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犬の同種凍結神経移植による機能再建

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Academic year: 2021

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Title

犬の同種凍結神経移植による機能再建( 内容の要旨 )

Author(s)

中村, 道子

Report No.(Doctoral

Degree)

博士(獣医学) 甲第161号

Issue Date

2004-03-15

Type

博士論文

Version

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/2215

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

(2)

.氏 名(本籍) 学 位 の 種 類 学 位 記 番 号 学位授与年月 日 学位授与の要件 研究科及び専攻 研究指導を受けた大学 学 位 論 文 題 目 審 査 委 員 (21) 中 村 道一子(石川県) 博士(獣医) 獣医博甲第161号 平成16ニ年3月15日 学位規則第4条第1項該当 連合獣医学研究科 獣医学専攻 岩手大学 犬の同種凍結神経移植による機能再建 主査 岩 手 大 学 教 授 副査 帯広畜産大学 教 授 副査 岩 手 大 学 教 授 副査 東京農工大学 教 授 副査 岐阜大 学 教 授 雄 数 久 久 郎 茂 昌 善 義泰 村 藤 根 閉 原 西 内 山 阿 論 文 の

コンパニオンアニマルの獣医療では、偶発的な外傷や腫瘍切除に伴い末梢神経に広範

・囲な欠損が生じる場合があり、これ!こ伴って神経の機能障専が生じる。このような神経

障害の治療法として同種凍結神経移植が有用であると考えられる。この移植法は多くの

動物嘩で免疫抑制剤を使用せずに軸索再生と髄鞘形成に成功しており、恵子顕微鏡下で

末梢神経の修復を形態学的に確罷している。本研究では、犬の末梢神経の広範囲な欠損

に対して同種凍結神経移植を臨床応用することを目指しているが、この移植払は獣医療

に梅原応用するための検討が十分になされていない。そこ,で、`本研究では犬に同種凍結

神経移植を応用するための基礎.的な知見を待ることを目的とした。 第二章では、春性腫瘍の転移や末梢神経腫瘍の外科的切除によって欠損することが予

測される犬の腕神経叢に着目し、他の個体から得た腕神経叢が同種凍結神経移植の移掩

片として利用可能であるかどうかを評価するために、・ピー、グル犬の腕神経叢の分岐パタ ーンの形態変異を調査した。その結果、特記すべき起始の変異は横隔神経、筋皮神経、

胸背神経を除く全神経で認められなやった。▲形態変異のある.四?ゐ交通枝が認められた

が、移植の際には支障がない程度甲ものであった。従来からの生理学的および解剖学的

知見を考慮すると、機能回復のために接合すべき最も重要な神経は境骨神経であり、筋

皮神経と正中神経、尺骨神経も可能であれば接合すべきであると考えられた。_以上の結

果より、同種凍結神経移植はピーグル大の腕神経叢に関して移植片として有効であると

考えられキ●。

第三章では、基礎的な研究としてラットの坐骨神経に同種凍結神経移植を実施し、機 能回復の程度を臨床的に評価した。神経移植3■ヵ月後、同種凍結神経移植と自家神経移

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ー270-植を実施したラットの多くでは機能回復は不十分であった。同嘩凍結神経移植では生き

たシュワン細胞を痔たないため軸索再生の程度が自家神経移植と比率して劣ると予測さ

れたが、機能回復に差は認められなかった。これは、自家神経移植の際に収縮した移植

片を使用したことに伴う縫合部の張力や技術的な困難さが原因であると考えられた。こ

のため、同種凍結神経移植は自家神経移植と同様に機能回復に有効であることが明らか となった。さらに、自家神経移植では縫合部に張力がかかるような場合には、同種凍結 神経移植の方がより有効であることが示唆された。

第四章では、軸索再生促準のための促進因子として自家のシュワン細胞を併用するた

めに、成熟ラットの末梢神経から効率的にシュワン細胞を培養する四つの方法について

比較した。また、培養シュワン細胞と同種凍結神経移植との併用方法についても評価し た。その結果、CaIder6n-Martinezらが報告している方法の変法が効率的に自家のシュワ ン細胞を得る方法として最適であることが判明した。具体的には、成熟ラットから得た 坐骨神経から神経上膜を除去し、細切した。次にexp】antを10%の牛胎児血清の添加し たDu]becco-smodifiedEagle.smediumの入った培養ディッシュで14日間培養を行った。

Explantを酵素処理し、次に機械的にすりつぶした。細胞をpoly心Iysineでコーティング

した培養用ディッシュに播いた。次に抗有糸分裂薬であるcytosinearabino?ideのpuJsed app]icationを実施し、線維芽細胞を除去した。Cytosinearabinosideの処理後、アデニール 酸シクラーゼ活性剤である■餌skolinを使用し、シュワン細胞を選択的に増殖させた。さ らに、シリンジを用いて培養シュワン細胞を注入する方法が同種凍結神経移植と自家シ ュワン細胞の併用方法として最適であることが判明した。 第玉章では、第四章で有効と考えられたCalder6n-Martinezらが報告している方法の変 法が成熟ピーグル犬でも利用可能であるかどうかを評価するために、成熟ピーグル犬を

用いてシュワン細胞の培衰を実施した。その結呆、3cmの坐骨神経から約4×107個の細

胞が得られ」シュワン細胞の純度は約90%であらた。以上の結果から、これらの方法が 犬でも有用であることが明らかとなった。 第六章では、この移植方法の臨床応用の可能性を評価するために、伏在神経から培養 した自家のシュワン細胞を併用した同種凍結神経移植■を3頭のど」グル犬に実施した。 その結果、1頸の犬では移植17週目で手根関節の最小屈曲角度によって評価した機能回 復が観察された。しかし」移植後3、10週目の犬では機能回復は認められなかった。伏

在神経や境骨神経深枝の切除後、自噴などの臨床的な合併症は認められなかった。今後

は組織学的な軸索再生の証明や生理学的な機能回復の評価を実施する必要があるが、本 移植法が大の神経の欠損を修復し、神経機能を回復させるために有効であることが示唆 された。 結論として、腕神経叢に適用することが可能であること、自家神経移植では縫合部位 に過度の張力がかかる症例に利用が可能である土と、培養自家シュワン細胞を併用する ことが可能であることなどの利点を有していることから、同種凍結神経移植は犬の神経 欠損を修復し、機能を回復させるために、臨床的に有用であることが考えられた。

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審 査 結 果 の 要 旨 申締着は犬猫の偶発的な外傷や腫瘍切除に伴う神経の機能障害を鑑み、その治療韓として同種

凍結神経移植帥)が多くの動物種で免疫抑制剤を痩用せずに軸索再生と髄鞘形成が電子顕微

鏡下で確認されていることに着目した。卒研究は、犬の末梢神経の広範囲な欠掛こ対する棚Gの

臨床応用を、目指しているが、獣医療に応用するための検討が十分になされていため、・犬にn研Gを

応用するための基礎的な知見を得ることを目的として行われた。 1.腫瘍切除等によって欠損するこ七が予測される腕神経叢に着目・し、∴・腕神経草へのⅦ応用 の可能性を評価するために、くど「グル犬の腕神経叢の分岐バク∵ンの形態変異を嗣づた。その結

果、形態変異のある交通枝が霞められたが、移植の際には支障がない程度のものであった。この

ことは、蝕馴まピーグル犬の腕神経叢に関して応用が可能であることを示唆した 2.ラットの坐骨神経にFANGを実施し、機能回復を臨床的に評価した。移植3カ月後、:ⅠⅦ唱と

自家神経移植を実施したラットの多くでは機能回復の候向が認められた。棚Gは軸索再隼が自家

神経移植より劣ると予測されたが、両群に大きな差は認めら丸なかった。これは自家移植の際に

収縮した移植片の使用に伴う接合部の張力等が原因であると考察した。このため、自家移植セは 接合部に張力がかかるような場合には、WGが有効である可能性を示唆した。 3・■軸索再生の促進因子とし.て自家シュワン細胞(SC)を併用するために、成熟ラット末梢神 経から効率的にSCを培養する方法および培養SCとFANGとの併用法について検討した。その結果、 Calder6n」血rt血ezらの方法を一部改変したものが効率的にSCを得る方放として最適であった。 即ち、eXplantを作製して培養し、酵素処理および機械的換作後、細胞をディッシュに播いた。次 にcytosinearabinosideのpulsedapplicationを実施し、線維芽細胞を除草、その後forskolin

を使用し、◆scを選由的に増殖させた。さらに、シリンジで培養SCを注入する方法がFANGとの併

用法として有用であることを明らかにした。 4.上紀3で有効とされたSC培姜法の犬における応用性を評価するために、ピーグル犬の坐骨 神経を用いて培養を実施した。その結果、3.馳の坐骨神経から約tlOT個の細胞が得られ、SCの純 度は約90%であった。この結果から、これらの方汝が犬でも有用であることが判明した。 ・5.臨床応用の可能性を評価するために、自家SCを併用した肌をピーグル犬に実施した。 移植後17週目で運動機能を評価した犬では機能回復が観察された。肌後、臨床的な合併症は認

められなかった。今準は組練学的、生理学的な評価が求められるが、本浜が犬の神経欠損部を修

復し、機能回復させるために有効であることを示唆した。 以上の結果から、腕神経半への適用性、自家移植では接合部位に過度の張力負荷が予測される

症例に対する利用性、培養した自家∝の併用性などの利点、および犬の実験的神経欠損で機能回

復の僚向が静められたことから、肌は犬の神経欠損を修復し、機能回復させるために臨床的に 有用であることを示唆した。 -272一

(5)

以上について、審査委員全員一致で本論文が岐阜大学大学院連合獣医学研究科の学位論文とし

で十分価値があると静めたb

基礎となる学術論文

1)題 目.:・Wo画0logicalVariationsofBrachialPlexusin・B由塵1eDogs:Evaluationof

Utility■a$SourCeS OfAllogeneic Nerve Grafts

著・音名:■帆船払■',-■'・・軋畑Ⅰ訓払,軋・,肌,且-ahd馳肌S. L学術雑誌名f TheJbtmalofVeterinaryMedicalScience

参照

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