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超音波自動探傷による厚板溶接部の探傷手法の検討

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Academic year: 2022

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超音波自動探傷による厚板溶接部の探傷手法の検討

       北見工業大学 正員 ○山崎智之  橋本建設工業㈱   赤坂宏昌        日本製鋼所㈱ 正員 田中秀秋  北見工業大学 正員 三上修一        北見工業大学 フェロー 大島俊之

1.まえがき

 近年、道路橋は設計・製作・架設・維持管理にわたる作業の効率化・省力化および構造物の長寿命化などによ る建設全体のコスト低減を要請されており、新しい構造形式のプレートガーダー橋が開発されている。その代表 的なものとして、桁橋の省力化構造や少数主桁橋などがある。この少数主桁橋の主軸は部材を少なくすることに よる省力化であり、そのため部材の最大寸法はフランジ厚が約100㎜程度となるものがある。この厚さでは従来 の橋梁で使用されている添接板によるボルト接合は困難であり、現在は現場溶接が採用されている。

 本研究では、厚さ100㎜の鋼板溶接部に擬似欠陥を埋設した供試体を製作し、自動超音波探傷試験(AUT)に より欠陥の可視化を行った。また、得られた強度データおよび路程データから三次元画像を作成して欠陥の形状 や位置を確認し、探傷手法の検討を行った。

2.実験の概要 

 本実験で用いた供試体は図−1に示すような100㎜の厚板鋼 材を付合せ溶接し、溶接内部に擬似欠陥を埋設して製作した。

擬似欠陥はφ3㎜とφ5㎜のセラミックボールを挿入した球状 欠陥および6×3㎜のシャルピー破断片から作った割れ状欠陥 を縦方向に、ワイヤーカットにより作った割れ状欠陥を横に配 置したものを挿入し、また表面からの深さはそれぞれの欠陥で 50㎜と75㎜の2種類の深さに配置した合計8種類の欠陥であ る。探傷システムは探傷装置、自動走査装置、データ処理装置、

画像処理装置から構成される超音波探傷映像装置(AT3000 日 立建機㈱)を用い、探触子は共振周波数2MHzの垂直探触子を

用いた。斜角探傷は探触子と供試体の間に屈折角が45゚となる楔を入れて探傷を行った。

 実験はAUT試験による垂直探傷および斜角探傷を行い、溶接部の欠陥を探傷した。斜角探傷では欠陥A、B に対しては図−1供試体表面左側から入射し、欠陥C、D、E、F、G、Hに対しては表面右側から入射した。探 傷範囲は欠陥を中心とした40×40㎜、走査ピッチは0.20㎜、受信波の増幅率GAINは反射波が安定して受信で きる程度とし、垂直探傷では35dB、斜角探傷では49dBとした。斜角探傷は供試体底面に一回反射させた音波を 欠陥に当て、さらに欠陥から反射した音波を受信したデータである。試験結果は受信波の強度(最大振幅)デー タおよび路程(時間)データをC−Scope画像で表し、また両者のデータを合わせて三次元画像として表した。

 斜角探傷は図−2で示すように供試体底面に一回反射 させた超音波を欠陥に当てる方法で行った。これは斜角 探傷では欠陥に直接入射波を当てた場合、欠陥からの反 射波が残響エコー(探触子、楔内の反射)の中に埋もれて しまい欠陥エコーが把握できなくなるためである。この 底面一回反射の場合、図−2伝播経路(a)で示すように 欠陥で反射した超音波が同じ経路で受信される場合と、

496

E F G H C D A

B

50 25

50 75 100 440

40 40 40 40 80

218 60 218 (unit:mm)

図−1 供試体概略図

欠陥 欠陥

底面 底面

表面

探触子 探触子

表面

45 45

   伝播経路(a)      伝播経路(b) 図−2 斜角探傷の超音波伝播経路

キーワード:厚板溶接の探傷、自動探傷、斜角法、三次元画像

連絡先:(〒090‑8507 北海道北見市公園町 165 番地 北見工業大学・TEL 0157‑26‑9485・FAX 0157‑23‑9408)

土木学会第57回年次学術講演会(平成14年9月)

‑225‑

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(2)

図−3 欠陥G探傷波形

-10 -5 0 5 10

0 10 20 30 40 50 60

時 間 (μs)

電 (Volt) 入射波

底面波 欠陥

残響エコー

垂直探傷

-6 -4 -2 0 2 4 6

0 50 100 150 200 250

時 間 (μs)

電 圧 (Volt) 入射波 伝播経路(a)伝播経路(b)

欠陥

残響エコー 斜角探傷

伝播経路(b)で示すように別経路で受信される場合が考えられる(欠陥が底面に近い場合)。 

 

4.実験結果

 図−3は欠陥Gの探傷波形で上段が垂直探傷、下段が斜角探傷 である。斜角探傷の場合残響エコーが長時間継続しており、また 伝播経路(a),(b)による両方のエコーが存在していることがわかる。 

 図−4に欠陥Gを自動探傷して得られた強度データを可視化し た画像と、強度データと路程データを合成して三次元化した画像 を示す。強度データは256階調で測定されたデータをカラー16色

(赤〜青)で表示しており、赤い部分(画像の中心部)が強い反 射を示している。また、三次元画像の平面軸は探傷位置を示し、

高さ軸は路程を示している。また白い部分(輝度の明るい部分)

が強い反射を示しており、路程の短いものが高く表示されている。

垂直探傷と斜角探傷画像を比較すると斜角探傷の方が2倍程度欠 陥が大きく見える。これは超音波伝播経路の違いにより

GAINを大きくしたためと考えられる。欠陥Gは直径3

㎜の球状欠陥であるが、この大きさを判断するには垂直 探傷では強度データ256階調中199(強度データ最大値 221)のレベル以上の反射強度が3㎜の大きさを現して いる。また斜角探傷では256階調中192(強度データ最大 値213)以上であった。このことから欠陥Gを探傷した 条件では、強度データ最大値の約90%以上のレベルが欠 陥の実際の大きさを現していると考えられる。 

 三次元画像からは球状欠陥の反射面形状がはっきりと わかるが、反射強度がもっとも高い部分を中心に円錐形 状を示している。これは、使用した探触子が焦点を持た ないタイプであるので超音波が拡散し、欠陥形状をシャ ープに捉えることができないためである。 

 

5.あとがき 

 本実験により100㎜程度の厚板鋼材でも斜角探傷で欠陥を検出することが可能であることがわかった。また本 文には載せていない欠陥の画像についても発表当日に紹介したい。しかし厚板鋼材の斜角探傷では超音波伝播距 離の増大から超音波の減衰も大きくなりGAINを高くしなければならなく、欠陥エコー以外の雑音も大きくなり 欠陥が検出しづらくなる。今後、探傷不能領域である残響エコー内にある欠陥の検出が可能であるか、周波数解 析などによる波形処理を行うことにより検討を行っていく予定である。探傷不能領域での探傷が可能になれば、

厚板の斜角探傷でも直接欠陥に照射する方法が可能であり、超音波の減衰や拡散等の影響が少なくなることから 精度の高い探傷が可能になると考えられる。 

 

参考文献 

1) 日本学術振興会製鋼第19 委員会編:超音波探傷法(改訂新版)、日刊工業新聞社、昭和49 年7 月  2) (社)日本建築学会:鋼構造建築溶接部の超音波探傷検査基準・同解説、昭和48 年5 月 

3) 高田、大島、他3名:擬似欠陥を埋設した厚板溶接部の超音波探傷手法に関する検討、土木学会北海道支部 論文報告集、第58号、pp.28‑31、2002.1 

40

40

8 unit:㎜

40

40

13

unit:㎜

垂直探傷(強度データ) 斜角探傷(強度データ)

垂直探傷(強度+路程) 斜角探傷(強度+路程) 図−4 欠陥G探傷画像

土木学会第57回年次学術講演会(平成14年9月)

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参照

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