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滅菌同種骨移植の実験的研究

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Academic year: 2021

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滅菌同種骨移植の実験的研究

著者 伊藤 貴夫

著者別名 Ito, Takao

雑誌名 博士学位論文要旨 論文内容の要旨および論文審査

結果の要旨/金沢大学大学院医学研究科

巻 平成5年7月

ページ 9

発行年 1993‑07‑01

URL http://hdl.handle.net/2297/15027

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学位授与番号 学位授与年月日 氏名 学位論文題目

医博甲第1060号 平成4年9月30日 伊藤貴夫

滅菌同種骨移植の実験的研究

論文審査委員 主査 副査

教授 教授 教授

富田 中西 宮崎

勝郎 功夫 逸夫

内容の要旨および審査の結果の要旨

我が国では無菌的に同種骨の大量入手が困難なため,感染が危倶される切断肢や各種疾患で死亡した症 例からの骨供給も考えねばならない。そこで,滅菌処理同種骨の臨床応用の可能性を探る目的で,Wistar 系ラットの大腿骨骨幹部,を用いて,-80℃凍結処理骨,オートクレーブ処理骨(135℃,10分),エチレン

オキサイドガス処理骨を作成して,SD系ラットの大腿骨骨幹部に作成した骨欠損部に骨移植を行い,凍 結処理骨の移植抗原性や骨形成能を比較検討した。さらに,各滅菌処理同種骨の周囲に脱灰凍結乾燥同種

骨を移植した群も作成した。この5群に対して,各処理骨が母床と骨癒合していく過程を,X線像,組織 像,微小血管造影像,移植骨内への血管侵入率(母床の血管密度に対する移植骨の血管密度の比)によっ

て経時的に観察した。

皮膚脱落試験の結果,滅菌処理骨の抗原性は凍結処理骨の抗原性と同程度にまで低下していた。X線像 では,凍結処理骨の骨癒合は移植後8週目に,また滅菌処理骨の骨癒合は移植後12週目に認められた。凍 結処理骨の着床過程においては,移植骨周囲に軟骨や新生骨が誘導され,血管の侵入と共に移植骨への新 生骨の侵入が認められたことから,凍結処理骨は骨誘導と骨伝導を共に有するものと考えられた。これに 対して,滅菌処理骨の着床過程においては,凍結処理骨の場合と異なって移植骨周囲に骨誘導は認められ ず,主に骨伝導による滅菌処理骨の着床が確認された。また,移植骨への血管侵入率においては,どの時 期も滅菌処理骨は凍結処理骨よりも血管侵入率が低く,これは骨伝導能しか有しない滅菌処理骨では,凍 結処理骨のような骨誘導能による骨伝導の促進効果が得られなかったためと考えられた。一方,滅菌処理 骨に脱灰凍結乾燥同種骨を加えた群では,滅菌処理骨単独移植群に比べて骨癒合や移植骨への血管侵入が

促進されていた。

以上から,滅菌処理骨の着床は主に骨伝導によって起こるために,凍結処理骨よりも遅延がみられるも のの,組織学的には十分な骨癒合が得られることが判明した。さらに,滅菌処理骨周囲に骨誘導物質を加

えることで,骨形成能の面では凍結処理骨に遜色のない移植骨材料になり得るものと考えられた。

以上より本研究は,骨関節領域の手術に際して大量の骨移植を必要とする場合,我が国では入手困難な 凍結処理同種骨に代わる移植骨材料として,滅菌処理骨が広く臨床応用されうる可能性を示した価値ある

研究とみなされた。

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