井伏鱒二「本日休診」論(二〇〇五年度卒業論文要旨集)
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(2) 近代文学研究室 ニー四七 安川菜津実. 井伏鱒二﹁本日休診﹂論. 近代文学研究室 二四一〇 小林はる香. 江戸川乱歩 ¶押絵と旅する男﹄論. モチーフを分析したものが多く見られる。しかしこれまで、押. として注目されてきた。従来の研究には、レンズ、凌雲閣等の. 本作品はこれまで、乱歩が繰り返し用いたモチーフの集大成. しかし、作者である井伏は、本作品で世相の描写以外に﹁一貫. ﹁本日休診﹂は、井伏の代表的世相小説としての評価が高い。 した別な話﹂を書く意図があったと語る。そこで本研究では、. は、押絵を中心とした分析で本作の特質を明らかにすることを. 絵の詳しい分析はあまり行われてこなかった。そこで本研究で. きている︶という表硯と、﹁兄﹂の姿が、﹁男﹂と﹁私﹂以外に. 本文の分析にあたって、押絵の描写で繰り返し用いられる︵生. 絵の中の﹁兄﹂が年をとって行く手について、考察した。. ねらいとする。その上で、従来、定まった解釈のなかった、押. 作中で起こる主人公の性格の変化に着日し、分析することで井 本作品では、他の登場人物との交流を通して、主人公である. 伏が世相以外に措こうとしたのは何かを追究することとした。 町医者、三雲八春の性格が徐々に変化していく。八春は戦争に 積極性を否定するようになる。八春に対して、作品冒頭に登場. の語りにリアリティを与えるという、﹁私﹂の役割である。﹁私﹂. は見えないという事に注目した。そこから見出されたのは、﹁男﹂. ょる喪失を経験したことで、以前持っていたロマンチシズムや する湯川春三は十六年前に八寿が帝王切開で取り上げた少年で. は、﹁男﹂に話を聞かされるまでは、﹁兄﹂が元は人間であった. あり、八春が失ったものを持っていた。春三との関わりによっ て、八春は再び精極性やロマンチシズムを取り戻していき、現. が、押絵の中に﹁兄﹂の姿を認め、さらにそれを︵生きている︶. という事を知らない。つまり全くの第三者である。その﹁私﹂. と思う事で、人間が押絵に変身したという﹁男﹂の物語は、読. 八春の変化は、物語の進行に大きな影響を与えるものではな. 実を見据えながらも理想を容認できるようになっていく。 く、医師としての日常を措いた様々な挿話とは一線を画する形. 者にとってリアリティのある物語となるのである。. ﹁私﹂が﹁男﹂の語りにリアリティを与える方法は、どれも、. で描かれている。本作品で描かれた世相は、終戦後の荒摩した 庶民生活であり、貧困や暴行など重い詰も多い。しかし、八春. の材料である。つまり年をとる辛が、﹁兄﹂が元は人間であっ. ︵見る︶事でなされている。﹁兄﹂が年をとる革も、そのため. 表している。井伏が世相以外で措きたかったのも、この立ち直. た事、押絵に入り込んだ存在である事を裏付けているのである。. の変化は喪失からの立ち直り、ひいては戦争からの立ち直りを りへの希望と言えるのではないだろうか。. 63.
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〔追記〕 校正の段階で、山﨑俊恵「刑事訴訟法判例研究」
〔付記〕
十四 スチレン 日本工業規格K〇一一四又は日本工業規格K〇一二三に定める方法 十五 エチレン 日本工業規格K〇一一四又は日本工業規格K〇一二三に定める方法