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防災都市づくりに関する計画   1  方針

ドキュメント内 尾道市地域防災計画 (ページ 63-73)

第2章  災害予防計画

第2節  防災都市づくりに関する計画   1  方針

地震が発生すると、老朽建築物や土木構造物は倒壊・損壊等の被害を受けるとみられ るが、特に公共施設は都市機能の根幹を支え、市民生活を円滑に営んでいくために不可 欠な要素である。 

したがって、公共施設のうち、特に応急対策に重要な都市施設である防災上重要な建 築物、幹線道路、河川、港湾施設等の諸施設については、防災上の確保に努める。 

   

2  防災上重要な公共施設の整備 

(1)防災上重要な建築物の整備 

ア  市は、市有建物のうち、特に災害時において防災業務の中心となる施設及び避 難場所となる施設の耐震性の向上に努める。 

    特に、災害時の拠点となる庁舎、指定避難所等について、非構造部材を含む耐 震対策等により、発災時に必要と考えられる高い安全性を確保するよう努めるも のとするとともに、指定避難所等に老朽化の兆候が認められる場合には、優先順 位をつけて計画的に安全確保対策を進めるものとする。 

イ  市は、民間の防災上重要な建築物について、防災性の向上を図るよう指導する と共に各施設の管理者は各々の施設の耐震性の向上に努める。 

(2)幹線道路、橋りょう等の整備  ア  幹線道路等の耐震性の向上 

幹線道路、橋りょうについて、軟弱地盤、斜面等を重点に安全性の点検を行い、

安全性の向上が必要であれば補修、補強、架替等を行うよう努める。また、都市 計画道路網の機能的な配置計画により、広幅員の道路の整備に努める。 

国道、県道についてはそれぞれの関係機関へ適切な整備の促進を要請する。 

イ  地域住民の円滑な避難を確保するため、指定された指定避難所への避難路ネッ トワークの整備に努める。 

(3)河川、海岸の整備  ア  堤防などの防災性強化 

災害による堤防決壊等二次災害防止のため、ゼロメートル地帯等を中心に堤防 等について、堤防強化、地盤改良等の防災性の向上を促進する。 

イ  消火用水、生活用水の確保 

        河川水、海水を緊急時の消火用水、生活用水として活用するための整備に努め  る。 

(4)港湾の整備 

災害時に被災者の避難及び応急対策に必要な要員、物資等の迅速かつ確実な輸送 を確保するため港湾施設が重要であり防災性の向上など順次整備を促進する。 

(5)鉄道の整備 

線路及び橋りょう部等構造物の管理、定期的なパトロール、検査の実施及び必要 に応じた精密検査を実施し適切な対応をするとともに、安全性向上の必要な施設に ついては、順次整備を促進する。 

 

3  住宅、建築物等の安全性の確保 

(1)一般建築物の安全性の向上 

特に不特定多数の人々が利用する建築物、公共的建築物、指定避難所等に利用さ れる施設等について安全性の向上を図るものとし、老朽化調査、改修の啓発、指導、

相談窓口の開設等、総合的な施策の推進を図る。 

(2)居住空間内外における安全確保        ア  家具固定の推進 

      地震発生時の室内の安全確保のため、移動・転倒の恐れがある家具類の固定を 促進する。 

      イ  落下防止対策 

      建築物等の所有者又は管理者に対し、窓ガラス、看板等の落下防止対策につい て周知徹底する。 

(3)観光施設周辺の防災性の向上 

        本市は、坂を特徴とする市街地であるとともに、また歴史的な街並みや古くから の寺社等が観光名所となっている。 

        したがって、災害時には家屋等の倒壊や延焼火災等の発生が予想されるため、こ れら観光施設等については指定文化財に準じた防災対策や観光客の安全確保のため、

観光施設周辺における防災性の向上に努める。 

(4)市営住宅の建替えの推進 

        既存の市営住宅について、市街地の防災性の向上を図るため、密集市街地におけ る老朽市営住宅の建替えを推進する。 

(5)土砂災害の防止対策の推進 

崖くずれ、地すべり等による危険箇所の集中している市街地周辺部について、地 震による土砂災害の拡大を防止するため、指定避難所、避難路、病院等防災上重要 な施設を保全する急傾斜地崩壊対策事業等の推進を図る。 

(6)県建築士会等の協力により、建築物の耐震性、難燃性に関する実務的な知識普及 の推進を図る。 

 

4  ライフラインの整備 

上下水道施設、電力施設等のライフラインは、市民生活を支える根幹的な施設であり、

市内を広範にサービスするようネットワークしていることから、地震災害に伴う被害の 影響は極めて大きいものとなる。また、各施設とも災害後の応急対策活動に重要な役割 を果たすことが求められることからも、災害に対する十分な予防措置を欠かすことはで きない。 

したがってライフライン諸施設は、災害による被害の防止・軽減に関する措置を十分 に講じ、災害に強いライフラインとして機能するよう施設の防災構造化に努める。 

(1)水道施設 

ア  配水施設等の水道施設の耐震化に努める。 

イ  配水管(本管)の多系統化に努める。 

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-ウ  主要配水池への緊急遮断弁の設置に努める。 

エ  指定避難所等の機能を担う主要な公共施設に耐震性の貯水槽を検討する。 

(2)下水道施設 

ア  既設の下水道施設については、耐震性能調査を行い、必要に応じて補強、更新、

改築工事を推進する。 

      また、新設施設については、今後設定される新基準に基づき、耐震性の高い施 設設備を推進する。 

イ  災害時の、通信手段を確保するために下水道終末処理場に設置された、防災無 線の保守・管理に努めるとともに、下水道台帳の電算化による施設管理情報ネッ トワーク化を進め、応急復旧対策の迅速化を図るよう努める。 

(3)電力施設  ア  耐震性の向上 

変電設備については、予想される地震動などを勘案するほか、「変電所における 電気設備の耐震対策指針」に基づき設計する。 

イ  災害復旧の迅速化 

      電力設備の広範囲、長期間にわたる停電を避けることを基本に、配電線のルー プ化、開閉機の遠方制御化により、信頼性の向上と復旧の迅速化を図る。 

(4)ガス施設 

ア  ガス施設全般について、耐震性の確保に努める。 

イ  特にガス導管については、ガス用ポリエチレン管の普及により、耐震性の強化 を図る。 

ウ  既設の設備については、耐震性評価に基づき、必要に応じて補強、更新を行う。 

エ  地震発生時の緊急対策として、地震計や緊急遮断弁の整備を行うとともに、効 率的な復旧対策のためにガス管のブロック形成を促進する。 

(5)通信施設 

ア  電気通信設備等の高信頼化 

(ア)豪雨、洪水、高潮又は津波等の恐れのある地域について、耐水構造化を行う。 

(イ)地震又は火災に備えて、耐震・耐火構造化を行う。 

(ウ)被災時の救出・救助及び防災関係機関の重要な通信を確保するため関係通信 施設の加入者ケーブルの2ルート化・異ケーブル化への分散収容を推進する。 

イ  電気通信システムの高信頼化 

(ア)主要な伝送路の多ルート構成、若しくはループ構造とする。 

(イ)主要な中継交換機を分散設置する。 

(ウ)通信ケーブルの地中化を推進する。 

(エ)主要な通信設備について、必要な予備電源を設置する。 

(オ)地震、火災から架空ケーブルの被害を防護するため、加入ケーブルの地下化、

また、耐震耐火構造の地下トンネル網の建設を推進し、既設ケーブルを含め、

地下トンネルへの収容替え等により、一層の信頼性の向上を促進する。 

 

5 

防災都市づくりの実現 

防災都市づくりに関する計画について、広島県が策定する地震防災緊急事業5箇年計 画に基づき、地震防災上緊急に実施すべき事業を計画的に推進する。

 

災害において迅速かつ的確な措置をとり、被害を最小限に防止するため防災教育の推進 に努める。 

 

2  防災教育 

地震災害について、広島県地震被害想定については、「正しく恐れて備えることが大切 であること」の認識と防災・減災対策による被害軽減効果などの必要な知識の普及と啓 発を、災害予防責任者及び防災業務に従事する者のみならず、市民等に徹底することに より、地震災害において迅速かつ的確な措置をとり、被害を最小限度に防止するため、

防災教育を推進する。 

(1)実施内容 

ア  防災思想の普及、徹底

防災関係機関は、市民が、自らの身の安全は自らが守るという自覚を持ち、平常 時から食料、飲料水等の備蓄等を含めた、災害に対する備えを心がけるとともに、

豪雨、土砂災害、地震・津波など過去の災害から得られた教訓の伝承に努め、早期 避難など災害時には自らの身の安全を守るような行動をすることができ、自主防災 活動への参加など地域ぐるみでの安全確保に努めるものとする。また、災害時には、

初期消火を行う、近隣の負傷者、避難行動要支援者を助ける、避難場所や避難所で 自ら活動する、あるいは防災活動を行っている者に協力するなど、防災への寄与に 努めるよう、自主防災思想の普及、徹底を図る。

また、教育機関や民間団体等との密接な連携の下、防災に関するテキストやマニ ュアルの配布、有識者による研修や講演会の開催等により、防災教育を実施する。 

イ  市民に対する防災知識の普及・啓発 

市及び防災関係機関は、地震災害時に市民が的確な判断に基づいた行動ができる  よう、あらゆる機会を通じて、広島県地震被害想定と防災・減災対策による被害軽 減効果のほか、地震についての正しい知識や津波からの早期避難や耐震化などの防 災・減災対策の普及・啓発を行い、意識の高揚を図る。 

また、自主防災組織など地域コミュニティや家庭・家族単位での防災に関する 教育の普及促進を図る。 

(ア)啓発内容 

    a  想定される地震被害と防災・減災対策による被害軽減効果        b  地震・津波に関する基本的知識の周知 

      c  様々な条件下で地震発生時にとるべき行動、心得等          <地震災害時の心得> 

(a)家の中にいるときに大きな揺れを感じたら、まず丈夫なテーブルや机の下 に隠れて身の安全を確保し、あわてて外へ飛び出さないこと。 

      (b)火の始末はやけどをしないように落ち着いて行うこと。 

(c)テレビ、ラジオ、緊急地震速報、インターネット、防災行政無線(戸別受 信機を含む。以下本節中に同じ。)により気象台等が発表する津波警報等や地

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