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飛 翔 体

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Academic year: 2022

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(1)高速飛翔体の斜め衝突に対するコンクリート板の損傷および跳飛角に関する実験的研究 防衛大学校. 学生会員. ○田中信行. 正会員. 大野友則. 正会員. 別府万寿博. 1.はじめに 物体の高速衝突を受けるコンクリート構造物 の安全性を検討する場合,表面破壊・貫入・裏. 13.7mm. 面剥離・貫通などの局部破壊を予測する事が重要である.本研究は,700m/s の高速度で発射し た飛翔体を入射角を変えてコンクリート板に衝突させ,跳飛角度や跳飛速度,および破壊の発 生条件について検討したものである.さらに,貫入深さや裏面剥離限界について, 代表的なコ ンクリートの局部破壊評価式である修正 NDRC 式と比較した.. 飛 翔 体. 14.0mm. 7.62mm. 図‑1 飛翔体の寸法. 2.実験の概要 本実験は,飛翔体発射装置より約 7.0m 離れた位置に,コンクリート板を設置した.発射 装置により飛翔体を約 700m/s の速度で発射し,コンクリート板に衝突させた.本実験で用 いたコンクリート供試体は圧縮強度 375.9kgf/cm2 ,寸法 500mm×500mm×70mm のコンクリ ート板である.飛翔体は図‑1 に示す直径 7.62mm,長さ 27.7mm,質量 10.0g で先端が非常に 尖った鉛製である.実験では,供試体前面および飛翔体が跳飛する方向に検速紙を設置して 飛翔体の衝突前後の速度を計測した.実験パラメータは図‑2 に示すように,入射角度θi と し,入射角度は 10,15,20,25,27.5,30,45,60,90 度とした.. ート クリ θr コン θi 飛翔体. θi :入射角度 θr :跳飛角度 図‑2 入射角度. ( 1) 飛翔体の衝突後挙動 図‑3 に,飛翔体の入射角度θi を変化させた時のコンクリート板に生 じる表面破壊の深さを示す.これより,飛翔体がコンクリート板に対 して垂直に衝突する場合(θi =90°)では約 3c m の深さであるが,入射 角が浅くなるにつれて次第に小さくなっている.とくに 30°以下では 急減していることがわかる.図‑4 に,入射角度と跳飛角度の関係を示 す.ここで飛翔体の跳飛とは,コンクリート板に衝突後,飛翔体が貫 入せず,進行方向を変化させて運動を続けることを示す.実験では入 射角度θi が 10°から 25°の範囲では飛翔体の跳飛が生じたが,θi が 27.5°から 90°の範囲では跳飛が生じなかった.つまり跳飛限界角は 25°〜27.5°の範囲であることがわかった.図‑5 には入射角度と跳飛 速度の関係を示している.これより,跳飛限界の 27.5°から 15°まで は跳飛速度が 400m/s 前後であるが, 10°まで小さくなると速度はあま り減少せず,約 600m/s の跳飛速度になることがわかる.. 3.0 2.0 1.0 0.0 0. 30. 15. 跳飛発生範囲. 10 5. 跳飛限界角範 0 10. 横須賀市走水 1-10-20. 防衛大学校建設環境工学科. 20. 入射角度θi. 25 27. 3030. 図‑4 飛翔体入射角度に対する跳飛. 跳飛速度(m/s). 800 600 400 200 0 0. 10. 20. 30. 入射角度θi 図‑5 飛翔体入射角度と跳飛速度の関係. キーワード:高速衝突,貫入量,裏面剥離限界厚,貫通限界厚,跳飛角度 連絡先:〒239-8686. 90. 20. 0. ( 2) コンクリート板の破壊状況 写真‑1 に,コンクリート板の表裏の破壊状況を示す.裏面剥離が 生じたのは入射角度θi が 90°および 60°の 4 ケース中,2 ケースの みであった.また,いずれの場合においても,表面の破壊面積よりも 裏面剥離面積の方が大きかった.これは応力波が衝突部から裏面へと 広がりながら伝播するためと考えられる.θi =15°では表面破壊はほ とんど生じていないことがわかる. 図‑6 に,飛翔体の入射角度とコンクリート板表面において破壊し た部分の体積の関係を示す.ここで破壊の体積は,破壊部分の縦,横 方向の寸法と,破壊深さから,円錐に換算して求めた.これより,コ ンクリート表面の破壊体積は,限界跳飛角 27.5°から 90°にかけて ほぼ比例して増加している.限界跳飛角以下での破壊体積が小さいの. 60. 入射角度θi 図‑3 貫入深さと入射角度の関係. 跳飛角度θr. 3.実験結果および考察. 破壊深さ(cm). 4.0. Tel 046-841-3810. Fax 046-844-5913.

(2) は,跳飛が生じるために衝突前後の運動エネルギー差が小さくなるた めと考えられる.. 表面. ( 3) 修正 N D R C 式との比較 飛翔体がコンクリートに衝突した場合の貫入深さ,裏面剥離限界厚, 貫通限界厚の予測式は数多く提案されているが,一般によく使われて いる式の一つに以下に示す修正 NDRC 式がある. 1. 8.  1. 8 x = 1 .21 ⋅ 10 −5 ⋅ NW (V 0 D )  裏面剥離限界厚; s = 2.12D + 1. 36x 貫通限界厚;. fc. ′. ′ fc +D . 表面. 裏面. x ≤ 2 D ・・・(1a) x ≥ 2 D ・・・(1b). x ≥ 0. 65D. ・・・(2). e = 1. 32D +1.24x x ≥ 1.35D. ・・・(3). ここに,x:貫入深さ(c m),N:先端形状係数,W:飛翔体の重量(kgf), D:飛翔体の直径(c m),V0 :飛翔体の衝突速度(cm/sec),fc’:コンクリ ートの圧縮強度(kgf/cm2 ),s:裏面剥離限界厚(cm),e:貫通限界厚(c m) である. 以下に,修正 NDRC 式を用いて実験結果と比較検討してみる.本実 験の条件(飛翔体の先端が非常に鋭い先端形状係数 N;1.14,飛翔体の 重量 W;0.01kgf,飛翔体の直径 D;0.762c m,衝突速度 V0;70000cm/s, コンクリートの圧縮強度 fc’;375.9kgf/cm2 )を基に試算すると,貫入深さ は 6.87c m,裏面剥離限界厚は 10.96c m,貫通限界厚は 9.52c m となり, これは実験値を過大に評価している.修正 NDRC 式は剛飛翔体の実験 結果に基づいて提案されたものであるが,本実験で用いた飛翔体は鉛 製であり,衝突により変形・破壊した.つまり,飛翔体は可変形性を 有するので,修正 NDRC 式に修正係数を乗じて修正する必要がある. 各ケースにおいてコンクリート面法線方向の速度成分を求めて入射角 度とし,修正 NDRC 式に用いた結果と実験で得られた結果を整合させ ると,修正係数は 0.455 となる.図‑7 に,修正 NDRC 式に修正係数を 乗じた結果と実験結果の関係を示す.これより,修正 NDRC 式に適切 な修正係数を乗じることで貫入深さを評価できることがわかる.また 貫入深さが非線形的に大きくなる傾向も一致している. 裏面剥離限界については,実験結果より 60°の場合が裏面剥離の発 生限界であると考えられる.修正 NDRC 式を用いると θi =60°の場合. θ i=60°−表面 (b)θi =60°θ i=60°−裏面. 表面. 表面. θ i=45 °−表面 (c)θ =45°. θ i=15°−表面 (d)θ =15°. i. i. 写真‑1 コンクリートの破壊状況 コンクリートの破壊量(cm3). x = 0 .00697 NWD (V 0 D ). θ i=90 °−表面(a)θi =90° θ i=90 °−裏面. 120 100 80 60 40 20 0 0. 30. 60. 入射角度θi. 90. 図‑6 飛翔体入射角度に対するコ ンクリート表面の破壊量 4.0. 貫入深さ(cm). 貫入深さ;. 裏面. 3.0. 実験結果 修正係数を乗じた結果 実験結果の3次回帰曲線. 2.0 1.0 0.0. の裏面剥離限界厚は 9.05c m となる.本実験のコンクリート板の厚みが 0 30 60 90 7c m であるので,修正 NDRC 式で得られる結果を実験結果に整合させ 入射角度θi ると,修正係数は 0.77 となる.この場合,θi =90°の時の裏面剥離限 図‑7 修正係数を乗じた修正 NDRC 界厚は 8.44cm となり,必ず裏面剥離 が生じる.また,θi =60°の場合 式と実験結果の比較 は 6.97cm となり,実験結果とほぼ一致する. 貫通限界は修正 NDRC 式に修正係数を乗じて得た貫入量 x’を代入すると,一番貫通限界厚が大きいθi =90°にお いて 4.88cm となる.すなわち,本供試体には貫通が生じないことを示しており,実験結果と整合している. 4.まとめ (1)コンクリート表面から飛翔体衝突軸に対する飛翔体の 入射角度θi が 0〜25°の場合,飛翔体がコンクリート衝 突後に跳飛が生じること,また跳飛が生じる範囲でθi が小さくなるほど跳飛速度が大きくなることがわかった. また入射角度θi が減少するにつれ,コンクリートの損傷量が減少する. (2)修正 NDRC 式の貫入深さ評価式に修正係数を乗ずることにより,柔飛翔体の高速衝突を受けるコンクリート板 に生じる表面破壊深さ,または貫入量,裏面剥離限界厚,貫入限界厚がほぼ評価できる..

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