「ようだ」 の意味・用法について(二〇〇五年度卒業論文要旨集)
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(2) 指示詞の日中対照文脈指示﹁その﹂を中心に 日本語学研究宅一四〇五 小川真理恵 本研究のねらいは、日本語の文脈指示の﹁その﹂と中国語の. ﹁ようだ﹂ の意味・用法について. 日本語学研究室 二〇四九 黒澤 英靖. 本研究は、現代日本語の書き言葉の確立期と言われる、明治. 実態を、量的な観点からの分析により明らかにしたものである。. 時代後半から大正時代の時期における助動詞﹁ようだLの使用. 本語の小説三冊から﹁その﹂ の用例二〇三三例を取り出し、そ. が明らかになった。. 調査は ﹃太陽コーパス﹄を用いて行った。その結果、次の二点. ﹁這/那﹂ の対応関係を明らかにすることである。本稿では日 れぞれの中国語訳で﹁這/那﹂のどちらに訳されているかを調. い、﹁ようだ﹂と同じく比況を表す文語的表現である﹁ごとし﹂. 第一に、この時期に趣こった文語文から口語文への移行に伴. 査した。その際、﹁その﹂ の機能をより明確にするため、代行 指示・限定指示・指定指示の三用法に分けて考察を進めた。. の使用が減少し、対照的に、口語的表現である﹁ようだ﹂の使. その結果、﹁這/那﹂ の使用については、﹁這/那﹂に名詞の 代行機能がないため、代行指示の﹁その﹂は﹁這/那﹂と対応. 用が増加する実態を量的に裏付けた。. 第二に、連用形﹁やうに﹂と連体形﹁やうな﹂は、この時期. しないが、指定指示では基本的に対応し使用されることを示し. 二割という比率で使用されているが、連用形﹁やうで﹂と終止. 全体を通して、おおよそ﹁比況﹂用法が八割、﹁様態﹂用法が. た。﹁這﹂と﹁那﹂ の使い分けに関しては、時間的・心理的距 離が近い場合﹁這﹂、遠い場合﹁那﹂が使われるが、本研究で. 形﹁やうだ﹂は、これらとは逆転した比率で使用されているこ. は特に心理的距離が関係する場合、非現在の文脈で﹁這﹂に対 応する例は、①指示文脈が主人公の意見や状況︰心理説明であ. いる要因について、後続成分との関係に着目して考察した。﹁比. 況﹂の﹁ようだ﹂は文中で後続成分にかかる機能を持ち、﹁様態L. とが明らかになった。活用の語形により用法の比率が逆転して. 傾向があることを示した。また、現在の文脈で﹁那﹂に対応す. の﹁ようだ﹂は後続成分にはかからず、それ自体が話し手の判. る、②相対的に﹁遠い﹂と判断される対象を持つ、③﹁その﹂. る例は、①指示文脈が第三者であるまたは第三者に属する、②. 詞、中止法などによって後続成分と切り離される傾向が見られ. 断を表す機能を持つ。﹁やうで﹂﹁やうだ﹂は、句読点や接続助. 句が時に関するもので﹁この﹂に言い換え可能である、という. るもので﹁この﹂に言い換え可能である、④話し手の願いや心. ることから、その多くが﹁様態﹂を表すのだと考えられる。. 指示文脈の内容が現状と一致しない、③﹁その﹂句が時に関す 情と一致しない、という傾向を持つことを示した。. 58.
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