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液体窒素処理自家腫瘍骨の移植に関する実験的研究

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Academic year: 2021

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液体窒素処理自家腫瘍骨の移植に関する実験的研究

著者 山本 憲男

著者別名 Yamamoto, Norio

雑誌名 博士学位論文要旨 論文内容の要旨および論文審査

結果の要旨/金沢大学大学院医学研究科

巻 平成13年7月

ページ 9

発行年 2001‑07‑01

URL http://hdl.handle.net/2297/15606

(2)

学位授与番号 学位授与年月日 氏名 学位論文題目

医博甲第1435号 平成12年7月31日 山本憲男

液体窒素処理自家腫瘍骨の移植に関する実験的研究

論文審査委員主査 副査

教授 教授 教授

富田勝郎 中西功夫

輪晃

内容の要旨及び審査の結果の要旨

骨腫瘍切除後の再建には、加熱処理自家腫瘍骨の移植が行われることも多いが、様々な問題点が ある。本研究では、従来の処理法以上の成績を期待できる新しい自家骨処理法として、液体窒素を用 いた冷却処理について検討を行った。

材料はヒト骨肉腫細胞由来の○ST細胞と牛中足骨を用いた。骨内に温度センサーを設置し、-196

℃の液体窒素中、20℃の室温中、30℃の加温生理食塩水中の温度変化を測定し、一定の温度変化が 得られる条件を検討した。次いで、液体窒素処理後の腫瘍細胞の増殖能についてブロモデオキシウリ ジン(以下BrdU)による免疫組織学的検討を行った。さらに、液体窒素処理を行った腫瘍細胞塊を ヌーFマウスの皮下に移植して、経時的に推定腫瘍体積の測定および組織学的検討を行った。また荷 重部に用いるための検討として、液体窒素処理後の力学的強度変化について、圧縮強度を測定し検討

した。その際の骨の破断面については、走査型電子顕微鏡による観察を行いその特徴を検討した。

一定の温度変化の下で骨の処理を行うには、液体窒素中20分、室温中15分、加温生理食塩水中15 分の計50分必要であることが明らかとなった。BrdUを用いた免疫染色において、液体窒素未処理群 では腫瘍細胞は陽性を示したが、液体窒素処理を行った腫瘍細胞は陰性であった。推定腫瘍体積は、

液体窒素未処理群で経時的に増加していたが、液体窒素処理群では経時的に減少した。組織像は、液 体窒素未処理群で腫瘍細胞の組織浸潤が認められたが、液体窒素処理群では、腫瘍細胞の残存は認め られず、移植腫瘍組織塊の壊死および癖痕形成像が認められた。圧縮強度は、加熱処理骨でのみ未処 理骨と比べ有意に初期強度の低下が認められたが、液体窒素処理骨では圧縮強度は温存されていた。

走査型電子顕微鏡による観察では、液体窒素処理骨の破断面は織密で平滑であったが、加熱処理骨の 破断面は不整で、破断面の凹凸が目立っていた。以上の結果から、液体窒素処理により腫瘍細胞は死 滅し、また処理後も骨強度は力学的に温存されていることが明らかとなった。従来は加熱することで 自家腫瘍骨の処理を行ってきたが、本法は冷却処理することで、従来法の問題点を克服することがで きた。従来法以上の成績を期待できる新しい方法として、液体窒素処理自家腫瘍骨の移植は、骨腫瘍 切除後の再建法として有効な手段になると考える。

以上の研究は、骨腫瘍の手術治療に新しい方向を与えるものであり、学位授与に値するものと考え

る。

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