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岐阜県予防接種センター相談窓口 Q&A 集 < 令和 2 年度 > 令和 3(2021) 年 3 月 31 日 岐阜県健康福祉部保健医療課 岐阜大学医学部附属病院生体支援センター予防接種部門 ( 岐阜県予防接種センター )

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(1)

岐阜県予防接種センター相談窓口

Q&A 集

<令和 2 年度>

令和 3(2021)年 3 月 31 日

岐阜県健康福祉部保健医療課

岐阜大学医学部附属病院生体支援センター予防接種部門

(岐阜県予防接種センター)

(2)

目次1

★目次

1. MR

Q1 MR1 期+MMR1 回海外接種済みの

MR2 期の要否 ・・・・・・・・・・・・・・・・ 2

2. DPT&DT

Q2 3 種混合と 2 種混合の予防接種について ・・・ 4

Q3

DPT 不規則接種者の DT 接種について ・・・・

5

Q4 DPT-IPV 不足分の接種計画 -1- ・・・・・・・・・・

6

Q5 DPT-IPV 不足分の接種計画 -2- ・・・・・・・・・・ 7

Q6 DPT3 回接種後の 17 年の 19 歳 ・・・・・・・・・・

8

Q7 DPT&IPV 不規則接種 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・

9

Q8 タイから帰国後の DT 接種 ・・・・・・・・・・・・・・・

10

Q9 DT2 期 10 か月間隔で 2 回 ・・・・・・・・・・・・・・・

11

Q10 発掘調査担当者の破傷風ワクチン接種 ・・・・・

12

(3)

目次2

3. 日本脳炎

Q11 日本脳炎 1 回だけの 9 歳児 ・・・・・・・・・・・・・・

14

Q12 日本脳炎 1 期 2 回のみの 9 歳 8 か月 ・・・・・・ 15

Q13 日本脳炎 2 歳児に 0.5mL ・・・・・・・・・・・・・・・・

16

Q14 日本脳炎 2 回目と 3 回目 2M ・・・・・・・・・・・・・

18

Q15 日本脳炎中国で 2 回接種済で帰国後の接種計画 20

Q16 日本脳炎標準的な接種間隔 ・・・・・・・・・・・・・・

22

Q17 日本脳炎不規則&注射液漏れ接種 ・・・・・・・・

23

Q18 日本脳炎 2 回目と 3 回目 2W ・・・・・・・・・・・・・

25

Q19 日本脳炎接種間隔間違い(2 回目と 3 回目 43 日) 27

Q20 日本脳炎中国で 1 回日本で 1 回接種児の

今後の接種計画 ・・・・・・・・・・・・・ 29

Q21 日本脳炎 2 回接種から 5 年→今後 ・・・・・・・・

31

Q22 日本脳炎 2 回接種から 7 年 ・・・・・・・・・・・・・・

32

Q23 日本脳炎 3 回接種後の 15Y の 21 歳 ・・・・・・

33

Q24 日本脳炎 2 期 2 回連続接種 ・・・・・・・・・・・・・

35

Q25 日本脳炎各種パターン ・・・・・・・・・・・・・・・・・・

37

(4)

目次3

4. 肺炎球菌

Q26 PCV-13 1 回目と 2 回目 1W 確認後 ・・・・・・ 40

Q27 0 歳児に PPSV-23 を 2 回接種 ・・・・・・・・・・・・ 41

5. HBV

Q28 B 型肝炎間隔不足 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

44

Q29 B 型肝炎ワクチン有効期限切れ接種 ・・・・・・・

45

Q30 0 歳児に B 型肝炎 1 回目 0.5mL 接種 ・・・・・ 47

Q31 B 型肝炎の予防接種間隔について ・・・・・・・・

49

Q32 HBV2 回接種後約 1 年経過今後 ・・・・・・・・・・

51

Q33 HBV2 回目と 3 回目 139 日未満 ・・・・・・・・・・ 53

Q34 HBV1 回目と 3 回目の間隔 132 日 ・・・・・・・・

55

6. BCG

Q35 BCG の再接種の必要性について -1- ・・・・・・ 58

Q36 BCG など生ワクチン接種後の間隔 -2- ・・・・・

60

(5)

目次4

7. Hib

Q37 Hib3 回目と 4 回目の間隔<7M ・・・・・・・・・・・ 69

Q38 Hib3 回目と 4 回目 6M12D ・・・・・・・・・・・・・・・

70

Q39 Hib 不規則接種

(3 回目から追加まで 4 か月-1YOM) ・・・・

72

8. 水痘

Q40 単純ヘルペス罹患中の水痘ワクチン・・・・・・・・・・ 75

9. その他

Q41 DPT とポリオ定期超え ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

77

Q42 韓国へ出国の 6 か月児の接種 ・・・・・・・・・・・・ 78

Q43 フランス渡航前の接種 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

81

Q44 中国からの帰国後の接種計画 ・・・・・・・・・・・・ 84

Q45 フランス渡航予定の3M 児 ・・・・・・・・・・・・・・・ 86

Q46 移植後のワクチン接種→公費負担の有無 ・・・

89

Q47 発熱の場合の定期接種 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 91

Q48 COVID-19 感染症罹患後の

ワクチン接種について ・・・・・・・・ 93

(6)

目次5

Q49 妊娠初期でのムンプスワクチン接種 ・・・・・・・・ 94

Q50 ステロイド離脱後の接種計画 ・・・・・・・・・・・・・ 96

Q51 DPT3 回 MR0 回の 9 歳児 ・・・・・・・・・・・・・・ 97

Q52 海外からの転入児の接種計画 ・・・・・・・・・・・

98

Q53 PCV-13+Hib+HBV+RV1 各種接種 ・・・・・・・

101

Q54 中国と日本を往復した 5 歳児 ・・・・・・・・・・・・・ 103

Q55 中国から帰国後の日脳、水痘、おたふく ・・・・ 107

(7)
(8)

1

(9)

2

Q1 MR1 期+MMR1 回海外接種済みの MR2 期の要否

平成25 年 5 月 8 日生まれの子です。1 歳の時に日本で MR ワクチンを接種、2018 年(平成 30 年、5 歳)の時にアメリカで MMR ワクチンを接種したとのことです。今回市 から来た第 2 期の MR ワクチンの接種の用紙があるが、3 回目の接種をすべきかどう かという質問でした。 現在2 回接種の推奨ですので、すでに終了していますが、3 回接種してダメというこ ともないと思います。市の保健センターに問い合わせしたところどちらでもよいとのお 返事であったとのことで、どちらが良いのかと保護者からこちらに問い合わせがありまし た。

A1

海外での接種は、わが国の予防接種法上はご承知のようにノーカウント扱いですが、 MMR を 5 歳時に接種してあり、MR としては 2 回になりますので、医学的には現在の 感染防御免疫は保たれていると思います。 但し、MMRV の各生ワクチンに関しては残念ながら終生免疫を保つことは困難で す。また1 回接種で抗体を獲得できる可能性は 100%ではなく、80 から 90%で、また 2 回接種でも 95%程度となります。 したがって、今回のケースでは現在のところ感染防御抗体はほぼ維持できている可 能性が高いですが、せっかくわが国で MR2 期定期接種の権利がありますので、3 回 目にはなりますが接種を強くお勧めいたします。通常の 1 期 2 期接種完了の際に比 べ、より感染防御抗体が確実に、しかも長期に維持できると考えられます。

(10)

3

(11)

4

Q2 3 種混合と 2 種混合の予防接種について

平成19 年生まれの男性、3 種混合の 1 回目を平成 20 年 7 月 19 日、2 回目を平 成20 年 10 月 8 日に接種済み。3 回目と追加の 4 回目は未接種。 ポリオの1 回目は平成 20 年 4 月 23 日、2 回目を平成 20 年 10 月 22 日に接種済 み。 今回、3 種混合の 3 回目と追加、2 種混合の予防接種を希望されています。どのよう に接種をすすめていくことが望ましいでしょうか。

A2

まだ 12 歳であれば DT2 種混合の定期接種の権利は残っておりますが、医学的に は百日咳の免疫をしっかりつけることや、またジフテリアや破傷風の部分も 2 回しか接 種していないことから、それらの免疫をしっかりつけるためにもDPT であと 2 回(1 回接 種して6 か月から 18 か月後にもう 1 回)の接種をお勧めします。任意にはなりますが、 DT2 期だから 1 回接種で完了という方法はむしろやってはいけないスケジュールだと 考えられますので、保護者の方には医学的必要性を十分説明の上、任意接種で勧め てください。 なお、お示しの時期のポリオはまだ生ワクチン OPV の時期ですので、2 回接種して あれば今後ポリオ流行地に行かない限り必要にして十分だと思いますが、年齢的には DPT ではなく、DPT-IPV でも接種可能な年齢ですので、上記の DPT2 回の代わりに、 DPT-IPV2 回でも構いません。この場合よりポリオの免疫が高まるだけでデメリットはあ りません。

(12)

5

Q3 DPT 不規則接種者の DT 接種について

対象児① :H19 年 4 月 6 日生(12 歳) 接種歴 :DPT 1 期 ①H21.8.26 ②H21.9.16 ポリオ ①H19.11.9 ②H21.8.26 対象児② :H21 年 1 月 15 日(11 歳) 接種歴 :DPT Ⅰ期

①H21.7.1 ②H21.7.29 ③H21.8.26 ポリオ 接種歴なし 令和元年度予防接種必携P.114 には、DPT 第 1 期を接種せずに第 2 期の年齢に なってしまった場合、DT1 回の接種では効果が期待できないので、少なくとも 2 回、で きれば 3 回の接種ののち、DT を接種することが望ましいとあります。また、1 回目を DT0.1mL 2 回目を DPT という方法もあると記載されています。 対象児①の場合、R2 年 4 月 5 日までに予防接種を行う場合は、DPT 初回は完了 と考え、DT を定期接種の対象として接種するということでよろしいでしょうか。 また対象児②についてもDPT 初回は完了と考え、DT を接種ということでよろしいで しょうか。免疫状態から考えて、医学的に効果の得られる接種方法(ワクチン・量・接種 間隔)について教えてください。

A3

いずれの対象児も DT2 期定期接種の権利はありますが、DPT の免疫が十分では ありませんので、DPT の免疫を確実にするための医学的考え方(いずれも任意接種)で 記載します。 対象児①:6 か月から 1.5 年の間隔で DPT0.5mL を 2 回接種してください。なお、ポリ オはこの時期は OPV ですので、完了はしておりますが、年齢的には DPT ではなく、 DPT-IPV でも接種可能な年齢(15 歳未満)ですので、上記の DPT2 回の代わりに、 DPT-IPV2回でも構いません。ポリオの免疫がより一層確実になり、デメリットはありませ ん。 対象児②:ポリオの免疫がありませんので、DPT-IPV0.5mL でまず 1 回接種してくださ い。その後3~8 週間隔で IPV0.5mL を 2 回追加し、3 回目の IPV0.5mL はその約 1 年後に接種願います。 DT2 期だから 1 回接種で完了という方法はむしろやってはいけないスケジュールだと 考えられますので、保護者の方には医学的必要性を十分説明の上、任意接種で勧め てください。

(13)

6

Q4 DPT-IPV 不足分の接種計画 -1-

H23 年 4 月生まれ(8 歳)女児 <予防接種歴> 種類 1 回目 2 回目 3 回目 第1 期追加 BCG H23.8.18 DPT H23.11.10 H24.9.20 H25.10.8 未接種 ポリオ(イモバックス) H25.10.8 H26.4.22 未接種 未接種 以上の接種歴です。 DPT、ポリオ以外の予防接種について(日本脳炎、MR、B 型肝炎、水痘)は、すべて 未接種のため、希望であれば通常通りの接種間隔で接種することをお伝えしようと思 っております。 平成29 年度 Q&A 集 P16 を参考に、DPT については、3 回接種できているため、 公費で2 種混合接種は可能ですが、より効果的な接種としては、追加分を任意で接種 するのをお勧めするとよいでしょうか。また、その追加分では、ポリオが2 回しか接種で きていないため、4 種混合を 1 回接種し、不活化ポリオを 1 回接種し、公費で DT を接 種という方法でよいでしょうか。

A4

DPT だけのことを考えれば DT2 期定期のみで済ますという考え方もできますが、そ れでは百日咳の免疫がおろそかになりますし、今回はポリオが不足しており、あと 2 回 追加が必要になりますので、任意にはなりますが、ご提案の通り、DPT-IPV 0.5mL を まず1 回接種し、その 1 か月から 1 年後の間で IPV 0.5mL を 1 回追加することをお 勧めします。なお、この際はDT 接種の必要は医学的にはありません。 ところで、この児童が他の定期接種が未接種であった理由、背景疾患などはあるで しょうか?今回の回答はこの児童が健常で、単に保護者の認識不足から接種を失念 したという前提で記載しました。何らかの病気で長期療養していたのであれば、適切な 手続きで定期接種として計画を立てられるものもあるかと思いますので、申し添えます。

(14)

7

Q5 DPT-IPV 不足分の接種計画 -2-

H23 年 4 月生まれ(8 歳)女児(病歴なし) <予防接種歴> 種類 1 回目 2 回目 3 回目 第1 期追加 BCG H23.8.18 DPT H23.11.10 H24.9.20 H25.10.8 未接種 ポリオ(イモバックス) H25.10.8 H26.4.22 未接種 未接種 以上の接種歴です。 1 つ目の相談の回答では、DT は医学的に必要ないとのことでした。不必要な接種 は避けるべきですが、今後、DT の定期接種対象にはなるので DT 接種をしてしまう可 能性があります。その場合、H25 年度 P25 にありますように、定期の時期に DT 接種を しても医学的には問題ないでしょうか。

A5

前回の回答内容を保護者の方に丁寧にご説明いただき、ご理解をいただくことが大 切ではないかと思います。母子手帳にメモなどを用意して差し上げるとか、ご心配のよ うな状況を予防できる手立てはあると考えます。「今後定期接種DT2 期接種は対象年 齢のすべての方にお送りしておりますので、お子様にも届くかもしれませんが、その定 期接種より、今回お勧めした接種の方が医学的効果がありますので、DT 接種する必 要はありません。」と入れても良いでしょうか。 DPT-IPV➡IPV の 2 回接種に加えて DT2 期を定期で実施してしまったとしても、時 に問題はないかと思います。 上記のように貴係の担当者が交代になっても保護者自身が医学的必要性を記憶し やすいような工夫をしていただくことしかできないのではないでしょうか。 定期接種の枠組み以外で、医学的必要性から任意接種をこちらが推奨しても、今 後の接種計画にそれがつながらなければ、我々にご質問されても何の役にも立たな いと思います。そのあたりは、是非貴係全員でどうしたらよいかをお考えいただき、ご 心配のようなことが最小限になるようにご配慮ください。

(15)

8

Q6 DPT3 回接種後 17 年の 19 歳

平成12 年 6 月 19 日の生まれの、19 歳 11 か月の男性です。 3 種混合 1 回目を平成 13 年 1 月 23 日、2 回目平成 13 年 3 月 15 日、3 回目平成 13 年 4 月 23 日に接種してみえます。今回、幼少期に DPT の追加が未接種であり、 DT の機会も逃しているのですが、保護者様より、任意接種にて、接種を希望されてみ えます。過去の平成24 年度の P18.19 を参考させていただき、DPT の接種を選択した ほうがベターという提案をしようと考えておりました。しかし、最近は、3 種混合は医療機 関での取り扱いが少ないということで、他の3 種混合を未接種の方には、4 種混合をお 勧めすることが多いのですが、どのワクチンをお勧めした方がよいのでしょうか、そして、 再度確認ですが、3 種混合か 4 種混合の 1 回の接種でよいのか、ご助言をお願い致 します。

A6

医学的には、3 種混合(トリビック®)でも 4 種混合(テトラビック®、クアトロバック®、ス クエアキッズ®)でも問題なく、最後の DPT から 17 年経過しているものの、3 回接種し ており基礎免疫はできていたと考えられますので、今回の接種は1 回接種で必要にし て十分だと思います。今後海外渡航や留学の際も現時点でのDPT 接種は有益だと思 います。 しかしながら、4 種混合は現在わが国では 15 歳未満の小児しか適応がないため、 社会的にはトリビック®(成人の接種も可能)を接種するしかありませんね。あるいは輸 入ワクチンとしてのTdaP などを接種できる医療機関があれば(名鉄病院予防接種セン ターなど)ご紹介してもよいかもしれません。

(16)

9

Q7 DPT&IPV 不規則接種

DPT、ポリオ不規則接種のケースです。 H22.10 生(9 歳 9 か月)女児 <予防接種歴(3 種混合、ポリオのみ記載)> DPT 3 種混合 1 回目:H23.12.13(1 歳 2 か月) 2 回目:H28.5.23(5 歳 7 か月) IPV 1 回目:H26.7.30(3 歳 9 か月) H26.8.22(3 歳 10 か月) 今回の事例では、1 回目から 2 回目が 5 年程あいており、今回接種する 3 回目も 5 年ほどあいて接種となります。日本ワクチン産業協会2019Q&A P139 Q4、Q5 を参考 に規定通りではないですが、計 4 回接種することで基礎免疫が完了したと考えてよい でしょうか。また、岐阜県予防接種センターQ&A 集 H28 年度 Q4、H29 年度 Q10 を 参考に、3 回目と追加接種の間隔は短くせず、3 回目接種後 12~18 か月後に追加接 種でよいのでしょうか。(ポリオが不足のため、4 種混合で 2 回接種)

A7

過去のQ&A 集をご参照いただきありがとうございます。 このような不規則接種の場合、それぞれのケースで標準接種に比してどの程度の 差があるかのデータはないと思いますが、DPT-IPV は合計 4 回到達で基礎免疫がで きると思われます。 ご提案の通り、任意接種で DPT-IPV で 3 回目の接種を実施していただき、12~18 か月後に4 回目も DPT-IPV で接種いただければ結構だと思います。 なお、DTⅡ期のタイミングでは、このスケジュールだと免疫が維持できているとは思 いますが、定期接種の権利がありますので DTⅡ期はその最後のほうのタイミングで接 種すればよいと思います。しかし医学的には海外のように定期接種の時期が過ぎても 約10 年毎に DPT 追加するのが適切だとは思いますので、申し添えます。

(17)

10

Q8 タイから帰国後の DT 接種

タイからの転入のお子さんのDT の接種についてご指導ください。 ●第1 子(H20.12.18 生)。今年度小学 6 年生となり DT の接種時期となりました。 タイでDPT-IPV を ①H21.2.18(生後 3 か月) ②H21.5.6(生後 4 か月 18 日) ③H21.7.22(生後 7 か月 4 日) ④H22.6.23(1 歳 6 か月) ⑤H25.1.8(4 歳) 計5 回の接種を受けています ●第2 子(H22.3.15 生)。今年度小学 4 年生ですが、2 年後、DT 接種時期がきます。 タイでDPT-HB を ①H22.5.18(生後 2 か月 3 日) ②H22.7.22(生後 4 か月 7 日) ③H22.9.23(生後 6 か月 8 日) DPT を ④H23.9.28(1 歳 6 か月) ⑤H26.3.25(4 歳) 計5 回の接種を受けています。 2 人ともに 5 回目の接種から 7~8 年経過することになりますので回数は多くなりま すが、Q&A 集、H24 年度 Q53、H30 年度 Q7、R01 年度 Q11 を参考に通常通り DT を 案内したいと考えていますがよろしいでしょうか

A8

過去のQ&A 集をご確認いただきありがとうございます。 このお子さんたちがしばらくわが国で居住するのであれば、わが国の定期接種の制 度に従っていただくしかないと思います。通常通り DT2 期接種していただいて構いま せん。 ただし、今後タイに戻られる、あるいは任意接種でもよいということであれば、医学的 にはDPT 接種をするのが最も適切だと思います。

(18)

11

Q9 DT2 期 10 か月間隔で 2 回

平成20 年 1 月生まれのお子さんです。接種履歴は次のとおりです。 DPT 第 1 期 1 回目:H21.3.17 2 回目:H21.4.10 3 回目:H21.5.22 追加:H22.5.24 DT 1 回目:R1.9.14 DT 2 回目:R2.7.20 2 回接種されましたが、副反応等健康被害の心配はないでしょうか。

A9

DPT1 期の開始がやや遅かったことを除けば、1 期追加も含め適切な間隔で接種さ れ、DT2期も決められたタイミングで接種しておられ、免疫獲得の面で問題なかった状 態でしたね。今回2 期 2 回目接種してすでに 3 週間弱経過しておられますので、今ま で特別な副反応がなかったのであればとくに問題ないと思います。しかし、接種後1 か 月を経過するまでは、より丁寧な保護者の方と連絡を取り、健康観察願います。 もちろん効果の面でのデメリットはありません。より長期に DT の感染防御免疫が維 持できるはずです。ただし長くて10 年程度です。 今回は被接種児に明らかなデメリットが生じたり、健康被害のリスクが高まったりする ことはないと考えられ、医学的に大きな問題ではないものの、わが国の定期予防接種 制度上インシデントであることは間違いありません。ご家族に対しては「予防接種セン ターの意見を聞いたが、医学的には今回のDT2 期 2 回目の接種により効果はむしろ 長期継続し、副反応の面でも今後新たに生じるものはまずないといってよい。」ことを、 保護者の心配に傾聴・共感しつつ、接種医と一緒にご説明ください。また今後同様の ミスが生じないように、貴センターおよび接種担当医療機関の職員のみなさんと話し合 ったうえで、善後策を反映したマニュアルを確認いただければ幸いです。

(19)

12

Q10 発掘調査担当者の破傷風ワクチン接種

現在、市内で発掘調査を実施して1 か月が経過し、今後 2 年程度実施する予定で す。発掘調査前には感染症対策として手指消毒や手袋の装着等 実施していますが、 調査員から破傷風が心配というご意見がでてきました。 調査員には昭和43 年以前の生まれの人が 20 人以上おり、平均年齢は 65 歳程度 となっております。3 種混合のワクチンを接種していない世代の多い現場です。 発掘調査を実施するにあたって破傷風の予防接種をした方が良いか、接種する場 合のスケジュール、接種回数等ご指導いただけたらと思います。

A10

発掘調査はそれなりに汚染度に配慮する必要があり、丈夫な手袋等の対策をとった としてもリスクはあり、汚い怪我をしてしまった場合と同様に考える必要があります。とく に動物の死体が出てくるような場所は危険だと思われます。ただしご指摘のように年齢 によって若干対応を変える必要があります。以下は本来、発掘調査作業前に済ませて おくべき予防接種ではあります。 (1) S43 年以前生まれの調査員 ➡破傷風トキソイドを1 か月間隔で 2 回、1 年後に DPT で追加をお勧めします。もし 破傷風トキソイドが2 回済む前に汚い怪我をしてしまったら、テタガム P(筋注用抗 破傷風人免疫グロブリン)を受傷部位の周辺に接種しなければならないと思われ ます。 (2) S44 年以降生まれの調査員 ➡DPT の 1 回追加接種をお勧めします。Tdap の接種が可能な医療機関ではそれ で構いません。40 歳代後半であれば、破傷風トキソイドと DPT を 1 か月間隔で追 加接種しても構いません。この場合 1 年後の接種は不要です。また、その年齢で も目的が発掘調査のためと限るのであれば破傷風トキソイド 1 回のみでも構いま せん。なお、それより若い方にはDPT をお勧めします。 なお、今回の回答作成に当たっては、名鉄病院予防接種センターの宮津光伸先生 のご指導をいただきました。

(20)

13

(21)

14

Q11 日本脳炎 1 回だけの 9 歳児

小学3 年生のお子さんです。(H22.10.13 生) 日本脳炎1 回 H26.4.17 のみで終了していた方です。すでに 5 年経過しています。 当市では、R2 年度に小学 4 年生になるので、日本脳炎 2 期の対象になるお子さんで す。30 年度 Q&A の P33 によると、いずれにせよ任意接種となるので、6 日以上あけて 2 回目、3 回目をうち、そこから 4 回目を 13 歳前日までに接種という方法でよいでしょ うか。

A11

過去の Q&A を参照していただき、感謝申し上げます。ただし、以前の回答と若干 記載内容が異なることをご容赦ください。 日本脳炎ワクチンは免疫原性が強く、約6 年経過しましたが 1 回は接種してあり、あ る程度メモリが残っていてブースターがかかりますので、直ちに2 回目接種して 6 か月 以上の間隔で 3 回目接種すれば、結果として 1 期 3 回接種完了したと同じ状況とな り、そこから 5~10 年は免疫が確保できる(最短でも通常の 1 期と 2 期の間隔程度は) と考えます。すなわちこの 3 回目までの接種で 2 期が終了した後の期間もしばらくは 感染防御抗体が維持できると考えられます。 したがって、医学的には2 期の最後の時期のタイミングでさらに 4 回目を接種しなく ても、通常2 期を接種した対象者と全く同じではないですが、さほどの遜色はなく効果 を出すものと考えます。 現在すでに2 期の時期ですので、上記の追加 2 回のうち、1 回は定期接種の権利 で接種できますが、もう1 回は任意ですね。また上記のように 3 回目接種してから 5~ 10 年後は感染防御免疫が減衰してきますので、2 期の時期が過ぎた後も、このお子さ んが将来日本脳炎侵淫地(フィリピンを含むアジア、あるいは養豚場近辺やイノシシが 出没するような里山)に居住されるようであれば、その後も 10 年に 1 回程度はブースタ ー接種が必要になることはご指導ください。

(22)

15

Q12 日本脳炎 1 期 2 回のみの 9 歳 8 か月

小学3 年生のお子さんです。(H22.5.15 生)現在 9 歳 8 か月 日本脳炎1 回目 H26.7.1 2 回目 H26.8.4 のみで終了していた方です。すでに 5 年 以上経過しています。当市では、R2 年度に少学 4 年生になるので、あと 2 か月後に 日本脳炎2 期の対象になるお子さんです。 H30 年度 Q&A の P21 によると、2 回接種後に 8 歳になったお子さんの場合、9 歳 までの間の免疫確保のために1 回任意接種し、13 歳直前に最後の 1 回を接種する 方法が紹介されていますが、この子の場合、すでに3 回目の接種が 10 歳直前である ため、 2 期までの間が 3 年程度しかあかなくなります。

A12

過去のQ&A を参照していただき、感謝申し上げます。 日本脳炎ワクチンは免疫原性が強く、1 期 2 回である程度の期間は感染防御免疫 が維持できていたと思いますが、ご指摘の通りすでに最後の接種から 5 年半経過して おり、追加接種が必要ですね。3 つの提案をします。 ① 医学的にはすぐ接種(貴市のルールでは任意になりますが)すれば、そこから 5~ 10 年の免疫維持ができますので、それで完了という考え方。 ② ①に加え、2 期の最後のほうのタイミングで追加接種すれば、さらにそこから 5~10 年の免疫維持が期待され、より長い期間の感染防御抗体が保てるという考え方。 この場合は2 期の分は定期でいけますね。間隔は 3 年程度となりますが問題ない でしょう。 ③ あと少しですので 2 期の時期まで待って、新年度にすぐさま 1 回接種して完了と いう考え方。これでも通常接種 1 期 3 回し、2 期を 4 年生新学期になってすぐに 接種する児とあまり変わらず免疫がそこから5~10 年は維持できます。①と同様あ と1 回ですが、この場合定期接種でいけますね。 なお、この児が将来日本脳炎侵淫地(フィリピンを含むアジア、あるいは養豚場近辺 やイノシシが出没するような里山)に居住されるようであれば、その後も 10 年に 1 回程 度はブースター接種が必要になることはご指導ください。

(23)

16

Q13 日本脳炎 2 歳児に 0.5mL

平成29 年 4 月生まれ(2 歳 10 か月)の女児。 令和2 年 2 月 12 日に、日本脳炎(1 回目)を水痘と同時接種した際、日本脳炎を接 種量0.5mL で接種してしまったというケースです。 Q&A 集(平成 23 年度 P27、平成 29 年度 P23)に同じようなケースで、下記のような 内容の記載がありました。 ① 副反応について 通常接種と今回のケースを比較して影響が全く同じとは思われないが、通常量で も副反応が出るとすれば遅くとも48 時間以内に出現し、副反応が倍になるという考 え方ではない。 ② 予防接種スケジュールについて 今回の接種を 1 回目とし、今後も規定通りの間隔で、規定通りの回数を接種すれ ば十分な免疫が得られる。 今回のケースでも副反応については、48 時間以内は副反応の出現に注意し、むこ う1 か月程度は時々確認し、今後の予防接種スケジュールとしては、通常通り接種し ていただくという対応でよろしいでしょうか。

A13

過去のQ&A 集をご参照いただき、誠にありがとうございます。H31(R01)年度にも全 く同様の事例がありましたので、その質問とほぼ同じ回答となります。 インフルエンザ、日本脳炎、B 型肝炎では、ある年齢を超えるとたった 1 日の違いで 途端に倍量になり、成長のスピードや現体重などを考慮すれば、適量はあくまで社会 的、便宜的な考えで、医学的ではないと思われます。他のワクチンなどは成人と小児 で同量であり、このことからも接種量のことは必ずしも体重や成長などを考慮した厳密 な医学的根拠に基づくものではなく、大雑把なものであることがわかります。今回のケ ースでは 3 歳未満で 0.5mL 接種してどのような影響が出現するのかを検討した報告 はないと思われ、確実なコメントは出しかねますが、2 歳 10 か月で間もなく 3 歳を迎え ることもあり、結果的にはほとんど倍量接種の影響はないと思われます。すなわち効果 の面でも、副反応の面でも通用接種とほとんど変わらないケースであると考えられます。 3 回目はおそらく 3 歳以降になるでしょうから、今回副反応に特別なものがなければ当

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17 然0.5mL で接種して完了です。 医学的に特別な視点で副反応を観察する必要はありませんが、保護者も心配して おられるでしょうから、通常の不活化ワクチンの副反応が出る期間である接種後1 か月 間は複数回ご連絡して様子を気遣い記録すべきと思います。もちろん最初の 48 時間 はより注意深く経過観察願います。 今回は被接種児に明らかなデメリットが生じたり、健康被害のリスクが高まったりする ことはないと考えられ、医学的に大きな問題ではないものの、わが国の定期予防接種 制度上インシデントであることは間違いありません。ご家族に対しては「予防接種セン ターの意見を聞いたが、医学的には 0.25mL 接種と効果も副反応の面でもほとんど変 わらない接種であり、心配ない。」ことを、保護者の心配に傾聴・共感しつつ、接種医と 一緒にご説明ください。また今後同様のミスが生じないように、貴センターおよび接種 担当医療機関の職員のみなさんと話し合ったうえで、善後策を反映したマニュアルを 確認いただければ幸いです。

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Q14 日本脳炎 2 回目と 3 回目 2M

平成27 年 2 月生まれのお子さんです。接種履歴は次のとおりです。 1 期初回 1 回目 :平成 31 年 2 月 13 日 2 回目 :令和 2 年 1 月 28 日 1 期追加 :令和 2 年 3 月 31 日 1 期初回 2 回目と 1 期追加の間隔が約 2 か月となっています。 ① 間隔が 6 か月に満たないことから、今回の 1 期追加は任意接種と捉えるという認 識でよろしいでしょうか。(平成 30 年度の Q&A 集・Q26 と同じ考えでよろしいでし ょうか。) ② 免疫獲得の点から、今回の 1 期追加をノーカウントとして、再接種をするべきでし ょうか。また、その場合は計5 回接種となりますが、副反応等健康被害の心配はな いでしょうか。

A14

過去のQ&A 集をご参照いただき感謝申し上げます。 日本脳炎のように不活化ワクチンは、もちろん決められた接種スケジュールで接種 していくことがベストですが、少なくとも決められた回数まで到達することが次に重要で す(但し HBV ワクチンは除く)。 また日本脳炎ワクチンはとくに免疫原性が高く、接種間隔より回数の確保が医学的 には重要です。今回は規定通り2 回目と 3 回目が 6 か月以上の間隔を空けていない ので、通常通りの免疫が獲得できるか否かはデータがなく不明ではありますが、3 回ま では到達しているし、1 回目と 2 回目の間隔がほぼ 1 年ということから、一般社団法人 日本ワクチン産業協会編予防接種に関する Q&A 集 2019 の P231、「特例対象者以 外の人で規定通りに基礎免疫を行うことができなかった場合における任意接種の考え 方の一例」の図にありますように、1 期初回 1 回のみで 1 年から数年が経過した場合、 とほぼ同様に考えれば、2 回目と 3 回目は 6~28 日で接種しても、1 年後に接種して もよいとされており、幅広い考え方ができるものと思われます。 以上のことより、現状では感染防御免疫を獲得できており、また少なくとも数年は維 持できる状態と言ってよいと思います。したがって、今回の接種で 1 期完了と考えてよ いと思います。2 期は通常通りの期間に接種して下さい。その後 10 年弱の免疫は維

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19 持できます。比較的1 期が遅めでしたので、2 期も最後のほうでも構わないとは思いま す。 なお、このお子さんが今後日本脳炎侵淫地(アジア、あるいは養豚場近辺やイノシ シが出没するような里山)に居住されるようであれば、2 期接種後も 10 年に 1 回程度は ブースター接種が必要になることはご指導ください。 今回は被接種児に明らかなデメリットが生じたり、健康被害のリスクが高まったりする ことはないと考えられ、医学的に大きな問題ではないものの、わが国の定期予防接種 制度上インシデントであることは間違いありません。ご家族に対しては「予防接種セン ターの意見も聞いたが、医学的には効果面でも副反応面でも通常接種とほとんど変わ らないケースである。」ことを、保護者の心配に傾聴・共感しつつ、接種医と一緒にご 説明ください。また今後同様のミスが生じないように、貴センターおよび接種担当医療 機関の職員のみなさんと話し合ったうえで、善後策を反映したマニュアルを確認いた だければ幸いです。もちろん、規定通りではないので、取扱は「任意接種」とはなりま すが、医学的には有効なことから、接種医師を十分ご指導いただいたうえで、定期接 種の取り扱いをされることもご検討いただければ幸いです。無理は言えませんがご検 討の余地があるのならお願いいたします

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Q15 日本脳炎中国で 2 回接種済で帰国後の接種計画

中国から一時帰国した 5 歳 6 か月児です。(新型コロナウイルス感染症の流行を受 けて、早期に疎開してきました。)2 歳以前の予防接種は日本で受けていますが、日本 脳炎に関してのみ、中国で以下のように接種しています。 日本脳炎接種歴> 中国 1 回目 2017.3.19(2 歳 4 か月) 2 回目 2017.4.10(2 歳 4 か月) <詳細> 以前の Q&A から、日本と中国の日本脳炎ワクチンの互換性はないため、中国での 接種は考えず、日本での接種を 1 期初回 1 回目から開始することが望ましいのです が、コロナが終息し、渡航可能になれば中国に戻る予定です。その見通しがつかない 状況です。 想定される状況は、日本で接種しなおせば、おそらく初回の 1・2 回目を接種し、そ の後は中国に戻ることが予想されます。 ① その場合、中国に戻った後に、再度中国でのスケジュールで追加を行っていけ ばよろしいでしょうか。 ② 中国・日本の接種が混合します。問題はないでしょうか。

A15

過去のQ&A 集をご参照いただき感謝申し上げます。 ご指摘の通り、中国の生ワクチンとわが国の不活化ワクチンは互換性がありません ので、せっかく帰国されておられるのであれば、まずはこの間に2 回(6~28 日間隔)で 接種していただきたく思います。日本脳炎ワクチンの免疫原性が非常に高いことから、 この後しばらくの間(少なくとも 2~3 年)の免疫維持ができますので、次回の日本帰国 のタイミングで2 回目から 1 年以上経過した時点を確保して 3 回目の接種をわが国で 実施していただく計画をお勧めください。それで1 期完了となり、その後数年以上の免 疫が維持できます。もちろん 2 期の時期が来たら適切に帰国後して追加願います。そ の後10 年弱の免疫は維持できます。 中国の接種分はノーカウントにして、上記の計画が実行できれば中国のワクチンを 追加する必要はないでしょう。もちろん中国のワクチンとわが国のワクチンを両接種し てもお互いの効果干渉や副反応のリスクの高まりはないと思います。

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21

なお、このお子さんが今後日本脳炎侵淫地(アジア、あるいは養豚場近辺やイノシ シが出没するような里山)に居住されるようであれば、2 期接種後も 10 年に 1 回程度は ブースター接種が必要になることはご指導ください。

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Q16 日本脳炎標準的な接種間隔

日本脳炎初回接種の間隔による医学的な差異について 日本脳炎初回接種は標準的には6~28 日の間隔を置いて接種することになってい ますが、6 日の間隔で接種した場合と、28 日の間隔で接種した場合で、抗体の上昇率 など、医学的な差異はあるのでしょうか。 他の不活化ワクチンが20~27 日以上の間隔を標準とするなか、日本脳炎のみ最短 の6 日の間隔を推奨してもいいものか、他の不活化ワクチン同様の間隔を推奨すべき か、根拠となる資料等も見つけられず、判断しかねています。 医学的に推奨される間隔がありましたら、根拠となる出典などと併せて教えていただ けますと幸いです。

A16

過去のQ&A 集をご参照いただきながらのご質問感謝申し上げます。 もともと日本脳炎ワクチンの初回2 回は 1~2 週間隔が最も効果があるとされていま した。以前の添付文書には1~2 週間隔と明記されていたようです(現在は混乱を避け るために1~4 週間ですね。)。 ただし、日本脳炎は免疫原性が高く、間隔を厳密に考えすぎなくても回数が重要で あること、また1~2 週間隔と 1~4 週間隔では医学的効果に問題となるような差がない こと、他のワクチンが通常4 週間隔であり、日本脳炎のみ 1~2 週では、接種を計画し にくく、かえって忘れてしまうことがありうることなどから、1~4 週間としているものと思わ れます。 すなわち、理想は1~2 週間隔であるが、4 週間間隔でも効果に差はなく、社会的に 確実な接種を目指すためによりも忘れにくい方法として4 週間を容認しているのだと思 います。

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Q17 日本脳炎不規則&注射液漏れ接種

日本脳炎ワクチン第1 期初回 1 回目を 2017 年 6 月 13 日に他院で接種されていま すが、同時期から分類不能型免疫不全症(CVID)を疑われ、大学病院で経過観察さ れるようになり、予防接種を行っても効果が見込めないとの主治医の意見によりその後 接種が止まっていた現在6 歳 2 か月の方です。大学病院小児科に確認して CVID で はないとのことで予防接種は可能であることが確認できたので、この度予防接種を行う こととしましたが、患児の母親が保健所に問い合わせたところ法令に基づいては 1 期 初回2 回目からそのまま継続したスケジュールで投与すればよいとのことだとその母親 より伺ったので、第1 期初回 2 回を 6 月 23 日に予定しておりました。しかし接種当日 にシリンジと注射針とのコネクトがやや甘かったため、注射の最中にシリンジから注射 針が逸脱し、0.5mL 接種が完全に施行できませんでした。正味何 mL 入ったかが定か でなく、半分量は入ったのではとも思われましたが、確信はできないため、今回は実施 不完全という形でいったん中止といたしました。この患児にできるだけ最善を尽くしたく 存じますので、以下についてご指導いただきたく存じます。 1. 追加接種や再接種の必要性についてはいかがでしょうか?(今のところ打ちなお すべきと考えております。) 2. この児に最適な接種スケジュールを組むにはどのように計画するべきでしょうか? (もともと 1 期初回 1 回目のみで 2 回目以降が抜けておりますので、たとえば、 Q&A に 2 回目 3 回目を 6 日開けて投与し、4 回目を 9 歳以降で接種との記載が ありますが、これが妥当でしょうか?それとも今回の接種を初回 2 回目として再度 やり直し、法令のスケジュールにのっとって、3 回目を 1 年後、4 回目を 9 歳以降と するのがよろしいでしょうか?) 接種回数が増えることによる不利益についてはどのように説明すればよいでしょう か?全く考える必要はないと考えてはおりますが、それでよろしいでしょうか?

A17

岐阜大学病院小児科受診症例とのことで、予防接種のご対応をいただきありがとう ございます。診療録を確認いたしましたが、おそらく該当症例は乳幼児一過性低ガン マグロブリン血症で、経過観察後に IgG 増加が確認され異常なしと判断された症例の

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24 ことではないかと思われます。従って、今後の予防接種についてこの件に起因して接 種を制限することはございません。 さて、今回の案件についてですが、半量(あるいはそれ以下の量)接種と正しく接種 した場合と比べて同等かどうかはデータがないため不明です。日本脳炎ワクチンは 3 歳以上とそれ以下で接種量が 2 倍に急に変わってしまうことを勘案して、半量入って いれば効果はほぼ同等なのかもしれませんが、それ以下の可能性は否定できません。 従いまして、今回はノーカウントとして、今回の接種から 6 日以上経過してから改めて 正式に第一期2 回目として接種するとよいのではないでしょうか。副反応も通常の日本 脳炎ワクチンの範囲のものと推定され、ほぼ問題にならないと考えます。今後の接種ス ケジュールについてですが、日本ワクチン産業協会発行の予防接種に関する Q&A 集にも記載されている通り、2 回目と 3 回目の間を 6 日空けて投与し、4 回目を 9 歳以 降で接種でよろしいかと思います。 ただし、今回の接種はわが国の定期予防接種制度上のいわゆる過誤接種に相当し ます。また、被接種児が大きな不利益をこうむったり、健康被害のリスクが高まったりす るようなケースではないと考えられますのでご家族に対して心配や不安を与えたことを まずは真摯に謝罪してください。その上で「予防接種センターの意見も聞いたが、効 果面、副反応面での医学的問題は大きくないので、改め第1 期 2 回目として接種をし 直すという方法がよいのではないか」と、保護者の心配に傾聴・共感しつつ、丁寧に説 明して方針を決定してください。また 今後同様のミスが生じないように、貴施設の職員 のみなさんと話し合ったうえで、善後策を反映したマニュアル等を策定、確認いただけ れば幸いです。なお、申し上げるまでもありませんが、打ち直し 2 回目の費用は貴院 でご負担ください。

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Q18 日本脳炎 2 回目と 3 回目 2W

日本脳炎 2 回目と追加接種の間隔が 6 か月以上あけず接種してしまったケースで す。 H27 年 8 月生(4 歳 11 か月)男児 <接種歴(日本脳炎のみ記載)> 1 回目:H31 年 4 月 1 日 2 回目:R2 年 6 月 16 日 追加:R2 年 6 月 30 日 <参考資料> 〇岐阜県予防接種センターQ&A 集の H29 年 P29Q22 の事例では、今回の追加接種 をノーカウントとし、規定通りの間隔で再度追加接種をおすすめされています。 〇同Q&A 集 H30 年度 P24Q16 の事例では、医学的な接種であるとされています。 〇同Q&A 集 H30 年度 P33Q24 の事例では、任意接種にはなりますが 1 か月後に 3 回目の接種をお勧めされています。 〇同Q&A 集 H30 年度 P35Q26 の事例では、医学的に不適切な接種ではないとされ ています。 〇同 Q&A 集 R 元年度 P26Q18 の事例では、特例対象ではありますが、比較データ はないが、標準的な間隔で接種した場合より、1 か月間隔で接種してしまった事例 の方が若干免疫維持は短くなると考えられるが、大きなデメリットはないとされていま す。 〇日本ワクチン産業協会2019Q&AP231 では、任意接種の考え方の一例に 1 回目接 種後に 1 年から数年あいて 2 回目を接種した場合、早めに確実な免疫を獲得した い場合6 日以上の間隔で接種するパターンがのっています。 上記のように今回の事例と類似した「1 回目から 2 回目の間隔が 1 年以上あいてお り2 回目と追加接種の間隔が 6 か月未満で接種している事例」がそれぞれありますが、 追加接種をノーカウントとしているものと、適切とされているものとありました。 適切とされているものが比較的多いように思います。今回の事例に関して、任意接種 にはなりますが追加接種は医学的には適切なものと捉えてよいでしょうか。

A18

過去の Q&A 集を精読していただき感謝申し上げます。各回答により若干ニュアン スが異なりますのは、定期接種の時期にはできる限りそれを利用しようとしたり、また特 例接種の対象者だったりすることもあります。ご心配をおかけし申し訳ありません。

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26 まずは医学的なコメントをいたします。日本脳炎ワクチンは免疫原性が高く、2 回接 種で少なくとも 3 年程度は感染防御免疫が維持できるとされています。例えば流行地 などでは3 歳未満でまずは 2 回接種しておいて、3 歳以降に 3 回目を接種する方法 もあります。3 回接種すれば少なくとも数年以上は感染防御免疫が維持できますので、 2 期の時期まで大丈夫で、2 期を接種すればその後さらに数年から 10 年は持続しま す。もちろん今後このお子さんが日本脳炎侵淫地(アジア、あるいは養豚場近辺やイノ シシが出没するような里山)に居住されるようであれば、最後の接種後も 10 年に 1 回 程度は任意でブースター接種が必要になることはご指導ください。 以上のことを踏まえ、今回の接種はご覧いただいた日本ワクチン産業協会 2019 Q&A P231 での特例対象者以外の任意接種の考え方の一例にある、1 回目接種後 に1 年から数年あいて 2 回目を接種した場合、早めに確実な免疫を獲得したい場合 6 日以上の間隔で接種するパターンと考えることができますので、医学的に 2 期までの 感染防御が得られると思います。 今回は被接種児に明らかなデメリットが生じたり、健康被害のリスクが高まったりする ことはないと考えられ、医学的に大きな問題ではないものの、わが国の定期予防接種 制度上インシデントであることは間違いありません。ご家族に対しては「予防接種セン ターの意見を聞いたが、医学的には定期接種のルール範囲での接種と全く効果も副 反応の面でも変わらない接種であり、心配ない。」ことを、保護者の心配に傾聴・共感 しつつ、接種医と一緒にご説明ください。また今後同様のミスが生じないように、貴セン ターおよび接種担当医療機関の職員のみなさんと話し合ったうえで、善後策を反映し たマニュアルを確認いただければ幸いです。

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Q19 日本脳炎接種間隔間違い(2 回目と 3 回目 43 日)

対象児: H14 年 4 月 11 日生(18 歳) 日本脳炎 1 回目 R2.5.28 日本脳炎 2 回目 R2.6.18 日本脳炎 追加 R2.7.30 本来6 か月以上の間隔を空けなければならないところ、2 回目から 1 か月程度で追 加接種を実施しました。平成29 年度予防接種必携 P.29 の Q22 の回答にならって今 後のスケジュールを考えると、今回の追加接種はノ-カウントとなりますが、残り2 回分 を20 歳まで(1 年と 7 か月)に、どのような接種間隔で実施するとよいでしょうか。より免 疫が持続しやすい接種スケジュールをご教授ください。

A19

予防接種必携ではなく、過去の岐阜県予防接種センター相談窓口 Q&A 集をご覧 いただいたのですね。ありがとうございます。すでに確認いただいたと思いますが、同 様の質問は、過去の Q&A 集に複数記載されています。各回答により若干ニュアンス が異なりますのは、定期接種の時期にはできる限りそれを利用しようとしたり、また今回 のように特例接種の対象者だったりすることもあるためで、ご了承いただきたいと思い ます。 日本脳炎ワクチンは免疫原性が高く、今回 2 回接種したのみでも少なくとも 2-3 年 程度は感染防御免疫が得られている状況であったと推察されますが、そこに1 か月半 で3 回目を追加したわけです。このように 2 回目と 3 回目を短い間隔で接種した場合 の感染防御抗体の維持に関するデータはないと思います。ただし、通常通り 2 回目か ら6 か月以上空けて 3 回目を接種する推奨スケジュールで接種した場合は 3 回目接 種後数年~10 年程度、感染防御免疫が維持されますが、それより少しは短くなるもの の、極端に短くなることはないと思います。現状で言えることは、この被接種者の方は、 20 歳になるまでもう 2 年を切っており、少なくともその間は感染防御免疫が適切に維 持されているはずだということです。副反応のリスクについては、すでに 1 週間以上経 過しており、今まで何もなければ心配はないと思いますが、一応 1 か月程度は慎重に 健康観察をお願いいたします。 今後どうするかについては、いろいろな考え方ができます。

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28 ① このまま定期接種としては完了する。 理由はすでに記載した通りで、少なくとも定期接種の時期を過ぎるまで感染防御 免疫が維持されるはずであり、しかもその維持期間は通常スケジュール接種より大 きく短くなることはないと考えられるからです。 ② 今回の 3 回目はノーカウントとし、約 1 年後に 3 回目接種をやり直す。 標準的な間隔で接種するよりはわずかですが感染防御免疫の維持が短くはなり、 ご家族も納得されなければこうする方法もあると思います。 ③ 4 回目(追加接種)については医学的には不要だと思います。 特例措置では3 回目接種から 6 日以上経過すれば 4 回目接種をすることが可能 ですが、すでに記載したように医学的には少なくとも数年以上は追加接種不要だ と考えます。ただし、①の場合には 20 歳になる直前に追加接種してもよいでしょう。 ②の場合は全く不要とまでは言えませんが、あえて接種しなければならないとは考 えにくいと思います。 今回は被接種者に有意なデメリットが生じたり、健康被害のリスクが高まったりするこ とはないと考えられ、医学的に大きな問題ではないものの、わが国の定期予防接種制 度上インシデントであることは間違いありません。ご家族に対しては「予防接種センタ ーの意見を聞いたが、医学的には定期接種のルール範囲での接種と比べ効果が有 意に低下したり、副反応のリスクが高まったりする状況ではないので、その点心配はあ りませんが、今後についてはいろいろな考え方があるので説明させていただいた上で 一緒に考えましょう。」と、保護者の心配に傾聴・共感しつつ、接種医と一緒にご説明く ださい。また今後同様のミスが生じないように、貴課および接種担当医療機関の職員 のみなさんと話し合ったうえで、善後策を反映したマニュアルを確認いただければ幸 いです。 なお、今後この被接種者が日本脳炎侵淫地(アジア、あるいは養豚場近辺やイノシ シが出没するような里山)に居住されるようであれば、最後の接種後も 10 年に 1 回程 度は任意でブースター接種が必要になることはご指導ください。

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Q20 日本脳炎中国で 1 回日本で 1 回接種児の

今後の接種計画

日本脳炎ワクチン第1 期初回 1 回目を H28 年 5 月に中国で、第 1 期初回 2 回目 がH29 年 10 月に日本で接種され、その後の接種が滞っていた H27 年生まれの 5 歳 の男の子です。今回第 1 期追加、いわゆる 3 回目の日本脳炎の接種予診票を失くし たために保健所から再度いただいたうえで 3 回目の日本脳炎の予防接種を希望され ご相談いただきました。法令上はそのまま3 回目と 4 回目を公費で打つことでよいかな と思いますが、最初の2 回の予防接種が 1 年 5 か月も間隔をあけて接種されています ので、このまま 3 回目と 4 回目を打つことで本当に患者さんが満足できる免疫が獲得 できるかどうかが不安です。1 回目しか打っていない人は、Q&A などには 2 回目と 3 回目を6 日開けて接種し、4 回目を 9 歳以上で接種すればよいと書いてありますが、1 回目 2 回目がこのように不規則な接種となってしまった人については明確な記載がな いように見えます。この男の子の場合は1 回目と 2 回目の間隔があきすぎているので、 1 回目しか打てていないお子さんと同様に扱って、今回 3 回目を公費で打って 6 日開 けて4 回目を私費で接種し、9 歳以降で本当の 4 回目(この人にとっては 5 回目)を公 費で接種するのがよいかと思いますが、どのように接種するのが最善でしょうか?

A20

過去の Q&A 集には同様の中国と日本で双方で接種したケースのご質問も出てい たはずですが、またお時間のある時にご確認ください。いずれにせよ、過去のQ&A 集 をご参照いただき感謝申し上げます。 日本脳炎ワクチンについては、中国のものは生ワクチンで、日本の不活化ワクチン と互換性がありません。そもそも定期接種制度上は、海外での接種はいずれのワクチ ンもわが国の制度上ノーカウントとして取り扱ってよいことと、今回の日本脳炎の場合 は医学的に互換性がないことを含めてダブルノーカウントですね。 そのうえで、わが国で 1 回接種したのみの場合として考えますと、最終接種から 3-4 年以内ですので、まず1 回真の 2 回目の接種を直ちに行い、1 か月間隔で真の 3 回 目接種をすれば、その時点から数年から10 年は感染防御免疫が得られるはずです。 日本では1 回しか接種していないわけですし、生後 90 か月まではまだ時間がありま すので、この真の2 回目および 3 回目はいずれも定期接種の権利があります。ご提案

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30 する接種方法でも日本脳炎ワクチンは免疫原性が高く、ある程度間隔があいても 3 回 目まで到達すればそこからの免疫維持は推奨される接種間隔で接種した場合とほぼ 同等の効果が得られると考えてください。 2 期も当然定期接種の権利がありますが、上記のように真の 3 回目から 5 年から 10 年は免疫維持できますので、2 期のあとのほうの時期に接種すれば、そのあとの免疫 維持もより長く継続できると思います。 なお、今後この被接種者が日本脳炎侵淫地(アジア、あるいは養豚場近辺やイノシ シが出没するような里山)に居住されるようであれば、最後の接種後も 10 年に 1 回程 度は任意でブースター接種が必要になることはご指導ください。 また、このお子さんが今後中国に渡られる場合でも、必要な追加の日本脳炎のワク チンは国内に帰国したタイミングで接種されることをお勧めします。

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Q21 日本脳炎 2 回接種から 5 年→今後

11 歳 7 か月の男児ですが、当院で H27 年に日本脳炎ワクチンの①1 期初回と②1 期2 回目を接種しておりますが、その後患者の都合で接種が滞ってしまい 5 年が経過 してしまいました。 予防接種に関するQ&A では 1 回接種すればよいと書いてあったり、特例対象者の 場合に3 回目を打って 4 回目を 9 歳以上で接種とも書かれてあり、どれが正しいかが はっきりしません。それらを踏まえ、保健所では 3 回目を直ちに打ってくださいとのこと でしたので、考えた末、3 回目の接種が 2 回目から 5 年を経て今回実施しました。 さて、4 回目に関しては 13 歳になるギリギリで打つのが良いかそれとも 3 回で免疫 が完成されていると考えて任意で 4 回目を今回から 5 年後に接種するのとどちらがよ ろしいでしょうか?あるいは3 回目に続き 4 回目を 13 歳前で打ち、さらに 5 年後に任 意で5 回目を接種するのが妥当でしょうか?

A21

過去の岐阜県予防接種センター相談窓口 Q&A 集をご確認いただきありがとうござ いました。 今回の3 回目の接種は適切で、今後数年は感染防御免疫が維持できると思います。 制度上は2 期定期接種となりますので、今後の接種はすべて任意接種になります。 ただし、日本脳炎ワクチンは免疫原性が高いとは言っても、1 期を適切な間隔で 3 回 接種した場合よりはその持続期間はある程度少なくなるとは思います。定期接種の権 利の兼ね合いや、積極的接種勧奨の控えの時期に巻き込まれたケースなどさまざま なケースがあるため、その都度回答にずれが生じる点はご容赦いただきたいのです。 したがって、今回から6M ないし 3 年の間での 4 回目任意接種が望ましいのではな いかと思います。個人的には3 年後で構わないとは思います。 なお、今後この被接種者が日本脳炎侵淫地(アジア、あるいは養豚場近辺やイノシ シが出没するような里山)に居住されるようであれば、最後の接種後も 10 年に 1 回程 度は任意でブースター接種が必要になることはご指導ください。

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32

Q22 日本脳炎 2 回接種から 7 年

・日本脳炎の接種間隔があいたケースの接種スケジュールについて ・被接種者:H22 年 4 月 13 日生まれ ・日本脳炎接種歴:初回1 回目 H25 年 6 月 21 日、初回 2 回目 H25 年 8 月 3 日 今回、日本脳炎の予防接種を希望していますが、2 回目からは 7 年経っています。 平成24 年度の Q&A の Q24 にて、間隔があいていると免疫の維持期間は短くなるた め、3 回目を接種してから 1 年後に 4 回目を接種するとご指導いただいています。 今回相談させていただくケースは特例の方ではないですが、2 期の対象として接種 可能なので、公費で 1 回接種していただき、約 1 年後に自費で接種していただくよう に保護者の方に説明したいと考えていますが、いかがでしょうか。

A22

過去の岐阜県予防接種センター相談窓口 Q&A 集をご確認いただきありがとうござ いました。 日本脳炎ワクチンは免疫原性が高く、不規則でも3 回目まで到達すれば、その後数 年は感染防御免疫が維持されるはずだといっても、さすがに 2 回目接種後 7 年経過 しており、今回定期接種 2 期の権利を利用して 3 回目までで終了してしまえば、期待 される数年~10 年の免疫維持は難しいと予想されます。 したがって、ご提案の通り今回2 期定期接種の権利を利用して 1 回接種を行い、そ の後6M~1.5Y の間に任意接種で 4 回目を実施していただくとよろしいと思います。 なお、今後この被接種者が日本脳炎侵淫地(アジア、あるいは養豚場近辺やイノシ シが出没するような里山)に居住されるようであれば、最後の接種後も 10 年に 1 回程 度は任意でブースター接種が必要になることはご指導ください。

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33

Q23 日本脳炎 3 回接種後の 15Y の 21 歳

平成11 年生まれの方で、平成 14 年 4 月と平成 14 年 5 月に日本脳炎ワクチン第 1 期の1 回目 2 回目を接種されており、平成 15 年 6 月に第 1 期追加(3 回目)を接種完 了しておられました。しかしながら2 期 4 回目の接種を失念され、現在までに至ってし まいました。 以前、基本的に 3 回の接種が完了していれば、日本脳炎の基礎免疫は獲得しうる と伺いました。それに基づいて「3 回済んでいるのでもう十分基礎免疫はあるから、忘 れた予防接種はもう接種しなくてもよいでしょう。」といって接種しないのは決して良い 選択ではなく、5-10 年で免疫力が低下することを考えれば、最終接種から 15 年も経 過しているので、何らかの形で追加接種してあげるべきとは思うのですが、初回3 回の 接種が終わっている場合に、このように長い時間間隔があいてしまった方に対しても、 忘れていたことが確認され思い出された時点で、(この 21 歳の現時点で、) 第 2 期を 追加で 0.5mL 任意接種するということでよいでしょうか?それとも接種のしなおしが必 要で、任意で複数回の接種を予定すべきでしょうか? もしそうでありましたら、その回数 や間隔についてご指導いただけませんでしょうか。

A23

1 期 3 回目までは標準的に接種しておられますので、3 回目接種からおよそ 10 年 は感染防御免疫が維持できていたと思います。しかしすでに 3 回目接種から 15 年が 経過しており、この数年は感染防御に十分な免疫が維持できていない可能性が高い です。 すでに成人されていますので、一般には定期接種制度上の判断では接種不要とな りますし、接種するとしてもルール上も定期接種としての取り扱いはできませんが、ご 希望がある場合は任意接種をして差し上げるべきと思います。 今回1 回接種すれば過去の免疫メモリが賦活化され、ブースターがかかるとは思い ますが、その予想は考え方としては3 回目の接種から 10 年以内の場合であり、さすが に最後の接種から10 年以上経過しているので、1 回だけで感染防御免疫が賦活化す るかどうかはデータもなくわかりません。1 回のみでも数年以内は大丈夫かもしれませ んが、より確実には今回接種後 1 年でもう 1 回接種すれば、そこから約 10 年は免疫 維持できると予想されます。

(41)

34

もしこの方が、今後日本脳炎侵淫地(アジア、あるいは養豚場近辺やイノシシが出没 するような里山)に居住されるようであれば 2 回接種してあげてください。また、そのよう な感染リスクが高い生活が続くなら最後の接種後も 10 年に 1 回程度は任意でブース ター接種が必要になることも併せてご指導ください。

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Q24 日本脳炎 2 期 2 回連続接種

2011 年 6 月 30 日 生まれの男児 本日で 9 歳 4 か月、インフルエンザの予防接 種希望のため来院されましたが、確認ミスのため日本脳炎0.5mL を接種してしまいま した。 男児は第1 期初回 1 回目・第 1 期初回 2 回目・第 1 期追加 時期は不明ですが、 標準年齢で接種済。第2 期は R2 年 7 月 7 日 9 歳で接種されていました。 本日R2 年 11 月 9 日 9 歳 4 か月で、5 回目の接種(4 回目との間隔、4 か月 2 日) で誤接種。ご家族の方には、主治医より誤接種をしたことを伝えて謝罪しました。ご家 族の方は、人的侵襲について、心配されております 。ご専門の先生より、日本脳炎を 5 回接種したことへの人的侵襲について教えて頂きたいです。また私たちの確認ミス のために男児に人的侵襲を与えてしまったことはクリニック全体の問題としてとらえて おります。

A24

過去のQ&A 集をご参照いただきありがとうございます。 日本脳炎は 1 期 3 回接種完了時点で 5~10 年間の感染防御免疫が得られます。 本児も適切な接種がなされていたようで、免疫原性が高い本ワクチンの効果が出てい たと思います。しかし数年以上経過しており、そろそろ免疫が減衰してくる時期に合わ せ、2 期が設定されており、2 期を適切に 1 回接種しますとブースターがかかり、またそ の後の約10 年間は感染防御免疫が維持できます。今回は 4 か月前に 2 期を適切に 接種していたので、すでにそのような状況になっていたとは思います。 この5 回目接種でさらに免疫が高まりました。4 回目の接種から予想される約 10 年 よりある程度は感染防御免疫維持期間が延長はされるように思いますが、基本的な考 え方としては日本脳炎は今回のような基礎免疫がしっかりついている場合は最後の接 種(5 回目接種)から約 10 年間の免疫維持は担保されると考えられますし、そのように 説明されるとよいと思います。一般にワクチン接種回数が規定より多くなっても、過剰 免疫の心配はないし、今回の接種では通常通りの不活化ワクチンの副反応観察をし ていただければと思います。とくに接種後1 週間を中心に 1 か月程度、通常の接種よ りきめ細かく保護者と本人に状況を確認する作業をしてください。ただし、あまり過剰に アプローチされますと、保護者もかえって心配されますのでご配慮下さい。

参照

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