クロマグロの種苗生産に関する研究
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(2) l EeK. . ". f 4 2 ミ f. クロマグロの種苗生産に関する研究. 近畿大学水産研究所 宮 下 盛 (主査:熊井英水教授). StudiesontheSeedlingProductionoft h eP a c i f i cBluefinTuna,. Thunnusthynnuso r i e n t a l i s. Shigeru孔1 i y a s h i t a. March, 2001 FisheriesLaboratoryofKinkiUniversity (Advisor:P r o f . HidemiKumai). n i v e r s i t y, t of u l f i l lt h e Submitted t ot h e Graduate School, Kinki U requirementf o rt h eDoctorateDegree..
(3) B u l l .F i s h .L a b .K i n k iUniv.,No. 8,1 1 7 1. ( 2 0 0 2 ). クロマグロの種苗生産に関する研究 * 1 盛. 宮下. S t u d i e sont h eS e e d l i n gP r o d u c t i o no ft h eP a c i f i cB l u e f i nTuna , Thunnust h y n n u so r i e n t a l i s S h i g e r uMIY ASHIT A* 2. 目次 緒. 論. ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ー ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・. 第 I章 養 成 ク ロ マ グ ロ の 成 熟 と 産 卵. …・……………………………………………………. 8. . . ・ ・-………………………………………………………一. 8. …………・……………ー・…一一…・…………………ー………・. 8. 1-1.親魚の成長および成熟 I・ 1 ・1.材料および方法. 1・1 ・2 .結果. H. …………ー……・……・…………………………………………………………. 11 3 .考察 …………………………・………………………………一……………………… . 自然産卵 …………………………………………………………………………・……… I・2 12・1.材料および方法 …………一………………………………………………………… Iふ 2 . 結果 … . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ‘ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ e. 12・3 .考察. 4. 1 0 1 6 1 7 1 7 1 7. … … … . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ‘ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・. 2 1 2 5. 13 -1.材料および方法 …・……………………一………………………………………・… ・ … . . . 一 一 . . . . . . . . . . . . . 一 一 . . . . 一 一 … 一 . . . . . . . . 一 一 一 一 . . . . 一 . . … ・ 一 一 . . . . . . . . . . . . . . 一 一 一 ・ 13 2 .結果 ・. 2 5 2 5. ………………………………………………………・・………...・ ・..……-……. 2 6. ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・. 2 9. …………………………………………………………………………...・ ・ … H. 13 . 精子および、卵摸の構造. 13・3 . 考察 第 E章. H. 卵発生および解化. l l -1 . 卵発生および癖化に及ぼす水温の影響. ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・. 2 9. l l 1・1.材料および方法 ………………………………ー………………………………… l l 1・2 .結果 ……...・ ・・ ・ . . . . . ・ ・ … … . . . ・ ・ . . … ………………...・ ・..………………… E・1 ・3 .考察 ・…・一一.................一…....…一…一一・・…..一一..一…・・・…・・・・一一・…・・・・…. 2 9 3 1 3 9. H. H. H. H. H. E・ 2 . 卵発生に伴う化学成分および酵素活性の変動 E・ 2・1.材料および方法. υ. H. ………………………………………. ……………………………………………………………………. が本論文は近畿大学審査学位論文である。 , まi n k iU n i v e r s i t y,S h i r a l 沼 ma ,Nishi-muro,W誌 ayama649・2 2 1 1,Jap組〉 が白浜実験場 ( F i s h e r i e sL a b o r a t o r y. 一 一 1一 一. 4 1 4 1.
(4) 8号. 近大水研報. (2002). ・ 2 .結 果 豆 ・2. ……………………………………………………………-…………一…………. .考察 l l 2・3. ・…一-…・・…ー・…・・・・……・・・・…-…一・・…ー・・・…・・・…一.....…ー・・・………・…・…一. 4 2 4 3. … … … … . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・. 4 8. . . . . . . . . . . ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ … … . , … ー . . . . . . . . . . . . . . . . .. . . . . . . , . . . . . . ....• .• •... ...•......• •.. . . . , . ・ ・ ・ ・ ・. 4 8 4 8. 第 E章. {子稚魚の発育. 亜-1.発育に伴う外部形態の変化. i l l 1 -1.仔魚期から稚魚期. E・ I ・ 1 ・1.材料および方法 ……-……....…………………………....・ ・ … … . . . . . ・ ・ 4 8 E・I ・1 2 .結 果 ・ ・ ・ … 一 . . . . . 一 … ・ ・ ・ ・ ー ・ … ー ・ ・ … 一 . . . . . 一 … … . . . . . . . . . . . . . . . . ・ … ・ ・ ・ ・ ー … . . . . . . . . 一 50 H. E・ I ・ 1 ・ 3 .考察. H. ………………………………………………………………………………. E・ I ・ 2 . 稚魚期から若魚期. ……………………………………………………・……………. E・ I ・ 2・1.材料および方法. ……-…………ー……………………………………………. E・ I ・ 2・ 2 .結 果. ・・・・・………..一….....…・・・・…・………・…・・・・・・・・ー・…・一-………・・・一-一…. 3 .考 察 i l l l・2. . . ・ ・..…………-…....・...……・………....・ ・…………………………… H. H. 6 3 6 8 6 8 7 0 7 8. ……………………...・ ・..………………………………. 8 1. …………………………………………………………………………. E・ 2 .発育に伴う内部形態の変化. H. ・2 .結 果 m-2・1. ・…・一..………....一...一……・…・…・・ーい… …・・・・・・・・・・……・・…-一……・一. 8 1 8 1 8 2. 璽 ・2・ 1 ・ 3 .考 察. ………...・ ・ . . … … … . . . ・ ・ . . … … . . . ・ ・..…………...・ ・ . . … … … . . . ・ ・. 9 1. E・2・2 . 筋肉形成. ………………・・………ー……一…………...・ ・..…………...・ ・..………. 9 3. E・ 2・1.消化系の発達. E・ 2 ・ 1 -1.材料および方法. -一......一-…・・・…一・…・ー・…・ー・…・…ー・・・・…・………・……・一 υ. H. H. H. H. H. E・ 2・ 2・1.材料および方法. m-2 ・ 2 ・ 2 .結 果 i l l 2 ・ 2 ・3 .考 察. H. H. …………...・ ・ . . . . . ・ ・..………………………………………. 9 3. …-……・…..一…・……・・・・・一…-…....……・・・・・…-一・…一…・・…・…一・・ …. 95. … … . . . . . . … . . . ・ ・ . . … … . . . ・ ・ . . . . . ・ ・ . . . . . ・ ・・・ . . … … . . . ・ ・..…………. 1 0 0. H. H. υ. H. H. E・ 3 .発育に伴う酸素消費量の変動. H. H. H. H. H. …………………………...・ ・-…・……一……………. 1 0 1. …………………………………………....・ ・-…一………………. 1 0 1. E・3・2 .結 果. ………………………...・ ・-…………………...・ ・-…………………………. 1 0 5. E・3 ・3 .考察. …..一……..一・…一・・・・・…・一-一..………-一・……・…・…・・・・一……・・・・・・ー・…・…・・. 1 0 7. ・……・……………........…………………………. 1 1 0. 亜3 1 .材料および方法. H. H. H. 第W章 稚 魚 期 以 降 の 突 進 遊 泳 と 衝 突 死. H. …………………ー………. 1 1 0. … ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・. 1 1 1. … … . . . ・ ・ … … ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・. 1 1 5. W・1.遊泳行動およびその能力に関する外部器官の形態変化 N・ 1 ・ 1 .材料および方法 N・1 ・2 .結 果. e. e. H. 1 2 3 N 2 .衝突による骨格損傷とその多発期 ……・……・…………・…………………………… 1 2 6 N-2-1 .材料および方法 … … … ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 2 6 N 2 2 .結 果 ・一…・・…-…・・・…...……・・・…・・・・・・・・・……-……・・……・・・…...…..…一・・・・・ … 1 2 6 N 2 3 .考察 … ・ … . . . . ・ ・・・-…… ・・-……・……・...・ ・ . . . . ・ ・ . . . ・ ・ . . . . . . . . . . . . ・ ・ . . . . . ・ ・ 1 2 9 N I 3 .考察. ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ e. υ. H. 第 V章. H. H. H. H. H. H. H. H. ………...・ ・ . . … . . . ・ ・..…………...・ ・-……………...・ ・ . . 1 3 3. クロマグロの種菖生産. V-l.採卵. H. H. H. H. H. ………………...・ ・..………………………...・ ・・・ . . … . . . ・ ・..……………… H. H. -2-. H. H. H. 1 3 3.
(5) 宮下:クロマグロの種苗生産に関する研究. V2 .1 . 惇 イ ヒ. . . . . . 一 … ・ 一 一 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 一 一 ・ … 一 . . 一 一 ・ … . . . . . . . . . . . . . 一 … ・ ・ ・ ・ … ー ・ ・ ・ ・ …. 1 3 5. V 3 .初 期 飼 育. …………………………………………………………………………………. 1 3 6. V-4. 中 間 育 成. ………………………ー……………………ー……・一……………………・…ー. 144. V 5 .人工種苦の実用化および親魚養成田完全養殖 要約. Summary. …………一……………………………. 一一……………・………………・一……ー……・…………-…........…………・…・・. υ. 1 4 7 1 4 8. ・ ・ ・ ・ ・ ぃ … ・ ・ ・ … . . . . . . . . . . . . . 一 一 . . . . . . . . . . . . . . 一 一 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 一 . . . . . . . . . . . 一 … . . . 1 5 2. 1 5 6. 謝. 辞. ………・……………・ー…………………・…・………・ー………………………………・一…. 文. 献. ・ ・ ・ ・ ・ ・ ー ・ ・ … . . . . . . . . . . . . . . . . . . … . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 一 一 . . . . . . . … 一 . . . . ー ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ … . . . . 一 一 . . . . . 一 一 一 . 1 5 6. - 3ー.
(6) 近大水研報. 8号. (2002). 結論. サパ科に嘉するマグ、ロ類は,一般的に,クロマグロ ,Th u n n u st h y n n u s,メバチ,Thu n n u so b e s u s, キハダ, Th u n n u sa l b a c a r e s, ビンナガ, Thunnusa l a l u n g a, ミナミマグロ , Th u n n u sm a c c o y i i, タ イセイヨウマグロ , Th u n n u sa t l a n t i c u sおよびコシナガ, Th u n n u st o n g g o lの 7種に分類される凶)。 マグロ類は旋縞,延縄,定置縞,流し網,曳縄および竿釣などで漁獲され, FAOの統計による と,世界における 1 9 9 0年前後の年間総漁獲量は約 1 5 0 " " " " ' 1 6 0万 tである。日本では水産庁の統計 によれば,そのうち 3 0万 t前後を漁獲している。日本のマグロ漁業の生産量は, 1 9 9 8年度でみ ると海面漁業における総生産量の約 5%,生産額では約 14%に当たる。魚種別にみるとメパチ, キハダ,ビンナガが主であり, 1 9 7 8年には 12%で、あったクロマグロの占める割合は年々減少し, 最近では約 2%と著しく低い 4, ヘ. 0 0 k g前後に達し,最大の記録 クロマグロは,マグロ類中最も大型で,全長 3m内外,体重 5 0 4cm,体重 6 7 9勾 で あ る ヘ 地 中 海 , 大 西 洋 お よ は北西大西洋で釣獲されたもので,尾文長 3 び太平洋の温帯海域を中心に全世界に分布する闘が,太平洋クロマグロ ,T .t h y n n u so r i e n t a l i s. (Temminc 孟a ndS c h e l e g e I)は,分類学的には大西洋クロマグロ ,T .t h y n n u st h y n n u sL i n n a e u sの 亜種にあたると主張されてきておりしぺ最近,ミトコンドリア DNAの解析から,これらの 2亜 種間の生殖踊離が示された則。 Co l I e t t e11)は形態学的および遺伝学的相違から,大西洋クロマグ ロを主 t h y n n u s,太平洋クロマグロを T .o r i e n t a l i sと別種にするのが適当であろうと提唱してい る 。 太平洋クロマグロは,太平洋の東西両岸関で大洋横断田遊を行うが,メパチ,キハダ,ビンナ ガなどと異なって,産卵海域は南西諸畠を中心とする日本近海に眼られ,産卵芭帰性が強いとい われる 6,へ従ってクロマグロは,ヨ本の栽培漁業対象種としてマグロ類の中で最も有望と考え られる o ところで,ヨ本では本種を縄文時代から食していたといわれるが,美味であるうえ漁獲量が少 ないため,マグロ類中最高級魚で、高品缶植が極めて高いへそれ故, 1 3本では世界中からクロマ グロを輸入し,全漁獲量の 50%以上を消費している。ゆえに,乱獲による資源枯渇が懸念され, 国際的な資源管理への関心が年毎に高まりつつある。 1 9 9 2年には,京都で関擢された第 8@Jワ シントン条約会議に大西洋クロマグ E の規制がスウェーデン政府より提案されるに至った o 採 択 こそされなかったものの,開条約に採択されれば高業目的の漁業および取引が全面禁止となる可 能性もあることから今後の動向が危倶される c さらに,今まで、漁獲規制のなかった太平洋クロマ グロについても, 2 0 0 0年 9j }4日には,ハワイで開催された「第 7田中西部太平洋における高 震回遊性魚種資源の保存管理に関する多国間ハイレベル会合j で,マグ、ロ類の資源保存管理の枠 組みを定めた条約が採択され,今後のクロマグロ種苗(ヨコワ)の採捕も含めて極めて重大な局 面を迎えつつある c 一方,このような背景の中で,海外では大型個体を採捕して比較的短期間飼育する蓄養が行わ れ,日本に輸出されている。海外での蓄養は,その多くが呂本の関係機関によって指導・開発さ れてきたものであり. その始まりは 1 9 7 5年にカナダ東岸で開始された大西洋クロマグロの蓄養. 事例であろう Iヘこれは, 7月頃定置網に入網する産卵後の肉質の悪い大型マグロを活け込んで,. -4-.
(7) 宮下:クロマグ、ロの種苗生産に関する研究. 冬まで蓄養した後,. 9 8 5年 日本へ輸送するというものである。地中海においても,スペインで 1. から蓄養事業が始まっており,その生産量は 1 9 9 8年のし550t~こ対して, 1 9 9 9年度は 5, 300tと 推演され,急増している問。また,地中海での蓄養はモロツコやクロアチアなどでも開始されて. 5kg前後のミナミマグョを蓄養す いる。さらに,オーストラリアでは,旋網で漁獲された体重 1 9 9 0年からポートリンカンを中心にボストン湾で行われており る事業が 1 7, 000tと推演されている. 1 6 .. 1 9 9 9年度の生産量は. へこのように海外で蓄養されているマグロの殆どは日本へ輸出され. 9 9 9年度におけるこれらの総量は, るが, 1. 日本の推定養殖生産量より逢かに多しリ万数千 t~こ. 達する見込みである。なお,日本の養殖生産量はおれとも 1 , 000tともいわれるが,この種苗に は,後述するように“ヨコヲ"と称される天然産幼魚 ( 0歳魚)を採捕して用いている c このように本種は,主要消費国である日本にとっても重要魚種であり,その天然資源増強技術 の開発が重要である c また同時に,養殖生産量増大への取り組みも必要となるが,その種苗を天 然産に依存しているのでは資源管理上問題であり,今後は,先に述べたような国際資源管理捧制 によって天然種蓄の採捕が規制される可能性も高い。従って,マグョ漁業・養殖業の発展のため には,種苗生産技術の開発が不可欠であり急務である。しかし,クロマグロについての研究は, 資源学的,生物学的には以前から数多く行われてきたものの,増養殖に関しては,本種の産卵場 が遠く天然親魚からの採卵が困難で,親魚養成も成魚が巨大で扱いが国難なうえ,大がかりな飼 育施設を要すことから, 1 9 7 0年まで手つかずの状態が続き,将来の夢とされてきた。. 9 7 0年に開始し クロマグロ増養殖への取り組みは日本で最初に行われたむ水産庁が企画して 1 た f 有用魚類大規模養殖実験事業」である。これは,経済水域 200海里時代を迎えるに当たって,. B本漁業の衰退を危慎しての施策であり,事業の対象種としてサケ ,Oncorhynchusk e t a,タラバ ガニ ,Pa r a l i t h o d e sc a m t s c h a t i c aおよびクロマグロの 3種が挙げられた 17,18)ロクロマグ E について は,遠洋水産研究所を中心とした 3ヶ年のプロジェクト研究「マグ、ロ類養殖技術開発試験 j が開 始され,近畿大学水産研究所は,東海大学,静岡県水産試験場,三重県水産試験場,長椅果水産 試験場とともにこれに参画することになった。そしてこれを機に,和歌山県串本町大島にクヨマ. 9 7 1年から高知県水産 グロ養殖実験墓地を開設した。なお,同プ E ジェクト研究には,その後 1 9 7 4年から麗児島県水産試験場がそれぞれ加わった。当初のプロジェクト研究の方 試験場が, 1 針は,クロマグロ親魚が巨大で、あるとともに採捕場所が遠く,熟卵保有掴捧の入手が不可能に近 かったことから,養成親魚からの自然産卵を目指すもので、あった c すなわち,①百本列島沿岸に 来遊する幼魚“ヨコワ"を活け込んで飼育し,養殖および採卵用親魚養成技術を開発する c ②養 成親魚からの採卵が可能になるまで,旋網または定置網で漁獲されるマグロ類およびその近縁種 からの採卵を試み,人工解化および飼育技術を開発する。という 2面立てで取り組まれた。その 成果として,クロマグロの絹生賓養殖の可能性が示唆され 19-23). キハダ、民紛,マルソウダ,A u x i s. z αi st h a z a r d27) およびハガツオ,Sarda o r i e n t a l i s28) などのサバ型 t a p e i n o s o m a刻,ヒラソウダ,A. 9 8 0年 魚類の人工鮮化および稚魚までの飼育成功が報告された。その後,このプロジェクトは 1 から 1 9 8 8年まで行われたマリンランチング計画に引き継がれ,この聞に養殖の可能性が実証さ. 1の養殖試験が 1 9 9 2年から始まった。これら事例の集積から れ松久(社)マリノフォーラム 2 マグロ養殖の有望性が認められ, 1 9 8 5年からこれに取り組む畏関養殖業者も出現し始めた。 この間,近畿大学水産研究所では, 1 9 7 0年に白浜実験場でヨコワの活け込み試験を開始し,. 翌1 9 7 1年からは串本町大島に開設した大島分室にその実験場所を移したへ以来, 30年間 i こわ. -5-.
(8) 近大水研報. 8号. (2002). たって同分室で親魚養成および産卵の研究が続けられてきた。その結果, 1 9 7 9年に満 5歳となっ. 9 7 4年級群クロマグロの生賓内における自然産卵に世界で初めて成功却するとともに,採取 た1 7日目,全長 57mmにまで成長させた 31)。しかし,その後の した卵を解化・飼育して,鮮化後 4 9 8 0年(満 6歳)および 1 9 8 2年(満 8歳)に認められた後中断し, 1 9 8 2年に解化 自然産卵は, 1 7日目,全長 79mm (最大個体は鮮化後 4 9日目,全長 98mm) の飼育記録を残したまま, 後5 種百生産技術の開発も休止状態となった。. 9 9 2年から株式会社マルハが奄美大島で叩, その後,クロマグロの自然産卵による採卵は, 1 日本配合飼料株式会社が愛媛県内海村で 33) それぞれ成功しており, 日本栽培漁業協会でも奄美. 9 9 7年から行われている。しかし,その自然産卵は依然として甚だ不安定であり,仔 事業場で 1 稚魚の飼育についての報告もあるが孔 35) 量産はもとより,初期飼育の域を出ず,養殖用種苗と して役立つ大きさまで育てるに至っていない。なお,オーストラリアではミナミマグロの種百生 産が試みられている 36) これらの結果 L 既往の多くの海産魚種の種苗生産事例からすると,それらの魚種に比べてク ロマグロの生理生態学的特異性が窺われ,本種の種苗生産がかなり困難なものであることが推察 される托刻。従って,クロマグロの種苗生産技術開発のためには,さらに多くの基礎知見の集積 が必要と考えられる。. 9 8 7年級親魚群を養成し,自然産卵によって採取した受精卵を 以上の観点から,本研究では 1 供試して,クロマグロ仔稚魚の発育過程における種々の形態学的および生理生態学的特性を明ら かにするとともに,その完全養殖への足がかりを得るために種苗生産を試みた。 第 I章では,養成クロマグロの成長と成熟について調査し,生殖腺の成熟状態および産卵行動 を観察した。この結果と野生種の産卵生態に関する既往の知見から,和歌山県串本町大島海域に おける産卵条件を検討した。また,精子と卵膜の構造を明らかにした。 第 E章では,卵内発生を観察し,発生速度および鮮化に及ぼす水温の影響を調べ,解化適水温 を検討した。また,卵の発生に伴う化学成分および酵素活性の変動を調べた。 第 E章では,仔稚魚の絶対成長と相対成長を明らかにするとともに,成長に伴う外部形態の変 化並びに消化系器官の発達および消化酵素活性を調べた。また,遊泳推進力を生み出す組織であ る体側筋の発達を調べた。さらに,閉鎖的環境における安全な飼育を行う上で必要な指標として, 成長に伴う酸素消費量の変動を調べた。 V章では,クロマグロの種苗生産において最大の課題である稚魚期以降の突進遊泳による衝 第I. 突死の原因究明とその防除対策に資するため,成長に伴う遊泳行動の変化を観察するとともに, 遊泳能力に関係、の深い外部諸器官の発育過程を調べた。そして,衝突死による骨格の損傷状態を 観察するとともに,その頻発時期を調べ,これらの結果と第 E章の結果から稚魚期における衝突 死の原因について検討した。 第 V章では,クロマグ、ロの採卵,陸上水槽における初期飼育,海面生賛での中間育成の全種苗 生産過程の各技法について,それぞれ検討を加えた。. - 6一.
(9) 宮下:クロマグ、ロの撞苗生産に関する研究. 一本文中の用語 i こ関する定義一. 0cmである。 多くの魚類における近年の放流用および養殖用種苗サイズは,一般的に全長 5""1. 従って,種苗生産における中関育成期間は,陸上水槽で全長 1--..., 3cmまで飼育された後から全長. 7cm内外までの間である c しかし,クロマグロについては,全長約 5cmから 20cmまでの関に 飼育施設への衝突死が多発することかち,この関の幼魚を実用養殖種苗として用いるのは圏難で ある。また,現在のところ,クロマグロの養殖用種苗にはすべて天然産が用いられており,その サイズは全長約 20cm以上である。そこで,本種の種苗サイズは全長 20cm以上と仮定し,本研 究における中間青成の期間は. 全長約 5cmから約 25cmまでの関と定義する。. 魚類の発育段階を外部形態の発達状態のみで亙分することは必ずしも適切とはし 1えないが,便 宣上,外部形態に基づいて区分することが多いへ本研究においても,発育段賠に対応したき耳料 系列や減耗期など,増養殖上重要な諸問題を述べる上でこれを用いないと不便で、ある。そこで, クロマグロの発育段措についても, 自本で従来から用いちれている亙分法(前期イ子魚ー後期仔魚.. ω . 4 I}に従って使用する。なお,初期発育については,尾鰭の形成 稚魚.若魚ー未成魚.成魚.老魚 ) を重視した区分法が海外で広く採用されている c そこで,形態学的研究の項自では,上記の発育 段階における後期仔魚を上毘前仔魚旬r e f l e x i o n )・上屈仔魚 ( f l e x i o n )・上屈後イ子魚 ( p o s t f l e x i o n ) の三段階に区分して用いる。 また,魚体の大きさを長さで表す方法には,全長 ( T o t a ll e n g t h ,TL)・標準体長 ( S t a n d a r d l e n g t h,SL)・尾叉長 ( F o r kl e n g t h,FL) などがあり, SLは単に体長 (Bodyl e n g t h,BL) ともい う刻。魚類における多くの既往の報告では,形態学的研究では BL (また辻 SL) を基準とするが, 種苗生産に関する研究では初期飼育に TL,親魚に FLを,マグ、ロ類の姿源、学的研究で、は FLを , それぞれ用いている例が多い。本研究では,研究現場での利便性を考書、し,親魚養成に関する項 目では尾叉長 ( F L ) を,種菖生産に関する項目では全長 ( T L ) を,形態学的研究の項目では体 長 (BL) をそれぞれ用いることにした c. -7-.
(10) 近大水研報. 8号. (2002). 第 I章 養 成 ク E マグロの成熟と産卵紛. 種苗生産を行うためには,まず良質な受精卵を大量に安定して採取することが必要であり,養 成親魚からの採卵技法の開発が不可欠で、ある。しかし,養成クロマグロの自然産卵は,近畿大学 水産研究所制で 1979年に初めて成功して以来,株式会社マルハペ日本配合飼料株式会社制お よび日本栽培漁業協会奄美事業場でもそれぞれ成功しているが,これらの詳細についての報告は なく,安定採卵という点で問題も多い。 一方,本種または亜種の大西洋クロマグロの野生種の産卵場と産卵期に関しては,大西洋およ び地中海における R i v a sペ Tiews47),S a r a紺 , P i c c i n e t t i49),太平洋におけるKiぬi n o u eペ中村弘鉛,. Yaman 誌 ピ ヘ 矢 部 ら へ 上 梯 55.56) 沖山 5ぺ 依 田 5ぺ 西 )1銃剣など多くの報告があるが,いずれ も漁獲親魚の生殖腺の観察や,仔魚の採集結果などの断片的な知見から推察されたもので、ある。 従って,産卵開始および終了の環境条件についても明らかでなく,生殖腺の状態や産卵期需, 産卵行動についての知見も十分ではない。そこで,養成親魚からの採卵技術向上のための知見集 積の一環として,串本町大島における親魚の成長,成熟度の周年変化と自然産卵,産卵行動 6ぺ 産卵時刻直前における生殖腺の性状,精子および卵摸の構造 ω などを明らか i こする目的で本研 究を行った。. 1-1.親魚の成長および成熟 1-1-1.材料および方法 親魚養成用の種苔である天然産の幼魚は,紀伊半島沿岸では毎年 8月を盛期に来遊する。その 大きさは全長 2 0 " " " ' 3 0cmが主体であるが,本研究における鮮化仔魚からの飼育結果から推定する と,これらの個体は鮮化後 2 " " " ' 3ヶ月齢に相当し,癖化時期は 5 " " " ' 6月と推定できる。著者らは, 1970年以来毎年幼魚を曳き縄釣りによって採捕し,近畿大学水産研究所大島分室の網生賛に活. け込んで親魚まで養成する実験を行ってきた。本研究の供試 G歳魚にもこれを用いたが,その活 け込み期間は, 1987年 8丹 2Sから 9月 1 1 Sまでの 4 1 S関であった。この需に採捕された 3, 2 2 1尾を,一辺 1 2X1 2x深さ 6m,自合い 8節の講生賛に収容して患1 1 致飼育を行った。活け込. み 1週間後まで生残した 2, 354尾を本実験における開始尾数とした。 種苗の活け込み開始 2ヶ月後には,一辺 3 1X31X深さ 1 1m, 自合い 4宝石の化繊網生糞に移し て養成を開始した。生賓の設置場所は F i g . I・1に示す通り,紀伊半島南端の和歌山県串本町大島 の西岸に位置する。 飼育餌料は T a b l e 1・1に示すように, 0--2歳では主としてイワシ類およびイカナゴ, Ammo 砂t e sp e r s o n a t u sを , 3 " " " ' 5歳では主としてイワシ類を用い,成長に伴ってアジ類,サバ類,. およびイカ類を加えた。 6歳からは主にサバ類を用い,アジ類およびイカ類をこれに加えたが, これらの餌料は原則として 1逓間に 5,6S, 1日i こ1 ,2田飽食するまで給餌した。 串本大島海域における成熟過程を明らかにするために,生殖線体指数. ( G sI)の季節変動を調. べた。調査期間は,詞地におけるクロマグロの成熟年齢を原田ら叫の結果から溝 5歳前後と想. 一-8ーー.
(11) 宮下:クロマグ、ロの種菖生産に関する研究. D. 5E. Y K i iP e n . KozaR i v .. 450 N. WakayamaP r e f . OhshimaE x p . S t .o fF i s hL a b .o fK i n k iU n i v .. T s u y a s h i m aI s . トーー----'. o. S h i o n o 二M i s a k i. 1km. P a c i f i cOcean F i g . I・1 .L o c a t i o no f由eP a c i t i cb l u e f mt u n af ; 訂m .. 定し,同年齢を迎える 1 9 9 2年以降とした。クロマグロは擦れ易く扱いが困難なため,調査は釣 りによって槌時取りあげる需引き時に行った. D. これらは,それぞれ釣り上げた後に魚体各部を測. 定後,生殖擦を描出して計量し, GSIを求めた。 GSIは(生殖腺重量/体重) X 1 02 (%)で表し た。なお,肥満度 (CF) は,体重 X103/ 体長 3で表した。 一方, 7歳時の産卵期間中で、あった 1 9 9 4年 7月 1 6日から同月 20日にかけて,本種の抱卵数 および生殖腺の性状を明らかにする目的で,釣りによるサンプヲング、を行った。釣り上げ時刻は, 産卵時刻にできるだけ近い午後 4時頃とした。生殖腺は,魚体各部を瀕定した後に摘出した。抱 卵数は,右卵巣の前部,中央部,および後部部分をそれぞれ 1gづっ切り出して 10%ホルマリン. -9-.
(12) 近大水研報. 8号. (2002). . F e e df o rt h e1987y e a rc l a s so ft h eP a c i f i cb l u e f i nt u n a T a b l e i・1 N O . o f f i s h Age. lsc ommen ・. cement. A v e r a g e bodywt . ( k g ). Weightof f e e d ( k 草 ). S a r d i n e. Sandl a n c e. (%). H o r s e m a c k e r e l. (%). (%). M a c k e r e l (%). C u t t l e f i s h. O t h e r s *. (%). (%). 2, 354. 0 . 2 6. 989 50,. 57. 5. 1 , 224. 8. 1 1 7, 1 7 6. 8 5 . 9. 1 2 . 8. 0 . 5. 0 . 0. 0 . 8. 2. 905. 1 2. 1 2 6, 058. 6 6 . 5. 1 . 3. 7 . 7. 0 . 0. 24 . 5. 3. 765. 20. 1 2 2, 570. 5 . 2. 1 7 . 4. 1 1 .6. 0 . 2. 6 5 . 1. 4. 6 3 1. 30. 1 0 1 1 4 9,. 4 3 . 5. 1 5 . 6. 3 5 . 9. 0 . 0. 5. 1. 5. 598. 40. 1 5 4 , 2 4 1. 4 3 . 8. 1 . 1 1. 32. 3. 4. 3. 8. 5. 6. 3 2 1. 57. 1 5 5 , 792. 6 . 9. 2 7 . 7. 5 3 . 6. 4 . 1. 7 . 7. 7. 2 8 1. 75. 1 6 3, 303. 2 . 5. 1 1 .0. 7 7 . 0. 9. 3. 0 . 2. 8. 1 7 1. 90. 307 96,. 4 . 6. 27 . 4. 6 3 . 2. 4 . 7. O. 42. 4. 0 . 5. 0 . 1. 9. 99. 1 2 0. 814 66,. 2 . 0. 1 4 . 9. 7 7 . 0. 6 . 0. 1 0. 93. 1 5 0. 597 82,. 0. 5. 9 . 7. 8 4 . 6. 5. 3. I I. 76. 1 8 0. 74 , 1 1 6. 0 . 2. 6 . 8. 8 8 . 8. 4 . 2. 1 2. 63. 220. ,6 4 1箆. 3 . 5. 0 . 3. 8 4 . 1. 9 . 1. 3 . 0. 1 , 400, 570. 2 6 . 8. 1 3. 5. 4 4 . 3. 3 . 5. 1 0 . 4. T o t a l. 1 .6. 0 . 1. * B o n I t oe t c .. 液で臣定した後,全ての卵粒を計数して推定した。また, 0 . 2血 m 以上の分離卵粒群の卵径を光 学顕微鏡下で計測してその組成を調べ,多田産卵性を検討した。一方,同様に切り出した卵巣の 一部をブアン液で冨定した後,常法にしたがって組織標本を作製し,卵の成熟度を観察した。 11 2 . 結果. (1)親魚の成長 親魚養成場における飼育環境の中から,成長,成熟および産卵に関係が深いと思われる環境要 因の周年変動を F i g . 1・2に示した。それぞれの値は, 1 9 9 2年から 1 9 9 9年までの g年間の平均 である。この期間における海水の表面水温,海水比重および透明変の範囲は,それぞれ, 1 3. 3 ' ". 29.7t, 1 8 . 5 0 " ' 2 6. 48,2 . 0 2 6 . 0m であったが, 8年間の平均でみた周年変動は,それぞれ, 1 6 0 2 6 C,2 3 . 0 0 2 5 . 0 0,5 -1 7m の範囲にあった。また,最高水温および最低水温は,それぞれ 8. 月下旬および 2月下旬に観測された。なお,水深 5mにおける水準は表面水温と同じかやや低 く,その差はほぼ 0.5t以内で、あった。供試魚はこのような環境の下で養成したむ活け込み当初 の尾文長,体重,および肥満度は,それぞれ 25.5+2.5cm,260+10g, 17.0+1 .4 (平均値±標準 編差,n=10) で、あった. D. これを養成したところ, F i g . 1・3に示すように成長し,成熟を想定し. た溝 5歳を迎えた 1 9 9 2年 5月には,尾文長 7 1 1 6 4cm,体重 7"'70 見に成長した。その後の尾 文長と体重の変動は, 1 9 9 3年の 4 5月(満 6歳)には,それぞれ 9 0 -1 7 9cm, 1 3 9 9均 , 1 9 9 4 年の 7月(溝 7歳)には,それぞれ 1 0 7 1 8 8c 乱. 2 1 -1 4 0勾に成長し, 1 9 9 9年 5 1 0月(満 1 2. 歳)には,それぞれ 2 0 4 2 4 4cm, 1 7 5 2 7 2kgに達した。尾叉長と体長,全長および体重の関 係を F i g . 14,こ示した。この関の肥満度は,天然種苗活け込み時には, 1 5 2 0の範囲を示した が,以後は約 2 0 2 1を中心に推移し,成長に伴って微増する額向が認められた。なお,個体に よる肥満度の差は大きく,おおむね 1 5 3 0の範囲で、あった。. -10-.
(13) 宮下:クロマグロの種苗生産に関する研究 戸固同、. Uヲ r-. 26と 〉 、. ~. 24 包 Q. 宅 O. , z r . 4・. 0505. 22. c . .. CI). 4 z '. SH. 宍 四 ∞ ロ (g)knQCg. むS. 15 ,-... Z. (Uo). 1 3 g 1 1主. r o. 9 0. 4 主 旬. 227 ~ 25. &23 8 21. B 19 む 17. お. 区. 15. J a n .F e b .M a r .A p r .MayJ u n .J u . l A司g .S e p .Oc t .N o v .D e c .. Month F i 島 1 ・ 2 .E n v i r o n m e n t a lc o n d i t i o na t血eP a c i f i cb l u e f i nt u n an e tc a g e . V a l u e sa r ea v e r a g e df o r8y e a r s 企om1 9 9 2t o1 9 9 9 .. ( 2 ) 成黙 成熟年齢に相当すると考えられた満 5歳,すなわち 1 9 ヲ2年から 8年間,随時サンプリングし て生殖腺の熟度の周年変動を調べた。峰雄合わせた調査個体数は, 1 9 9 2年 8 9尾 , 1 9 9 3年 49尾 ,. 1 9 9 4年 1 1尾 , 1 9 9 5年 92尾 , 1 9 9 6年以後 7尾の合計 248尾であり,錐雄比は雄:雄=12:1 3で あった。それら全個体の GSIを F i g . 1・5に示した。 満 5歳となった 1 9 9 2年の 4月に謂査した 42是の雄極体のうち 3 8尾の調体の GSIが l 私以下 で,最大 GSIは1.6% (体重 46. 4 主. g,是叉長 1 4 1cm) であった。この個体の卵巣卵の最も進ん だ発育段階は卵黄球期で、あった。雄の調査掴体は 32尾で、るったが,. うち 2 5尾の個体の GSIが 1. %以下であり,最大 GSIは 2.5% (体重 3 9 . 7kg,震文長 1 3 6 . 5cm) で,その個体の精巣の小葉控 内には精子が充満していた。しかし,詞年および翌 1 9 9 3年に産卵を確認することはできなかっ た 。. -11一一.
(14) し 問 。 一 芯 吋 刷. 30. . . . ロ. 口 口. . . . ロ. a. ι. ロ. ロ. 目。. 口口. nH悶m u. ロ02判明︾口。 υ. 25. (2002). 8. 近大水研報. 20 15. 。250. 自. 〆嗣、. 200. S 。. 、帽〆. 150. 300. ・ 5 b l ). ロ. 〆 嗣 刷 、. ~ 250 200. 50. u-MO 民. 2 m ω診. 100 ~. 、 岡 〆. 150. O. •. 〉 、 100. ℃. o. m. 50 O. r---T. 「一一「. 「一一四1. 1987. 1989. 1991. 「一一「. 1993. 「ー「. 「一一「. 「ー「. 1995. 1997. 1999. Y e a r F i g . 13 .Gr owtho f1 9 8 7y e a rc l a s sP a c i f i cb l u e f i nt u n ai nc a p t i v i 句. r C o n d i t i o nf a c t o ri sa l s os h o w n . Arr ows i n d i c a t es p a w n i n g . 剛. 5織以上の G S Iの周年変動をみると,雄では 2月に 1%以下と低く, 4月から増加し 7月に ピーク合迎えた後,減少していく傾向が認められた。年間の最大 G S Iは 7歳の 7月にサンプリ 満. ングした 3.3% (体盤 1 0 4 . 7kg,尾叉長 1 71 .1c r n ) であった。この個体は船上に引き揚げた直後 に放精するのが認められ,完全な成熟個体であると推察された。雌では, 2月から 8月にかけて. GSI1%以下の個体が多く, 1 2 %を示す個体がまばらに出現する程度で,顕著な増加傾向はみ られなかった。しかし, 7歳の蔵卵盛期で、あった 7月には最大 G S I4 .3%を示す個体を l尾(体 重 21 .3kg,鹿又長 1 1 3 . 8cm) のみであるが釣獲することができた。これらのことから,雌雄に. おける成熟のピ…クは, 7月を中心とした時期と推察された。しかしながら,この 7月における. S I分布は特異的で,雌の成熟個体が著しく少ない傾向にあった。特に, 7歳 ( 1 9 9 4年) 雌雄の G の産卵中の 7月に 1 1尾をサンプリングしたが, 9尾までが雄で,釣獲された 1 尾の雌も G S Iは. 0.7%と低かった。. -12-.
(15) 宮下:ク. E マグロの種苗生産に関する研究. 300. 300. 250. 250. 200. 200_ _ _ 0 . 0 ぷ. g. 戸崎、. 、-'. υ 、 ー 〆. 事d. , . Q 0 . 0 150・5. , . Q 1 50 ~ 0 . 0. 診. z < l ). 。 ~. コ 司. J. 100白. 100. 50. 50. n u. n v. 50. 100. 150. 200. G 250. F o r kl e n g t h( c m ) F i g . 14 .R e l a t i o n s h i pbetweenf o 注 l e n g 也 総db odyl e n . 詳し t o 旬 1l e n 詳 1 組 dbodyw e i g h tof也 eP a c i f i cbluefm ,ぬ匂1l e n 供 ;BL,bodyl e n 酔 ;B W ,bodyweight . t u n a . TL. ( 3 ) 産卵時豪雪直前の生殖腺の性状 クロマグ、ロ成魚の釣り上げに当たっては,館を付けた釣り針を生賓中央の表層へ投げ込む方法 で、行った。 7歳時の産卵盛期で、あった 7月にサンプリングしたところ,釣り上げた 8尾中 7尾が. S Iは 0 . 7と低い未成熟個体で、あった。成 成熟した雄であり,残りの 1尾が雄であったものの, G 熟した雌親魚が表層で釣れないことから,沈子と浮子を付け,速やかに水深 4m以下に釣り針を. S I最大錐個体で、きちった。この個体は,尾叉長 沈める方法を試みたところ,釣れたのが前述の G 1 1 3 . 8cm,体重 2 1. 3kgと小型ながら,生殖線重量 914gで ( F i g . 1・6・A),卵巣外部からの観察 F i g . 1・6・B)。これを切開したところ,卵巣内には治球 1個を有する成 で透明卵が認められた (. -13ー.
(16) 近大水研報. 8号. (2002). 5. •. ~3 、 ー , 〆. O. O. E a q E E A a2 1. A. 、. 企. 司 。 > コ. 出. 、 、. ^~Â. ♂. 議 会 。 血. O O O A. •••. ••,-. oA A. A. O. h. J. •. 五 0 E 04 5. ♀. g3. 司 。 コ. 2~. 企. 企. 己 A. A. A. 8. £. A. dahh a a 企. O. O t .N o v .D e c . e p . Oc J a n .F e b .Mar. A p r .M a y J u n .J u l .A u g .S. Month. ・. 。. F i g . 1・S .S e ぉo naich a l d n 〈 g 1 e 9ofg : o ム n a . d 0 6 ・ s v o e m E a 3 t i c 0 1 d i I 1 { 4 1 e 9 x 5of19S7year-ciassp a c i a cるl u e f i nぬn a m ( c 1 a 9 p 9 t M 5 ) t ; y . 0,5ye訂 so l d( I9 9 2 ) ; ~, 6y e a r so l d( I9 9 3 ); ・ , 7y e a r so l d( 19 9 4 ); く 〉 企 ,,8ye釘 S o l d 9y 伺 r so l d( 19 9 6 ) ;口 , I Oy e a r so l d( I9 9 7 ) ; ~仇Il y e a r so l d( I9 9 8 ) ;0,1 2y飽 路 o l d( I9 9 9 ) ー. 熟卵が認められ,真円形に近いものも存在した ( F i g . 1・6・C)。この卵巣から作製した組識切片 像を観察したところ,染色仁期,周辺仁期,卵黄球期,および成熟期の卵が混在していた ( F i g . ・D )。そこで,これら卵粒群の卵径を測定し,卵径組成を調べた。その結果,卵径組成は F i g . I・6. 1・7に示すように. 0 . 2 0. 3m mが約 25%, 0. 30.4混血が約 2% , 0. 40 . 6m mが約 40%,. 0.6--0.8mmが約 6%,そして 0 . 8 -1 .0m mが約 25%であり多峰型を示した c なお,透明な成熟 卵の占める割合は,全体の 5.6%で、あった。 次に,抱卵数を推定したところ 784万粒となった。また,この抱卵数と透明な成熟卵の全体に 占める割合から, 1@Jの産卵数を推定したところ約 44万粒となった o. -14一.
(17) 宮下:クロマグ、ロの種苗生産に関する研究. 訓幽鵬. F i g . 1-6 .Ane x a m p l eo fm a t u r e d1 9 8 7y e a r c l a s sf e m a l e . A,af e m a l eo f21 .3 k gbodyw e i g h ta n di t s o v a r i e s ; B,e g g si nt h em a t u r e dov 訂y ; C,e g g sm a g n i f i e d担 t h em a t u r e do v a r y ; D,m i c r o s c o p i cp h o t o g r 句 ho f往 路s v e r s a ls e c t i o n so fm a t u r e dov 紅y .. 30 (求) knQC02voh比. 20. 10. O O. 0 . 2. 0 . 6 0 . 8 0 . 4 Eggd i a m e t e r(mm). 1 . 0. F i g . 1・7 .Eggs i z e∞m p o s i t i o no fam a t u r e dP a c i f i cb l u e f i n加 naf e m a l eo f21 .3 kgbodyw e i g h t .. -15-.
(18) 8号. 近大水研報. (2002). 1-1-3 考察. (1)親魚の成長および成熟 本研究による養成クロマグロの成長は,南西諸島におけるそれに比べて遅いが岳協,天然の太 平洋クロマグロの推定艦船に近い成長曲線を示した。最初の産卵は満 7歳からであり,同じ串 本大島における原田ら叫の研究で報告された満 5歳での産卵は認められなかった。しかし,満 5 歳となった 1 9 9 2年 4月にサンプラングした雄個体(体重 46. 4 孟g,尾文長 1 4 1cm) の卵巣卵が卵 .6%人 雄 個 体 ( 体 重 3 9 . 7主g,尾叉体 1 3 6 . 5cm) の精巣内に 黄球期に達していたことや (GSI 1. 成熟した精子が観察されたことから,水温などの環境条持が整えば,溝 5年で産卵した可能性が ある。従って, 5歳未満での成熟については,奄美大島で濡 4年 で 産 卵 し た こ と や ペ 満 3年で 成熟するらしむけ)との報告もあることから,水温の高い,本種の主産卵海域に近い南西諸島屑辺 こはその可能性もある。 で養成した場合 i 成熟する魚体の大きさは,大西洋クロマグロでは尾文長 200cm以 上 と い わ れ ペ 太 平 洋 ク ロ マグロでも既往の知見では,中村が,漁獲された雄親魚で放卵する僧体を澱定したところ,尾文 8 7kgであったことを報告しているヘまた,依田匁)は尾文長 1 3 5cm,体重 長 220cm,体重約 1 50kg以上で、熟卵を持った個体を確認している。本研究で産卵期間中に調査したところ,満 7歳 1 3 . 8cm,棒重 21 .3kgの個体で、熟卵を持っているのを確認した。生賛内 の産卵期間中に尾叉長 1 5kgと推定されたことから,かなり小型の魚体であり,既往の知見では最小 の群の平均体重は 7. 成体と思われるが, 5歳以下でこの大きさの調体が成熟する可能性は低いものと考えられる。 ( 2 ) 産罪多国性と抱開数. 3午後 4時前後にかけて,産卵直前の雌成熟僧体〈尾 本研究では,産卵盛期の 1994年 7月 201 1 3 . 8cm,体重 21 .3k g ) の卵巣を調査した。その結果,卵径組成は成熟期および前成熟期 文長 1 . 8 ' " ' " ' 1 . 0mm) を約 25%含む多鋒型を示し,産卵多田性を確認した。マグ、ロ類の産卵 の卵(卵径 0. 多国性については,. ミナミマグロ 67) メパチ樹およびキハダ、弘樹でも認められており,間一信体. がほぼ連日産卵することを示唆している。クロマグロについては,中村苅)が多毘産卵の可能性 は少ないとした c しかし,依田却が道西日本海で漁獲された体重 50kg前後の魚体の卵巣内卵径 組戒を観察した結果をみると,産卵多田性を示唆している。また,上梯 71)もそれを認めており, 産卵間需はメバチやキハダ、より長いと述べ. 1産卵期に 5固と推算している c. クロマグロでの既往の知見が少ないので,二階堂ら闘がメパチで観察した結果と比べると, 卵巣内卵径組成は成熟期のパターンと良く似ていた白また,依田到が調査した熟卵保有悟体の 卵径組成は,成熟期の卵の割合が本実験結果と比べて著しく少なく,メパチにおける結果掛か ち推察すると,産卵後の担体と推察された。 .3k g ) の卵巣から推定したところ 784万粒とな 抱卵数については,先述の雌 1担体〈体重 21. 7 0 ' " ' " ' 3 0 0kgの個体で約 1 0 0万粒とする中村 52) の報告とはかなりの縞たりがあるので, り,体重 2. 今後さらに体重との関孫についても調査する必要がある。なお. 1産卵期における 1尾の産卵数. 1加が述べているように将来退化する運命にある未熟卵が多 を抱卵数から推定する場合,木 J. 数存在している可能性を考嘉する必要がある。 卵巣卵から推定した錐 1尾 1昌当たりの産卵数は,産卵皇室期における抱卵数と透明な成熟卵の .3同 の 雌 で 約 44万粒と推定したが,イシダイ ,O p l e g n a t h u s 全体に占める割合から,体重 21. 一-16-.
(19) 宮下:クロマグロの種苗生産に関する研究. f a s c i a t u s初やマダイ ,P a g r u sm a j o r74) など多くの魚種と同様に,親魚の体重に正比例するものと 考えられる。 なお,性比〈雄の割合〉が 48%であったにもかかわらず,産卵亘前の釣りによるサンプリン グで雄の釣獲率が著しく高かったことから,産卵亘前における雄信手本の摂餌欲が低いことが推察 される. B. この点については,今後さらに調べる必要がある。. 12 . 自然産卵 12 1 材料および方法 生後満 4年を経過した 1 9 9 1年以捧,産卵期と患われる 6月から 8月にかけての毎自夕方,午. 994年の産卵盛期には生賓 後 5時頃から 7時 30分頃まで追尾行動および産卵行動を観察した。 1 縞内に港水し,水中における産卵行動をビデオカメラで撮影した。また,産卵行動が自視できた. 0分毎に点検用のタモ絹型卵採集ネットを用いて産卵の確認を行った。産 時は勿論のこと,約 1 卵が確認された場合 i こは,卵採集用ネット 2基を用いて,可能な限り産出卵を採集して産卵状況 を調べた。この卵採集ネットは,縦 0 . 7,横1.4,深さ 2 . 0 m,および1.3, 1 .3, 2 . 0m の角錐型 で,生賓の 4隅にそれぞれ係留した船と訟の間にロープを張り,採集卵がほとんど認められなく なるまで,絹生賛内周を曳き続けた。なお,産卵期には産出卵の散逸を最小限に訪止するために, 生責内周囲に深さ 2.5mの青色ビニールシートを設置した。 採集した卵は実験室に持ち帰り,先ず,浮上卵と沈下卵に分離した後,それぞれを計数し,総. " " ' ' 8細胞期に達する産卵数時間後に,浮上 採卵数と浮上卵率を求めた。次に,卵の発生段階が 2 卵群から約 50粒を取り出し,投影機を用いて浮上卵に対する発生率を調べこれを受精率とする とともに,卵径および油球径を瀕定した c また,クロマグロの産卵に影響を及ぼす環境要因と考 えられる水温,海水比重,透明度および降雨量を毎日調査し,産卵が認められた年と認められな かった年とのそれらの相違を比較して産卵条件を検討した c. 12 2 . 結果 (1)産卵期間および採卵数 最 初 の 産 卵 が 認 め ら れ た の は , 満 7歳 ( 1 9 9 4年 ) で , そ の 後 , 満 8歳(1995年), 溝 9歳. ( 1 9 9 6年)および満 1 1歳 ( 1 9 9 8年)での産卵が認められたが,満 1 0歳 ( 1 9 9 7年 〉 お よ び 溝 口 議 ( 1 9 9 9年〉での産卵は認められなかった。この間の自然産卵による採卵結果を T a b l e 1・2に 示した。. 1994年の自然産卵は, 6丹下旬に水温が 24t前後に上昇して約 1週間後 7丹 3Sから始まり, 8月 1 7日までの 46日開 i こ,延べ 4 1 日にわたり確認した D 産卵開始自の採卵数は 5万粒であっ たが, 7丹 8日まで数十万粒で推移した後, 7月 1 0日から 20日まで毎 S1 0 0 " " " " ' 5 0 0万粒を採集し た。その後, 7月 2 2 " " ' ' 2 3日および 25 日には産卵が認められず,この前後の採卵数も 1 " " " " ' 2万粒 と極端に少なかった。 7月 27日から 8月l1 Sまでは以前と同様の産卵が認められ, 8月 7日に は最多の 769万粒を採集した。その後, 8月 1 2, 1 3 日には再び産卵は中断し, 1 4日から再開し. 7日の 1 1万粒を最後に終了した。この間の水渥,海水比重および透明度は,そ たものの, 8月 1. -17一 一.
(20) 近大水研報. 8号. (2002). T a b l e 1-2 . S p a w n i n go f1987y e a rc l a s sP a c i f i cb l u e f i nt u n a Y e a r s Ageo fp a r e n tf i s h Spawningp e r i o d( d a t e ). 1994. 1 9 9 5. 1 9 9 6. 1 9 9 8. 7. 8. 9. I I. 3, J ul .-17 , A u g .. , Jun.-3, Au g . 2J. 9, Aug.-20 , A u g .. 1 6, Jun.-22, J u l .. 4 1 1 4 6. 2 0 / 4 2. 6 / 1 2. 2 3 / 3 7. 17:30-18:25. 17:35-18:30. 1 7 : -17:55. 17:20-18:50. 0:46-1:51. 0:19-1:53. N o .o fs p a w n i n gd a y s / d a y so fs p a w n i n g p e r i o d Timeo fs t a r to fs p a w n i n g( h : m ) Timer e q u i r e dfroms t a r to f s p a w n i n gt os u n s e t( h : m ). 。. :31-上40. 0:27-1:49. ∞. Rangeo fw a t e rt e m p e r a t u r e d u r i n gs p a w n i n gp e r i o dCC). 2 3 . 2 2 9 . 2. .6 2 6 . 4 21. 2 5 . 8 2 6 . 8. 2 3 . 3 2 6 . 6. 2 7 . 0. 2 3 . 6. 2 6 . 5. 2 5 . 1. 2 2 . 9 0 2 5 . 0 5. 2 3 . 9 3 2 5 . 7 8. 4 -2 5 . 4 0 2 4 . 7. 35 2 3 . 1 0 2 5.. 39 7 . 3 8.. .7 931. 2 6 3 . 1. 1, σ79.6. 2 0 4 . 8. 4 6 . 6. 4 3 . 9. 4 6 . 9. 8, 1 9 3 . 9. 9 1 2 . 1. 2 5 2 . 6. 1 ,白泊. 0. A v e r a g eo fw a t e rt e m p e r a t u r e " C ) d u r i n gs p a w n i n gp e r i o d(. Rangeo fs e a w a t e rs p e c i f i cg r a v i t y d u r i n gs p a w n i n gp e r i o d(σlJ T o t a leggp r o d u c t i o n(xl~) T o t a leggp r o d u c t i o n l d a y (xHf) T o t a l加 o y a n te g g s( x l i f ). ∞. 5 0 . 0 1. 9 5 . 6 1. ∞. 9 0 . 8 1【泊. 9 5 . 0 1. Rangeofbuoyancyr a t e(%). 91 .8 1. Rangeo ff e r t i l i z a t i o nr a t e(%). 8 6 . 6 1. ∞. ∞. 9 4 . 9 1. ∞. ∞. 9 7 . 2 H 抱. La r g e s teggd i a m e t e r(mm 戸 1 . 015: t :0.033. 1 .0 17: t :0.029. 0 . 9 8 9土 0 . 0 4 1. 0 . 9 8 8: t :0.025. t :0 .OO8 0 . 9 2 6:. t :0.015 0 . 9 7 8:. t :0.0Il 0 . 9 6 8:. t :0.021 0 . 9 7 5:. (mm)*. 0. 309土 0 . 0 2 0. t :0.019 0 . 2 7 5:. t :0.017 0 . 2 6 9:. t :0.012 0 . 2 6 0:. S m a l l e s to i l g l o b u l ed i a m e t e r(mm)*. . 0 0 6 0 . 2 3 5士0. t :0 .OO4 O . 2 5 0:. . 0 0 7 0 . 2 4 3土0. t :0 . 8 O . 2 5 2:. S m a l l e s teggd i a m e t e r(mm)*. La r g e s to i l g l o b u l ed i a m e t e r. 事. ∞. Mean土 SD( n = 3 0 ) .. れぞれ, 2 3 . 2 2 9 . 2 t,2 2 . 9 0 2 5 . 0 5および 4 . 5 -1 0 . 5 mの範囲で、あった c これらの推移は F i g .. I・8に示す通りである。採集した総卵数は 8 . 39 7 . 3万粒で,浮上卵率および浮上卵に対する発生 率は,いずれもほぼ 90%以上を示し,鮮化率もほぼ 80%以上で、あった。 翌1 9 9 5年の産卵は,前年より早い 6月 2 3日から水温 21 .8tで始まり, 6月末から 7月初頭に 0 かけて,水温 24 Cまで上昇する間,採卵数は 2万粒から 1 0 0万粒前後にまで増加した c その後,. 水逼が低下し始め, 7月 6日に水温 21 . 4tとなって産卵は中断した。水温は 7月中旬に一時 24t まで上昇したものの,再び 2 1Cに急下降するなど安定せず,産卵も認められなかった。その後, 0. 水温は 7月下旬から 2 4C以上で安定し,同月 2 7日から産卵が再開され, 2 8日には最多の 340万 0. 粒を採集したが,以後の水温が安定していたにもかかわらず,急激に採卵数は減少し,産卵は 8. 一 18一.
(21) 宮下:クロマグ、ロの謹菖生産に関する研究. ロ. nvnv. nunU. M. 17:00. s -EE---E -SS. ・ -. •. Eg. ・. •. -EEEEg. -. 霊. ESSE. •. 18:00..Q. 量 -. ••. R a i n f a l l. 、 " -EEBB. BEBEE--EBEBEE--. -B. EES -E. 111ijiait-j. ロ = ロ. nununu auA ﹃. 企ヘ......_.~ハ句. nζ4E. 一金「一 Timeo fs t a r to fs p a w n i n g. OQu. 一一一 Sunsettime. 26.00 24.00. v d c a e v a ny agd a T. 22.00. 孟. F且. 12 10 S8. u o. nuauavλ. 32222. 6 4. 守. 求 90. 8. ooeeoooo~. 000000000003?. ・ -0 :Buoyancyrate. F星. e -ぺ ﹂ t E e Baz--zJ eFI-i m.Ti-a ﹃. FBEEFEEBL. 銘打叶ム. dT1. ? ifi T-i. Tz-t ム. T4i. TE+1ム. TI+Eム. T14iム. TZ守 i. T+ よ. ム. Tsi. T e. TE守54. 71?ム. a600. T1i. 800. 戸. 80. 。 。. 00. o. o. •. F e r t i l i z a t i o nr a t e. 0. 十ム E T ・. : ・. 00_. 。. ・ . ・. iOieo. 0. •. nt. 100. 1 . 0 5 1 . 0 0S 0 . 9 55 0 . 9 0. 口 :B uoyante g g s. ・ :Sunkeneggs. 0> Q). 寸. O. 400. r -. X 200. G 1, Ju . l. 1 1, Ju. l. 21, Ju. l. 31, Ju. l. 10 , A u g .. 20, Aug.. F ig . 18 .Numbero ft h eP a c i t i cb l u e f m知 nae g g sc o l l e c t e d血 血es p a w n i n gs e ぉo nof1 9 9 4 .E n v i r o n m e n t a l c o n d i t i o n sa r ea l s os h o w n . Arro wsi n d i c a t e註l e勾 ' p r o a c hoft y 持∞n .. 一 19一.
(22) 近大水研報. 8号. (2002). 1 . 0 5. O. g. O. O. 100 O. e. 相. 告 ぷ. 場d. o. g cd 司 . π コ. ー. • ••••• • ••. ロ告 企. •. ~ 0 .95 凶. 0.90 2 1. 22. 23. 24. 25. 26. 27. • •• • 28. Watert e m p e r a t u r e( O C ). • • 29. 30. F i g . 1,・9 .R e l a t i o n s h i pbetweenspawningt e m p e r a t u r e創 l deggd i a m e t e roft h eP a c i f i cb l u e f i nt u n a . t t,1 9 9 4 ;( ) , 1 9 ヲ5 ;企 , 1 9 9 6 ;口 , 1 ヲ9 8 .. 月 3 Sで 終 了 し た 。 こ の 関 の 水 温 , 海 水 比 重 お よ び 透 明 度 は , そ れ ぞ れ , 21 .6 ""26. 4t ,. 2 3 . 9 3 " " 2 5 . 7 8および 4.5""17.0mの範囲で、あった。採集した卵の浮上卵率,発生率および鮮化率 1 9と少なく, 9 31 .7万粒であった。 は,前年とおおむね間程度で、あったが,総卵数は前年の約 1 1 9 9 6年の産卵は, 6月下旬の低水温の影響か,それまでで最も遅い 8j j 9Sから始まったが, 3Sまでの聞に, 2 6 3 . 1万粒を採集して終了した。産卵水温の範囲は 26""27tで、あった。 同月 1 0. 9 9 8年の産卵は, 5月下旬からの水温が 22""25Cと例年になく 親魚の年齢が溝口歳となった 1 6日から始まった。産卵開始 3日目の 6月 1 81 3には,水温 2 4 . 6 高く,それまでで最も早い 6月 1 ℃で. 1日の採卵数はシーズン最多の 340万粒を記録した。しかし,その後の産卵は,同月 2 3. 自に水温が 22.6tに抵下して停止した。翌自以後の水温が 24t台に回復し,同月 28日から産卵. " " 6 5万粒と不安定であった。この関の水湿は 24""26tと が再開されたものの, 1自の採卵数は 1 5""26tと安定していたものの,産卵は関欠的で安定せず, 安定していた。 7月中旬以降の水温も 2 0 " " 2 1 日の両日にそれぞれ約 90万粒を採集した後,間月 2 2日の 8万粒を最後に終了した。 罰月 2 , 0 7 9 . 6万粒で, 1 9 9 4年の産卵に比べると この関の総採卵数は 1. S平均採卵数は 1 1 4程度で、あっ. た。なお,浮上卵率および発生率は,いずれもほぼ 90%以上を示した a この需の水温,海水比. 3.3""26.6t,2 3. 10""25. 35および 6 . 0 " "1 3 . 5 mの範囲で、あった。 重および透明度は,それぞれ, 2 なお,延べ 4年間の自然産卵で採取した受精卵の卵径および油球径〈平均値±標準偏差. -20一. n.
(23) 宮下:クロマグ、ロの種苗生産に関する研究. = 3 0 ) の各日の平均値は,最大でそれぞれ, 1 .0 15: 1 :0 . 0 3 3m mおよび 0.309+0.020m m,最小でそ れぞれ, 0 . 9 2 6+0 . 0 0 8m m,0. 23 5土 0.006mmであり,水温が高いほど卵径が小さくなる傾向を示. F i g . 1・9 )。 した ( 以上の廷べ 4年間にわたる全産卵期中の環境を調べたところ,水温,海水比重および透明度の 0 範囲は,それぞれ 21 .6 ' " ' ' 2 9 . 2C,2 2 . 9 0 ' " ' ' 2 5 . 7 8,4 . 5 ' " ' ' 1 7 . 0m で、あった。. ( 2 ) 産興行動 通常の時期はクロマグロの体色や遊泳行動に錐雄の差は認められなかったが. 産界期に近づく. と雄の体色は黒化し,ブルーの鮮やかな雄と豆別できるようになったむまた,雄が離を追尾する 行動も観察されたロ産卵は,早い持では 1 7時 30分頃,遅い時では 1 8時 30分頃から開始するの. F i g . 1・8 ) 0 産卵行動は,船 を認めたが,これは,日没約 1時間 50分前から 30分前に当たる ( 上から目視できた場合のタト. 1 9 9 4年 7月 30日にビデオカメラで撮影した結果, 1 7時 5 0分に水. 深5 訟での産卵が観察され,本種の産卵は表層よりやや深い所でも行われることが判明した. 9. こ. の時の産卵では, 1尾の雌に対して数尾の雄が追尾し,雌が魚体を額けるようにして反転するの に合わせ尾の雄が雌と反対側に魚体を傾け,腹部を接近させるように反転し,同時に錐雄そ れぞれが放卵・放精するのを確認した。 なお,ネット曳きによって卵の存在を確認できなくなった時点で卵の採集作業を終了したが, この時刻はほぼ司没後 1時間以内で,遅くとも 1 9時 30分であり,夕闇が迫る頃となったc. 12 3 . 考察 (1)産卵期および産卵水温 本種の産卵期と産卵水温に関する既往の知見は,いずれも仔魚の分布調査,または漁獲魚の生 殖腺調査から推定したものであるが,主要産卵場は南西諸島周辺といわれ夙産卵場の南援は台 湾の南のバシー海峡付近で,産卵期は 5月上旬から 7月上旬,その水温は 24t以上である M ・7J) といわれている。また. これらに続く房総半島沖にかけての本州中部太平洋側における産卵期は. 6 ' " ' ' 7月 で あ る と い う へ さ ら に , 北 眼 に つ い て , 沖 山 防 お よ び 西 )1弘樹が日本海での仔魚の出 現を,依田路)が道西日本海での熟卵保存親魚の漁獲をそれぞれ報告しており,秋田県沖までの 日本海における産卵期は 8月を申心とし,その水温は 25t以上と推定している。 本研究の結果から推測する串本町大島における産卵期は,生殖隷熟度指数の最大個体が雄雄と も 7月に認められたことや,廷べ 4年間の自然産卵の結果から, 6月中旬から 8月中旬の 2ヶ月 とみることができ,西 ) 1 1 ω )が示す本州中部太平洋側における産卵期と,沖山到および西川玖 ω ) が報告した日本海での産卵期の間に当たる. D. 産卵盛期の水温 ( 2 4 ' " ' ' 2 8 t ) は,亜種とされる川大西洋のクロマグ 2 の 20t前後 6,制とはや や異なり,太平洋クロマグロにおける既往の産卵水温に合致したが,産卵開始水準の下援につい ては 21 .6tと低かった. さらに,原田ら判の結果では,盛期の水準も 22' " ' '24tと低い。これは,. 飼育条件下に特有の現象であるかも知れない。 魚類の産卵サイクノレは,年周的に変動する水温と日長(光周期〉などの外部環境要国に強く依 存するものと考えられており,羽生対)はその様式を,春・春夏産卵型と秋・秋冬産卵型の二つ に分類している。クロマグロは野生種の産卵期および本研究の結果から前者に分類できる c すな. -21一.
(24) 近大水研報. 8号. (2002). わち,産卵開始および産卵終了要因は,それぞれ,水温の上昇と光周期の長日化,および水温の 下降と同短 E化と考えられる。本種の主要産卵場である日本南海から台湾東海にかけての黒潮流 域および反流域 56,倒では,長日化に伴う産卵水温への上昇が早いのに対して,串本海域では,最 長日長となる 6月下旬の夏至に至るまで産卵水温への上昇がみられないことも,低水温での産卵 開始要因のーっと考えられる c また,産卵終了時期について, I J 票読に産卵した 1994年の結果か ら考えると, 8月中旬には,水温が産卵適温範囲にあっても, 7足以降の光周期の短日化が進み, 日長時間が夏至に比べて約 1待関短くなって,産卵時期の限界を迎えるものと推察された ( F i g .. I・2および針。 0 9 . 2Cであったが,中村却は,パシー海峡周辺海域 産卵水温の上援については,本研究では 2 0 こ,水温 3 0 . 5C下で成熟卵を有する個体が漁獲されたことを報 で産卵盛期と考えられる 5月下旬 i. 告していることから. 30'C前後とみて良さそうである。. 従って,養成クロマグロの産卵可能水逼は,養成場の環境条件,特 i こ4月から 6月にかけての 0 水温変動経緯によっては, 21 .6tから 29.2Cの範盟にあるものと推定される。ところで,岩井・ / 0正常解化率を示す水温範囲を鮮化限界水温と定義しているが,本種の産卵可能水 柏木却は 500 0 温範囲は,解化限界水温範囲 ( 2 1 . 2' " ' " ' 2 9. 8C)77)にほぼ対忘した。なお,その塩度幅はシマアジ,. P s e u d o c a r a n xd e n t e x( 4 'C)閣に比べてかなり広く,約 9'Cで、あった。 ( 2 ) 産卵開始および終了条件. 串本での成熟年齢と想定した満 5歳 (1992年)から満 1 2歳(1999年)までの 8年間のうち, 産卵が認められたのは廷べ 4年間で,他の 4年間では認められなかったo これら産卵年と非産卵 年における諸要因の違いから,串本周辺海域におけるクロマグロの産卵開始条件を検討した。そ の結果,肥満度については,個体差があるものの年度開に明確な相違は認められなかった a 次に 環境は,海水比重および透明度について,産卵が認められたそれぞれの範囲, 2 2 . 9 0 ' " ' " ' 2 5 . 7 8, 4 . 5 ' " ' " ' 1 7 . 0m と,非産卵年におけるそれらとの開に相違は見いだせなかった。しかし,水温の変 2歳を迎えた 1999年を例外として年度開に相違が認められた。 動については,満 1. 産卵年と非産卵年における 4 ' " ' " ' 8月の水温の変動を F i g . 1・10に示した。本実験における結果 からは,産卵開始の水温条件として, 5月中に 2 1 . 5'C以上に上昇し,それより低下しない場合, 5 0 月に 20'C以上の水温を経験した後, 6月に 2 1 . 5C以上の日が 2週間以上連続した場合,および 7 月中旬から 8月にかけて 23'C以上を保った場合を挙げることができた。 なお,産卵開始後の採卵数の日変動またはその中断は,天候との関孫がいずれの年にも認めら. F i g . 1・10)0 しかし, 1994年の場 れず,水温の急激な低下との関係が大きいものと推察された ( 合には,観察不能の司が無く,水温が 26'C以上で比較的安定していたので,他の要国を検討し たところ,何れも台風の接近時であった。すなわち,生糞の設置場所は外洋の影響を強く受ける 場所であるため,台風接近に伴う波浪によるものと推察された。しかし,波高のデータがないの で,これを明ちかにするには今後の研究を待たねばならない。 以上のように,産卵の開始あるいは中断は,表面水温と密接に関係しているものと推察される が,網生賓という閉鎖的な環境との関連も否定できない。山田明は,若齢クロマグ、ロの遊泳行 動について,水深 50m以上,水温差 5t以上の鉛直移動を時間単位で頻繁に繰り返すことを報 告しており,本種の環境変化に対する即応能力が高いことを示唆している。また,矢部・上柳誠. -22-.
(25) 宮下:クロマグ、ロの種菖生産に関する研究. 30, 2 9 . 2 1一一………… Non-spa~ning. y e a r s. 1992 1993. 25. 1997 1999. A. I ¥ ^八 J. 21.6~----- 一一一一一一….j-._-~. 20 (Uo). ; 2. i. , / . ¥ I/ t l. Spaw~ng years. 1998. 21 .6 J一 一 一 一 一. 20. Spawningp e r i o di n1 9 9 4. 主 皆ingperiodi 叫295 自民腕. Spawni~g pe. Spawningp e r i o di怠 1998~. ・ ・ ・ ・ 圃 ・ 司 ・ ・ ・ ・ ・ ・. 15. A p r .. May. J u n .. J u l .. Aug.. Month 1 0 .W atert e m p e r a 知r ei ns p a w n i n gy e a r s( 19 94 ,1 9 9 5,1 9 9 6a n d1 9 9 8 )a n d non s p a w n i n gy e a r s F i g . 1( 1992,1 9 9 3,1 9 9 7a n d1 9 9 9 )o ft h eP a c i f i cb l u e f i nt u n a . The h i g h e s t( 2 9. 2t) a n dt h el o w e s t ( 2L6C) w a t e rt e m p e r a 知r e sa tw h i c hb l u e f i nt u n as p a w n e da r ea l s oshowni nt h ef i g u r e . 0. 一-23一.
図
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