第3章 災害応急対策計画
第7節 緊急輸送のための交通の確保・緊急輸送活動 第1項 警備、交通規制、交通確保計画
1 方針
震災時における、住民の生命、安全及び財産を保護し、公共の安全と秩序を維持するた め、警察署及び海上保安部は、それぞれの所管にかかわる警備活動を実施する。
また、避難救出、緊急物資の輸送及び消防活動等の災害応急対策が的確かつ円滑に行わ れるようにするため、速やかに適切な交通規制を行い、交通の混乱を未然に防止する。
さらに、道路管理者等その他の関係機関においても、障害物の除去等を行い、交通確保 に努めるものとする。
2 警備対策
(1)警察署の警備対策
尾道警察署、因島警察署、福山西警察署は災害対策関係機関との緊密な連絡を取 り、警察署の組織力と装備資材を最大限に活用し、住民の生命・身体・財産の保護、
交通秩序の確保、犯罪の予防及び検挙等の活動により、災害時の治安維持に当たる。
なお、地震により警察庁舎が使用できない時は、市が保有する施設を貸与するなど、
市は代替施設の確保に努めるものとする。
ア 被害の状況、気象状況、危険箇所などについての情報収集活動 イ 危険防止及び人心安定のための広報活動
ウ 各種予報・警報などの伝達
エ 危険区域内の居住者に対する避難の指示、警告、誘導 オ 被災者の救出、行方不明者の捜索、遺体の検視 カ 交通の安全と円滑の確保
キ 災害地における犯罪の予防、検挙 ク 他機関の行う活動に対する協力援助 (2)海上保安部の治安維持対策
海上における治安を維持するため、情報の収集に努めるとともに、尾道海上保安部 に対して犯罪の予防・取締り、警戒活動を行うよう要請する。
ア 犯罪の予防・取締り
巡視船艇等及び航空機を災害発生地域の周辺海域に配備し、犯罪の予防・取締り を行う。
イ 警戒活動
警戒区域又は重要施設の周辺海域において、巡視船艇等及び航空機による警戒 を行う。
ウ 情報の収集
治安の維持に必要な情報収集を行う。
3 交通規制・交通確保計画
(1)緊急通行路の確保
地震の発生時の緊急輸送の範囲はおおむね、消防・救急のための要員・資機材・車 両・救援物資、応急対策用資機材、医療(助産)救護を必要とする人、その他必要 な物資・人員である。
あらかじめ指定しておいた緊急通行路は、状況に応じて障害物の除去や亀裂等の応
災害応急対策に必要な人員、物資等の緊急輸送確保のため、必要があると認めら れるときは、公安 委員会は道路の区域又は区間を指定し、緊急輸送に従事する車 両以外の車両を禁止し、又は制限する。
イ 道路交通法に基づく規制(同法第6条)
災害時において道路における危険を防止し、その他安全と円滑な交通を確保する ため、必要があると認められるときは、警察官は歩行者若しくは車両等の通行を禁 止し、又は制限する。
ウ 道路法に基づく規制(同法第46条)
災害において道路施設の破損又は破損等が予想される場合による施設構造の保 全又は交通の危険を防止するため、必要があると認めたときは、道路管理者が通行 を禁止し又は制限(重量制限を含む)する。
(3)規制の区分
規制の実施は国道、県道及び市道の区分によって行う。ただし災害の状況によって 関係機関による規制が遅れ、間に合わない場合も予想されるので、関係する道路管理 者と警察は密接な連絡を取り、適切な規制が講じられるよう配慮して行う。
(4)発見者等の通報
災害時に道路施設の被害、その他により通行が危険であり、又は極めて混乱してい る状態を発見した者は、速やかに警察又は市災害対策本部に連絡する。通報を受けた 者は、道路管理者に速やかに通報する。
(5)実施要領
災害の発生が予想され又は発生したときは、道路施設の巡回調査に努め、危険が予 想され又は被害が発生したときは、関係機関に通報するとともに市災害対策本部は直 ちに警察官に通報し、道路交通法に基づく規制、災害対策基本法第60条により避難 の指示又は同法第63条により警戒区域を設定し、立入を制限若しくは禁止し、又は 退去を命ずる等の方法による応急的な規制を行う。
(6)規制の標識等
交通規制を実施したときは規定の標識を立てる。ただし緊急のため規定の標識を立 てることが困難又は不可能なときは、適切な方法によりとりあえず通行を禁止又は制 限したことを明示し、必要に応じ遮断等の措置をとるとともに現地において交通整理 等に当たる。
ア 規制標識
道路法及び道路交通法により規制を実施したときは、道路標識、区画線及び道路 標示に関する命令の定める様式方法により、災害対策基本法により規制したときは、
災害対策基本法施行規則様式第1に定める様式によって表示する。
イ 規制条件の表示
道路標識に次の事項を明示して表示する。
(ア)禁止制限の対象
(イ)規制する区域又は区間
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-(ウ)規制する期間
(エ)規制する理由 ウ う回路の表示
規制を行ったときは、適当なう回路を表示するなど、一般交通にできる限り支障 のないよう努める。
(7)報告書
規制を行ったときは、次により報告又は通知する。
ア 報告事項
各機関は、通知等に当たっては、次の事項を明示して行う。
(ア)禁止制限の種別と対象
(イ)規制する区域又は区間
(ウ)規制する期間
(エ)規制する理由
(オ)う回路その他の状況
(8)障害物の除去
ア 災害によって住居又は道路等に運ばれた土砂、竹木等の障害物を除去し、日常生 活の安定を図るとともに、交通路を確保し物資等の輸送や応急対策活動を促進でき るよう努める。
イ 道路管理者は、災害が発生した場合、緊急の必要があるときは、道路区間を指定 して、緊急通行車両の通行を確保するための必要な措置を当該車両その他の物件の 占有者、所有者又は管理者(以下「車両等の占有者等」という。)に命ずることが できる。
a 道路区間の指定及び占有者等への車両等の移動命令
道路管理者は、道路の状況等を勘案し、車両の移動等の措置が必要となる 区間が不足なく含まれるよう留意して道路区間を指定し、車両等の占有者に 対し、車両等の移動命令をすることができる。
b 指定道路区間の周知
道路管理者は、道路の区間を指定したときは、指定道路区間内に周知しな ければならない。
c 車両等の移動
道路管理者は、①占有者等への移動命令、又は②道路管理者自らによる移 動のいずれかの方法により車両等の移動を行うことができる。なお、道路管 理者はやむを得ない限度で、車両その他の物件を破損することができる。
d 土地の一時利用
道路管理者は、車両等の移動の措置をとるために、やむを得ないときは、
必要な限度で、他人の土地を一時使用し、または竹木その他の障害物を処分 できる。
e 損失補償
道路管理者は、車両移動や土地の一時使用等により、損失が発生した場合は、
損失を補償しなければならない。
(9)海上交通
ア 海上交通安全の確保
(ア)尾道海上保安部
a 津波による危険が予想される海域に係る港及び沿岸付近にある船舶に対し ては,港外,沖合等安全な海域への避難を勧告するとともに,必要に応じて入
d 海難船舶又は漂流物,沈没物その他の物件により船舶交通の危険が生じ,又 は生ずるおそれがあるときは,速やかに必要な応急措置を講ずるとともに,船 舶所有者等に対し,これらの除去その他船舶交通の危険を防止するための措置 を講ずべきことを命じ,又は勧告するものとする。
e 船舶交通の混乱を避けるため,災害の概要,港湾・岸壁及び航路標識の状況,
関係機関との連絡手段等,船舶の安全な運航に必要と考えられる情報について,
無線等を通じ船舶への情報提供を行うものとする。
f 水路の水深に異状を生じたおそれがあるときは,必要に応じて調査を行うと ともに,応急標識を設置する等により水路の安全を確保するものとする。
g 航路標識が損壊し,又は流失したときは,速やかに復旧に努めるほか,必要 に応じて応急標識の設置に努めるものとする。
(イ)港湾管理者及び漁港管理者等
a 港湾管理者及び漁港管理者は,所管する港湾区域および漁港区域内の航路等 について,沈船,漂流物等により船舶の航行が危険と認められる場合には,関 係機関に報告するとともに,障害物除去に努めるものとする。
b 港湾施設及び漁港施設の利用者等は,港湾管理者及び漁港管理者の指導のも と,自動車,コンテナ,ドラム缶,有害物質等が海域に流出し,転落しないよ う措置するとともに,地震・津波発生時には,調査点検の実施及び異状を認め た場合の防災関係機関への通報や回復措置をとるものとする。