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経営組織論―その文化性の一考察―

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経営組織論―その文化性の一考察―

著者 斎藤 弘行

学位授与大学 東洋大学

取得学位 博士

学位の分野 経済学

報告番号 乙第108号

学位授与年月日 1998‑03‑16

URL http://id.nii.ac.jp/1060/00004056/

Creative Commons : 表示 ‑ 非営利 ‑ 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by‑nc‑nd/3.0/deed.ja

(2)

経営組 織論

−そ の文化性 の一 考察−

斉藤  弘行

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経 営 組 織 論 −モの刻ヒ性O 一 考察−

第1 部   経 営 組 織 論 成 立 の背 景 と して の 経 営 学 第1 章 経 営 経 済 学 に お け る 人 間 立 場 の 傾 向 第2 章  社 会 科 学 と し て の 経 営 学

第3 章  共同 決 定 思 考 と 経 営 経 済 学

第2 部   経 営 組 織 論 の 本 質  一企 業 文化 論成 立 の 前 提 一 第1 章 経 営 組 織 論 の 理 解 と 実践

第2 章  ヨー ロ ッ パ と ア メ リカ の 組 織論 の 傾 向 第3 章 伝 統 的 組 織 論 の 方 向 づ け

1 、 英 語圏 にお け る 文 献 を 中心 に 2 、 ド イ ツ語 圏 にお け る 文 献 を 中 心 に 3 、 組 織 論 の 機 能 分 析 的 過 程 の 特 色 第4 章 経 営 組 織 論 の 区 分 構 想

1 、一般 的 区 分 と 任 意 的 区 分 2 、 理 論 的 配 列 の 試 み

第5 章  経 営 組 織 論 に お け る組 織 の 存在 第6 章  経 営 組 織 論 の 比 較 論

第7 章  経営 組 織 と 共 同 決 定思 考 第3 部   企 業 文 化 論 の 形 成 と課 題

第1 章  企 業 文化 の 研 究 の 方向 づ け 第2 章  企 業 組 織 文 化 の 特 色 づ け

第3 章  企 業 文 化 と 経 営 経 済学  − ハ イ ネン の 考 え 方 一 第4 章  企 業 文 化 と 経 済性 思 考  − ニ ッ クリ ッ シ ュ の 考 え 方 一 第4 部   企 業 文 化 論 の 展 開

第1 章  経 営 組 織論 理 論 と 人 類 学 第2 章  シ ン ボ ル に よ る 経 営 組 織 の 理 解 第3 章  経 営 組 織 に お け る 文 化 の 意 味 第4 章  経 営 組 織 と 文 化 タ イプ 第5 章 企 業 文 化 と 共 同 体 思 考 第6 章  企 業 倫 理 学 へ の 方 向 づ け

1 、 マ ネ ジ メ ン ト にお け る 経 済 理 論 と 経 営 倫理 2 、 企 業 倫理 の 形 成 と課 題

3 、 コ ー ポレ ー トガ バ ナ ン ス と 企 業 倫理 第7 章  経 営 哲 学 の 概 念 と 本 質

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研究 の目的お よび 要旨

「経営組織におけ る 文化性 」とい う表題 は次のよ うな 基本的 前提のものとにつけられた ものである。

(1)経営 組織は経営組織論の対象であり、我 々の題材 とする経営組織 論は ドイ ツ経営経 済とアメリカ ・イ ギリスを中心としたマネ ジメン ト論 に含 められると考えられ る。

(2)我 が国 でい う経営学はこ の2 つ の傾向 を含む ものであ るが、我々は どちらか とい う とドイツ経営経 済学 におけ る思 考方法を より多く採用す る。

(3)そ のとき経営は、 企業を 含めて 、さらにより広い範囲の対象 のこ とである。 企業は この場合資本 主義的、 市場経 済における経営 とい う意味であり、 グーテンベ ルクの考えに 依捷する。 経営 とい うときには従って企業のほかに行政体、政党、公共的機関、軍隊など の制度が含まれる。

(4) 分化お よび 文化性を経営学に加えることに関し、経営学のこれまでの選択原理であ る、経 済性、生産性、収益性を支援しかつ修正し、さらに内容的 豊富を形成 するために、

新しい選択原理が発 見されたとい う認識がある。 従っ て経営学が4 つ の選択原理 より成 立 することになる。 こ うした考え 方はマネジメン ト論より由来しない。

前 文化の概念は人類学や 社会学の領域から借用される。我 々は アレ アとフ ァーシロト による文化 概念の説明をもとにする。 (そ の背後には さらにパ ーソン ズの社会的シ ステ ム と文化的システムの解明があるが我々はそ こまでは 追求しない。)そ れは大別し て、 「社 会文化的 システムの統合化 された構成要素としての文化 」と「イデ ーシ ステ ムとしての文 化」である。 前者 におい ては行動(お よび行 為) のような観 察す るこ とのできる、現実に あるもの、また人間が実際につくったい わゆる人工物 、慣習 、習慣、組織構造、制度、言 語などが含まれる。 後者におい て、人間の精神 の中に存 在す るもの、 人間の思考構造の中 にあってあまり意識 されない よ うになっ てい るが、同一 の社会 のなかにある者の中に共通 的に存在しある思 考方 向づけ を与えるものとみな され る。代表的な例 として価値と規範が あげられる。

(6)文化 概念 のどちらも重要であるが、傾向 としてはイデーシステムとしての文化 を中

心とする。  しかし他方、存在物 としての文化 も含 めるこ ともしばしば行われる。 従ってこ

の両者 を含 めた文化 概念 が用い られる。

(5)

(7卜 文化の概念把握に もとづき、文化 が経営学の伝統的 な選択原理 のもう1 つ の原理と して存在するとい うことで、とく に文化性原理 として表示 する。 文化性 の意義 と役割は次 のことにある。

(a)企業の特色をはっ きりさせ ること、T 方の企業 と他方 の企業 の相違を 目立つ ように すること。

(b)組織の構成員 の意識を知 るた めの重要な手 がか りとな るこ と。

(c)企業 の経 済性な どの選択原理だけでは 判断 できない 次元を知ることができると共に、

その選択原理を 支援し 、より効果をあげ るようにする機能をするこ と。

(d)より根源的に企業 とは どうい うものかを明確にすること。

(e)経営経 済的方向づけとマネジメント思 考を結びつけるメディエ イターであること。

(8)経営組織論は経営学の1 分野であるが、経営学がより組織論的傾向を示 す背景には 文化が組織を 一種のプラットフォーム (基盤)としていることに我 々は気が付く。 すな わ ち組織の従来からの組 立構造と流れ構造とい った極めて即物的 な設計思考に代る別の思 考 方法を出現 させるきっかけとなったのが文化 概念である。 文化性 を採 り入れることにより 経営学が厳密 な科学から離れて、より緩や かな構造を持つ学科となるのだが、そ れは組織 論における文化性的接近 と同一過程のなかにある。 この傾 向は経営 経済学 におい てもマネ ジメント論におい て も変りはない。

(9)組織をどのよ うに思考するかとい うことが設定されねば ならない が、一般 には 社会 的システムとみることは今日の通常の理解である。そ れは正しくは 「目標方向づけ られ、

目標に向か う社会的並びに社会技術的 システ ム」とい うことであ る。す ると企業 も一定ク ラスの組織であることには間違い ない。 このよ うな背後関 係があ るからこそ、文化の用語 に企業もしくは組織をつけるとしても、ほぼ同 じことを指す とす る理 解がでてくる。

(10)かく して、Unternehmensku] tur=Organisationskultur=organization  ・

cu1ture=corporate culture とい うことが成 立す る。そ して当論文において もこの図式をと る。つまり、ドイ ツ語圏と英 語圏 の企業文化思 考を同 一レベルで評価する。 但し企業文化 そのものはそ れぞ れの文化圏 によって異な るのはい うまで もない。

上記10 項目の概 要が示す ように経営組 織論 に文化性原理を導 入することがこれまでにな

い試みであ る。繰 返しにな るが文化性原理は伝 統的な経営学的選択原理におけ る第4 番 目

の原理として新 しく 登場した原理であ る。 経営学 とい う何事も成果、能率、物的思考によ

り支配されてい るとこれまで考え られて来たが、それに対してむしろ非 能率、無結果 、人

(6)

的思考を 重ね合わせるこ とがよい のだ とい う認識を させ るのが文化性原理である。 文化性 はそのときに意識的な逆機能 作川 をしてい るこ とにな る。

経営組織的 事象は社会的 事象であって経 済的 かつ 計算的思考だけでは理解できない こと も誰もが了 解してい るに もかか わらず、それについて語ることを避けてきた。 そ うしない と経営学の本質 が失 われ るとされたからである。 そのタブ ーを破るのが文化 思考の導入と いうことであ る。経営組織論の内容がそのこ とにより豊富になると共に、より多く 人間そ のもの、人間 の行 為(行動を も含んで)を対象とすることができるよ うにな る。

この際に経営組織論のこ うした特色を裏付ける ものとしてハイネンの意思決 定指向 の経 営経済学が提出 されねばならない。 この学問は「実践的 一規範的 学科」とな るように努 め ることを特色とする。 「実践的 」の意味は、経営経済学に対する社会からの要請 に少しで も答えようとすることである。 それは理論的 認識への関心が経営 経済学の研 究のた めの動 因として認められることを超えることである。 理論的 認識 にとどまるこ となく 実践的状況 を常に念頭におい た情況もしく はモデル を形成 して、実践的様 相の中で人が考えたり行動 したりできるよ うに貢献するとい う主旨をそ れは含む。 「規範的 」とは 実践的であれば同 時に一定目標の達成ができるよ うに人にたい して推薦を与え るこ とを含む。 特に規範的と いうとドイツ語圏の経営学におい ては、目標のさらにそ の根底を 作ってい る個人 の信仰、

信念にまで 立ち入っ て、そ の正当化 を努力 する課題を持つ ようになって しま うけれど、意 思決定指向におい ては規範性 の意味 をそご までとらない (しかしやがて文化性の導入によ りそのことは変化 するがこの段 階ではそ のように考えておく)。経営経 済学はこの時点で は相当程度科学としてとどまろ うとす る努力 が伺われる。 そのこ とは応用科学としての経 営学と示されてい る。

このよ うにして意思決定をす る人間が研 究対象 の中心部へと動かされてくる。 意思決定

を下すのは人間だとする極当たり前のこ とが経営学のなかで認知されたことになる。人間

を最もよく 学問的 に扱 うこ とのでき る領域は経営組織論にほかならない。 これまで経営経

済的構造と過程が人間を 規定していたこ とが人間が(意思決定を下して)反 対にそこ とを

規定するとい う思 考に逆転する。 先にあげた推薦への努力 は、結局人間が推薦 したものを

人間がその拒否を決 めるのであるこ ともこの中に入る。 意思決定があらゆる経営事象にお

いて規定的フ ァクター として作用する。 従って組織論的 領域でよりよく 意思決定的経営学

が表現でき るこ とになり、そ のことは経営経 済学的 理論の有効距離お よび言明力 を高める

ことになる。科学的厳 密性 と犠牲にしてまでも人間の採 り入れ、また 中心的位置への設 定

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が経営学の内容を豊かにす るこ とができ ると共に、そ の扱いに適 した組織論の意義が大き くなる。

意思決定と人間の関係 のみを 論じている間は、企業文化は問題 として生じる 可能性は少 ない。い わゆる英 語圏における コー ポレートカルチャーが1 つのテーマ としてマネジメン ト論やビジネ スオーガユゼーション論の中で論じられるよ うになったことが、企業 文化 が まともな題材 として 登場し、それが経営学 (お よび経営経済学)の中にどのよ うにして組 込まれるか とい うことが課題 になったと解するほ うが自然か もしれない。

企業文化がテーマ化 されるい きさつをここでは述べない が、 もと もと経営 学が従来から の経済的思考を追い求めてい ては絶対に出て来ない ものであり、良くも悪く も現実の経済 社会の中でのビジネス活動におい て注目され出したこ とは否 定できない。  しかしまたここ で企業文化をそのままにしてお くことをしない で何とかして経営 学の中で学 科として扱 う 願望が強くなって来たこと も事実である。 そこにおい て初めて経営 学におい ても組 織論 の 領域での取扱い が適切ではない かとする判定が出されて来たものと我々は推 察す る。

そして確かに文化 を 単に変数として、言い 換えると文化的 人工物 としてのレベルで のみ 考えないで、人間のイデ ーシステムにおけ る事象だとい うこ と(こ れについては先に触れ たが)を振返っ てみると、人間お よび組 織、さらに人間の意思決定 といった順序 の結びつ きが存在することがわかる。 経営 学を経営経 済学的方向性 の中に我々 の立場を置くこ とを

(前に)前提 したのだが、そ のこ とに文化 現象 が最 もよく含まれるのは当然である。

ここではほんのわずか文化区 分について 触れて みる。 それは先 の文化の説明の再現であ るが、より内容 に立ち入っ てみるこ とに より、文化を採 り入れざるをえない 筋道がはっ き りするものと我々は期待す る。

変数として の文化 を主張す る立場は、組織を制度としてみる。 この制度は財貨と用役 給 付の生産を中 心課題 とす るが同時に、 意図的または意図されざる副産物として文化を生 み 出すとす る。こ の文化はそ の企業に特定な儀式、祭礼、物語、伝説などに表わされるが、

文化的人工物 の形式を とる。

この際 には企業 (または組織)文化は内的変数の1 つとして把握 される。 但しこ の変数

は人が生活す るに当たって全体のなかで特に重要な意味をもつものとされる。この 見方は

システム思考 の観 察方法を導き出す 前提となる。 つまり全体システ ムである企業組織の文

化的サブシ ステ ムとして の文化 とい う考えである。 文化的 サブ システ ムは組織の中である

働き(作用)をするこ とが次第にはっきりしてくる。

(8)

例えば組織の外界から何らかの影響 があるとすればい わゆるマネ ジャーの役割は どうか とい う質問に答えてみることであ る。そ の場合にマネ ジャーにとっ て外 界か らの影響はマ ネジャー自身 が対応 し、処理しなけ れば ならない ものと感 じられ、そ れが彼 の「行為強

制」となってい る。そ の強制はしかしどのよ うにして対応 するのか。マネジ ャーは組織内 でシンボル的 用具を もっ てそ の強制を変換 させ なけ ればな らない と我々は理解する。 それ はマネジャーがある方法を考案 し、X‑ 夫し、外 界影響力を システ ムの中で緩和し、吸収し てしまうよ うに努力 するこ とであ る。そ れは 生産的活 動とは別 の次元 の中に人が立ってい ることを知 らせ る。物づく りでなくて 、文化的 人工物づく りを人は しているこ とになる。

組織をまとめる、組 織の調整をす る、組 織のトップ の考え方を戦略 のなかに とり入れる と いった一連の行 為は シン ボル化作業にほ かな らない。 マネ ジャ ーのそ うした行為が企業

(お よび組 織) の事象をよりよく 見え るようにしてい るこ とになる。 マネジャーは文化 的 サブシステ ムの操作を してい ると言い換え るこ とができ る。 (シン ボル の範囲はこの場合 大きい 、例えば神 話物 語から スロ ーガン、 建造物、製品、デザイン、企業アイデ ンティ ティ、訓練施設 、情報 システ ムにまで及ぶ。)

文化 のもう1 つの理解 として、 人間の 考え方の中にあってその方向づけ を決める もの、

すなわち「認識指導的基本概念としての文化」が対比される。 これはシステ ム思考や機能 主義から抜け出る方法である。 そして組織(および企業 )の構造と過程を主観的 に解 釈す ることに方向をとることを含んでいる。 すると我 々はイデ ーシステ ムの中に置かれるこ と になる。 そこにおい ては文化概念を 「ルート・メタフ ァー」として適 用す るようにな るこ とに気づく。

これまで経営学におい て組織の理解をメタフ ァーにおい て行ってきたこ とは事実である のに、このことを指摘するものはほとんどなかっ た。 メタフ ァーによる組織 (お よび企 業)の理解は例えば、 「生産フ ァクターの体系としての経営」 、有機 体的構成 としての企 業」などにおい て 見られる。 また企業 をオープン システ ム思考を もとにして戦略的計画に おける外的条件の必要性 を求める方向づけ のなかに置く として も「目標 実現のための機会 類似的用具としての、適応能力 のある有機 体」として企業を みてい るのにほかならない と 考えられる。

このこ とは組織をあたか も物 理学的 精密 さで扱っ たものとこれまで人は考えてい たが実

はメタファーをしてい たのだとい うこ とを教えるものであ る。それは組織は生物有機 体と

異なるのに、有機体とするこ とは人のイデ ーにおけ る作用にほかならない し、そ のこ とは

(9)

メタファーなのである。 これに代 るものとしての文化概念 が、組織 のル ート メタファーと して役ぐつごとにな る。そ れは 、組 織が人間意識的 な表 現お よび 表明 とみな され ることで ある。そして組 織はそ の結果 、表現−シン ボル的 局面において 分析 されるこ とになる。 そ れはより具体的 には、組 織メン バーによる組 織の主観的生活 と体験が研 究されるこ とであ る。

組織(お よび企業)はこ の場 合、シン ボル的 コミュニ ケー ションお よび相 互作用プ ロセ スの相互作用のか らみ介い として解釈されるこ とにな る。 こ のか らみ合いは、組織目標、

組織構造、職位 記述 署を 読んで もわからない ものなのである。 従って我々は組織の 「意味 体系」のメカニ ズムを 解釈す るこ とに方向を とるこ とにな る。組織 のイデー的本質 として の意味体系こそ文化 論的組織論 の内 容とい うこ とができる。 それは 客観的事実 (現実)の 主観的に特色づけ られた認識 と解釈の結果 として とらえられる ものである。

こうした、い わゆる主観主義的な組織 考察は組織のシン ボル構造の解釈並びに明示かを 目指した組織研 究な のである。 そ れは 「変数的 視点」 と比較して 異なる 立場をとっ てい る ことがはっき りしてい る。

一般に社会科学は経営学に限らず、 社会的シ ステムが現実に、具体的に形成され、現実

の姿を現わす のは とくに 人間の意識 とは関係ない とこれまでみなして来た。 つまり客観的

現実とは、そこにおけ るある一定のファ クターがどのよ うに配置されてい るかを知 り、か

つそ うなってい るこ とがそのまま現実である。 ある配置並びに配列が、即現実とい うわけ

である。ただそ うなってい ると 見ることだけに人は努力 しさえすればよい。 ところ が主観

主義的観 察方向においては人は主体としてまた社会的 生物として社会的 現実を創 るとす る

立場にあ る。 人はこの際、社会化 過程の中にあることは当然 であり、社会的 にどうい うこ

とが必要とされてい るかを知るこ とになる。 そのよ うにしてそ の個人に特有な知覚モデル

ができ上がる。 そのモデルに照らして人は社会的形成過程に入っ て行く。そ れは かな り意

図的行為である。 こ うして 人は現実を 「創る」ことになる。 組織も1 つ の社会的 現実であ

るが、それは人の 知覚、 意図、推 量、過程などを通して解明しかつ創 られた 現実な のであ

る。企業文化 の研 究はこ うした個人の意識プ ロセ スを欠い ては何の意味もないこ とになる。

(10)

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第 第

1

1

部 章

経営組織論成立の背景としての経営学 経営経済学における人間立場の傾向

は じ め に

経 営 組 織 論 とい う 語 の な か で 経 営 の 意 味 が 理 解 さ れ, そ こ に お け る 人 間 指 向 特 色 が 表 面 化 し た と き に , 経 営 学( 経営経済学) のな か で人 間 が ど う 扱 わ れ る かを 問 う の が 課 題 で あ る 。 我 々 の 経 営 組 織 論 が 人 間 中 心 の組 織 論 であ ろ う と す る と き に , こ の よ うな 予 備知 識 な し に は 目的 を 得 るこ とは で きな い 。 ただ こ の 時 , 経 営 経 済 学 と 組 織 論 が ど うな っ て い るか の問 題 では な くし て , 経 営 の 意 味 が よ り 接 近 し て い る , い わ ゆ る 経 営 学 のな か に 先 ず 人 間 発見 を 試 み よ うと す る わけ で あ る 。 そ れ は 一 見 し て 迂 回 路を 通 るこ と に な るが , 結 局 は 組 織 論 の 追 究を な し て い る こ と に な る 。 組 織 の人 間化 へ の出 発点 を 求 め る 手 段 だ と い うこ と に な る 。

人 間 取 扱 い に 関 す る3 つ の方 向

経 営 経 済 学( あるいは経営学)が 人 間 を ど の よ うに 扱 う「 べ き」 か に つ い て 語 るの で な くて( そのことは本質論 の問題 として我 々の領域 外とみなす), 斯学 の な か で 人 間 が ど の よ うに 採 りあ げ られ て 「 い る」 か を 考 え る こ とが 次 の課 題 と し て 浮 び 上 る。 そ れは む し ろ 経 営 経 済学 に お け る人 間 存在 の 発見 に 努 力 す る こ と であ り, 人 間 とい う対 象 が あ る た め に 斯 学 が ど うな る かを 問 うてい る の では な い 。 そ れ に は 土 台 と な る論 文 とし て シ ュ テ ー レ の も のが 存在 す る が。

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我 刊 まこ れを 中 心 に し て そ の 概 要を 理 解し よ う とす る。 こ こ で は(a)生 産 要 素 に お け る人 間, (b)意 思 決 定 指 向 的 な 経 営 経 済学 にお け る 人 間 ,(c)シ ス テ ム指 向 的 な 経営 経 済学 に お け る 人 間 の3 つ の方 向に おい て 人 間 が 扱 わ れ る が , ど れ も 本来 の人 間を 扱 っ て い な い 旨 の指 摘 が あ る が , 我 々 は な お そ の な かに 経 営 組 織 論 と の関 連 , もし く は こ の 学 科 へ の 人 間 含 み 入 れ の 可 能 性 につ い て , 人 間を ど こ か の方 向 の な か に 認 め よ うと努 め る 。 も ち ろ ん シ ュテ ーレ は こ の ど れ の 方向 に もい わ ゆ る 全 体 と し て の 人 間 に れについては後に 触れるが)か 認 め ら れ てい ない と し て 拒 絶 す る ので あ る が , 我 々 は そ の な か か ら 経 営 に お

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(11)

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け る人 間立 場 へ の関 心 を 探 し 求 め よ う とす る。 そ し て確 かに ,人 間 は 無 視 さ れ ては い ない の であ って , そ の取 扱 い 方 法 もし くは 説 明方 法に 差 異 が あ る だ け の こ とだ とい うこ と も 次第 に 判 明し て く る の であ る。

㈲ 生 産 要素 の体 系 に お い て人 間 が ど う見 ら れ てい る か を 語 る と き に , 代 表 的 な 人 物 と し て グ ーテ ンベ ル クの 名 前 が あげ ら れ , そ れ を 中 心 に し て 語 ら2;

れ てい る。 そ れ に よ ると 先 ず 経 営 の 部 分 領 域 と し て生 産 , 販 売 , 財 務 が示 さ れ , な か んず く 生 産 要 素 の な か に 人 間 的 作業 給 付(と,諸設 備の如 き, い わゆ る経営手段お よび材料)が 含 め ら れ て い る。 こ の 際 に と くに こ の人 間的 作業 給 付 が ,「 対 象関 連 的 な , 命 令 を 行 わ な い 作業 」 と 「 経 営 活 動 指 導 ・ 管 理 活 動 」

とに 区 分 され るこ と に な る。 こ の よ うに し て 経 営 のな か で 行為 す る人 間 の 実3) 体 が 実 施 す る 者 と 指 導 ・ 管 理 す る 者 と に 分 れ る と す る認 識 が 存 在 す る。

こ の 種 の 説 明 は既 に 多 く 紹 介 さ れ てい るけ れ ど も, 我 々の 関 心 は 果 し て 後 者 の, 指 導 活 動 が 真 に 人 間 的 な もの で あ る か , 実 施 活 動 は ど うな のか とい う こ とに あ る 。 そ し て こ の 種 の 判 定 は そ う易 し い もの で は な い こ と に 直 ち に 気 づ く 。 そ し て グー テ ン ベ ル クの( 少なくともシュテ ーンの引用する限りで)説 明 に お い て は こ の こ と は は っ き りし ない 。

そ の具 体 的 例 示 が 次 の よ うな 説 明 の な か に うか が わ れ る。 そ こ で は 結 局 ,4) 活 動 の 主 体 と な る こ と も あ り , ま た客 体( もし くは 対象)と な っ て し ま う こ と もあ る。 一方 で意 思 決 定 者 とし て の主 体 な の で あ る が , 他 方 で , 要 素 結 合 過 程 の 対 象 とし て , 企 画 ・立 案要 素に よ っ て制 御 さ れ , 最 適 な収 穫を 得 る た め に操 作し う る と ころ の対 象 で もあ る こ とに な る。 と く に人 間 の 妥当 性あ る い は 存 在 意 義が 認 め ら れ る の は 最 適な 投 入 関 係 の対 象 と し て 他 の 経営 手 段 や 材 料 と 同一 視 さ れ る と きだ とい う理 解に お い て , か な り限 定 的 な 人 間 解 釈 が な さ れ てい る とい わ ざ るを え ない 。

そ こ で シ ュ テ ーレ の批 判 的 表 現 を 借 り るな らば こ うい うこ とが 言 え るで あ5) ろ う。 す な わ ち , 人 間 は 物 財 の如 き 商 品 と 同 じ もの で あ り, 物 財 と 同 じ 評 価 基 準に よって 見 られ る ので あ る。 経 営 経 済 学 は こ の と きに 知 らぬ まに 労 働 力 の商 品 化 とい うか つ て の マ ル ク ス的 分 析 と 同 じ 傾向 を 示 す も のだ とい う ので あ る 。 だ か ら 人 間 的 活 動 に 真 に 価値 あ りと 認 め るな らば 物 財と 価 値財( これ に人間的活動がはいる)が 区 別 され るべ き だ と 提 言 す る。 た だ ここ で 我 々は , こ の区 別 に 賛 成 す るか ど うか の決 定 を 下 す ので な くて , グ ー テ ン ベル クに お

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い ては ,人 間 の 行 為 には 合 理的 な も の と , 非 合 理 的 な もの と があ る とい う 結 論 は 結 局 の と ころ ,「 経 済 人 仮 説や ティ ラ ー主 義的 な 人間 像を 経た , 利 益 極 大 化を 行 う 賃 金労 働 者」が 土 台に な っ てい る と す る 指摘 を 認 め な くて は な らSi な い 。

(b) 次に 経営 経 済学 に お い て1960 年 代 に 出 現し た , ハ イ ネ ソに よっ て 代表 さ れ る意 思 決 定 指 向 的 な 学 科 と し て の 特 色 づ け は ど んな も のか が 観 察 の対 象7/

と な る 。い う まで もな く こ の 際 に 経 営 経 済 学 の 本質 が 問 わ れ る の で な くて そ こ に お け る 人 間 立 場 に つ い て 理 解 が 求 め られ るこ とに な る。

経 営 経 済 学 の 観 察 方 法 が 人 間 の 立 場 の み に あ っ て そ の点 か ら 諸 問 題 に 接 近 す るの と , 要 素 の 投 入 と そ の 収 入 の 間 の 生 産 性 関 係 に 中 心 課 題 があ る とす る も のが あ る な らば , 相 対 立 し た テ ー ゼ な の で あ っ て こ れ を 解 決し よ うと す る の が 意 思 決 定 指 向 的 な 経 営 経 済学 な の だ と い うこ と に な8) ハ イ ネ ソ が グー テ ソg ル クの 要 素 組 合 わ せ 過 程 の 考 え を 引 継い で い る こ と に つい て は 多 く の 人 の 指 摘す るこ と であ る が, 我 々 の関 心 は どち ら にし て も 人 間 の 立場 が ど の よ うに 見 ら れ る かに あ る のは 既 に 指 摘し た 通 り であ る。 そ の時 に 確 か に ハ イ ネ ソ の 場 合 に は よ り 多 く 人 間 へ の関 心 が 高い とい うこ と が語 ら れ るに 過 ぎな しヽ。

そ の こ と は 例 えば 次 の ような 陳 述 の な か に 見 ら れ る。「 今 日 の 経営 経 済学 は ます ます , 経 営 の ヒエ ラ ル ヒ ー のす べ て の 水 準お よ び 経営 経済 のあ らゆ る 部 分 領域 に お け る 人 間 的 意 思 決 定 を 科 学 的 努 力 の中 心 点 に 置 く 。 統 一 的 な 理 論 的 枠 組 の 形 成 の た め の 出 発点 は 意 思 形 成 と意 思 貫 徹 の 局面 を もっ た 企業 家9) 的 意思 決定 過 程 であ る。 意 思 決 定 過 程 の対 象 は 全 く一 般 的 に は , 労 働 , 経 営 手 段 , 材 料 とい う基 本 的 な 生 産 要 素 の 組 合 わせ を 形 成す る 」 と 。 さ ら に 組 織

のこ と に 触 れ る と き に も社 会 体 系 に つい て 言 及 し て い る と こ ろ では 確 か に 人10) 間 の 役割 が 無 視 さ れ て は い ない こ と を 知 る 。

た だ 人 間 とい っ て も,い わ ゆ る対 象関 連的 な 人 間 は ,単 に労 働 とい う 要 素 と し て だけ の 存 在 であ る。 と く に 生 産 理 論 の 技 術 的一 機械 論 的 な 思 考 様式 が こ の 種 の もの であ り , 作業 活 動を す る 人 間 が 倍 械 へ と グレ ー ド低 下 を し てし ま うこ と にな る。 労 働 力は ここ では 他 の手 段 ま た は 材 料 と同 じ く調 達 さ れ る の で あ る 。

お よそ 意 思 決定 指向 的 とい う表 示 を な す と きに は , 企 画・ 立 案を な す 人 間

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が,「 少 な く と も自己 の 意 図 に 従 っ て 合 理 的 に 行為 す る意 思 決定 主 体 」 と な る の であ る。 し か も こ の 種 の人 間 が 意思 決定 モ デ ルに お い て,「 た だ 限 定 的 に 合 理 的 に 行 為 す る人 間 の記 述 的 モ デ ル 」 へ と変 転し て 行 く の であ る。 こ の 際 に , 既 に こ の モ デル が 開 い た 意 思 決定 モ デ ル と なっ てい る の であ っ て, イ ソ;?‑ デ シ プ リ ナ リ ー的 協 力 関 係 が 必 要 と さ れ て くる 。 そ れ は 非経 済的 な,

合 理 的 な ら ざ る , 社 会 学 的 , 心 理 学 的 影 響要 素を 考 慮に 入 れ る こ とを 意 味 す る の であ り , そ の 場 合 に 既 に 経 営 経 済 学 が 他 の多 くの 隣 接 学 科 の知 識 を 取 入llj れ な く て は な ら ない 情 況 にあ る こ と を 示 す 。 だ が この 時 に 経 営 経 済 学 が 意 思 決 定主 体 とし て の 人 間 を 明 確 に 打 出 し て い る のか ど うか は っ き りし て い な い12) の であ る。 ア プp  ー チが 複 雑 に な っ た こ と は 人 間 存 在 の 複 雑 さ の 証 明 に は な るけ れ ど も, そ の こ とが 直 ちに 主 体 とい う よ りは , むし ろ 全 体的 な 人 間 の 立 場 の認 識を 示 し てい ない とい う こ と が 言 え る。 例 え ばい く ら心 理 学 や 社 会 学

の 研究 成 果 が あ った とし て も そ の こ と が 直 ち に 経 営 経 済 学 の な か に 意 思 決定13) 主 体 とし て の 人 間 の立 場 を 形 成 させ る と は 限 ら ない のだ とい う の であ る。

シ ュ テ ーレ の 指 示 す る如 く, ハ イ ネ ソ の も と で は対 象 関 連 的 活 動 は ダ ー テ ソg ル クの 労 働 要 素 と 同 じ も ので あ っ て, 分 析 の対 象 とな っ てい る のは 指 揮 管 理 系 統 に おけ る 活 動 な ので あ る 。 低 い ヒ エ ラ ルヒ ーに お け る 動 機 や 願 望 に は 正 し い 注 目 が な さ れ て い な い 。 た だ ,「 他 人 決 定 的 な 給 付 生 産 の体 系 に お い て 機 能 的 もし く は 逆 機 能 的 な 作 用 を す る と きに は じ め て 」 こ の レ ベ ル の 人 間 が と りあ げ ら れ る に 過 ぎ な い の だ と い う判 定 が な さ れ て い る。 我 々 は こ の よ うな 結 論 に は 全 面 的 に 同 意 し な い 。 意 思 決 定 への 注 目 そ れ 自 体 が既 に 人 間 存 在 と , 人 間中 心 思 想 を 含 む もの と 思 わ れ る か らで あ る 。 従 っ て 我 々 に は ハ イ ネ ソ の 立場 を む し ろ 次 の よ うに 評 価 し , そ こ に 我 々 の 組 織 論 に おけ る人 間 立 場 の 源泉 のひ とつ を 察 知 す る こ と が で き る。 す な わち ハ イ ネ ソ の 意 図は ,

「 より多 く 技術 的 な 生 産 性関 係に 指 向し た グー テ ソg ル クの 体系 構 図を , 観 察 の中 心 点 に 活 動す る 人 間 の 集 団を 近 づけ た ニ ッ クリ ッ シ ュ の方 法 と 結び つ け て, ひ とつ の 新し い ジ ン テ ー ゼを 形 成 し よ うと す る こ と」 であ っ て, そ の こ と は「 組 織 局面 と意 思 決定 局面 を と くに 考 慮 す る こ と」 のな か に 現 われ て1 い る の であ る 。い

こ の こ とは 例 えば, ( 経 営 経 済 の モ デ ル に お い て 組 織 現 象 を 考 慮 す る こ と15) が 中 心 点 な 問 題 で あ る」 とい う 説 明か ら始 ま り,「 経営 経 済 が 組 織 とし て 把

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握 され る の で あ っ て , 組 織 が 経営 経 済 の部 分 局 面 とし て 把 握 され る の では な16) い 」 と い う陳 述 のな か に 見 ら れ る 。 そ こ に お い て は じ め て 主 体 と し て の人 間

の意 思 形 成 と 意 思 遂 行 が な し うる ので あ っ て , 組 織 が ベ ー ス とな っ て 人間 存 在 が 確 立 さ れ る と 解 釈 し た ら よい で あ ろ う。

(C) 経 営 経 済 学 の シ ス テ ム指 向 傾向 のな か で ど の よ うな 人 間 理 解が な さ れ17;

る か に つい て , そ の 代 表 者と し て ウル リ ッヒ の 名 前 を あげ て い る 。 シ ス テ ム 思 考が な く て は グ ー テソg ル ク的 問 題 処 理 か ら離 脱 で きな い とす る。 そ のた め に は シ ステ ム思 考 の解 明が な さ れ る べ きで あ る が, こ こ で は 「 企業 が 開 い た , 目 標 指 向 的 な , 構 造 化 さ れ た 社 会 体 系 」 だ とす る か な り 普通 の理 解を も っ て 記 述 が 開 始 さ れ る 。 こ の 体 系 がい わ ゆ る シ ステ ム分 析 の 対 象 と さ れる わ18) け であ る。

経 営 経 済 学 が シ ス テ ム思 考に よっ て 「 多 局 面 的 な 学 科 」 に な る こ とが で ぎ19) る こ と に つ い て 次 の よ うな ウル リ ッヒ の説 明を 得 る 。 そ れ は い わ ば 分 化 さ れ た 局 面 が 統 一 の あ る 思 考 に 変 化 さ れ るこ と であ る。 こ れ ま で 企業 とい う構 成 体 の 一 定 の もし く は 部 分 領 域 に 注 目 し て い た も のが , で きる だ け 多 く の局 面 を 同時 に思 考 の な か に 採 り入 れ よ うと す る 試 み だ と もい え る 。 な か んず くそ れ は 人 間 の 所 在 が 対 象 とな る と きに 効 果 を 発揮 す る 。「 企業 に た い し て 行 為 す る 人 間に 向 っ て 提 出 さ れ る よ うな 問 題 設 定 に 方 向 づけ ら れ る 問 題 指 向 的 学 問 を 組 立 て よ うど す る 」 と き に 具 体的 な 特 色を 示 す こ と が で き る わ け で あ る。

もち ろ ん ,こ の場 合 に 経 営 経 済 学 の シ ス テ ム方 向 づけ を 詳 し く 述 べ る 場 で な い が , 斯 学 が こ の 考 え 方 の 導 入 に よっ て 次 の よう に変 化 す る と 見 る こ と が で き る。 例 えば 企業 に お け る 分業 に 基 づい た 問 題 領 域 や 個 別 問 題 の区 分 が 変 わ るこ とで あ る 。 こ れ ま で の よ うな 一 般的 な 分 類 基 準 では 済 ま さ れ ない の で あ っ て , 企業 ご とに , 組 織 的 形成 が 異 な る こ と の認 識 が 強烈 に な っ た の であ る。 無 数 とい うほ ど の 異 な る職 務 分 割 と職 務 の 組 合 わせ が 現 わ れ る こ とを 認 め る も ので あ る 。

そ こ で, こ の職 務 負 担 者 とし て の人 間 が 同 時 に 組 込 まれ る と 複 雑な 課 題を 示 す こ とは 既 に 常 識 に な っ てい る。「 こ の よ うな 実 践 か ら 展 開 さ れ た , 企 業 帰 属 者 のた め の問 題 領域 限 界だ け は 個 々 の企業 の無 数 の 特 殊 性 , さ らに 時 間 経 過 のな か で 変 化す る特 殊 性 に よっ て 決 っ て くる 。 と く に , そ れ は そ こ に 使 用 可 能 な 協 働 者 の能 力 に よっ て 決 っ て くる 。 そ れ は , そ の 都 度 また 多 か れ ,

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少 な か れ 合 目 的 的 な も のに な り うる 」 と い う 説 明が こ の事 情を 示 す 。 こ こに 我 々 は 人 間( 要素)が は い りこ む こ と は 事 象 を 非 合理 的 な も のに す る と す る

独断 か ら 解 放 され るこ とに な る 。

こ の点 につ い て , シ ス テ ム的 思 考 が 人 間 を 単 な る要 素に し て し ま わな い と す る 見 解 を示 し て い る。 そ れ は 人 間 に か かお る事 象 の 合 理 性一 非 合 理 性 の こ とを 語 る の で は な い。 す な わ ち , シ ス テ ム思 考 に お い て は 最 初 は 人 間 が 経 営 手 段( もしくはイン プットされ るも の) と さ れ , そ の際 に は 他の 設 備 , 材 料 , エ ネ ル ギ ー, 情 報 な ど と同 じ形 式 的 序 列 の もと に 置 か れ る か もし れ な い が , 経 営 に は い った か らに はそ の後 に ,「 保 持 」 と 「 育 成 」 が な され るべ き こ と20) を 指 摘 し てい る。 こ こ で は 確か に 他 の要 素 と 同 列 で は あ る が , 人 間 が中 心 的 存 在 の も のと し て 文 字 通 り, あ る種 の「 手 入 れ」 が な さ れ る べ き こ とを 示 唆 し て い る も の と見 て よかろ う。

人 間 が 機 能 領 域 のな か に 単 な る手 段 とし て と ど ま ら ない ように す るた め の 考 え と し て , さ ら に 「 社 会 的 次 元」 とい う比 較的 大 き な範 囲が , 他 の「 物 的 」,

「 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン的 」,「 価 値 的 もし くは 数 値的 」 次 元 の区 別 に お い て強21) 調 さ れ て い る 。 物 的 生 産 の テ ク ノ ロジ ー的 形 成 は 企業 構 成 員 のた め に 重 要 な 課 題 領 域 を 示 す も のだ とす る想 定 が そ こ に はあ る。 テ ク ノ ロi> ―的 局面 を も っ て 観 察 す る と き に は そ れ は 装 置 で あ り, 用 具 な ので あ る 。 し か し そ こ に は 必 ず とい っ てい い ほ ど 「 人 間 相 互 間 的 な 接 合」 の特 色を 含 む も ので あ る こ と も確 か で あ る 。 こ の際 に 人 間 は 単に 物 化 し た 労 働 力 と し て だけ で 見 られ る の で は な く て,「 モ チ ペ イ シ ョ ソ と諸 関 係 に よ っ て 決定 され た 行為 を 完 全に 把 握 し よ うとす る」 こ と が 行 わ れ る。 こ の 部面 に 焦点 を 合 わ せ た の が 目標 に向 け て 行 為 す る構 成 体 の 概 念 だ と もい うこ と が で き る。 こ の 時 人 間 は,「 独 自 の 意 思 と 独 自 の 価 値 観 を 有 す る 社 会 的 生 物 」 とし て あ る こ と が 認 め ら れ る の で あ り, そ れ に よ り多 く の 問 題 が 合 わせ て投 げ かけ ら れ る こ と に な る。 とい うの は こ こ で 「 人 間 が 企業 家的 目 標 の 達 成 の た め の 手 段 で な く て , 企業 が 人 間 的 目的 の達 成 の た め の 手 段 と な る 」 か ら で あ る 。

こ の 事 実を 反映 す る な ら ば 経 営 経 済学 は 単 に 科 学 の 標 識 の みを 貼 ら れ る こ と で は十 分 で は な くて , 次 の よ うな 内 容 へと 転 換 さ れ る か もし れ な い。 す なー わ ち ( 経 営 経 済 学 は 部 分 的 に。は , ま た 応 用 的 並 び に 特 殊 な 社 会 学 , 個 人 心 理22 学 お よ び 社 会 心 理 学 で な く て は な ら な い 」 と 。 こ の 際 に 我 々 は い う ま で も な

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く, こ こ に 示 し た 学f‑Kに 限 定 さ れ る こ と な く問 題に 相 応し た 学 科 の 名前 を あ げ る こ と が で き る で あ ろ う。 そ れ は イ ソ タ‑ デシ プ リ ナ リ ー の名 の もと に 我 我 が既 に 理 解し てい る 説 明 様 式 であ る。 そ う見 る な ら ば , 前 に 提 出 さ れ た グ ー テ ソg ル クの 考 え 方 が ,7人 間 の 非 合理 的 行為 の マ ネジ ノ ソ ト論」を 余 り に 度 外視し 過 ぎ てい て , 科学 の 名 の も とに , や や こし い 人 間問 題を 拒 絶し て23;

い る き らい があ る とい う 指摘 は も っ と もな こ と であ ろ う。

シ ュ テ ー レは こ の よ う な人 間 的 問 題に 関 し て, と くに ウ ル リ ッ ヒに つ い て 言 えば , 対 象 領 域 が 限 定 され てい る と し て 不 公 平 だ とい う の であ る。 そ の 意 味 は, 人 的 領 域 とい っ て も主 とし て 管 理 ・ 指 導 者 もし く は ト ップ ・マ ネ ジ^

ソ ト のあ た りに 注 目し て い る の であ っ て , そ の た め の知 識 を 提 出 す る のが シ ス テ ム指 向 的 経 営 経 済 学 な の で は ない か と い うこ と で あ る 。 企業 経 営 のな か に はさ らに 別 の 領 域 に も人 間 が 存 在 す る の で あ っ て ,い わ ゆ る 第3 の意 思 形 成 中 心 点 を 形 成 す る 一 般 的 に 従業 員 , 被 傭 者と 称 せ られ る 部 類 もあ る のだ が , こ れ に た い す る 注 目は な さ れ てい ない と 非 難 す る 。 た だ あ る と し て も立 法 者 が 定 め る 範 囲 もし く は 方 策 に 関 し て の み に 限 定 し て こ れ ら の 人 的 領 域 が 扱 わ24) れ る の であ るか ら十 分 とはい え な い と し て い る 。

もち ろ ん 別 の と こ ろ で ウル リ ッヒ は 人 間 に 高 い 価 値を 置 か ない で , 制 御 回 路 の な か の 殴 械 的 エ レ タソ ト ヘ と 人 間を お とし め る こ と は 誤 りであ る こ と , そ の こ と は シ ス テ ム理 論 と サ イ バ ネ テ ィ ク スの 知 識 の不 足 に よる の だ と す る 考 え を 提 示 し てい る の で あ る が, 上 述 の シ ュテ ーレ の 批 判 にあ る 部 分 もま た 認 め な くて は な ら な い 。 し か も もっ と 決 定 的 な 判 定 は 機 能 領 域 に 基 づ く 基 準 に 従 っ た 部 分 に おけ る シ ステ ムに おい て 人 間 が 活 動 し てい る か , また は 人 間 が 把 え ら れ てい る に 過 ぎ ない のだ とす る認 識 であ る。 こ れ は 依 然 とし て グー テ ン ベ ル ク的 考 え に 近づ く も の であ り, シ ス テ ム思 考 の 現在 の 事 情に は 合 わ ない の だ とい う。 人 間 は こ こ では 機 械 と類 似 の も の とし て の 行為 負担 者に な25) つ てい る と 判断 さ れ てい る。

こ う 考 え る な らば シ ス テ ム思 考が 人 間 の独 自 の立 場 を 無 視 し て い る こ と は は っ き りし て く る。 し か し ウル リ ッヒ は 如 何に し て , シ ステ ムに おい て も人 間 の 価 値が , あ るい は独 自 の意 思 形 成 点 と し て 存 立 す る か に 苦心 し てい る よ うに 見 える 。 そ れ が 成 功 す る か ど うかを 別 にし て , 企業 経 営 にお け る 人 間が ど のレ ベル に おい て も認 容 さ れ る べ き こ とに 注 目す る 発端 を 開 い た のが シ ス

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テ ム思 考 だ と い う こ とが で き る。 た だ 我 々 は シ ス テ ムの 考 え 方 に た いし て 未 だ そ の 本 質 へ の接 近 は し て い な い か ら , 注 目点 が 得 ら れ た こ と だ け で 満 足し な く て は な ら ない 。 果 し て こ の 傾向 の思 考 は 経 営 組 織 論 に と っ て不 用 か また は 有害 な のか は, シ ス テ ム理 解 そ の もの を 待 た ね ば な ら な い。 さ ら に 付 言 す る と, シ ステ ム思 考 が よ り一 般 的 な (あ るいは 企業 ヒエラルヒーの底辺にあ る)

従業 員 の立 場 に た い す る よ り多 く の 容認 の必 要 性 を 与 え て く れ た こ と は大 き なy リ ッ ト とい わ ねば な ら ない 。 本 来 , シ ス テ ムの 考 え に 古 い と か 新し い と か があ るか は 分 か らな い が , そ の 考 え方 に は 変 化 があ る こ と は 想 像 がつ く。

こ の変 化 に 合 わせ て, 今 のシ ス テ ム思 考 は , と くに 組 織 論 に お い て も「 経 営 のな か で 活 動 す る 人 間 の自 己 価 値 に 一 致 し た構 想的 な組 入 れ」 を う まく や っ て は い る のだ とし て い る。 こ れ に 関 し て 具体 的 に 最近 の シ ス テ ム思 考を 採 用26) し た 何 人 か の 論 者 を あ げ て 示 し てい る。 し か し 我 々 は, も っ と シ ス テ ムそ れ 自体 の追 究 の後 に 人 間 存在 と のか か お りあ い を 語 りた い と 考 え てい る。

人 格 主 義 的 思 想 を 中 心 に し た 人 間 立 場

こ の項 目の 最 初 か ら人 間 の立 場 に つ い てか な り曖 昧 な説 明に 終 始 し た の で27) あ る が , 実 際 に シ ュテ ーレ は ど の よ うな 説 明を し て い るか を 見 て み よ う。 た だ こ こ で は 人 間 立 場 の 説 明 を 詳 し く 行 う の で な くて , 経 営 経 済 学 か ら 出 発し 経 営 組 織 論 へと 入 って い く 過 程 に お け る(ひとつの,後段の準 備としての) 説 明 と い うこ と に な る。 そ のと き に は , こ の説 明に 我 々は か な り全 面 的 に 賛 成 す る こと に な る筈 であ る。

結 論 的 で は な い が , ご く大 雑 把 に 言 え るこ とit. 人 間 が ど の く ら い 自 由 で あ り う る のか , ど の よ うな 社 会 体 制 に お い て , ど の く らい 自 由 な の か , また 差 当 って 考 え ら れ る限 りの 最 も大 き な 組 織 体 とし て の 国 家( とか社会)が ど の程 度 の 自 由を 保証 す る のか , 基 本 法 と人 間 の 自 由 の関 係 は ど うか な ど を 問 題に す る と きに 人 間存 在 の意 義 が 認 識 さ れ て く る ので あ る。 こ の と き に 共 通 的 に 「 自 由」 とい うこ とが 根底 に あ っ て ,人 間が ど の く らい そ れ を 享 受 で き る か が課 題 と な る の だ が, もち ろ ん ,そ れ が 無 制限 に あ る のが よい とい うの で は ない 。 自 由 は常 に 他 の課 題 と の 矛盾 を 含 む も のだ とす る観 察 が あ る。

こ うい う思 考 様 式 は ,「 人 格 主 義 の哲 学 的 方 向 に か な り 一 致 す る 価 値 観 」23) を 土 台と す る も のだ と され て い る。 そ の 基 本的 洞 察 は 哲 学 の専 門 領 域 に 委 ね

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る とし て, 経 営 経 済学 に と っ て重 要 な の は,「 人 格 主 義 が , エ ゴイ ズ ム と 個 人 主 義, 実証 主 義的 決定 論 , 純 粋 に テ クノP ジ ー的 , 自然 科学 的 思 考, 強 制29) 力 のお 説 教 , 官 原 化 , 組 織 独 立 性 , そ し て 全 く一 般的 に は 手 段 か ら 目的 へ の 転 換 に 対 し て の 反 作用 とし て 理 解 さ れ る 」 こ と な ので あ る 。

と か く 人 間 は こ れ ら の 問 題 に よっ て 拘 束 され , そ れ に 従 属し て い た し , 現 在 もそ の よ うな 状 況 に あ る の は 多 く の 人 の 認 め る とこ ろ で あ ろ う。 そし て そ れ は 一 種 の呪 縛 作用 を し てい て ,そ れに 従 っ て さ え い れ ば 人 間 は安 全 で あ り , より成 果 を 収 め る も の と 信 じ ら れ てい る。 経営 学 にお け る 科学 的 管 理, 行 動 科 学 的 思 考, 大 組 織 の安 全 性 へ の 信 頼 , 一 種 の 超民 主 主 義 に 根 を 置い た 個人 主 義 な ど例 を あ げ た ら き りが な い 。 我 々 は ,し かし す べ て これ ら の 事 柄を 悪 い もの と し て 捨 て よ う と命 令 し て い る の でな い こ と も他 方 で念 頭 に 置 く べ き で あ ろ う。

要 す る に , こ こ で示 す べ き人 格 主 義 は シ ュ テ ー レ の 言 う如 く,「 人 間 か ら

(そし て物か らでは ない)あ ら ゆ る 価 値 は 出 発 す るこ と , そ し て 人 間 は 価 値 源 泉 の みな らず , 価 値 尺 度 であ り 価 値 目 標 で あ る と 規 定 す る 」 こ とに 意味 があ る。 こ の際 に 「 人 間 は ペル ソ ナ とし て 理 解 さ れ て, (自己)意 識 と 自 由を 備 え た 本体 で あ り, た だ 自己 存 在 に の み 帰 属し , 他 の ど の よ うな 管 理 地 位 に よ って 所 有 され うる の で は な い 。 そ のた め に 人 間は 他 の人 間 もし くは 社 会 的 構 成 体 に , 手 段 また は 用 具 と し て 役 立 て ら れ る こ と は で き な い 」 と い う陳 述 が30) そ の 内 容 を 示 す もの で あ る。

こ の よ うに 敢 え て 反 科 学あ るい は 反 組 織 的 言 明 を な す 背 景 は ど うい う も の な のだ ろ うか 。 シ ュ テ ー レ 自 体 は もち ろ ん 科 学 や 組 織 の無 益 性を 少し も言 っ て い る の で は ない の であ る が ,表 面 的 に は そ の よ うな印 象 を 一 見 し た とこ ろ で は受 け るか もし れ な い 。 そ の反 対 に や た ら と 規 範な り法 則 を 無 理 強 いし て い るの で もな い 。 そ れ は単 純 に ,「 人 間 が , 自己 決 定 を 経 由し て, 意 識的 自 己 価値 の 源 泉 とし て , 自 己 の 存 在 を 実 現 す る よ う努 力 す る。 人 格 主 義 は人 間 を 没 人 格的 価値( 没自我化) へ と 向 け る こ とに 逆 ら う ので あ り, 人 間 の人 格 的 存 在 を 無 視 す る よ うな 規 範 や 法 則 の 容 認 に 対 立 す る も の であ る 」 とい う言 明 を 受 入 れ る こ と で あ る。

そ れ は理 論 のた て か た の問 題を 相当 含 ん でい る こ とを 教 え る。 す な わ ち , 我 々 の 観察 対 象 と な る も のが 果 し てい わ ゆ る 目 に見 え る, 手 に 触 れ られ る も

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の だけ に限 定 さ れ る べ き か ど うか の 問 題で あ って , 理 論 形成 が こ の 限 界 を 越 え た と こ ろ で 企 て ら れ る べ き か ど うか の事 柄が 問 われ て い る こ と を 知 る。 こ れ は か な り 荒 っ ぽ い 表 現 な の で 誤 解 を 避 け るた め に 我 々 は さ ら に シ ュテ ー レ31;

の 結 論 部 分 に は い っ て い か ね ば な ら な い 。

お よそ 人 間 を 扱 うこ と は 従 来 か ら の 方 式 で 可 能 か ど うか の 問 題 が 併 せ て 具 体的 課 題 と さ れ る。 こ れ まで の  ̄診断 的 , 新 実 証 主 義的 , 没 価値 的 科 学 理 解J32 だ け が あ り さえ す れ ば よい とい うの で な い こ と を 語 って い る。 こ の際 に) 方) 法 論 的 議論 の場 でな い こ とを 承知 し て 深 入 りす る こ とを 避 け ねば な らな い が , 認 識し えな い か ら とト う理 由 で, 現 象 の , あ る い は 追究 され るべ き対 象 の表 現 的 現 象 に だけ と ど ま って い て は 真 に 人 間 の 解 明 は不 可 能 だ とす る思 想 が あ る よ うに 思 わ れ る。 真 の現 象 は 認 識 の 背 後に あ るか もし れ な い に もか か わ ら ず , 方 法 論 的 用 具 性 のた め に そ れ を 無 視し て よい も のだ ろ うか と す る 疑 問 が 当 然 で て く る。

そ の こ と は 或 る 意 味 で は 客 観 的 な も の の 考え 方 の 修正 を 余 儀 な く す る もO で あ ろ う。 余 り に 認 識 可 能 な もの ば か りを 追 い 求 め ると ど うい うこ と に な る か が そ の際 に問 題 と な る 。 若 し 現 実 が そ うい う も のに 限 定 さ れ る と す れ ば , 誰 が み て も同 じ だ とい う一 種 の コン セ ンサ スに 基 づ く こ と に な る の だ が, こ の コン セ ン サ ス は 永 続 的 に あ る の で は な くて , 常 に 取 消 の 危 険に さ ら され て い る も の とい う こ と が で き よ う。 そ うす れ ば 認 識 で き る とい うこ と は 暫定 的 な もの に な ら ざ るを え な い で あ ろ う。 社 会 科学 的 現象 に お い て 客 観的 だ とい う と きに 「 間 主 観性 」 が あ れ ば よい と 言 わ れ る が ,そ の こ とに よ って 結 局主 観 のな か で も優 勢 な 位 置に あ る 立場 が 客 観 性を 決 め る こ とに な りか ね な い こ とに な る。 そ れ は ま さに 主 観 性 な の か もし れ な い 。

我 々は こ こで 主 観 性 を 追 放 せ よ とい っ てい る の では な い( だからといって積 極的に主観的になれとい うので もない)。 認 識 可 能 な 現 実性 のみ が 客 観 性 を 保 証 し てい な い こ とを 知 ろ うとす る も の で あ る。 そ こで 例 示 と し て ,「 人 間 的 作 業 給 付を 経 営 手 段 や 原 材 料 と全 く同 じ く 分 析 す る こ とに よ って , 人 間 的 労 働 の 収穫 性 の 経 済的 局面 が把 握 さ れ るけ れ ど も, 労 働 す る人 間 を 正 し く扱 っ て い る こ とに はな らな いJ と示 さ れ てい る が , 明 ら かに こ れは 客 観 性 の弱 点 を 知 らせ る も の であ る。 そ し て客 観 性を 求 め るに は あ る 技術 を 要 す る ので あ り。

そ れは い わ ば 「 物 化」の認 識 テ ク ニ ッ クだ とい うこ とが で き る。 こ れ さ え 用

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参照

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