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尾道市地域防災計画

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Academic year: 2021

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尾 道 市 地 域 防 災 計 画

【 第 2 部 地 震 対 策 編 】

平成29年6月修正

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6 尾道警察署・因島警察署・福山西警察署 7 指定地方行政機関 8 指定公共機関 9 指定地方公共機関 10 公共的団体その他防災上重要な施設の管理者 11 自衛隊 第5節 尾道市の地勢等の概況・・・・・・・・・・・・・10 1 位置と面積 2 地形 3 地質 4 気候 第6節 既往地震の概要・・・・・・・・・・・・・・・・12 1 発生地震による地震タイプの特徴 2 広島県内に被害を及ぼした近年の歴史地震 3 広島県周辺における既往地震・津波 第7節 被害想定・・・・・・・・・・・・・・・・・・・17 1 地震被害想定調査 2 調査内容 3 想定結果 第8節 減災目標・・・・・・・・・・・・・・・・・・・51 1 方針 2 減災目標 3 具体目標 4 目標達成のための施策体系 5 目標達成のための施策推進等 4 消防団への入団促進 5 地区防災計画の策定等 6 自主防災組織の育成・指導 7 ボランティア活動の環境整備 8 企業防災の促進 9 市民運動の推進 第4節 調査・研究に関する計画・・・・・・・・・・・・64 1 方針 2 災害危険度判定調査 第5節 迅速かつ円滑な災害応急対策等への備えに関する 計画・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・65 1 方針 2 災害発生直前の応急対策への備え 3 災害発生直後の応急対策への備え 4 災害派遣、広域的な応援体制への備え 5 救助・救急、医療、消火活動への備え 6 緊急輸送活動への備え 7 避難受入れ・情報提供活動への備え 8 救援物資の調達・供給活動への備え 9 罹災証明書の発行体制の整備 第5節の2 危険物等災害予防計画・・・・・・・・・・・75 1 方針 2 実施内容 第5節の3 災害対策資機材等の備蓄等に関する計画・・・76 1 方針 2 災害対策資機材等の対象 3 備蓄に関する基本事項 4 食料、飲料水、生活必需品等の備蓄及び調達体制 の確立 5 医薬品等医療資機材の備蓄及び調達体制の確保 6 防災資機材の備蓄及び調達体制の確立 第6節 要配慮者及び避難行動要支援者対策に関する計画・79 1 方針 2 要配慮者に配慮した環境整備 3 社会福祉施設、病院等の安全・避難対策 4 在宅の避難行動要支援者対策 5 要配慮者への啓発・防災訓練

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第1節 基本方針・・・・・・・・・・・・・・・・・・・82 第2節 災害発生直前の応急対策・・・・・・・・・・・・83 第1項 配備動員計画・・・・・・・・・・・・・・・・83 1 方針 2 組織系統 3 市の配備動員体制 第2項 地震及び津波に関する情報等の伝達に関する計 画・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・92 1 方針 2 地震・津波情報の収集・伝達 第3項 住民等の避難誘導に関する計画・・・・・・・・97 1 方針 2 避難の勧告等及び解除 3 防災上重要な施設の避難対策 4 避難の誘導 第3節 災害発生後の応急対策・・・・・・・・・・・・・102 第1項 災害情報計画・・・・・・・・・・・・・・・・102 1 方針 2 災害報告の取扱要領 3 情報収集の実施者及び報告 4 情報の収集伝達手段 5 被害の収集及び調査要領 6 地震災害発生及び被害状況報告・通報 第2項 通信運用計画・・・・・・・・・・・・・・・121 1 方針 2 広島県総合行政通信網の活用 3 公衆電気通信設備の優先利用 4 ファクシミリ等の優先利用 5 自動車電話・携帯電話等の利用 6 有線通信等が途絶した場合における代替措置 7 無線通信の運用 8 通信施設の応急対策 9 通信施設の機能確認及び運用訓練 10 通信機器の供給の確保 第4節 ヘリコプターによる災害応急対策・・・・・・・124 1 方針 2 活動体制 3 活動内容 4 活動拠点の確保 5 支援要請 6 各機関への出動要請 第5節 災害派遣・広域的な応援体制・・・・・・・・・・128 第1項 自衛隊災害派遣計画・・・・・・・・・・・・・128 1 方針 2 自主派遣の基準 3 災害派遣部隊の活動 4 災害派遣を命ぜられた部隊等の自衛官の権限 5 災害派遣要請の手続等 6 災害派遣部隊の受け入れ 7 派遣に要する経費の負担 8 災害派遣部隊の撤収要請 1 方針 2 広島県に対する協力要請 3 他の市町に対する応援要請 4 民間団体等への応援要請 5 相互応援協定等の締結 6 応援要員の受け入れ体制 7 応急措置の代行 8 広域的な応援体制 第3項 防災拠点に関する計画・・・・・・・・・・・・135 1 方針 2 広島県防災拠点施設 3 救援拠点 第6節 救助・救急、医療及び消火活動・・・・・・・・・139 第1項 救出計画・・・・・・・・・・・・・・・・・・139 1 方針 2 陸上における救出 3 海上における救出 4 惨事ストレス対策 5 部隊間の活動調整 第2項 医療、救護計画・・・・・・・・・・・・・・ 141 1 方針 2 医療助産計画 3 搬送体制の整備 4 医薬品、医療資機材の調達 5 惨事ストレス対策 6 部隊間の活動調整 第3項 消防計画・・・・・・・・・・・・・・・・・・143 1 方針 2 消防活動体制の整備 第4項 水防計画・・・・・・・・・・・・・・・・・・146 1 方針 2 応急対策 3 津波、高潮対策 第5項 危険物等災害応急対策計画・・・・・・・・・・147 1 方針 2 石油類等危険物保管施設の応急対策 3 毒物・劇物保管施設の応急対策 4 高圧ガス保管施設の応急対策 5 海上における応急対策 第7節 緊急輸送のための交通の確保・緊急輸送活動・・・ 149 第1項 警備、交通規制、交通確保計画・・・・・・・・ 149 1 方針 2 警備対策 3 交通規制・交通確保計画 第2項 輸送計画・・・・・・・・・・・・・・・・・・153 1 方針 2 緊急輸送の対象とする者及び資機材の範囲 3 輸送車両等の確保 4 緊急通行車両等の確認等 5 緊急通行車両の事前届出・確認制度 6 港湾の輸送拠点としての活用 7 海上における緊急輸送

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3 広報体制 4 被災者相談活動 5 安否情報の提供等 第3項 住宅応急対策計画・・・・・・・・・・・・・・166 1 方針 2 住宅に対する一般措置 3 市営住宅の提供 4 災害救助法に基づく仮設住宅の建設 5 住宅の応急修理 6 建設資材の調達確保 7 被災建築物応急危険度判定 第9節 救援物資の調達・供給活動・・・・・・・・・・・168 第1項 食料供給計画・・・・・・・・・・・・・・・・168 1 方針 2 配給対象者及び数量の把握 3 備蓄食料 4 調達食料 5 調達等、集積場所 6 配給の経路及び方法 7 炊き出し器材及び要員 8 災害救助法が適用された場合 第2項 給水計画・・・・・・・・・・・・・・・・・・170 第3項 生活必需品等供給計画・・・・・・・・・・・・172 1 方針 2 実施責任者 3 実施基準 4 実施方法 第4項 救援物資の調達及び配送計画・・・・・・・・・174 1 方針 2 物資の調達及び受入体制 3 物資の輸送 1 方針 2 遺体の捜索 3 捜索(行方不明者、死者)の実施基準、費用 4 遺体の取扱い 5 遺体の埋火葬 6 漂着遺体の取扱い 第 11 節 応急復旧、二次災害防止活動・・・・・・・・・179 第1項 公共施設等災害応急復旧計画・・・・・・・・179 1 方針 2 防災上重要な拠点施設の応急復旧活動 3 交通施設の応急復旧活動 4 治水施設等の応急復旧活動 5 治山施設等の応急復旧活動 6 その他公共、公益施設の応急復旧活動 7 住民への広報活動 第2項 電力・ガス・水道・下水道施設応急復旧対策計 画・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・181 1 方針 2 電力施設の応急対策 3 ガス施設の応急対策 4 水道施設の応急対策 5 下水道施設の応急対策 第3項 廃棄物処理計画・・・・・・・・・・・・・・184 1 方針 2 実施内容 3 ごみ処理 4 し尿処理 第 12 節 自発的支援の受け入れ(ボランティアの受け入れ 等に関する計画)・・・・・・・・・・・・・・186 1 方針 2 ボランティアの受け入れ 3 専門ボランティアの派遣等 4 ボランティアの活動拠点及び資機材の提供 5 災害情報等の提供 6 ボランティアとの連携・協働 7 市町被災者生活サポートボランティアセンターの 機能喪失時の補完体制 8 ボランティア保険制度 9 海外からの支援活動の受け入れ

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1 方針 2 応急教育計画 3 公民館等社会教育施設が地域の避難所となる場合 の対策 4 文化財応急対策計画 5 応急保育計画 第 14 節 災害救助法適用計画・・・・・・・・・・・・・194 1 方針 2 災害救助法の適用基準 3 滅失世帯数の算定基準 4 災害救助法による救助の内容等 5 災害救助法の適用 第 15 節 海上における大量流出油等応急対策計画・・・・198 1 方針 2 目的 3 実施責任者 4 情報の伝達 5 実施事項 6 出動要請 第1節 目的・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・200 第2節 被災者等の生活再建の支援及び生業回復等の資金 確保計画・・・・・・・・・・・・・・・・・・・201 1 方針 2 各種調査の住民への周知 3 罹災証明書の交付 4 被災者台帳の整備 5 各種支援措置等 第3節 被災者の生活確保に関する計画・・・・・・・・・203 1 方針 2 生活関連物資の安定供給及び物価の安定対策 3 被災者等に対する生活相談 4 雇用の安定支援 5 被災者の最低生活の保障 6 各機関の援護対策 第4節 施設災害復旧計画・・・・・・・・・・・・・・・205 1 方針 2 職員の活動体制の整備 3 査定実施の迅速化 4 緊急な場合の復旧工事の迅速化 第5節 激甚災害の指定に関する計画・・・・・・・・・・206 1 方針 2 激甚災害に関する調査 第6節 救援物資、義援金の受け入れ及び配分に関する 計画・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・207 1 方針 2 実施 3 募集 4 集積 5 引継 6 配分 7 義援金品の管理、費用 第7節 災害復興計画(防災まちづくり)・・・・・・・・208 1 方針 2 被災地における市街地の復興 3 学校施設の復興

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第1節 目的

この計画は、事前の想定を超える事態が発生するおそれがあることに十分留意しつつ、 尾道市内において発生が想定される地震災害に対処するため、市、県、指定地方行政機関、 自衛隊、指定公共機関、指定地方公共機関及び防災上重要な施設の管理者(以下「防災関 係機関」という。)が処理すべき事務又は業務の大綱を定め、更に、市民の役割を明らかに し、各種災害を迅速、的確かつ総合的に実施することにより、市民の生命、身体及び財産 を地震災害から保護することを目的とする。

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予防計画、災害応急計画及び災害復旧計画の基本事項を定め、地震災害対策を総合的に 推進していくものである。

3 この計画に基づき、各防災関係機関は防災に関して具体的推進に努める。

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第3節 防災業務実施上の基本理念及び基本原則

1 基本理念 防災関係機関は、災害対策において、次に掲げる事項を基本理念とする。 (1)本市の自然的特性に鑑み、人口、産業その他の社会経済情勢の変化を踏まえ、災 害の発生を常に想定するとともに、災害が発生した場合における被害の最小化及び その迅速な回復を図る。 (2)災害対策の実施に当たっては、防災関係機関は、それぞれの果たすべき役割を的 確に実施していくとともに、相互に密接な連携を図るものとする。これと併せて、 住民一人一人が自ら行う防災活動及び自主防災組織その他地域における多様な主 体が自発的に行う防災活動を促進する。 (3)最新の科学的知見を総動員し、起こり得る災害及びその災害によって引き起こさ れる被害を的確に想定するとともに、過去に起こった大規模災害の教訓を踏まえ、 絶えず災害対策の改善を図ることとする。 (4)災害直後は、可能な限り被害規模を早期に把握するとともに、正確な情報収集に 努め、収集した情報に基づき、生命及び身体の安全を守ることを最優先に、人材・ 物資等災害応急対策に必要な資源を適切に配分する。 (5)被災者のニーズに柔軟かつ機敏に対応するとともに、高齢者、障害者、外国人、 乳幼児及び妊産婦その他の特に配慮を要する者(以下「要配慮者」という。)や観 光客などに配慮するなど、被災者の年齢、性別、障害の有無といった被災者の事情 から生じる多様なニーズに適切に配慮するものとする。 (6)発災後は、速やかに施設を復旧し、被災者に対して適切な援護を行うことにより、 被災地の復興を図る。 2 基本原則 市、指定地方行政機関等及び公共的団体並びに防災上重要な施設の管理者は、基本 原則にのっとり、災害の未然防止、応急対策及び災害復旧等防災業務の実施に関して、 各法令及びこの計画によるほか、次の一般原則に従うこと。 (1)市は、基本的な地方公共団体として、市の地域内の災害に対し第一次的な責務を 有するものであって、市民の郷土愛護、隣保協同の精神を基調として関係機関の協 力を得て、市の地域に有するすべての機能を十分に発揮して防災の目的を達成する よう努めるとともに、応急措置の実施について必要があるときは、県その他関係機 関に対し、災害応急措置の実施を要請し、又は求めること。 (2)指定地方行政機関は、その所掌する事務又は業務について防災に関する計画を定 め災害に対処するとともに、その所掌する事務については市又は県に対して勧告・ 指導・助言し、その他適切な措置をとる。 (3)指定公共機関及び指定地方公共機関は、その業務について防災に関する計画を定 め災害に対処するとともに、その業務の公共性にかんがみ、それぞれの業務を通じ て防災に寄与するよう努める。 (4)公共的団体及び防災上重要な施設の管理者は、その管理する施設等の災害に対し ては、自己の責任において措置するものとし、その業務の公共性又は公益性にかん がみ、それぞれの業務を通じて、防災に寄与するよう努める。 (5)各防災関係機関は、その所掌する業務を遂行するに当たっては、他の機関の防災 上有する責務が十分果たされるよう相互に連絡協調し、協力援助すること。 また、要配慮者や観光客に対する配慮や、男女共同参画の視点を取り入れた防災

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第4節 防災関係機関の処理すべき事務又は業務の大綱

市の各地域並びに市民の生命、身体及び財産を災害から保護するため、防災に関係のあ る各機関の業務の大綱は次のとおりである。 1 市 (1)防災会議に関する業務 (2)災害情報の収集及び伝達 (3)被害調査 (4)災害広報 (5)防災のための知識の普及、教育及び訓練 (6)防災施設の整備 (7)防災に必要な資機材等の備蓄及び整備 (8)避難の勧告、指示及び避難者の誘導並びに指定避難所の開設、運営 (9)被災者の救出、救助等の措置 (10)消防及び水防活動 (11)被災施設の応急復旧 (12)災害時における防疫その他保健衛生に関する応急措置 (13)被災児童、生徒等に対する応急教育 (14)市内における公共的団体及び住民の防災組織の育成・指導 (15)災害時におけるボランティア活動の支援 (16)災害復旧の実施 (17)被災建築物応急危険度判定 (18)被災住宅地危険度判定 2 広島県東部建設事務所 三原支所 (1)災害情報の収集及び伝達 (2)被害調査 (3)被災施設の応急復旧 (4)被災建築の応急危険度判定措置 3 広島県東部農林事務所 尾道農林事業所 (1)災害情報の収集及び伝達 (2)被害調査 (3)被災施設の応急復旧 4 広島県東部保健所 (1)災害情報の収集及び伝達 (2)被害調査 (3)災害救助法に基づく救助等の措置 (4)災害時における防疫その他保健衛生に関わる応急措置 5 消防局 (1)災害時における消防活動 (2)災害時における水防活動

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- 6 - (3)被害調査 (4)避難誘導、被災者の救出その他人命保護の措置 (5)交通規制及び緊急交通路の確保 (6)行方不明者の捜索及び遺体の調査、検視 (7)危険箇所の警戒並びに住民等に対する避難の指示及び誘導 (8)犯罪の予防、取り締り、その他社会秩序の維持 (9)その他災害時における警察活動 7 指定地方行政機関 (1)中国四国農政局(福山地域センター) 災害時における主要食料の需給調整 (2)近畿中国森林管理局(広島森林管理署) ア 保安林、保安施設、地すべり防止施設等の管理 イ 災害応急対策用木材の供給 (3)中国運輸局(尾道海事事務所) ア 所掌業務にかかる災害情報の収集及び伝達 イ 運送等の安全確保に関する指導監督 ウ 船舶運航事業者に対する航海命令 エ 港湾運送事業者に対する公益命令 (4)第六管区海上保安本部(尾道海上保安部) ア 情報の収集及び情報連絡 イ 警報等の伝達 ウ 海難救助等 エ 緊急輸送 オ 物資の無償貸付・又は譲与 カ 尾道市の災害応急対策実施に対する支援 キ 流出油等の防除 ク 海上交通安全の確保 ケ 危険物の保安措置 コ 警戒区域の設定 サ 治安の維持 (5)中国総合通信局 災害時における有線電気通信の確保及び非常無線通信の統制管理 (6)広島労働局(尾道労働基準監督署) ア 工場、事業場における労働災害の防止に関する指導、監督 イ 被災労働者の地位保全に関する行政指導 (7)中国地方整備局(福山河川国道事務所) ア 直轄土木施設の計画、整備、災害予防、応急復旧及び災害復旧

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- 7 - イ 地方公共団体等からの要請に基づく応急復旧用資機材及び災害対策用機械等の 提供 ウ 国土交通省所掌事務に係わる地方公共団体等への勧告、助言 エ 災害に関する情報の収集及び伝達 オ 洪水予報及び水防警報の発表及び伝達 カ 災害時における交通確保 キ 海洋の汚染の防除 ク 緊急を要すると認められる場合は申し合わせに基づく適切な応急措置を実施 (8)広島地方気象台 ア 気象、地象、水象の観測並びにその成果の収集及び発表 イ 気象、地象(地震にあっては、発生した断層運動による地震動に限る。)及び水 象の予報及び警報の発表 ウ 気象、地象及び水象に関する情報の収集及び発表 エ 緊急地震速報の利用周知・広報 8 指定公共機関 (1)日本郵便株式会社尾道郵便局 ア 災害地の被災者に対する郵便葉書等の無償交付 イ 被災者が差し出す郵便物の料金免除 ウ 被災地あて救助用郵便物の料金免除 エ 被災地あて寄付金を内容とする郵便物の料金免除 オ 災害時における災害特別事務取扱等の窓口業務の確保 (2)西日本電信電話株式会社(NTT西日本福山営業支店) ア 公衆電気通信設備の整備と防災管理 イ 災害非常通信の確保及び気象警報の伝達 ウ 被災公衆電気通信設備の復旧 エ 災害用伝言ダイヤル「171」の提供 オ 「災害用伝言板サービス」の提供 カ 災害用伝言板「Web171」の提供 (3)西日本旅客鉄道株式会社(尾道駅) ア 鉄道施設の整備と防災管理 イ 災害時における鉄道車両等による救援物資、避難者等の緊急輸送の協力 ウ 被災鉄道施設の復旧 (4)中国電力株式会社(尾道営業所・尾道電力所) ア 電力施設の整備と防災管理 イ 災害時における電力供給の確保 ウ 被災電力施設の復旧 (5)西日本高速道路株式会社中国支社(福山高速道路事務所) ア 管理道路の防災管理 イ 被災道路の復旧 (6)本州四国連絡高速道路株式会社(しまなみ尾道管理センター) ア 管理道路の防災管理 イ 被災道路の復旧 9 指定地方公共機関

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- 8 - 10 公共的団体その他防災上重要な施設の管理者 (1)一般社団法人尾道市医師会、一般社団法人因島医師会 ア 災害時における医療、助産等救護の実施 イ 負傷者の受入れ並びに看護 (2)因の島ガス株式会社 ア ガス施設の防災管理 イ 災害時におけるガスの供給の確保 ウ 被災ガス施設の応急対策及び災害復旧 (3)おのみちバス株式会社 ア 災害時における旅客の安全確保 イ 災害時における救助物資、避難者の輸送の協力 (4)尾道エフエム放送株式会社 ア 市民の防災意識の高揚及び啓発に関する放送 イ 災害が発生した場合又は発生が予見される場合における災害情報に関する放送 ウ 放送設備の保守 (5)病院、劇場、百貨店、旅館等不特定かつ多数の者が出入りする施設の管理者 ア 施設の防災管理 イ 施設に出入りしている患者、観客、宿泊者その他不特定多数の者に対する避難 の誘導等の安全対策の実施 (6)石油類、火薬類、高圧ガス、毒物、劇物、各燃料物資等の製造、貯蔵、処理又は 取り扱いを行う施設の管理者 ア 施設の防災管理 イ 被災施設の応急対策 ウ 施設周辺住民に対する安全対策の実施 (7)社会福祉施設等の管理者 ア 施設の防災管理 イ 施設入所者に対する避難誘導等安全対策の実施 (8)農業協同組合、漁業協同組合等 ア 共同利用施設の被害応急対策及び災害復旧の実施 イ 農林水産関係の市、県の実施する被害調査、応急対策に対する協力 ウ 被災農林漁業者に対する融資及びそのあっ旋 エ 被災農林漁業者に対する生産資材の確保及びそのあっ旋 (9)商工会議所 ア 災害時における物価安定についての協力 イ 災害救助用及び復旧用物資の確保についての協力 (10)新聞社等報道関係機関 ア 市民に対する防災知識の普及と予警報等の周知徹底

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- 9 - イ 市民に対する災害応急対策等の周知徹底 ウ 社会事業団体等による義援金品の募集配分 (11)市内町内会 ア 災害時における応急諸対策の協力 イ 災害対策要員の確保 11 自衛隊 (1)災害派遣に必要な基礎資料の調査及び収集 (2)災害派遣計画の作成 (3)人命及び財産の保護のため必要な救援活動の実施 (4)災害救助のための防衛省の管理に属する物品の無償貸し付け又は譲与

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- 10 - 2 地形 地形はおおむね起伏し、一般に山がちで平地に乏しく、市の中央部をほぼ西北から東 に貫流する藤井川を境に、北部に山が多く南部に平地が点在している。 南部では、主に島々の海岸線に沿って平地が形成され、最南部は愛媛県と接している。 中央部では、尾道水道や市域を貫流する藤井川に沿って平地が形成され、このうち尾 道水道沿いに東西方向へ帯状に広がった平地には、中心市街地が広がっている。 北部は、三方を山で囲まれ、地域内を貫流する御調川及びこの支流に沿って平地が形 成されている。 海上交通の拠点として、尾道水道沿いの海岸線12.5kmが重要港湾の指定を受けてい るほか、南部には、瀬戸内海の島々や本州・四国方面への連絡航路が就航する港湾施設 が点在している。 また、陸上交通についても、市内を東西に横断する山陽自動車道と南北に縦断する中国 横断自動車道及びしまなみ海道(西瀬戸自動車道)が交差する本市は、物流・文化交流の 拠点「瀬戸内の十字路」として重要な役割を担っている。 3 地質 この地域の最古の地質系統は古生界である。古生界に貫入し、かつ溢流したものに石 英斑岩類があり、これらを貫いていわゆる広島型岩花こう岩が存在し、日永岩類には石 英班岩、花こう斑岩、その他の岩脈がある。これらの火成岩はいずれも中生代の貫人と 考えられ、尾道礫層がこの地域を広く覆っている。 4 気候 本市の気侯は一般的に温和である。南部と北部では多少の差異があるが、年平均気温は 16.7℃である。最高気温は8月の36.3℃、最低気温は1月の−3.1℃である(平成28年)。 降水量は少なく、年平均1,200mm、降霜、降雪回数も少ない。暴風雨も比較的小規模 ある。 本市は北に中国山地、南に四国山地と二つの山地に挟まれた中間に位置し、さらに周囲 は沼隈半島、北に中国山脈の支脈に連なる連山、西は佐木島、南は弓削等の島に囲まれ、 台風の常習通過圏からやや遠のいている。

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- 11 - 尾道市における月平均気温及び降水量(平成28年) 【生口島観測局】

0 5 10 15 20 25 30 0 100 200 300 400 500 600 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 月 平 均 気 温 ( ℃) 降水 量 (mm) 降水量(mm) 平均気温

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第6節 既往地震の概要

1 発生地震による地震タイプの特徴 地震は、地球表層を形成するプレート境界あるいはプレート内の断層帯において、 岩盤がずれ動く断層運動によって発生する。これを図示すると図−1のとおりであ る。 地震は、発生メカニズムによって陸域の浅いところで発生する活断層型地震、プレ ートの沈み込みによるプレート間で発生する海溝型地震、沈み込むプレート内で発生 するスラブ内地震などのタイプがある。いずれにせよ地震は繰り返すという特徴を有 することから、歴史地震を把握することは重要である。 なお、広島県周辺で発生した過去の被害地震の震央位置と活断層位置を図−2に示 す。 図−1 地震の発生メカニズム ア プレート間の地震 ・安政元(1854)年 安政南海地震 ・昭和21(1946)年 南海地震 ・平成15(2003)年 十勝沖地震 ・平成23(2011)年 東北地方太平洋沖地震 など ウ プレート内の地震 ・昭和53(1978)年 宮城県沖地震 ・平成5(1993)年 釧路沖地震 ・ 平成6(1994)年 北海道東方沖地震 ・ 平成13(2001)年 芸予地震 など イ 地殻内の地震 ・ 平成7(1995)年 兵庫県南部地震 ・ 平成12(2000)年 鳥取県西部地震 ・平成16(2004)年 新潟県中越地震 ・平成20(2008)年 岩手・宮城内陸地震 など 陸のプレート プレートの進行方向 海のプレート 【出 典】 気象庁(2013):地震発生の仕組み,気象庁ホームページの図を一部改変

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2 広島県内に被害を及ぼした近年の歴史地震 広島県内に被害を及ぼした近年の歴史地震を表1に示す。 なお、主な歴史地震を発生メカニズムによって分類すると表2のとおりである。 34.0°N 133. 0° E 33.0°N 132.0° E 13 1.0° E 32.0° N 134 .0° E 135. 0° E 13 6.0° E タイプ1 タイプ1 タイプ1 タイプ1 タイプ1 タイプ1 タイプ1 タイプ1 タイプ1 タイプ2 タイプ2 タイプ2 タイプ2 タイプ2タイプ2タイプ2タイプ2 タイプ2 1944年 1944年 1944年1944年1944年1944年1944年1944年1944年 1905年 1605年 1605年 1605年 1605年 1605年1605年1605年1605年 1605年 2001年 2001年 2001年 2001年 2001年 2001年 2001年 2001年 2001年 東南海地震 東南海地震 東南海地震 東南海地震 東南海地震東南海地震東南海地震東南海地震 東南海地震 慶長地震 慶長地震 慶長地震 慶長地震 慶長地震 慶長地震 慶長地震 慶長地震 慶長地震 芸予地震 芸予地震 芸予地震 芸予地震 芸予地震芸予地震芸予地震芸予地震 芸予地震 平成13年芸予地震平成13年芸予地震平成13年芸予地震平成13年芸予地震平成13年芸予地震平成13年芸予地震平成13年芸予地震平成13年芸予地震平成13年芸予地震 1707年 1707年 1707年 1707年 1707年 1707年 1707年 1707年 1707年 1854年 1854年 1854年 1854年 1854年 1854年 1854年 1854年 1854年 1946年1946年1946年1946年1946年1946年1946年1946年1946年 1968年 1968年 1968年 1968年 1968年 1968年 1968年 1968年 1968年 宝永地震 宝永地震 宝永地震 宝永地震 宝永地震 宝永地震 宝永地震 宝永地震 宝永地震 安政南海地震 安政南海地震 安政南海地震 安政南海地震 安政南海地震 安政南海地震 安政南海地震 安政南海地震 安政南海地震 昭和南海地震昭和南海地震昭和南海地震昭和南海地震昭和南海地震昭和南海地震昭和南海地震昭和南海地震昭和南海地震 1968年日向灘地震 1968年日向灘地震 1968年日向灘地震 1968年日向灘地震 1968年日向灘地震 1968年日向灘地震 1968年日向灘地震 1968年日向灘地震 1968年日向灘地震 震央位置 M6以上  M≧8.0 7.0≦M<8.0 6.0≦M<7.0 出典 1) 気象庁:「改訂 日本付近の主要地震の表(1926∼1960)」   ,地震月報別冊No.6,1982 2) 地震学会:「地震」 3)防災科学研究所:K-net 4) 宇佐美龍夫:「新編日本被害地震総覧」東京大学出版会 5) 中田高・今泉俊文 編,2002,「活断層詳細デジタルマップ」  ,東京大学出版会の「活断層シェイプファイル」を用いた。   (製品シリアル番号:DAFM1101) 中央構造線 中央構造線 中央構造線 中央構造線 中央構造線 中央構造線 中央構造線 中央構造線 中央構造線 己斐断層 己斐断層 己斐断層 己斐断層 己斐断層 己斐断層 己斐断層 己斐断層 己斐断層 筒賀 筒賀 筒賀 筒賀 筒筒筒筒賀賀賀賀 筒賀 小方-小瀬断層 小方-小瀬断層 小方-小瀬断層 小方-小瀬断層 小方-小瀬断層 小方-小瀬断層 小方-小瀬断層 小方-小瀬断層 小方-小瀬断層 菊川断層 菊川断層 菊川断層菊川断層菊川断層菊川断層菊川断層菊川断層菊川断層 プ レ ー ト 内 地 震 プ レ ー ト 間 地 震 五日市断層帯 岩国断層帯 安芸灘断層群 6) 活 断 層 研 究 会 ( 1991): 新 編 日 本 の 活 断 層 , 東 京 大 学 出 版

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- 15 - 表1−広島県に被害を及ぼした主な地震とその被害状況 発生年 地震名 マグニ チュード 被害の概要 慶安 2 年 (1649 年) 3 月 17 日 芸予地震 7.4± 0.25 広島にて侍屋敷,町屋少々潰・破損多し。 貞享 2 年 (1686 年) 1 月 4 日 芸予地震 7.0∼ 7.4 広島城廻その他少しずつ破損したが大破ではなく, 広島県中西部 199 ヶ村で被害。合計で家損 147 軒, 蔵損 39 軒,社 3,寺 5,土手 4,734 間,石垣損 857.5 間,田畑損 1.19 町,死 2,死牛馬 3。宮嶋で大宮・ 五重塔などの屋根,瓦少損。石垣・井垣崩れあり。 備後三原城の石垣はらみだす。錦帯橋橋台落ち,岩 国で塀われ瓦落ちる。 宝永 4 年 (1707 年) 10 月 28 日 宝永地震 8.4 全国広範囲で大被害。備後三原城で石垣はらみ,潰 家多く,広島で城堀の水が路上に溢れ石垣の崩壊あ り(町・郡内で全潰家屋 78,半潰 68)。 嘉永 7 年 安政元年※ (1854 年) 12 月 24 日 安政南海 地震 8.4 前 日の安 政東海地震 とと もに, 全国広 範囲 で大被 害。広島では屋根の揺れ幅が 1.6∼1.7 尺(0.5m) であった。 嘉永 7 年 安政元年※ (1854 年) 12 月 26 日 伊予西部 7.3∼ 7.5 安政東海地震,安政南海地震と時期的に接近し,記 録からは被害が分離できない。広島では,安政南海 地震と同じぐらいの揺れに感じられたという。 安政 4 年 (1857 年) 10 月 12 日 芸予地震 7.25± 0.5 三 原で藩 主の石塔な ど破 損。広 島で家 屋の 破損あ り。呉で石垣崩れ,門倒れなどあり。郷原(呉市) で土堤割れなどあり。 明治 5 年 (1872 年) 3 月 14 日 浜田地震 7.1± 0.2 中野村(北広島町)で亀裂(延長 500m)を生じ, 家土蔵半潰 15,橋梁落下 2 を生じた。広島県内各 地で小被害,家屋倒壊もあった。 明治 38 年 (1905 年) 6 月 2 日 芸予地震 6.7 沿岸部,特に広島,呉,江田島,宇品で揺れが強か った。広島監獄は埋立地にあり,第 14 工場が倒潰 し死者 2,負傷者 22 を出した。その他瓦,壁土, 庇の墜落がり,広島停車場の入口の庇と廊下が倒れ 負傷者 11,宇品は明治 17 年以降の埋立地で被害大 きく,江田島の兵学校内にも亀裂や建物の被害があ った。 ※嘉永 7 年 11 月 27 日 安政に改元

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呉市 6 86 5 (51) 25 (57) (5,957) 安芸郡 1 1 1 1 賀茂郡 2 5 14 1 佐伯郡 2 1 安佐郡 1 7 1 計 11 160 56 47 40 26 出典:地震予防調査会報告,1905,No.53 ( )内は,中央気象台の記録 昭和 21 年 (1946 年) 12 月 21 日 南海地震 8.0 全国広範囲で大被害。広島県で負傷者 3,住家全壊 19,半壊 42,非住家全壊 30,半壊 32,道路損壊 2 昭和 24 年 (1949 年) 7 月 12 日 安芸灘 6.2 呉で死者 2,道路の亀裂多く,水道管の破断,山林の 一部崩壊などの被害があった。 平成 11 年 (1999 年) 7 月 6 日 広島県 南東部 4.5 負傷者 1(震度4) 物的被害なし〔広島県調べ〕 平成 12 年 (2000 年) 10 月 6 日 鳥取県 西部地震 7.3 震源近傍では震度 6 弱∼6 強となり,鳥取県を中心に 負傷者 182 名,住家は全壊 435 棟,半壊 3,101 棟, 一部損壊 18,544 棟等の被害。また,延べ 17,402 戸 が停電し,各地で断水などの被害〔内閣府(2003)〕。 広島県では強いところで震度 4 となり県内で住家 6 棟が一部破損した。〔広島県調べ〕 平成 13 年 (2001 年) 3 月 24 日 芸予地震 6.7 広島県で強いところで震度 6 弱となり,死者 1 名, 重軽傷者 193 名,住家の被害は,全壊 65 棟,半壊 688 棟,一部損壊 36,545 棟の被害が発生した。〔広島県 調べ〕 平成 18 年 (2006 年) 6 月 12 日 伊予灘 4.7 負傷者 4(重傷 1,軽傷 3,),住家一部損壊 2 棟〔広 島県調べ〕 平成 23 年 (2011 年) 11 月 21 日 広島県 北部 5.4 負傷者 2(震度5弱)〔広島県調べ〕 【出 典】 ※ 広島県調べ,内閣府(2003)以外は,宇佐美龍夫(1987)から抜粋 (内閣府(2003):平成 15 年(2000)鳥取県西部地震について)

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- 17 - 3 広島県周辺における既往地震・津波 南海トラフでは津波を伴った地震が1605年慶長地震をはじめ、1707年宝永 地震、1854年安政南海地震、1946年昭和南海地震等、100∼150年の間 隔で繰り返し起こり、西日本はその都度大きな地震・津波災害に見舞われてきた。特 に、太平洋に面している和歌山県、大阪府、徳島県、高知県沿岸で甚大な津波被害を 受けたことはよく知られており、日本有数の津波常襲地帯に数えられている。 広島県は、この津波常襲地帯に隣接しているが、過去の古文書において県内に津波 による被害はほとんど報告されていない。 近年では、2010年 ( 平成22年 ) 2月に発生したチリ中部沿岸を震源とする地 震により、呉で0.1m、2011年(平成23年)3月に発生した東日本大震災に より、広島で0.2m・呉で0.3mの津波の高さを観測しているが、本市において 津波は観測されていない。 表2−発生メカニズムによる地震の分類 地震のタイプ 本県に被害を及ぼした主な地震 地震の発生周期 <プレート内(スラブ内)地震> 沈み込むフィリピン海プレート内の地震 (やや深い地震) ・平成 13 年(2001 年)芸予地震 ・昭和 24 年(1949 年)安芸灘 ・明治 38 年(1905 年)芸予地震 ・慶安2年(1649 年) 芸予地震 ・貞享2年(1686 年) 芸予地震 ・安政4年(1857 年) 芸予地震 約50∼100年間隔で発生 <プレート間(海溝型)地震> フ ィ リ ピ ン 海 プ レ ー ト の 沈 み 込 み に よ る プレート間地震 ・昭和 21 年(1946 年)南海地震 ・安政1年(1854 年)安政南海地震 ・宝永4年(1707 年)宝永地震 約100∼150年間隔で発生 <地殻内(活断層型)地震> 陸域の浅い地震 (深さ約 20km 以浅) ・平成 12 年(2000 年)鳥取県西部地震 ・平成7年(1995 年)兵庫県南部地震 ・明治5年(1872 年)浜田地震 千年∼数万年間隔で発生

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(1)想定地震 広島県の地震・津波対策において被害想定を行うべき地震として、既に明らかと なっている断層等を震源とする地震及びどこでも起こりうる直下の地震を選定し た。 ア 既に明らかとなっている断層等を震源とする地震・津波(図−1及び図―2 参照) 過去の被害地震や活断層調査結果を踏まえ、次の①、②、③を基準とし、 「既に明らかとなっている断層等を震源とする地震」を11ケース選定した。 ① 歴史的に繰返し発生し、将来発生する可能性が高い地震 ② 地震調査研究推進本部が長期評価を行っている「主要活断層帯」によ る地震 ③ 地震規模及び本県と震源との距離から、発生した際に本県に及ぼす被 害が甚大となる可能性が高い地震 なお、選定した想定地震のうち、震源が海域に位置するものについては、 津波についても併せて被害想定を行うこととした。 イ どこでも起こりうる直下の地震(図−3参照) 選定した既に明らかとなっている断層等を震源とする地震により地震被害想 定を行う場合、震源から離れた自治体では比較的軽微な被害にしかならないこ とがある。 しかしながら、平成12年(2000年)鳥取県西部地震のように、活断層が確認 されていない地域においても地震は発生しており、今後、どの地域においても 直下の地震が発生する可能性は否定できない。このため、前回調査と同様に、 既に明らかとなっている断層等を震源とする地震の影響が小さい地域において 防災対策を行う上での基礎資料として役立てることを目的として、県内23の各 市町役場の所在地に震源位置を仮定した「どこでも起こりうる直下の地震」を 選定した。

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- 19 - 【参 考】 ■ 選定した想定地震 想定地震 選定基準※ 想定対象 参考 ① ② ③ 地震 津波 広島県に被害を及ぼした主な地震 1 プレート間の地震 昭和 21 年(1946 年)南海地震 安政元年(1854 年)安政南海地震 宝永 4 年(1707 年)宝永地震 南海トラフ巨大地震 1)南海トラフ巨大地震 ○ ○ ○ ○ ○ 2 プレート内の地震 平成 13 年(2001 年)芸予地震 昭和 24 年(1949 年)安芸灘 明治 38 年(1905 年)芸予地震 安政 4 年(1857 年)芸予地震 日向灘及び南西諸島海溝周辺 2)安芸灘∼伊予灘∼豊後水道 ○ ○ ○ ○ ○ 3 地殻内の地震 平成 12 年(2000 年)鳥取県西部地震 明治 5 年(1872 年)浜田地震 中央構造線断層帯 3)讃岐山脈南縁−石鎚山脈北縁東部 ○ ○ ○ ○ 4)石鎚山脈北縁 ○ ○ ○ − 5)石鎚山脈北縁西部−伊予灘 ○ ○ ○ ○ 五日市断層帯 6)五日市断層 ○ ○ ○ 7)己斐−広島西縁断層帯 ○ ○ ○ 岩国断層帯 8)岩国断層帯 ○ ○ ○ − 安芸灘断層群 9)主部 ○ ○ ○ ○ 10)広島湾−岩国沖断層帯 ○ ○ ○ ○ 長者ヶ原断層帯 11)長者ヶ原断層−芳井断層 − − ○ ○ − どこでも起こりうる直下の地震 どこでも起こりうる直下の地震 (23 市町役場直下に震源を配置) − − ○ ○ − ※選定基準 ①歴史的に繰返し発生し,将来発生する可能性が高い地震 ②地震調査研究推進本部が長期評価を行っている「主要活断層帯」による地震 ③地震規模及び本県と震源との距離から,発生した際に本県に及ぼす被害が甚 大となる可能性が高い地震

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(2)地震動予測 想定地震ごとに様々なケースの地震動等の予測を行い、被害が最大となるケース で被害想定を行った。 南海トラフ巨大地震の地震動等については、内閣府の「南海トラフの巨大地震モ デル検討会」が示した「基本ケース」、「陸側ケース」、「東側ケース」、「西側 ケース」の 4 つの強震断層モデルと、これを補完するための「経験的手法」及びこ れらの震度の最大値の「重ね合わせ」の内、「重ね合わせ」を除き、本県の人的被 害に直結する揺れによる建物全壊棟数が最も多い想定結果となった「陸側ケース」 を用いて被害想定を行った。 なお、揺れによる全壊棟数が同数の場合は、液状化による建物全壊棟数が多くな るケースを用いて被害想定を行った。 南海トラフ巨大地震以外の地震では、想定断層の両端に破壊開始点を設定した2 ケースの強震断層モデルの内、揺れによる建物全壊棟数が多くなるケースを用いて 被害想定を行った。 また、活断層が確認されていない地域においても発生しうる地震として、各市町 役場の所在地に震源位置を仮定した23の地震による被害想定を行った。 北傾斜 五日市断層 地殻内 北端 34°29′, 132°23′ N20°E (西傾斜)高角 約20km 約25km 0km 7.0程度 不明 己斐−広島西縁断層帯(M6.5) ※3 地殻内 北端 34°27′, 132°27′ N20°E ほぼ垂直 約10km 不明 0km 6.5程度 不明 岩国断層帯 地殻内 北東端 34°15′, 132°13′ N60°E 北西傾斜高角 約44km 20km程度 0km 7.6程度 0.03∼2% 安芸灘断層群(主部) 地殻内 北東端 34°07′, 132°25′ N50°E 不明 約21km 不明 0km 7.0程度 0.1∼10% 安芸灘断層群(広島湾−岩国沖断層帯) 地殻内 北東端 34°19′, 132°24′ N30°E 不明 約37km 不明 0km 7.4程度 不明 長者ヶ原断層−芳井断層 ※4 地殻内 東端 34°40′, 133°29′ N43°E 北傾斜 80° (断層露頭) 約37km − − 7.4 (松田(1975)の式 (log L=-2.9+0.6M)により計算 − どこでも起こりうる直下の地震 ※5 地殻内 N45°E − − − − 6.9 − 注:表中の数値等は,内閣府の「南海トラフの巨大地震モデル検討会」,地震調査研究推進本部の各断層等の「長期評価」による。   地震動等の計算に用いたモデルの詳細は,第Ⅳ編に整理した。 ※1:気象庁マグニチュード。ただし,南海トラフ巨大地震のみモーメントマグニチュード ※2:端部の位置,長さは岡村断層部分 ※3:己斐−広島西縁断層帯(M6.9)は参考として震源を仮定しているため諸元は省略 ※4:長者ヶ原断層−芳井断層は,本調査による結果を表示 ※5:どこでも起こりうる直下の地震は,震源を仮定しているため諸元(傾斜、長さ、幅、上端深さ等)は省略 市町役場位置に断層中心

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- 21 - (3)津波浸水想定 南海トラフ巨大地震の津波断層モデルは、内閣府( 2012a )【内閣( 2012a ): 南海トラフの巨大地震モデル検討会】が設定している11ケースの津波断層モデルの 内、広島県沿岸部における波高が高くなり、浸水面積が大きくなると想定される次 の津波断層モデルケースを広島県及び市町ごとに選択し、想定対象とした。 広島県:広島県全体で30cm以上浸水深面積が最大となり、本県にとって最大の 被害となると想定される津波断層モデル「ケース 1 」を採用した。 各市町:各市町で30cm以上浸水深面積が最大となり、各市町にとって最大の被 害となると想定される次の津波断層モデルケースを選定した。 ・広島市、呉市、竹原市、大竹市、東広島市、廿日市市、江田島市、府中町、 海田町、坂町、大崎上島町は、津波断層モデル「ケース 1 」を選定。 ・三原市、尾道市は、津波断層モデル「ケース 5 」を選定。 ・福山市は、津波断層モデル「ケース 4 」を選定。 また、既に明らかとなっている断層等を震源とする地震の内、震源が海域にある 次の 5 地震を「瀬戸内海域活断層等による地震」として定義し、想定対象とした。 ・安芸灘∼伊予灘∼豊後水道 ・讃岐山脈南縁−石鎚山脈北縁東部 ・石鎚山脈北縁西部−伊予灘 ・安芸灘断層群(主部) ・安芸灘断層群(広島湾−岩国沖断層帯)

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三原市 − − − ○ − − − − ○ 尾道市 − − − ○ − − − − ○ 福山市 − − − ○ − − − ○ − 府中市 − − − ○ − − ○ − − 三次市 − − − ○ − − ○ − − 庄原市 − − − ○ − − ○ − − 大竹市 − − − ○ − − ○ − − 東広島市 − − − ○ − − ○ − − 廿日市市 − − − ○ − − ○ − − 安芸高田市 − − − ○ − − ○ − − 江田島市 − − − ○ − − ○ − − 府中町 − − − ○ − − ○ − − 海田町 − − − ○ − − ○ − − 熊野町 − − − ○ − − ○ − − 坂町 − − − ○ − − ○ − − 安芸太田町 − − − ○ − − ○ − − 北広島町 − − − ○ − − ○ − − 大崎上島町 − − − ○ − − ○ − − 世羅町 − − − ○ − − ○ − − 神石高原町 − − − ○ − − ○ − − 地震ケース 津波ケース 基本:基本となるケース 1:駿河湾∼紀伊半島沖に「大すべり域+超大すべり域」を設定 東側:強震動生成域をやや東側の場所に設定 4:四国沖に「大すべり域+超大すべり域」を設定 西側:強震動生成域をやや西側の場所に設定 5:四国沖∼九州沖に「大すべり域+超大すべり域」を設定 陸側:強震動生成域を可能性がある範囲で最も 陸側に設定 経験的手法:震源からの距離にしたがい地震の 揺れの強さがどの程度減衰するかを示 す経験的な式を用いて震度を簡便に推 定 重ね合わせ:上記 4 ケースと経験的手法による 震度の各地点における最大値

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- 23 - (4)想定シーン 人々の行動や火気器具の使用状況は、季節・時刻によって変化する。このため、 地震が発生する季節や時刻に応じて、人的被害や火災による被害の様相が異なる特 徴的な次の3シーンを想定した。 なお、火災による建物被害や人的被害は、風速によって被害想定結果が異なるた め、広島県の過去の風速を参考に、夏冬の平均的な風速及び平均的な一日の最大風 速※で被害想定を行った。 ※ 平均的な一日の最大風速:日最大風速の平均に標準偏差σを加えたもの( 2 σを加えることで正規分布の95.45%値となる) 想定シーンと想定される被害の特徴 想定シーン 想定される被害の特徴 冬 深夜 平均:風速 8m/s 最大:風速 11m/s ・多くが自宅で就寝中に被災するため,家屋倒壊による死者が発生する危険性が高く, また津波からの避難が遅れることにもなる。 ・オフィスや繁華街の滞留者や鉄道・道路の利用者が少ない。 夏 12 時 平均:風速 7m/s 最大:風速 11m/s ・オフィスや繁華街等に多数の滞留者が集中しており,自宅外で被災する場合が多い。 ・木造建物内滞留人口は,1日の中で最も少ない時間帯であり,老朽木造住宅の倒壊 による死者は冬の深夜と比べて少ない。 ・海水浴客をはじめとする観光客が多く沿岸部等にいる。 冬 18 時 平均:風速 8m/s 最大:風速 11m/s ・住宅,飲食店などで火気使用が最も多い時間帯で,出火件数が最も多くなる。 ・オフィスや繁華街周辺のほか,ターミナル駅にも滞留者が多数存在する。 ・鉄道,道路はほぼ帰宅ラッシュ時に近い状態であり,交通被害による人的被害や交 通機能支障による影響が大きい。

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液状化 PL 値,沈下量 250m メッシュごと 土砂災害 危険度ランク 危険箇所ごと 津波 最高津波水位,最大波到達時間,津波影響 開始時間,浸水深別面積,浸水開始時間, 流速 10m メッシュごと 建物被害等 揺れ 全壊・半壊棟数 250m メッシュごと 液状化 全壊・半壊棟数 250m メッシュごと 土砂災害 全壊・半壊棟数 250m メッシュごと 津波(破堤に伴う浸水を含む) 全壊・半壊棟数 10m メッシュごと 地震火災 * 焼失棟数 250m メッシュごと 屋外転倒物・屋外落下物 飛散物,非飛散物 250m メッシュごと 人的被害 建物倒壊 * 死者数,負傷者数,重傷者数,軽傷者数 市町ごと 土砂災害 * 死者数,負傷者数,重傷者数,軽傷者数 市町ごと 津波 * 死者数,負傷者数,重傷者数,軽傷者数 市町ごと(10m メ ッシュごとの結果 を集計) 地震火災 * 死者数,負傷者数,重傷者数,軽傷者数 市町ごと ブロック塀等・自動販売 機の転倒,屋外落下物 * 死者数,負傷者数,重傷者数,軽傷者数 市町ごと 屋内収容物移動・転倒, 屋内落下物 * 死者数,負傷者数,重傷者数,軽傷者数 市町ごと 揺れによる建物被害に 伴う要救助者(自力脱出 困難者) * 自力脱出困難者数 市町ごと 津波被害に伴う要救助 者・要捜索者 * 要救助者数,要捜索者数 市町ごと

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- 25 - 被害想定項目(定量評価)(2/2) 想定項目 想定する被害量 想定単位 ライフライン 上水道 被害箇所数,断水人口 10m メッシュ(津波), 250m メッシュごと 下水道 管渠被害延長,機能支障人口 10m メッシュ(津波), 250m メッシュごと 電力 * 電柱被害本数,停電軒数 10m メッシュ(津波), 250m メッシュごと 通信 * 電柱被害本数,固定電話の不通回 線数,携帯電話の不通ランク 10m メッシュ(津波), 250m メッシュごと ガス 供給停止戸数 250m メッシュごと 交通施設 道路 被害箇所数 直轄国道,直轄国道以 外 鉄道 被害箇所数 新幹線,在来線 港湾 港湾岸壁施設等の被害箇所数 港湾施設ごと 生活への影響 避難者 * 避難者数(避難所,避難所外) 市町ごと 帰宅困難者 * 帰宅困難者数,滞留者数 市区町ごと 物資不足量(食料,飲料水, 毛布,仮設トイレ) * 食料,飲料水,毛布,仮設トイレ の不足量 市町ごと 医療機能支障 * 要転院患者数,医療需要過不足数 二次医療圏ごと 災害廃棄物等 災害廃棄物,津波堆積物 * 災害廃棄物発生量,津波堆積物発 生量 市町ごと その他の被害 エレベータ内閉じ込め エレベータ停止台数・閉込め者数 市町ごと 道路閉塞 幅員 13m 以下道路リンク閉塞率 250m メッシュごと 災害時要援護者 災害時要援護者数(避難所) 市町ごと 危険物施設・コンビナート施設 被害箇所数 市町ごと 文化財 * 被害件数 文化財ごと 孤立集落 孤立集落数 孤立集落ごと ため池の決壊 危険度ランク ため池ごと 漁船・水産関連施設 漁船被害数,かき筏被害数 漁業施設ごと 重要施設 * 災害対策拠点施設,避難拠点施設, 医療拠点施設の機能支障の程度 重要施設ごと 経済被害 直接被害 * 被害額 市町ごと 間接被害 * 被害額 県域 *:条件により被害量が異なる想定項目

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3 想定結果 (1)地震動等の予測 ア 地震動(図−4(1)∼(5)参照) 想定地震の規模、震源からの距離、地盤条件等をもとに、250mメッシュ毎の震 度分布を想定した。各想定地震における県全面積に対する震度別の面積割合を次 表に示した。 南海トラフ巨大地震については、内閣府の「南海トラフの巨大地震モデル検討 会」が示した「基本ケース」、「陸側ケース」、「東側ケース」、「西側ケー ス」の 4 つの強震断層モデルと、これを補完するための「経験的手法」及びこれ らの震度の最大値の「重ね合わせ」の地震動の予測を行い、これらの中から最も 震度が大きくなる「陸側ケース」について記した。 南海トラフ巨大地震以外の地震では、想定断層の両端に破壊開始点を設定した 2ケースの地震動の予測を行い、このうち震度が大きくなるケースについて記し た。 県域 医療機関の機能及び医療活動 保健衛生,防疫,遺体処理等 その他の被害 長周期地震動 道路上の自動車への落石・崩土 交通人的被害(道路) 交通人的被害(鉄道) 震災関連死 宅地造成地 大規模集客施設等 地下街・ターミナル駅 災害応急対策等 地盤沈下による長期堪水 複合災害 時間差での地震発生 治安

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- 27 - 震度別の面積割合 (既に明らかとなっている断層等を震源とする地震) 4以下 5弱 5強 6弱 6強 7 基本ケース 75.6 18.8 5.5 0.0 0.0 0.0 陸側ケース 5.9 46.0 38.3 9.0 0.8 0.0 東側ケース 63.8 29.6 6.4 0.2 0.0 0.0 西側ケース 64.7 27.7 7.4 0.2 0.0 0.0 経験的手法※1 16.5 51.4 24.7 7.4 0.0 0.0 重ね合わせ※2 5.9 44.8 38.9 9.5 0.8 0.0 南から破壊 31.8 39.2 20.6 8.0 0.4 0.0 北から破壊 19.8 44.6 24.3 10.6 0.7 0.0 東から破壊 94.1 3.7 1.8 0.4 0.0 0.0 西から破壊 82.9 10.3 4.5 2.1 0.2 0.0 東から破壊 92.0 6.0 2.0 0.0 0.0 0.0 西から破壊 92.9 5.8 1.3 0.0 0.0 0.0 東から破壊 83.9 12.0 4.1 0.1 0.0 0.0 西から破壊 94.1 5.6 0.4 0.0 0.0 0.0 南から破壊 77.4 14.3 6.6 1.7 0.0 0.0 北から破壊 76.3 15.2 6.4 2.0 0.1 0.0 南から破壊 84.9 9.8 3.6 1.6 0.1 0.0 北から破壊 84.9 10.0 3.5 1.5 0.1 0.0 東から破壊 85.6 10.2 3.4 0.8 0.1 0.0 西から破壊 90.4 7.4 2.0 0.2 0.0 0.0 南から破壊 93.1 4.6 2.1 0.1 0.0 0.0 北から破壊 92.3 5.3 2.2 0.2 0.0 0.0 南から破壊 79.8 12.6 6.0 1.5 0.0 0.0 北から破壊 75.4 14.1 7.4 2.9 0.2 0.0 東から破壊 71.8 13.2 8.7 3.8 2.4 0.0 西から破壊 69.2 14.2 9.0 4.9 2.7 0.0 南から破壊 76.3 14.7 6.2 2.5 0.3 0.0 北から破壊 75.6 15.4 6.3 2.4 0.3 0.0 ※2:基本,陸側,東側,西側,経験的手法の5ケースを重ね合わせて最大となる震度を表示したケース 讃岐山脈南縁−石鎚山脈北縁東部 石鎚山脈北縁 石鎚山脈北縁西部−伊予灘 五日市断層 安芸灘∼伊予灘∼豊後水道 南海トラフ巨大地震 想定地震 震度 面積割合(%) 6.5 7.6 (参考)己斐−広島西縁断層帯(M6.9) 6.9 長者ヶ原断層−芳井断層 岩国断層帯 安芸灘断層群(主部) 安芸灘断層群(広島湾−岩国沖断層帯) 8.0 7.0 己斐−広島西縁断層帯(M6.5) ※1:震源からの距離に従い,地震の揺れがどの程度減衰するかを示す経験的な式を用いて    震度を簡便に推定する手法で震度を表示したケース マグニ チュード 7.0 7.4 7.4 9.0 7.4 8.0 8.0

(34)

福山市直下 85.7 7.0 3.4 2.6 1.2 0.1 府中市直下 77.4 10.8 8.0 3.6 0.3 0.0 三次市直下 74.6 16.8 6.9 1.6 0.1 0.0 庄原市直下 74.8 15.5 7.3 2.2 0.2 0.0 大竹市直下 88.6 7.4 3.2 0.7 0.1 0.0 東広島市直下 72.2 15.6 8.7 2.9 0.5 0.0 廿日市市直下 79.6 12.8 5.9 1.5 0.2 0.0 安芸高田市直下 72.0 18.6 7.8 1.3 0.2 0.0 江田島市直下 84.8 8.2 5.3 1.7 0.1 0.0 府中町直下 75.6 13.9 7.5 2.6 0.4 0.0 海田町直下 76.6 12.5 7.7 2.8 0.3 0.0 熊野町直下 77.5 11.2 7.3 3.8 0.2 0.0 坂町直下 77.6 12.0 7.3 2.8 0.2 0.0 安芸太田町直下 80.9 10.6 6.7 1.7 0.1 0.0 北広島町直下 76.4 14.3 7.4 1.7 0.2 0.0 大崎上島町直下 82.1 10.0 5.6 1.9 0.3 0.0 世羅町直下 70.5 17.5 9.8 2.1 0.1 0.0 神石高原町直下 76.7 12.2 9.1 2.0 0.0 0.0 ※:数値は,各想定地震における全県の集計を示す。 イ 液状化(図−5参照) 震度分布と土質状況をもとに、250mメッシュごとの液状化の危険度を示すPL 値分布を想定した。 各想定地震における県全面積に対する危険度判定基準別の面積割合を下表に示 した。このとき、液状化の危険度の判定は、液状化可能性のある震度 5 弱以上 の範囲で行った。 南海トラフ巨大地震については、内閣府の「南海トラフの巨大地震モデル検 討会」が示した「基本ケース」、「陸側ケース」、「東側ケース」、「西側ケ ース」の 4 つの強震断層モデルと、これを補完するための「経験的手法」及び これらの震度の最大値の「重ね合わせ」のPL値分布の想定を行い、これらの中 から最もPL値が大きくなる「陸側ケース」について記した。 南海トラフ巨大地震以外の地震では、想定断層の両端に破壊開始点を設定した 2ケースの地震動のPL値分布の想定を行い、このうちPL値が大きくなるケース について記した。 PL値による液状化危険度判定基準は次のとおりである。 液状化危険度 液状化危険度 PL 値 液状化危険度が極めて高い(以下「極めて高い」) 30<PL 液状化危険度がかなり高い(以下「かなり高い」) 15<PL≦30 液状化危険度が高い(以下「高い」) 5<PL≦15 液状化危険度が低い(以下「低い」) 0<PL≦5 液状化危険度がかなり低い(以下「かなり低い」) PL=0

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- 29 - 液状化危険度別の面積割合(PL 値) (既に明らかとなっている断層等を震源とする地震) かなり低い 低い 高い かなり高い 極めて高い PL=0 0<PL≦5 5<PL≦15 15<PL≦30 30<PL 基本ケース 75.6 4.9 13.9 4.4 1.1 0.1 陸側ケース 5.9 60.6 21.8 6.7 3.4 1.6 東側ケース 63.8 12.3 18.0 4.5 1.2 0.2 西側ケース 64.7 12.8 15.8 4.5 2.0 0.2 経験的手法※1 16.5 50.3 23.9 4.5 4.0 0.8 重ね合わせ※2 5.9 60.6 21.8 6.6 3.5 1.6 南から破壊 31.8 38.4 10.4 13.4 3.5 2.5 北から破壊 19.8 48.1 11.5 14.5 3.6 2.5 東から破壊 94.1 1.2 2.2 2.0 0.5 0.0 西から破壊 82.9 5.5 7.1 3.1 1.4 0.1 東から破壊 92.0 2.1 3.5 2.3 0.1 0.0 西から破壊 92.9 1.5 3.6 1.9 0.1 0.0 東から破壊 83.9 6.0 6.7 3.1 0.4 0.0 西から破壊 94.1 0.9 4.1 0.9 0.1 0.0 南から破壊 77.4 11.6 5.6 3.7 0.7 1.0 北から破壊 76.3 12.4 5.7 3.8 0.7 1.0 南から破壊 84.9 6.0 4.4 3.3 0.3 1.1 北から破壊 84.9 5.8 4.8 3.1 0.3 1.1 東から破壊 85.6 7.7 3.7 1.9 1.0 0.2 西から破壊 90.4 4.3 2.6 2.0 0.6 0.1 南から破壊 93.1 2.2 1.6 1.8 1.2 0.0 北から破壊 92.3 2.6 1.9 2.0 1.0 0.1 南から破壊 79.8 9.8 5.7 2.1 1.6 1.0 北から破壊 75.4 13.1 6.4 2.4 1.5 1.2 東から破壊 71.8 13.6 8.0 4.7 1.8 0.2 西から破壊 69.2 15.0 8.6 5.2 1.7 0.3 南から破壊 76.3 11.3 6.3 4.4 0.5 1.2 北から破壊 75.6 11.9 6.5 4.2 0.6 1.2 注:震度5弱以上の地域を危険度判定の対象としている ※1:震源からの距離に従い,地震の揺れがどの程度減衰するかを示す経験的な式を用いて震度を簡便に推定する手法で震度を表示したケース ※2:基本,陸側,東側,西側,経験的手法の5ケースを重ね合わせて最大となる震度を表示したケース 6.9 対象外 7.0 7.4 マグニ チュード 9.0 7.4 8.0 7.0 6.5 7.4 液状化危険度 面積割合(%) 石鎚山脈北縁西部−伊予灘 石鎚山脈北縁 讃岐山脈南縁−石鎚山脈北縁東部 南海トラフ巨大地震 8.0 8.0 想定地震 安芸灘∼伊予灘∼豊後水道 己斐−広島西縁断層帯(M6.5) 五日市断層 7.6 岩国断層帯 長者ヶ原断層−芳井断層 (参考)己斐−広島西縁断層帯(M6.9) 安芸灘断層群(広島湾−岩国沖断層帯) 安芸灘断層群(主部)

(36)

福山市直下 85.7 5.8 3.6 3.4 1.5 0.2 府中市直下 77.4 10.3 5.9 4.9 1.5 0.1 三次市直下 74.6 12.1 9.5 3.8 0.0 0.0 庄原市直下 74.8 13.2 7.6 4.3 0.0 0.0 大竹市直下 88.6 5.3 2.7 2.0 1.0 0.3 東広島市直下 72.2 11.4 7.6 6.7 1.8 0.3 廿日市市直下 79.6 10.4 4.8 3.2 0.8 1.1 安芸高田市直下 72.0 12.6 10.3 4.9 0.2 0.0 江田島市直下 84.8 6.1 4.5 1.9 1.7 1.0 府中町直下 75.6 11.1 6.3 5.1 0.7 1.2 海田町直下 76.6 10.3 5.7 5.2 0.9 1.3 熊野町直下 77.5 9.6 5.4 5.0 1.4 1.1 坂町直下 77.6 9.8 5.6 4.5 1.2 1.3 安芸太田町直下 80.9 12.7 3.5 2.3 0.5 0.1 北広島町直下 76.4 12.5 6.5 4.3 0.3 0.0 大崎上島町直下 82.1 6.3 5.9 4.2 1.2 0.4 世羅町直下 70.5 12.2 9.3 7.1 0.8 0.1 神石高原町直下 76.7 10.8 6.5 5.3 0.6 0.0 ※:震度5弱以上を対象としている。 ※:数値は,各想定地震における全県の集計を示す。 ウ 津波(図−6参照) 想定地震のうち、南海トラフ巨大地震、安芸灘∼伊予灘∼豊後水道の地震、讃 岐山脈南縁−石鎚山脈北縁東部の地震、石鎚山脈北縁西部−伊予灘の地震、安芸 灘断層群(主部)の地震、安芸灘断層群(広島湾−岩国沖断層帯)の地震につい ては、津波による被害を記した。 ここでは、浸水深別面積(堤防が機能しない場合)について、想定地震ごとに 下表に示す。なお、南海トラフ巨大地震の津波については「南海トラフの巨大地 震モデル検討会」が示した津波断層モデル11ケースのうち、広島県にとって被害 の大きい(人的被害に結びつく浸水深30cm以上の広島県全域での浸水面積が最 大)津波断層モデルケース 1 の場合を示す。 浸水深別面積(構造物が機能しない場合) 浸水深 1㎝以上 浸水深 30㎝以上 浸水深 1m以上 浸水深 2m以上 浸水深 5m以上 南海トラフ巨大地震(津波:ケース1) 12,474 10,679 6,618 3,343 8 安芸灘∼伊予灘∼豊後水道 7,921 6,749 4,515 1,903 0 讃岐山脈南縁−石鎚山脈北縁東部 6,520 5,537 3,680 1,479 0 石鎚山脈北縁西部−伊予灘 6,032 5,262 3,536 1,311 0 安芸灘断層群(主部) 5,382 4,794 3,214 1,108 0 安芸灘断層群(広島湾-岩国沖断層帯) 5,844 5,131 3,422 1,179 0 想定地震 浸水面積(ha)

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- 31 - (2)想定される被害の特徴(既に明らかとなっている断層等を震源とする地震) ア 南海トラフ巨大地震(陸側ケース、津波ケース1) 県内の地盤が弱く6強以上となる地域の割合は 0.8% であり、平地部を中心に 6弱以上となる地域の割合は 9.8% である。さらに県南部の大半の地域は震度 5強以上の揺れとなる。津波の発生によって沿岸部の低地では、浸水深1cm以 上の浸水がある面積が 12,474ha あり、その内、浸水深 30cm を超える地域の 割合が約86%となる。地震による揺れ、液状化、土砂災害、津波により 69,210 棟の建物が全壊し、死者は冬の深夜が最大となり 14,759 人で、その 約9 割が津波によるものである。避難を必要とする人は約 59 万人となる。ラ イフライン被害、経済被害等については、他の想定地震と比較しても圧倒的に 被害量が大きく、地震発生直後においては、断水人口が1,069,382 人、停電が 119,836 軒に及ぶ。経済被害は直接被害だけで約 8.9 兆円となる。 イ 安芸灘∼伊予灘∼豊後水道(北から破壊) 県内の地盤が弱く6強以上となる地域の割合は 0.7% 、平地部を中心に6弱以 上となる地域の割合は11.3% と今回の想定地震中最大となり、県南部の大半の地 域が震度5強以上の揺れとなる。また津波の発生によって、浸水深1cm以上の浸 水がある面積が7,921ha (その内、浸水深 30cm を超える地域の割合が約85%) と南海トラフ巨大地震に次いで広い範囲が浸水する。地震による揺れ、液状化、 土砂災害、津波により 29,012 棟の建物が全壊し、死者は冬の深夜で最大11,206 人となるが、その約9 割が津波によるものである。避難を必要とする人は約 40 万人となる。地震発生直後においては、断水人口が342,755 人、停電が 132,193 軒に及ぶ。経済被害は直接被害だけで約 5.9 兆円となる。 ウ 讃岐山脈南縁−石鎚山脈北縁東部(西から破壊) 県内の地盤が弱く6強以上となる地域の割合は 0.2% であり、平地部を中心に 6弱以上となる地域の割合は 2.3% である。さらに県南部の地域は震度5強以上 の揺れとなる。津波の発生によって、沿岸部の低地では、浸水深1cm以上の浸水 がある面積が6,520ha あり、その内、浸水深 30cm を超える地域の割合が約85% となる。地震による揺れ、液状化、土砂災害、津波により7,689 棟の建物が全壊 し、死者は夏の 12 時が最大となり 2,084 人で、その約 9 割が津波によるもので ある。避難を必要とする人は約 29 万人となる。地震発生直後においては、断水 人口が 52,139 人、停電が 53,103 軒に及ぶ。経済被害は直接被害だけで約 2.1 兆円となる。 エ 石鎚山脈北縁(西から破壊) 県内の南部の地域が震度5強以上の強い揺れとなるが、6弱以上となる地域は 発生しない。また、津波の想定は行っていない。地震による揺れ、液状化、土砂 災害により1,693 棟の建物が全壊し、死者は 0 人、負傷者が 36 人発生し、避難 を必要とする人は約 0.4 万人となる。地震発生直後においては、断水人口が 3 人、停電が255 軒に及ぶ。経済被害は直接被害だけで約 0.5 兆円となる。 オ 石鎚山脈北縁西部−伊予灘(東から破壊) 県内の6強以上となる地域存在しないが、平地部を中心に6弱以上となる地域 の割合は 0.1% である。さらに県南部の地域は震度5強以上の揺れとなる。津波 の発生によって、沿岸部の低地では、浸水深1cm以上の浸水がある面積が 6,032ha あり、その内、浸水深 30cm を超える地域の割合が約85%となる。地震

参照

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