

は﹀一般に行はれなかったからと言って︑その畔代の人がさういふととに全然無糊であったとか︑さういふ經嶮を全然

しなかったとは言へないといふことであります︒例へぱ私は前に①肖旨侭とか目舜閂のぃ宮畠といふ語がシェイクス

唾恥座以靴加英読史綴言の一節五三︵三一○七︶ 4

1

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文・學研究第二十六岬五Ⅲ二二○八︶

ビア昨代の英諦になかったこと迄一mひましたが︑だからシェイクスピア時代の人珪は皆刺戦のない面白くない生飛を

してゐたかといふと︑決してさうではなく︑那斑は寧ろその反對でありました︒シェイクスピアの昨代には以上の二

詔がなかったと鶉にまた&いぃ君︒旨冒の具﹀︸5言の︲甘冒の閉の語もなかったのであります︒然しこの場合も︑われわれ

はその時代の人糞に失望や郷愁の經嶮がなかったとは老へられないでせう︒なほこの極の例を梁げますと︑ホーマア

の叙邪諦として知られてゐるミミやp替寓このなかには色彩に開する語が盤だ不充分であるところから︑ホーマ

ア及び同時代の入廷は色盲であったといふやうなことを度而川に淌じてゐる人もあります︒然し処は既に正術な諭群

によって指摘されてゐるやうに︑例へばホーマァ時代のギリシャ人が緑色駐文献に夫現しなかったといふととは彼等

に雑色が見えなかったのではなく︑それを表はす諦の必要が感ぜられなかったのであります︒以上の次節で︑或る時

代に或る研がなかったとか︑戎は一般に行はれなかったといふことは︑世ちに以てその惣念や經験がなかった證鵬に

は必ずしもならないのであります︒が︑少なくともその想念なり經験を表現する詩を必要としなかったことを示すも

のであります︒必要があれば語は必赤新たに造られるか︑または外幽の言葉を使川するがされるものでありますか

ら︑或る時代に或る惣念なり經瞼はあってもそれを表現する必要が認められなかったといふととは︑また非常に亦意

義なことであります︒

以上私は英語の繩登の語駐例に引いて︑この語は何時の醜英詔に現はれ︑何時醜どういふ意味に使川されるやうに

なったといふやうなことを少し述今へたのでありますが︑一慨さういふ的確なことがどうして言へるかといふ疑川を抱

かれた方もあったかもしれません︒然しそれができ︑またさうした研究が近年欧米で行はれるやうになったのは︑オヅ

1111

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クスフォード大僻典と稲する大規模の緒密な英語僻書が出来たのがその一つの大きな原凶であります︒多くの礎川と

多くの人の労力をかけ︑準術の時代は別として出版し始めて完成するまででも約半世紀を喪して数年前完成しました

との僻典のこと及びその文化史的の意義については︑なほ後で述べる機含があると思ひますが︑我が剛にもか上る種

猟の剛諦僻典が欲しいのであります︒かょる僻典は決して猫力では出来るものでなく︑多くの人力と財力を要するの

でありますが︑明年の紀元二千六面年記念事業の一つとして︑か上る大規模の國語僻普の計飛だけでも先づ立てられ

んことと私は切に望んでやまないものであります︒

睡啼母哩靴岬英語史緒一面の一節

五五︵三一○九︶

I

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