• 検索結果がありません。

Microsoft PowerPoint - device11 Summary

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2022

シェア "Microsoft PowerPoint - device11 Summary"

Copied!
40
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

電子デバイス工学 (11)

学科共通 2年目必修科目

B組 教室:A13、毎週水曜日10:30-12: 00(2講目)

太田裕道 (情報エレクトロニクス専攻/電気電子工学コース・

内線9428, hiromichi.ohta@es.hokudai.ac.jp) スライドショーで見てください。

スライドショーにしてから、画面上で右クリックして、「発表者ツールを表示」を選択

出席の代わりに、最後のページで指定された部分の授業 のノートを写真に撮って、

7月15日 13時まで

に電子メールで送ってください。写真は1枚でOKです。

では、電子デバイス工学11回目の講義を始めます。今日はこれまでの講義内容 の復習をします。今日も出席の代わりに、授業のノートを写真に撮ってメール で送ってもらいます。提出する部分が決まっていますので、注意してください。

1

(2)

1. 半導体の基礎知識

・絶縁体・半導体・金属のちがい

・半導体材料

代表的な半導体材料、結晶構造、エネルギー準位、バンド構造、フェルミエネルギー

・キャリアおよびその伝導型と濃度の制御方法

p型、n型、正孔(ホール)、伝導電子、アクセプタ、ドナー

・半導体中のキャリア輸送 ドリフト電流、移動度

2

(3)

固体材料は導電率の違いにより、金属、半導体、絶縁体の3つに大別される。エネルギーバン ド理論によるとこれらはバンドギャップの違いで説明される。Siのバンドギャップは1.12 eVであり、

絶縁体であるSiO2は9 eV程度である。このように半導体のバンドギャップは絶縁体と比較し小 さい。バンドギャップが小さいほど導電率は大きくなり金属に近づく。

絶縁体 半導体 金属 金属

Naなどの1価金属 Mgなどの2価金属

まずは中間試験のようなチェックの問題と解答から。さすがにこれは皆さんほ ぼ全員間違えずにできていました。

3

(4)

電気伝導を担う電荷をキャリアという。キャリアには負電荷の電子と正電荷の正孔(ホール)

がある。電子が多数である半導体をn型、正孔が多数である半導体をp型とよぶ。半導体は不 純物を添加(ドーピング)して導電率を大幅に変えることができる。電子を発生する不純物はド ナー、正孔を発生する不純物はアクセプターとよばれ、半導体内でそれぞれドナーは+イオン、ア クセプターはーイオンとなる。またこれらのイオンは半導体結晶内を動くことができない。

ドーピングについては間違えて覚えてしまった人がちらほらいました。

Siの結晶は、Siの電子配置の最外殻電子(価電子)4つを、隣接する4個のSi原子 と1つずつ共有してできています。このSi結晶に、価電子を5個持っているPを ドーピングすると、Pの持っている1個の価電子は余分なので、Pは、電子を1個 Si結晶にあげて、自分は+イオンになります。電子を与えるので、ドナーと呼ば れます。また、価電子を3個しか持っていないBをドーピングすると、Bは隣のSi の価電子を受けとって、自分はーイオンになります。電子を受け取るので、ア クセプターと呼ばれます。P+やB イオンですが、共有結合という非常に硬い結 合をしているので、結晶の中では動けません。間違えた人はここで覚えてくだ さい。

4

(5)

1.3 結晶の単位胞と方位 Si 結晶

ダイヤモンド構造

a

格子定数a= 0.543 nm

p.5

Siの結晶の構造はダイヤモンド構造と呼ばれます。その名前の通り、Si原子をC 原子にしたものがダイヤモンドです。

5

(6)

1.3 結晶の単位胞と方位

a

GaAs 結晶

閃亜鉛鉱型構造

p.5

この講義でSiに加えて登場するGaAsという半導体がありますが、その結晶の構 造もSiに似ています。閃亜鉛鉱型構造と呼ばれます。

6

(7)

Si結晶のエネルギーバンド

Si 3s

2

3p

2

sp

3

横軸はSi-Si間距離の変化に相当する結晶Siの格子間隔、縦軸は電子エネルギー です。この枠内に描かれているのは、Si 3s軌道、3p軌道、sp3混成軌道を表して います。右のほうはSi原子とSi原子の間隔が無限大、つまり、結合していないSi 原子で、5.43Åの時がSi結晶です。Si原子の時には3s軌道に2個、その上の3p軌 道に2個の電子があります。Si原子同士を近づけていくと、「軌道の混成」が起 こり、4つの等価なsp3混成軌道ができます。結合するときには、sp3混成軌道の 結合性軌道のエネルギーが下がり、反結合性軌道のエネルギーが上がります。

(バンドギャップができる)電子はエネルギーが低い軌道に入るので、4個×N 原子の価電子はすべて結合性sp3混成軌道に入ります。これが価電子帯です。一 方、反結合性sp3混成軌道は電子がいない伝導帯になります。

7

(8)

半導体に電圧を印加するとキャリアは半導体内の電界に比例した速度で移動する。このとき生 じる電流をドリフト電流という。比例係数は移動度とよばれ、物質固有の定数である。その他にも キャリアの密度差によって生じる電流もあり、拡散電流とよばれる。

+

電子

金属電極 金属電極

距離

a

を時間

t で進む

ドリフト速度

v

[m/s]

距離

a を移動に要した時間 t

で割って得られる平均速度

移動度

μ

[m2/Vs]

単位電界

E

[V/m] あたりのド リフト速度

m = a

2

/ V t

𝜇 = 𝑣 𝐸 = 𝑎

𝑡 / 𝑉 𝑎

ドリフト電流、移動度は皆さんよくできていました。

8

(9)

2. pn接合ダイオード

・pn接合のバンド図

拡散電位(内蔵電位)、空乏層

・pn接合を流れる電流

電流­電圧特性の整流性とそのメカニズム 拡散電流

9

(10)

q F

D

= qV

bi

拡散電位=ビルトインポテンシャル

p.38

p型

n型

試験によく出る

この絵は皆さん宿題で描きましたね。

10

(11)

qF

D

= qV

bi

= E

fn

E

fp

q F

D

= qV

bi

= E

fp

− E

fn ビルトインポテンシャル qVbi 拡散電位 qΦD

拡散電位=ビルトインポテンシャル

p.38

覚えること

n型 p型

電位障壁 試験によく出る

接合前の絵です。重要なことは、n型半導体のフェルミ準位

E

fnとp型半導体の フェルミ準位

E

fpの差が、ビルトインポテンシャル

q

Vbiになるということです。

11

(12)

6.2 pn接合ダイオードの整流特性

p.39

試験によく出る

順方向特性

逆方向特性

IS: 逆方向飽和電流 少数キャリアによるわずか な電流

~𝑉

ブレークダウン電圧

(降伏電圧)

この電流 電圧特性もノートに描きました。

描くときのポイントは、順方向特性の立ち上がった後の直線性。立ち上がり電 圧がほぼビルトインポテンシャルであるということ。逆方向特性では、少数 キャリアによるほんのわずかな電流が流れていること、次のページで説明する ブレークダウン電圧(降伏電圧)と逆方向電流が急に流れるということ、です。

12

(13)

3. バイポーラトランジスタ

・バイポーラトランジスタの構造と基本特性 エミッタ、ベース、コレクタ

・動作のための接続(バイアスのかけ方)および動作原理 エミッタ接地形式、電流増幅率

13

(14)

8.1 バイポーラトランジスタの動作原理

p.51

pnp型

npn型

「pnp型」「npn型」のバイポーラトランジスタの構造は、図のようになってい ます。まずは、右側の図を見てください。

「pnp型」では、n型半導体が2つのp型半導体に挟まれています。3本の電極が 取り付けられています。n型半導体にはベース(B)電極が、p型半導体にはエ ミッタ(E)電極、コレクタ(C)電極が取り付けられています。この「pnp 型」の記号は左側の図のようになっています。n型半導体を中心に、B、E、Cの 電極が引き出されています。EからBにかけて矢印が描かれていますが、これは 電流を流す向きを表しています。エミッタ→p型→n型→コレクタなので、順バ イアスですね。

「npn型」はその逆になっています。記号の矢印がベースp型からエミッタに向 けて描かれています。ベース→p型→n型→エミッタなので、これも順バイアス です。

14

(15)

8.1 npn型バイポーラトランジスタ

p.51

順バイアス 逆バイアス

エミッタ コレクタ

ベース

これも宿題でしたが、教科書52ページの図8.2のnpn型バイポーラトランジスタ の模式図です。電源が2つ描かれていてわかりにくいと思いますが、まずは左側 の点線で囲まれた部分を見てください。

V

BEと書かれている電源が、ベース電極

→p型→n型→エミッタ電極という回路に繋がれています。このpn接合に対して、

順バイアスに電圧がかけられているので、左上の図のように電流が流れるよう にバンドが曲がりますね。ここまでだとただ単にpn接合に順バイアス電流を流 しているだけです。

次に、右側の点線で囲まれた部分に注目してください。

V

CBというちょっと電圧 が大きい電源が、コレクタ電極→n型→p型→ベース電極という回路に繋がれて います。つまり、右側は逆バイアスになるように電圧をかけていますから、右 上の図のようにバンドが曲がって、何もなければほとんど電流は流れないこと になります。では、左上のバンド図と右側のバンド図を繋げたらどうなるで しょう?

15

(16)

8.1 バイポーラトランジスタの動作原理

p.51

電子注入 拡散

エミッタ ベース コレクタ

入力に使用するエネルギー

取出せるエネルギー

真ん中のp型半導体が薄いとき、バンド図はこのように描かれます。

左側のn型から電子がp型に注入されます(電子注入)。この注入された電子は、

p型半導体が分厚ければベース電極から出ていきますが、薄い場合はp型半導体 中を拡散して右側のn型半導体に落ちます(ドリフト)。つまり、右側では逆バ イアスをかけていますが、電流が流れることになります。ここで、エネルギー について考えてみると、入力に使用するエネルギーは、pn接合の拡散電位から 電源電圧を差し引いたものです。逆に、取り出せるエネルギーは、pn接合の拡 散電位に電源電圧を足したものです。

16

(17)

8.2 I

B

によるI

C

の制御

p.53

ベースに入った電子1個が、ベースの正孔と再結合してしまったら、

ベースに正孔が1つできる=ベースの価電子が金属電極に移動

電子

ベース電流 I

B

ベース電流を減らす → コレクタ電流が減少 ベース電流を増やす → コレクタ電流が増加

ベース電流でコレクタ電流が制御できる!

「npn型」について、もう少し深く考えてみましょう。

エミッタ n型から ベース p型に注入された電子は、この図のように ベースp型半 導体の多くの正孔に囲まれることになります。注入後、濃度勾配にしたがって 電子は右側に流れますが、赤丸で示したように、電子と正孔で再結合すること もありますよね。例えば、100個注入された電子のうち、99個がコレクタn型に ドリフトできたとして、1個が再結合したらどうなるでしょう?この場合には、

消滅した電子はベースp型から電極(金属)に入ります。つまり、ここでも電流 が発生します。ベース電流

I

Bと呼ばれます。

17

(18)

8.3 電流増幅率

p.54

電流増幅率

h

fe

ベース電流変化分

ΔI

B コレクタ電流変化分

ΔI

C

(2-1)

(198-99)

= = 99

直流の電流増幅率

β=

ベース電流

I

B コレクタ電流

I

C

1

= 99 = 99 交流

ではどの程度増幅ができるのでしょうか? 前のページで紹介したバイポーラト ランジスタを例にしてみます。

まず、エミッタから100個の電子がベースに注入され、そのうち1個は再結合で 消えましたが、99個はコレクタにたどり着きました。この時の電流増幅率は、

直流の場合、

β

= コレクタ電流

I

C/ ベース電流

I

B= 99/1 = 99 となります。交 流の場合はコレクタ電流の変化分/ベース電流の変化分となりますが、電流増幅 率は同じ 99 です。

18

(19)

8.5.1 エミッタ接地

p.57

npn型を回路に適用したときの増幅利得は?

B E C 入力交流ベース電流

出力交流コレクタ電流

i

C

= h

fe

i

B

交流

直流

I

C

= b I

B

X ~100

教科書57ページを開いてください。8.5 設置形式と増幅利得です。

エミッタ接地、ベース接地、コレクタ接地がありますが、ここではエミッタ接 地だけ説明します。図は図8.6(a)エミッタ接地です。トランジスタ記号の左側が 入力、右側が出力です。入力として、ベースに交流ベース電流を、出力として、

交流コレクタ電流を抵抗Rcに入れている絵です。エミッタは接地(アース)で す。左端の絵は入力した交流ベース電流の電流波形、右側の絵は出力コレクタ 電流の波形です。縦軸の単位に注目してください。入力はμA、出力はmAです。

入力電流、出力電流の関係は、先ほど説明した増幅率を使って

i

C

= h

fe

i

B 表せます。電流増幅利得が高い、電圧増幅利得が高い、電力増幅利得が高いと いうことで、増幅器に利用されます。

19

(20)

4. MOS型電界効果トランジスタ(MOSFET)

・MOSFETの構造と基本特性

ゲート、ソース、ドレイン、nチャネル、pチャネル、IDS­VDS特性、IDS­VG特性

・MOSFETの動作原理

ゲート電圧によるチャネルの形成、電流の制御

20

(21)

11.3.2 MISFETの動作特性

p.85

試験に出ます!

V

DS < VDSsat

V

DS = VDSsat

V

DS > VDSsat

空乏層 反転層

空乏層

P P

線形領域 ピンチオフ 飽和領域

宿題でした。一定のゲート電圧を印加して、チャネルができているMISFETです。

左の絵)ドレイン電圧がピンチオフに達するまでの時、ドレイン電流はドレイ ン電圧に対して、オームの法則に従って線形に増加します。「線形領域」と呼 ばれます。

真ん中の絵)ちょうどピンチオフしています。ドレイン電流が飽和します。

右の絵)ドレイン電流が飽和して一定電流になっている状態です。

ピンチオフについては、MESFETの時の説明と同じですが、ピンチオフする以 上にドレイン電圧をかけても、空乏層が広がるだけで、実際にチャネルにかか る電圧は変化しないというのがポイントです。

21

(22)

11.3.2 MISFETの動作特性

p.85

試験に出ます!

伝達特性

MISFETの伝達特性です。ドレイン電圧は、ピンチオフ電圧よりも高く設定され ています。横軸のゲート電圧が2V以上になると急激にドレイン電流が流れてい ます。2Vのゲート電圧でp型Siをn型に反転させてチャネルを形成することでド レイン電流が流れるようになります。

22

(23)

11.3.2 MISFETの動作特性

p.85

試験に出ます!

出力特性

線形領域

ピンチオフ 飽和領域

MISFETの出力特性です。縦軸はドレイン電流、横軸はドレイン電圧です。ドレ イン電圧が小さいときはドレイン電流はオームの法則にほぼ従って線形に増加 します。ドレイン電圧がピンチオフ電圧になると飽和して、それ以上ドレイン 電圧を加えてもドレイン電流は飽和したまま一定です。

23

(24)

11.4 MOSFETの構造

p.86

チャネル幅

チャネル⾧

接地

SiO2

・絶縁体

・比誘電率 3.9

・電流リークが極めて小さい

この構造も描けるように

実際のMOSFETの構造はどうなっているでしょうか? まず、p型Siの単結晶板

(ウエハ)の一部をn型にドーピングしてn+層を作ります。次に、ウエハ表面を 高温で酸化して、熱酸化膜SiO2(ガラス)の層を作ります。ソース、ドレイン 電極になるn+層の部分だけSiO2を除去(エッチング)して、ソース、ドレイン、

ゲート電極用の金属を蒸着します。

ここで、ポイントです。半導体Siの場合、酸素中で高温で加熱するだけで良質の 絶縁体ができます。ゲート電圧を印加したときに絶縁体の質が良くないと電流 が漏れて(リーク)しまうのですが、SiO2の場合はリークが極めて小さいとい う優れた特⾧があります。

24

(25)

V

G

< 0

p.80

正孔が蓄積

蓄積

負に帯電

負のゲート電圧をかけてみましょう。かけた電圧

qV

G分だけ、絶縁体とp型半導 体のバンドが上に曲げられます。絶縁体の中は電子は流れませんが、バンドが 曲げられています。これを「帯電した状態」といいます。金属に近い側は正に 帯電し、p型半導体との界面は負に帯電します。 この負に帯電している状態から も想像できるように、正の電荷を持つ正孔が界面に蓄積されます。

25

(26)

V

G

> 0

p.80

正に帯電

正孔は押しやられて空乏する

空乏

では逆に、正のゲート電圧をかけてみましょう。かけた電圧

qV

G分だけ、絶縁体 とp型半導体のバンドが下に曲げられます。先ほどとは逆に、絶縁体は正に帯電 するので、p型半導体の正孔は、プラスとプラスで反発するので、押しやられて 空乏します。

26

(27)

V

G

>> 0

p.80

強く正に帯電

電子が引き寄せられる

反転

(n型に反転している)

では、もっと大きな正のゲート電圧をかけるとどうなるでしょうか? かけた 電圧分だけp型半導体のバンドは大きく下に曲げられます。価電子帯の下にあっ た正孔は全部押し出されてもうありません。逆に、伝導帯に電子が集まってき ています。絶縁体と半導体の界面のエネルギーバンドを見てみると、フェルミ 準位が伝導帯のすぐ下にあることがわかります。つまり、界面はn型半導体に なっています。これを、「n型に反転している」といいます。

27

(28)

5. 光デバイス

・光の物理と現象

光子(フォトン)、発光再結合

・発光素子

発光ダイオード(LED)、半導体レーザ(LD)

・受光素子

フォトダイオード(PD)、太陽電池

28

(29)

13.1 光子

p.110

覚えること

波⾧とフォトンエネルギーの関係

𝑬[𝒆𝑽] = 𝒉𝝂 = 𝒉 𝒄

𝝀 = 𝟏𝟐𝟒𝟎 𝝀 [𝒏𝒎]

プランク定数

h

6.6261×10-34 J s 真空中の光速度

c

2.9979×108 m/s 電気素量 e 1.6022×10-19 C

勿論、物理定数を完璧に覚えても構いませんが、

通常、光は波⾧(nm:ナノメートル)で表しますが、半導体のバンドギャップ と揃えるために、eV(エレクトロンボルト)に変換します。1240÷波⾧(nm)で eV単位のエネルギーになります。

もちろん、物理定数を完璧に覚えてもらってもよいのですが、1240÷波⾧=エ ネルギー は覚えておくと便利です。

29

(30)

13.4 半導体の発光現象

p.117

直接遷移型 間接遷移型

Si、Geなど

生成した電子-正孔が再結合する 際、熱としてエネルギーを放出

GaAs、GaNなど

生成した電子-正孔が再結合する 際、光としてエネルギーを放出

Si に波⾧600 nmの光(バンドギャップよりもエネルギーが大きな光)をあてる と、電子正孔対ができ、光を止めると励起された電子は元通り正孔を埋めると しました。この時、Si結晶が吸収した光エネルギーを再結合で放出するのですが、

光ではなく熱エネルギーとして放出します。GaAsやGaNなどの半導体では、吸 収した光エネルギーを、再結合する際にほぼバンドギャップに相当する光エネ ルギーとして放出します。実は、SiとGaAsでは光吸収の様式が違っていて、Si は間接遷移型、GaAsは直接遷移型と呼ばれます。

30

(31)

間接遷移型 / 直接遷移型

直接遷移型 間接遷移型

急峻な立ち上がり 立ち上がりが緩やか

半導体の光吸収スペクトルは、赤と青の2つのグループに分けることができます。

青い線のSiとGeは波⾧が短くなるにつれて徐々に吸収係数が増加しますが、赤 い線のCdS、GaAs、Ga0.3In0.7As0.64P0.36は、バンドギャップに相当する波⾧

で急激に吸収係数が増加します。赤い線のグループは直接遷移型の特徴、青い 線のグループは間接遷移型の特徴を表しています。発光ダイオードを作るため には、(主に)赤い線の直接遷移型の半導体が用いられます。

31

(32)

13.5.1 発光ダイオード

p.117

直接遷移型 GaAs、GaNなど

生成した電子-正孔が再結合する際、光としてエネルギーを放出

直接遷移型のGaAsやGaNなどの半導体を使ってpn接合ダイオードを作り、順バ イアスで電流を流したとしましょう。電子と正孔が空乏層に入って出会うと、

再結合するのですが、この時、光を放出します。放出される光のエネルギーは バンドギャップに近いです。このようなダイオードを発光ダイオード(Light Emitting Diode: LED)と呼びます。

32

(33)

13.5.2 半導体レーザー

p.118

発光ダイオードの発光効率を極限まで高めて、光をある1方向からだけ取り出 せるようにすると、波⾧範囲が狭い、非常に強い光が出ます。半導体レーザー と呼ばれるもので、レーザーポインタや、CD、DVDの書き込み、読み取りに使 われています。発光効率を高める方法は先ほどのダブルヘテロ構造と同じです が、結晶に2枚の平行な鏡を置いて発光した光を繰り返し行ったり来たりする ようにさせ、発光の増幅を行うと、片側の鏡からレーザー光が出てきます。半 導体の結晶は「へき開」と言って、原子平坦面を保ったまま割れるので、これ を鏡として使います。

33

(34)

13.5.2 半導体レーザー

p.118

また、光の純度が良く(波⾧幅が狭い)、ピーク出力が大きいこともLDの特徴 です。

34

(35)

13.2 光導電効果

p.111

この講義の最初のほうで勉強しましたが、半導体にバンドギャップよりもエネ ルギーが高い光を照射すると、価電子帯から伝導帯に電子が励起されて、価電 子帯には正孔ができます。半導体にただ光をあてるだけだと、光を止めれば伝 導帯に励起された電子は元の価電子帯に戻ります。

では、半導体に電圧を印加しておくとどうなるでしょうか? 右下の絵のよう に、マイナス電極をつなげたほうはエネルギーが高くなり、プラス電極をつな げたほうはエネルギーが低くなります。電子は伝導帯を滑り落ちるように動き、

正孔は価電子帯を上ります。つまり、電流が発生します。これを、「光導電効 果」と呼びます。

35

(36)

13.3 光起電力効果

p.113

次に、太陽電池について説明します。今、Si のpn接合ダイオードがあるとしま す(a)。例えば、波⾧ 600 nmのオレンジ色の光を n型半導体側から照射したとし ます。600 nmの光はSi結晶の中に2.5 μm侵入しますが、結晶内部に向かって光 の強度は徐々に減少します(b)。

重要なのは、「空乏層」に光があたっていることです(c)。空乏層は、電子も正 孔もない状態ですが、バンドギャップよりもエネルギーが大きな光があたると 電子正孔対が発生します。pn接合にはもともと電圧がかかったようにバンドが 曲がっているので、電子は伝導帯の坂を落ちるように、正孔は価電子帯の坂を 上るように動きます。これが太陽電池の仕組みです。

36

(37)

13.3.1 太陽電池

p.114

光照射前

光照射時

先ほどの説明のように、太陽電池では Si のpn接合ダイオードを使います。右の 電流ー電圧特性を見てください。Si の pn接合ダイオードは既に勉強しましたが、

赤の線のようにしきい値電圧以上の電圧を印加すると電流が増加します。

この電流ー電圧特性を示すSi pn接合ダイオードに、波⾧600 nmの光を照射する とどうなるでしょう? 電圧を印加していない状態で電流が流れます。極性が 逆になるということに注意してください。そして、電流ー電圧特性は全体的に 下に平行移動されます(青い線)。

37

(38)

◎いずれのデバイスも、基本素子構造・機能・応用を簡単に説明できるように。

デバイス 基本素子構造 機能 応用

バイポーラトランジスタ pnp、npn、ベース-エミッ タ間には順バイアス、ベー ス・コレクタ間には逆バイ アスを印加。

ベース電流によってコレク

タ電流を増幅する。 電流増幅器、ラジオ

MOSFET p型Siウエハ上のS、D電 極部にドナーをイオン注 入し、ゲート絶縁体として 酸化膜を形成した3端子 構造

ゲート電圧によって、ソー ス-ドレイン間の電流を制 御する。

スイッチング回路

発光ダイオード 直接遷移型の半導体pn 接合、発光再結合しや すいようにダブルヘテロ構 造にする場合もある。

順バイアスでの電流注入 によりキャリアが発光再結 合する。

LED照明、信号機、液 晶ディスプレイのバックライ ト

半導体レーザー バンドギャップが小さく、か つ屈折率が大きい半導 体をバンドギャップが大き い半導体pn接合で挟む。

端面は光を反射する構 造。

電流注入によりキャリアが 発光再結合する。LEDよ りも発光波⾧幅が狭く、

強い指向性を持つ光線 を発光する。

DVDなどの光ディスクの ピックアップ、レーザーポイ ンター

太陽電池 Siなどのバンドギャップが

狭い半導体pn接合 光起電力効果を利用し、

光を電力に変換する 太陽光発電

◎いずれのデバイスも、基本素子構造・機能・応用を簡単に説明できるように。

38

(39)

期末試験に向けて

中間試験:半導体について 宿題:ダイオードについて

宿題:バイポーラトランジスタについて 宿題:MOSFETについて

宿題:光デバイスについて

宿題・中間試験はできるようにしておいてください

39

(40)

デバイス 基本素子構造 機能 応用 バイポーラトランジスタ pnp、npn、ベース-エミッ

タ間には順バイアス、ベー ス・コレクタ間には逆バイ アスを印加。

ベース電流によってコレク

タ電流を増幅する。 電流増幅器、ラジオ

MOSFET p型Siウエハ上のS、D電 極部にドナーをイオン注 入し、ゲート絶縁体として 酸化膜を形成した3端子 構造

ゲート電圧によって、ソー ス-ドレイン間の電流を制 御する。

スイッチング回路

発光ダイオード 直接遷移型の半導体pn 接合、発光再結合しや すいようにダブルヘテロ構 造にする場合もある。

順バイアスでの電流注入 によりキャリアが発光再結 合する。

LED照明、信号機、液 晶ディスプレイのバックライ ト

半導体レーザー バンドギャップが小さく、か つ屈折率が大きい半導 体をバンドギャップが大き い半導体pn接合で挟む。

端面は光を反射する構 造。

電流注入によりキャリアが 発光再結合する。LEDよ りも発光波⾧幅が狭く、

強い指向性を持つ光線 を発光する。

DVDなどの光ディスクの ピックアップ、レーザーポイ ンター

太陽電池 Siなどのバンドギャップが

狭い半導体pn接合 光起電力効果を利用し、

光を電力に変換する 太陽光発電

写真に撮って提出するノート部分(写真は1枚でOK)

今日の講義はここまでです。今日出席代わりに提出してもらうのも、毎年期末 試験に出ている重要な部分です。1枚の写真に収まりきらなくても送付する写真 は1枚でOKです。よく復習してください。

40

参照

関連したドキュメント

また,この領域では透水性の高い地 質構造に対して効果的にグラウト孔 を配置するために,カバーロックと

ル(TMS)誘導体化したうえで検出し,3 種類の重水素化,または安定同位体標識化 OHPAH を内部標準物 質として用いて PM

超純水中に濃度及び粒径既知の標準粒子を添加した試料水を用いて、陽極酸 化膜-遠心ろ過による 10 nm-SEM

平板ガラス (Sample plate) に銅箔の高圧電極 (HV electrode) ,接地電 極 (GND electrode) を接着し,高圧電極のリード線 (Lead wire)

2008 ) 。潜在型 MMP-9 は TIMP-1 と複合体を形成することから TIMP-1 を含む含む潜在型 MMP-9 受 容体を仮定して MMP-9

内部に水が入るとショートや絶縁 不良で発熱し,発火・感電・故障 の原因になります。洗車や雨の

このように、このWの姿を捉えることを通して、「子どもが生き、自ら願いを形成し実現しよう

充電器内のAC系統部と高電圧部を共通設計,車両とのイ