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博士(理学)中山 学位論文題名

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Academic year: 2021

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     博士(理学)中山 学位論文題名

Experimental study of ther ‑X mixing in symmetric GaAs/AIAs       short ‑ period  superlattices

( 短周 期超 格子 GaAs7AIAs に おける r ― X 混成)

学位論文内容の要旨

1. は じ め に

  短 周 期 超 格 子 GaAs AIAsに お い て は 、 GaAsの 伝 導 帯 の rバ ン ド 極 小 と AIAsの 伝 導 帯 のXバ ン ド 極 小 の エ ネ ル ギ ー の 上 下 関 係 は 、 超 格 子 を 構 成 す る 物 質

( 即 ち GaAsAIAs) の 層 の 厚 さ を 適 当 に 選 ぶ こ と に よ っ て 調 整 す る こ と が で き る 。   n層 のGaAsn層 のAIAsか ら 成 る 超 格 子 で は 、 直 接 型 か ら 間 接 型 へ の 移 行 (rX交 差 ) はn‑12付 近 で お き る と 考 え ら れ て い る 。  rX交 差 近 傍 で は 、2種 類 の 異 な っ た 伝 導 帯 バ レ ー 間 の 相 互 作 用 の た め に 状 態 の 混 成 (rX混 成 ) が お き る と 予 想 さ れ て い る 、 。  こ の こ と に 関 し 、 本 研 究 で は 、 以 下 の 点 を 明 ら か に す る こ と を 目 的 と し て 研 究 を お こ な っ た 。

    (a)混 成 ボ テ ン シ ャ ル の 大 き さ の 評 価 。

    (b)混 成 メ カ ニ ズ ム に お け る ラ ン ダ ム 過 程 と 非 ラ ン ダ ム 過 程 の 役 割 。   (c)rX混 成 の 超 格 子 の 対 称 性 に 対 す る 依 存 性 。

こ の 目 的 の た め に 、 (GaAs)n/ ( AIAs) ー 超 格 子(n=8 15) に 対 し て 、 低 温 高 圧 下 に お い て 発 光 のcw測 定 、 時 間 分 解 測 定 お よ び 吸 収 ス ペ ク ト ル 測 定 を お こ な っ た 。  結 果 と し て 、rX交 差 近 傍 で のrX混 成 の 存 在 を 確 認 し 、 そ の 大 き さ AIAs層 の 層 数 に 敏 感 に 依 存 す る こ と を 実 験 的 に 見 出 し た 。

2.試 料 と 実 験 方 法

  試 料 は 半 絶 縁 性 GaAs(001) 基 盤 上 に 分 子 線 エ ピ タ キ シ ー (MBE)成 長 さ せ た ( GaAsn/ (AIAs n超 格 子 ( 以 後 (n n) 超 格 子 と 呼 ぶ ) で あ る 。 試 料 の 各 層 の 厚 さ はX線 回 折 と 電 子 顕 微 鏡 測 定 の2つ の 方 法 に よ り 独 立 に 求 め ら れ 、

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よい一致を示している。  吸収測定に際しては、試料の基盤は選択エッチングにより 除いた。  試料はメリル〓バセッ卜型のダイアモンド・アンヴィルにセットした。ル ビ− ・チッ プとバル クのGaAsか らの螢光 測定に より静水圧を評価した。  圧カの 一 様 性はO.lkbar程度 で あ る。  吸収 ス ペ クト ル 測 定の 光源 として は、ハロ ゲ ン ・ラン プを用 いた。  発 光測定 の際の光 源とし て、モー ド同期Nd/YAGレ ーザ ーの2倍 波で励起 されたモ ード同 期色素(R6G) レーザーをキャビテイ・ダンブの 方法で適当な時間間隔にして用いた。  このレーザー・システムと時間相関単一光子 計 数シス テムを 合わせた 時間分 解能は約0.3nsで あった。  測定は すべて液 体ヘ リウム温度でおこなった。

3.結果と考察

  最初に、発光のビーク・エネルギーと、吸収のピーク・エネルギーを超格子の各層 の 数nの関 数 と して 測 定 した 。  これ に よ り、 (n/n) 超 格子 のr−X交 差 がn‑

13で起きることを見出した。  吸収は、伝導帯の,r電子と価電子帯のrヘビー・ホ ールとから成る直接型の励起子によるものと考えられる。  一方、発光に関しては、

nS12の試料では、発光のピークは吸収端よりも低エネルギー側にシフトしており、

これらの試料が間接型のバンド・ギャップをもつことを示している。  発光の起源は AIAs中 のX電 子とrヘビー ,ホール とから成 る間接 型励起子であると考えられる。

これ に対し て、n≧13の試 料では、発光のピークは吸収の立ち上がりに一致してお り、これらの試料が直接型バンド・ギャップをもつことがわかる。  従って発光の起 源は 、GaAs中のr電子 とrヘビー・ ホールか ら成る 直接型励起子であるといえる。

測定結果は、クローニッヒ〓ペニー・モデルを用いて計算した直接ギャップと間接ギ ヤップのエネルギー値によく一致することが見出された。  以上の結果から、(n/ n) 超格 子 に おけ る 直 接 形一 間 接 型( 或 は タイ プI―夕 イ プH) 遷移は 、n‑13付 近で起きることがわかった。

  次に、 タイブI一夕イ プ矼境 界付近に ある試 料(13/13) につい て発光、 吸収 及び 発光の時間分解測定を静水圧下でおこない、  r−X交差近傍でのr―X混成の存 在 を 強く 示 唆 する 結 果 を 得た 。 発 光ピ ー ク ・エ ネ ル ギー は、1.lkbarまで は係 数 約lOmeV/kbarで 高 エ ネ´ レ ギ ー側 ヘ シ フト す る 一方 、そ れ以上 の圧力領 域 で は 約‑2meV/kbarで 低 エ ネ ル ギ 一 側ヘ シ フ トす る こ とを 見 出 した 。  こ の

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圧 力 依 存 性 は 、1.lkbarで 試 料 が 直 接 型 か ら 間 接 型 ヘ 移 行 (r一X交 差 ) し た ことを示している。  交差近傍での発光寿命の測定を行った結果、寿命は、直接型領 域では、ナノ秒程度で指数関数的に減衰する一方、間接型領域では摂動論で予想され るように圧カの2乗に比例して急激に長くなることを見出した。  しかしながら、直 接 型 的 な 速 い 減 衰 が1.lkbarの 交 差 点 よ り も 高 い 圧 力 範 囲 (^Jl.4kbar) でも観測された 。  これはr―X混成のために間接型励起子の輻射減衰率が増大した ためであると考 えられる。  さらに吸収ピークについてもr―X交差近傍で圧カに対 する線形性が保たれていないことを見出した。  このことも、寿命測定の結果と併せ て、交差付近で のr−X混成の存在を強く示唆している。

  次 に 、 (14/14) , (15/15) 超 格 子 に お ぃ て 、 輻 射 寿 命 の 比 較 を お こ な い 、r―X混 成が 層数nに強 く依 存す るこ とを 見出 した。  静水圧によって、r―X エネルギー分裂(△)を変化させたときの、各試料の輻射寿命の変化は、どちらの試 料 に関 して も、 △の2乗に 対し て線 形に 増加 して いるが、その依存性はn‑14の試 料に対しての方 が顕著であった。  即ち、同程度の△に対しては常にn一―14の試料 の 寿命 が長 くな って いる。  この結果は、対称的な超格子(n/n)におけるF―X 混成度は、nが奇数の試料に対しての方が大きいことを意味している。  同様の結果 が 、n‑8〜12の試 料に 関し ても 得ら れた 。  輻射 寿命 がnの 偶奇 に依 存す ること は、とりもなお さずF−X混成が存在していることの直接的な証拠であるとぃえる。

最 近の バン ド計 算に よれ れぱ 、r−X混成 は、AIAs層の 層数 に強 く依 存す ること が 示唆 され てい る。  これ を併せて考えると、我々の結果は、奇数のAIAs層をも つ試料の方が、 偶数のものよりも、r−X混成が顕著であることを示しているとぃえ る。

  タイプI領域における発光強度の減衰曲線の解析結果から、混成の主なメカニズム が、超格子界面の無秩序ボテンシヤルによる散乱過程であり、非無秩序な過程による 寄与は非常に小さいことがわっかた。  最後に、輻射寿命の測定と吸収ピークの圧力 依 存 性 の 結 果 と か ら 、r−X混成 に対 応す るポ テン シヤ ルが 、約1.8meVと 求め られた。

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(4)

学位論文審査の要旨 主査

副査 副査 副査

教授 教授 助教 授 教授

井上 中原 大川 南

久 遠 純 一郎 房 義

不 二雄(東京工業大学理学部)

学 位 論 . 文 題 名

    Experi mentalStudy  of  the  r‑x  mixing  in  symme tric     G aAs/AIAsShort‑pe riod  superla ttices

    (短周期超格子G aAs/AIAsにおけるr‑x混成)

  二種類の半導体を交互に人工的に積層させた超格子は、典型的な準二次元電子 系であり、低次元化に伴う新しぃ物理現象を研究する格好の場となっている。ま た、構成物質の組み合せや、周期即ち層厚を変えることにより電子や正孔の量子 閉じ込め状態を制御できるため、新しぃ物質設計の道を開くものと、して応用上も 注 目されている。就中、GaAs/AIAs系は近年のMBE法等の結晶育成法の進歩に よって良質な試料が得られるようになり、超格子のモデル物質として集中的に研 究されている。しかしながら、電子構造の最も基本的ないくつかの側面は未だ解 明に至っていない。GaAsに由来する伝導帯のrパンド極小と、AIAsの伝導帯の Xパンド極小のエネルギー関係は、GaAs層の厚さに依存する。即ち、厚きによ り量子閉じ込め効果が変わるため、十分厚い場合には前者がェネルギー的に下に なり、十分薄い場合には後者が下になる。価電子帯の極大は常にGaAsのrの位 置にあるため、それぞれI型、II型と分類される。光励起した場合に、伝導帯極 小準位から価電子帯極大準位への発光は、前者では強く、後者では弱いことで特 性づけられる。

  この研究は、GaAsとAIAsの層厚がそれぞれ同じn層の対称超格子(n/n)に関

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混成ボテンシヤルの起源、などを明かにすることを目的として行ったものである。

研究は、n=8から15までの一連の良質な試料を対象として行った。実験方法とし ては、圧力印加を、関与する各準位の相対的エネルギーを変化させることに用い、

発光、並びに吸収スペクトル及び発光スペクトルの時間分解のそれぞれの観測に よった。主な成果を以下に要約する。

1、I型からII型への移行は、nが12から13でおきる。即ち、nく12ではAIAs層 のX点が超格子周期でr点に折り返えされたXz(Z;層成長方向)が伝導帯の極小 である。XzがXxyより下であることは、発光の一軸性圧力依存性から同定でき た。

2、II型の発光の機構が、r‑x混合によるものであることがわかった。即ち、発 光の時間滅衰曲線は、非指数関数的な特色を示しており、この解析から、GaAs とAIAsの 界 面 の 一 層 の ゆ ら ぎ が 混 合 の 起 源 と な っ て 発 光 す る 。 3、I型とII型の境界付近にあるn=13の試料に関して圧力下での詳細な実験から 次のこと が判明した 。即ち、 発光と吸 収スペクトルの対比から、r‑x交差は l.lkb arでおこる。交差近傍での発光寿命測定は、l.lkb arを過ぎた1.4kb arま で依然としてr的な速い減衰を示す。この事実は、関与した状態がr.x混成から 成り、r成分に寄因したものである。さらに、吸収スペクトルの圧力依存性も、

1.1 kbar近傍で異常を示す。従って、r‑x混成が生じていること、混成ポテンシ ヤ´レが2meVであることがわかった。

4、II型の領域における発光寿命がnの偶奇に強く依存することを見い出した。

即ち、静水圧によってrとXのエネルギーの差△を変化させたとき、n=14.15の 各試料の発光寿命は△の2乗に対して線形に増大するが、n=14の場合の方が顕 著である。また、n=8‐12の試料に関しても同様な結果が得られた。このことは、

r‑x混合がAIAs層の層厚に強く依存し、対称性の関係から奇数の場合の方がr‐ X混成が強いことを示している。最近の理論における論争に終止符をうつ結果を 得たことになる。

  以上のように、申請者は種々の分光手段により、また圧力印加手段を併用して、

GaAs/AIAs超格子の量子閉じ込め電子構造の基本的な解明を行い、多くの重要 な知見を得ることに成功した。これらの威果は、半導体物理学、並びに低次元系 物性物理学の分野の進歩に大きな寄与を与えるものであり、高く評価される。な お 、 参 考 論 文7編 は い ず れ も 権 威 あ る 国 際 誌 に 発 表 さ れ て い る 。   以上の所見に基づき、審査員はー致Iして申請者が博士(理学)の学位を受ける のに十分な資格を有するものと認めた。

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